Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
レール支持装置およびシートの延伸方法
説明

レール支持装置およびシートの延伸方法

【課題】クリップチェーン式シート延伸装置に設けられてレールを支持するレール支持装置において、簡素な構成でレールの湾曲部の剛性を高める
【解決手段】シート32を延伸するクリップチェーン式シート延伸装置4に設けられているレール支持装置51において、第1のレール支持部材55と、第2のレール支持部材59と、円弧状レール支持部材61とを有し、円弧状レール支持部材61が各レール支持部材の接続部65,67に対し、高次対偶をなして係合しており、交差角度2等分線81を含み上下方向に展開している平面である交差角度2等分平面79に対して対称に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート延伸装置のレール支持装置およびシートの延伸方法に係り、特に、クリップチェーンを用いてたとえば熱可塑性樹脂で構成されたシートの端部を保持し、クリップチェーンを走行させてシートを搬送しつつ延伸するクリップチェーン式シート延伸装置のレール支持装置およびシートの延伸方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クリップチェーン式シート延伸装置として、クリップを無端状に形成して構成された一対のクリップチェーンを左右対称に配置し、これらクリップチェーンの各クリップを用いてシート(フィルム)の幅方向の両端部を保持し、各クリップチェーンを左右対称に配置された一対のガイドレールの沿わせて走行させつつ、シートの横延伸(TD延伸)をするものが知られている。なお、上記クリップチェーン式シート延伸装置の一対のガイドレール間の距離は、シートを横延伸する部位で徐々に広がっている。
【0003】
上記従来のクリップチェーン式シート延伸装置においては、横延伸比(シートの入口での一対のクリップ間の距離と、シートの出口での一対のクリップ間の距離との比)を変更するために、剛体で構成されている直線状のガイドレール同士をお互いに連結する部位に、フレキシブルなガイドレールを設け、支点部をハンドルまたはモータで拡縮させて、直線状の各ガイドレール同士の交差角度(フレキシブルなガイドレールの曲率半径)を変えている。
【0004】
上記フレキシブルなガイドレールは、長く薄いほど屈曲性が高まり、直線状の各ガイドレール同士の交差角度を広い角度範囲で変更することができる。しかし、上記フレキシブルなガイドレールが長く薄くなると剛性が不足し、クリップにかかる延伸力(シートを幅方向に引っ張る力)によって、上記フレキシブルなガイドレールが変形し、上記フレキシブルなガイドレールが理想とする形状(円弧状の形状)を保てなくなり、クリップチェーンのスムーズな走行ができなくなるおそれがある。
【0005】
なお、上記従来の技術に関する特許文献として、たとえば、特許文献1、特許文献2を掲げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−337773号公報
【特許文献2】特開2005−169856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記フレキシブルなガイドレールは、上述したように、長く薄いほど各ガイドレール同士の交差角度を広い角度範囲で変更することができるが、クリップチェーンのスムーズな走行ができなくなるおそれがある。
【0008】
そこで、上記フレキシブルなガイドレールの長手方向の中間部を保持して、上記フレキシブルなガイドレールを理想的な円弧状の形状に保つ方式(たとえば、上述した特許文献1、特許文献2参照)が考えられるが、直線状の各ガイドレール同士の交差角度を広い角度範囲で変更しつつ、上記フレキシブルなガイドレール(レールの湾曲部)の長手方向の中間部を保持して、上記フレキシブルなガイドレールを理想的な円弧状の形状に保つためには、装置の構成が煩雑になるという問題がある。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、クリップチェーンの各クリップを用いてシートの横方向の端部を保持し、前記クリップチェーンをレールに沿わせて水平方向に走行させ、前記シートを搬送しつつ延伸するクリップチェーン式シート延伸装置に設けられて、前記レールを支持するレール支持装置において、簡素な構成でレールの湾曲部の剛性を高めることができるレール支持装置を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、簡素な構成でレールの湾曲部の剛性を高めることができるレール支持装置が用いられているシート延伸機を用いたシートの延伸方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の発明は、クリップチェーンを用いてシートの横方向の端部を保持し、前記クリップチェーンをレールに沿わせて水平方向に走行させ、前記シートを搬送しつつ延伸するクリップチェーン式シート延伸装置に設けられて、前記レールを支持するレール支持装置において、前記レールの第1の直線状部を支持する第1のレール支持部材と、前記第1の直線状部に交差する方向で前記レールの第2の直線状部を支持する第2のレール支持部材と、前記レールの各直線状部をつないでいる前記レールの円弧状部を支持する円弧状レール支持部材とを有し、前記第1のレール支持部材の接続部に、前記第2のレール支持部材の接続部が係合し、前記各接続部で上下方向に延びている第1の軸を回動中心にして、前記第1のレール支持部材に対して前記第2のレール支持部材が相対的に回動するように構成されており、前記各レール支持部材は、前記接続部以外の部位である直線状レール支持部で、前記レールの各直線状部を支持しており、前記円弧状レール支持部材は、前記第1のレール支持部材の接続部、前記第2のレール支持部材の接続部に対し、高次対偶をなして係合しており、前記第1のレール支持部材が支持している前記レールの第1の直線状部の延長線と、前記第2のレール支持部材が支持している前記レールの第2の直線状部の延長線とがお互いに交差する交点を通り、前記各延長線の交差角度を2等分して水平方向に延びている直線である交差角度2等分線を含み上下方向に展開している平面である交差角度2等分平面に対して対称に構成されているレール支持装置である。
【0012】
請求項2に記載の発明は、クリップチェーンの各クリップを用いてシートの横方向の端部を保持し、前記クリップチェーンをレールに沿わせて水平方向に走行させ、前記シートを搬送しつつ延伸するクリップチェーン式シート延伸装置に設けられて、前記レールを支持するレール支持装置において、前記レールの第1の直線状部を支持する第1のレール支持部材と、前記第1の直線状部に交差する方向で前記レールの第2の直線状部を支持する第2のレール支持部材と、前記レールの各直線状部をつないでいる前記レールの円弧状部を支持する円弧状レール支持部材とを有し、前記第1のレール支持部材の接続部に、前記第2のレール支持部材の接続部が係合し、前記各接続部で上下方向に延びている第1の軸を回動中心にして、前記第1のレール支持部材に対して前記第2のレール支持部材が相対的に回動するように構成されており、前記各レール支持部材は、前記接続部以外の部位である直線状レール支持部で、前記各レール支持部材の長手方向と前記レールの各直線状部の長手方向とをお互いに一致させて、前記レールの各直線状部を支持しており、前記円弧状レール支持部材は、前記第1のレール支持部材の接続部、前記第2のレール支持部材の接続部の少なくともいずれかに対し、前記第1の軸を中心にして相対的に回動し、さらに、前記第1の軸を通り水平な所定の方向に延びている第1の直線に沿って相対的に移動するように、高次対偶をなして係合しており、前記円弧状レール支持部材は、前記第1のレール支持部材の接続部に対し、上下方向に延びている第2の軸を中心にして相対的に回動し、さらに、前記第2の軸を通り水平な所定の方向に延びている第2の直線に沿って相対的に移動するように、高次対偶をなして係合しており、前記円弧状レール支持部材は、前記第2のレール支持部材の接続部に対し、上下方向に延びている第3の軸を中心にして相対的に回動し、さらに、前記第3の軸を通り水平な所定の方向に延びている第3の直線に沿って相対的に移動するように、高次対偶をなして係合しており、前記第1のレール支持部材が支持している前記レールの第1の直線状部の延長線と、前記第2のレール支持部材が支持している前記レールの第2の直線状部の延長線とがお互いに交差する交点を通り、前記各延長線の交差角度を2等分して水平方向に延びている直線である交差角度2等分線を含み上下方向に展開している平面である交差角度2等分平面内に、前記第1の軸が存在し、前記交差角度2等分平面内の所定の箇所で前記円弧状レール支持部材が前記レールの円弧状部を支持しており、前記第1の直線は、前記交差角度2等分線の延伸方向に延びており、前記交差角度2等分平面に対し、前記第1のレール支持部材と前記第2のレール支持部材とが対称になっており、前記第2の直線は、前記交差角度2等分平面に対して所定の角度で交差する水平な方向に延びており、前記第3の直線は、前記交差角度2等分平面に対し前記第2の直線と対称になっているレール支持装置である。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のレール支持装置において、前記直線状レール支持部は、少なくとも、前記レール支持部材の長手方向における前記レール支持部材の接続部と前記レール支持部材の他端部との境界のところである境界部位で、前記レールの直線状部を保持しており、前記レール支持部材の長手方向における前記交差角度2等分平面と前記第2の軸との間の距離が、前記交差角度2等分平面と前記境界部位との間の距離の0.50〜0.59倍になっているレール支持装置である。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載のレール支持装置において、前記直線状レール支持部は、少なくとも、前記レール支持部材の長手方向における前記レール支持部材の接続部と前記レール支持部材の他端部との境界のところである境界部位で、前記レールの直線状部を保持しており、前記交差角度2等分平面と前記第2の軸との間の距離が、前記交差角度2等分平面と前記境界部位との間の距離の0.50倍になっているレール支持装置である。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載のレール支持装置において、前記レールの第1の直線状部と前記レールの第2の直線状部との交差角度が180°であるときに、直線状の前記レールが、第1の軸上を通っているレール支持装置である。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載のレール支持装置において、前記第1のレール支持部材と前記第2のレール支持部材とは、円柱状の第1の軸部材を用いて、前記第1の軸を中心にして回動自在になっており、前記円弧状レール支持部材は、第1の長孔と、第2の長孔と、第3の長孔とを備えており、前記第1の軸部材に前記第1の長孔が係合することによって、前記円弧状レール支持部材が、前記接続部に対し、前記第1の軸を中心にして相対的に回動し、前記第1の直線に沿って相対的に移動するように係合しており、前記第1のレール支持部材の接続部に設けられている円柱状の第2の軸部材に前記第2の長孔が係合することによって、前記円弧状レール支持部材が、前記接続部に対し、前記第2の軸を中心にして相対的に回動し、前記第2の直線に沿って相対的に移動するように係合しており、前記第2のレール支持部材の接続部に設けられている円柱状の第3の軸部材に前記第3の長孔が係合することによって、前記円弧状レール支持部材が、前記接続部に対し、前記第3の軸を中心にして相対的に回動し、前記第3の直線に沿って相対的に移動するように係合しているレール支持装置である。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のレール支持装置を備えたクリップチェーン式シート延伸装置を用いてシートを延伸するシート延伸方法である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、クリップチェーンの各クリップを用いてシートの横方向の端部を保持し、前記クリップチェーンをレールに沿わせて水平方向に走行させ、前記シートを搬送しつつ延伸するクリップチェーン式シート延伸装置に設けられて、前記レールを支持するレール支持装置において、簡素な構成でレールの湾曲部の剛性を高めることができるという効果を奏する。
【0019】
また、本発明によれば、簡素な構成でレールの湾曲部の剛性を高めることができるレール支持装置が用いられているシート延伸機を用いたシートの延伸方法を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】プラスチックフィルム等を延伸するフィルム製造装置全体の概略構成を示す図である。
【図2】テンタークリップの概略構成を示す図である。
【図3】第1の実施形態に係るフィルム(シート)の横延伸機の概要を示す平面図である。
【図4】レール支持装置の概略構成を示す図である。
【図5】レール支持装置において、レールの一部を屈曲させた状態を示す平面図である。
【図6】レールの支持形態を示す図である。
【図7】レール接続部の概略構成を示す図である。
【図8】レール接続部の概略構成を示す図である。
【図9】円弧状レール支持部材によって支持されているレールの円弧状部が、理想的な円弧の形状になることを説明する図であり、図5を単純化した図である。
【図10】円弧状レール支持部材によって支持されているレールの円弧状部が、理想的な円弧の形状になることを説明する式を表した図である。
【図11】円弧状レール支持部材によって支持されているレールの円弧状部が、理想的な円弧の形状になることを説明する表を表した図である。
【図12】図5等に示す距離Bと距離Aとの適切な関係を求める式を表した図である。
【図13】図5等に示す距離Bと距離Aとの適切な関係を求めた表を表した図である。
【図14】B/Aの値を「0.5」としたときにおけるRとPとの差「R−P」を求める式を表した図である。
【図15】B/Aの値を「0.5」としたときにおけるRとPとの差「R−P」を求めた表を表した図である。
【図16】第2の実施形態に係るクリップチェーン式シート延伸装置の概要を示す平面図である。
【図17】レール支持装置を単純化した図であって、図9に対応した図である。
【図18】円弧状レール支持部材によって支持されているオフセットされているレールの円弧状部が、理想的な円弧の形状になることを説明する式を表した図である。
【図19】本発明の第3の実施形態に係るクリップチェーン式シート延伸装置の概略構成を示す平面図である。
【図20】クリップチェーン式シート延伸装置の詳細構造を示す図である。
【図21】クリップチェーン式シート延伸装置の詳細構造を示す図である。
【図22】クリップチェーン式シート延伸装置の詳細構造を示す図である。
【図23】クリップチェーン式シート延伸装置の詳細構造を示す図である。
【図24】さらなる変形例に係るレール支持装置の概略構成を示す平面図であり、図4(a)に対応した図である。
【図25】図24を簡素化した図であり、図5や図17に対応した図である。
【図26】円弧状レール支持部材によって支持されているレールの円弧状部が、理想的な円弧の形状になることを説明する式を表した図である。
【図27】円弧状レール支持部材によって支持されているレールの円弧状部が、理想的な円弧の形状になることを説明する式を表した図である。
【図28】誤差を求める式を表した図である。
【図29】誤差を求めた表を表した図である。
【図30】誤差を求める式を表した図である。
【図31】誤差を求めた表を表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1の実施形態]
図1は、プラスチックフィルム等を延伸するフィルム製造装置1全体の概略構成を示すものである。
【0022】
フィルム製造装置1には、たとえば、特開平10−337773号公報で示すように、Tダイ2、キャストロール3、縦延伸機4、横延伸機5、引取ユニット6、巻取機7等の各種装置が設けられている。そして、Tダイ2から吐出された溶融樹脂はキャストロール3でシート状に成形されて原反シートが成形され、さらにこの原反シートは縦延伸機4で縦延伸された後、横延伸機5で横延伸され、引取ユニット6を経て巻取機7で巻取られる構成になっている。
【0023】
また、フィルム(シート)の横延伸機5には、シートの両側をそれぞれ把持し、横方向に延伸する図2(a)、(b)に示すテンタークリップ8と、このテンタークリップ8の走行を案内する図3に示す左右2列のガイドレール9とが設けられている。
【0024】
テンタークリップ8にはシートを把持するクリップ本体10と、駆動チェーン11とが設けられている。ここで、クリップ本体10には、クリップ台12の上側に図2(a)に示すように、左右一対のレバー支持体13が突設されている。
【0025】
一対のレバー支持体13間には支軸14が架設されている。この支軸14にはクリップレバー15が回動自在に軸支されている。そして、このクリップレバー15は、図2に示すクリップ位置でシートをクリップし、支軸14を中心に同図中で時計回り方向に回動された状態でフィルムのクリップを解除するようになっている。
【0026】
クリップ台12の下側には、駆動チェーン11のチェーンボックス16が配設されている。このチェーンボックス16の上下の両壁面には、連結ピン17の上下の両端部がそれぞれ固着されている。
【0027】
チェーンボックス16内には、ローラ18と、このローラ18の上下のリンクプレート19とが配設されている。2枚のリンクプレート19間は、円筒状のブッシュ20により連結されている。このブッシュ20は、ローラ18内に挿入されている。さらに、このブッシュ20内には、連結ピン17が挿入されている。これにより、チェーンボックス16とリンクプレート19との間が連結ピン17を介して連結され、エンドレスチェーンが形成されている。
【0028】
クリップ本体10には、複数のベアリング21〜26が設けられている。さらに、クリップ台12には、図2(a)に示すようにクリップレバー15とは反対側にベアリング支持体27が延設されている。そして、このベアリング支持体27には、2つのベアリング23,24のそれぞれの支軸28,29の上端部が固定されている。そして、一方の支軸28の下端部にベアリング23が回転自在に軸支され、他方の支軸29の下端部にベアリング24が回転自在に軸支されている。
【0029】
クリップ台12には、図2(a)に示すように上下方向に向けて他の2つのベアリング25,26の支軸30が取り付けられている。そして、この支軸30の上端部に上側のベアリング25、下端部に下側のベアリング26が、それぞれ回転自在に軸支されている。
【0030】
ベアリング支持体27上には、ベアリング21の支軸31が固定されている。そして、この支軸31の一端部にベアリング21が回転自在に軸支されている。
【0031】
横延伸機5内のフィルム搬送路Rには、図3に示すように縦延伸機4で縦延伸されたフィルム32を受入れるフィルム受入れ部33と、フィルム32を横延伸する横延伸部34と、横延伸されたフィルム32を引取ユニット6側に送り出すフィルム出口部35とが設けられている。
【0032】
さらに、フィルム搬送路Rの両側には、左右一対のテンタークリップ走行路36がそれぞれ配設されている。各テンタークリップ走行路36にはテンタークリップ8の駆動チェーン11のアイドラスプロケット37と駆動スプロケット38とがそれぞれ配設されている。ここで、駆動チェーン11のアイドラスプロケット37および駆動スプロケット38は、横延伸機5内のフィルム受入れ部33およびフィルム出口部35にそれぞれ配設されている。
【0033】
横延伸機5内の各テンタークリップ8の左右の長いガイドレール9は、複数のレール構成体がフィルムの走行方向に沿って直列に連結されて形成されている。すなわち、左右の各ガイドレール9には、フィルム受入れ部33のアイドラスプロケット37と横延伸部34との間を結ぶ入口側直線ガイド部39と、横延伸部34に配設された横延伸ガイド部40と、横延伸部34とフィルム出口部35のアイドラスプロケット37との間を結ぶ出口側直線ガイド部41と、フィルム出口部35のアイドラスプロケット37と駆動スプロケット38との間に配設されガイドレール9全体の長さを伸縮調整する伸縮部42と、フィルム出口部35の駆動スプロケット38とフィルム受入れ部33の駆動スプロケット38とアイドラスプロケット37との間を結ぶ戻しガイド部43とがそれぞれ設けられている。ここで、横延伸ガイド部40には、図3に示すように左右の両ガイドレール9間の間隔をフィルム32の走行方向に沿って徐々に拡大する延伸角度φの拡開部44が形成されている。
【0034】
ここで、フィルム横延伸機(クリップチェーン式シート延伸装置;クリップチェーン式シート・フィルム延伸装置)4についてさらに説明する。
【0035】
クリップチェーン式シート延伸装置4は、すでに理解されるように、シート32の横方向の端部を保持するクリップ(テンタークリップ)8を多数つなげて無端状に(環状に)構成されたクリップチェーンの各クリップ8を用いてシート32の横方向の端部を保持し、クリップチェーンをレール(ガイドレール)9に沿わせてたとえば水平方向に走行させ(たとえば水平面内で直線的にもしくは円弧状等の曲線状に走行させ)、シート32をクリップチェーンの走行方向とほぼ一致するシート32の長手方向に搬送しつつ、シート32をシート32の水平な横方向に延伸する装置である。
【0036】
また、クリップチェーン式シート延伸装置4には、レール9を支持するレール支持装置51が設けられている。レール支持装置51は、図3にIVで示すレール9の屈曲部の箇所とこの周辺部において、レール9を支持する装置である。
【0037】
図4は、レール支持装置51の概略構成を示す図であり、図4(a)は、レール支持装置51の平面図であり、図4(b)は、図4(a)におけるIVB矢視図である。なお、図4(b)では、理解を容易にするために、レール支持装置51の一部の構成部材を断面で示している。
【0038】
図5は、レール支持装置51において、レール9の一部を屈曲させた状態を示す平面図である。
【0039】
レール支持装置51は、水平方向に延びているレール9の第1の直線状部53を支持する第1のレール支持部材55と、第1の直線状部53に交差する方向で水平方向に延びているレール9の第2の直線状部57を支持する第2のレール支持部材59と、円弧状レール支持部材61とを備えて構成されている。
【0040】
円弧状レール支持部材61は、クリップチェーンを滑らかに走行させるべく、レール9の円弧状部63を支持する部材である。円弧状部63は、レール9の各直線状部53,57をお互いにつないで水平方向に延伸しているレール9の部位であり、曲率半径を変更することができるように、フレキシブルに構成されている。
【0041】
第1のレール支持部材55の長手方向の一端部側に設けられている接続部65に、第2のレール支持部材59の長手方向の一端部側に設けられている接続部67が係合している。そして、各接続部65,67で上下方向に延びている第1の軸C1を回動中心にして、第1のレール支持部材55に対して第2のレール支持部材59が相対的に回動するように構成されている。
【0042】
各レール支持部材55,59は、各接続部65,67以外の部位(レール支持部材55,59の長手方向の他端部側で長く延伸している部位)である直線状レール支持部69,71で、各レール支持部材55,59の長手方向とレール9の各直線状部53,57の長手方向とをお互いに一致させて、レール9の各直線状部53,57を支持している。
【0043】
すなわち、第1のレール支持部材55は、第2のレール支持部材59とは反対側に位置している直線状レール支持部69で、第1のレール支持部材55の長手方向とレール9の第1の直線状部53の長手方向とがお互いに一致するように、レール9の第1の直線状部53を支持している。同様にして、第2のレール支持部材59も、レール9の第2の直線状部57を支持している。
【0044】
各直線状レール支持部69,71は、少なくとも、各レール支持部材55,59の長手方向における各接続部65,67との境界73,75のところで、レール9の各直線状部53,57を支持している。たとえば、第1のレール支持部材55の直線状レール支持部69は、第1のレール支持部材55の長手方向において、接続部65との境界73のところで、レール9の第1の直線状部53を支持している。同様にして、第2のレール支持部材59の直線状レール支持部71は、第2のレール支持部材59の長手方向において、接続部67との境界75のところで、レール9の第2の直線状部57を支持している。
【0045】
円弧状レール支持部材61は、各接続部65,67のところに設けられており、平面視において、各接続部65,67の内側に設けられている(図4(a)、図5参照)。すなわち、平面視において、円弧状レール支持部材61は、各接続部65,67内に存在している。
【0046】
円弧状レール支持部材61は、第1のレール支持部材55の接続部65、第2のレール支持部材59の接続部67の少なくともいずれかに高次対偶をなして係合している。すなわち、円弧状レール支持部材61は、第1のレール支持部材55の接続部65、第2のレール支持部材59の接続部67の少なくともいずれかに対し、第1の軸C1を中心にして相対的に回動するように設けられている。さらに、円弧状レール支持部材61は、第1の軸C1を通り水平な所定の方向に延びている第1の直線L1に沿って、第1のレール支持部材55の接続部65、第2のレール支持部材59の接続部67の少なくともいずれかに対し相対的に移動するように設けられている。
【0047】
また、円弧状レール支持部材61は、第1のレール支持部材55の接続部65に高次対偶をなして係合している。すなわち、円弧状レール支持部材61は、第1のレール支持部材55の接続部65に対し、上下方向に延びている第2の軸C2を中心にして相対的に回動するように設けられている。なお、第2の軸C2は、第1のレール支持部材55の接続部65で第1の軸C1と第1のレール支持部材55の直線状レール支持部69との間に設けられている。さらに、円弧状レール支持部材61は、前記第2の軸C2を通り水平な所定の方向に延びている第2の直線L2に沿って第1のレール支持部材55の接続部65に対し相対的に移動するように設けられている。
【0048】
また、円弧状レール支持部材61は、第2のレール支持部材59の接続部67に高次対偶をなして係合している。すなわち、円弧状レール支持部材61は、第2のレール支持部材59の接続部67に対し、上下方向に延びている第3の軸C3を中心にして相対的に回動するように設けられている。なお、第3の軸C3は、第2のレール支持部材59の接続部67で第1の軸C1と第2のレール支持部材59の直線状レール支持部71との間に設けられている。さらに、円弧状レール支持部材61は、第3の軸C3を通り水平な所定の方向に延びている第3の直線L3に沿って第2のレール支持部材59の接続部67に対し相対的に移動するように設けられている。
【0049】
なお、円弧状レール支持部材61は、レール9の円弧状部63をこの円弧状部63の長手方向の中央部で支持するレール支持部(レール保持部)77を備えている。
【0050】
ところで、第1の軸C1は、交差角度2等分平面79内に存在しており、円弧状レール支持部材61は、交差角度2等分平面79内の所定の箇所で、レール支持部77をレール9の円弧状部63に係合させて、レール9の円弧状部63を支持している。第1の直線L1は、交差角度2等分線81の延伸方向に延びている。すなわち、第1の直線L1は、平面視において、交差角度2等分線81と一致している。
【0051】
ここで、交差角度2等分線81とは、第1のレール支持部材55が支持しているレール9の第1の直線状部53の延長線と、第2のレール支持部材59が支持しているレール9の第2の直線状部57の延長線とがお互いに交差する交点P1を通り、前記各延長線の交差角度τ(たとえば、図5参照)を2等分して水平方向に延びている直線である。また、交差角度2等分平面79は、交差角度2等分線81を含み上下方向に展開している平面である。
【0052】
また、レール支持装置51は、交差角度2等分平面79に対してほぼ対称に形成されている。すなわち、交差角度2等分平面79に対し、第1のレール支持部材55と第2のレール支持部材59とが対称になっている。より詳しくは、交差角度2等分平面79に対して、第2の軸C2と第3の軸C3とが対称に配置されており、各接続部65,67がほぼ対称になっており、各直線状レール支持部69,71が対称になっており、レール9の各直線状部53,57が対称になっており、レール9の円弧状部63が対称になっている。
【0053】
また、第2の直線L2は、交差角度2等分平面79に対して所定の角度で交差する水平な方向(たとえば、交差角度2等分平面79に対して直交する方向)に延びており、第3の直線L3は、交差角度2等分平面79に対し第2の直線L2と対称になっている。
【0054】
ところで、前述したように、円弧状レール支持部材61が、レール9の円弧状部63をレール支持部77のところで支持しており、第1のレール支持部材55(第2のレール支持部材59)が直線状レール支持部69(直線状レール支持部71)のところで(前述した各境界73,75のところで)、レール9の第1の直線状部53(第2の直線状部57)を支持しているが、これらの支持形態について、図6(レール9の支持形態を示す図)参照して説明する。
【0055】
円弧状レール支持部材61のレール支持部77は、たとえば、半球状もしくは半円柱状に形成されている一対の突起83(83A,83B)で、レール9の円弧状部63を挟むことにより、レール9支持している。なお、突起83の頂点がレール9に接触している。
【0056】
第1のレール支持部材55(第2のレール支持部材59)が直線状レール支持部69(直線状レール支持部71)も、同様にして、たとえば、半球状もしくは半円柱状に形成されている一対の突起85(85A,85B)で、レール9の直線状部53(57)を挟むこことにより、レール9支持している。なお、突起85の頂点がレール9に接触していると共に、突起85の頂点は、第1のレール支持部材55(第2のレール支持部材59)の長手方向において、境界73(75)のところに位置している。
【0057】
また、レール9の各直線状部53,57のほとんどの部分は、厚めの板状部材を3枚程度の少数枚これらの厚さ方向で重ねて構成されている。これにより、レール9の各直線状部53,57のほとんどの部分は高い剛性を備えている。
【0058】
一方、レール9の円弧状部63とレール9の各直線状部53,57の一部の部分とは、薄い板状部材を複数枚これらの厚さ方向で重ねて構成されている。これにより、レール9の円弧状部63が、フレキシブルに構成されており、図5で示すように円弧状に弾性変形することができるようになっている。
【0059】
さらに説明すると、薄い板状部材を複数枚重ねて構成されているレール9の部位は図4(a)、(b)から理解されるように、円弧状部63とこれに隣接している各直線状部53,57の一部の部分におよんでいる。
【0060】
また、薄い板状部材を複数枚重ねて構成されているレール9の部位と、高い剛性を備えているレール9の各直線状部53,57との間には、レール接続部87が設けられている。このレール接続部87は、図5に示す交差角度τを変更したときに発生する、薄い板状部材を複数枚重ねて構成されているレール9の部位と、高い剛性を備えているレール9の各直線状部53,57との間の重なり長さの変化を吸収するために設けられている。
【0061】
レール接続部87等について図7,図8を用いて詳しく説明する。
【0062】
レール9は、たとえば、特開2007−230143号公報に記載されているように、また、前述したように、複数枚の鋼板(金属板)を重ね合わせて積層した積層体(鋼板レール)538(積層体540、542)によって構成されている。さらに、積層体538には図7(a)〜(c)に示すようにクリップ8の走行方向に沿ってレール9を前後に分割する継ぎ目部539が設けられている。
【0063】
ここで、クリップ8の走行方向に沿って継ぎ目部539の一方の側(図7(a)〜(c)中で左側)に配設される積層体540は、たとえば、5枚の鋼板537を重ね合わせた鋼板重合部によって形成されている。これにより、レール9の円弧状部63とレール9の各直線状部53,57の一部の部分とが構成されている。
【0064】
また、継ぎ目部539の他方の側に配設される積層体542は複数枚、この実施の形態では図7(a),(b)に示すように3枚の鋼板543a,543b,543cを重ね合わせた鋼板重合部によって形成されている。
【0065】
これらの鋼板543a,543cの外面側には、図8に示すように、積層体540の外面側の鋼板537の端縁部の形状と対応する形状の切削加工部544が形成されている。この切削加工部544の外面側には、積層体540のガイド用凹部541内にクリップ8の走行方向で移動可能に挿入される係合凸部545が、一体に突設されている。そして、切削加工部544の外面側に係合凸部545が一体に突設された一体構造体546によって、鋼板543bの外側の2枚の鋼板543a,543cがそれぞれ形成されている。
【0066】
また、各クリップ8のローラ21等は、レール9の両側面の継ぎ目部539における上流側積層体540のガイド用凹部541と下流側積層体542の係合凸部545との間のラップ部に合わせて配置されている。なお、図7(c)中で、LやLはローラ21等の移動軌道をそれぞれ示すものである。
【0067】
また、レール9の上面には積層体538を構成する複数の鋼板537毎に継ぎ目部539がクリップ8の走行方向に沿ってずらして配置されている。これにより、クリップ8の自重受け用ローラを積層体538の少なくとも1枚の鋼板537に常時接触させた状態で支持させることができ、また、レール9の屈曲による伸び縮みを吸収でき、さらに、レール9の湾曲部の曲率半径を容易に調整、変更できるようになっている。
【0068】
ところで、前述したように、直線状レール支持部69,71は、レール支持部材55,59の長手方向におけるレール支持部材55,59の接続部65,67とレール支持部材55,59の他端部との境界73,75のところである境界部位で、レール9の直線状部53,57を保持している。
【0069】
すなわち、第1の直線状レール支持部69は、図6(b)で示すように、第1のレール支持部材55の長手方向における第1のレール支持部材55の接続部65と第1のレール支持部材55の他端部との境界73のところである境界部位で、レール9の第1の直線状部53を保持しており、同様にして、第2の直線状レール支持部71は、第2のレール支持部材59の長手方向における第2のレール支持部材59の接続部67と第2のレール支持部材59の他端部との境界75のところである境界部位で、レール9の第2の直線状部57を保持している。
【0070】
また、図5等で示すように、レール支持部材55,59の長手方向における交差角度2等分平面79と第2の軸C2(第3の軸C3)との間の距離Bが、交差角度2等分平面79と境界部位(境界73,75)との間の距離Aの0.50〜0.59倍になっている。なお、距離Bが、距離Aの0.50倍になっていれば、より好ましい。
【0071】
また、レール支持装置51では、図4(a)で示すように、レール9の第1の直線状部53とレール9の第2の直線状部57との交差角度τが180°であるときに(レール9の第1の直線状部53とレール9の第2の直線状部57とレール9の円弧状部63とが1つの直線上に存在しているときに)、直線状のレール9が、第1の軸C1を通っている。
【0072】
ここで、レール支持装置51についてさらに詳しく説明する。
【0073】
第1のレール支持部材55と第2のレール支持部材59とは、円柱状の第1の軸部材89を用いて、第1の軸C1を中心にして回動自在になっている。
【0074】
すなわち、第1のレール支持部材の接続部65の一端部の近傍には、第1の軸部材89が一体的に設けられている。また、第2のレール支持部材の接続部67の一端部の近傍には、貫通孔が設けられており、この貫通孔が、第1の軸部材89の嵌合していることによって、第1のレール支持部材55に対して第2のレール支持部材59が相対的に回動するようになっている。
【0075】
円弧状レール支持部材61は、図4(a)で示すように、第1の長孔(貫通孔)91と第2の長孔(貫通孔)93と第3の長孔(貫通孔)95とを備えている。そして、第1の軸部材89に第1の長孔91が係合することによって、円弧状レール支持部材61が、接続部65,67に対し、第1の軸C1を中心にして相対的に回動すると共に、第1の直線L1に沿って相対的に移動するようになっている。
【0076】
また、第1のレール支持部材55の接続部65に円柱状の第2の軸部材97が一体的に設けられている。そして、第2の軸部材97に第2の長孔93が係合することによって、円弧状レール支持部材61が、接続部65に対し、第2の軸C2を中心にして相対的に回動すると共に、第2の直線L2に沿って相対的に移動するようになっている。
【0077】
同様にして、第2のレール支持部材59の接続部67に円柱状の第3の軸部材99が一体的に設けられている。そして、第3の軸部材99に第3の長孔95が係合することによって、円弧状レール支持部材61が、接続部67に対し、第3の軸C3を中心にして相対的に回動すると共に、第3の直線L3に沿って相対的に移動するようになっている。
【0078】
上述したように、各レール支持部材55,59,61が係合していることによって、各レール支持部材55,59,61により限定連鎖が構成されており、各レール支持部材55,59間の曲げ角度(交差角度)τの変更に応じて、円弧状レール支持部材61が限定運動し、円弧状レール支持部材61の位置や姿勢が一義的に決まるようになっている。そして、フレキシブルなレール9の円弧状部63を、理想的な円弧の形状に保持することができるようになっている。
【0079】
ここで、図9や図10等に示す数式や図11等に示す表を用い、円弧状レール支持部材61によって支持されているレール9の円弧状部63が、理想的な円弧の形状になることを説明する。
【0080】
図9は、図5を単純化した図である。また、以下の説明では、図9は、平面79(直線81)に対して対称になっているので、図9の左側について説明する。
【0081】
図9における点Oは、レール9の円弧状部63の中心であり、点P4は、図6(a)における点P4であり、点P2は、図6(b)における点P2であり、点P3は、図6(b)における点P3である。また、三角形O−P3−C1は、直角三角形であり、交差角度τと角度θとの関係は、「θ=90°−τ/2」で表される。各直線L4,L6は、レール9の各直線状部53,57の中心線であり、円弧状の曲線L5は、レール9の円弧状部63が理想的な円弧になっている場合における円弧状部63の中心線である。
【0082】
ここで、交差角度2等分線81と曲線L5とに交点をTdとする。また、レール支持部77におけるレール9の円弧状部63の中心を点Udとする。なお、すでに理解されるように、点Udと上述した点P4とはお互いが一致している。また、円弧状レール支持部材61が各接続部65,67に設置されている状態では、点Udは、第2の軸C2と第3の軸C3をお互いにつなぐ線分の中点位置している。さらに、点Udは、円弧状レール支持部材61のレール支持部77でレール9の円弧状部63を支持しているときにおけるレール9の円弧状部63の実際の中点ということになる。
【0083】
したがって、点Tdと点Udとがお互いに一致していれば、レール9の円弧状部63が理想的な円弧になる。一方、点Tdと点Udとが僅かにずれていても、レール9の円弧状部63がほぼ理想的な円弧になるのである。なお、点Tdと点Udとは、これらの位置がレール交差角度2等分線81の上で、お互いに僅かにずれているが、このずれがごく僅かであるので、図9では、一致させて描いてある。
【0084】
図9から図10に示す各式f101,f102,f103,f104を得ることができる。なお、式f101等における「R」は、図9のおける線分O−P3(P2)の長さ(線分O−Tdの長さ)であり、レール9の円弧状部63の曲率半径である。
【0085】
上記各式f103,f104において、角度θ値を変化させて、C1−Td(図11では、単に「Td」と表している。)の長さと、C1−Ud(図11では、単に「Ud」と表している。)の長さとを求め、さらに、Tdの変化率やUdの変化率を求めると、図11で示す表のようになる。
【0086】
ここで、クリップチェーン式シート延伸装置4のレール支持装置51では、交差角度τが、180°から90°の範囲になるようにして使用される。したがって、角度θは、0°〜45°の範囲で使用される。そして図11を参照するに、角度θが0°〜45°の範囲では、Td1/Td2≒Ud1/Ud2の関係が存在していることがわかる。なお、Td2は図11における該当欄のTdであり、Td1は上記該当欄の1つ上の欄におけるTdである。また、Ud2、Ud1についても同様である。
【0087】
ここで、B=A/2とすれば、Td≒Ud(線分C1−Tdの長さ≒線分C1−Udの長さ、および、線分O−Tdの長さ≒線分O−Udの長さ)になる。したがって、図4〜図6等で示すように、レール9を支持すれば、レール9が円弧状部63でほぼ円弧状になる。
【0088】
上記説明では、B=A/2としたが、距離Bと距離Aとの関係を適宜変更してもよい。
【0089】
すなわち、図9から求められる図12の各式f121,f122において、P=Rとなるような距離Bと距離Aとの比を求めると、図12に示す各式f123,f124,f125から、図13に示すような表を得ることができる。なお、上記各式における「P」は、線分O−Udの長さであり、「R」は、上述したように線分O−Tdの長さである。
【0090】
図13を参照するに、角度θが0°〜45°の範囲で、R≒Pとするには、B/Aの値が、0.5〜0.59であればよいことがわかる。
【0091】
次に、B/Aの値を「0.5」としたときにおけるRとPとの差「R−P」を求めると、図14で示す各式f141,f142,f143,f144になる、なお、式f144は、「R−P」を「A」で除して無次元化してある。
【0092】
式f144に角度θの値を代入して、「(R−P)/A」の値を求めると、図15(a)に示す表を得ることができる。図15(b)は、理解を容易にするために、A=150mm、B=75mmとしたときにおける、「R」、「P」、「R−P」、「(R−P)/A」の値を求めたものである。図15(b)から理解されるように、B/Aの値を「0.5」とした場合、角度θが0°〜45°の範囲であれば、レール9が円弧状部63でほぼ円弧状になる。
【0093】
レール支持装置51によれば、円弧状レール支持部材61が、高次対偶をなして各レール支持部材55,59の接続部65,67に係合し、さらに、交差角度2等分平面79に対して対称に各円弧状レール支持部材61等が配置されているので、簡素な構成で、上述したように円弧状レール支持部材61でレール9における円弧状部63の長手方向の中央部を保持して、レール9の円弧状部63の剛性を高めつつ、レール9の円弧状部63の形状をほぼ理想的な円弧状に保つことができる。
【0094】
また、レール支持装置51によれば、円弧状レール支持部材61が、平面視において、接続部65,67の内側に設けられているので、各レール支持部材55,59から円弧状レール支持部材61が突出することを避けることができる。
【0095】
また、レール支持装置51によれば、交差角度2等分平面79と第2の軸C2(第3の軸C3)との間の距離Bが、交差角度2等分平面79と境界73(75)との間の距離Aの0.50〜0.59倍になっているので、上述したように、レール9の円弧状部63の形状を、一層、理想的な円弧状に保つことができる。
【0096】
また、レール支持装置51において、距離Bを距離Aの0.50倍にすれば、寸法において端数が発生しにくいので、レール支持装置51の設計や製作が容易になる。
【0097】
また、レール支持装置51によれば、レール支持部材55,59に設けられた各軸部材89、97、99と円弧状レール支持部材61に設けられた各長孔91,93,95とを用いて、各レール支持部材55,59の接続部65,67と円弧状レール支持部材61との高次対偶を実現しているので、装置の構成が一層簡素化されている。
【0098】
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係るレール支持装置51aは、お互いが平行に延伸しているレール9(9A,9B)を支持している点が、第1の実施形態に係るレール支持装置51と異なりその他の点は、第1の実施形態に係るレール支持装置51とほぼ同様に構成されており、ほぼ同様の効果を奏する。
【0099】
第2の実施形態に係るレール支持装置51aは、たとえば、特開2005−169856号公報に示されているクリップチェーン式シート延伸装置に使用されている。
【0100】
ところで、なお、特開2005−169856号公報に示されているクリップチェーン式シート延伸装置4aでは左右の一対のレールが対称に配置されていないが、第2の実施形態に係るクリップチェーン式シート延伸装置4aでは、図16に示すように、左右の一対のレール9が対称に配置されているものとする。なお、クリップチェーン式シート延伸装置4aにおいて、特開2005−169856号公報で示すように、左右の一対のレール9が、非対称に配置されていてもよい。
【0101】
クリップチェーン式シート延伸装置4aの一対のレール9にうちの一方のレール9Aは、シート保持搬送側部位101と戻り側部位103とがお互いに平行に延伸している。一対のレール9にうちの他方のレール9Bでも、シート保持搬送側部位101と戻り側部位103とがお互いに平行に延伸している。
【0102】
そして、レール9が屈曲している部位(図16にXVIIで示す部位)に、レール支持装置51aが設けられている。
【0103】
また、図17(レール支持装置51aを単純化した図であって、図9に対応した図)で示すように、たとえば、シート保持搬送側部位101が距離W1だけオフセットされており、戻り側部位103が、距離W2(W2=W1またはW2≠W1)だけオフセットされている。なお、シート保持搬送側部位101が距離W2だけオフセットされており、戻り側部位103が、距離W1だけオフセットされている構成であってもよい。
【0104】
また、図17で示す線L10は、図9で示す各線L4,L5,L6であり、線L11は、レール9のシート保持搬送側部位101の中心線であり、線L12は、レール9の戻り側部位103の中心線である。
【0105】
さらに、図17で示す点Paは、線L11に係るレール9上の点であって、図6(b)で示している点P2に対応した点であり、点Pbは、線L12に係るレール9上の点であって、図6(b)で示している点P2に対応した点であり、点Pcは、線L11に係るレール9上の点であって、図6(b)で示している点P3に対応した点であり、点Pdは、線L12に係るレール9上の点であって、図6(b)で示している点P3に対応した点である。また、図17で示す点Peは、線L11に係るレール9上の点であって、図6(a)で示している点P4に対応した点であり、点Pfは、線L12に係るレール9上の点であって、図6(a)で示している点P4に対応した点である。
【0106】
図9で示す場合(第1の実施形態の合)と同様にして、図17において、レール支持装置51aで支持されているレール9の形態に係る式を求めると、図18に示す式f181,f182,f183,f184,f185,f186,f187,f188,f189を得ることができ、第1に実施形態に係るレール支持装置51と同様にして、レール9の円弧状部を、ほぼ理想的な円弧の形状に保つことができる。
【0107】
なお、図18の各式における「(upper)」は、図17に示す線L12のレール9を示しており、図18の各式における「(lower)」は、図17に示す線L11のレール9を示しており、図18の各式における「(center)」は、図17に示す線L10を示している。
【0108】
[第3の実施形態]
図19は、本発明の第3の実施形態に係るクリップチェーン式シート延伸装置4bの概略構成を示す平面図である。
【0109】
第3の実施形態に係るクリップチェーン式シート延伸装置4bは、たとえば、特開2006−198854号公報で示すようにして、クリップチェーンをリンクで構成し、シートを横方向(幅方向)および縦方向(長手方向)で2軸同時延伸する点が、第1の実施形態に係るクリップチェーン式シート延伸装置4と異なり、その他の点は、クリップチェーン式シート延伸装置4とほぼ同様に構成されている。
【0110】
なお、第3の実施形態に係るクリップチェーン式シート延伸装置4bでは、シート保持搬送側部位や戻り側部位で、少なくとも2本の平行なレールが用いてられているので、第3の実施形態に係るクリップチェーン式シート延伸装置4bに使用されているレール支持装置51bは、第2の実施形態に係るレール支持装置51aとほぼ同様に構成されている。
【0111】
また、詳しくは後述するが、第3の実施形態に係るクリップチェーン式シート延伸装置4bでは、一対のレール(たとえば、図22で示す一対のレール301,302や一対のレール321,322)によってローラ(図22で示すローラ256やローラ257)を挟み込んで、クリップチェーンをガイドしているが、第1の実施形態に係るクリップチェーン式シート延伸装置4や、第2の実施形態に係るクリップチェーン式シート延伸装置4aのように、レールを対のローラで挟み込んでクリップチェーンをガイドするように構成してもよい。
【0112】
また、第1の実施形態に係るクリップチェーン式シート延伸装置4や第2の実施形態に係るクリップチェーン式シート延伸装置4aにおいて、第3の実施形態に係るクリップチェーン式シート延伸装置4bのように、一対のレールによってローラを挟み込んで、クリップチェーンをガイドする構成であってもよい。
【0113】
ここで、第3の実施形態に係るクリップチェーン式シート延伸装置4bについて詳しく説明する。
【0114】
図19は、第3の実施形態に係るクリップチェーン式シート延伸装置4bの概略構成を示す平面図である。
【0115】
クリップチェーン式シート延伸装置4bは、平面視で、左右両側に、シート把持用の多数のクリップ220を有する無端ループ210Rと無端ループ210Lとを左右対称に有する。なお、この実施形態では、延伸対象のシートの入口側から見て右側の無端ループを右側の無端ループ210R、左側の無端ループを左側の無端ループ210Lと言う。
【0116】
左右の無端ループ210R、210Lのクリップ220は、各々、基準レール300に案内されてループ状に巡回移動する。右側の無端ループ210Rは時計廻り方向に巡回移動し、左側の無端ループ210Lは反時計廻り方向に巡回移動し、図19の紙面で見て左側が延伸対象のシートの入口側で、右側が延伸対象のシートの出口側である。
【0117】
シートの入口側から出口側へ向けて、予熱ゾーンA1、延伸ゾーンB1、熱処理ゾーンC1が順に設けられている。
【0118】
予熱ゾーンA1では、左右の無端ループ210R、210Lの離間距離が横延伸初期幅相当で小さくて、全域に亘って左右の無端ループ210R、210Lが互いに平行な配置になっている。
【0119】
延伸ゾーンB1では、予熱ゾーンA1の側から熱処理ゾーンC1に向かうに従って左右の無端ループ210R、210Lの離間距離が徐々に拡大され、左右の無端ループ210R、210Lが非平行の配置になっている。延伸ゾーンB1における左右の無端ループ210R、210Lの離間距離は、延伸開始端(予熱ゾーンA1との接続端)では横延伸初期幅相当になっており、延伸終了端(熱処理ゾーンC1との接続端)では横延伸最終幅相当になっている。
【0120】
熱処理ゾーンC1では、左右の無端ループ210R、210Lの離間距離が横延伸最終幅相当で大きくて、全域に亘って左右の無端ループ210R、210Lが互いに平行な配置になっている。
【0121】
次に、図20〜図23を参照してこの実施形態によるクリップチェーン式シート延伸装置4bの詳細構造について説明する。
【0122】
左右の無端ループ210R、210Lの複数個のクリップ220は、各々、長方形状のクリップ担持部材230の長手方向の一端部(前側)に取り付けられている。クリップ220は、シート32を係脱可能に把持するものであり、図22および図23に示すように、ヨーク形状のクリップ本体221と、このクリップ本体221の下側に固定装着された下側固定クリップ部材222と、ピン223によってクリップ本体221に回動可能に取り付けられた可動レバー224と、この可動レバー224の下端にピン225によって揺動可能に取り付けられた上側可動クリップ部材226とを有し、下側固定クリップ部材222と上側可動クリップ部材226とで、シート32の側縁を挟み込んで把持する。
【0123】
クリップ担持部材230は、各々、クリップ220を個々に担持するものであり、クリップ220の個数と同数個、存在する。クリップ担持部材230は、上梁235、下梁236、前壁237、後壁238とによる閉じ断面の剛固なフレーム構造(図22、図23参照)に形成されている。クリップ担持部材230の両端(前壁237、後壁238)には各々、軸231、232によって走行輪233、234が回転可能に設けられている。走行輪233は、支持レール310の上面に形成された水平な走行路面311上を転動し、走行輪234は、支持レール330の上面に形成された水平な走行路面331上を転動する。走行路面311、331は全域に亘って基準レール300に並行している。
【0124】
各クリップ担持部材230の上梁235と下梁236との他端側(後側)には、長手方向に長い長孔(長形の孔)239が形成されている。上下の長孔239には各々スライダ240が長孔239の長手方向にスライド可能に係合している。
【0125】
ここで、基準レール300と、ピッチ設定レール320とについて説明する。
【0126】
基準レール300は、間に溝303を形成するように対向する一対の溝形成レール301、302で構成され、支持レール310の近傍に配置されている。
【0127】
ピッチ設定レール320は、間に溝323を形成するように対向する一対の溝形成レール321、322で構成され、支持レール330の近傍に配置されている。
【0128】
上述した各クリップ担持部材220の一端部(クリップ220側)の近傍には、上梁235、下梁236を貫通した一本の第1の軸部材251が垂直に設けられている。各クリップ担持部材230の上下のスライダ240には一本の第2の軸部材252が垂直に貫通して設けられている。
【0129】
各クリップ担持部材230の第1の軸部材251には主リンク部材253の一端が枢動連結されている。主リンク部材253は、他端を隣接するクリップ担持部材230の第2の軸部材252に枢動連結されている。
【0130】
各クリップ担持部材230の第1の軸部材251には、主リンク部材253に加えて、副リンク部材254の一端が枢動連結されている。副リンク部材254は、他端を主リンク部材253の中間部に枢軸255によって枢動連結されている。
【0131】
主リンク部材253、副リンク部材254によるリンク機構により、図20に示されているように、スライダ240がクリップ担持部材230の他端側(反クリップ220側)に移動している程、クリップ担持部材230同士のピッチ(クリップMDピッチ)が小さくなり、図21に示されているように、スライダ240がクリップ担持部材230の一端側(クリップ220側)に移動している程、クリップ担持部材230同士のピッチが大きくなる。
【0132】
なお、この実施形態では、クリップ担持部材230同士の最小ピッチは、図20に示されているように、隣接するクリップ担持部材230同士が接触することにより決められ、クリップ担持部材230同士の最大ピッチは、スライダ240がクリップ担持部材230の一端側(クリップ220側)のストロークエンドに到達することにより決められる。
【0133】
第1の軸部材251の下端には案内ローラ(第1の係合子)256が回転可能に設けられている。案内ローラ256はクリップ220の巡回経路を画定する基準レール300の溝303に係合している。第1の軸部材251の上端には駆動ローラ258が回転可能に設けられている。なお、基準レール300の溝303の幅は、案内ローラ256の外径よりもごく僅かに大きくなっている。
【0134】
駆動ローラ258は、駆動用スプロケット211、212(図19参照)に選択的に係合し、各クリップ担持部材230を巡回経路に沿って走行させる。つまり、駆動用スプロケット211、212は、各クリップ担持部材230の駆動ローラ258と選択的に係合し、電動モータ213、214(図19参照)によって回転駆動されて各クリップ担持部材230を巡回経路に沿って走行させる力をクリップ担持部材230に与える。
【0135】
第2の軸部材252の下端にはピッチ設定ローラ(第2の係合子)257が回転可能に設けられている。ピッチ設定ローラ257は、基準レール300に沿って設けられたピッチ設定レール320の溝323に係合し、長孔239におけるスライダ240の位置を設定する。なお、ピッチ設定レール320の溝323の幅は、ピッチ設定ローラ257の外径よりも僅かに大きくなっている。
【0136】
ピッチ設定レール320は、基準レール300との離間距離によって長孔239におけるスライダ240の位置を決める働きをし、このことにより、隣接するクリップ担持部材230同士のピッチを可変設定する。ピッチ設定レール320は、基準レール300との離間距離が長い程、つまり、基準レール300より遠ざかっている程、スライダ240をクリップ担持部材230の他端側(反クリップ220側)に移動させてクリップ担持部材230同士のピッチを小さくし、基準レール300との離間距離が短い程、つまり、基準レール300に近づいている程、スライダ240をクリップ担持部材230の一端側(クリップ220側)に移動させてクリップ担持部材230同士のピッチを大きくする。
【0137】
ピッチ設定レール320について、図19を参照して説明する。
【0138】
ピッチ設定レール320は、予熱ゾーンA1では、基準レール300との離間距離が全域に亘って一様に最小ピッチ設定の最大値になっている。
【0139】
延伸ゾーンB1では、ピッチ設定レール320の基準レール300との離間距離は、延伸開始端(予熱ゾーンA1との接続端)において最小ピッチ設定の最大値で、これより延伸終了端側へ向かうに従って徐々に短くなり、延伸終了端において最大ピッチ設定の最小値になっている。
【0140】
熱処理ゾーンC1では、ピッチ設定レール320の基準レール300との離間距離は、全域に亘って一様に最大ピッチ設定の最小値になっている。
【0141】
リンクチェーン400について説明する。
【0142】
リンクチェーン400は、すでに理解されるように、長方形状をなし、長手方向の一端部にシート32を把持するクリップ320を備え、他端側に長手方向に長い長孔を形成された複数個のクリップ担持部材230と、このクリップ担持部材230の各々の一端部の近傍に設けられた第1の軸部材251と、クリップ担持部材230の各々の長孔239にスライド可能に係合したスライダ240と、各クリップ担持部材230のスライダ240に設けられた第2の軸部材252と、一端を各クリップ担持部材230の第1の軸部材251に枢動連結され他端を隣接するクリップ担持部材230の第2の軸部材252に枢動連結された主リンク部材253と、一端を各クリップ担持部材230の第1の軸部材251に枢動連結され他端を主リンク部材253の中間部に枢軸255によって枢動連結された副リンク部材254とを備えて環状に構成されている。
【0143】
次に、上述の構成によるクリップチェーン式シート延伸装置4bの作用について説明する。
【0144】
右側の無端ループ210Rの駆動用スプロケット211、212は電動モータ213、214によって時計廻り方向に、左側の無端ループ210Lの駆動用スプロケット211、212は電動モータ213、214によって反時計廻り方向に各々回転駆動され、これら駆動用スプロケット211、212に係合している駆動ローラ258のクリップ担持部材230に走行力が与えられる。これにより、右側の無端ループ210Rは時計廻り方向に巡回移動し、左側の無端ループ210Lは反時計廻り方向に巡回移動し、図19の紙面で見て左側(入口側)から延伸対象のシート32が左右の無端ループ210R、210L間に取り込まれる。
【0145】
このシート取り込みの入口において、左右の無端ループ210R、210Lのクリップ220によってシート32の両側縁が把持(クリップ・オン)され、左右の無端ループ210R、210Lの移動、つまり、基準レール300に案内された各クリップ担持部材230の移動により、シート32は、まず、予熱ゾーンA1に進入する。
【0146】
予熱ゾーンA1では、左右の無端ループ210R、210Lの離間距離が横延伸初期幅相当で小さくて、全域に亘って左右の無端ループ210R、210Lが互いに平行な配置であること、ピッチ設定レール320と基準レール300との離間距離が全域に亘って一様に最小ピッチ設定の最大値になっていることにより、横延伸も、縦延伸も行われず、予熱だけが行われる。
【0147】
シート32は、予熱後、続いて延伸ゾーンB1に進入する。延伸ゾーンB1では、予熱ゾーンA1の側から熱処理ゾーンC1に向かうに従って左右の無端ループ210R、210Lの離間距離が徐々に拡大されていること、ピッチ設定レール320の基準レール300との離間距離が予熱ゾーンA1の側から熱処理ゾーンC1に向かうに従って徐々に短くなっていることにより、スライダ240がクリップ担持部材230の一端側(クリップ220側)に移動し、クリップ担持部材230同士のピッチが徐々に大きくなる。これにより、横延伸と同時に縦延伸が行われる。
【0148】
シート32は、延伸ゾーンB1を通過することにより、横延伸と縦延伸の同時二軸延伸され、延伸終了後に、続いて熱処理ゾーンC1に進入する。熱処理ゾーンC1では、左右の無端ループ210R、210Lの離間距離が横延伸最終幅相当で大きくて、全域に亘って左右の無端ループ210R、210Lが互いに平行な配置になっていること、ピッチ設定レール320と基準レール300との離間距離が全域に亘って一様に最大ピッチ設定の最小値になっていることにより、横延伸も、縦延伸も行われず、温度調整等の熱処理だけが行われる。
【0149】
熱処理ゾーンC1の終端の出口では、左右の無端ループ210R、210Lのクリップ220によるシート32の把持が解放(クリップ・オフ)され、シート32は直進し、クリップ担持部材230は基準レール300に案内されてループ状に巡回移動する。
【0150】
上述の動作において、クリップ220はクリップ担持部材230に設けられ、主リンク部材253の一端と副リンク部材254の一端がクリップ担持部材230のクリップ220側の第1の軸部材251に枢動連結されてクリップ220側に基準リンクが構成され、チェーンリンクを必要としない構造になっているから、横延伸幅が変化するガイドレール(基準レール300)の屈曲部において、クリップのシート(クリップが把持しているシート)に対する角度変化、シート長手方向(MD方向)のクリップ位置間隔(クリップMDピッチ)のばらつきが大きくなることがなく、高倍率の同時二軸延伸を高精度に行うことが可能になる。
【0151】
また、基準リンクがクリップ320側に構成されることにより、基準レール300の屈曲部の半径が大きくなったり、縦方向(MD方向)の延伸力を負担するモーメントが大きくなったりすることがない。しかも、チェーンリンクがない構造であるから、部品点数が削減され、チェーンリンクが伸直後に逆折れして動作不良を起こす虞れもない。
【0152】
このように構成されているクリップチェーン式シート延伸装置4bにおいて、レール支持装置51bは、図1に示す部位XIXに設けられている。
【0153】
ここで、上述した各レール支持装置のさらなる変形例について説明する。
【0154】
図24は、さらなる変形例に係るレール支持装置51cの概略構成を示す平面図であり、図4(a)に対応した図である。
【0155】
変形例に係るレール支持装置51cは、第2の軸C2、第3の軸C3が、オフセットされている点が、図4(a)や図17等に示すレール支持装置と異なり、その他の点は、図4(a)や図17等に示すレール支持装置とほぼ同様に構成されている。
【0156】
すなわち、レール支持装置51cでは、図24や図25(図24を簡素化した図であり、図5や図17に対応した図)で示すように、レール9の中心線L20(図9に示す線L4,L5,L6に対応する線)から距離Wだけオフセットされている。
【0157】
なお、図25で示す点Pgは、線L20に係るレール9上の点であって、図6(b)で示している点P2に対応した点であり、点Piは、線L20に係るレール9上の点であって、図6(b)で示している点P3に対応した点であり、点Phは、線L20に係るレール9上の点であって、図6(a)で示している点P4に対応した点である。
【0158】
図25を参照するに、中心Oからレール9の円弧状部63におけるレール支持部(円弧状レール支持部材61のレール支持部)77までの距離P(upper),P(center),P(lower)を求めると、図26に示す各式f261,f262,f263,f264,f265,f266,f267,f268、図27に示す各式f271,f272,f273,f274,f275,f276を得ることができる。
【0159】
ここで、式f268の最終項における「+W(1−cosθ)」や、式f276の最終項における「−W(1−cosθ)」は、第1の実施形態に係るレール支持装置51等に対する誤差を表している。
【0160】
すなわち、案内ピン(中心軸C2,C3)がレール9の中心線L20の上に存在している場合(P(center))に対して、案内ピンを図24や図25で示すように下側(中心O側)に距離Wだけオフセットすると(P(lower)では)、「+W(1−cosθ)」の誤差が生じ、案内ピンを図24や図25で示すように上側(中心Oとは反対側)に距離Wだけオフセットすると(P(upper)では)、「−W(1−cosθ)」の誤差が生じる。
【0161】
これらの誤差がどれだけのものであるかを検討すると、図28に示す各式f281,f282,f283,f284,f285,f286、f287を得ることができる。なお、図28に示す各式では、B=A/2としてある。
【0162】
図28に示す各式において、θの値を適宜代入すると、図29に示す各表(a),(b),(c)を得ることができる。なお、図29に示す「Pcen」は、P(center)を示しており、「Plow」は、P(lower)を示しており、「Pupp」は、P(upper)を示している。
【0163】
さらに、オフセット量Wをいくつか決めて、「R=P」となるBを求めると、図30の示す各式f301,f302,f303,f304,f305を得ることになり、図30に示す各式において、θの値を適宜代入すると、図31に示す各表(a),(b)を得ることができる。なお、図30に示す式f304は、式f302の場合(P(lower)の場合)の式であり、式f305は、式f303の場合(P(upper)の場合)の式である。また、図31(a)で示す「P」は、P(lower)を示しており、図31(b)で示す「P」は、P(upper)を示している。
【0164】
これにより、オフセットの値W等を適宜選択すれば、案内ピン(中心軸C2,C3)をレール9の中心線L20からずらすことが可能であることが理解できる。
【0165】
また、上記各実施形態おいて、第1の軸C1(回動中心)が、第1のレール支持部材55、第2のレール支持部材57の中央に(中心線上)になければならないということはなく、第1,第2のレール支持部材55,57の幅方向の端部側に位置していてもよい。これは、第2の実施例において、第1の実施例に対し、各軸C1,C2,C3をオフセットしたことと同等であり(各軸C1,C2,C3が各線L11,L12に対してオフセットされていることと同様であり)、これにより明らかである。
【0166】
なお、本発明を、上記各レール支持装置を備えたクリップチェーン式シート延伸装置を用いてシートを延伸するシート延伸方法として把握してもよい。
【符号の説明】
【0167】
4、4a、4b クリップチェーン式シート延伸装置
8 クリップ
9 レール
32 シート
51、51a、51b、51c レール支持装置
53 第1の直線状部
55 第1のレール支持部材
57 第2の直線状部
59 第2のレール支持部材
61 円弧状レール支持部材
63 円弧状部
65、67 接続部
69 第1の直線状レール支持部
71 第2の直線状レール支持部
73、75 境界
77 (円弧状部の)レール支持部
79 交差角度2等分平面
81 交差角度2等分線
89 第1の軸部材
91 第1の長孔
93 第2の長孔
95 第3の長孔
97 第2の軸部材
99 第3の軸部材
C1 第1の軸
C2 第2の軸
C3 第3の軸
L1 第1の直線
L2 第2の直線
L3 第3の直線
W1、W2 レールのオフセット量
W 第2の軸、第3の軸のオフセット量
τ 交差角度
P1 交点
P2、P3、P4 レールの保持の中心点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリップチェーンを用いてシートの横方向の端部を保持し、前記クリップチェーンをレールに沿わせて水平方向に走行させ、前記シートを搬送しつつ延伸するクリップチェーン式シート延伸装置に設けられて、前記レールを支持するレール支持装置において、
前記レールの第1の直線状部を支持する第1のレール支持部材と、
前記第1の直線状部に交差する方向で前記レールの第2の直線状部を支持する第2のレール支持部材と、
前記レールの各直線状部をつないでいる前記レールの円弧状部を支持する円弧状レール支持部材と、
を有し、
前記第1のレール支持部材の接続部に、前記第2のレール支持部材の接続部が係合し、前記各接続部で上下方向に延びている第1の軸を回動中心にして、前記第1のレール支持部材に対して前記第2のレール支持部材が相対的に回動するように構成されており、
前記各レール支持部材は、前記接続部以外の部位である直線状レール支持部で、前記レールの各直線状部を支持しており、
前記円弧状レール支持部材は、前記第1のレール支持部材の接続部、前記第2のレール支持部材の接続部に対し、高次対偶をなして係合しており、
前記第1のレール支持部材が支持している前記レールの第1の直線状部の延長線と、前記第2のレール支持部材が支持している前記レールの第2の直線状部の延長線とがお互いに交差する交点を通り、前記各延長線の交差角度を2等分して水平方向に延びている直線である交差角度2等分線を含み上下方向に展開している平面である交差角度2等分平面に対して対称に構成されていることを特徴とするレール支持装置。
【請求項2】
クリップチェーンの各クリップを用いてシートの横方向の端部を保持し、前記クリップチェーンをレールに沿わせて水平方向に走行させ、前記シートを搬送しつつ延伸するクリップチェーン式シート延伸装置に設けられて、前記レールを支持するレール支持装置において、
前記レールの第1の直線状部を支持する第1のレール支持部材と、
前記第1の直線状部に交差する方向で前記レールの第2の直線状部を支持する第2のレール支持部材と、
前記レールの各直線状部をつないでいる前記レールの円弧状部を支持する円弧状レール支持部材と、
を有し、
前記第1のレール支持部材の接続部に、前記第2のレール支持部材の接続部が係合し、前記各接続部で上下方向に延びている第1の軸を回動中心にして、前記第1のレール支持部材に対して前記第2のレール支持部材が相対的に回動するように構成されており、
前記各レール支持部材は、前記接続部以外の部位である直線状レール支持部で、前記各レール支持部材の長手方向と前記レールの各直線状部の長手方向とをお互いに一致させて、前記レールの各直線状部を支持しており、
前記円弧状レール支持部材は、前記第1のレール支持部材の接続部、前記第2のレール支持部材の接続部の少なくともいずれかに対し、前記第1の軸を中心にして相対的に回動し、さらに、前記第1の軸を通り水平な所定の方向に延びている第1の直線に沿って相対的に移動するように、高次対偶をなして係合しており、
前記円弧状レール支持部材は、前記第1のレール支持部材の接続部に対し、上下方向に延びている第2の軸を中心にして相対的に回動し、さらに、前記第2の軸を通り水平な所定の方向に延びている第2の直線に沿って相対的に移動するように、高次対偶をなして係合しており、
前記円弧状レール支持部材は、前記第2のレール支持部材の接続部に対し、上下方向に延びている第3の軸を中心にして相対的に回動し、さらに、前記第3の軸を通り水平な所定の方向に延びている第3の直線に沿って相対的に移動するように、高次対偶をなして係合しており、
前記第1のレール支持部材が支持している前記レールの第1の直線状部の延長線と、前記第2のレール支持部材が支持している前記レールの第2の直線状部の延長線とがお互いに交差する交点を通り、前記各延長線の交差角度を2等分して水平方向に延びている直線である交差角度2等分線を含み上下方向に展開している平面である交差角度2等分平面内に、前記第1の軸が存在し、前記交差角度2等分平面内の所定の箇所で前記円弧状レール支持部材が前記レールの円弧状部を支持しており、前記第1の直線は、前記交差角度2等分線の延伸方向に延びており、
前記交差角度2等分平面に対し、前記第1のレール支持部材と前記第2のレール支持部材とが対称になっており、前記第2の直線は、前記交差角度2等分平面に対して所定の角度で交差する水平な方向に延びており、前記第3の直線は、前記交差角度2等分平面に対し前記第2の直線と対称になっていることを特徴とするレール支持装置。
【請求項3】
請求項2に記載のレール支持装置において、
前記直線状レール支持部は、少なくとも、前記レール支持部材の長手方向における前記レール支持部材の接続部と前記レール支持部材の他端部との境界のところである境界部位で、前記レールの直線状部を保持しており、
前記レール支持部材の長手方向における前記交差角度2等分平面と前記第2の軸との間の距離が、前記交差角度2等分平面と前記境界部位との間の距離の0.50〜0.59倍になっていることを特徴とするレール支持装置。
【請求項4】
請求項2に記載のレール支持装置において、
前記直線状レール支持部は、少なくとも、前記レール支持部材の長手方向における前記レール支持部材の接続部と前記レール支持部材の他端部との境界のところである境界部位で、前記レールの直線状部を保持しており、
前記交差角度2等分平面と前記第2の軸との間の距離が、前記交差角度2等分平面と前記境界部位との間の距離の0.50倍になっていることを特徴とするレール支持装置。
【請求項5】
請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載のレール支持装置において、
前記レールの第1の直線状部と前記レールの第2の直線状部との交差角度が180°であるときに、直線状の前記レールが、第1の軸上を通っていることを特徴とするレール支持装置。
【請求項6】
請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載のレール支持装置において、
前記第1のレール支持部材と前記第2のレール支持部材とは、円柱状の第1の軸部材を用いて、前記第1の軸を中心にして回動自在になっており、
前記円弧状レール支持部材は、第1の長孔と、第2の長孔と、第3の長孔とを備えており、
前記第1の軸部材に前記第1の長孔が係合することによって、前記円弧状レール支持部材が、前記接続部に対し、前記第1の軸を中心にして相対的に回動し、前記第1の直線に沿って相対的に移動するように係合しており、
前記第1のレール支持部材の接続部に設けられている円柱状の第2の軸部材に前記第2の長孔が係合することによって、前記円弧状レール支持部材が、前記接続部に対し、前記第2の軸を中心にして相対的に回動し、前記第2の直線に沿って相対的に移動するように係合しており、
前記第2のレール支持部材の接続部に設けられている円柱状の第3の軸部材に前記第3の長孔が係合することによって、前記円弧状レール支持部材が、前記接続部に対し、前記第3の軸を中心にして相対的に回動し、前記第3の直線に沿って相対的に移動するように係合していることを特徴とするレール支持装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のレール支持装置を備えたクリップチェーン式シート延伸装置を用いてシートを延伸することを特徴とするシート延伸方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate


【公開番号】特開2010−269463(P2010−269463A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−121154(P2009−121154)
【出願日】平成21年5月19日(2009.5.19)
【出願人】(000003458)東芝機械株式会社 (843)
【Fターム(参考)】