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レーダ画像処理装置
説明

レーダ画像処理装置

【課題】地表面で生じた変化を高精度に検出でき、変化の状態に応じて類別できるレーダ画像処理装置を得る。
【解決手段】異なる時刻に撮像された複数のレーダ画像を格納するレーダ画像格納部1と、レーダ画像間の複素相関であるコヒーレンスを算出するコヒーレンス算出部200と、レーダ画像間の位相差を算出する位相差算出部300と、画素を中心とする所定の範囲毎に位相差の統計分布を算出する統計分布算出部400と、算出されたコヒーレンスに基づき位相差の理論的な統計分布を算出する理論統計分布算出部500と、算出された統計分布と理論的統計分布と比較し統計分布間の差異を示す統計パラメータを算出する検定部600と、地表面の変化検出のための閾値を入力する閾値指定部700と、算出された統計パラメータと入力された閾値とを比較し、前記閾値を超えた箇所を地表面上の変化があった箇所として検出する検出処理部800とを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、異なる時刻に撮像されたレーダ画像間から地表面上に生じた変化を検出するとともに、その検出した変化を類別し、どのような変化が生じたのかを検知できるレーダ画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のレーダ画像処理装置は、異なる時刻に取得された2枚のレーダ画像間の相関であるコヒーレンスを計算し、画像間で変化が生じた部分ではコヒーレンスが低下することを利用して、コヒーレンスの強弱に基づき閾値処理によって、画像間に生じている変化の検出を行っていた(例えば、非特許文献1参照)。この画像間に生じている変化とは、撮像時間間隔内で生じた車両の轍や、火災や爆発の跡などの地表面の変化を示している。
【0003】
【非特許文献1】C.V.Jakowatz,Jr., D.E.Wahl, P.H.Eichel, D.C.Ghiglia, and P.A.Thompson, "Spotlight-Mode Synthetic Aperture Radar: A Signal Processing Approach", Kluwer academic publisher, p.330-340, 1999.
【非特許文献2】J.S.Lee, K.W.Hoppel, S.A.Mango, and A.R.Miller, "Intensity and Phase Statistics of Multilook Polarimetric and Interferometric SAR Imagery", IEEE Transactions on Geoscience and Remote Sensing, vol.32, no.5, pp.1017-pp.1028, 1994.
【非特許文献3】高木幹雄、下田陽久編、「新編 画像解析ハンドブック」、p.1551-p.1650, 東京大学出版会、2004.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のレーダ画像処理装置は、地表面で生じた変化の状態との関係が明確でないコヒーレンスを検出の指標値としているため、変化を検出した地点においてどのような変化が生じているのか判断できないという問題点があった。
【0005】
また、コヒーレンスは地表面で生じた変化だけでなく、2回のレーダ画像撮像時の観測条件の変化、例えば、レーダ波の照射角度やレーダを搭載するプラットフォームの軌跡に応じても低下するが、コヒーレンスの値のみからは、これら地表面で生じた変化以外を要因とするコヒーレンスの低下と、地表面で生じた変化によるコヒーレンスの低下を区別することができないため、地表面の変化を誤検出するという問題点があった。
【0006】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、地表面で生じた変化を高精度に検出することができるとともに、地表面上で生じた変化の状態に応じて類別することができるレーダ画像処理装置を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るレーダ画像処理装置は、異なる時刻に撮像された複数のレーダ画像を格納するレーダ画像格納部と、前記レーダ画像格納部に格納されたレーダ画像間の複素相関であるコヒーレンスを算出するコヒーレンス算出部と、前記レーダ画像格納部に格納されたレーダ画像間の位相差を算出する位相差算出部と、前記コヒーレンス算出部がコヒーレンスを算出するために設定した位置の画素を中心とする所定の範囲毎に位相差の統計分布を算出する統計分布算出部と、前記コヒーレンス算出部により算出されたコヒーレンスに基づき位相差の理論的な統計分布を算出する理論統計分布算出部と、前記統計分布算出部により算出された統計分布と、前記理論統計分布算出部により算出された統計分布と比較して、それら統計分布間の差異を示す統計パラメータを算出する検定部と、前記検定部により算出された統計パラメータに基づき、地表面の変化検出のための閾値を入力する閾値指定部と、前記検定部により算出された統計パラメータと前記閾値指定部により入力された閾値とを比較し、前記閾値を超えた箇所を地表面上の変化があった箇所として検出する検出処理部とを設けたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係るレーダ画像処理装置は、地表面で生じた変化を高精度に検出することができるとともに、地表面上で生じた変化の状態に応じて類別することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係るレーダ画像処理装置について図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係るレーダ画像処理装置の構成を示すブロック図である。なお、以降では、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0010】
図1において、この実施の形態1に係るレーダ画像処理装置は、異なる時刻に撮像された複数のレーダ画像を格納するレーダ画像格納部1と、本装置の出力を格納する出力格納部2と、レーダ画像格納部1や出力格納部2との入出力及び後述する装置を構成する各部位間のデータのやりとりを制御する制御部100とが設けられている。
【0011】
制御部100は、コヒーレンス算出部200と、位相差算出部300と、統計分布算出部400と、理論統計分布算出部500と、検定部600と、閾値指定部700と、検出処理部800とが設けられている。
【0012】
コヒーレンス算出部200は、制御部100を介して入力された2枚の複素レーダ画像間のコヒーレンスを算出する。位相差算出部300は、複素レーダ画像間の位相差を算出する。統計分布算出部400は、位相差算出部300で算出された位相差の統計分布を算出する。理論統計分布算出部500は、コヒーレンス算出部200で算出されたコヒーレンスを基に、理論的な位相差の統計分布を算出する。検定部600は、統計分布算出部400で算出された位相差の統計分布と、理論統計分布算出部500で算出された統計分布を比較しそれら分布の違いを検定する。検出処理部800は、検定部600で得られた分布の違いを、閾値指定部700から入力された変化検出の閾値と比較し、分布の違いが閾値を超えた箇所を地表面上の変化があった箇所として検出する。
【0013】
つぎに、この実施の形態1に係るレーダ画像処理装置の動作について図面を参照しながら説明する。図2は、この発明の実施の形態1に係るレーダ画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【0014】
まず、ステップST100において、制御部100は、レーダ画像格納部1から異なる時刻に撮像された2枚の複素レーダ画像を読み込む。
【0015】
次に、ステップST200において、制御部100は、コヒーレンス算出部200へ2枚の複素レーダ画像を出力する(受け渡す)。このコヒーレンス算出部200は、レーダ画像中の各画素の位置P(m,n)において、2枚のレーダ画像からコヒーレンスを算出する。この位置P(m,n)におけるコヒーレンスρ(m,n)は、次の式(1)で表されるものである。
【0016】
【数1】

【0017】
ここで、s1,kは1枚目のレーダ画像において(m,n)を中心としたN個の画素がもつ複素データ値を示し,s2,kは2枚目のレーダ画像おける複素データ値を示す。個数Nは(m,n)を中心としたコヒーレンスを計算する範囲に相当する。また、*は複素共役を示す。ρは振幅、θは偏角を表す。このコヒーレンスは、2枚の画像が同一の軌道で取得されるという条件の下、地表面に変化がない場合には1に近い値をとり、コヒーレンスを計算する範囲Nよりも大きな面積の地表面変化が生じている場所では0に近い値をとる。
【0018】
次に、ステップST300において、制御部100は、位相差算出部300へ2枚の複素レーダ画像を出力する。この位相差算出部300は、レーダ画像中の各画素の位置P(m,n)において、2枚のレーダ画像から位相差を算出する。この位置P(m,n)における位相差Φ(m,n)は、次の式(2)で表されるものである。
【0019】
【数2】

【0020】
ここで、angleは複素数の偏角を示す関数、s(m,n)とs(m,n)はそれぞれ1枚目のレーダ画像と2枚目のレーダ画像上で位置(m,n)における複素データ値を示す。
【0021】
次に、ステップST400において、制御部100は、位相差算出部300で算出された位相差を統計分布算出部400に出力する。この統計分布算出部400は、コヒーレンス算出部200がコヒーレンスを算出するために設定した位置(m,n)の画素を中心とする所定の範囲毎に位相差Φ(m,n)の頻度分布、すなわち統計分布を求める。
【0022】
次に、ステップST500において、制御部100は、コヒーレンス算出部200で算出されたコヒーレンスを理論統計分布算出部500へ出力する。この理論統計分布算出部500は、コヒーレンスの振幅ρと偏角θを基に位相差の理論的な統計分布を算出する。この理論的な統計分布は、非特許文献2で導かれているような、次の式(3)で表されるものである。
【0023】
【数3】

【0024】
ここで、Φは位相差で範囲は−πからπ、nはマルチルック数、β=ρcos[Φ−θ]である。また、Γはガンマ関数、Fはガウスの超幾何関数である。
【0025】
なお、理論的な統計分布の算出には式(3)を用いたが、これに限るものではなく、位相差の統計分布を示すものであれば他の式を用いてもよい。
【0026】
次に、ステップST600において、制御部100は、統計分布算出部400で算出した統計分布と、理論統計分布算出部500で算出した理論的な統計分布を、検定部600へ出力する。この検定部600は、入力された2つの統計分布を比較して統計分布間の差異を算出する。この統計分布の差異は、平均、標準偏差、歪度、尖度、より高次のモーメント等の統計パラメータについて計る。ここで、分布の差異の算出は、Studentのt検定や、F検定、Kolmogorov−Smirnov検定等、統計分布の差異を算出できる方法であれば、何を用いてもよい。ここでは、算出した統計パラメータの個数をQ個とする。さらに、検定部600は、ここで算出した統計分布間の差異である統計パラメータをディスプレイ等に表示する。
【0027】
次に、ステップST700において、解析者が検定部600で算出しディスプレイ等に表示された統計パラメータを指標としそれに対する閾値を入力する。閾値指定部700は、解析者が入力した変化検出のための閾値を読み込み、検出処理部800へ出力する。ここで読み込まれる閾値の個数は、検定部600で算出される統計パラメータの数Qに相当する。
【0028】
最後に、ステップST800において、制御部100は、検定部600で算出した統計分布の差異を検出処理部800へ出力する。この検出処理部800は、統計分布の差異と変化検出のための閾値を比較し、統計分布の差異が全ての閾値を越えた箇所を地表面上の変化があった箇所として検出する。そして、制御部100は、この検出結果を出力格納部2へ格納する。
【0029】
以上のように、コヒーレンスのみではなく、位相差の統計分布の理論値からのずれを表す複数の統計パラメータを求め、これを指標値として地表面の変化を検出するようにしているので、コヒーレンスからだけでは検出できない微小な変化を検出することができる。
【0030】
また、複数の統計パラメータを指標値としているため、検出のための閾値を重み付けして定めることができ、所望の地表面変化、すなわち、閾値の重み付けにより指定した統計パラメータのみが変化するような変化が生じた部分のみを検出することができる。
【0031】
実施の形態2.
上記の実施の形態1では、統計分布の理論値からのずれを指標として地表面の変化の有無を検出するようにしたものであるが、この実施の形態2では、ずれを指標として地表面の変化の種類を類別するものである。
【0032】
この発明の実施の形態2に係るレーダ画像処理装置について図3及び図4を参照しながら説明する。図3は、この発明の実施の形態2に係るレーダ画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【0033】
図3において、図1と同一の符号を付したものは、上述したように、同一またはこれに相当するものである。検出処理部800の代りに設けられた類別処理部900は、位相差の統計分布の理論値からのずれを指標値として、地表面の変化の有無を検出するとともに、その変化を類別する。
【0034】
つぎに、この実施の形態2に係るレーダ画像処理装置の動作について図面を参照しながら説明する。図4は、この発明の実施の形態2に係るレーダ画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【0035】
図4において、図2と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものである。
【0036】
ステップST900において、制御部100は、検定部600で算出した統計分布の差異を類別処理部900へ出力する。この類別処理部900は、統計分布の差異と変化検出のための閾値を比較し、統計分布の差異が閾値を越えた箇所を地表面上の変化があった箇所として検出する。次に、変化が検出された箇所での統計分布の差異を指標値として、変化が検出された箇所における変化の類別を行う。つまり、変化が検出された箇所の統計パラメータの値が類似しているものは同種の地表面上の変化があったものとして類別する。この類別方法としては、たとえば、非特許文献3に記載されているような、クラスタリング手法や、マルチレベルスライス、デンジョンツリー法等を用いる。そして、制御部100は、この類別結果を出力格納部2へ格納する。
【0037】
以上のように、位相差の統計分布からのずれを示す複数の統計パラメータを指標値として地表面の変化を検出するとともに、その指標値に基づいて類別処理を行うので、地表面で生じた変化の状態の違いを類別することができる。
【0038】
また、複数の統計パラメータを指標値としているので、地表面で生じた変化以外を要因として変化する統計パラメータを検出および類別時に外すことができ、地表面で生じた変化を高精度に検出および類別することができる。
【0039】
実施の形態3.
上記の実施の形態1及び2では、位相差の統計分布を理論的な統計分布と比較しその差異に基づき検出および類別を行うものであるが、この実施の形態3では、画像内の位相差の統計分布間を比較することにより、地表面で生じた変化の種類を類別するものである。
【0040】
この発明の実施の形態3に係るレーダ画像処理装置について図5及び図6を参照しながら説明する。図5は、この発明の実施の形態3に係るレーダ画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【0041】
図5において、図1及び図3と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものである。
【0042】
つぎに、この実施の形態3に係るレーダ画像処理装置の動作について図面を参照しながら説明する。図6は、この発明の実施の形態3に係るレーダ画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【0043】
図6において、図4と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものである。
【0044】
ステップST610において、制御部100は、統計分布算出部400で算出された各画素を中心とする所定の範囲において算出された位相差の統計分布を検定部600へ出力する。この検定部600は、位相差の統計分布の統計パラメータを算出する。さらに、検定部600は、ここで算出した分布間の差異をディスプレイ等に表示する。
【0045】
ステップST910において、制御部100は、検定部600で算出した統計分布の統計パラメータを類別処理部900へ出力する。この類別処理部900は、各画素を中心とする所定の範囲における位相差の統計分布の統計パラメータと解析者が入力した閾値を比較し、統計パラメータが全ての閾値を越えた箇所を地表面上の変化があった箇所として検出する。次に、変化が検出された箇所での統計パラメータを指標値として、変化が検出された箇所における変化の類別を行う。統計パラメータの値が類似しているものは同種の地表面変化があったものとして類別する。そして、制御部100は、この検出および類別結果を出力格納部2へ格納する。
【0046】
以上のように、理論的な統計分布を算出せずに、入力したレーダ画像間から算出した位相差の統計分布のみを用いて類別を行うので、理論的な統計分布の算出に要する計算負荷を削減し、高速に処理を実現できる。
【0047】
また、複数の統計パラメータを指標値としているので、地表面で生じた変化以外を要因として変化する統計パラメータを検出および類別時に外すことができ、地表面で生じた変化を高精度に検出および類別することができる。
【0048】
実施の形態4.
上記の実施の形態1、2、3では、位相差の統計分布を、理論的な統計分布、あるいは、入力したレーダ画像間から算出した統計分布同士で比較するものであるが、この実施の形態4では、事前に蓄えられた地表面の変化の状態に応じた位相差の統計分布のデータベースと比較することにより、地表面で生じた変化の種類を類別するものである。
【0049】
この発明の実施の形態4に係るレーダ画像処理装置について図7及び図8を参照しながら説明する。図7は、この発明の実施の形態4に係るレーダ画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【0050】
図7において、図5と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものである。統計分布データベース3内には、地表面の変化の状態、例えば、キャタピラを装備した大型の乗り物やタイヤを装備した乗り物の行跡、あるいは土砂崩れの跡等に応じた変化前後のレーダ画像間における位相差の統計分布が事前に実験的、あるいは、理論計算により求められて蓄積されている。検定部600と入れ替わったデータベース参照型検定部620は、統計分布算出部400で算出された位相差の統計分布と、統計分布データベース3に蓄積された統計分布を比較しそれら統計分布の違いを検定する。類別処理部900と入れ替わったデータベース参照型類別処理部920は、データベース参照型検定部620で算出された位相差の統計分布間の差異に基づき、地表面で生じた変化を検出するとともに類別する。
【0051】
つぎに、この実施の形態4に係るレーダ画像処理装置の動作について図面を参照しながら説明する。図8は、この発明の実施の形態4に係るレーダ画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【0052】
図8において、図6と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものである。
【0053】
ステップST620において、制御部100は、統計分布算出部400で算出された各画素を中心とする所定の範囲における位相差の統計分布をデータベース参照型検定部620へ出力する。このデータベース参照型検定部620は、入力された位相差の統計分布を、統計分布データベース3内に蓄積されている位相差の統計分布と比較し、統計分布間の差異を求める。ここで算出される統計分布間の差異(統計パラメータの組)は、各画素当たり、統計分布データベース3に蓄積されている統計分布の数分算出される。ここでは、この個数をR個で示す。さらに、データベース参照型検定部620は、ここで算出した分布間の差異をディスプレイ等に表示する。
【0054】
次に、ステップST720において、解析者がデータベース参照型検定部620で算出しディスプレイ等に表示された統計パラメータを指標としそれに対する閾値を入力する。閾値指定部700は、解析者が入力した変化の検出のための閾値を読み込み、データベース参照型類別処理部920へ出力する。
【0055】
最後に、ステップST920において、制御部100は、データベース参照型検定部620で算出した統計分布の差異をデータベース参照型類別処理部920へ出力する。このデータベース参照型類別処理部920は、各画素において算出した位相差の統計分布と統計分布データベース3内に蓄積されている統計分布との対応付けを行う。ここでは、まず、データベース参照型類別処理部920は、各画素において得られ統計分布データベース3に蓄積されているR個の統計分布との差異をそれぞれ閾値と比較する。そして、統計分布データベース3内の統計分布のうち、差異が閾値を越える統計分布は対応しない統計分布とみなす。ここで、統計分布データベース3内の全ての統計分布に対する差異が閾値を越える場合は、その画素に対応する統計分布はないものとする。次に、差異が閾値以下である統計分布データベース3内の統計分布の内、もっとも差異が小さいものを、その画素に対応する統計分布であるとする。そして、制御部100は、この検出および類別結果を出力格納部2へ格納する。
【0056】
以上のように、事前に得られている地表面の変化の状態に応じた位相差の統計分布を参照し、その分布との違いを算出して類別するため、高精度に地表面の変化の状態を検出するとともに類別することができる。
【0057】
また、複数の統計パラメータを指標値としているので、地表面で生じた変化以外を要因として変化している統計パラメータを検出および類別時に外すことができ、地表面で生じた変化を高精度に検出および類別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】この発明の実施の形態1に係るレーダ画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るレーダ画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】この発明の実施の形態2に係るレーダ画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態2に係るレーダ画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態3に係るレーダ画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態3に係るレーダ画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態4に係るレーダ画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図8】この発明の実施の形態4に係るレーダ画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0059】
1 レーダ画像格納部、2 出力格納部、3 統計分布データベース、100 制御部、200 コヒーレンス算出部、300 位相差算出部、400 統計分布算出部、500 理論統計分布算出部、600 検定部、620 データベース参照型検定部、700 閾値指定部、800 検出処理部、900 類別処理部、920 データベース参照型類別処理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる時刻に撮像された複数のレーダ画像を格納するレーダ画像格納部と、
前記レーダ画像格納部に格納されたレーダ画像間の複素相関であるコヒーレンスを算出するコヒーレンス算出部と、
前記レーダ画像格納部に格納されたレーダ画像間の位相差を算出する位相差算出部と、
前記コヒーレンス算出部がコヒーレンスを算出するために設定した位置の画素を中心とする所定の範囲毎に位相差の統計分布を算出する統計分布算出部と、
前記コヒーレンス算出部により算出されたコヒーレンスに基づき位相差の理論的な統計分布を算出する理論統計分布算出部と、
前記統計分布算出部により算出された統計分布と、前記理論統計分布算出部により算出された統計分布と比較して、それら統計分布間の差異を示す統計パラメータを算出する検定部と、
前記検定部により算出された統計パラメータに基づき、地表面の変化検出のための閾値を入力する閾値指定部と、
前記検定部により算出された統計パラメータと前記閾値指定部により入力された閾値とを比較し、前記閾値を超えた箇所を地表面上の変化があった箇所として検出する検出処理部と
を備えたことを特徴とするレーダ画像処理装置。
【請求項2】
前記検出処理部の代わりに、
前記検定部により算出された統計パラメータと前記閾値指定部により入力された閾値とを比較し、前記閾値を超えた箇所を地表面上の変化があった箇所として検出するとともに、変化が検出された箇所の統計パラメータの値が類似しているものは同種の地表面上の変化があったものとして類別する類別処理部を備えた
ことを特徴とする請求項1記載のレーダ画像処理装置。
【請求項3】
異なる時刻に撮像された複数のレーダ画像を格納するレーダ画像格納部と、
前記レーダ画像格納部に格納されたレーダ画像間の複素相関であるコヒーレンスを算出するコヒーレンス算出部と、
前記レーダ画像格納部に格納されたレーダ画像間の位相差を算出する位相差算出部と、
前記コヒーレンス算出部がコヒーレンスを算出するために設定した位置の画素を中心とする所定の範囲毎に位相差の統計分布を算出する統計分布算出部と、
前記統計分布算出部により算出された統計分布間を比較して、それら統計分布間の差異を示す統計パラメータを算出する検定部と、
前記検定部により算出された統計パラメータに基づき、地表面の変化検出のための閾値を入力する閾値指定部と、
前記検定部により算出された統計パラメータと前記閾値指定部により入力された閾値とを比較し、前記閾値を超えた箇所を地表面上の変化があった箇所として検出する類別処理部と
を備えたことを特徴とするレーダ画像処理装置。
【請求項4】
前記類別処理部は、前記検定部により算出された統計パラメータと前記閾値指定部により入力された閾値とを比較し、前記閾値を超えた箇所を地表面上の変化があった箇所として検出するとともに、変化が検出された箇所の統計パラメータの値が類似しているものは同種の地表面上の変化があったものとして類別する
ことを特徴とする請求項3記載のレーダ画像処理装置。
【請求項5】
異なる時刻に撮像された複数のレーダ画像を格納するレーダ画像格納部と、
前記レーダ画像格納部に格納されたレーダ画像間の複素相関であるコヒーレンスを算出するコヒーレンス算出部と、
前記レーダ画像格納部に格納されたレーダ画像間の位相差を算出する位相差算出部と、
前記コヒーレンス算出部がコヒーレンスを算出するために設定した位置の画素を中心とする所定の範囲毎に位相差の統計分布を算出する統計分布算出部と、
地表面の変化の状態に応じた変化前後のレーダ画像間における位相差の統計分布を事前に求めて蓄積されている統計分布データベースと、
前記統計分布算出部により算出された統計分布と、前記統計分布データベースに蓄積されている統計分布と比較して、それら統計分布間の差異を示す統計パラメータを算出するデータベース参照型検定部と、
前記データベース参照型検定部により算出された統計パラメータに基づき、地表面の変化検出のための閾値を入力する閾値指定部と、
前記統計分布データベースに蓄積されている統計分布の差異と前記閾値指定部により入力された閾値とを比較し、前記閾値を越えず、かつ最も統計分布間の差異が小さい統計分布を前記統計分布データベース中で特定することで地表面の変化の検出及び類別を行うデータベース参照型類別処理部と
を備えたことを特徴とするレーダ画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−157764(P2008−157764A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−347172(P2006−347172)
【出願日】平成18年12月25日(2006.12.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】