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レーダ装置
説明

レーダ装置

【課題】ターゲットが移動する場合でも当該ターゲットからの反射波の信号における低レンジサイドローブ特性を維持し、複数のセクタレーダ間における干渉を低減する。
【解決手段】第1セクタレーダは、第1送信周期で第1符号系列を変調した信号、第2送信周期で第2符号系列を変調した信号、第3送信周期で第1符号系列を変調した信号、第4送信周期で第2符号系列を変調した信号を生成する。第2セクタレーダは、第1送信周期で第2符号系列を変調した信号、第2送信周期で第1符号系列と逆極性の第3符号系列を変調した信号、第3送信周期で第2符号系列と逆極性の第4符号系列を変調した信号、第4送信周期で第1符号系列を変調した信号を生成する。第1、第2セクタレーダは、生成された各信号を第1、第2送信アンテナからそれぞれ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各測定エリアを測定する各セクタレーダから送信された高周波送信信号がターゲットに反射された際の反射波の信号を受信アンテナで受信してターゲットを検出するレーダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーダ装置は、測定地点から電波を空間に放射し、ターゲットに反射された反射波の信号を受信して、当該測定地点とターゲットとの距離、方向等を測定する。特に近年、マイクロ波又はミリ波等の波長の短い電波を用いた高分解能な測定を行うことで、自動車だけでなく歩行者等もターゲットとして検出可能なレーダ装置の開発が進められている。
【0003】
また、レーダ装置は、近距離にいるターゲットと遠距離にいるターゲットとからの反射波が混合された信号を受信することがある。特に、近距離にいるターゲットからの反射波の信号によりレンジサイドローブが生じる場合、このレンジサイドローブと、遠距離にいるターゲットからの反射波の信号のメインローブとが混在することがある。この場合、レーダ装置が遠距離にいるターゲットを検出する際の検出精度が劣化することがある。
【0004】
また、レーダ装置は、測定地点から同じ距離に自動車と歩行者とがいる場合に、レーダ反射断面積(RCS: Radar cross section)の異なる自動車と歩行者とからのそれぞれの反射波の信号が混合された信号を受信することがある。一般に、歩行者のレーダ反射断面積は自動車のレーダ反射断面積に比べると低いと言われている。このため、レーダ装置には、たとえ測定地点から同じ距離に自動車と歩行者とがいる場合でも、自動車だけでなく歩行者からの反射波も適正に受信することが要求される。
【0005】
従って、複数のターゲットに対して、高分解能な測定が要求されるレーダ装置には、低レンジサイドローブレベルとなる自己相関特性(以下、「低レンジサイドローブ特性」という)を有するパルス波又はパルス変調波の送信が要求される。更に、当該レーダ装置には、ターゲットの距離又は種別により様々な受信レベルとなる反射波の信号を、受信可能な程度に広い受信ダイナミックレンジを有することが要求される。
【0006】
上述した低レンジサイドローブ特性を有するパルス波又はパルス変調波として、相補符号を用いて高周波送信信号を送信するパルス圧縮レーダが従来から知られている。
ここで、パルス圧縮とは、レーダが、パルス信号をパルス変調又は位相変調してパルス幅の広い信号を用いて送信し、反射波の受信後の信号処理において受信信号を復調してパルス幅の狭い信号に変換する(圧縮する)ことで、受信電力を等価的に高める方法である。パルス圧縮によれば、ターゲットの探知距離を増大することができ、更に、当該探知距離に対する距離推定精度を向上することができる。
【0007】
相補符号は、複数例えば2つの相補符号系列(a、b)を用いて構成される。また、相補符号は、一方の相補符号系列aと他方の相補符号系列bの各自己相関演算結果において、遅延時間τ[秒]を一致させて各自己相関演算結果を加算することで、レンジサイドローブがゼロとなる性質を有する。なお、パラメータnはn=1、2、・・・、Lである。パラメータLは、符号系列長又は単に符号長を示す。
【0008】
相補符号の生成方法は、例えば下記非特許文献1に開示されている。ここではより簡単な相補符号の生成方法について図12を参照して説明する。図12は、一般的な相補符号の符号系列の生成手順の一例を示した説明図である。図12に示す様に、4行目、5行目の記載から要素1又は要素−1を用いて構成される符号長L=2Z−1のサブ符号系列(c,d)が生成され、更に、6行目、7行目の記載から符号長L=2の符号長の相補符号系列(a,b)が生成される。
【0009】
ここで、一方の相補符号系列aは、サブ符号系列cとサブ符号系列dとが連結されたものである。他方の相補符号系列bは、サブ符号系列cとサブ符号系列−dとが連結されたものである。
【0010】
なお、図12において、符号系列a,bはそれぞれ相補符号系列を表し、符号系列c,dはそれぞれ相補符号系列を構成するサブ符号系列を表す。また、パラメータZは、生成される各相補符号系列(a,b)の符号長Lを規定する。
【0011】
この様な相補符号の性質に関して、図13を参照して説明する。図13は、相補符号の性質を説明する説明図である。同図(a)は、一方の相補符号系列aの自己相関値演算結果を示す説明図である。同図(b)は、他方の相補符号系列bの自己相関値演算結果を示す説明図である。同図(c)は、2つの相補符号系列(a,b)の自己相関値演算結果の加算値を示す説明図である。なお、図13で用いた相補符号の符号長Lは128である。
【0012】
相補符号系列(a,b)のうち一方の相補符号系列aの自己相関値演算結果は、数式(1)に従って演算される。他方の相補符号系列bの自己相関値演算結果は、数式(2)に従って演算される。なお、パラメータRは自己相関値演算結果を示す。但し、n>L又はn<1の場合には、相補符号系列a,bはゼロとする(すなわち、n>L又はn<1において、a=0、b=0)。なお、アスタリスク*は複素共役演算子を示す。
【0013】
【数1】

【0014】
【数2】

【0015】
数式(1)に従って演算された相補符号系列aの自己相関値演算結果Raa(τ)は、図13(a)に示す様に、遅延時間(あるいはシフト時間)τがゼロのときにピークが発生し、遅延時間τがゼロでない場合にはレンジサイドローブが存在する。同様に、数式(2)に従って演算された相補符号系列bの自己相関値演算結果Rbb(τ)は、図13(b)に示す様に、遅延時間τがゼロのときにピークが発生し、遅延時間τがゼロでない場合にはレンジサイドローブが存在する。
【0016】
これらの自己相関値演算結果(Raa(τ),Rbb(τ))の加算値は、図13(c)に示す様に、遅延時間τがゼロのときにピークが発生し、遅延時間τがゼロでない場合にはレンジサイドローブが存在せずにゼロになる。以下、遅延時間τがゼロの場合に発生するピークを「メインローブ」という。この関係を数式(3)に示す。なお、図13(a)〜(c)の横軸は自己相関値演算における遅延時間(τ)を示し、縦軸は演算された自己相関値演算結果を示す。
【0017】
【数3】

【0018】
近距離にいるターゲットと遠距離にいるターゲットとからの反射波が混合された信号を受信する場合において、一般的に、パルス圧縮された符号の符号長が長いほど、所要の受信ダイナミックレンジが大きくなることが知られている。
【0019】
しかし、上述した相補符号では、より短い符号長でピークサイドローブレベルを低減できる。このため、短い符号長を用いる相補符号では、近距離にいるターゲットと遠距離にいるターゲットとからの反射波が混合された信号を受信する場合において、受信ダイナミックレンジも低減できる。
【0020】
また、上述したレーダ装置の一例として、ターゲット検出の際に、それぞれ別個の測定エリアを測定する複数のレーダを設ける構成が開示されている。従来のレーダ装置は、当該複数のレーダを個別に制御して当該各測定エリアにいるターゲットを検出する広域レーダ装置が従来から知られている。
【0021】
以下、ターゲット検出の際にそれぞれ別個の測定エリアを測定する各レーダを、「セクタレーダ」という。各セクタレーダの測定エリアは、それぞれ別個であるが、測定エリアが近接している場合には一部重複していることもある。
【0022】
上述した様に、従来の広域レーダ装置では、各セクタレーダの測定エリアが近接する場合に、各セクタレーダから送信された送信信号間で干渉が発生する。干渉が発生した場合に、従来の広域レーダ装置は、ターゲットの測位推定精度が劣化するという課題があった。
【0023】
この課題に対して、従来の広域レーダ装置におけるセクタレーダ間干渉の発生低減対策として、以下の方法が検討されている。
【0024】
第1の方法は、各セクタレーダの用いる周波数帯域を、複数の異なる周波数帯域或いは所定の狭帯域な周波数帯域(サブバンド)として、送信信号を周波数分割多重(FDM:Frequency Division Multiplexing)して送信するというものである。
【0025】
この第1の方法によれば、異なる周波数帯域を用いることで各セクタレーダ間における干渉の発生を抑制することができるが、次の課題が残る。即ち、前者の複数の異なる周波数帯域を用いる場合には、多くの周波数資源が必要となるという課題である。更に、後者の狭帯域な周波数帯域を用いる場合には、各セクタレーダにおけるターゲットの測位推定の時間分解能(距離分解能に相当)が低下するという課題である。
【0026】
第2の方法は、各セクタレーダが、複数の相互相関の低い符号系列を用いて、送信信号を符号分割多重(CDM:Code Division Multiplexing)して送信するというものである。この第2の方法によれば、新たな周波数帯域及びサブバンドの追加も必要ないため、各セクタレーダにおけるターゲットの測位推定の時間分解能は低下しない。
【0027】
しかし、送信信号をセクタレーダ毎に符号分割多重して送信した場合に、他のセクタレーダからの受信信号が非同期で受信されるため、結果的に各セクタレーダ間で符号間干渉が発生する。更に、一般的に相互相関の低い符号系列の自己相関特性は優れていないため、結果的にレンジサイドローブが大きくなる。
【0028】
従って、従来のレーダ装置は、近距離に存在するターゲットと遠距離に存在するターゲットとの複数の反射波が混合された信号を分離し、各ターゲットを検出する場合の検出性能が劣化するという課題が残る。
【0029】
第3の方法は、特許文献1に開示されている完全相補系列系を用いることで、相補符号の低レンジサイドローブ特性を満たし、更に、各セクタレーダ間で発生する符号間干渉を低減するという方法である。
【0030】
特許文献1の2つのレーダシステムA,Bは、完全相補系列の符号化パルスとして、レーダシステムAは、P1,P2、レーダシステムBはQ1、Q2である互いに異なる符号化パルス用いて同一周波数帯域の搬送波を用いて送受信を行う。
【0031】
この場合、自レーダシステムが送信した複数個の符号化パルスを受信した場合は、複数個の符号化パルスP1,P2またはQ1、Q2に各々対応する複数個の自己相関関数信号RP1P1(τ),RP2P2(τ)またはRQ1Q1(τ),RQ2Q2(τ)を出力する。一方、他のレーダシステムが送信した複数個の符号化パルスを、自レーダシステムが、受信した場合は、他のレーダシステムが送信した複数個の符号化パルスに各々対応する複数個の相互相関関数信号RQ1P1(τ),RQ2P2(τ)またはRP1Q1(τ),RP2Q2(τ)を出力することとなる。
【0032】
完全相補系列の性質から、自己相関関数信号の複数の出力の和(RP1P1(τ)+RP2P2(τ)またはRQ1Q1(τ)+RQ2Q2(τ))はτ=0以外は0となり、相互相関関数信号の複数の出力の和(RQ1P1(τ)+RQ2P2(τ)またはRP1Q1(τ)+RP2Q2(τ))はτによらず0となる。よって、自レーダシステムが送信した複数個の符号化パルス(P1,P2またはQ1、Q2)に対し、受信側では、それぞれに対応する複数個の自己相関関数信号を計算する受信処理を行うことで、サイドローブのない圧縮パルスが得られ、他レーダシステムが送信した複数の符号化パルスを受信した場合でも、自己相関関数信号の和を算出する過程で、他レーダシステムの信号成分をゼロにすることができる。これにより、隣接した周波数帯域において同一周波数帯域を用いても、相互に干渉のない複数のレーダシステムを提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0033】
【特許文献1】特開昭61−096482号公報
【非特許文献】
【0034】
【非特許文献1】BUDISIN, S. Z,「NEW COMPLEMENTARY PAIRS OF SEQUENCES」,Electron. Lett., 26,(13), pp.881−883(1990)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0035】
しかしながら、上述した特許文献1の様な完全相補系列を用いて時分割送信した場合、ターゲットの移動によって、ドップラ効果による位相変動の影響を受ける。このため、上述した従来の広域レーダ装置においては、結果的にレンジサイドローブレベル増大と、セクタレーダ間における送信符号間の抑圧特性が劣化することになる。
【0036】
即ち、送信周期毎に、相補符号a,bに基づいて生成された高周波送信信号を、レーダ装置が時分割送信し、当該高周波送信信号に対する受信信号をレーダ装置が受信した場合に、受信信号は、ターゲットの移動によって、数式(4)に示すドップラ周波数変位fdに起因した位相変化θ(t)を受ける。これにより、レンジサイドローブレベルがゼロとならずに大きくなるため、従来の広域レーダ装置における低レンジサイドローブ特性とセクタレーダ間の干渉抑圧特性が劣化する。ここで、パラメータtは時間を示す。
【0037】
【数4】

【0038】
上述した広域レーダ装置の低レンジサイドローブ特性が劣化することについて、図14を参照して説明する。図14は、従来の広域レーダ装置の各セクタレーダにおける送信周期Trと、各送信周期Trにおける送信の際に用いられる送信符号である相補符号a、bとの説明図である。
【0039】
図14において、最初の送信周期Trでは、送信符号として相補符号aに基づいて生成された高周波送信信号が送信される。次の送信周期Trでは、送信符号として相補符号bに基づいて生成された高周波送信信号が送信される。
【0040】
図14において、パラメータTpは、符号長Lのパルス符号に対応した1つのパルスあたりの送信時間である。パラメータTcは、符号長Lの相補符号a又は相補符号bに基づいてそれぞれ生成された高周波送信信号の送信区間における送信時間である。パラメータTpとパラメータTcとパラメータLとの間には、数式(5)が成立する。
【0041】
【数5】

【0042】
図14において、相補符号aに基づいて生成された高周波送信信号の送信後、次の送信周期Trに、相補符号bに基づいて生成された高周波送信信号に対する反射波の信号を受信する。但し、この反射波の信号は、上述した数式(4)に示す位相変化θ(t)を受けている。
【0043】
従って、広域レーダ装置の各セクタレーダは、送信周期Trと、当該反射波の信号に含まれるドップラ周波数fdと、の積の大きさによって、理想的な低レンジサイドローブ特性を得難い。このため、結果的に広域レーダ装置は、低レンジサイドローブ特性が劣化する。
【0044】
更に、この低レンジサイドローブ特性の劣化により、各セクタレーダ間の干渉の抑圧特性が劣化することになる。
【0045】
従って、従来の広域レーダ装置では、低レンジサイドローブ特性の劣化により、比較的近い位置に存在するターゲットからの反射波の信号のレンジサイドローブに、比較的遠い位置に存在するターゲットからの反射波の信号のメインローブが埋もれることがあった。この場合、従来の広域レーダ装置では、遠い位置に存在するターゲットの検出精度が劣化する。このため、当該広域レーダ装置は、測定性能に大きな影響を受け、低レンジサイドローブ特性の劣化に伴い、各セクタレーダ間の干渉の抑圧特性が劣化することになる。
【0046】
本発明は、上述従来の事情に鑑みてなされたもので、ターゲットが移動する場合でも当該ターゲットからの反射波の信号における低レンジサイドローブ特性を維持し、複数のセクタレーダ間における符号間干渉を低減するレーダ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0047】
本発明は、第1符号長の第1符号系列を第1の規則により符号を決定し、変調した第1送信信号を生成し、前記第1符号長の第2符号系列を前記第1の規則により符号を決定し、変調した第2送信信号を生成する第1送信信号生成部と、前記第1送信信号を高周波送信信号に変換し、第1送信周期において第1送信アンテナから送信し、前記第2送信信号を高周波送信信号に変換し、第2送信周期において前記第1送信アンテナから送信する第1送信RF部と、前記第2符号系列を前記第1の規則により符号を決定し、変調した第3送信信号を生成し、前記第1符号系列を前記第1の規則により符号を決定し、変調した第4送信信号を生成する第2送信信号生成部と、前記第5送信信号を高周波送信信号に変換し、前記第1送信周期において第2送信アンテナから送信し、前記第6送信信号を高周波送信信号に変換し、前記第2送信周期において前記第2送信アンテナから送信する第2送信RF部と、を備え、前記第1の規則は、前記第1送信信号、第2送信信号、第3送信信号、第4送信信号のうち、少なくとも1つの送信信号の符号を負とし、前記各送信周期においては、負の符号及び正の符号の組み合わせ、正の符号及び正の符号の組み合わせのいずれかである、レーダ装置を提供する。
【発明の効果】
【0048】
本発明のレーダ装置によれば、ターゲットが移動する場合でも当該ターゲットからの反射波の信号における低レンジサイドローブ特性を維持し、複数のセクタレーダ間の干渉を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】第1の実施形態の広域レーダ装置の内部構成を示すブロック図
【図2】第1の実施形態の広域レーダ装置の動作に関するタイミングチャート、(a)各送信周期Trにおける第1セクタレーダの第1直交符号OC(1)及び送信符号の説明図、(b)各送信周期Trにおける第2セクタレーダの第2直交符号OC(2)及び送信符号の説明図、(c)各送信周期Trと離散時刻kとの関係を説明する説明図
【図3】第1の実施形態の広域レーダ装置における送信信号生成部の他の内部構成を示すブロック図
【図4】ターゲットが移動していない場合における合致判定部の動作の説明図、(a)第1平均相関値の絶対値と離散時刻との関係を示したグラフ、(b)第2平均相関値の絶対値と離散時刻との関係を示したグラフ、(c)合致判定部の出力である第1平均相関値の絶対値と離散時刻との関係を示したグラフ
【図5】ターゲットが移動している場合における合致判定部の動作の説明図、(a)第1平均相関値の絶対値と離散時刻との関係を示したグラフ、(b)第2平均相関値の絶対値と離散時刻との関係を示したグラフ、(c)合致判定部の出力である第1平均相関値の絶対値と離散時刻との関係を示したグラフ
【図6】第1の実施形態の広域レーダ装置の他の内部構成を示すブロック図
【図7】3つのセクタレーダを用いて構成される広域レーダ装置の動作の一部に関するタイミングチャート、(a)各送信周期Trにおける第1セクタレーダの直交符号OC(1)及び送信符号の説明図、(b)各送信周期Trにおける第2セクタレーダの直交符号OC(2)及び送信符号の説明図、(c)各送信周期Trにおける第3セクタレーダの直交符号OC(3)及び送信符号の説明図
【図8】3つのセクタレーダを用いて構成される広域レーダ装置の動作の一部に関するタイミングチャート、(a)各送信周期Trにおける第1セクタレーダの直交符号OC(1)及び送信符号の説明図、(b)各送信周期Trにおける第2セクタレーダの直交符号OC(2)及び送信符号の説明図、(c)各送信周期Trにおける第3セクタレーダの直交符号OC(3)及び送信符号の説明図
【図9】3つ以上の複数のセクタレーダを含む広域レーダ装置における空間的配置を模式的に示した説明図
【図10】3つのセクタレーダを用いて構成される広域レーダ装置の他の動作の一部に関するタイミングチャート、(a)各送信周期Trにおける第1セクタレーダの直交符号OC(1)及び送信符号の説明図、(b)各送信周期Trにおける第2セクタレーダの直交符号OC(2)及び送信符号の説明図、(c)各送信周期Trにおける第3セクタレーダの直交符号OC(3)及び送信符号の説明図
【図11】3つのセクタレーダを用いて構成される広域レーダ装置の他の動作の一部に関するタイミングチャート、(a)各送信周期Trにおける第1セクタレーダの直交符号OC(1)及び送信符号の説明図、(b)各送信周期Trにおける第2セクタレーダの直交符号OC(2)及び送信符号の説明図、(c)各送信周期Trにおける第3セクタレーダの直交符号OC(3)及び送信符号の説明図
【図12】相補符号の符号系列の生成手順を示した説明図
【図13】相補符号の性質を説明する説明図、(a)一方の相補符号系列の自己相関演算結果を示す説明図、(b)他方の相補符号系列の自己相関演算結果を示す説明図、(c)2つの相補符号系列の自己相関演算結果の加算値を示す説明図
【図14】従来のパルス圧縮レーダにおける送信周期と各送信周期に用いられる送信符号との説明図
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。以下の説明において、本発明に係る広域レーダ装置により受信される受信信号には、当該広域レーダ装置から送信された高周波送信信号がターゲットにより反射された反射波の信号と、当該広域レーダ装置の周囲のノイズ信号とが含まれる。
【0051】
〔第1の実施形態〕
第1の実施形態の広域レーダ装置1の構成及び動作について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、第1の実施形態の広域レーダ装置1の内部構成を示すブロック図である。図2は、第1の実施形態の広域レーダ装置1の動作に関するタイミングチャートである。同図(a)は、各送信周期Trにおける第1セクタレーダの第1直交符号OC(1)及び送信符号の説明図である。同図(b)は、各送信周期Trにおける第2セクタレーダの第2直交符号OC(2)及び送信符号の説明図である。同図(c)は、各送信周期Trと離散時刻kとの関係を説明する説明図である。
【0052】
広域レーダ装置1は、図1に示す様に、基準信号発振器Loと、送信符号制御部CT1と、第1送信アンテナANTs1が接続された第1セクタレーダ送信部2と、第1受信アンテナANTr1が接続された第1セクタレーダ受信部3と、第2送信アンテナANTs2が接続された第2セクタレーダ送信部2aと、第2受信アンテナANTr2が接続された第2セクタレーダ受信部3aとを備える。
【0053】
広域レーダ装置1は、基準信号発振器Lo及び送信符号制御部CT1を共通に有する、2つの第1セクタレーダ及び第2セクタレーダを含む。第1セクタレーダは、第1セクタレーダ送信部2及び第1セクタレーダ受信部3を含む。第2セクタレーダは、第2セクタレーダ送信部2a及び第2セクタレーダ受信部3aを含む。
各セクタレーダには、基準信号発振器Loから信号が同期的に供給され、更に、送信符号制御部CT1から信号が同期的に供給されている。第1セクタレーダ及び第2セクタレーダの各測定エリアは、当該各セクタレーダの測定エリアが近接する場合には一部重複し得るが、基本的にはそれぞれ異なるエリアであるとする。
【0054】
広域レーダ装置1では、第1セクタレーダ送信部2及び第2セクタレーダ送信部2aは、所定の間欠的な高周波送信信号をそれぞれ生成して第1送信アンテナANTs1及び第2送信アンテナANTs2から送信する。更に、第1セクタレーダ受信部3及び第2セクタレーダ受信部3aは、それぞれ送信された高周波相送信信号がターゲットにより反射された反射波の信号を、第1受信アンテナANTr1及び第2受信アンテナANTr2で受信する。
【0055】
広域レーダ装置1は、第1セクタレーダ受信部3及び第2セクタレーダ受信部3aでそれぞれ受信した受信信号を信号処理してターゲットの有無を検出する。なお、ターゲットは広域レーダ装置1が検出する対象の物体であり、例えば自動車又は人等であり、以下の各実施形態においても同様である。
【0056】
なお、第1セクタレーダと第2セクタレーダとは同様な構成を有し、同様に動作するため、以下の広域レーダ装置1の構成及び動作の説明においては、第1セクタレーダの構成及び動作を主に説明し、必要に応じて第2セクタレーダの構成及び動作を説明する。
【0057】
特に第2セクタレーダでの構成が明示的に説明されていないものは、第1セクタレーダで対応する構成における説明と同様な動作をおこなう。
【0058】
また、第2セクタレーダでの構成が明示的に説明されていないもので、第1セクタレーダで対応する構成における説明において、第uセクタレーダとして記載しているものは、u=2と読み替えたものが、第2セクタレーダの動作の説明としている。
【0059】
第1セクタレーダ送信部2について説明する。第1セクタレーダ送信部2は、送信信号生成部4、送信RF(Radio Frequency)部12及び第1送信アンテナANTs1を備える。送信信号生成部4は、第1符号生成部5、第2符号生成部6、送信符号切換部7、直交符号生成部8、直交符号乗算部9、変調部10、及びLPF(Low Pass Filter)11を備える。図1では、送信信号生成部4はLPF11を含む様に構成されているが、LPF11は、送信信号生成部4と独立して第1セクタレーダ送信部2の中に構成されても良い。送信RF部12は、周波数変換部13と、増幅器14とを備える。
【0060】
第2セクタレーダ送信部2aについて説明する。第2セクタレーダ送信部2aは、図1には当該構成を図示していないが、第1セクタレーダ送信部2と同様に、送信信号生成部4a、送信RF部12a及び第2送信アンテナANTs2を備える。送信信号生成部4aは、第1符号生成部5a、第2符号生成部6a、送信符号切換部7a、直交符号生成部8a、直交符号乗算部9a、変調部10a、及びLPF11aを備える。送信RF部12aは、周波数変換部13a、及び増幅器14aを備える。
【0061】
送信信号生成部4は、基準信号発振器Loにより生成されたリファレンス信号に基づいて、当該リファレンス信号を所定倍に逓倍した信号を生成する。送信信号生成部4の各部は、当該生成された信号に基づいて動作する。
【0062】
送信信号生成部4は、それぞれ符号長Lの相補符号系列a,bのパルス圧縮符号を変調し、数式(6)に示すベースバンドの送信信号r(k、M)を周期的に生成する。ここで、パラメータn=1,・・・,Lであり、パラメータLは、相補符号系列a,bの符号長を表す。パラメータjは、j=−1を満たす虚数単位である。パラメータkは、k=1〜(Nr+Nu)を満たす離散時刻である。離散時刻kの範囲は、後述の各実施形態においても同様である。
【0063】
数式(6)に示されたベースバンドの送信信号r(k、M)は、第M番目の送信周期Trの離散時刻kにおける送信信号を示し、同相成分Ir(k、M)と、虚数単位jが乗算された直交成分Qr(k、M)との加算結果で示される。
【0064】
【数6】

【0065】
また、送信信号生成部4により生成される送信信号は、連続的な信号ではないものとする。図2(a)に示す様に、例えば第M番目から第(M+3)番目までの各送信周期Trの送信区間Tw[秒]では、符号長Lの相補符号系列a,bに対して、1つのパルス符号あたりNo[個]のサンプルが存在する。なお、パラメータMは自然数である。従って、送信区間Twにおいては、Nr(=No×L)のサンプルが含まれる。また、第M番目から第(M+3)番目までの各送信周期Trの非送信区間(Tr−Tw)[秒]では、ベースバンドの送信信号としてNu[個]のサンプルが存在するものとする。
【0066】
先ず、送信信号生成部4の各部の構成及び動作について説明する。
【0067】
第1符号生成部5は、符号長Lの相補符号系列のペアを構成する相補符号系列aのパルス圧縮用の送信符号を生成する。第1符号生成部5は、当該生成された相補符号系列aの送信符号を送信符号切換部7に出力する。以下、相補符号系列aの送信符号を、便宜的に送信符号aと記載する。
【0068】
第2符号生成部6は、符号長Lの相補符号系列のペアを構成する相補符号系列bのパルス圧縮用の送信符号を生成する。第2符号生成部6は、当該生成された相補符号系列bの送信符号を送信符号切換部7に出力する。以下、相補符号系列bの送信符号を、便宜的に送信符号bと記載する。
【0069】
送信符号切換部7は、第1符号生成部5及び第2符号生成部6によりそれぞれ出力された送信符号a,bを入力する。送信符号切換部7は、送信符号制御部CT1からの符号切換制御信号に基づいて、当該入力された送信符号a又は送信符号bを選択的に切り換え、当該切り換えられた送信符号を直交符号乗算部9に出力する。
【0070】
送信符号制御部CT1は、第1セクタレーダ送信部2に対し、送信周期Tr毎に、送信符号a又は送信符号bに選択的に切り換える様に送信符号切換部7を制御する。具体的には、送信符号制御部CT1は、第1セクタレーダ送信部2に対し、送信周期Tr毎に、送信符号を選択的に切り換える旨の符号切換制御信号を送信符号切換部7に出力する。送信符号制御部CT1は、第1セクタレーダ送信部2に対し、当該符号切換制御信号を直交符号生成部8及び第1セクタレーダ受信部3にもそれぞれ出力する。
【0071】
なお、送信符号制御部CT1は、第2セクタレーダ送信部2aに対しても同様に、送信周期Tr毎に、送信符号a又は送信符号bに選択的に切り換える様に送信符号切換部7aを制御する。具体的には、送信符号制御部CT1は、第2セクタレーダ送信部2aに対し、送信周期Tr毎に、送信符号を選択的に切り換える旨の符号切換制御信号を送信符号切換部7aに出力する。送信符号制御部CT1は、第2セクタレーダ送信部2aに対し、当該符号切換制御信号を、直交符号生成部8a及び第2セクタレーダ受信部3aにもそれぞれ出力する。
【0072】
ここで、送信符号制御部CT1の動作について、図2(a)及び図2(b)を参照して具体的に説明する。送信符号制御部CT1は、送信信号生成部4及び直交符号生成部8の組と、送信信号生成部4a及び直交符号生成部8aの組とに、それぞれ異なる符号切換制御信号を出力する。
【0073】
送信符号制御部CT1は、第M番目の送信周期Trでは、送信符号aを直交符号乗算部9に出力させる様に送信符号切換部7を制御する。従って、送信符号切換部CT1は、第M番目の送信周期Trでは、送信符号aに選択的に切り換える旨の符号切換制御信号を、送信符号切換部7及び直交符号生成部8にそれぞれ出力する。
【0074】
更に、送信符号制御部CT1は、第M番目の送信周期Trでは、送信符号bを直交符号乗算部9aに出力させる様に送信符号切換部7aを制御する。従って、送信符号切換部CT1は、第M番目の送信周期Trでは、送信符号bに選択的に切り換える旨の符号切換制御信号を、送信符号切換部7a及び直交符号生成部8aにそれぞれ出力する。
【0075】
送信符号制御部CT1は、第(M+1)番目の送信周期Trでは、送信符号bを直交符号乗算部9に出力させる様に送信符号切換部7を制御する。従って、送信符号切換部CT1は、第(M+1)番目の送信周期Trでは、送信符号bに選択的に切り換える旨の符号切換制御信号を、送信符号切換部7及び直交符号生成部8にそれぞれ出力する。
【0076】
更に、送信符号制御部CT1は、第(M+1)番目の送信周期Trでは、送信符号aを直交符号乗算部9aに出力させる様に送信符号切換部7aを制御する。従って、送信符号切換部CT1は、第(M+1)番目の送信周期Trでは、送信符号aに選択的に切り換える旨の符号切換制御信号を、送信符号切換部7a及び直交符号生成部8aにそれぞれ出力する。
【0077】
送信符号制御部CT1は、第(M+2)番目の送信周期Trでは、送信符号aを直交符号乗算部9に出力させる様に送信符号切換部7を制御する。従って、送信符号切換部CT1は、第(M+2)番目の送信周期Trでは、送信符号aに選択的に切り換える旨の符号切換制御信号を、送信符号切換部7及び直交符号生成部8にそれぞれ出力する。
【0078】
更に、送信符号制御部CT1は、第(M+2)番目の送信周期Trでは、送信符号bを直交符号乗算部9aに出力させる様に送信符号切換部7aを制御する。従って、送信符号切換部CT1は、第(M+2)番目の送信周期Trでは、送信符号bに選択的に切り換える旨の符号切換制御信号を、送信符号切換部7a及び直交符号生成部8aにそれぞれ出力する。
【0079】
送信符号制御部CT1は、第(M+3)番目の送信周期Trでは、送信符号bを直交符号乗算部9に出力させる様に送信符号切換部7を制御する。従って、送信符号切換部CT1は、第(M+3)番目の送信周期Trでは、送信符号bに選択的に切り換える旨の符号切換制御信号を、送信符号切換部7及び直交符号生成部8にそれぞれ出力する。
【0080】
更に、送信符号制御部CT1は、第(M+3)番目の送信周期Trでは、送信符号aを直交符号乗算部9aに出力させる様に送信符号切換部7aを制御する。従って、送信符号切換部CT1は、第(M+3)番目の送信周期Trでは、送信符号aに選択的に切り換える旨の符号切換制御信号を、送信符号切換部7a及び直交符号生成部8aにそれぞれ出力する。
【0081】
なお、第(M+4)番目以降の送信周期においては、図2(a)に示した第M番目から第(M+3)番目の送信周期までの4送信周期(4Tr)を1つの単位として、当該単位における各送信周期に応じた送信符号が繰り返して生成される。これらの生成された送信符号は、当該単位における各送信周期に応じて、送信符号切換部7及び送信符号切換部7aにそれぞれ出力される。
【0082】
直交符号生成部8は、送信符号制御部CT1により出力された符号切換制御信号を入力する。直交符号生成部8は、当該入力された符号切換制御信号に応じて、第1セクタレーダ又は第2セクタレーダから送信された高周波送信信号を分離可能とするために、セクタレーダ毎に異なる直交符号OCを生成する。従って、直交符号生成部8により生成される直交符号OC(1)と、直交符号生成部8aにより生成される直交符号OC(2)とは異なる符号となる。
【0083】
具体的には、直交符号生成部8は、図1に示す様なセクタレーダ数Nsが2である場合に、直交符号OCの符号長P=4の互いに直交する関係にある直交符号OC(1)を生成する。パラメータPは、直交符号OCの符号長を表す。例えば、直交符号生成部8は、当該直交符号OC(1)=[1,1,1,1]を生成する。
【0084】
同様に、直交符号生成部8aは、セクタレーダ数Nsが2である場合に、直交符号OC(1)に直交する直交符号OC(2)を生成する。例えば、直交符号生成部8aは、当該直交符号OC(2)=[1,−1,−1,1]を生成する。
【0085】
なお、符号長P=4の直交符号OC(1)のうち、前半部の直交符号OCa(1)(=[1,1])と後半部の直交符号OCb(1)(=[1,1])とは、同じ符号、即ち極性が同一である。このため、直交符号OCa(1)と直交符号OCb(1)との間には、数式(7)が成立する。
【0086】
【数7】

【0087】
一方、符号長P=4の直交符号OC(2)のうち、前半部の直交符号OCa(2)(=[1,−1])と後半部の直交符号OCb(2)(=[−1,1])とは、逆の符号、即ち極性が反転されている。このため、直交符号OCa(2)と直交符号OCb(2)との間には、数式(8)が成立する。以下、直交符号OC(u)のq番目の要素を、OC(q、u)と表す。パラメータuは、u=1,・・・,Nsである。パラメータqは自然数である。
【0088】
【数8】

【0089】
ここで、直交符号生成部8及び直交符号生成部8aの動作について、図2(a)及び図2(b)を参照して具体的に説明する。直交符号生成部8及び直交符号生成部8aは、それぞれ生成された直交符号OC(1)及びOC(2)を、直交符号乗算部9及び直交符号乗算部9aにそれぞれ出力する。
【0090】
直交符号生成部8は、送信符号制御部CT1により出力された符号切換制御信号に応じて、第M番目から第(M+3)番目までの各送信周期Trで用いられる直交符号OC(1)=[1,1,1,1]を生成する。但し、図2に示す様に、第M番目の送信周期Trが、上述した送信符号制御部CT1を含む広域レーダ装置1の各部の動作における4送信周期の第1番目の送信周期であり、以下の各実施形態においても同様であるとする。
【0091】
具体的には、直交符号生成部8は、送信符号制御部CT1からの符号切換制御信号に応じて、第M番目の送信周期Trに用いられる直交符号OC(1,1)を生成し、直交符号乗算部9に出力する。図2では、直交符号OC(1,1)=+1となる。
【0092】
直交符号生成部8は、送信符号制御部CT1からの符号切換制御信号に応じて、第(M+1)番目の送信周期Trに用いられる直交符号OC(2,1)を生成し、直交符号乗算部9に出力する。図2では、直交符号OC(2,1)=+1となる。
【0093】
直交符号生成部8は、送信符号制御部CT1からの符号切換制御信号に応じて、第(M+2)番目の送信周期Trに用いられる直交符号OC(3,1)を生成し、直交符号乗算部9に出力する。図2では、直交符号OC(3,1)=+1となる。
【0094】
直交符号生成部8は、送信符号制御部CT1からの符号切換制御信号に応じて、第(M+3)番目の送信周期Trに用いられる直交符号OC(4,1)を生成し、直交符号乗算部9に出力する。図2では、直交符号OC(4,1)=+1となる。
【0095】
直交符号生成部8aは、送信符号制御部CT1により出力された符号切換制御信号に応じて、第M番目から第(M+3)番目までの各送信周期Trで用いられる直交符号OC(2)=[1,−1,−1,1]を生成する。
【0096】
具体的には、直交符号生成部8aは、送信符号制御部CT1からの符号切換制御信号に応じて、第M番目の送信周期Trに用いられる直交符号OC(1,2)を生成し、直交符号乗算部9aに出力する。図2では、直交符号OC(1,2)=+1となる。
【0097】
直交符号生成部8aは、送信符号制御部CT1からの符号切換制御信号に応じて、第(M+1)番目の送信周期Trに用いられる直交符号OC(2,2)を生成し、直交符号乗算部9aに出力する。図2では、直交符号OC(2,2)=−1となる。
【0098】
直交符号生成部8aは、送信符号制御部CT1からの符号切換制御信号に応じて、第(M+2)番目の送信周期Trに用いられる直交符号OC(3,2)を生成し、直交符号乗算部9aに出力する。図2では、直交符号OC(3,2)=−1となる。
【0099】
直交符号生成部8aは、送信符号制御部CT1からの符号切換制御信号に応じて、第(M+3)番目の送信周期Trに用いられる直交符号OC(4,2)を生成し、直交符号乗算部9aに出力する。図2では、直交符号OC(4,2)=+1となる。
【0100】
なお、第(M+4)番目以降の送信周期においては、図2(a)に示した第M番目から第(M+3)番目の送信周期までの4送信周期(4Tr)を1つの単位として、当該単位における各送信周期に応じた直交符号が繰り返して生成される。これらの生成された直交符号は、当該単位における各送信周期に応じて、直交符号乗算部9及び直交符号乗算部9aにそれぞれ出力される。
【0101】
直交符号乗算部9は、送信符号切換部7により出力された送信符号、及び直交符号生成部8により出力された直交符号を入力する。直交符号乗算部9は、送信符号切換部7により出力された送信符号と、直交符号生成部8により出力された直交符号とを乗算する。直交符号乗算部9は、当該乗算結果である送信符号を変調部10に出力する。
【0102】
例えば、図2(a)には第M番目の送信周期Trにおいて、送信符号切換部7により出力された送信符号がaであり、直交符号生成部8により出力された直交符号OC(1、1)が1である場合が示されている。この場合、直交符号乗算部9は、送信符号aと直交符号OC(1、1)(=1)との乗算結果である送信符号aを変調部10に出力する。
【0103】
例えば、図2(a)には第(M+1)番目の送信周期Trにおいて、送信符号切換部7により出力された送信符号がbであり、直交符号生成部8により出力された直交符号OC(2、1)が1である場合が示されている。この場合、直交符号乗算部9は、送信符号bと直交符号OC(2、1)(=1)との乗算結果である送信符号bを変調部10に出力する。
【0104】
例えば、図2(a)には第(M+2)番目の送信周期Trにおいて、送信符号切換部7により出力された送信符号がaであり、直交符号生成部8により出力された直交符号OC(3、1)が1である場合が示されている。この場合、直交符号乗算部9は、送信符号aと直交符号OC(3、1)(=1)との乗算結果である送信符号aを変調部10に出力する。
【0105】
例えば、図2(a)には第(M+3)番目の送信周期Trにおいて、送信符号切換部7により出力された送信符号がbであり、直交符号生成部8により出力された直交符号OC(4、1)が1である場合が示されている。この場合、直交符号乗算部9は、送信符号bと直交符号OC(4、1)(=1)との乗算結果である送信符号bを変調部10に出力する。
【0106】
例えば、図2(b)には第M番目の送信周期Trにおいて、送信符号切換部7aにより出力された送信符号がbであり、直交符号生成部8aにより出力された直交符号OC(1、2)が1である場合が示されている。この場合、直交符号乗算部9aは、送信符号bと直交符号OC(1、2)(=1)との乗算結果である送信符号bを変調部10aに出力する。
【0107】
例えば、図2(b)には第(M+1)番目の送信周期Trにおいて、送信符号切換部7aにより出力された送信符号がaであり、直交符号生成部8aにより出力された直交符号OC(2、2)が−1である場合が示されている。この場合、直交符号乗算部9aは、送信符号aと直交符号OC(2、2)(=−1)との乗算結果である送信符号−aを変調部10aに出力する。
【0108】
例えば、図2(b)には第(M+2)番目の送信周期Trにおいて、送信符号切換部7aにより出力された送信符号がbであり、直交符号生成部8aにより出力された直交符号OC(3、2)が−1である場合が示されている。この場合、直交符号乗算部9aは、送信符号bと直交符号OC(3、2)(=−1)との乗算結果である送信符号−bを変調部10aに出力する。
【0109】
例えば、図2(b)には第(M+3)番目の送信周期Trにおいて、送信符号切換部7aにより出力された送信符号がaであり、直交符号生成部8aにより出力された直交符号OC(4、2)が1である場合が示されている。この場合、直交符号乗算部9aは、送信符号aと直交符号OC(4、2)(=1)との乗算結果である送信符号aを変調部10aに出力する。
【0110】
変調部10は、直交符号乗算部9により出力された送信符号を入力する。変調部10は、当該入力された送信符号をパルス変調することで、ベースバンドの送信信号r(n)を生成する。なお、パルス変調とは、振幅変調、ASK(Amplitude Shift Keying))又は位相変調(PSK(Phase Shift Keying)である。また、変調部10は、LPF11を介して、当該生成された送信信号r(n)のうち予め設定された制限帯域以下の送信信号r(n)を送信RF部12に出力する。
【0111】
次に、送信RF部12の各部の構成及び動作について説明する。
【0112】
送信RF部12は、基準信号発振器Loにより生成されたリファレンス信号に基づいて、当該リファレンス信号を所定倍数に逓倍した信号を生成する。送信RF部12は、当該生成された信号に基づいて動作する。
具体的には、周波数変換部13は、送信信号生成部4により生成された送信信号r(n)を入力し、当該入力されたベースバンドの送信信号r(n)をアップコンバートしてキャリア周波数帯域の高周波送信信号を生成する。周波数変換部13は、当該生成された高周波送信信号を増幅器14に出力する。
【0113】
増幅器14は、当該出力された高周波送信信号を入力し、当該入力された高周波送信信号のレベルを所定のレベルに増幅して第1送信アンテナANTs1に出力する。この増幅された高周波送信信号は、第1送信アンテナANTs1を介して空間に放射する様に送信される。
【0114】
送信アンテナANTs1は、送信RF部12により出力された高周波送信信号を空間に放射する様に送信する。図2(a)に示す様に、高周波送信信号は、送信周期Trのうち送信区間Twの間に送信され、非送信区間(Tr−Tw)の間には送信されない。
【0115】
なお、上述した各セクタレーダの送信RF部12,12a及び受信RF部15,15a内にそれぞれ設けられる局部発振器には、基準信号発振器Loにより生成されたリファレンス信号が所定倍に逓倍された信号が共通に供給されている。これにより、当該各セクタレーダの送信RF部12,12a及び受信RF部15,15aの局部発振器間の同期をとることができる。
【0116】
更に、各セクタレーダ間では、共通の基準信号発振器Loにより生成されたリファレンス信号が所定倍に逓倍された信号に基づいて送信信号が生成されている。これにより、送信周期は、当該各セクタレーダ間において同期していることになる。
【0117】
なお、第1セクタレーダ送信部2において、図3に示す様に、送信信号生成部4により生成された各送信符号a,b,−a,−bをそれぞれ予め記憶する送信符号記憶部CMを設けても良い。第2セクタレーダ送信部2aにおいても同様である。なお、図3に示した送信符号記憶部CMは、第1の実施形態に限らず、後述の各実施形態にも同様に適用することができる。図3は、第1の実施形態の広域レーダ装置1における送信信号生成部4の他の内部構成を示すブロック図である。この送信信号生成部4cは、送信符号記憶部CMと、送信符号制御部CT2と、変調部10と、LPF11とを備える。
【0118】
図3において、送信符号制御部CT2は、第M番目から第(M+3)番目までの各送信周期Trに応じて生成される送信符号を、送信符号記憶部CMから巡回的に読み出して変調部10に出力する。
【0119】
具体的には、送信符号制御部CT2は、第M番目の送信周期Trでは、直交符号が予め乗算された送信符号aを送信符号記憶部CMから読み出して変調部10に出力する。送信符号制御部CT2は、第(M+1)番目の送信周期Trでは、直交符号が予め乗算された送信符号bを送信符号記憶部CMから読み出して変調部10に出力する。
【0120】
送信符号制御部CT2は、第(M+2)番目の送信周期Trでは、直交符号が予め乗算された送信符号aを送信符号記憶部CMから読み出して変調部10に出力する。送信符号制御部CT2は、第(M+3)番目の送信周期Trでは、直交符号が予め乗算された送信符号bを送信符号記憶部7aから読み出して変調部10に出力する。
【0121】
変調部10に出力された後の動作は上述した変調部10及びLPF11の動作と同様であるため、当該同様の内容に関する説明は省略する。
【0122】
更に、第2セクタレーダ送信部2aの送信信号生成部4aが図3に示す送信信号生成部4cである場合でも、図2(b)に示した各送信符号が記憶されている点を除けば、上述した同様の動作を行うため当該動作の説明は省略する。
【0123】
次に、第1セクタレーダ受信部3と第2セクタレーダ受信部3aについて説明する。第1セクタレーダ受信部3と第2セクタレーダ受信部3aとは同様な構成であり、同様に動作する。但し、後述する第1セクタレーダ受信部3の第1分離符号生成部22及び第1サブ分離符号生成部24の動作は、第2セクタレーダ受信部3の第2分離符号生成部22a及び第2サブ分離符号生成部24aとは異なる。
【0124】
以下では、第1セクタレーダ受信部3の第1分離符号生成部22及び第2セクタレーダ受信部3aの第2分離符号生成部22aの動作は、第1分離符号生成部22の動作説明において、第uセクタレーダとして記載し(u=1,2)、第1セクタレーダ、第2セクタレーダで異なる動作部分をまとめた形で説明を行う。
【0125】
同様に、第1セクタレーダ受信部3の第1サブ分離符号生成部24及び第2セクタレーダ受信部3aの第2サブ分離符号生成部24aの動作は、第1サブ分離符号生成部24の動作説明において、第uセクタレーダとして記載し(u=1,2)、第1セクタレーダ、第2セクタレーダで異なる動作部分をまとめた形で説明を行う。
【0126】
第1セクタレーダ受信部3について説明する。第1セクタレーダ受信部3は、第1受信アンテナANTr1、受信RF部15及び信号処理部19を備える。受信RF部15は、増幅器16、周波数変換部17及び直交検波部18を備える。信号処理部19は、A/D変換部20,21、第1分離符号生成部22、第1相関値演算部23、第1サブ分離符号生成部24、第2相関値演算部25、第1分離符号乗算部26、第1加算処理部27、第2加算処理部28、合致判定部29及び到来距離推定部30を備える。第1セクタレーダ受信部3は、4送信周期(4Tr)を信号処理部19における信号処理区間として周期的に演算する。
【0127】
第2セクタレーダ受信部3aについて説明する。第2セクタレーダ受信部3aは、図1には当該構成を図示していないが、第1セクタレーダ受信部3と同様に、第2受信アンテナANTr2、受信RF部15a及び信号処理部19aを備える。受信RF部15aは、増幅器16a、周波数変換部17a及び直交検波部18aを備える。信号処理部19aは、A/D変換部20a,21a、第2分離符号生成部22a、第3相関値演算部23a、第2サブ分離符号生成部24a、第4相関値演算部25a、第2分離符号乗算部26a、第3加算処理部27a、第4加算処理部28a、合致判定部29a及び到来距離推定部30aを備える。第2セクタレーダ受信部3aは、4送信周期(4Tr)を信号処理部19aにおける信号処理区間として周期的に演算する。
【0128】
第1受信アンテナANTr1は、第1セクタレーダ送信部2により送信された高周波送信信号がターゲットにより反射された反射波の信号と、広域レーダ装置1の周囲のノイズ信号とを受信信号として受信する。さらに、第1受信アンテナANTr1は、第1セクタレーダと第2セクタレーダの測定エリアが近接する場合、第2セクタレーダ送信部2により送信された高周波送信信号がターゲットにより反射された反射波を、干渉信号として受信することがある。なお、上記2つの反射波の信号は高周波帯域の信号である。第1受信アンテナANTr1により受信された受信信号は、受信RF部15に入力される。
【0129】
なお、広域レーダ装置1においては、第1セクタレーダ受信部3は1つの第1受信アンテナANTr1を保持する。同様に、第2セクタレーダ受信部3aは1つの第2受信アンテナANTr2を保持する。
【0130】
第1受信アンテナANTr1は、図2(a)に示す各送信周期Trに相当する区間に、上述した受信信号を受信する。従って、この受信信号が受信される区間Trが広域レーダ装置1における測定区間とされる。なお、第2受信アンテナANTr2についても同様である。
【0131】
受信RF部15は、送信RF部12と同様に、基準信号発振器Loにより生成されたリファレンス信号に基づいて、当該リファレンス信号を所定倍に逓倍した信号を生成する。受信RF部15は、当該生成された信号に基づいて動作する。これにより、送信RF部12の局部発振器と受信RF部15の局部発振器(不図示)との間の同期をとることができる。
【0132】
増幅器16は、第1受信アンテナANTr1により受信された高周波帯域の受信信号を入力し、当該入力された高周波帯域の受信信号のレベルを増幅して周波数変換部17に出力する。
【0133】
周波数変換部17は、当該増幅器16により出力された高周波帯域の受信信号を入力し、当該入力された高周波帯域の受信信号をベースバンドにダウンコンバートし、当該ダウンコンバートされた受信信号を直交検波部18に出力する。
【0134】
直交検波部18は、周波数変換部17により出力されたベースバンドの受信信号を直交検波することで同相信号(In-phase signal)及び直交信号(Quadrate signal)を用いて構成されるベースバンドの受信信号を生成する。直交検波部18は、当該生成された受信信号のうち同相信号成分をA/D変換部20に出力し、当該生成された受信信号のうち直交信号成分をA/D変換部21に出力する。
【0135】
A/D変換部20は、直交検波部18により出力されたベースバンドの同相信号に対して離散時刻kにおけるサンプリングを行い、アナログデータの当該同相信号をデジタルデータに変換する。A/D変換部20は、当該変換されたデジタルデータの同相信号を、第1相関値演算部23及び第2相関値演算部25にそれぞれ出力する。
【0136】
同様に、A/D変換部21は、直交検波部18により出力されたベースバンドの直交信号に対して離散時刻kにおけるサンプリングを行い、アナログデータの当該直交信号をデジタルデータに変換する。A/D変換部21は、当該変換されたデジタルデータの直交信号を、第1相関値演算部23及び第2相関値演算部25にそれぞれ出力する。
【0137】
また、A/D変換部20,21により変換された第M番目の送信周期Trの離散時刻kにおける受信信号は、当該受信信号の同相信号I(k、M)及び当該受信信号の直交信号Q(k、M)を用いて、数式(9)の複素信号x(k、M)として表される。
【0138】
【数9】

【0139】
図2(c)に示す様に、離散時刻k=1は、各送信周期Trの開始時点を示す。また、離散時刻k=Nrは、各送信周期Trにおける送信区間Twの終了時点を示す。更に、離散時刻k=(Nr+Nu)は、各送信周期Trの終了直前時点を示す。なお、図2(c)には、離散時刻kの範囲を便宜的に図示するために、離散時刻kの範囲を第M番目の送信周期のみに示している。
【0140】
第1分離符号生成部22は、第M番目の送信周期Trに直交符号生成部8により生成された直交符号OC(1)を、当該送信周期Tr毎に入力する。第1分離符号生成部22は、当該入力された直交符号OC(1)を基に、第1分離符号として割り当てる。
【0141】
なお、直交符号OC(1)は、第1セクタレーダ受信部3に受信された受信信号から、第1セクタレーダ送信部2により送信された送信信号の分離に用いる。
【0142】
第1分離符号生成部22は、当該割り当てられた直交符号OC(1)を当該送信周期Trに同期する様に第1分離符号乗算部26に出力する。
【0143】
具体的には、第1分離符号生成部22は、第M番目の送信周期Trでは、直交符号OC(1、1)を第1分離符号として第1分離符号乗算部26に出力する。同様に、第1分離符号生成部22は、第(M+1)番目の送信周期Trでは、直交符号OC(2、1)を第1分離符号として第1分離符号乗算部26に出力する。第1分離符号生成部22は、第(M+2)番目の送信周期Trでは、直交符号OC(3、1)を第1分離符号として第1分離符号乗算部26に出力する。第1分離符号生成部22は、第(M+3)番目の送信周期Trでは、直交符号OC(4、1)を第1分離符号として第1分離符号乗算部26に出力する。
【0144】
第(M+4)番目の送信周期Tr以降も含めて、以下のように記載する。すなわち、第uセクタレーダの第(M+p)番目の送信周期Trにおいて、第1分離符号生成部22は、直交符号生成部8により生成された直交符号OC(u)に対し、第1分離符号OC(mod(p、4)+1、u)として、第1分離符号乗算部26に出力する。
【0145】
ここで、パラメータpは、整数を表し、以下においても同様である。また、mod(x、y)は、xをyで割った場合の余り(剰余)を算出する剰余演算子である。
【0146】
第1相関値演算部23は、A/D変換部20,21によりそれぞれ出力されたデジタルデータの複素信号x(k、M+p)を入力する。第1相関値演算部23は、送信信号生成部4の動作と同期することで、当該送信信号生成部4と同様に、基準信号発振器Loにおいて生成されたリファレンス信号に基づいて、当該リファレンス信号を所定倍に逓倍した信号を生成する。
【0147】
なお、図1では、第1相関値演算部23へのリファレンス信号の入力は、省略して記載している。
【0148】
第1相関値演算部23は、当該生成された信号に基づいて、離散時刻kに応じて送信信号生成部4により生成された送信信号(数式(6)参照)と同一のベースバンドである基準送信信号r(k、M+p)を周期的に生成する。
【0149】
また、第1相関値演算部23は、当該入力された複素信号x(k、M+p)と、当該生成された基準送信信号r(k、M+p)との第1相関値を演算する。但し、この第1相関値の演算においては、基準送信信号r(k、M+p)の複素共役値が用いられる。
【0150】
具体的には、第1相関値演算部23は、図2に示す各送信周期Tr、即ち離散時刻k=1〜(Nr+Nu)の場合には、数式(10)に従って第1相関値AC(k、M+p)を演算する。第1相関値演算部23は、数式(10)に従って演算された第1相関値AC(k、M+p)を第1分離符号乗算部26に出力する。
【0151】
【数10】

【0152】
第1分離符号乗算部26は、第1分離符号生成部22により生成された第1分離符号OC(mod(p、4)+1、u)と、第1相関値演算部23により演算された第1相関値AC(k、M+p)とを乗算する。第1分離符号乗算部26は、当該乗算結果を第1加算処理部27に出力する。ここで、当該乗算結果は、第1分離符号生成部26により生成された第1分離符号が乗算された第1相関値のことである。以下、この第1分離符号が乗算された第1相関値を、単に「乗算後第1相関値」という。
【0153】
第1加算処理部27は、第1分離符号乗算部26により出力された乗算後第1相関値を入力する。第1加算処理部27は、第(M+v)番目から第(M+v+3)番目までの4送信周期(4Tr)において乗算された各乗算後第1相関値を単位として加算を行う。パラメータvは、ゼロを含む4の倍数である。
【0154】
即ち、第1加算処理部27は、4送信周期分における乗算後第1相関値を単位として、離散時刻kのタイミングを揃えて数式(11)に示す様な第1平均相関値aveAC(k、u)を演算する。第1加算処理部27は、当該演算された第1平均相関値aveAC(k、u)を合致判定部29に出力する。
【0155】
【数11】

【0156】
この第1加算処理部27の動作により、ターゲットの移動速度が小さい場合には、広域レーダ装置1は、第1セクタレーダからの高周波送信信号を受信し、他の第2セクタレーダからの高周波送信信号を抑圧する。但し、ターゲットの移動速度が大きい場合には、広域レーダ装置1は、他のセクタレーダからの高周波送信信号成分を残留することになる。
【0157】
また、4送信周期(4Tr)において演算された第1平均相関値aveAC(k、u)を1つの単位として、更に当該単位の複数倍の送信周期Trにわたって加算しても良い。これにより、広域レーダ装置1は、雑音成分を更に抑圧することで、SNR(Signal Noise Ratio)を向上することができ、更に、ターゲットの到来距離の推定に関する測定性能を向上することができる。
【0158】
ここで、第M番目の送信周期Trにおける符号長P=4の直交符号OC(1)のうち、前半部の直交符号OCa(1)と後半部の直交符号OCb(1)とは、同じ符号が用いられている(数式(7)参照)。一方、第(M+1)番目の送信周期Trにおける符号長P=4の直交符号OC(2)のうち、前半部の直交符号OCa(2)と後半部の直交符号OCb(2)とは、符号の極性が反転した関係にあるものが用いられている(数式(9)参照)。
【0159】
例えば第1セクタレーダが他の第2セクタレーダ送信部2aからの干渉信号を受信した場合を仮定する。この場合、直交符号OC(1)と直交符号OC(2)との関係によって、広域レーダ装置1は、上述した第1平均相関値から当該受信信号の変動が4送信周期(4Tr)において、静的とみなせる場合には、当該干渉信号成分を抑圧し、第1セクタレーダ送信部2から送信された所望の送信信号を抽出することができる。
【0160】
また、第1のセクタレーダは、第M番目の送信周期Trにおいて、送信符号aに基づいて生成された高周波送信信号を送信し、続く第(M+1)番目の送信周期Trにおいて、送信符号bに基づいて生成された高周波送信信号を送信する。
【0161】
一方、第2のセクタレーダは、第M番目の送信周期Trにおいて、送信符号bに基づいて生成された高周波送信信号を送信し、続く第(M+1)番目の送信周期Trにおいて、送信符号−aに基づいて生成された高周波送信信号を送信する。
【0162】
第1セクタレーダ及び第2セクタレーダは、これらの各高周波送信信号の送信を同期して行うため、広域レーダ装置1は、2送信周期(2Tr)においても、他の第1セクタレーダ又は第2セクタレーダからの干渉信号成分を抑圧することができる。
【0163】
これは、次の理由による。各セクタレーダ間の符号間干渉は、送信符号の相互相関値に比例した関係を有するため、第M番目の送信周期Trにおいて、異なる送信符号(a,b)間の相互相関値がz(k)として得られた場合であって、受信信号の変動が2送信周期(2Tr)にわたり静的とみなせる場合には、第(M+1)番目の送信周期Trでは異なる送信符号(a,b)間の相互相関値が−z(k)として得られるためである。
【0164】
より具体的には、第1セクタレーダにおける第1相関値演算部23に含まれる、A/D変換部20,21からそれぞれ出力されたデジタルデータの複素信号x(k、M+u)、x(k、M+u+1)が、それぞれ、第2セクタレーダからの干渉信号成分v(k,M+u)、v(k、M+u+1)を含む場合について、以下に説明する。ここでパラメータuは、ゼロを含む2の倍数である。
【0165】
第1相関値演算部23は、第M+u番目の送信周期Trにおいて、当該入力された複素信号x(k、M+u)に含まれる第2セクタレーダからの干渉信号成分v(k,M+u)に対し、送信符号anを用いた第1セクタレーダにおける基準送信信号r(k、M+u)との相関演算である第1相関値AC12(k、M+u)を算出することとなる。
【0166】
ここで、次の数式(12)における2行目において、第2セクタレーダからの干渉信号成分v(k,M+u)は、送信符号bnを用いた送信信号r(k、M+u)と、第M番目の送信周期Trにおける第2セクタレーダから第1セクタレーダへの干渉信号成分の複素伝搬路応答を示す複素遅延プロファイルh12(k、M+u)と、の畳み込み演算によって算出できる性質を用いて、式変形を行っている。
【0167】
【数12】

【0168】
また、第1相関値演算部23は、第M+u+1番目の送信周期Trにおいて、当該入力された複素信号x(k、M+u+1)に含まれる第2セクタレーダからの干渉信号成分v(k,M+u+1)に対し、送信符号bnを用いた第1セクタレーダにおける基準送信信号r(k、M+u+1)との相関演算である第1相関値AC12(k、M+u+1)を算出することとなる。
【0169】
ここで、第2セクタレーダからの干渉信号成分v(k,M+u+1)は、送信符号anの極性を反転したものを用いた送信信号r(k、M+u+1)と、第M+u+1番目の送信周期Trにおける第2セクタレーダから第1セクタレーダへの干渉信号成分の複素伝搬路応答を示す複素遅延プロファイルh12(k、M+u+1)と、の畳み込み演算によって算出できる性質を用いて、数式(13)のように式変形を行っている。
【0170】
【数13】

【0171】
ここで、第1セクタレーダ及び第2セクタレーダは、第M+u番目の送信周期Tr、第M+u+1番目の送信周期Trの各高周波送信信号の送信を同期して行う。このため、各送信信号間には、r(k、M+u)=−r(k、M+u+1)、r(k、M+u+1)=r(k、M+u)の関係が成り立つ。この関係を用いて、数式(13)を変形すると次の数式(14)となる。
【0172】
【数14】

【0173】
ここで、基準送信信号r(k、M+u)、r(k、M+u+1)は、送信符号an,bnの各要素である[1,−1]の成分に対し、変調部10において、各離散時刻kの位相平面上でのコンスタレーション(変調シンボルマッピング)を[0°、180°]または[180°、0°]とすることができる。
【0174】
この場合、各離散時刻kの基準送信信号r(k、M+u)、r(k、M+u+1)は実数として扱うことができるため、数式(12)、数式(14)は、それぞれ次の数式(15)、(16)のように変形できる。
【0175】
【数15】

【0176】
【数16】

【0177】
さらに、第M+u番目の送信周期Trにおける第2セクタレーダから第1セクタレーダへの干渉信号成分の複素遅延プロファイルh12(k、M)と、第M+u+1番目の送信周期Trにおける第2セクタレーダから第1セクタレーダへの干渉信号成分の複素遅延プロファイルh12(k、M+u+1)とが、ほぼ等しい場合(つまり、伝搬路変動がほぼ静的とみなせる場合)、他セクタレーダからの干渉信号成分に対する相関演算結果である第1相関値AC12(k、M+u)及びAC12(k、M+u+1)は次の数式(17)で示す関係となる。
【0178】
【数17】

【0179】
上記の相関演算結果の関係から、第1の加算処理部27は、第1分離符号乗算部26により出力された乗算後第1相関値を入力とし、(M+u)番目から第(M+u+1)番目までの2送信周期(2Tr)において乗算された各乗算後第1相関値を単位として加算を行うことで、第2セクタレーダから第1セクタレーダへの干渉成分AC12(k、M+u)及びAC12(k、M+u+1)を抑圧することができる。
【0180】
以上、第1相関値演算部23での、A/D変換部20,21によりそれぞれ出力されたデジタルデータの複素信号x(k、M+u)、x(k、M+u+1)が、それぞれ、第2セクタレーダからの干渉信号成分v(k,M+u)、v(k、M+u+1)を含む場合であって、第1セクタレーダにおいて干渉抑圧する動作について説明した。なお、第2セクタレーダにおいても、第1相関値演算部23a、第1分離符号乗算部26a、第1の加算処理部27aの同様な動作により、第1セクタレーダからの干渉信号成分の抑圧が可能となる。
【0181】
第1サブ分離符号生成部24は、第uのセクタレーダにおいて、第M+p番目の送信周期Trに、直交符号生成部8により生成された直交符号OC(mod(p、4)+1、u)が、当該送信周期Tr毎に入力される。
【0182】
また、第1サブ分離符号生成部24は、第uのセクタレーダにおいて、第M+p番目の送信周期Trに、送信符号制御部CT1からの符号切換制御信号に応じて送信符号切換部7から出力された送信符号の種別(anあるいはbn)が、当該送信周期Tr毎に入力される。
【0183】
第1サブ分離符号生成部24は、当該入力された直交符号OC(mod(p、4)+1、u)及び送信符号の種別に応じて、第1サブ分離符号subOC(u)を生成する。第1サブ分離符号subOC(u)は、符号長L/2のサブ符号単位で第1セクタレーダ受信部3に受信された受信信号から、第1セクタレーダ送信部2より送信された送信信号を、分離するために用いる。
【0184】
第1サブ分離符号生成部24は、当該生成された第1サブ分離符号subOC(u)を第2相関値演算部25に出力する。
【0185】
ここで、第uサブ分離符号subOC(u)は、符号長Lの相補符号a,bが符号長L/2の相補符号のペアを構成するc,dを数式(18)に示す様に連接することで得られる性質を利用して生成される。なお、符号長L/2の相補符号のペアを構成するc,dは、数式(19)に示す様に表される。以下の各実施形態においても同様である。
【0186】
【数18】

【0187】
【数19】

【0188】
数式(18)及び(19)に示される関係を用いて、第1サブ分離符号の生成方法を具体的に説明する。図2(a)に示す様に、第M番目から第(M+3)番目までの各送信周期Trにおいて高周波送信信号が送信される際、直交符号OC(M、1)と送信符号a或いは送信符号bとが乗算される。即ち、第M番目から第(M+3)番目までの各送信周期Trに対応した送信符号[a,b,a,b]と、直交符号OC(1)=[1,1,1,1]とが乗算される。
【0189】
この乗算結果の送信符号[a,b,a,b]は、符号長L/2のサブ符号c,dで置き換えられた場合には、[c,d,c,−d,c,d,c,−d]となる。第1サブ分離符号生成部24は、当該乗算結果の送信符号[a,b,a,b]を符号長L/2のサブ符号c,dで置き換えた場合における各送信符号の係数を第1サブ分離符号subOC(1)として生成する。即ち、第1サブ分離符号生成部24は、当該係数である[1,1,1,−1,1,1,1,−1]を第1サブ分離符号subOC(1)として生成する。
【0190】
また、第2セクタレーダにおいても第1セクタレーダの第1サブ分離符号生成部24と同様に、第2サブ分離符号生成部24aは、第2サブ分離符号subOC(2)を生成する。具体的には、数式(18)及び(19)に示される関係を用いて、図2(b)に示す様に、第M番目から第(M+3)番目までの各送信周期Trにおいて高周波送信信号が送信される際、直交符号OC(M、2)と送信符号a或いは送信符号bとが乗算される。即ち、第M番目から第(M+3)番目までの各送信周期Trに対応した送信符号[b,a,b,a]と、直交符号OC(2)=[1,−1,−1,1]とが乗算される。
【0191】
この乗算結果の送信符号[b,−a,−b,a]は、符号長L/2のサブ符号c,dで置き換えられた場合には、[c,−d,−c,−d,−c,d,c,d]となる。第2サブ分離符号生成部24aは、当該乗算結果の送信符号[b,a,b,a]を符号長L/2のサブ符号c,dで置き換えた場合における各送信符号の係数を第2サブ分離符号subOC(2)として生成する。
【0192】
即ち、第2サブ分離符号生成部24aは、当該係数である[1,−1,−1,−1,−1,1,1,1]を第2サブ分離符号subOC(2)として生成する。なお、以下の説明において、第uサブ分離符号subOC(u)の第h番目の要素を、subOC(h、u)と表す。ここで、パラメータhはh=1,2,・・・,8である。
【0193】
上述した様に、各セクタレーダ間において、第1サブ分離符号subOC(1)=[1,1,1,−1,1,1,1,−1]と第2サブ分離符号subOC(2)=[1,−1,−1,−1,−1,1,1,1]とは、数式(20)に示す関係が成立する。即ち、第1サブ分離符号subOC(1)と第2サブ分離符号subOC(2)とは、当該各サブ分離符号の2要素単位(1送信周期(1Tr)相当)、4要素単位(2送信周期(2Tr)相当)、8要素単位(4送信周期(4Tr)相当)で互いに直交する。この数式(20)に示される関係により、受信信号の変動が1送信周期(Tr)、2送信周期(2Tr)、及び4送信周期(4Tr)にわたり静的とみなせる場合には、広域レーダ装置1は、他のセクタレーダからの干渉信号成分を抑圧することができる。
【0194】
【数20】

【0195】
第2相関値演算部25は、A/D変換部20,21によりそれぞれ出力されたデジタルデータの複素信号x(k、M+p)を入力する。第2相関値演算部25は、送信信号生成部4の動作と同期して、当該送信信号生成部4と同様に基準信号発振器Loにおいて生成されたリファレンス信号に基づいて、当該リファレンス信号を所定倍に逓倍した信号を生成する。
【0196】
なお、図1では、第1相関値演算部23、第2相関値演算部25へのリファレンス信号の入力は、省略して記載している。第2相関値演算部25は、所定倍に逓倍した生成された信号に基づいて、離散時刻kに応じて送信信号生成部4により生成された送信信号(数式(6)参照)と同一のベースバンドである基準送信信号r(k、M+p)を周期的に生成する。この基準送信信号r(k、M+p)は、当該基準送信信号の同相成分I(k、M+p)及び当該基準送信信号の直交成分Q(k、M+p)を用いて、数式(21)の複素信号として表される。
【0197】
【数21】

【0198】
また、第2相関値演算部25は、当該入力された複素信号x(k、M+p)と、当該生成された基準送信信号r(k、M+p)との第2相関値を次の様に演算する。具体的には、第2相関値演算部25は、各送信周期Trの送信区間Twを前半部と後半部とに分割したときの前半第2相関値と後半第2相関値とを、数式(22)に示す様にそれぞれ演算する。なお、前半部とは、離散時刻k=1〜Nr/2の範囲を示す。更に、後半部とは、離散時刻k=(Nr/2)+1〜Nrの範囲を示す。
【0199】
その後、第2相関値演算部25は、当該演算された前半第2相関値と、第2サブ分離符号subOC(h、u)とを乗算する。同様に、第2相関値演算部25は、当該演算された後半第2相関値と、第2サブ分離符号subOC(h、u)とを乗算する。
【0200】
更に、第2相関値演算部25は、各第2サブ分離符号subOC(h、u)が乗算された前半第2相関値と後半第2相関値とを加算して第2相関値を演算する(数式(23)参照)。第2相関値演算部25は、当該演算された第2相関値を第2加算処理部28に出力する。ここで、AC2(k、M+p,u)は、第u番目のセクタレーダにおける離散時刻kの第2相関値演算部25の出力となる第2相関値を表す。アスタリスク*は、複素共役演算子を表す。
【0201】
【数22】

【0202】
【数23】

【0203】
ここで、第1セクタレーダで受信された受信信号に、第2セクタレーダからの信号が干渉信号(干渉波)として重畳されている場合を仮定する。この場合、第2相関値演算部25は、離散時刻kの前半第2相関値ACsub(k、M+p)及び後半第2相関値ACsub(k、M+p)に対して、第1セクタレーダの第1サブ分離符号subOC(1)を乗算する。これにより、広域レーダ装置1は、ターゲットの移動距離が少なく伝搬環境が静的な環境である場合に、数式(24)に示す様に、他の第2セクタレーダからの干渉信号成分を抑圧することができる。
【0204】
【数24】

【0205】
同様に、第2セクタレーダで受信された受信信号に、第1セクタレーダからの信号が干渉信号(干渉波)として重畳されている場合を仮定する。この場合、第4相関値演算部25aは、離散時刻kの前半第4相関値ACsub(k、M+p)及び後半第4相関値ACsub(k、M+p)に対して、第2セクタレーダの第2サブ分離符号subOC(2)を乗算する。これにより、広域レーダ装置1は、ターゲットの移動距離が少なく伝搬環境が静的な環境である場合に、数式(25)に示す様に、他の第1セクタレーダからの干渉信号成分を抑圧することができる。
【0206】
【数25】

【0207】
上述した様に、第1相関値演算部23及び第2相関値演算部25の演算は、それぞれ離散時刻k=1〜(Nr+Nu)に対して行われる。なお、広域レーダ装置1の測定対象となるターゲットの存在範囲によって、測定レンジ(kの範囲)を、例えばk=Nr〜(Nr+Nu)のように更に狭めた限定をしてもよい。これにより、広域レーダ装置1は、第1相関値演算部23及び第2相関値演算部25のそれぞれの演算量をそれぞれ低減することができる。即ち、広域レーダ装置1は、信号処理部19による演算量の削減に基づく消費電力量を低減することができる。
【0208】
第2加算処理部28は、第2相関値演算部25により出力された第2相関値を入力する。第2加算処理部28は、第M番目及び第(M+1)番目の2送信周期(2Tr)における第2相関値を単位として加算を行う。即ち、第2加算処理部28は、2送信周期分における第2相関値AC(k、M+p、u)〜AC(k、M+p+1、u)を単位として、離散時刻kのタイミングを揃えて数式(26)に示す様な第2平均相関値aveAC(k、u)を演算する。第2加算処理部28は、当該演算された第2平均相関値aveAC(k、u)を合致判定部29に出力する。
【0209】
【数26】

【0210】
この第2加算処理部28の動作により、ターゲットの移動速度が大きい場合には、広域レーダ装置1は、第1セクタレーダからの高周波送信信号を受信し、他の第2セクタレーダからの高周波送信信号を抑圧する。
【0211】
また、2送信周期(2Tr)において演算された第2平均相関値aveAC(k、u)を1つの単位として、更に当該単位の複数倍の送信周期Trにわたって加算しても良い。これにより、広域レーダ装置1は、雑音成分を更に抑圧することで、SNRを向上することができ、更に、ターゲットの到来距離の推定に関する測定性能を向上することができる。
【0212】
合致判定部29は、第1加算処理部27により出力された第1平均相関値aveAC(k、u)と、第2加算処理部28により出力された第2平均相関値aveAC(k、u)とを入力する。合致判定部29は、所定回数の送信周期Trにわたって入力された第1平均相関値に基づいて、所定の判定閾値B1以上、即ち数式(27)に示す関係を満たすときの離散時刻kを抽出する。
【0213】
また、合致判定部29は、所定回数の送信周期Trにわたって入力された第2平均相関値に基づいて、所定の判定閾値B2以上、即ち数式(28)に示す関係を満たすときの離散時刻kを抽出する。
【0214】
更に、合致判定部29は、数式(27)を満たすときの離散時刻kと、数式(28)を満たすときの離散時刻kとをそれぞれ比較し、両方の離散時刻が一致するときの離散時刻kにおける第1平均相関値aveAC(k、u)を到来距離推定部30に出力する。
【0215】
【数27】

【0216】
【数28】

【0217】
ここで、上述した所定の判定閾値B1、B2は、それぞれ第1加算処理部27、第2加算処理部28の出力のノイズレベルに、所定のマージン(3[dB]〜10[dB]程度)を加えたレベルである。
【0218】
この所定のマージンとしては、判定閾値B1と判定閾値B2で同じ値に設定にするか、当該判定閾値B2でのマージンをより小さくすることが好ましい。判定閾値B2でのマージンをより小さくするのは、符号長L/2の送信符号により相関演算結果である第2加算処理部28の出力が、第1加算処理部27の出力に比べて、第2平均相関値のSNRが低いため、ノイズレベルを基準としたときの信号レベルが低くなるためである。
【0219】
合致判定部29の動作について、図4及び図5を参照して詳細に説明する。図4は、ターゲットが移動していない場合における合致判定部29の動作の説明図である。同図(a)は、第1加算処理部27の出力である第1平均相関値の絶対値と離散時刻kとの関係を示したグラフである。同図(b)は、第2加算処理部28の出力である第2平均相関値の絶対値と離散時刻kとの関係を示したグラフである。同図(c)は、合致判定部29の出力である第1平均相関値の絶対値と離散時刻kとの関係を示したグラフである。
【0220】
図5は、ターゲットが移動している場合における合致判定部29の動作の説明図である。同図(a)は、第1加算処理部27の出力である第1平均相関値の絶対値と離散時刻kとの関係を示したグラフである。同図(b)は、第2加算処理部28の出力である第2平均相関値の絶対値と離散時刻kとの関係を示したグラフである。同図(c)は、合致判定部29の出力である第1平均相関値の絶対値と離散時刻kとの関係を示したグラフである。
【0221】
合致判定部29は、判定閾値B1を超える第1平均相関値の絶対値|aveAC(k、u)|の離散時刻kの集合group1を抽出する。合致判定部29は、判定閾値B2を超える第2平均相関値|aveAC(k,u)|の離散時刻kの集合group2を抽出する。
【0222】
例えば図4(a)及び(b)では、集合group1={k2、k4、k6、k7}、及び集合group2={k2、k4、k6、k7}である。合致判定部29は、それぞれ抽出された集合group1及び集合group2のうち合致する離散時刻kの集合group3を抽出する。例えば図4(c)に示す様に、集合group3={k2、k4、k6、k7}である。
【0223】
合致判定部29は、当該抽出された集合group3の各離散時刻における判定後第1平均相関値|aveAC1(g、u)|を到来距離推定部30に出力する。但し、パラメータgは、集合group3に含まれる離散時刻kの要素である。
【0224】
例えば図5では、離散時刻k2において到来するターゲットからの反射波の信号であって、当該ターゲットが移動を伴う場合における、第1セクタレーダにおける第1加算処理部27の出力の絶対値|aveAC(k、u)|、及び第2加算処理部28の出力の絶対値|aveAC(k、u)|が示されている。
【0225】
この場合、離散時刻k2において到来するターゲットからの反射波の信号のレベルが強いため、ターゲットの移動に伴うドップラ変動により、離散時刻k2における第1平均相関値aveAC(k2、u)の他に、aveAC(k5、u)、aveAC(k8、u)、及びaveAC(k10、u)が、判定閾値B1を超えるレンジサイドローブとして生じているとする。
【0226】
この場合、第2加算処理部28の出力の絶対値|aveAC(k、u)|のサイドローブは、第2加算処理部28における加算時間が、第1加算処理部27における加算時間よりも短い。これにより、第1加算処理部27の出力の絶対値|aveAC(k5、u)|、|aveAC(k8、u)|、及び|aveAC(k10、u)|でのレンジサイドローブの上昇を抑えることができる。
【0227】
この結果、第2加算処理部28の出力の絶対値|aveAC(k、u)|が判定閾値B2を下回るサイドローブレベルとなった場合には、合致判定部29は、判定閾値B1を超える第1平均相関値の絶対値|aveAC(k、u)|、判定閾値B2を超える第2平均相関値|aveAC(k、u)|の離散時刻の集合group1、group2を次の様に抽出する。
【0228】
具体的には、合致判定部29は、図5(a)及び(b)に示す様に、集合group1={k2、k4、k5、k6、k7、k8、k10}、集合group2={k2、k4、k6、k7}をそれぞれ抽出する。合致判定部29は、図5(c)に示す様に、それぞれ抽出された集合group1及び集合group2のうち合致する離散時刻kの集合group3を抽出する。即ち、集合group3={k2、k4、k6、k7}である。
【0229】
合致判定部29は、当該抽出された集合group3の各離散時刻における判定後第1平均相関値|aveAC1(g、u)|を到来距離推定部30に出力する。但し、パラメータgは、集合group3に含まれる離散時刻kの要素である。これにより、合致判定部29は、当該ターゲットが移動することによってレンジサイドローブが上昇した場合でも、離散時刻k2において到来するターゲットからの反射波の信号に対して、レンジサイドローブを抑圧することができる。なお、他セクタレーダからの干渉波成分がドップラー変動を含む場合でも、合致判定部29の上記の動作により、その干渉成分の抑圧を行うことができる。
【0230】
到来距離推定部30は、合致判定部29により出力された判定後第1平均相関値|aveAC1(g、u)|を入力する。到来距離推定部30は、当該入力された判定後第1平均相関値|aveAC1(g、u)|に基づいて、ターゲットまでの距離の推定演算を行う。到来距離推定部30によるターゲットまでの距離の推定演算は、既に公知の技術であり、例えば下述参考非特許文献1を参照することにより実現することが可能である。
【0231】
(参考非特許文献1)J.J.BUSSGANG、et al.、「A Unified Analysis of Range Performance of CW, Pulse, and Pulse Dopper Radar」,Proceedings of the IRE,Vol.47,Issue 10,pp.1753−1762(1959)
【0232】
例えば、到来距離推定部30は、合致判定部29により出力された判定後第1平均相関値|aveAC1(g、u)|に基づいて、当該判定後第1平均相関値が最大値をとるときの離散時刻と高周波送信信号の送信時間との時間差を判定する。更に、到来距離推定部30は、当該判定された時間差に基づいて、ターゲットまでの距離を推定する。
【0233】
以上により、第1の実施形態のレーダ装置1によれば、複数のセクタレーダが、サブ符号長単位でもセクタレーダ間の干渉低減が可能となるパルス圧縮符号を送信することで、ターゲットが移動する場合でも当該ターゲットからの反射波の信号における低レンジサイドローブ特性を維持し、複数のセクタレーダ間における干渉を抑圧することができる。
【0234】
なお、各セクタレーダは、それぞれ複数の受信アンテナを有する場合に当該複数の受信アンテナを用いることで、当該受信アンテナに得られる受信信号におけるターゲットの受信位相差を基にして、当該ターゲットの到来角の推定も可能となる。
【0235】
また、各セクタレーダが重複した測定エリアを持つ場合、図6に示す様に、当該各セクタレーダの合致判定部の判定結果を統合することで、ターゲットまでの到来距離を推定しても良い。図6は、第1の実施形態の広域レーダ装置1の他の内部構成を示すブロック図である。
【0236】
ここで、合致判定部による判定結果の統合とは、複数のセクタレーダ受信部による合致判定部の判定結果を用いて、到来距離推定部30bが更に合致判定を行うことを意味する。なお、複数のセクタレーダ受信部は、複数のセクタレーダ間で重複した測定エリアを有する。
【0237】
到来距離推定部30bは、当該合致判定された結果に基づいて、ターゲットまでの到来距離の推定を行う。これにより、上述した第1の実施形態の広域レーダ装置1の効果に加え、各セクタレーダ受信部の信号処理部の構成を簡易化することができる。
【0238】
〔第1の実施形態の変形例1〕
なお、上述した第1の実施形態で用いられる符号長Lの相補符号a,bは、符号長L/2の相補符号のペアを構成するサブ符号から再帰的に連結することで得られる。このため、符号長L/2の符号単位e,fに応じて生成されたサブ分離符号subOC(q)においても、直交性を有する関係が得られる。ここで、wは1以上の整数を表す。
【0239】
従って、第1の実施形態の変形例1の広域レーダ装置は、ターゲットの移動速度に応じて、より短い符号長である符号長L/2のサブ符号e,fのペアを用いて、サブ分離符号を生成して良い。
【0240】
この場合、当該広域レーダ装置の第2相関値演算部は、第2相関値の演算の際、基準送信信号として、基準送信信号r(k、M+p)の送信区間Twに相当する部分を2に分割した単位で、相関演算を行う。
【0241】
なお、基準送信信号r(k、M+p)の送信区間Twに相当する部分を2に分割した単位とは、基準送信信号r(k、M+p)の最初の部分:離散時刻k=1〜Nr/2の範囲、基準送信信号r(k、M+p)の次の部分:離散時刻k=(Nr/2)+1〜2×Nr/2の範囲であり、基準送信信号r(k、M+p)のg番目の部分:離散時刻k=(g−1)×(Nr/2)+1〜 g×Nr/2の範囲となる。ここで、g=1、...、2
【0242】
更に、当該第2相関値演算部は、当該演算された相関値に、サブ分離符号subOC(u)を乗算した後に加算処理をおこなう。
【0243】
以上のような構成により、ターゲットの移動速度がより大きい場合でも、符号長L/2の符号単位e,fのサブ符号単位での相関処理に伴う加算処理を短くすることができる。これにより、ドップラ変動による位相変動を小さく抑圧することができ、結果的に符号長L/2の符号単位e,fの相補符号のサイドローブレンジの上昇を抑圧した相関値を得ることができる。更に、合致判定部において、サイドローブレンジを抑圧する処理をより効果的に行うことができる。
【0244】
〔第1の実施形態の変形例2〕
上述した第1の実施形態では、広域レーダ装置1は、図1に示した様に第1セクタレーダ及び第2セクタレーダの2セクタレーダの構成を有する。第1の実施形態の変形例2の広域レーダ装置は、第3セクタレーダを更に有することで、計3セクタレーダの構成を有する。
【0245】
図7及び図8は、第1の実施形態の変形例2の広域レーダ装置の動作に関するタイミングチャートである。図7(a)及び図8(a)は、各送信周期Trにおける第1セクタレーダの直交符号OC(1)及び送信符号の説明図である。図7(b)及び図8(b)は、各送信周期Trにおける第2セクタレーダの直交符号OC(2)及び送信符号の説明図である。図7(c)及び図8(c)は、各送信周期Trにおける第3セクタレーダの直交符号OC(3)及び送信符号の説明図である。
【0246】
第1の実施形態の変形例2の広域レーダ装置の各セクタレーダにおける各セクタレーダ受信部は、12送信周期(12Tr)を各信号処理部における信号処理区間として周期的に演算する。図7には、信号処理区間である12送信周期(12Tr)のうち、第1番目の送信周期Trを第M番目の送信周期Trとした場合に、第8番目の送信周期Trである第(M+7)番目の送信周期Trまでが示されている。同様に、図8には、第9番目の送信周期Trである第(M+8)番目の送信周期Trから第12番目の送信周期Trである第(M+11)番目の送信周期Trまでが示されている。
【0247】
第1の実施形態の変形例2の広域レーダ装置では、3つのセクタレーダのうち、任意の2つのセクタレーダは第1の実施形態と同様の高周波送信信号を送信し、残り1つのセクタレーダは当該高周波送信信号を送信しない。更に、当該広域レーダ装置は、12送信周期(12Tr)のうち、当該高周波送信信号を送信しないセクタレーダを、4送信周期(4Tr)毎に時分割で切り換える。
【0248】
具体的には、図7に示す様に、当該広域レーダ装置では、第M番目の送信周期Trから第(M+3)番目の送信周期Trまでは、第1セクタレーダ及び第2セクタレーダは、第1の実施形態の第1セクタレーダ及び第2セクタレーダと同様の高周波送信信号を送信する(図2参照)。これに対して、第3セクタレーダは、送信符号a,b,−a,−bのうちいずれかの送信符号に基づいて生成された高周波送信信号を送信しない。
【0249】
同様に、図7に示す様に、当該広域レーダ装置では、第(M+4)番目の送信周期Trから第(M+7)番目の送信周期Trまでは、第2セクタレーダ及び第3セクタレーダは、第1の実施形態のそれぞれ第1セクタレーダ及び第2セクタレーダと同様の高周波送信信号を送信する。これに対して、第1の実施形態の変形例2の第1セクタレーダは、送信符号a,b,−a,−bのうちいずれかの送信符号に基づいて生成された高周波送信信号を送信しない。
【0250】
同様に、図8に示す様に、当該広域レーダ装置では、第(M+8)番目の送信周期Trから第(M+11)番目の送信周期Trまでは、第3セクタレーダ及び第1セクタレーダは、第1の実施形態のそれぞれ第1セクタレーダ及び第2セクタレーダと同様の高周波送信信号を送信する。これに対して、第1の実施形態の変形例2の第2セクタレーダは、送信符号a,b,−a,−bのうちいずれかの送信符号に基づいて生成された高周波送信信号を送信しない。
【0251】
以上の様に、第1の実施形態の変形例2の広域レーダ装置は、12送信周期のうち4送信周期毎に、一部のセクタレーダに無信号区間を与え且つ当該無信号区間とするセクタレーダを切り換えることで、第1の実施形態の広域レーダ装置1と同様の効果を得ることができる。
【0252】
〔第1の実施形態の変形例3〕
第1の実施形態の変形例2の広域レーダ装置は、第1の実施形態の変形例2と同様に、第3セクタレーダを更に有することで、計3セクタレーダの構成を有する。第1の実施形態の変形例3の広域レーダ装置は、3つの各セクタレーダのうち、隣接するセクタレーダ間では、第1の実施形態の広域レーダ装置1と同様に、直交する関係の高周波送信信号を送信する。第1セクタレーダの測定エリアと、第2セクタレーダの測定エリアとは隣接している。第2セクタレーダの測定エリアと、第3セクタレーダの測定エリアとは隣接している。
【0253】
図9は、第1の実施形態の変形例3の広域レーダ装置に限らず、例えば3つ以上の複数のセクタレーダを含む広域レーダ装置における空間的配置を模式的に示した説明図である。図9に示す様に、広域レーダ装置が例えば計6セクタレーダの構成を有する場合、各隣接するセクタレーダ間では、第1の実施形態の広域レーダ装置1と同様に、直交する関係の高周波送信信号が送信される。
【0254】
例えば、図9に示す様に、隣接する第1セクタレーダと第2セクタレーダとの間では、第1の実施形態の広域レーダ装置1と同様に、直交する関係の高周波送信信号が送信される。即ち、図9の第1セクタレーダは、第1の実施形態の広域レーダ装置1の第1セクタレーダと同様の高周波送信信号を送信する。図9の第2セクタレーダは、第1の実施形態の広域レーダ装置1の第2セクタレーダと同様の高周波送信信号を送信する。
【0255】
隣接する第2セクタレーダと第3セクタレーダとの間では、第1の実施形態の広域レーダ装置1と同様に、直交する関係の高周波送信信号が送信される。即ち、図9の第2セクタレーダは、第1の実施形態の広域レーダ装置1の第2セクタレーダと同様の高周波送信信号を送信する。図9の第3セクタレーダは、第1の実施形態の広域レーダ装置1の第1セクタレーダと同様の高周波送信信号を送信する。
【0256】
隣接する第3セクタレーダと第4セクタレーダとの間では、第1の実施形態の広域レーダ装置1と同様に、直交する関係の高周波送信信号が送信される。即ち、図9の第3セクタレーダは、第1の実施形態の広域レーダ装置1の第1セクタレーダと同様の高周波送信信号を送信する。図9の第4セクタレーダは、第1の実施形態の広域レーダ装置1の第2セクタレーダと同様の高周波送信信号を送信する。
【0257】
隣接する第4セクタレーダと第5セクタレーダとの間では、第1の実施形態の広域レーダ装置1と同様に、直交する関係の高周波送信信号が送信される。即ち、図9の第4セクタレーダは、第1の実施形態の広域レーダ装置1の第2セクタレーダと同様の高周波送信信号を送信する。図9の第5セクタレーダは、第1の実施形態の広域レーダ装置1の第1セクタレーダと同様の高周波送信信号を送信する。
【0258】
隣接する第5セクタレーダと第6セクタレーダとの間では、第1の実施形態の広域レーダ装置1と同様に、直交する関係の高周波送信信号が送信される。即ち、図9の第5セクタレーダは、第1の実施形態の広域レーダ装置1の第1セクタレーダと同様の高周波送信信号を送信する。図9の第6セクタレーダは、第1の実施形態の広域レーダ装置1の第2セクタレーダと同様の高周波送信信号を送信する。
【0259】
図10及び図11は、第1の実施形態の変形例3における広域レーダ装置の動作の一部に関するタイミングチャートである。図10(a)及び図10(a)は、各送信周期Trにおける第1セクタレーダの直交符号OC(1)及び送信符号の説明図である。図10(b)及び図11(b)は、各送信周期Trにおける第2セクタレーダの直交符号OC(2)及び送信符号の説明図である。図10(c)及び図11(c)は、各送信周期Trにおける第3セクタレーダの直交符号OC(3)及び送信符号の説明図である。
【0260】
第1の実施形態の変形例3の広域レーダ装置の各セクタレーダにおける各セクタレーダ受信部は、4送信周期(4Tr)を各信号処理部における信号処理区間として周期的に演算する。図10には、信号処理区間である12送信周期(12Tr)のうち、第1番目の送信周期Trを第M番目の送信周期Trとした場合に、第8番目の送信周期Trである第(M+7)番目の送信周期Trまでが示されている。同様に、図11には、第9番目の送信周期Trである第(M+8)番目の送信周期Trから第12番目の送信周期Trである第(M+11)番目の送信周期Trまでが示されている。
【0261】
上述した様に、第1の実施形態の変形例3の広域レーダ装置では、3つのセクタレーダのうち、第1セクタレーダ及び第3セクタレーダの各測定エリアと、共に第2セクタレーダの測定エリアとが隣接している。即ち、第1セクタレーダと第2セクタレーダとが隣接する様に設けられ、更に、第2セクタレーダと第3セクタレーダとが隣接する様に設けられている。
【0262】
図10及び図11に示す様に、第1の実施形態の変形例3の広域レーダ装置では、第M番目の送信周期Trから第(M+3)番目の送信周期Trまでは、第1セクタレーダ及び第3セクタレーダは、第1の実施形態の第1セクタレーダと同様の高周波送信信号を送信する。更に、第2セクタレーダは、第1の実施形態の第2セクタレーダと同様の高周波送信信号を送信する。
【0263】
図10及び図11に示す様に、第1の実施形態の変形例3の広域レーダ装置では、第(M+4)番目の送信周期Trから第(M+7)番目の送信周期Trまでは、第1セクタレーダ及び第3セクタレーダは、第1の実施形態の第1セクタレーダと同様の高周波送信信号を送信する。更に、第2セクタレーダは、第1の実施形態の第2セクタレーダと同様の高周波送信信号を送信する。
【0264】
図10及び図11に示す様に、第1の実施形態の変形例3の広域レーダ装置では、第(M+8)番目の送信周期Trから第(M+11)番目の送信周期Trまでは、第1セクタレーダ及び第3セクタレーダは、第1の実施形態の第1セクタレーダと同様の高周波送信信号を送信する。更に、第2セクタレーダは、第1の実施形態の第2セクタレーダと同様の高周波送信信号を送信する。
【0265】
以上の様に、第1の実施形態の変形例3の広域レーダ装置は、4送信周期を単位に、各隣接するセクタレーダ間において直交する関係を有する高周波送信信号を送信することで、第1の実施形態の広域レーダ装置1と同様の効果を得ることができる。
【0266】
なお、上記の説明は以下の通りである。まず、奇数セクタに対し、実施の形態1の第1のセクタレーダの送信フォーマットを用いる。一方、偶数セクタは、実施の形態1の第2のセクタレーダの送信フォーマットを用いる。これにより、実施の形態1における2つのセクタレーダに用いた送信フォーマットを、空間的に離れたセクタレーダで、繰り返し用いることで、3セクタ以上の場合でもセクタ間の干渉を低減することができる。
【0267】
ここで、上記説明とは逆に、奇数セクタに対し、実施の形態1の第2のセクタレーダの送信フォーマットを用い、偶数セクタは、実施の形態1の第1のセクタレーダの送信フォーマットを用いた場合であっても、実施の形態1における2つのセクタレーダに用いた送信フォーマットを、空間的に離れたセクタレーダで、繰り返し用いることでも、同様に3セクタ以上の場合でもセクタ間の干渉を低減することができる。
【0268】
〔第1の実施形態の変形例4〕
上述した第1の実施形態では、第1サブ分離符号subOC(1)は、符号長Lの相補符号a,bが符号長L/2の相補符号のペアを構成するc,dを数式(18)に示す様に連接することで得られる性質を利用して生成された。
【0269】
第1の実施形態の変形例4では、第uサブ分離符号subOC(u)は、符号長Lの相補符号a,bが符号長L/2の相補符号のペアを構成するc,dを数式(29)に示す様に連接することで得られる性質を利用して生成される(非特許文献1参照)。なお、符号長L/2の相補符号のペアを構成するc,dは、数式(19)に示す様に表される。更に、パラメータWn−1は、任意の複素係数で数式(30)を満たす。
【0270】
【数29】

【0271】
【数30】

【0272】
数式(19)及び(29)に示される関係を用いて、第1の実施形態の変形例4における第1サブ分離符号の生成方法を具体的に説明する。図2(a)に示す様に、第M番目から第(M+3)番目までの各送信周期Trにおいて高周波送信信号が送信される際、直交符号OC(M、1)と送信符号a或いは送信符号bとが乗算される。即ち、第M番目から第(M+3)番目までの各送信周期Trに対応した送信符号[a,b,a,b]と、直交符号OC(u)=[1,1,1,1]とが乗算される。
【0273】
この乗算結果の送信符号[a,b,a,b]は、符号長L/2のサブ符号c,dで置き換えられた場合には、[c,Wn−1,c,−Wn−1,c,Wn−1,c,−Wn−1]となる。
【0274】
第1の実施形態の変形例4の広域レーダ装置の第uサブ分離符号生成部は、当該乗算結果の送信符号[a,b,a,b]を符号長L/2のサブ符号c,dで置き換えた場合における各送信符号の係数を第uサブ分離符号subOC(u)として生成する。即ち、第uサブ分離符号生成部は、当該係数である[1,Wn−1,1,−Wn−1,1,Wn−1,1,−Wn−1]を第uサブ分離符号subOC(u)として生成する。
【0275】
また、第(u+1)セクタレーダにおいても第uセクタレーダの第uサブ分離符号生成部と同様に、第(u+1)サブ分離符号生成部は、第(u+1)サブ分離符号subOC(u+1)を生成する。具体的には、数式(19)及び(29)に示される関係を用いて、図2(b)に示す様に、第M番目から第(M+3)番目までの各送信周期Trにおいて高周波送信信号が送信される際、直交符号OC(M、2)と送信符号a或いは送信符号bとが乗算される。即ち、第M番目から第(M+3)番目までの各送信周期Trに対応した送信符号[b,a,b,a]と、直交符号OC(u+1)=[1,−1,−1,1]とが乗算される。
【0276】
この乗算結果の送信符号[b,−a,−b,a]は、符号長L/2のサブ符号c,dで置き換えられた場合には、[c,−Wn−1,−c,−Wn−1,−c,Wn−1,c,Wn−1]となる。第(u+1)サブ分離符号生成部は、当該乗算結果の送信符号[b,a,b,a]を符号長L/2のサブ符号c,dで置き換えた場合における各送信符号の係数を第(u+1)サブ分離符号subOC(u+1)として生成する。
【0277】
即ち、第(u+1)サブ分離符号生成部は、当該係数である[1,−Wn−1,−1,−Wn−1,−1,Wn−1,1,Wn−1]を第(u+1)サブ分離符号subOC(u+1)として生成する。なお、以下の説明において、第uサブ分離符号subOC(u)の第h番目の要素を、subOC(h、u)と表す。ここで、パラメータhはh=1,2,・・・,8である。
【0278】
上述した様に、各セクタレーダ間において、第uサブ分離符号subOC(u)=[1,Wn−1,1,−Wn−1,1,Wn−1,1,−Wn−1]と第(u+1)サブ分離符号subOC(u+1)=[1,−Wn−1,−1,−Wn−1,−1,Wn−1,1,Wn−1]とは、数式(31)に示す関係が成立する。
【0279】
即ち、第uサブ分離符号subOC(u)と第(u+1)サブ分離符号subOC(u+1)とは、当該各サブ分離符号の2要素単位(1送信周期(1Tr)相当)、4要素単位(2送信周期(2Tr)相当)、8要素単位(4送信周期(4Tr)相当)で互いに直交する。
【0280】
この数式(31)に示される関係により、受信信号の変動が1送信周期(Tr)、2送信周期(2Tr)、及び4送信周期(4Tr)にわたり、静的とみなせる場合には、第1の実施形態の変形例4の広域レーダ装置は、他のセクタレーダからの干渉信号成分を抑圧することができる。
【0281】
【数31】

【0282】
以上、添付図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本発明のレーダ装置はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0283】
なお、上述した各実施形態において、A/D変換部22,23は、受信RF部17の直交検波部20により出力されたベースバンドの同相信号及び直交信号に対して、離散時刻kに応じたオーバーサンプリングでデジタルデータに変換する。しかし、A/D変換部22,23は、レーダ送信部2におけるベースバンドの送信信号と同一のサンプリングレートでA/D変換を行わなくても良い。
【0284】
例えば、上述した各実施形態のレーダ送信部では、符号長Lに対してNのサンプル数を用いて、ベースバンドの送信信号が生成された。これは、1つの符号あたりN/Lサンプルのオーバーサンプリングに相当する。しかしながら、上述した各実施形態のレーダ受信部においては、1つの符号あたり1倍のサンプル以上でも、受信信号の信号処理は可能である。
【0285】
なお、上述した第1の実施形態では、第1セクタレーダは、4送信周期(4Tr)を単位に、図2(a)に示す送信符号を用いて高周波送信信号を送信した。更に、第2セクタレーダは、4送信周期(4Tr)を単位に、図2(b)に示す送信符号を用いて高周波送信信号を送信した。
【0286】
しかし、各セクタレーダにおいて送信される高周波送信信号の元になる送信符号は、4送信周期(4Tr)毎に切り換えられても良い。例えば、送信符号aとbとが逆に切り換えられても良い。
【0287】
なお、上述した第1の実施形態では、符号長P=4の直交符号OC(1)=[1,1,1,1]、及び直交符号OC(2)=[1,−1,−1,1]として説明した。しかし、直交符号OC(1)及び直交符号OC(2)はこれらに限定されない。例えば、他の直交符号OC(1)及び直交符号OC(2)の一例として、直交符号OC(1)=[1,−1,1,−1]及び直交符号OC(2)=[1,1,−1,−1]、直交符号OC(1)=[1,1,−1,−1]及び直交符号OC(2)=[1,−1,1,−1]、直交符号OC(1)=[1,−1,1,−1]及び直交符号OC(2)=[−1,1,1,−1]、直交符号OC(1)=[1,−1,−1,1]及び直交符号OC(2)=[−1,1,−1,1]でも良い。
【0288】
即ち、直交符号OC(1)と直交符号OC(2)とが直交する関係を有し、第1セクタレーダ又は第2セクタレーダから送信された高周波送信信号をそれぞれ分離可能であれば良い。
【産業上の利用可能性】
【0289】
本発明は、ターゲットが移動する場合でも当該ターゲットからの反射波の信号における低レンジサイドローブ特性を維持し、複数のセクタレーダ間における干渉を低減するレーダ装置として有用である。
【符号の説明】
【0290】
1 広域レーダ装置
2 第1セクタレーダ送信部
2a 第2セクタレーダ送信部
3 第1セクタレーダ受信部
3a 第2セクタレーダ受信部
4 送信信号生成部
5 第1符号生成部
6 第2符号生成部
7 送信符号切換部
8 直交符号生成部
9 直交符号乗算部
10 変調部
11 LPF
12 送信RF部
13、17 周波数変換部
14、16 増幅器
15 受信RF部
18 直交検波部
19 信号処理部
20、21 A/D変換部
22 第1分離符号生成部
23 第1相関値演算部
24 第1サブ分離符号生成部
25 第2相関値演算部
26 第1分離符号乗算部
27 第1加算処理部
28 第2加算処理部
29 合致判定部
30 到来距離推定部
ANTs1 第1送信アンテナ
ANTs2 第2送信アンテナ
ANTr1 第1受信アンテナ
ANTr2 第2受信アンテナ
CM 送信符号記憶部
CT1、CT2 送信符号制御部
Lo 基準信号発振器
Tr 送信周期
Tw 送信区間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1符号長の第1符号系列を第1の規則により符号を決定し、変調した第1送信信号を生成し、前記第1符号長の第2符号系列を前記第1の規則により符号を決定し、変調した第2送信信号を生成する第1送信信号生成部と、
前記第1送信信号を高周波送信信号に変換し、第1送信周期において第1送信アンテナから送信し、前記第2送信信号を高周波送信信号に変換し、第2送信周期において前記第1送信アンテナから送信する第1送信RF部と、
前記第2符号系列を前記第1の規則により符号を決定し、変調した第3送信信号を生成し、前記第1符号系列を前記第1の規則により符号を決定し、変調した第4送信信号を生成する第2送信信号生成部と、
前記第5送信信号を高周波送信信号に変換し、前記第1送信周期において第2送信アンテナから送信し、前記第6送信信号を高周波送信信号に変換し、前記第2送信周期において前記第2送信アンテナから送信する第2送信RF部と、を備え、
前記第1の規則は、前記第1送信信号、第2送信信号、第3送信信号、第4送信信号のうち、少なくとも1つの送信信号の符号を負とし、前記各送信周期においては、負の符号及び正の符号の組み合わせ、正の符号及び正の符号の組み合わせのいずれかである、
レーダ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のレーダ装置であって、
前記第1符号系列と前記第2符号系列は、相補符号のペアを構成する符号系列であることを特徴とするレーダ装置。
【請求項3】
請求項1に記載のレーダ装置であって、
前記第1送信信号生成部は、更に、
前記第1符号系列を第2の規則により符号を決定し、変調した第5送信信号を生成し、
前記第2符号系列を前記第2の規則により符号を決定し、変調した第6送信信号を生成し、
前記第1送信RF部は、更に、
前記第5送信信号を高周波送信信号に変換し、第3送信周期において前記第1送信アンテナから送信し、
前記第6送信信号を高周波送信信号に変換し、第4送信周期において前記第1送信アンテナから送信し、
前記第2送信信号生成部は、更に、
前記第2符号系列を前記第2の規則により符号を決定し、変調した第7送信信号送信信号を生成し、前記第1符号系列を前記第2の規則により符号を決定し、変調した第8送信信号を生成し、
前記第2送信RF部は、更に、
前記第7送信信号を高周波送信信号に変換し、前記第3送信周期において前記第2送信アンテナから送信し、前記第8送信信号を高周波送信信号に変換し、前記第4送信周期において前記第2送信アンテナから送信し、
前記第2の規則は、前記第1送信信号、第2送信信号、第3送信信号、第4送信信号のうち、少なくとも1つの送信信号の符号を負とし、前記第3送信周期及び前期第4送信周期の少なくとも1つの周期において、負の符号及び負の符号の組み合わせ、正の符号及び正の符号の組み合わせのいずれかである、
レーダ装置。
【請求項4】
請求項1に記載のレーダ装置であって、
前記第1送信信号生成部は、当該第1セクタレーダから送信された高周波送信信号を分離可能な第1直交符号を送信周期に応じて生成する第1直交符号生成部と、を更に備え、
前記第2送信信号生成部は、当該第2セクタレーダから送信された高周波送信信号を分離可能な第2直交符号を送信周期に応じて生成する第2直交符号生成部と、を更に備えることを特徴とするレーダ装置。
【請求項5】
請求項4に記載のレーダ装置であって、
前記第1送信RF部から送信された高周波送信信号がターゲットにより反射された反射波の信号をベースバンドの受信信号に変換する第1受信RF部と、
前記第1受信RF部により変換された受信信号と、前記第1送信信号生成部により生成された第1、第2、第3及び第4送信信号のうちいずれかの送信信号と同一の信号との第1相関値を演算する第1相関値演算部と、
送信周期に応じて前記第1直交符号生成部により生成された第1直交符号と、前記第1相関値演算部により演算された第1相関値とを乗算する第1直交符号乗算部と、
前記第1直交符号乗算部の乗算結果を、前記第1、第2、第3及び第4送信周期にわたって加算する第1加算処理部と、
送信周期に応じて前記第1直交符号生成部により生成された第1直交符号と、前記第1、第2符号系列とに応じて、前記第1、第2符号長を所定数に分割したサブ符号で前記第1送信アンテナから送信された高周波送信信号を分離可能な第1サブ分離符号を生成する第1サブ分離符号生成部と、
前記第1受信RF部により変換された受信信号と、前記第1送信信号生成部により生成された第1、第2、第3及び第4送信信号のうちいずれかの送信信号と同一の信号とに応じて、各送信周期の前半区間毎及び後半区間毎に演算し、当該前半区間における相関値及び後半区間における相関値を前記第1サブ分離符号で乗算して第2相関値を演算する第2相関値演算部と、
前記第2相関値演算部の演算結果を、前記第1及び第2送信周期にわたって加算する第2加算処理部と、
前記第1加算処理部により加算された第1平均相関値と、前記第2加算処理部により加算された第2平均相関値とに応じて、それぞれ異なる所定の判定閾値を超える前記第1平均相関値及び前記第2平均相関値の離散時刻が一致する際の当該第1平均相関値を出力する第1合致判定部と、
を備えることを特徴とするレーダ装置。
【請求項6】
請求項5に記載のレーダ装置であって、
前記第2送信RF部から送信された高周波送信信号がターゲットにより反射された反射波の信号をベースバンドの受信信号に変換する第2受信RF部と、
前記第2受信RF部により変換された受信信号と、前記第2送信信号生成部により生成された第5、第6、第7及び第8送信信号のうちいずれかの送信信号と同一の信号との第3相関値を演算する第3相関値演算部と、
送信周期に応じて前記第2直交符号生成部により生成された第2直交符号と、前記第3相関値演算部により演算された前記第3相関値とを乗算する第2直交符号乗算部と、
前記第2直交符号乗算部の乗算結果を、前記第1、第2、第3及び第4送信周期にわたって加算する第3加算処理部と、
送信周期に応じて前記第2直交符号生成部により生成された第2直交符号と、前記第1、第2、第3及び第4符号系列とに応じて、前記第1、第2符号長を所定数に分割したサブ符号で前記第2送信アンテナから送信された高周波送信信号を分離可能な第2サブ分離符号を生成する第2サブ分離符号生成部と、
前記第2受信RF部により変換された受信信号と、前記第2送信信号生成部により生成された第5、第6、第7及び第8送信信号のうちいずれかの送信信号と同一の信号とに応じて、各送信周期の前半区間毎及び後半区間毎に演算し、当該前半区間における相関値及び後半区間における相関値を前記第2サブ分離符号で乗算して第4相関値を演算する第4相関値演算部と、
前記第4相関値演算部の演算結果を、前記第1及び第2送信周期にわたって加算する第4加算処理部と、
前記第3加算処理部により加算された第3平均相関値と、前記第4加算処理部により加算された第4平均相関値とに応じて、それぞれ異なる所定の判定閾値を超える前記第3平均相関値及び前記第4平均相関値の離散時刻が一致する際の当該第3平均相関値を出力する第2合致判定部と、
を備えることを特徴とするレーダ装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載のレーダ装置であって、
前記第1合致判定部又は前記第2合致判定部により出力された第1平均相関値又は第3平均相関値に応じて、前記ターゲットの到来距離を演算する到来距離推定部と、
を更に備えることを特徴とするレーダ装置。
【請求項8】
請求項6に記載のレーダ装置であって、
前記第1合致判定部及び前記第2合致判定部により出力された第1平均相関値及び第3平均相関値に応じて、前記ターゲットの到来距離を演算する到来距離推定部と、
を更に備えることを特徴とするレーダ装置。
【請求項9】
請求項6〜8のうちいずれか一項に記載のレーダ装置であって、
前記第1受信RF部及び前記第2受信RF部によりそれぞれ変換された受信信号をデジタルデータに変換するA/D変換部と、
を更に備えることを特徴とするレーダ装置。
【請求項10】
請求項9に記載のレーダ装置であって、
前記第1直交符号生成部により生成された第1直交符号を、前記第1、第2、第3及び第4送信周期に同期して出力する第1分離符号生成部と、を更に備え、
前記第2直交符号生成部により生成された第2直交符号を、前記第1、第2、第3及び第4送信周期に同期して出力する第2分離符号生成部と、を更に備えることを特徴とするレーダ装置。
【請求項11】
請求項1に記載のレーダ装置であって、更に、
前記第2符号系列を前記第1の規則により符号を決定し、変調した第11送信信号を生成し、前記第1符号系列を前記第1の規則により符号を決定し、変調した第12送信信号を生成する第3送信信号生成部と、
前記第11送信信号を高周波送信信号に変換し、前記第5送信周期において第3送信アンテナから送信し、前記第12送信信号を高周波送信信号に変換し、前記第6送信周期において前記第3送信アンテナから送信する第3送信RF部と、
を含み、
前記第2送信信号生成部は、更に、
前記第1符号系列を前記第1の規則により符号を決定し、変調した第9送信信号送信信号を生成し、前記第2符号系列を前記第1の規則により符号を決定し、変調した第10送信信号を生成し、
前記第2送信RF部は、更に、
前記第9送信信号を高周波送信信号に変換し、前記第5送信周期において前記第2送信アンテナから送信し、前記第10送信信号を高周波送信信号に変換し、前記第6送信周期において前記第2送信アンテナから送信する、
レーダ装置。
【請求項12】
請求項5に記載のレーダ装置であって、更に、
前記第2符号系列を前記第1の規則により符号を決定し、変調した第11送信信号を生成し、前記第1符号系列を前記第1の規則により符号を決定し、変調した第12送信信号を生成し、前記第2符号系列を前記第2の規則により符号を決定し、変調した第15送信信号を生成し、前記第1符号系列を前記第2の規則により符号を決定し、変調した第16送信信号を生成する第3送信信号生成部と、
前記第11送信信号を高周波送信信号に変換し、前記第5送信周期において第3送信アンテナから送信し、前記第12送信信号を高周波送信信号に変換し、前記第6送信周期において前記第3送信アンテナから送信し、前記第15送信信号を高周波送信信号に変換し、前記第7送信周期において前記第3送信アンテナから送信し、前記第16送信信号を高周波送信信号に変換し、前記第8送信周期において前記第3送信アンテナから送信する第3送信RF部と、
を含み、
前記第2送信信号生成部は、更に、
前記第1符号系列を前記第1の規則により符号を決定し、変調した第9送信信号送信信号を生成し、前記第2符号系列を前記第1の規則により符号を決定し、変調した第10送信信号を生成し、前記第1符号系列を前記第2の規則により符号を決定し、変調した第13送信信号送信信号を生成し、前記第2符号系列を前記第2の規則により符号を決定し、変調した第14送信信号を生成し、
前記第2送信RF部は、更に、
前記第9送信信号を高周波送信信号に変換し、前記第5送信周期において前記第2送信アンテナから送信し、前記第10送信信号を高周波送信信号に変換し、前記第6送信周期において前記第2送信アンテナから送信し、前記第13送信信号を高周波送信信号に変換し、前記第7送信周期において前記第2送信アンテナから送信し、前記第14送信信号を高周波送信信号に変換し、前記第8送信周期において前記第2送信アンテナから送信する、
レーダ装置。
【請求項13】
請求項1に記載のレーダ装置であって、更に、
前記第1符号系列を前記第1送信信号と同じ符号に決定し、変調した第17送信信号を生成し、前記第2符号系列を前記第2送信信号と同じ符号に決定し、変調した第18送信信号を生成する第3送信信号生成部と、
前記第17送信信号を高周波送信信号に変換し、前記第1送信周期において第3送信アンテナから送信し、前記第18送信信号を高周波送信信号に変換し、前記第2送信周期において前記第3送信アンテナから送信する第3送信RF部と、
を含む、
レーダ装置。
【請求項14】
請求項13に記載のレーダ装置であって、
前記第3送信信号生成部は、更に、
前記第1符号系列を前記第5送信信号と同じ符号に決定し、変調した第19送信信号を生成し、前記第2符号系列を前記第6送信信号と同じ符号に決定し、変調した第20送信信号を生成し、
前記第3送信RF部は、更に、
前記第19送信信号を高周波送信信号に変換し、第3送信周期において前記第3送信アンテナから送信し、前記第20送信信号を高周波送信信号に変換し、第4送信周期において前記第3送信アンテナから送信する、
レーダ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−83143(P2012−83143A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−227994(P2010−227994)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】