説明

レーダ型探査装置

【課題】 同一範疇の探査領域に複数のターゲットが存在する場合において、これらのターゲットの全てを探査することを可能にしたレーダ型探査装置を提供すること。
【解決手段】 送信アンテナ10により送信され、ターゲットにより反射された反射波が受信アンテナ11によって受信される。受信アンテナ11による受信信号は、STC回路26および電圧制御抵抗素子29を含むレベル制御手段により利得調整がなされる。受信アンテナ11による受信信号の受信期間内において、前記レベル制御手段によるレベル制御を不能にする非受信ウインドウを設定することにより、送受信アンテナからの探査距離を限定した形でターゲットを探査するように動作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば地雷等のような地中埋設物を探査することができる地中レーダ、もしくは気中レーダにも応用することができ、特に同一範疇の探査領域に複数のターゲットが存在する場合において、これらのターゲットの全てを探査することを可能にしたレーダ型探査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、対人地雷に代表される地雷が世界中の紛争地域で使用され、紛争終結後においても多数が地中に埋設されたままとなっており、これらの探査および除去は困難をきわめている。地中に埋設された地雷の探索方法としては、金属探知器を利用する方法が主流であるが、前記した対人地雷の多くは金属以外の素材、例えばプラスチックが利用されており、対人地雷を金属探知器のみで探知することは困難な場合が多い。
【0003】
そこで、送信アンテナからのマイクロ波を地中に伝播させて、その反射波を受信アンテナで検出し、検出された反射波を画像処理することで、対象物の有無およびその埋設位置(距離)を検証しようとする地中レーダの提案が多数なされており、例えば次に示す特許文献1〜3等に開示されている。
【特許文献1】特開平5−142343号公報
【特許文献2】特開2002−228760号公報
【特許文献3】特開2002−228599号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種のレーダ型探査装置においては、ターゲットとしての前記した地雷の主要な素材が金属であるかプラスチックであるかによって、その比誘電率が大きく異なるために、送信マイクロ波の周波数を対象物に応じて選択しなければならないという問題が発生する。
【0005】
換言すれば、金属を対象とした専用の地中レーダ、および前記したプラスチックを対象とした専用の地中レーダを用意し、これらを使い分けなければならない。したがって、きわめて非能率的な探査作業を余儀なくされるだけでなく、それぞれ専用の探査装置を用意することによる経済的な負担も抱えることになる。
【0006】
そこで、本件出願人はターゲットの性質にかかわらず、広範囲のターゲットに対して利用することができる汎用性を持たせたレーダ型探査装置を提案している。この発明は前記した構成の探査装置に対して好適に採用することができ、特に送信アンテナからの探査用マイクロ波が投射される同一範疇の探査領域に複数のターゲットが存在する場合において、これらのターゲットの全てを探査することを可能にしたレーダ型探査装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した課題を解決するためになされたこの発明にかかるレーダ型探査装置は、スキャン信号発生部より生成されるランプ信号を変調波として、キャリア信号発生部より生成されるキャリア信号を位相変調させる位相変調手段と、前記ランプ信号により位相変調された前記キャリア信号の立上がりもしくは立下がりのタイミングにおいてマイクロ波信号を送信する送信アンテナと、前記送信アンテナによって送信されたマイクロ波信号の反射信号を受信する受信アンテナと、前記送信アンテナより送信されるマイクロ波信号の位相変調成分と受信アンテナにより受信される反射波の位相変調成分との間の位相の変化分を取得することができる位相変化分取得手段と、前記位相変化分取得手段により得られるアナログ出力のレベルを制御するレベル制御手段とが具備され、前記スキャン信号発生部より得られるランプ信号の時間経過に対応する波高値に基づいて、前記アナログ出力のレベルを制御するとともに、前記ランプ信号の周期内における特定の期間内において前記レベル制御を不能にする非受信ウインドウを設定することができるように構成した点に特徴を有する。
【0008】
この場合、好ましい実施の形態においては、前記した非受信ウインドウを設定する手段は前記レベル制御手段による前記アナログ出力のレベルを強制的に減衰状態に制御する構成になされる。
【0009】
また、前記非受信ウインドウは、前記キャリア信号およびランプ信号を生成するための基準信号もしくはこれに同期する信号をカウントするカウンタ手段により設定されるように構成されることが望ましい。
【0010】
これに加えて、前記キャリア信号発生部におけるキャリア信号およびスキャン信号発生部におけるランプ信号は、基準信号発生部からの基準信号をそれぞれ分周した分周出力に基づいて生成されるように構成される。
【0011】
そして、この発明にかかるレーダ型探査装置においては、好ましくは前記したランプ信号により位相変調されたキャリア信号の立下がりもしくは立上がりを、より急峻な形態に波形整形する波形整形手段をさらに具備し、前記波形整形手段によって得られる高次高調波を含むマイクロ波信号を、前記送信アンテナにより送信するように構成される。
【発明の効果】
【0012】
前記したレーダ型探査装置によると、スキャン信号発生部より生成されるランプ信号を変調波として、キャリア信号発生部より生成されるキャリア信号を位相変調させるように構成される。そして、ランプ信号により位相変調された前記キャリア信号の例えば立下がりのタイミングにおいてマイクロ波信号が送信アンテナより送信されるようになされる。
【0013】
また、受信アンテナによる反射信号は、前記ランプ信号と前記キャリア信号とに基づいて生成されるゲートパルス信号の出力タイミングによって取り込まれる。さらに前記受信アンテナにより得られる反射信号成分は、前記ランプ信号の波高値によって制御されるレベル制御手段により制御される。
【0014】
この場合、前記ランプ信号の周期内における特定の期間内において、前記レベル制御手段による制御を不能にする非受信ウインドウを設定することで、送受信アンテナから特定の距離(深さ)に存在するターゲットのみを探査することが可能となる。したがって、手前のターゲットに隠れてより遠い(深い)位置に存在するターゲットも確実に探査することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明にかかるレーダ型探査装置について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。図1は前記探査装置の全体構成をブロック図によって示したものである。この図1に示す探査装置の主要部は、好ましくはASIC(Application Specific Integlated Circuit)により構成され、○印で示す端子は図示せぬCPU(Central Processing Unit)、もしくは外付けの回路との間の入出力端子を示している。
【0016】
この探査装置においては、例えばクリスタルを用いた基準信号発生部1が具備されており、この基準信号発生部1からの基準信号は前記CPUにおける基準クロック信号として利用されるとともに、第1の分周器2により分周されて、キャリア信号発生部3に供給される。このキャリア信号発生部3においては、第1の分周器2からの分周出力により、例えば2MHz〜5MHzの矩形波信号が生成されるが、この実施の形態においてはキャリア信号発生部3からは2MHzの矩形波信号が生成されることを前提として説明する。
【0017】
一方、前記した第1の分周器2による出力は第2の分周器4に供給され、この第2の分周器4による出力は、スキャン信号発生部5および同期信号生成部6に供給される。ここで、図2(a)は前記したキャリア信号発生部3より出力される矩形状のキャリア信号を示しており、図2(b)は前記したスキャン信号発生部5より出力されるスキャン信号を示している。このスキャン信号は前記した第2の分周器4より出力される矩形波信号を利用して階段状の鋸歯状波(ランプ信号)を生成するものであり、したがってこのスキャン信号発生部5は、ランプ(Rump)信号生成手段と呼ぶこともできる。
【0018】
前記スキャン信号発生部5より出力される図2(b)に示すスキャン信号(階段状の鋸歯状波)は、図1に示すローパスフィルタ7を介することにより、図2(b)に細い実線で示したように、そのレベルがリニアに変化するランプ信号に変換される。このランプ信号の周波数は、例えば40Hz〜80Hz程度に設定されることが望ましいが、この実施の形態においては、40Hzのランプ信号が生成されることを前提として説明する。
【0019】
一方、前記した同期信号生成部6においては、前記した第2の分周器4より出力される矩形波信号を利用して同期信号を生成するものであり、これは好ましくは前記したランプ信号の周波数に同期した40Hzの矩形波信号が出力されるように構成されている。この同期信号は、後述するデータ出力端子32から出力されるアナログデータ信号とともに外付けの処理回路において利用される。
【0020】
そして、前記した第1と第2の分周器2,4における各分周率、前記したスキャン信号発生部5および同期信号生成部6によって生成されるランプ信号および同期信号のそれぞれの周波数等は、前記したCPUからの指令により適宜変更することができるように構成されている。
【0021】
なお、図2(a)に示したキャリア信号と図2(b)に示したランプ信号の周波数は、前記したとおり大きな差があり、したがって、図2(a)および(b)に示す各信号波形における周期の時間軸は同一ではない。この実施の形態においては、前記したキャリア信号およびスキャン信号の二つの信号を用いて、後述するように送信タイミング、受信タイミング、およびSTC回路の動作等のすべてを制御することになる。
【0022】
図1に示すように、ローパスフィルタ7を介して出力されるランプ信号は、前記したキャリア信号発生部3より出力されるキャリア信号をランプ信号によりレベルシフトするように動作する。これにより、キャリア信号はランプ信号により位相変調を受ける。すなわち、ローパスフィルタ7の出力端と、キャリア信号発生部3の出力端の交点Aが、実質的にランプ信号によるキャリア信号の位相変調手段を構成している。図2(c)には、前記ランプ信号により位相変調を受けたキャリア信号の状態を模式的に示しており、2MHzのキャリア信号は、40Hzのランプ信号のレベルに応じて、その位相遅れの度合いが変化する位相変調を受ける。
【0023】
なお、図2(c)においては実線で示した矢印の間隔がキャリア信号の半周期を示しており、破線で示した矢印の間隔が例えば最大の位相変調を受けた時のキャリア信号の半周期の時間的な位置を例示している。なお、図2(c)に示したキャリア信号は紙面に描く便宜上、図2(a)に示したキャリア信号に対して遥かに大きな周期に描かれているが、両者の周期(周波数)は、同一である。
【0024】
図1に戻り、ランプ信号により位相変調を受けた前記キャリア信号は、波形整形手段としての波形整形回路8に供給されるように構成されている。この波形整形回路8の具体的な構成および作用については後で詳細に説明するが、この実施の形態においては波形整形回路8は、位相変調されたキャリア信号の立上がりを鈍らせ、立下がりを加速(急峻に)させる波形整形処理を実行する。これにより、位相変調されたキャリア信号の立下がりのタイミングにおいてキャリア信号の奇数次を含む高次高調波が発生する。
【0025】
そして、波形整形回路8によって生成される高調波出力は、200MHz以上のマイクロ波を増幅する送信アンプ9によって電流増幅され、送信用キャビティアンテナ10に給電される。したがって送信用キャビティアンテナ10からは、位相変調されたキャリア信号の立下がりのタイミングにおいて発生する高調波が送信信号として送信され、これが前記キャビティアンテナ10が対峙する地中に向かって伝播される。
【0026】
図3は主に前記した波形整形回路8の構成例を示したものであり、図4は図3に示す波形整形回路の作用を説明するタイミング図である。図3に示す波形整形回路8においては、ノンポーラ型のコンデンサC1に対して放電用抵抗R1が並列接続されており、この並列接続体の一端(一次側)に前記したランプ信号により位相変調を受けたキャリア信号が供給されるように構成されている。また前記並列接続体の他端(二次側)は、npn型バイポーラトランジスタQ1のベース電極に接続されている。
【0027】
前記トランジスタQ1は、前記した送信アンプ9として機能するものであり、そのコレクタ端子に負荷抵抗R2を備え、負荷抵抗R2を介して動作電源Vccに接続されている。そして、前記コレクタ端子は前記した送信用キャビティアンテナ10に接続されている。またトランジスタQ1のエミッタ端子は回路の基準電位点であるグランドに接続されている。
【0028】
図4(a)は前記したランプ信号により位相変調を受けたキャリア信号(この波形整形回路8の説明中においては、これを単に矩形波パルスと言うこともある。)の形態を示している。また、図4(b)は波形整形後の信号、すなわちトランジスタQ1に印加されるベース電位を示し、さらに図4(c)は図4(b)に示す波形整形後の信号の一つを模式的に拡大して示したものである。なお、図4(a)に示した矩形波パルスは、図4(b)および(c)に示した波形整形後の信号との差異を明確にさせるため、その立上がりおよび立下がりに若干スロープが存在するように誇張して示している。
【0029】
ここで、図3に示す波形整形回路8には、図4(a)に示した矩形波パルスが供給される。そのパルス信号が図3に示すように、例えば0Vから5Vに立上がった場合においては、抵抗R1は矩形波パルスの波高値を減衰させた状態でトランジスタQ1のベース電極に伝達させる。一方コンデンサC1には、図3に示した極性をもって電荷が充電される。したがってコンデンサC1への充電作用により、トランジスタQ1のベース電位は入力パルスの波高値に向かって徐々に上昇する。それ故、図4(a)に示した矩形波パルスの立上がりのタイミングにおいては、図4(b)に示すようにベース電位は緩慢に上昇するように動作する。この状態を図4(c)において符号hで示している。
【0030】
時間の経過とともに前記コンデンサC1への充電作用は終了し、その両端電位は等しくなる。これにより前記ベース電位は、矩形波パルスの波高値である5Vに到達する。この状態を図4(c)において符号iで示している。
【0031】
次に、前記矩形波パルスが立下がり、5Vから0Vに変化した場合には、前記コンデンサC1を介してベース電極側に0Vの電位を瞬時に伝達させるように作用する。同時に前記コンデンサC1の両端間に接続された抵抗R1は、コンデンサC1の放電抵抗として作用し、この放電抵抗R1を介してコンデンサC1のベース電極側の端子を0V側に引き落とす動作が実行される。したがって、コンデンサC1のベース電極側の電位変化は矩形波パルスの立下がり動作よりも遥かに加速され、その立下がり波形はより急峻となるように波形整形される。このような動作が実行される前記コンデンサは、スピードアップコンデンサとも言われている。
【0032】
したがって、矩形波パルスの立下がりのタイミングにおいて、キャリア信号である2MHzを基本波とした奇数次の高調波が多量に重畳された高次高調波信号が発生する。この状態を図4(c)において符号jで示している。要するに、前記した波形整形回路8を構成する前記コンデンサC1と抵抗R1は、2MHzの周波数に対応する周期内において、前記したチャージ(充電)およびディスチャージ(放電)の繰り返し動作がなされるように時定数が設定されている。
【0033】
前記した図4(c)に示す信号波形は、送信アンプ9として機能するトランジスタQ1のベース電極に加えられる。したがって、図4(c)に示す信号波形において、符号hで示されたように緩慢に電位が上昇する期間においては、トランジスタQ1のスレッショルド電圧に達した時にトランジスタQ1はオン動作する。そして、図4(c)における符号iで示す状態から符号jに示す状態に至った時に、瞬時にして高調波信号がベース電極に印加され、そのコレクタ電極より前記高調波信号が電流変換されて送信用キャビティアンテナ10に給電される。
【0034】
なお、前記した高調波信号の出力は、すでに述べたとおり2MHzのキャリア信号を40Hzで位相変調した場合の変調されたキャリア信号の立下がりのタイミングで発生する。したがって、1秒間に200万回の高調波信号(マイクロ波)がアンテナ11より送信されることになる。しかも2MHzのキャリア信号は40Hzのランプ信号により位相変調されているために、40Hzの周期の初めの段階における高調波信号の出力間隔に比較して、40Hzの周期の終わりの段階における高調波信号の出力間隔が大きくなる。
【0035】
すなわち、前記高調波信号の出力タイミングは40Hzのスキャン周期に対応する期間内において、ランプ信号による変調度にしたがって密から粗になるように徐々に変化する動作を繰り返す。この動作については、後で説明するゲートパルス信号の生成動作の説明において詳しく述べることにする。
【0036】
前記キャビティアンテナ10においては、所定の誘電率を持った板の上に銅板が貼られた構成になされ、給電点を所定のポイントにおいて、高周波電流が前記アンプ9より流される。前記高周波信号はきわめて大きな歪みを含んだものであるが、リニア系の前記アンプ9を介してキャビティアンテナ10に給電することで、前記キャビティアンテナ10はいわゆる共鳴函として作用し、2MHzを基本波とした奇数次のサインウェーブを含んだマイクロ波がアンテナ10より送信されることになる。この場合、前記アンテナ10から送信される例えば200MHz〜2GHzの範囲のすべての周波数は、それぞれ前記した40Hzの変調が加わったものとなる。
【0037】
一方、ランプ信号によって位相変調を受けた前記キャリア信号は図1に示す時間軸可変回路15に供給されて時間軸可変がなされ、さらに移相器16において位相遅延がなされる。前記時間軸可変回路15および移相器16による信号遅延手段は、例えばゲートICによる半導体ディレイ回路により構成されており、これは後述するゲートパルスにおける受信タイミング(Tx)の調整を図る目的で採用される。
【0038】
図2(d)は前記した時間軸可変回路15および移相器16による信号遅延手段によりキャリア信号の時間軸の変更および位相遅延を受けた様子を示している。なお、前記時間軸可変回路15における時間軸の可変、および移相器16における移相量は、前記したCPUからの指令により適宜変更することができるように構成されている。
【0039】
そして、前記した時間軸可変回路15および移相器16により、時間軸の変更および位相遅延を受けたキャリア信号はCPUに取り込まれ、このCPU内において信号処理されて図2(e)に示すゲートパルス信号が生成される。すなわち、この実施の形態においては、前記した時間軸可変回路15、移相器16および前記したCPU内における信号処理手段がゲートパルス信号生成手段を構成している。
【0040】
図2(e)に示されたゲートパルス信号は、図2(f)に示したように2MHzのキャリア信号の立下がりと、ランプ信号とのクロス点において出力されるように同期がとられ、このゲートパルス信号の出力タイミングTxにおいて、後述する受信ゲート回路におけるゲートを閉じ、それ以外の時間Rxにおいてはゲートを開けて受信状態となるように制御される。
【0041】
なお、前記した2MHzのキャリア信号は、前記したランプ信号のレベルに応じて位相変調されているので、結果として前記ゲートパルス信号の発生タイミングは、40Hzのスキャン周期に対応する期間内において、変調度にしたがって密から粗になるように徐々に変化する。すなわち、図2(e)に示されたゲートパルス信号Txの発生インターバルは、図2(f)に示すように、t1<t2<t3……となる。これはすでに説明したキャビティアンテナ10における高調波(マイクロ波)の出力間隔と同様になる。なお、図2(f)における矩形波は図2(a)に示すキャリア信号であり、また前記矩形波に斜めにクロスする信号は図2(b)に示すランプ信号である。
【0042】
前記CPU内による信号処理により得られる図2(e)に示すゲートパルス信号は、図1に示された受信ゲート回路18に供給される。これにより、キャビティアンテナ10において出力される高調波(マイクロ波)の出力タイミングTxにおいては受信ゲート回路18を閉じ、送信出力タイミング以外(受信状態)Rxにおいて受信ゲート回路18を開き、後述するターゲットTaによるエコー信号を受け取るように作用する。
【0043】
ここで、図5に模式的に描いたように送信用キャビティアンテナ10より送信された高次高調波を含むマイクロ波は、ターゲットTaすなわちこの説明の例においては地中に埋設された地雷に投射され、その反射波が受信用キャビティアンテナ11によって受信される。この場合、ターゲットTaの比誘電率に対応した前記高調波に含まれるいずれかの特定な周波数がターゲットTaに反応し、その特定な周波数が図5に模式的に描いたように位相が反転した状態で戻り、これが受信アンテナ11によって受信される。
【0044】
前記受信アンテナ11によって受信される前記特定な周波数信号は、反転位相のキャリア信号であり、これは前記したランプ信号により位相変調されたものである。ここでレーダの機能としては、送信波と受信反射波との間における遅延度合い、すなわち位相変化分を抽出することになる。
【0045】
そこで、前記した反転位相のキャリア信号を捕らえて、その周波数の変化分から位相変化分を抽出することは、一般的にはフーリエ変換等の手法を採用しなければならない。したがって、これを採用するには回路構成がきわめて複雑となり、また比較的強度が高い受信電波を必要とする。このように強度が高い受信電波を得るためには、必然的に送信時の出力電力を高めなければならないという問題に帰着する。
【0046】
そこで、送信時に対する受信時の位相変化分を捕らえようとした場合、前記した40Hzの中のサンプル点で位相が動いているか否かを検証すればよい。すなわち変調波形はキャリア信号と同期しているので、きわめて高い周波数であるキャリア信号を検証しなくても、40Hzの変調波形を検証することで、位相変化分を捕らえることができる。
【0047】
これには送信信号と受信信号とをそれぞれローパスフィルタを介してキャリア成分を除去し、それぞれの変調波を抽出して両者の位相の変化分を見るように構成すればよい。すなわち、送信時の変調波の位相に対する受信時の変調波(これは逆相になる)との位相のずれ分を抽出することになる。
【0048】
前記したローパスフィルタとしては、例えば50KHz程度のカットオフ周波になされたものを使用することで、前記キャリア信号を効果的に除去することができる。また、前記した位相のずれ分を抽出する手段としては、アナログ的に動作するオペアンプ(オペレーショナルアンプ)を位相変化分取得手段として利用すればよい。
【0049】
以下に説明する図1の符号18〜23で示す各構成は、前記した技術的な観点にしたがって構成されたものであり、送信波と受信反射波との間における遅延度合い、すなわち位相変化分を検証する演算手段を構成するものである。まず、前記受信ゲート回路18にはゲートG1およびG2が具備されており、このゲートG1およびG2は前記した図2(e)に示すゲートパルス信号により制御される。なお、図1に示すゲートG1およびG2の状態はゲートオープンである受信状態Rxを示しており、前記したゲートパルス信号(Tx)の到来時にはゲートG1およびG2は共にグランドに落とされてゲートクロズの状態になされる。
【0050】
前記ゲートG1には送信用キャビティアンテナ10および受信用キャビティアンテナ11の共通グランド点より、グランド点に回り込んだ送信信号、すなわちランプ信号により位相変調された高調波信号に対応する信号電圧が供給される。これは電圧増幅器19を介して第1のローパスフィルタ21に供給される。また、ゲートG2には受信用キャビティアンテナ11による受信信号に対応する信号電圧が供給される。これも電圧増幅器20を介して第2のローパスフィルタ22に供給される。
【0051】
前記各ローパスフィルタ21,22は、すでに説明したとおり例えば50KHz程度のカットオフ周波数に設定されており、したがって前記ゲートG1を介して得られる送信信号におけるキャリア信号成分は除去され、変調成分すなわち前記40Hzのスキャン信号に対応する信号波(ベースバンド信号とも言える。)を得ることができる。この信号波は前記したランプ信号により変調された信号波に対応するものである。このベースバンド信号の例が図6(a)にゼロクロス信号の態様で示されている。
【0052】
一方、受信アンテナ11で受信された受信信号は、前記したとおりゲートG2および電圧増幅器20を介してローパスフィルタ22に供給される。このローパスフィルタ22は、前記したカットオフ周波数に設定されている関係から、アンテナ11で受信されたキャリア信号成分は除去され、結果として変調成分すなわち前記スキャン信号に対応する信号波を得ることができる。この信号波はランプ信号により変調された信号波の逆相成分となる。この逆相成分の信号波の例を図6(b)に破線で示されたゼロクロス信号の態様で示している。
【0053】
ただし、図6(b)に破線で示された逆相成分の信号波は、図6(a)におけるベースバンド信号に対して遅延が生じていない状態を示したものであり、送信アンテナ10から送信されたマイクロ波がターゲットTaに投射されて反射し、受信アンテナ11に戻るまでの時間に対応した遅延が必ず生ずる。図6(b)における実線は前記したローパスフィルタ22において得られる前記ベースバンド信号に対して遅延した状態の信号波形の例を示している。
【0054】
ここで、図1に示すオペアンプによる差動増幅器23の非反転入力端には、前記図6(a)に示したベースバンド信号が供給され、また非反転入力端には図6(b)に実線で示された遅延受信信号のベースバンド成分が供給される。したがって、前記差動増幅器23は差分抽出手段として機能し、その出力端にはその差分が出力される。この差分信号は、一例として図6(c)のように示すことができ、前記したベースバンド信号の1周期に同期して、ピーク値pが発生する。
【0055】
したがって、前記ベースバンド信号の1周期の開始タイミングから、ピーク値pのセンタに至るまでの時間Tを計測することで、送信アンテナ10からターゲートTaに至り、さらにそのエコーが受信アンテナ11に到着する時間、すなわちターゲットの位置を知ることができる。また図6に示すピークpの振幅分Lは、ターゲットTaの比誘電率に対応し、高調波に含まれるいずれの周波数に反応したかの情報として捕らえることができる。すなわち、この振幅分Lを知ることにより、ターゲットTaが何であるかについて推測することができる。
【0056】
ここで、前記した送受信アンテナ10,11に対するターゲットTaの位置が遠い場合は探査の感度を高くし、近い場合には探査の感度を低くすることは、この種のレーダ型探査装置においてなされる基本動作である。前記した動作を実現させるために、この実施の形態においては、STC(Sencitive Timing Control)回路26と共に可変抵抗手段として機能する電圧制御抵抗素子29が使用されている。
【0057】
すなわち、図1に示すスキャン信号発生部からのスキャン信号、すなわちランプ信号は電圧増幅器25を介してSTC回路26に供給されるように構成されている。この場合、前記電圧増幅器25には必要に応じて積分回路が内蔵され、したがってSTC回路26には、図2(b)に細い実線で示した例と同様なレベルがリニアに変化するランプ信号が供給される。このランプ信号はA/D変換回路27によってデジタルデータに変換されてCPUに取り込まれる。なお、前記STC回路26は、CPUからの指令を受けてSTC回路26に供給されるランプ信号のレベルを適宜調整することができるように構成されている。
【0058】
一方、CPUに取り込まれた前記デジタルデータは、図1に示すD/A変換器28によりアナログ信号に変換され、電圧制御抵抗素子29に供給される。この電圧制御抵抗素子29は、固定の抵抗素子R0と共に直列接続され、前記したオペアンプによる差動増幅器23の出力端と基準電位点との間に接続されている。そして電圧制御抵抗素子29と固定抵抗素子R0との接続中点には電圧増幅器31が接続され、その電圧増幅出力がアナログデータとして出力端32に出力されるように構成されている。すなわち、前記した電圧制御抵抗素子29と固定の抵抗素子R0とにより、電子アッテネータを構成しており、これが、アナログ出力のレベルを減衰制御させるレベル制御手段として機能する。
【0059】
前記したSTC回路26および電圧制御抵抗素子29を含む回路によると、ランプ信号のレベルに応じて電圧制御抵抗素子29の抵抗値が可変され、差動増幅器27における出力を抵抗素子R0との間で分圧して電圧増幅器31に供給するように作用する。この場合、図2(b)に示すランプ信号のレベルが低い場合において、前記した電圧制御抵抗素子29の抵抗値を高くし、ランプ信号のレベルが高くなるにしたがって、電圧制御抵抗素子29の抵抗値が低くなるように制御することで、好ましいゲイン調整を実現させることができる。
【0060】
すなわち、図5に模式的に示したようにターゲットTaがアンテナの近くに存在する場合においてはエコー(反射波)が早く戻り、この場合の反射波の実質的なレベルは大きい。この場合には前記したランプ信号のレベル(波高値)が低く、電圧制御抵抗素子29の抵抗値が高く制御されるために、差動増幅器23からのアナログ出力の減衰量が大きくなされる。
【0061】
またアンテナに対するターゲットTaの位置が遠くなるほどエコーの戻りが遅くなり、この場合の反射波の実質的なレベルは小さくなる。この場合には前記したランプ信号のレベル(波高値)が高く、電圧制御抵抗素子29の抵抗値が低く制御されるために、差動増幅器23からのアナログ出力の減衰量が小さくなされる。
【0062】
したがって、前記したようにSTC回路にキャリア信号を変調するランプ信号を利用することで、ランプ信号の時間経過に対応する波高値に基づいて前記アナログ出力のレベルを制御するように動作し、結果としてアンテナに対するターゲットTaの位置に応じた受信感度を効果的に調整することが可能となる。これにより、前記した出力端32より出力されるアナログデータのレベルが一定の範囲となるように調整することができる。
【0063】
なお、図1に示す構成においては、同期信号生成部6より40Hzの同期信号が出力されるように構成されている。したがって、図1には示されていない外付けの回路において、前記出力端32から出力される図6(c)に相当するアナログデータ信号をA/Dコンバータによりデジタル変換し、同期信号生成部6からの同期信号を利用することで、ターゲットTaの位置および比誘電率に基づくターゲットの性質(換言すれば、地雷であるか否か)を判定することができる。
【0064】
ところで、前記した構成の探査装置によると、同一範疇の探査領域に複数のターゲットが存在する場合においては、送受信アンテナ10,11に近い位置に存在するターゲットに反応し、それよりも遠い(深い)位置にあるターゲットを探査することができないという問題が発生する。図7は前記した例を説明するものであり、送信アンテナ10および受信アンテナ11は地面Gに沿って矢印方向に移動し、地中におけるターゲットの存在を探査している状態を示している。
【0065】
図7に示すように、送信アンテナ10からのマイクロ波の投射範囲において、浅い位置から深い位置に順にT1〜T3のターゲット(地雷)が存在している場合においては、前記した構成の探査装置によると、浅い位置におけるターゲットT1に反応する。このように近い位置に存在するターゲットT1に反応した場合、前記したSTC回路26が受信感度を自動的に絞るという動作を実行するため、より深い位置に存在するターゲットを見逃すという問題が発生する。
【0066】
図8は前記した問題を解消するためになされた探査装置の動作例を説明するものである。すなわち、前記したアナログ出力のレベルを制御する電圧制御抵抗素子29を含むレベル制御手段は、前記したSTC回路26によりランプ信号の時間経過に対応する波高値に基づいて、繰り返しアナログ出力のレベル制御を実行するように動作する。そこで、図8(a)に示す受信期間Rx、すなわちランプ信号の周期内における特定の期間内において前記レベル制御を不能にする動作を実行することで、非受信ウインドウを設定することができる。
【0067】
例えば、図8(b)はその一例を説明するものであり、受信期間Rxの初めの期間においてハッチングで示す前記レベル制御を不能にする非受信ウインドウを設定することで、比較的近い(浅い)位置に存在するターゲットからの反射波に反応しないように制御することができる。したがって、図8(b)に示す例によると、図7に示した地中の深さがD1よりも深い位置に存在するターゲットに反応するように動作することになる。
【0068】
また図8(c)に示す例は、図7に示す地中の深さがD2よりも深い位置に存在するターゲットに反応するように動作させる例である。同様にレベル制御を不能にする非受信ウインドウを、図8(d)に示したように設定することで、図7に示す地中の深さがD1からD2の深さの範囲に存在するターゲットを対象とした探査を実行することができる。さらに同様に、図8(e)に示したように設定することで、図7に示す地中の深さがD1より浅い範囲に存在するターゲットを対象とした探査を実行することができる。
【0069】
前記したようにレベル制御手段の動作を不能にすることで、非受信ウインドウを設定させるには、非受信ウインドウを設定する期間内において、前記アナログ出力のレベルを強制的に減衰状態とするようにSTC回路26を制御すればよい。すなわち、STC回路26には、前記したとおりCPUからの指令よりランプ信号のレベルを適宜調整することができるように構成されている。したがって、非受信ウインドウを設定する期間において、CPUからの指令によりSTC回路26に供給されるランプ信号のレベルを強制的につり上げるように動作させることで、レベル制御手段による前記アナログ出力のレベルを強制的に減衰状態に制御させることができる。
【0070】
STC回路26に対する前記した強制的なレベルのつり上げ操作は、例えば図示せぬ操作ボードからの入力指令に基づいてCPU内において実行することができる。すなわち、前記CPUにおいては、基準信号発生部1からの基準信号もしくはこれに同期する信号をカウンタ手段によってカウントすることで正確な時間計測を実行することができる。したがって、前記したカウンタ手段を利用することで入力指令に基づく非受信ウインドウの期間を正確に設定することが可能となる。
【0071】
なお、前記したような操作ボードからの入力指令によることなく、ターゲットを探査した場合には、前記CPUはその探査位置よりもさらに深い方向を探知するようにプログラミングされていることが望ましい。このように構成することで、送信アンテナからの探査用マイクロ波が投射される同一範疇の探査領域に、たとえ複数のターゲットが存在する場合においても、これらのターゲットの全てを探査することが可能となる。
【0072】
以上説明した実施の形態においては、送信信号を生成する前記した波形整形回路8は、キャリア信号の立上がりを鈍らせ、立下がりを加速(より急峻に)させる波形整形処理を実行するようにしているが、これとは逆にキャリア信号の立上がりを加速(より急峻に)させて、立下がりを鈍らせるように波形整形してもよい。その場合の信号波形の例を図9に示している。なお、図9に示す(a)〜(c)は、すでに説明した図4の(a)〜(c)にそれぞれ対応するものである。
【0073】
この場合においては、前記した時間軸可変回路15および移相器16を含むゲートパルスの生成回路においては、2MHzのキャリア信号の立上がりに同期してゲートパルス信号を出力するように構成する必要がある。
【0074】
また、前記した実施の形態においては、時間軸可変回路15および移相器16を備えて位相変調を受けたキャリア信号の遅延量を制御し、図2(e)に示す送信および受信ゲートパルスを生成するようにしている。しかしながら、キャリア信号の周波数、またランプ信号の周波数および変調レベルのパラメータ等により、前記送信および受信のタイミングを予め予測することができる。
【0075】
したがって、前記した基準信号発生部1からの基準信号もしくはこれに同期する信号をカウントするCPU内の図示せぬカウンタによる時間計測により、図2(e)に示すような送信および受信ゲートパルスを生成することができる。それ故、前記したカウンタ等を利用する場合においては、前記した時間軸可変回路15および移相器16は不要になる。
【0076】
また、前記した実施の形態においては、位相変調を受けたキャリア信号の立下がりまたは立上がりをより急峻な形態に波形整形することで高次高調波を発生させるようにしているが、この発明においては、図1に示した波形整形回路8を利用しないモノパルス型の探査装置にも利用することができる。この場合においてはキャリア信号発生部3からは、例えば400MHz程度のキャリア信号を発生させるように制御される。
【0077】
さらに、前記した実施の形態においては、地中に埋設された例えば地雷を探査する地中レーダを例にして説明したが、これは地雷のみならず、例えば水道管や、水漏れ部分の探査用レーダ、さらには気中レーダに採用しても同様の作用効果を享受することができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】この発明にかかるレーダ型探査装置の実施の形態を示したブロック図である。
【図2】図1の各部において生成される信号形態を示す波形図である。
【図3】図1における波形整形回路の例を示した回路構成図である。
【図4】図3に示す波形整形回路の作用を説明するタイミングチャートである。
【図5】送受信アンテナとターゲットの関係を示した模式図である。
【図6】ターゲットの位置等を演算する例を説明する波形図である。
【図7】同一範疇の探査領域に複数のターゲットが存在する場合を説明する模式図である。
【図8】ターゲットの全てを探査する場合の制御例を説明するタイミング図である。
【図9】図3に示す波形整形回路の他の動作例を説明するタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0079】
1 基準信号発生部
2 第1の分周器
3 キャリア信号発生部
4 第2の分周器
5 スキャン信号発生部
6 同期信号発生部
7 ローパスフィルタ
8 波形整形回路
9 送信アンプ
10 送信用アンテナ
11 受信用アンテナ
15 時間軸可変回路
16 移相器
18 受信ゲート回路
21 ローパスフィルタ(第1ローパスフィルタ)
22 ローパスフィルタ(第2ローパスフィルタ)
23 差動増幅器(オペアンプ)
26 STC回路
27 A/Dコンバータ
28 D/Aコンバータ
29 電圧制御抵抗素子(可変抵抗手段)
32 アナログデータ出力端
A 位相変調手段
C1 コンデンサ(スピードアップコンデンサ)
R1 放電抵抗
Q1 トランジスタ(送信アンプ)
Ta ターゲット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキャン信号発生部より生成されるランプ信号を変調波として、キャリア信号発生部より生成されるキャリア信号を位相変調させる位相変調手段と、
前記ランプ信号により位相変調された前記キャリア信号の立上がりもしくは立下がりのタイミングにおいてマイクロ波信号を送信する送信アンテナと、
前記送信アンテナによって送信されたマイクロ波信号の反射信号を受信する受信アンテナと、
前記送信アンテナより送信されるマイクロ波信号の位相変調成分と受信アンテナにより受信される反射波の位相変調成分との間の位相の変化分を取得することができる位相変化分取得手段と、
前記位相変化分取得手段により得られるアナログ出力のレベルを制御するレベル制御手段とが具備され、
前記スキャン信号発生部より得られるランプ信号の時間経過に対応する波高値に基づいて、前記アナログ出力のレベルを制御するとともに、前記ランプ信号の周期内における特定の期間内において前記レベル制御を不能にする非受信ウインドウを設定することができるように構成したことを特徴とするレーダ型探査装置。
【請求項2】
前記非受信ウインドウを設定する手段が、前記レベル制御手段による前記アナログ出力のレベルを強制的に減衰状態に制御する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載されたレーダ型探査装置。
【請求項3】
前記非受信ウインドウが、前記キャリア信号およびランプ信号を生成するための基準信号もしくはこれに同期する信号をカウントするカウンタ手段により設定されるように構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたレーダ型探査装置。
【請求項4】
前記キャリア信号発生部におけるキャリア信号およびスキャン信号発生部におけるランプ信号は、基準信号発生部からの基準信号をそれぞれ分周した分周出力に基づいて生成されるように構成したことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載されたレーダ型探査装置。
【請求項5】
前記ランプ信号により位相変調されたキャリア信号の立下がりもしくは立上がりを、より急峻な形態に波形整形する波形整形手段を含み、前記波形整形手段によって得られる高次高調波を含むマイクロ波信号を、前記送信アンテナにより送信するように構成したことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載されたレーダ型探査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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