説明

レーダ処理装置

【課題】信号処理に最大限の処理時間を費やせるレーダ処理装置を得る。
【解決手段】観測諸元を管理してレーダによる観測を制御する観測制御部1と、複数の追尾処理単位の情報を格納する追尾処理データベース4と、受信信号を信号処理する信号処理部2と、目標の追尾処理を行う追尾処理部3と、観測緒元に基き、追尾処理データベース4から対象とする追尾処理単位の情報を取り出して追尾処理単位の処理時間の上限値を算出し、算出した追尾処理単位の処理時間の上限値及び観測諸元を出力する追尾処理負荷予測部5と、予め設定されているレーダが電波を受信してから追尾結果を出力するまでの時間の上限値から、前記追尾処理単位の処理時間の上限値を引いて信号処理に費やせる処理時間を算出し、算出した信号処理の処理時間及び前記観測緒元に基づいて、信号処理の処理時間を規定するパラメータを変更して信号処理部2へ出力する信号処理内容変更部6とを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電波などを用いて目標を検出して探知し、追尾を行うレーダ処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
レーダ処理装置は、アンテナで受信されたレーダ受信信号を信号処理することにより、目標に相当する信号の検出及び探知を行い、その目標探知された信号に基づいて目標の追尾処理を行うものである。アンテナから受信されてから追尾処理結果を出すまでの一連の処理は、例えば、次のスキャンまでなどのように、一定時間以内で処理されなければならない、いわゆるリアルタイム処理である。
【0003】
これら信号処理及び追尾処理の処理負荷は、観測モードだけでなく、目標数、天候、電波状況により変動する。特に、追尾処理の場合は、目標数によって著しく処理負荷が変ってくる。このように、レーダ処理装置は、処理負荷が大きい時も小さい時もあるが、最大処理負荷の時でもリアルタイム処理を保証するためには、処理装置の規模がどうしても大きくなってしまう。
【0004】
そこで、処理装置の処理負荷を観測して、その処理負荷に基づいて後続のレーダ信号データに対する処理の内容を変更する手法が提案されている。すなわち、処理負荷が低い時には処理負荷が高くなっても構わないので後続の処理を詳細に行い、処理負荷が高い時には処理負荷をより高めないように大まかに行うようにする。
【0005】
特許文献1では、レーダ信号入力(バッファメモリ)、目標検出部(信号処理部)、データ処理部(追尾処理部)の各処理の処理負荷の状況を常に監視、観測して、特定の処理の処理負荷が増大した時は、その処理に応じて予め定めた手法でデータを間引いて処理負荷を軽減させることが開示されている。
【0006】
また、特許文献2では、CPUの処理負荷率を観測して、計算機余剰量、すなわち信号処理に費やせる処理時間を求め、予め用意されたテーブルからその処理時間を掛けられるレーダパラメータを求めて、それをレーダ装置に適用することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−337883号公報
【特許文献2】特開2006−329669号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】佐藤裕幸、尾崎敦夫:「並列処理環境における消費電力量低減化方式の評価」、情報処理学会研究報告、2007−ARC−174、2007
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1では、信号処理と追尾処理の個別に処理負荷を観測して、それぞれの処理負荷に応じて処理内容を変更している。しかし、リアルタイム性を維持する必要があるのは、受信された個々のレーダ信号データに対する信号処理と追尾処理の両者の時間であり、信号処理、追尾処理の単独の時間ではない。例えば、追尾処理時間が短ければ、それだけ信号処理に時間を費やしてもリアルタイム性は維持できるが、特許文献1の方法では、追尾処理負荷が低くても信号処理負荷が高ければデータが間引かれる。すなわち、特許文献1の方法では、装置の処理能力に余力があってもデータを間引いてしまう場合があるという問題点があった。
【0010】
特許文献2では、費やせる処理時間に対応した処理内容(レーダパラメータ)を予め用意されたテーブルに設けているが、追尾処理の場合は、同じ処理内容であっても目標数により処理時間が異なる特性を持っているため、正確なテーブルを用意できないという問題点があった。
【0011】
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、受信されたレーダ信号データに対応する追尾処理の処理時間を予測することにより、リアルタイム性を維持できる範囲で、レーダ信号データに対する信号処理に最大限の処理時間を費やすことができるレーダ処理装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るレーダ処理装置は、受信信号の観測諸元を管理してレーダによる観測を制御する観測制御部と、複数の追尾処理単位の情報を格納する追尾処理データベースと、前記受信信号を信号処理することにより目標に相当する信号の検出及び探知を行う信号処理部と、前記信号処理部により目標探知された信号に基づいて目標の追尾処理を行うとともに、前記追尾処理データベースに格納された対応する追尾処理単位の情報を更新する追尾処理部と、前記観測制御部からの観測緒元に基づいて、前記追尾処理データベースから対象とする追尾処理単位の情報を取り出して追尾処理単位の処理時間の上限値を算出し、算出した追尾処理単位の処理時間の上限値及び前記観測諸元を出力する追尾処理負荷予測部と、予め設定されているレーダが電波を受信してからその追尾結果を出力するまでの時間の上限値から、前記追尾処理単位の処理時間の上限値を引いて信号処理に費やせる処理時間を算出し、算出した信号処理の処理時間及び前記観測緒元に基づいて、信号処理内容を変更して前記信号処理部へ出力する信号処理内容変更部とを備えるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るレーダ処理装置によれば、受信されたレーダ信号データに対応する追尾処理の処理時間を予測することにより、リアルタイム性を維持できる範囲で、レーダ信号データに対する信号処理に最大限の処理時間を費やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の実施の形態1に係るレーダ処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るレーダ処理装置の観測範囲と追尾処理単位の対応関係の例を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態3に係るレーダ処理装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明のレーダ処理装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
【0016】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係るレーダ処理装置について図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係るレーダ処理装置の構成を示すブロック図である。なお、以降では、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0017】
図1において、この発明の実施の形態1に係るレーダ処理装置は、レーダ覆域、パルス幅やパルス繰り返し間隔などの観測諸元を管理してレーダによる観測を制御する観測制御部1と、アンテナで受信された受信信号Sを信号処理することにより目標に相当する信号の検出及び探知を行う信号処理部2と、この信号処理部2により目標探知された信号に基づいて目標の追尾処理を行い追尾処理結果を出力する追尾処理部3と、各追尾処理単位の情報を保持する追尾処理データベース4と、観測制御部1から受信信号の観測諸元を受け取り、それを基に対応する追尾処理単位を特定し、その追尾処理単位の処理負荷を予測する追尾処理負荷予測部5と、追尾処理負荷予測部5により予測された追尾処理時間から信号処理に費やせる処理時間を算出し、その時間に応じて信号処理内容を変更する信号処理内容変更部6とが設けられている。
【0018】
つぎに、この実施の形態1に係るレーダ処理装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0019】
図2は、この発明の実施の形態1に係るレーダ処理装置の観測範囲と追尾処理単位の対応関係の例を示す図である。
【0020】
追尾処理の処理方法に関しては、非特許文献1に示されている。非特許文献1の3.1章によると、追尾処理を行う処理単位は、目標の次観測時の予測位置であるゲートが重なり合っている航跡の集合であるクラスタである。このクラスタは、空間的な範囲を示している。
【0021】
追尾処理データベース4には、追尾処理の単位、すなわちクラスタ毎に、クラスタの空間的な範囲、クラスタ内の対象目標数、クラスタの処理時間の最近の平均値が格納されている。
【0022】
追尾処理負荷予測部5は、観測制御部1から受信された受信信号Sに対応する観測緒元情報を入力し、ビームの覆域(観測範囲)を得て、その観測範囲情報で追尾処理データベース4に格納されている追尾処理単位の情報を検索する。
【0023】
図2に示すように、A―1〜A−7がビームの覆域(観測範囲)で、B−1〜B−7がクラスタ(追尾処理単位)である。
【0024】
図2(a)は、1つの観測範囲に3つの追尾処理単位が対応している例、同図(b)は、3つの観測範囲に1つの追尾処理単位が対応している例、同図(c)は、3つの観測範囲に3つの追尾処理単位が対応している例である。
【0025】
追尾処理負荷予測部5は、追尾処理データベース4を検索した結果、観測範囲と追尾処理単位の対応関係が図2(a)のようになっている場合は、直ちに対応する追尾処理単位B−1、B−2、B−3の処理時間予測を行う。
【0026】
また、観測範囲と追尾処理単位の対応関係が図2(b)のようになっている場合は、追尾処理負荷予測部5は、追尾処理単位の範囲が全て含まれる観測範囲A−2、A−3、A−4に対応する受信信号が入力されるまで待った後に、追尾処理単位B−4の処理時間予測を行う。
【0027】
さらに、観測範囲と追尾処理単位の対応関係が図2(c)のようになっている場合は、追尾処理負荷予測部5は、まず追尾処理単位B−5の処理時間予測を行い、観測範囲A−6、A−7に対応する受信信号が入力されるまで待った後に、追尾処理単位B−6、B−7の処理時間予測を行う。
【0028】
次に、追尾処理単位の処理時間予測について説明する。
【0029】
非特許文献1の3.2章によると、追尾処理の処理時間は、負荷予測値である「航跡数(対象目標数)×相関探知データ数」と、追尾処理の処理時間の最近の平均値から求めることが可能であると示されている。ここで、対象目標数と処理時間の最近の平均値は追尾処理データベース4から得ることができるが、相関探知データ数は信号処理の結果である探知された目標データから得られるものであり、信号処理を行う前には分からない。しかし、探知される目標のデータ数には上限があるので、追尾処理時間の上限値を予測することは可能である。
【0030】
追尾処理負荷予測部5は、追尾処理データベース4から対象とする追尾処理単位の対象目標数、処理時間の最近の平均値を取り出し、対象とする追尾処理単位の処理時間の上限値を算出する。そして、その算出した追尾処理単位の処理時間の上限値と、観測制御部1から送られた受信信号Sに対応する観測諸元を信号処理内容変更部6へ送る。
【0031】
信号処理内容変更部6は、予め設定されているレーダが電波を受信してからその追尾結果を出力するまでの時間の上限値(リアルタイム処理のための制限時間)から、追尾処理負荷予測部5から送られた追尾処理時間の上限値を引くことにより、このレーダ受信データの信号処理に費やせる処理時間とする。そして、その値と追尾処理負荷予測部5から送られた観測諸元を基にして、信号処理の処理時間を規定するパラメータを変更し、信号処理部2にそのパラメータを送る。
【0032】
この信号処理の処理時間を規定するパラメータには、例えば、目標検出を行う際の信号強度の閾値、検出を行う目標数などの単純な数値だけでなく、信号処理の処理時間の異なるアルゴリズムを複数用意しておき、そのアルゴリズム自身をパラメータとしても良い。処理時間を要するパラメータを選択する方が信号処理の精度は良くなる。信号処理の場合は追尾処理とは異なり、目標数、天候、電波状況などによる処理時間の変動が少ない。従って、信号処理の処理時間の予測は比較的正確に行えるので、所望の処理時間になるように信号処理のパラメータを変更することも容易に行える。
【0033】
信号処理部2は、信号処理内容変更部6により変更されたパラメータで受信信号Sを信号処理することにより目標に相当する信号の検出及び探知を行い、その結果を追尾処理部3へ送る。
【0034】
追尾処理部3は、信号処理部2から送られた信号処理結果である探知データ群を受け取り、その探知データ群の位置情報で追尾処理データベース4に格納されている追尾処理単位の情報を検索し、その追尾処理単位に対して目標の追尾処理を行う。そして、追尾処理結果を出力すると共に、追尾処理データベース4の対応する追尾処理単位の空間的な範囲、対象目標数、処理時間の最近の平均値を更新する。
【0035】
この実施の形態1に係るレーダ処理装置は、これから処理するレーダ信号データに対応する追尾処理の処理時間を予測して、リアルタイム性を維持できる範囲で、そのレーダ信号データに対応する信号処理に最大限の処理時間を費やすよう信号処理の処理時間を規定するパラメータを変更しているので、精度の高い信号処理ができるという効果がある。また、対象目標数が少ない状況においては追尾処理時間が短くなるので、その分信号処理に処理時間を掛けられるようになるので、通常処理では検出、検知できない目標を検出、検知できるようになるという効果がある。
【0036】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係るレーダ処理装置について説明する。
【0037】
この発明の実施の形態2に係るレーダ処理装置は、上記の実施の形態1に係るレーダ処理装置と比べて信号処理内容変更部6の動作(処理内容)が異なっており、それ以外は同様であるので説明を省略する。
【0038】
上記の実施の形態1の信号処理内容変更部6では、信号処理に費やせる処理時間と観測諸元を基にして、信号処理の処理時間を規定するパラメータを変更していた。一方、この実施の形態2の信号処理内容変更部6では、信号処理の処理精度を規定するパラメータを変更する。
【0039】
この信号処理の処理精度を規定するパラメータには、例えば、信号データの処理装置内形式が考えられる。この処理装置内形式に、固定小数点、単精度浮動小数点、及び倍精度浮動小数点の3種類用意しておき、それらを切り替える。固定小数点の場合には、処理時間は短いが処理精度は悪い。逆に、倍精度浮動小数点の場合には、処理時間は長いが処理精度は良い。信号処理内容変更部6は、所望の処理時間になるように信号データの処理装置内形式を選択し、その形式の情報を信号処理部2へ送る。そして、信号処理部2は、その処理装置内形式を用いて、上記の実施の形態1と同様に処理する。
【0040】
この実施の形態2に係るレーダ処理装置は、これから処理するレーダ信号データに対応する追尾処理の処理時間を予測して、リアルタイム性を維持できる範囲で、そのレーダ信号データに対応する信号処理に最大限の処理時間を費やすよう信号処理の処理精度を規定するパラメータを変更しているので、精度の高い信号処理ができるという効果がある。また、対象目標数が少ない状況においては追尾処理時間が短くなるので、その分信号処理に処理時間を掛けて処理精度を上げられるようになるので、通常処理では検出、検知できない目標を検出、検知できるようになるという効果がある。
【0041】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係るレーダ処理装置について図3を参照しながら説明する。図3は、この発明の実施の形態3に係るレーダ処理装置の構成を示すブロック図である。
【0042】
図3において、この発明の実施の形態3に係るレーダ処理装置は、信号処理内容変更部6の代わりに、追尾処理負荷予測部5により予測された追尾処理時間から信号処理に費やせる処理時間を算出し、その時間に応じてレーダの観測諸元パラメータを変更する観測諸元変更部7を設け、それ以外は同様であるので説明を省略する。
【0043】
上記の実施の形態1及び実施の形態2の信号処理内容変更部6では、予め設定されているレーダが電波を受信してからその追尾結果を出力するまでの時間の上限値(リアルタイム処理のための制限時間)から、追尾処理負荷予測部5から送られた追尾処理時間の上限値を引くことにより、このレーダ受信データの信号処理に費やせる処理時間を算出し、その値と観測諸元を基にして、信号処理の処理時間を規定するパラメータ、あるいは信号処理の処理精度を規定するパラメータを変更していた。一方、この実施の形態3の観測諸元変更部7は、レーダの観測緒元パラメータを変更する。
【0044】
観測諸元変更部7は、予め設定されているレーダが電波を受信してからその追尾結果を出力するまでの時間の上限値(リアルタイム処理のための制限時間)から、追尾処理負荷予測部5から送られた追尾処理時間の上限値を引くことにより、このレーダ受信データの信号処理に費やせる処理時間を算出し、その値を基にして、レーダの観測緒元パラメータを変更し、観測制御部1にそのパラメータを送る。
【0045】
このレーダの観測諸元パラメータには、例えば、パルス・レーダやパルスドップラ・レーダの場合のパルス幅やパルス繰り返し間隔がある。これらの観測諸元パラメータの値によって、受信データに対する信号処理の処理時間は変動するが、目標数、天候、電波状況などによる処理時間の変動は少ないため、処理時間の予測は可能である。従って、所望の処理時間になるように観測諸元のパラメータを変更することも容易に行える。パルス幅を小さくしたり、パルス繰り返し間隔を短くしたりすれば信号処理の処理時間は長くなるが、処理精度は良くなる。
【0046】
信号処理部2は、受信信号Sを信号処理することにより目標に相当する信号の検出及び探知を行い、その結果を追尾処理部3へ送る。この追尾処理部3の動作は、上記の実施の形態1及び実施の形態2と同様である。観測制御部1は、観測諸元変更部7から送られた観測諸元パラメータにより、次回以降のレーダ観測を行う。
【0047】
この実施の形態3に係るレーダ処理装置は、これから処理するレーダ信号データに対応する追尾処理の処理時間を予測して、リアルタイム性を維持できる範囲で、信号処理に最大限の処理時間を費やせるよう観測諸元のパラメータを変更しているので、次回以降のレーダ観測において精度の高いレーダ観測ができるという効果がある。また、対象目標数が少ない状況においては追尾処理時間が短くなるので、その分信号処理に処理時間を掛けたレーダ観測ができるようになるので、通常の観測では検出、検知できない目標を検出、検知できるようになるという効果がある。
【符号の説明】
【0048】
1 観測制御部、2 信号処理部、3 追尾処理部、4 追尾処理データベース、5 追尾処理負荷予測部、6 信号処理内容変更部、7 観測諸元変更部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信信号の観測諸元を管理してレーダによる観測を制御する観測制御部と、
複数の追尾処理単位の情報を格納する追尾処理データベースと、
前記受信信号を信号処理することにより目標に相当する信号の検出及び探知を行う信号処理部と、
前記信号処理部により目標探知された信号に基づいて目標の追尾処理を行うとともに、前記追尾処理データベースに格納された対応する追尾処理単位の情報を更新する追尾処理部と、
前記観測制御部からの観測緒元に基づいて、前記追尾処理データベースから対象とする追尾処理単位の情報を取り出して追尾処理単位の処理時間の上限値を算出し、算出した追尾処理単位の処理時間の上限値及び前記観測諸元を出力する追尾処理負荷予測部と、
予め設定されているレーダが電波を受信してからその追尾結果を出力するまでの時間の上限値から、前記追尾処理単位の処理時間の上限値を引いて信号処理に費やせる処理時間を算出し、算出した信号処理の処理時間及び前記観測緒元に基づいて、信号処理内容を変更して前記信号処理部へ出力する信号処理内容変更部と
を備えたことを特徴とするレーダ処理装置。
【請求項2】
前記信号処理内容変更部は、信号処理の処理時間を規定するパラメータを変更する
ことを特徴とする請求項1記載のレーダ処理装置。
【請求項3】
前記信号処理内容変更部は、信号処理の処理精度を規定するパラメータを変更する
ことを特徴とする請求項1記載のレーダ処理装置。
【請求項4】
受信信号の観測諸元を管理してレーダによる観測を制御する観測制御部と、
複数の追尾処理単位の情報を格納する追尾処理データベースと、
前記受信信号を信号処理することにより目標に相当する信号の検出及び探知を行う信号処理部と、
前記信号処理部により目標探知された信号に基づいて目標の追尾処理を行うとともに、前記追尾処理データベースに格納された対応する追尾処理単位の情報を更新する追尾処理部と、
前記観測制御部からの観測緒元に基づいて、前記追尾処理データベースから対象とする追尾処理単位の情報を取り出して追尾処理単位の処理時間の上限値を算出し、算出した追尾処理単位の処理時間の上限値及び前記観測諸元を出力する追尾処理負荷予測部と、
予め設定されているレーダが電波を受信してからその追尾結果を出力するまでの時間の上限値から、前記追尾処理単位の処理時間の上限値を引いて信号処理に費やせる処理時間を算出し、算出した信号処理の処理時間に基づいて、観測緒元パラメータを変更して前記観測制御部へ出力する観測諸元変更部と
を備えたことを特徴とするレーダ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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