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レーダ装置
説明

レーダ装置

【課題】本発明は、レーダ装置に係り、対象物として実際に高さを有する立体物と見かけ上高さを有する非立体物とを区別することにある。
【解決手段】電波を送信する送信手段と、送信手段から送信される電波の反射波を受信する受信手段と、を備え、受信手段に受信される反射波に基づいて対象物を検知するレーダ装置は、受信手段に受信される反射波に基づいて、対象物の基準位置に対する相対高さを検出する高さ検出手段と、高さ検出手段により検出される相対高さの、距離又は時間に対する変動に基づいて、該対象物が絶対的な高さを有する立体物であるかを判定する立体物判定手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーダ装置に係り、特に、電波を送信し、その送信した電波が対象物に反射して得られる反射波を受信することにより、その対象物を検知するうえで好適なレーダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自車両の前方へ電波を送信し、その送信した電波が対象物に反射して得られる反射波を受信することにより、自車両前方に存在する対象物を検知するレーダ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このレーダ装置は、互いに一部の照射領域が重なるように進行方向に対して上向き及び下向きに照射波を照射し、それぞれの照射波の反射波強度を比較して、その差に応じて自車両前方に存在する対象物の種類(具体的には、その対象物が先行車両などの立体物であるのか、キャッツアイのような路面反射板であるのか、案内標識などの路上構造物であるのか)の判定を行う。
【0003】
そして、強度差が所定範囲内であるときは、対象物が立体物であると判定し、上方側の反射波強度が下方側の反射波強度に対して所定値以上大きいときは、対象物が路上構造物であると判定し、また、下方側の反射波強度が上方側の反射波強度に対して所定値以上大きいときは、対象物が路面反射板であると判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4720137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記した特許文献1記載のレーダ装置では、対象物が、車両が走行するうえで障害物にならない路面上に設置された高さのあまり無い鉄板などの反射物(非立体物)であっても、その対象物が車両前方の上り坂に存在するときは、その対象物が自車両から見れば路面から浮いた状態にあるため、その対象物を自車両の走行に支障をきたす立体物として認識・検知してしまう可能性がある。
【0006】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、対象物として実際に高さを有する立体物と見かけ上高さを有する非立体物とを区別することが可能なレーダ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的は、電波を送信する送信手段と、前記送信手段から送信される前記電波の反射波を受信する受信手段と、を備え、前記受信手段に受信される前記反射波に基づいて対象物を検知するレーダ装置であって、前記受信手段に受信される前記反射波に基づいて、前記対象物の基準位置に対する相対高さを検出する高さ検出手段と、前記高さ検出手段により検出される前記相対高さの、距離又は時間に対する変動に基づいて、該対象物が絶対的な高さを有する立体物であるかを判定する立体物判定手段と、を備えるレーダ装置により達成される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、対象物として実際に高さを有する立体物と見かけ上高さを有する非立体物とを区別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施例であるレーダ装置の構成図である。
【図2】本実施例のレーダ装置において対象物までの距離及び対象物の相対速度の検出原理を説明するための図である。
【図3】車両と対象物との相対関係を表した図である。
【図4】対象物が自車両前方の上り坂に存在する非立体物である場合における反射波の受信電波強度の、自車両と対象物との距離に対する変化を表した図である。
【図5】対象物が先行車両である場合における反射波の受信電波強度の、自車両と対象物との距離に対する変化を表した図である。
【図6】本実施例のレーダ装置において実行される制御ルーチンの一例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて、本発明に係るレーダ装置の具体的な実施の形態について説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施例であるレーダ装置10の構成図を示す。レーダ装置10は、例えば車両などの移動体或いは固定物に搭載されており、自己の周囲に存在する対象物(ターゲット)の有無を検出すると共に、更に対象物が検知された場合にその対象物が道路路面上で絶対的な高さを有する立体物であるか否かを判定する例えばFM−CW方式の装置である。
【0012】
図1に示す如く、本実施例のレーダ装置10は、発振器12と、方向性結合器14と、送信アンテナ16と、受信アンテナ18と、ミキサ20と、ローパスフィルタ(LPF)22と、A/D変換器24と、信号処理装置26と、を備えている。尚、レーダ装置10は、車両の前部に搭載されるものとし、レーダ装置10において検知された対象物のデータは、車両に搭載される車間制御装置や速度制御装置,制動装置などのアプリケーション装置に提供されて、車両運転者に対して警報等の出力を行ううえでパラメータとして使用される。
【0013】
発振器12は、連続波に対して周波数が経時的に三角波状に偏移する送信信号を出力する。発振器26からの送信信号は、方向性結合器14に入力される。方向性結合器14は、発振器26からの送信信号を2つに分配する電力分配を行う。方向性結合器14から分配される一方の送信信号は、送信アンテナ16に送られる。送信アンテナ16は、方向性結合器14から送られる送信信号に応答して、周波数が経時的に偏移する電磁波である例えばミリ波の送信波を外部空間へ放射する。送信アンテナ16は、自車両の進行方向に向けて所定の検知範囲内で送信波の放射を行う。送信波が放射される所定の検知範囲は、少なくとも自車両に対して上下方向及び前後方向を含む範囲であって、左右方向を含むこととしてもよい。
【0014】
受信アンテナ18は、送信波が対象物で反射した後に自車両に到達する反射波を受信波として受信する。受信アンテナ18に受信された受信波は、受信信号としてミキサ20に入力される。ミキサ20には、また、方向性結合器14から分配される他方の送信信号が入力される。ミキサ20は、受信アンテナ18からの受信信号と方向性結合器14からの送信信号とを混合して、両信号の合成波であるビート信号を生成する。このビート信号は、送信信号の周波数と受信信号の周波数との差分に応じたビート周波数を有する。ミキサ20で生成されたビート信号は、LPF22に入力された後、A/D変換器24に入力される。LPF22は、ミキサ20からのビート信号から高調波ノイズを除去する。また、A/D変換器24は、アナログ信号であるビート信号をデジタル信号に変換して信号処理装置26へ供給する。
【0015】
信号処理装置26は、入力されたデジタル信号を処理して、自車両前方の所定検知範囲内に存在する対象物の有無を判定すると共に、その対象物が有ると判定したときはその対象物が道路路面上で絶対的な高さを有する立体物であるか否かを判定する。信号処理装置26は、入力デジタル信号に基づいて対象物の有無を判定する有無判定機能と、対象物が立体物であるかを判定する立体物判定機能と、を有する。
【0016】
図2は、本実施例のレーダ装置10において対象物までの距離及び対象物の相対速度の検出原理を説明するための図を示す。尚、図2には、送信アンテナ16から送信される送信波の周波数f(t)、受信アンテナ18に受信される受信波の周波数f(t)、及びその送信波と受信波とのビート信号のビート周波数のそれぞれの時間変化が示されている。
【0017】
送信アンテナ16から送信される送信波の周波数f(t)及び受信アンテナ18に受信される受信波の周波数f(t)はそれぞれ、発振器12の中心周波数f0を中心にして三角波状に周期的に時間変化する。受信アンテナ18に受信される受信波は、送信アンテナ16から送信される送信波に対して時間遅れτを伴う。尚、TはFM変調周期であり、また、βはFM変調幅である。
【0018】
ミキサ20で生成されるビート信号は、ドップラ効果によって、FM変調周期Tの間に次式(1)及び(2)で表される周波数faと周波数fbとの2つの周波数が繰り返される波形を伴う。尚、自車両から対象物までの距離をLとし、自車両に対する対象物の相対速度(接近側をプラスとする。)をVrとし、光速をcとする。
【0019】
fa=4・β・L/(T・c)+2・f0・Vr/c ・・・(1)
fb=4・β・L/(T・c)−2・f0・Vr/c ・・・(2)
信号処理装置26は、有無判定機能においてA/D変換器24から入力されたデジタル信号について高速フーリエ変換(FFT)処理などを行うことでビート周波数fa,fbを抽出し、そのビート周波数fa,fbと、既知のFM変調周期T、FM変調幅β、中心周波数f0、及び光速cとに基づいて自車両から対象物までの距離L及び自車両と対象物との相対速度Vrを検出する。これにより、自車両前方の所定検知範囲内での対象物の有無を判定する。
【0020】
図3は、車両と対象物との相対関係を表した図を示す。図4は、対象物が自車両前方の上り坂に存在する非立体物である場合における反射波の受信電波強度の、自車両と対象物との距離に対する変化を表した図を示す。また、図5は、対象物が先行車両である場合における反射波の受信電波強度の、自車両と対象物との距離に対する変化を表した図を示す。尚、図4(A)及び図5(A)には自車両と対象物との相対関係を、図4(B)及び図5(B)には受信電波強度の距離に対する変化を、また、図4(C)及び図5(C)には検出高さ位置の距離に対する変化を、それぞれ示す。
【0021】
本実施例において、信号処理装置26は、有無判定機能において対象物が存在すると判定した後、立体物判定機能において、まず、受信アンテナ18に受信される受信波に基づいて、対象物が位置する路面上の高さ(具体的には、自車両が位置する路面に対して対象物が位置する相対的な上下方向高さ)Hを検出する。その具体的な検出手法としては、図3に示す如く、受信波が受信アンテナ18に入射した上下角度θを測定し、その測定角度θと自車両から対象物までの距離Lとに基づいて対象物の上下方向高さを検出するものである。この場合は、次式(3)に従って、対象物が位置する路面上の高さ位置Hが検出される。尚、送信アンテナ16及び受信アンテナ18が自車両の車体に設けられた高さをH0とする。
【0022】
H=H0+L・sinθ ・・・(3)
ところで、対象物で反射して自車両に入射する反射波としては、レーダ装置10の受信アンテナ18に直接的に入射する直接反射波と、路面に反射した後にレーダ装置10の受信アンテナ18に入射する間接反射波と、があり、マルチパスが発生することがある。かかるマルチパスが発生すると、レーダ装置10の受信アンテナ18に受信される受信波は直接反射波と間接反射波とが合成されたものとなる。この際、受信波に直接反射波と間接反射波との位相干渉が生じるので、その受信波の電波強度が時系列的に変化する。
【0023】
対象物が絶対的な高さを有しない鉄板や標識などの非立体物である場合は、対象物において車両からの送信波が反射する箇所が一箇所だけであることが一般的である。この点、非立体物が対象物として継続して検知される場合は、その対象物での反射波の反射箇所が一箇所に限定される。一方、その非立体物が自車両から見て自車両が位置する路面から高い箇所に位置する場合は、上記したマルチパスが発生する。このため、自車両から見て高い箇所に位置する非立体物が対象物として継続して検知される場合は、上記したマルチパスが生じても、反射波の反射箇所が一つであるので、受信アンテナ18に受信される受信波の入射角度に基づいて検出される対象物が位置する路面上の高さ位置(合成高さ)は、自車両と対象物との距離に対してあまり変化なく単調に変移する。
【0024】
例えば、図4(A)に示す如く、自車両Aの受信アンテナ18が自車両が位置する路面Bから50cmの高さに配置され、自車両Aの前方に非立体物である鉄板Cが道路路面上に設置されているが車両が位置する路面Bから50cmの高さに位置する場合は、マルチパスに起因した受信アンテナ18での受信電波強度が、図4(B)に示す如く、自車両と対象物との距離に対して周期的に変化したものとなる一方、受信波の入射角度に基づいて検出される対象物の高さ位置は、図4(C)に示す如く、自車両と対象物との距離に対して単調に変移する。
【0025】
一方、対象物が路面上に置かれた絶対的な高さを有する立体物である場合は、通常、対象物において車両からの送信波が反射する箇所が二箇所以上となる。この点、立体物が対象物として継続して検知される場合は、上記したマルチパスが複数の反射箇所で生じるので、受信アンテナ18に受信される受信波の入射角度として測定される値がそのマルチパスの影響を受けて複雑な値となり、受信アンテナ18に受信される受信波の入射角度に基づいて検出される対象物が位置する路面上の高さ位置(合成高さ)が、自車両と対象物との距離に対して変動する。
【0026】
例えば、図5(A)に示す如く、自車両Aの受信アンテナ18が自車両が位置する路面Bから50cmの高さに配置され、自車両Aの前方に立体物である先行車両Dが存在し、その先行車両Dでの反射箇所が自車両が位置する路面Bから25cmの高さ位置と1mの高さ位置との2箇所ある場合は、マルチパスに起因した受信アンテナ18での受信電波強度は、図5(B)に示す如く、自車両と対象物との距離に対して変化したものとなると共に、受信波の入射角度に基づいて検出される対象物の高さ位置は、図5(C)に示す如く、自車両と対象物との距離に対して変動する。
【0027】
従って、受信アンテナ18に受信される受信波に基づいて対象物が位置する路面上の高さ位置(合成高さ)を検出し、その検出高さ位置の時系列での変動(すなわち、自車両と対象物との距離に対する変動)の大きさを測定して閾値と比較することで、自車両前方の対象物が路面から絶対的な高さを有する立体物であるか或いは絶対的な高さを有しない非立体物であるかを判定することが可能である。
【0028】
図6は、本実施例のレーダ装置10において信号処理装置26が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。
【0029】
本実施例において、レーダ装置10は、自車両のイグニションオン後に起動されると、発振器12から送信信号を出力して、送信アンテナ16から外部空間へ送信波を放射すると共に、受信アンテナ18に受信される受信波の受信処理を行う。
【0030】
信号処理装置26は、A/D変換器24から入力される送信信号と受信信号とのビート信号をデジタル変換したデジタル信号についてFFT処理などを施すことで、有無判定機能において自車両前方の所定検知範囲内での対象物の有無を判定し、ビート信号の周波数fa,fbに基づいて自車両から対象物までの距離L及び自車両と対象物との相対速度Vrを検出すると共に、その対象物が存在すると判定した場合は更に、立体物判定機能において反射波に基づいてその対象物の路面上の高さ位置(具体的には、自車両が位置する路面に対して対象物が位置する相対的な高さ;合成高さ)Hを検出する(ステップ100)。
【0031】
信号処理装置26は、上記ステップ100での対象物の高さ位置Hの検出を所定時間ごとに周期的に繰り返し行うことで、その高さ位置Hの時系列データをメモリに格納する。そして、その時系列データからピーク(極大値及び極小値)を抽出することで、対象物の路面上の高さ位置Hの時間的な変動の大きさΔHを検出する(ステップ102)。尚、この時間的変動の大きさΔHは、自車両及び対象物の少なくとも何れか一方が進行していることを前提とすれば、対象物の高さ位置Hの、自車両と対象物との距離に対する変動の大きさと等価である。
【0032】
信号処理装置26は、また、自車両に搭載された車速センサ30からの信号に基づいて自車両の絶対的な車速Vhを検出する(ステップ104)。信号処理装置26は、その検出した自車両の車速Vhと上記の相対速度Vrとの差の絶対値|Vh−Vr|が所定値ΔVsよりも小さいか否かを判別する(ステップ106)。尚、所定値ΔVsは、対象物が移動していると判定できる最低の速度であって、例えば5km/hや10km/hなどに設定されている。
【0033】
|Vh−Vr|<ΔVsが成立しない場合すなわち|Vh−Vr|が所定値ΔVs以上である場合は、対象物が、道路路面上に静止しておらず、自車両に対して前後に移動している物標であると判断できる。自車両に対して前後に移動する物標は、上下に厚みのある立体物であると判断できる。そこで、信号処理装置26は、|Vh−Vr|<ΔVsが成立しないと判別した場合は、自車両前方に存在する対象物が立体物であると判定する(ステップ108)。
【0034】
一方、|Vh−Vr|<ΔVsが成立する場合すなわち|Vh−Vr|が所定値ΔVsよりも小さい場合は、対象物が、道路路面上に静止しており、自車両に対して前後に移動しない物標であると判断できる。この場合は、その対象物が、上下に厚みのある立体物である可能性もあるが、上下に厚みの無い非立体物である可能性もある。そこで、信号処理装置26は、|Vh−Vr|<ΔVsが成立すると判別した場合は、次に、上記ステップ102で検出した対象物の高さ位置Hの時間的な変動の大きさΔHの絶対値|ΔH|が所定閾値ΔHsよりも大きいか否かを判別する(ステップ110)。尚、所定閾値ΔHsは、対象物が上下方向に高さを有する立体物であると判定できる対象物の高さ位置Hの時間的な変動の大きさであって、例えば10cmや20cmなどに設定されている。
【0035】
|ΔH|>ΔHsが成立する場合は対象物が立体物であると判断でき、一方、|ΔH|>ΔHsが成立しない場合は対象物が非立体物であると判断できる。そこで、信号処理装置26は、上記ステップ110において|ΔH|>ΔHsが成立すると判別した場合は、自車両前方に存在する対象物が立体物であると判定する(ステップ108)。一方、上記ステップ110において|ΔH|>ΔHsが成立しないと判別した場合は、自車両前方に存在する対象物が非立体物であると判定する(ステップ112)。
【0036】
このように、本実施例のレーダ装置10においては、対象物の絶対速度が所定値ΔVs以上である場合は、自車両前方に存在する対象物が立体物であると判定すると共に、対象物の絶対速度が所定値ΔVs未満である場合は、受信アンテナ18に受信される反射波の受信電波強度の時系列パターンに基づいて検出される対象物が位置する路面上の高さ位置Hの時間的な変動の大きさΔHに基づいて、自車両前方に存在する対象物が立体物であるか否かを判定する。
【0037】
受信アンテナ18に受信される受信波に基づいて検出される対象物が位置する路面上の高さ位置Hは、上記したマルチパスが生じても、対象物が非立体物である場合は、自車両と対象物との距離に対してあまり変化なく単調に変移する一方、対象物が立体物である場合は、自車両と対象物との距離に対して変動する。従って、本実施例のレーダ装置10によれば、自車両前方に対象物が存在するとき、その対象物が、路面上に置かれた絶対的な高さを有する立体物であるか否かを判定することができる。
【0038】
例えば鉄板などの非立体物である対象物が自車両前方の上り坂に存在する場合、その対象物は、実際には上下に高さを有しないが、自車両から見れば見かけ上路面から高い位置に存在するので、その対象物が立体物であると誤判定される可能性がある。これに対して、本実施例のレーダ装置10によれば、自車両前方に非立体物である対象物が自車両の位置する路面から高い位置に存在しても、その対象物が非立体物であると判定することができるので、対象物が立体物であるか否かの判定を精度よく行うことができ、対象物として実際に高さを有する立体物と見かけ上高さを有する非立体物とを区別して検知することができる。
【0039】
レーダ装置10における対象物が立体物であるか否かの判定結果は、車間制御装置や速度制御装置,制動装置などのアプリケーション装置に提供されて、車両運転者に対して警報等の出力を行ううえでパラメータとして使用される。従って、本実施例によれば、対象物が立体物であるか否かに応じたアプリケーション処理を実現することが可能である。
【0040】
尚、上記の一実施例においては、送信アンテナ16が特許請求の範囲に記載した「送信手段」に、受信アンテナ18が特許請求の範囲に記載した「受信手段」に、自車両が位置する路面が特許請求の範囲に記載した「基準位置」に、それぞれ相当していると共に、信号処理装置26が、受信アンテナ18に受信される反射波に基づいて、対象物が位置する路面上の高さ位置Hを検出することにより特許請求の範囲に記載した「高さ検出手段」が、また、その検出した対象物が位置する路面上の高さ位置Hの、自車両と対象物との距離に対する変動に基づいて、その立体物が絶対的な高さを有する立体物であるかを判定することにより特許請求の範囲に記載した「立体物判定手段」が、それぞれ実現されている。
【0041】
ところで、上記の実施例においては、レーダ装置10としてFM−CW方式のレーダ装置を用いることとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、パルスレーダ装置やAMレーダ装置,レーザレーダ装置などに適用することが可能である。
【0042】
また、上記の実施例においては、対象物の路面上の高さ位置Hの時間的な変動の大きさΔHを検出するのに、検出した対象物の路面上の高さ位置Hのピークを用いることとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、その変動の大きさΔHを、その検出した対象物の路面上の高さ位置Hを時間微分して求めることとしてもよいし、その検出した対象物の路面上の高さ位置Hの絶対値から求めることとしてもよいし、その絶対値を平均化処理して求めることとしてもよいし、また、その検出した対象物の路面上の高さ位置Hを平均化処理した後に時間微分して求めることとしてもよい。
【0043】
また、上記の実施例においては、対象物の路面上の高さ位置Hの時間的な変動の大きさΔHが所定閾値ΔHsよりも大きいときに、その対象物が立体物であると判定するが、本発明はこれに限定されるものではなく、検出した対象物の路面上の高さ位置Hの時系列パターンのピーク点(折り返し点)の数を算出したうえで、そのピーク点の数が所定値以上である場合に上記の変動の大きさΔHが所定閾値ΔHsよりも大きいと判別して、対象物が立体物であると判定することとしてもよい。かかる変形例においても、上記した実施例と同様の効果を得ることが可能である。
【符号の説明】
【0044】
10 レーダ装置
16 送信アンテナ
18 受信アンテナ
26 信号処理装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波を送信する送信手段と、前記送信手段から送信される前記電波の反射波を受信する受信手段と、を備え、前記受信手段に受信される前記反射波に基づいて対象物を検知するレーダ装置であって、
前記受信手段に受信される前記反射波に基づいて、前記対象物の基準位置に対する相対高さを検出する高さ検出手段と、
前記高さ検出手段により検出される前記相対高さの、距離又は時間に対する変動に基づいて、該対象物が絶対的な高さを有する立体物であるかを判定する立体物判定手段と、
を備えることを特徴とするレーダ装置。
【請求項2】
前記高さ検出手段は、前記受信手段に受信される前記反射波の入射角度に基づいて、前記相対高さを検出することを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
【請求項3】
前記立体物判定手段は、前記相対高さの前記変動の大きさが所定閾値を超える場合に前記対象物が前記立体物であると判定し、一方、前記大きさが前記所定閾値以下である場合に前記対象物が前記立体物でないと判定することを特徴とする請求項1又は2記載のレーダ装置。
【請求項4】
前記立体物判定手段は、前記相対高さの前記変動のピーク点の数が所定値を超える場合に前記大きさが前記所定閾値を超えるものとして前記対象物が前記立体物であると判定し、一方、前記ピーク点の数が前記所定値以下である場合に前記大きさが前記所定閾値以下であるものとして前記対象物が前記立体物でないと判定することを特徴とする請求項3記載のレーダ装置。
【請求項5】
前記立体物判定手段は、また、前記対象物の絶対速度が所定速度以上である場合に、該対象物が前記立体物であると判定すると共に、前記対象物の絶対速度が前記所定速度未満である場合に、前記相対高さの前記変動に基づいて該対象物が前記立体物であるかを判定することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項記載のレーダ装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−53946(P2013−53946A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192846(P2011−192846)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】