説明

レーン案内表示システム、方法およびプログラム

【課題】案内線の先端が示す推奨レーンの位置を認識しやすくする技術の提供。
【解決手段】車両の前方を撮影した前方画像を取得する前方画像取得手段と、前記前方画像において前記車両が走行すべき推奨レーンを特定するレーン特定手段と、前記車両が現在走行している位置を示す後方側端点を後方側の端点とし、前記推奨レーン内において前記後方側端点よりも前方側の位置を示す前方側端点を前方側の端点とする案内線を生成し、当該生成した前記案内線を重畳した前記前方画像を表示部に表示させる表示制御手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記案内線を重畳した前記前方画像を連続的に更新するとともに、前記前方画像の縦方向における前記前方側端点の位置が一定に維持されるように前記案内線を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両が走行すべき推奨レーンの案内を表示させるレーン案内表示システム、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の前方を撮影した前方画像に対して、車両が走行すべき推奨レーンの位置を指し示す矢印を重畳して表示させる技術が知られている(特許文献1、参照。)。特許文献1において、予め地図情報において推奨レーン内に設定されたノードの位置を矢印の先端が示すように矢印を前方画像に重畳させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−281795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1において、前方画像における矢印の先端の位置が、推奨レーンのレーン方向におけるノードの位置に依存する。そのため、推奨レーンのレーン方向におけるノードの位置に依存して、前方画像において矢印の先端の位置が変化し、矢印の先端が示す推奨レーンの位置が認識しづらくなるという問題があった。
本発明は、前記課題にかんがみてなされたもので、案内線の先端が示す推奨レーンの位置を認識しやすくする技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の目的を達成するため、本発明において、前方画像取得手段は、車両の前方を撮影した前方画像を取得する。レーン特定手段は、前方画像において車両が走行すべき推奨レーンを特定する。表示制御手段は、車両が現在走行している位置を示す後方側端点を後方側の端点とし、推奨レーン内において後方側端点よりも前方側の位置を示す前方側端点を前方側の端点とする案内線を生成する。そして、表示制御手段は、生成した案内線を前方画像に重畳して表示部に表示させる。また、表示制御手段は、案内線を重畳した前方画像を連続的に更新する。そして、表示制御手段は、前方画像の縦方向における前方側端点の位置が一定に維持されるように案内線を生成する。
【0006】
前記の構成において、表示制御手段は、前方画像の縦方向における前方側端点の位置を一定に維持するため、前方画像において前方側端点の位置が縦方向に変化することを防止できる。従って、前方側端点の視認性を向上させ、前方側端点が示す推奨レーンの位置を認識しやすくすることができる。表示制御手段は、前方画像の縦方向においては前方側端点の位置を一定に維持するが、前方画像の横方向においては前方側端点の移動を許容する。これにより、表示制御手段は、推奨レーン内の位置を示すように前方側端点の位置を前方画像において設定できる。なお、車両において表示部は、水平線の像が前方画像において横方向に示されるように設置される。また、前方画像の縦方向の位置は、撮影された被写体の鉛直方向の位置、および、車両の前方におけるカメラからの距離に依存する。さらに、前方画像の縦方向における前方側端点の位置が高くなるほど、前方側端点が車両から遠く感じられる。そのため、前方画像の縦方向において前方側端点の位置が変化すると、運転者は、前方側端点が示す位置が遠ざかったり近づいたりするような違和感を覚える。これに対して、前方画像の縦方向において前方側端点の位置を一定に維持することにより、前方側端点が示す位置が遠ざかったり近づいたりするような違和感を覚えることを防止できる。
【0007】
前方画像取得手段は、車両の前方を撮影した前方画像を取得すればよく、例えば車両の前方を視野に含むカメラから前方画像を取得すればよい。また、前方画像取得手段は、表示制御手段が案内線を重畳した前方画像を連続的に更新できるように、車両の前方を連続的に撮影した前方画像を連続的に取得する。なお、車両の前方とは車両の走行方向の前方を意味する。特に、あるレーン内における前方側と表記する場合、当該レーンにおける車両の走行方向(レーン方向)の前方側を意味する。また、前方側端点の位置および後方側端点の位置とはそれぞれ前方画像上の位置を意味し、前方側端点が示す位置および後方側端点が示す位置とはそれぞれ実空間内の位置を意味する。前方画像を連続的に更新するとは、所定の時間周期で前方画像を更新することであってもよいし、所定の車両の走行距離ごとに前方画像を更新することであってもよい。さらに、前方画像を連続的に更新するとは、不定周期で前方画像を更新することであってもよい。
【0008】
レーン特定手段は、車両が走行すべきレーンを推奨レーンとして特定すればよく、推奨レーンは予め探索された走行予定経路において目的地点に到達することが可能なレーンであってもよい。さらに、レーン特定手段は、走行予定経路において車両の前方の交差点に進入すべきレーンが存在する場合に、当該交差点に所定距離以内に接近した段階で当該レーンを推奨レーンとして特定してもよい。また、レーン特定手段は、車両が走行している走行道路において、他のレーンよりも安全またはスムーズに走行できるレーンを推奨レーンとして特定してもよい。
【0009】
表示制御手段は、後方側端点を後方側の端点とし、前方側端点を前方側の端点とする案内線を生成すればよく、案内線は前方側端点と後方側端点との間で種々の線形状をとり得る。また、案内線は前方側端点と後方側端点との間で連続した線に限らず、破線や鎖線であってもよい。さらに、案内線は細線に限らず、前方画像において前方側端点と後方側端点とを接続する矢印等の図形であってもよい。ここで、車両が現在走行している位置とは、車両が現在走行している走行レーンが認識可能な位置であってもよく、例えば走行レーンにおける幅方向の中央位置であってもよい。さらに、車両が現在走行している位置とは、車両が現在走行している走行レーン内における車両の詳細な位置であってもよく、例えば車両の幅方向の中央位置であってもよいし、車両において運転者の視点位置であってもよいし、車両において前方画像を撮影するカメラが備えられた位置であってもよい。
【0010】
車両が推奨レーンと異なる走行レーンを現在走行している場合、車両が現在走行している位置を示す後方側端点は走行レーン内のいずれかの位置を示すこととなる。従って、車両が推奨レーンと異なる走行レーンを現在走行している場合、走行レーン内の位置を示す後方側端点と、推奨レーン内の位置を示す前方側端点とを接続する案内線は、走行レーン内の位置を示す部分と推奨レーン内の位置を示す部分とを含むこととなる。このうち推奨レーン内の位置を示す部分の前方画像における長さを所定値以上とすることにより、推奨レーンを認識しやすくすることができる。そのため表示制御手段は、以下のようにして案内線を生成してもよい。すなわち、表示制御手段は、走行レーンと推奨レーンとが異なる場合に、前方側端点よりも後方側、かつ、後方側端点よりも前方側の位置を示す第1変化点を設定する。さらに、表示制御手段は、第1変化点と前方側端点とを接続する推奨レーン側案内線部分を含む案内線を生成する。そして、表示制御手段は、前方画像における推奨レーン側案内線部分の長さが所定値以上に維持されるように案内線を生成する。これにより、推奨レーン内の位置を示す推奨レーン側案内線部分の長さを所定値以上とすることができ、推奨レーンを認識しやすくすることができる。なお、表示制御手段は、推奨レーンのレーン方向を示すように前方画像における推奨レーン側案内線部分の方向を設定してもよい。これにより、運転者は、推奨レーンのレーン方向を認識できる。なお、推奨レーン側案内線部分は、直線であってもよいし曲線であってもよい。
【0011】
さらに、車両が推奨レーンと異なる走行レーンを現在走行している場合、前方画像において、案内線は走行レーンと推奨レーンとの間に存在する区画線の像と交差することとなる。ここで、前方画像において、走行レーンと推奨レーンとの間に存在する区画線の像に対して案内線が直角に近い角度で交差するほど、運転者は走行レーンと推奨レーンとの間に存在する区画線を越えてレーン変更をすべきことを明確に認識できる。そのため表示制御手段は、以下のようにして案内線を生成してもよい。すなわち、表示制御手段は、走行レーンと推奨レーンとが異なる場合に、走行レーン内において、第1変化点よりも後方側、かつ、後方側端点よりも前方側の位置を示す第2変化点を設定する。さらに、表示制御手段は、推奨レーン側案内線部分と、第2変化点と第1変化点とを接続する交差線部分とを含む案内線を生成する。そして、表示制御手段は、前方画像において、走行レーンと推奨レーンとの間に存在する区画線の像と、第1変化点と第2変化点とを結ぶ直線とがなす鋭角が所定角度以上になるように案内線を生成する。これにより、走行レーンと推奨レーンとの間に存在する区画線の像と、第1変化点と第2変化点とを結ぶ直線とがなす鋭角を所定角度よりも直角に近い角度となるように第1変化点と第2変化点との相対位置を設定することができ、運転者は第1変化点と第2変化点とを結ぶ交差線部分を視認して、走行レーンと推奨レーンとの間に存在する区画線を越えてレーン変更をすべきことを明確に認識できる。なお、第1変化点と第2変化点とを結ぶ交差線部分は、第1変化点と第2変化点とを結ぶ直線であってもよいし、曲線であってもよい。
【0012】
鋭角とは、前方画像において、走行レーンと推奨レーンとの間に存在する区画線の像と、第1変化点と第2変化点とを結ぶ直線との交点まわりに形成される角のうち角度が90度以下の角を意味する。走行レーンと推奨レーンとの間に存在する区画線の像と、第1変化点と第2変化点とを結ぶ直線とが交差していることを運転者が容易に認識できる程度に、所定角度は直角に近い角度とされるのが望ましい。なお、走行レーンと推奨レーンとが幅方向に隣接する場合には走行レーンと推奨レーンと間に存在する区画線は1本のみとなるが、走行レーンと推奨レーンとの間に別のレーンが介在する場合には区画線は複数となる。この場合、表示制御手段は、走行レーンと推奨レーンとの間に存在する複数の区画線の像のそれぞれと、第1変化点と第2変化点とを結ぶ直線とが交差する鋭角のうち最小の鋭角が所定角度以上となるように案内線を生成してもよい。
【0013】
また、表示制御手段は、推奨レーンにおける幅方向の中央位置を示すように前方画像における前方側端点の位置を設定するとともに、前方側端点を矢印の頭部に含む矢印形状の案内線を前方画像に重畳してもよい。前方側端点が推奨レーン内の幅方向の中央位置を示すようにすることにより、前方側端点が推奨レーンの左右の区画線から最も遠い位置を示すようにすることができる。従って、前方側端点が示す位置が他のレーン内の位置と紛らわしくなることが防止できる。さらに、前方側端点を矢印の頭部に含む矢印形状の案内線を表示させることにより、推奨レーン内の位置へと車両を走行させるべきことを明確に認識できる。この場合において表示制御手段は、前方画像における推奨レーンの左右の区画線の像のそれぞれと矢印の頭部との間に形成される隙間の幅の差を抑制するように、矢印形状を補正してもよい。これにより、前方画像において、矢印の頭部が推奨レーンの像上にて左右一方の区画線の像側に偏ることを防止できる。従って、推奨レーンのレーン幅が狭い場合等において、前方画像において推奨レーンの左右の区画線の像の一方と矢印の頭部とが干渉することが防止できる。
【0014】
具体的に表示制御手段は、前方側端点の位置を前方画像の横方向に補正することにより、前方画像における推奨レーンの左右の区画線の像のそれぞれと矢印の頭部との間に形成される隙間の幅の差を抑制してもよい。これにより、前方側端点の位置を補正しても、前方画像の縦方向において前方側端点の位置を一定に維持できる。
【0015】
さらに、表示制御手段は、前方画像における推奨レーンの左右の区画線の像のそれぞれと矢印の頭部との間に形成される隙間の幅の差を抑制するように、推奨レーン側案内線部分の傾きを補正してもよい。このようにすることにより、前方画像における矢印の頭部形状の左右のバランスを崩すことなく、前方画像における推奨レーンの左右の区画線の像のそれぞれと矢印の頭部との間に形成される隙間の幅の差を抑制することができる。
【0016】
さらに、表示制御手段は、前方画像の横方向における推奨レーンの左右の区画線の像の中点を通過する中央線を特定し、当該中央線上の位置、かつ、当該前方画像の縦方向の一定位置に前方側端点の位置を設定してもよい。このように、前方画像における推奨レーンの左右の区画線の像の認識結果に基づいて前方側端点の位置を設定するため、連続的に更新される前方画像の変化に追従するように前方側端点の位置を設定できる。ただし、前方側端点の位置は前方画像の縦方向の一定位置とされるため、前方画像の縦方向における前方側端点の位置を一定に維持できる。
【0017】
さらに、本発明のように、前方画像に重畳した案内線により推奨レーンの位置を案内させる手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなレーン案内表示システム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。すなわち、レーン案内表示システムを構成する各手段が複数の実体的な装置に分散して備えられてもよい。各手段が複数の実体的な装置に分散して備えられる場合に、各手段を機能させるために必要なデータを送受信する通信手段が備えられてもよい。さらに、以上のようなレーン案内表示システムの少なくとも一部を備えたナビゲーション装置や方法、プログラムを提供することが可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、レーン案内表示システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】ナビゲーション装置のブロック図である。
【図2】(2A),(2B)はレーン変更状態を説明する図である。
【図3】(3A)〜(3C)は前方画像を示す図である。
【図4】(4A)〜(4C)は細線状の案内線を示す図である。
【図5】(5A)〜(5C)は矢印形状の案内線を示す図である。
【図6】レーン案内表示処理のフローチャートである。
【図7】(7A),(7B)は前方側端点の位置を補正する様子を説明する図である。
【図8】細線状の案内線を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)ナビゲーション装置の構成:
(2)レーン案内表示処理:
(3)他の実施形態:
【0020】
(1)ナビゲーション装置の構成:
図1は、本発明の一実施形態にかかるレーン案内表示システムとしてのナビゲーション装置10の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置10は、車両Cに備えられている。ナビゲーション装置10は、制御部20と記録媒体30とを備えている。制御部20は、CPUとRAMとROM等を備え、記録媒体30やROMに記憶されたプログラムを実行する。記録媒体30は、地図情報30aを記録する。地図情報30aは、道路の端点(交差点)に対応して設定されたノードを示すノードデータと、ノード間の道路に関する情報を示すリンクデータと、ノード間の道路の形状を特定するための形状補間点データと、道路やその周辺に存在する地物を示すデータ等を含んでいる。リンクデータには、道路が含むレーンのレーン数と、道路における幅方向の一方(本実施形態では左側)から数えた各レーンのレーン番号と、レーンを道路の終点まで走行した場合に進入できる道路と、レーンを区画する区画線の線種(線形状,色等)とを示すレーン情報とが含まれる。
【0021】
また、車両Cは、GPS受信部41と車速センサ42とジャイロセンサ43とカメラ44とユーザI/F部45とを備えている。GPS受信部41は、GPS衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して車両Cの現在位置を算出するための信号を出力する。車速センサ42は、車両Cが備える車輪の回転速度に対応した信号を出力する。ジャイロセンサ43は、車両Cに作用する角加速度に対応した信号を出力する。カメラ44は、車両Cの前方の前方画像を撮影するイメージセンサである。
【0022】
図2A,図2Bは、カメラ44が前方画像を撮影する様子を示す平面図である。図2A,図2Bに示すようにカメラ44は車両Cの前方の視野に含み、車両Cの前方を俯瞰した前方画像を示す前方画像を撮影する。カメラ44が撮影した前方画像は、図示しないインタフェースを介して制御部20に出力される。本実施形態において、カメラ44は、車両Cの幅方向の中央位置に備えられたバックミラーの裏側に備えられている。ユーザI/F部45は、制御部20から出力された制御信号に基づいて各種案内を出力する出力装置を含む。本実施形態のユーザI/F部45の出力装置は、音声により案内を出力するスピーカと、画像により案内を表示する表示部としてのディスプレイとを含む。ディスプレイは、車両Cの運転者が視認できる方向に設置されており、ディスプレイに表示される画像の縦方向と横方向とがそれぞれ車両C内において鉛直方向と水平方向となるように設置されている。また、本実施形態において、カメラ44が撮影する各レーンのレーン方向は、すべて直線かつ互いに平行であることとする。
【0023】
レーン案内表示プログラム21は、ナビゲーション部21aと前方画像取得部21bとレーン特定部21cと判定部21dと表示制御部21eとを含む。
ナビゲーション部21aは、目的地までの走行予定経路を案内するために必要な各種機能を制御部20に実行させるモジュールである。ナビゲーション部21aの機能により制御部20は、GPS受信部41と車速センサ42とジャイロセンサ43の出力信号等に基づいて車両Cの現在位置を特定する。そして、ナビゲーション部21aの機能により制御部20は、地図情報30aのリンクデータを参照することにより、車両Cの現在位置が存在する道路を走行道路として特定する。また、ナビゲーション部21aの機能により制御部20は、地図情報30aを参照して、現在位置から目的地までの走行予定経路を公知の経路探索手法により探索する。本実施形態では走行予定経路が予め探索されていることとする。なお、ナビゲーション部21aの機能により制御部20は、走行予定経路を取得できればよく、外部のコンピュータにおいて探索された走行予定経路を通信により取得してもよい。
【0024】
前方画像取得部21bは、車両Cの前方を撮影した前方画像を取得する機能を制御部20に実行させるモジュールである。すなわち、前方画像取得部21bの機能により制御部20は、カメラ44が撮影した前方画像データを所定の時間周期ごとに連続して取得する。
【0025】
図3A〜3Cは、前方画像を示す図である。車両Cが水平に走行する場合、前方画像を横方向に二等分する二等分線上における縦方向の上方は、カメラ44(車両Cの幅方向の中央位置)の正面前方Fを示す。なお、前方画像を横方向に二等分する二等分線上に消失点が存在する。車両Cが水平に走行する場合、前方画像の横方向の位置は、カメラ44の視野における水平方向の位置に対応し、特にレーン上におけるレーンの幅方向の位置に対応する。一方、前方画像の縦方向の位置は、視野における鉛直方向の位置、および、カメラ44からの距離に依存する。従って、前方画像の縦方向の位置が高いほど、車両Cの走行方向の前方側における遠い位置を示す。本実施形態では、前方画像の下辺の中点CCが車両Cの幅方向の中央位置を示すこととする。
【0026】
レーン特定部21cは、前方画像において車両Cが現在走行している走行レーンと車両Cが走行すべき推奨レーンとをそれぞれ特定する機能を制御部20に実行させるモジュールである。すなわち、レーン特定部21cの機能により制御部20は、公知のハフ変換等の線認識手法により、前方画像からレーンの区画線の像を認識し、当該区画線の像によって区画された領域をレーンの像として特定する。なお、レーン特定部21cの機能により制御部20は、地図情報30aのレーン情報が示す区画線の線種を参照して、区画線の像を認識してもよい。さらに、レーン特定部21cの機能により制御部20は、レーンの像のうち前方画像の下辺の中点CCから最も近いレーンの像が走行レーンの像であると特定する。また、レーン特定部21cの機能により制御部20は、前方画像において、左端のレーンの像から順に走行レーンの像まで数えることにより、走行レーンのレーン番号を特定する。
【0027】
また、レーン特定部21cの機能により制御部20は、ナビゲーション部21aの機能によって予め探索された走行予定経路に基づいて推奨レーンを特定する。すなわち、レーン特定部21cの機能により制御部20は、走行予定経路において車両Cが現在走行している走行道路の次に走行すべき道路を特定し、当該道路に進入することが可能なレーンを推奨レーンとして特定する。そして、レーン特定部21cの機能により制御部20は、前方画像において左端のレーンの像から順に推奨レーンのレーン番号だけ数えたレーンの像を推奨レーンの像として特定する。
【0028】
判定部21dは、車両Cが走行レーンから推奨レーンへとレーン変更しようとするレーン変更状態であるか否かを判定する機能を制御部20に実行させるモジュールである。判定部21dの機能により制御部20は、レーン特定部21cの機能により特定された走行レーンと推奨レーンとが異なる場合、すなわち推奨レーンのレーン番号が走行レーンのレーン番号と等しくない場合に、レーン変更状態であると判定する。
【0029】
図2Aは、走行道路を構成する3個のレーンのうち走行レーンと推奨レーンとがともに中央のレーンであり、レーン変更状態でない場合の例を示している。以下、レーン変更状態でない場合をレーン維持状態と表記する。図2Bは、走行道路を構成する3個のレーンのうち走行レーンが中央のレーンであり、推奨レーンが左端のレーンであり、レーン変更状態の場合の例を示している。図3Aは図2Aの場合の前方画像を示し、図3Bは図2Bの場合の前方画像を示す。図3Bの前方画像において、中央のレーンの像が走行レーンの像(右肩上がりハッチング)であり、左端のレーンの像が推奨レーンの像(右肩上がりハッチング)となっている。一方、図3Aの前方画像において、中央のレーンの像が走行レーンの像、かつ、推奨レーンの像(クロスハッチング)となっている。
【0030】
さらに、レーン変更状態の場合において、判定部21dの機能により制御部20は、車両Cが走行レーンの区画線のうち推奨レーン側の区画線を跨いだか否かを判定する。判定部21dの機能により制御部20は、前方画像の下辺の中点CCから当該下辺において推奨レーンの像側へ所定距離Tだけずれた位置を、推奨レーン側の車輪の位置を示す車輪点Eとして特定する。なお、所定距離Tは車両Cの車幅の半分に対応する長さである。判定部21dの機能により制御部20は、走行レーンの区画線の像BLのうち推奨レーンの像側の区画線の像BLと前方画像の下辺との交点の位置Gよりも走行レーンの像側に車輪点Eがある場合には、車両Cが走行レーンの区画線のうち推奨レーン側の区画線を跨いでない状態であると判定する(図3B)。なお、車両Cが走行レーンの区画線のうち推奨レーン側の区画線を跨いでない状態を、開始前状態と表記する。一方、判定部21dの機能により制御部20は、車輪点Eが、走行レーンの区画線の像BLのうち推奨レーンの像側の区画線の像BLと前方画像の下辺との交点の位置Gと等しいか、当該交点の位置Gよりも推奨レーンの像側にある場合には、車両Cが走行レーンの区画線のうち推奨レーン側の区画線を跨いだ状態であると判定する(図3C)。なお、車両Cが走行レーンの区画線のうち推奨レーン側の区画線を跨いだ状態を、開始後状態と表記する。また、判定部21dの機能により制御部20は、最初に車両Cが走行レーンの区画線のうち推奨レーン側の区画線を跨いでから、推奨レーンへのレーン変更が完了するまでは、開始後状態であると判定する。判定部21dの機能により制御部20は、例えば車両Cが推奨レーンにおける幅方向の中央位置から所定距離以内を走行することをもって、レーン変更が完了したと判定してもよい。判定部21dの機能により制御部20は、レーン変更が完了すると、レーン維持状態であると判定する。
【0031】
表示制御部21eは、案内線を生成し、当該生成した案内線を前方画像に重畳して連続的にユーザI/F部45に表示させる機能を制御部20に実行させるモジュールである。具体的に、表示制御部21eの機能により制御部20は、案内線を重畳した前方画像をユーザI/F部45に表示させる処理を、所定の時間周期で前方画像が取得されるごとに実行する。なお、どの時間周期で撮影された前方画像においても、前方画像の下辺の中点CCは常に車両Cの幅方向の中央位置を示す。また、車両Cがレーンの幅方向に移動すると、前方画像においてレーンの区画線の像が横方向に移動することとなる。
【0032】
表示制御部21eの機能により制御部20は、車両Cが現在走行している位置を示す後方側端点を後方側の端点とし、推奨レーン内において後方側端点よりも前方側の位置を示す前方側端点を前方側の端点とする案内線を生成する。以下、案内線を構成する各点について詳細に説明する。
【表1】

表1は、案内線を構成する各点が実空間において示す位置を示す表である。表1に示すようにレーン変更状態の開始前状態と開始後状態と、レーン維持状態とのいずれにおいても、表示制御部21eの機能により制御部20は、推奨レーンにおける幅方向の中央位置を示すように、前方画像において前方側端点を設定する。
【0033】
表示制御部21eの機能により制御部20は、前方画像の横方向における推奨レーンの左右の区画線の像BLの中点を通過する中央線RC(一点鎖線)を特定する。表示制御部21eの機能により制御部20は、図3A〜3Cに示すように前方画像において横方向の補助直線O(二点鎖線)と推奨レーンの左右の区画線の像BLのそれぞれとの交点(白丸)間の横方向の中点(白三角)を特定し、当該中点が推奨レーンの幅方向の中央位置を示すと特定する。表示制御部21eの機能により制御部20は、縦方向の位置が異なる2本以上の補助直線Oのそれぞれについて、推奨レーンの左右の区画線の像BLの横方向の中点(白三角)を特定し、当該中点(白三角)同士を結ぶ直線を推奨レーンにおける幅方向の中央位置を示す中央線RCとして特定する。なお、推奨レーンが直線でない場合には、推奨レーンの左右の区画線の像BLの横方向の中点(白三角)を3本以上の補助直線Oについて特定し、当該中点(白三角)同士を結ぶ曲線や折れ線を中央線RCとして特定してもよい。
【0034】
図4A〜4Cは、図3A〜3Cのそれぞれの前方画像において前方側端点を設定する様子を示す図である。表示制御部21eの機能により制御部20は、前方画像における推奨レーンの中央線RC上の位置、かつ、当該前方画像の縦方向の一定位置Hに前方側端点FEを設定する。図4A〜4Cに示すようにレーン変更状態の開始前状態と開始後状態と、レーン維持状態とのいずれにおいても、表示制御部21eの機能により制御部20は、前方画像の縦方向における一定位置Hにおいて横方向の補助直線Sを生成し、当該補助直線と推奨レーンの中央線RCとの交点に前方側端点FEを設定する。従って、レーン変更状態の開始前状態と開始後状態と、レーン維持状態とのいずれにおいても、前方側端点は推奨レーン内の位置を示す。また、一定位置Hは前方画像に非依存である。
【0035】
表1に示すように表示制御部21eの機能により制御部20は、レーン維持状態において走行レーンの幅方向の中央位置を示すように、前方画像における後方側端点の位置を設定する。表示制御部21eの機能により制御部20は、前方画像において走行レーンの左右の区画線の像BLの中点を通過する中央線UC(一点鎖線)を特定する。ただし、図3Aに示すように、レーン維持状態において走行レーンと推奨レーンとが一致するため、走行レーンの中央線UCは、前方側端点FEを設定する際に特定した推奨レーンの中央線RCと一致する。図4Aに示すようにレーン維持状態において、表示制御部21eの機能により制御部20は、走行レーンの中央線UCと前方画像の下辺との交点に後方側端点BEを設定する。なお、レーン変更をしないレーン維持状態において、車両Cは走行レーンにおける幅方向のほぼ中央位置を走行すると考えることができる。従って、レーン維持状態において、前方画像の下辺において走行レーンの中央線UC上に設定される後方側端点BEは、車両Cが現在走行している位置を示すと言える。
【0036】
表1に示すように表示制御部21eの機能により制御部20は、レーン変更状態の開始前状態と開始後状態とのそれぞれにおいて、車両Cの幅方向の中央位置を示すように、前方画像における後方側端点を設定する。上述のように前方画像の下辺の中点CCが車両Cの幅方向の中央位置を示す。従って、図4B,4Cに示すように開始前状態と開始後状態のいずれにおいても、表示制御部21eの機能により制御部20は、前方画像の下辺の中点CCに後方側端点BEを設定する。
【0037】
表1に示すように、表示制御部21eの機能により制御部20は、レーン維持状態において第1変化点と第2変化点とを設定することなく、前方側端点FEと後方側端点BEのみを設定する。図4Aに示すように表示制御部21eの機能により制御部20は、レーン維持状態において前方側端点FEと後方側端点BEとを接続する直線状かつ細線状の案内線GLを生成する。
【0038】
一方、表1に示すように表示制御部21eの機能により制御部20は、レーン変更状態の開始前状態において第1変化点と第2変化点とを設定し、レーン変更状態の開始後状態において第1変化点を設定する。図4B,4Cに示すようにレーン変更状態の開始前状態と開始後状態とにおいて、表示制御部21eの機能により制御部20は、推奨レーン内において、前方側端点FEよりも後方側、かつ、後方側端点BEよりも前方側の位置を示す第1変化点K1を設定する。具体的には、表示制御部21eの機能により制御部20は、前方画像における推奨レーンの中央線RC上において、前方側端点FEよりも縦方向の下方、かつ、前方画像の下辺よりも縦方向の上方の位置に第1変化点K1を設定する。さらに、表示制御部21eの機能により制御部20は、前方側端点FEと第1変化点K1とを結ぶ推奨レーン側案内線部分RLの長さが所定値Yと等しくなるように第1変化点K1を設定する。なお、所定値Yは前方画像に非依存である。なお、推奨レーン側案内線部分RLは推奨レーンの中央線RC上の線であるため、推奨レーン側案内線部分RLは推奨レーンのレーン方向を示す。
【0039】
表1に示すように、表示制御部21eの機能により制御部20は、レーン変更状態の開始後状態において第2変化点を設定しない。図4Cに示すように表示制御部21eの機能により制御部20は、レーン変更状態の開始後状態において前方側端点FEと第1変化点K1と後方側端点BEとを接続する折れ線状かつ細線状の案内線GLを生成する。この場合、案内線GLは、前方側端点FEと第1変化点K1との間の推奨レーン側案内線部分RLと、第1変化点K1と後方側端点BEとの間の公差線部分CLとを含む。なお、公差線部分CLは、第1変化点K1と後方側端点BEとを結ぶ直線であっても曲線であってもよい。また、推奨レーン側案内線部分RLは、全体が推奨レーンの像内に存在すればよく、曲線であってもよい。
【0040】
図4Bに示すようにレーン変更状態の開始前状態において、表示制御部21eの機能により制御部20は、走行レーン内において、第1変化点K1よりも後方側、かつ、後方側端点BEよりも前方側の位置を示す第2変化点K2を設定する。すなわち、表示制御部21eの機能により制御部20は、前方画像において、第1変化点K1よりも縦方向の下方、かつ、前方画像の下辺よりも縦方向の上方の位置に第2変化点K2を設定する。また、表示制御部21eの機能により制御部20は、前方画像において、走行レーンと推奨レーンとの間に存在する区画線の像BLと、第1変化点K1と第2変化点K2とを結ぶ直線(交差線部分CL)とがなす鋭角θを所定角度と等しくさせる。本実施形態において表示制御部21eの機能により制御部20は、前方画像を横方向に二等分する二等分線上に第2変化点K2を設定する。すなわち、第2変化点K2は車両Cの幅方向の中央位置の正面前方Fの位置を示すように設定される。また、所定角度は前方画像に非依存である。所定角度は90度に近いほど望ましく、本実施形態では60度とする。鋭角θは、走行レーンと推奨レーンとの間に存在する区画線の像BLと、第1変化点K1と第2変化点K2とを結ぶ直線(交差線部分CL)との交点まわりに形成される4個の角のうち90度以下の小さい2個の角を指す。
【0041】
図4Bに示すように表示制御部21eの機能により制御部20は、レーン変更状態の開始前状態において前方側端点FEと第1変化点K1と第2変化点K2と後方側端点BEとを接続する折れ線状かつ細線状の案内線GLを生成する。この場合、案内線GLは、前方側端点FEと第1変化点K1との間の推奨レーン側案内線部分RLと、第1変化点K1と第2変化点K2とを結ぶ公差線部分CLと、第2変化点K2と後方側端点BEとの間の直近部分ALとを含む。なお、開始前状態における公差線部分CLも、第1変化点K1と第2変化点K2とを結ぶ直線であっても曲線であってもよい。
【0042】
表示制御部21eの機能により制御部20は、細線状の案内線GLに基づいて矢印形状の案内線glを生成する。図5A〜5Cは、図4A〜4Cのそれぞれにおける細線状の案内線GLに基づいて矢印形状の案内線glを描画する様子を示す図である。本実施形態においては、細線状の案内線GLに関して線対称な形状となるように、矢印形状の案内線glを生成する。矢印の頭部は三角形状であり、その頂角が前方側端点FEとなる。
【0043】
表示制御部21eの機能により制御部20は、矢印形状の案内線glを前方画像に重畳し、ユーザI/F部45に表示させる。表示制御部21eの機能により制御部20は、時間周期ごとに連続して取得される前方画像のそれぞれについて、当該前方画像に同期した矢印形状の案内線glを生成し、当該矢印形状の案内線glを重畳した前方画像を連続して更新する。
【0044】
前記の構成において、表示制御部21eの機能により制御部20は、前方画像の縦方向における前方側端点FEの位置を一定位置Hに維持するため、前方画像において案内線glの前方側端点FEの位置の縦方向の変化を防止できる。従って、案内線glの前方側端点FEが示す推奨レーンの位置を認識しやすくすることができる。すなわち、前方画像の縦方向において前方側端点FEの位置を一定に維持することにより、前方側端点FEが示す位置が遠ざかったり近づいたりするような違和感を覚えることが防止できる。
【0045】
また、表示制御部21eの機能により制御部20は、前方画像における推奨レーン側案内線部分RLの長さが所定値Yに維持されるように案内線glを生成する。これにより、推奨レーン内の位置を示す推奨レーン側案内線部分RLの長さを所定値Yだけ確保することができ、推奨レーンを認識しやすくすることができる。なお、表示制御部21eの機能により制御部20は、前方画像における推奨レーンの中央線RCと同一方向に推奨レーン側案内線部分RLの方向を設定している。これにより、運転者は、推奨レーンのレーン方向を容易に認識できる。
【0046】
さらに、表示制御部21eの機能により制御部20は、前方画像において、走行レーンと推奨レーンとの間に存在する区画線の像BLと、第1変化点K1と第2変化点K1とを結ぶ直線(交差線部分CL)とがなす鋭角θが所定角度(60度)以上になるように案内線glを生成する。これにより、走行レーンと推奨レーンとの間に存在する区画線の像BLと、第1変化点K1と第2変化点K2とを結ぶ直線(交差線部分CL)とがなす鋭角θを所定角度よりも直角に近い角度とすることができ、運転者は走行レーンと推奨レーンとの間に存在する区画線を越えてレーン変更をすべきことを明確に認識できる。
【0047】
さらに、レーン変更状態の開始前状態と開始後状態とのそれぞれにおいて、表示制御部21eの機能により制御部20は、車両Cの幅方向の中央位置を示すように、前方画像における後方側端点BEの位置を設定することにより、案内線glの後方側端点BEが前方画像において常に車両Cの幅方向の中央位置を示すようにすることができる。従って、レーン変更にともなって変化する車両Cの幅方向の中央位置に追従するように、案内線glの後方側端点BEが示す位置を変化させることができる。すなわち、レーン変更にともなって走行レーン側から推奨レーン側へと移動する車両Cの幅方向の中央位置に追従して、前方画像において走行レーンの像側から推奨レーンの像側へと案内線glの後方側端点BEが示す位置を移動させていくことができる。従って、レーン変更の進行度に即した案内線glを前方画像に重畳させることができる。なお、本実施形態では、レーン変更状態において、前方画像における後方側端点BEの絶対位置は底辺の中点CCに固定されて変化しないが、後方側端点BEは車両Cの幅方向の中央位置に追従するように、走行レーンと推奨レーンの像に対して相対移動する。レーン変更状態における前方画像を示す図5Bと図5Cとを比較すると、図5Cの方が図5Bよりも中点CCに対して走行レーンの区画線と推奨レーンの区画線の像BLが右側に移動しており、レーン変更状態において運転者は車両Cの幅方向の中央位置が変化していることを認識できる。
【0048】
一方、レーン変更状態でなく車両Cが走行レーンを継続して走行する場合において、車両Cの幅方向の中央位置が変化した場合、運転者が意図しない車両Cのふらつきによって車両Cの幅方向の位置が変化したに過ぎないと推定できる。このように運転者が意図しない車両Cのふらつきに追従して案内線glの後方側端点BEが示す幅方向の位置が変化すると、運転者に不要な注意を喚起したりすることとなる。そこで、表示制御部21eの機能により制御部20は、レーン変更状態でない場合においては、走行レーンにおける幅方向の中央位置を示すように、前方画像における後方側端点BEの位置を設定する。これにより、車両Cのふらつきに追従して後方側端点BEが走行レーンの区画線の像BLに近づいたり離れたりさせないようにすることができ、運転者に不要な注意を喚起することが防止できる。
【0049】
また、判定部21dの機能により制御部20は、走行レーンと推奨レーンとが異なる場合に、レーン変更状態であると判定する。これにより、前方側端点FEと後方側端点BEとが同一のレーン内の位置を示す状態から異なるレーン内の位置を示す状態へと変化するタイミングと同期して、後方側端点BEが示す位置を走行レーンにおける幅方向の中央位置から車両Cの幅方向の中央位置へと変化させることができる。従って、前方画像において後方側端点の位置が変化することを運転者に認識しづらくさせることができ、運転者が違和感を覚えることが防止できる。
【0050】
さらに、表示制御部21eの機能により制御部20は、前方画像の横方向における推奨レーンの左右の区画線の像の中点を通過する中央線RCを特定し、前方画像における推奨レーンの中央線RC上の位置、かつ、当該前方画像の縦方向の一定位置Hに前方側端点FEの位置を設定する。このように、前方画像における推奨レーンの左右の区画線の像BLの認識結果に基づいて前方側端点FEの位置を設定するため、連続的に更新される前方画像の変化に追従するように前方側端点FEの位置を設定できる。ただし、前方側端点FEの位置は前方画像の縦方向の一定位置Hとされるため、前方画像の縦方向における前方側端点の位置を一定に維持できる。
【0051】
表示制御部21eの機能により制御部20は、レーン変更状態でない場合において、前方画像の横方向における走行レーンの左右の区画線の像の中点を通過する中央線RCを特定し、前方画像における走行レーンの中央線UC上の位置、かつ、当該前方画像の底辺上の位置に後方側端点BEの位置を設定する。このように、前方画像における走行レーンの左右の区画線の像BLの認識結果に基づいて後方側端点BEの位置を設定するため、前方画像における走行レーンの像の位置の変化に追従するように後方側端点BEの位置を設定できる。
【0052】
(2)レーン案内表示処理:
次に、レーン案内表示プログラム21の機能により実行されるレーン案内表示処理を説明する。図6はレーン案内表示処理のフローチャートである。レーン案内表示処理は、前方画像取得部21bの機能により制御部20が所定の時間周期で前方画像を取得するごとに実行するループ処理である。前方画像取得部21bの機能により制御部20は、カメラ44にて撮影された前方画像を取得する(S100)。次に、レーン特定部21cの機能により制御部20は、前方画像において車両Cが現在走行している走行レーンの像を特定する(S105)。具体的に、レーン特定部21cの機能により制御部20は、前方画像において区画線の像の認識により特定したレーンの像のうち、車両Cの幅方向の中央位置を示す前方画像の下辺の中点CCに最も近いレーンの像を走行レーンの像として特定する。さらに、レーン特定部21cの機能により制御部20は、前方画像において車両Cが走行すべき推奨レーンの像を特定する(S115)。具体的に、レーン特定部21cの機能により制御部20は、予め探索された走行予定経路に基づいて推奨レーンの走行道路におけるレーン番号を特定する。そして、レーン特定部21cの機能により制御部20は、前方画像にて特定したレーンの像のうち、推奨レーンのレーン番号に対応するレーンの像を推奨レーンの像として特定する。
【0053】
次に、判定部21dの機能により制御部20は、走行レーンと推奨レーンとが異なるか否かを判定する(S115)。具体的に、判定部21dの機能により制御部20は、走行レーンのレーン番号と推奨レーンのレーン番号とが異なるか否かを判定する。走行レーンと推奨レーンとが異なると判定された場合、判定部21dの機能により制御部20は、レーン維持状態と判定する(S120)。
【0054】
レーン維持状態と判定された場合、表示制御部21eの機能により制御部20は、推奨レーンにおける幅方向の中央位置を示すように前方側端点FEと後方側端点BEとを設定する(S125)。すなわち、表示制御部21eの機能により制御部20は、前方画像における推奨レーンの中央線RC上の位置、かつ、当該前方画像の縦方向の一定位置Hに前方側端点FEを設定するとともに、前方画像における走行レーンの中央線UC(推奨レーンの中央線RC)上の位置、かつ、当該前方画像の下辺上の位置に後方側端点BEを設定する(図4A)。
【0055】
次に、表示制御部21eの機能により制御部20は、矢印形状の案内線glを重畳した前方画像を更新してユーザI/F部45に表示させる(S130,図5A)。具体的に、表示制御部21eの機能により制御部20は、前方側端点FEと後方側端点BEとを接続する直線状の案内線GLを生成し、当該案内線GLに関して線対称となる矢印形状の案内線glを生成し、当該案内線glを前方画像に重畳する。レーン維持状態である期間においては、ステップS125〜S130が繰り返して実行され、矢印形状の案内線glは走行レーン(=推奨レーン)の中央線UC上に常に位置する前方側端点FEと後方側端点BEとを接続する直線状となる。矢印形状の案内線glは、車両Cの位置に応じて走行レーンの区画線の像BLに近づいたり離れたりしないため、運転者がレーン変更を意図していないレーン維持状態において、不要に案内線glが注意を喚起することが防止できる。また、前方画像の縦方向の一定位置Hに前方側端点FEが維持されるため、前方側端点FEが示す推奨レーンの位置が認識しやすい。
【0056】
ステップS115において走行レーンと推奨レーンとが異なると判定されなかった場合、判定部21dの機能により制御部20は、跨ぎ状態を特定する(S135)。すなわち、判定部21dの機能により制御部20は、前方画像の下辺において、推奨レーン側の車輪の位置を示す車輪点Eと、走行レーンの区画線の像BLのうち推奨レーンの像側の区画線の像BLの位置Gとの相対位置関係を特定する(図3B,3C)。そして、判定部21dの機能により制御部20は、車両Cが走行レーンの区画線のうち推奨レーン側の区画線を跨いだか否かを判定する(S140)。具体的に、判定部21dの機能により制御部20は、前方画像の下辺において、車輪点Eが、走行レーンの区画線の像BLのうち推奨レーンの像側の区画線の像BLの位置Gよりも走行レーンの像側にある場合には、車両Cが走行レーンの区画線のうち推奨レーン側の区画線を跨いでないと判定する(図3B)。一方、前方画像の下辺において、車輪点Eが、走行レーンの区画線の像BLのうち推奨レーンの像側の区画線の像BLの位置Gと等しいか、当該位置Gよりも推奨レーンの像側にある場合には、車両Cが走行レーンの区画線のうち推奨レーン側の区画線を跨いだと判定する(図3C)。
【0057】
ステップS140において車両Cが走行レーンの区画線のうち推奨レーン側の区画線を跨いだと判定されなかった場合、判定部21dの機能により制御部20はレーン変更状態の開始前状態であると判定する(S145)。開始前状態と判定された場合、表示制御部21eの機能により制御部20は、推奨レーンにおける幅方向の中央位置を示すように前方側端点FEを設定し、車両Cの幅方向の中央位置を示すように後方側端点BEとを設定する(S150)。すなわち、判定部21dの機能により制御部20は、前方画像における推奨レーンの中央線RC上の位置、かつ、当該前方画像の縦方向の一定位置Hに前方側端点FEを設定するとともに、前方画像の下辺の中点CCに後方側端点BEを設定する(図4B)。
【0058】
次に、表示制御部21eの機能により制御部20は、第1変化点K1を設定する(S155)。具体的に表示制御部21eの機能により制御部20は、前方画像における推奨レーンの中央線RC上において、前方側端点FEよりも縦方向の下方、かつ、前方画像の下辺よりも上方の位置に第1変化点K1を設定する。さらに、表示制御部21eの機能により制御部20は、前方側端点FEと第1変化点K1とを結ぶ推奨レーン側案内線部分RLの長さが所定値Yと等しくなるように第1変化点K1を設定する(図4B)。次に、表示制御部21eの機能により制御部20は、第2変化点K2を設定する(S160)。具体的に表示制御部21eの機能により制御部20は、前方画像において、走行レーンと推奨レーンとの間に存在する区画線の像BLと、第1変化点K1と第2変化点K2とを結ぶ直線(交差線部分CL)とがなす鋭角θが所定角度(60度)と等しくなるように、第1変化点K1よりも縦方向の下方、かつ、前方画像の下辺よりも縦方向の上方の位置に第2変化点K2を設定する。より具体的に、表示制御部21eの機能により制御部20は、前方画像を横方向に二等分する二等分線上に第2変化点K2を設定する(図4B)。
【0059】
そして、表示制御部21eの機能により制御部20は、矢印形状の案内線glを重畳した前方画像を更新してユーザI/F部45に表示させる(S130,図5B)。レーン変更状態の開始前状態である期間においては、ステップS150〜S160,S130が繰り返して実行され、矢印形状の案内線glは推奨レーンの中央線UC上に位置する前方側端点FEと、第1変化点K1と、第2変化点K2と、車両Cの幅方向の中央位置を示す前方画像の下辺の中点CC上の後方側端点BEとを接続する折れ線状となる。これにより、運転者がレーン変更しようとしている開始前状態において、矢印形状の案内線glにおいて車両Cが現在走行している位置を示す後方側端点BEを、車両Cの中央位置の変化に追従するように走行レーンの区画線の像BLに対して相対移動させることができる。また、開始前状態においても、前方画像の縦方向の一定位置Hに前方側端点FEが維持されるため、前方側端点FEが示す推奨レーンの位置が認識しやすい。さらに、開始前状態において、推奨レーン内の位置を示す推奨レーン側案内線部分RLの長さが所定値Yに維持されるため、推奨レーン側案内線部分RLが示す推奨レーンの位置および推奨レーンのレーン方向が認識しやすくすることができる。また、走行レーンと推奨レーンとの間に存在する区画線の像BLと、第1変化点K1と第2変化点K2とを結ぶ直線(交差線部分CL)とがなす鋭角θが所定角度(60度)と等しくされるため、運転者は走行レーンと推奨レーンとの間に存在する区画線を越えてレーン変更をすべきことを明確に認識できる。
【0060】
ステップS140において車両Cが走行レーンの区画線のうち推奨レーン側の区画線を跨いだと判定された場合、判定部21dの機能により制御部20はレーン変更状態のうちの開始後状態であると判定する(S165)。開始後状態と判定された場合、表示制御部21eの機能により制御部20は、開始前状態(S150)と同様に前方側端点FEと後方側端点BEとをそれぞれ設定する(S170,図4C)。次に、表示制御部21eの機能により制御部20は、開始前状態(S155)と同様に第1変化点K1を設定する(S175,図4C)。
【0061】
そして、表示制御部21eの機能により制御部20は、矢印形状の案内線glを重畳した前方画像を更新してユーザI/F部45に表示させる(S130,図5C)。レーン変更状態の開始後状態である期間においては、ステップS170〜S175,S130が繰り返して実行され、矢印形状の案内線glは推奨レーンの中央線UC上に位置する前方側端点FEと、第1変化点K1と、車両Cの幅方向の中央位置を示す前方画像の下辺の中点CC上の後方側端点BEとを接続する折れ線状となる。これにより、運転者がレーン変更を行っている開始後状態において、矢印形状の案内線glにおいて車両Cが現在走行している位置を示す後方側端点BEを、車両Cの位置の変化に追従するように走行レーンの区画線の像BLに対して相対移動させることができる。また、開始後状態においても、前方画像の縦方向の一定位置Hに前方側端点FEが維持されるため、前方側端点FEが示す推奨レーンの位置が認識しやすい。さらに、開始後状態においても、推奨レーン内の位置を示す推奨レーン側案内線部分RLの長さが所定値Yに維持されるため、推奨レーン側案内線部分RLが示す推奨レーンの位置および推奨レーンのレーン方向が認識しやすい。
【0062】
(3)他の実施形態:
前記実施形態において表示制御部21eの機能により制御部20は、前方画像における前方側端点FEの縦方向の位置と、推奨レーン側案内線部分RLの長さと、第1変化点K1と第2変化点K2とを結ぶ直線(交差線部分CL)とがなす鋭角θの大きさとをそれぞれ一定に維持した。しかし、表示制御部21eの機能により制御部20が少なくとも前方側端点FEの縦方向の位置を一定とすれば、前方側端点FEが示す推奨レーンの位置を認識しやすくすることできる。さらに、表示制御部21eの機能により制御部20は、前方画像における前方側端点FEの縦方向の位置と、推奨レーン側案内線部分RLの長さとをそれぞれ一定に維持しつつ、第1変化点K1と第2変化点K2とを結ぶ直線(交差線部分CL)とがなす鋭角θの大きさが所定角度よりも小さくなることを許容してもよい。この場合でも、前方側端点FEおよび推奨レーン側案内線部分RLが示す推奨レーンの位置を認識しやすくすることができる。また、表示制御部21eの機能により制御部20は、前方画像における前方側端点FEの縦方向の位置と、第1変化点K1と第2変化点K2とを結ぶ直線(交差線部分CL)とがなす鋭角θの大きさとをそれぞれ一定に維持しつつ、推奨レーン側案内線部分RLが所定値Yよりも小さくなることを許容してもよい。この場合でも、前方側端点FEが示す推奨レーンの位置、および、推奨レーンへとレーン変更をすべきことを認識しやすくすることができる。さらに、表示制御部21eの機能により制御部20は、推奨レーン側案内線部分RLの長さと、第1変化点K1と第2変化点K2とを結ぶ直線(交差線部分CL)とがなす鋭角θの大きさとを、必ずしも所定値に維持する必要はなく、所定値以上となる範囲で変化させてもよい。
【0063】
前記実施形態において判定部21dの機能により制御部20は、走行レーンと推奨レーンとが異なる場合にレーン変更状態であると判定したが、走行レーンと推奨レーンとが異なり、かつ、走行レーンから推奨レーンへとレーン変更するための動作を車両Cが行っている場合にレーン変更状態であると判定してもよい。すなわち、案内線glの後方側端点BEが走行レーンの幅方向の中央位置を示す状態から車両Cの幅方向の中央位置を示す状態へと変化するタイミングを、車両Cがレーン変更するための動作を行ったタイミングとしてもよい。これにより、走行レーンと推奨レーンとが異なっていても、運転者が意図的に走行レーンにて車両Cを走行させる期間においては、前方画像において後方側端点BEが示す位置を走行レーンにおける幅方向の中央位置に維持することができ、後方側端点BEが示す位置が車両Cの位置に追従して運転者に不要な注意を喚起することが防止できる。また、判定部21dの機能により制御部20は、運転者の状態や車両Cの動作状態や操作状態や周期環境の状態等の判定要素に基づいて、レーン変更状態であるか否かを判定してもよい。判定部21dの機能により制御部20は、推奨レーン側の方向を示す方向指示器の動作や、推奨レーン側の方向に対する操舵角の変更動作や、所定の加減速動作が行われた場合に、レーン変更状態であると判定してもよい。なお、表示制御部21eの機能により制御部20は、レーン変更状態であるか否かに拘わらず、常に推奨レーンにおける幅方向の中央位置を示すように、前方画像において後方側端点BEの位置を設定してもよい。また、表示制御部21eの機能により制御部20は、レーン変更状態であるか否かに拘わらず、常に前方画像の下辺の中点CCに後方側端点BEを設定してもよい。これらの場合、レーン案内表示プログラム21は判定部21dを含まなくてもよい。
【0064】
表示制御部21eの機能により制御部20は、前方画像における推奨レーンの左右BLの区画線の像のそれぞれと矢印の頭部との間に形成される隙間の幅の差を抑制するように、矢印形状の案内線glを補正してもよい。図7Aは、前方画像において矢印形状の案内線glを補正する様子を示す図である。同図において、前方側端点FEが頂角であり、推奨レーンの像内の推奨レーン側案内線部分RLに関して線対称となる二等辺三角形状の矢印の頭部AHを示す。矢印の頭部AHは、左側の底角の位置において、矢印の頭部AHと推奨レーンの左の区画線の像BLとの隙間の横方向の幅a1が最も狭くなる。同様に、矢印の頭部AHの右側の底角の位置において、矢印の頭部AHと推奨レーンの右の区画線の像BLとの隙間の横方向の幅a2が最も狭くなる。なお、矢印の頭部AHの左右の底角の位置は、推奨レーン側案内線部分RL上の所定位置(白丸)から直交方向に当該推奨レーン側案内線部分RLを挟んで両側に所定距離だけそれぞれ移動した位置である。本実施形態において表示制御部21eの機能により制御部20は、左の隙間の幅a1と右の隙間の幅a2との差を抑制するように、前方側端点FEを走行レーンの像側に補正量aだけ横方向に移動させるとともに、推奨レーン側案内線部分RLをもとの傾斜角γから補正角Δγだけ傾斜させる。傾斜角γは、第1変化点K1にて推奨レーン側案内線部分RLと前方画像の横方向の補助線N(二点鎖線)とがなす角であって、前方画像を横方向に二等分する二等分線側の角を指すこととする。なお、各レーンのレーン方向が直線かつ互いに平行である場合、消失点が存在する前記二等分線側の傾斜角γは必ず90度以下の鋭角となる。なお、前方側端点FEを横方向に移動させるだけであるため、前方側端点FEの縦方向の位置は一定位置Hに維持される。
【0065】
表示制御部21eの機能により制御部20は、図6ステップS145において最初にレーン変更状態の開始前状態であると判定された場合、ステップS160の後、かつ、ステップS130の前に補正角Δγの設定を行う。表示制御部21eの機能により制御部20は、前方側端点FEを補正することなく矢印の頭部AHを生成した場合に、矢印の頭部AHと左右の区画線の像BLとの間に形成される左の隙間の横方向の幅a1と右の隙間の横方向の幅a2とを特定する。そして、表示制御部21eの機能により制御部20は、右の隙間の横方向の幅a2の半分から左の隙間の横方向の幅a1の半分を減算した値を前方側端点FEの横方向における右(走行レーン側)への補正量a(=a2/2−a1/2)とする。
【0066】
そして、表示制御部21eの機能により制御部20は、前方側端点FEを右に補正量aだけ移動させた補正後の前方側端点feと第1変化点K1とを通過するように推奨レーン側案内線部分RLを傾斜させる補正角Δγを設定する。なお、補正量aが負であれば前方側端点FEを横方向における左に移動させる。補正角Δγを設定すると、表示制御部21eの機能により制御部20は、推奨レーン側案内線部分RLを第1変化点K1まわりに補正角Δγだけ傾斜させた補正後の推奨レーン側案内線部分rl、および、前方側端点FEを横方向において走行レーンの像側に補正量aだけ移動させた補正後の前方側端点feを設定する。なお、補正前の推奨レーン側案内線部分RLの横方向に対する傾斜角γから補正角Δγを減算した角度(γ−Δγ)が補正後の推奨レーン側案内線部分rlの補助線Nに対する傾斜角となる。なお、縦方向における第1変化点K1と前方側端点FEとの距離Mとすると、補正前における推奨レーン側案内線部分RLの長さはM/sinγと表され、補正後における推奨レーン側案内線部分rlの長さはM/sin(γ−Δγ)と表すことができる。傾斜角γは鋭角であるため、sinγ>sin(γ−Δγ)となる。従って、補正後の推奨レーン側案内線部分rlの長さは、補正前の推奨レーン側案内線部分RLの長さよりも長くなり、補正後の推奨レーン側案内線部分rlの長さは所定値Y以上に維持される。
【0067】
以上のようにして補正後の推奨レーン側案内線部分rlを設定すると、ステップS130において補正後の推奨レーン側案内線部分rlに関して線対称となる矢印形状の案内線glを生成する。以上のようにして推奨レーン側案内線部分rlを補正角Δγだけ傾斜させることにより、矢印の頭部AHの左右の底角の位置を補正量aだけ走行レーンの像側に移動させることができる。なお、厳密には矢印の頭部AHは推奨レーン側案内線部分rlの傾斜にともなって回転移動するため、矢印の頭部AHの左右の底角の位置の横方向の移動量は補正量aと異なるが、補正角Δγは微小であるため回転移動成分は無視できる。従って、補正後において、左の隙間の横方向の幅が(a1+a)=(a1/2+a2/2)となり、右の隙間の横方向の幅が(a2−a)=(a1/2+a2/2)となり、互いに等しくなる。
【0068】
表示制御部21eの機能により制御部20は、図6ステップS145において最初にレーン変更状態の開始前状態であると判定された場合にステップS160の後、かつ、ステップS130の前に補正角Δγを設定し、推奨レーン側案内線部分RLをもとの傾斜角γから補正角Δγだけ傾斜させて矢印形状の案内線glの形状を補正する。その後、表示制御部21eの機能により制御部20は、開始前状態が継続する期間においては、ステップS160の後、かつ、ステップS130の前に推奨レーン側案内線部分RLを一定の補正角Δγだけ傾斜させて矢印形状の案内線glの形状を補正する。これにより、矢印の頭部AHが前方画像における推奨レーンの像上にて左右一方側に偏ることを防止できる。また、推奨レーンのレーン幅が狭い場合において、前方画像において推奨レーンの左右の区画線の像BLの一方と矢印の頭部AHとが干渉することが防止できる。また、矢印の頭部AHの回転と平行移動とにより左の隙間の幅a1と右の隙間の幅a2との差を抑制できるため、矢印の頭部AHの形状そのものが歪むことはない。
【0069】
一方、表示制御部21eの機能により制御部20は、レーン変更状態の開始後状態である場合には、ステップS175の後、かつ、ステップS130の前に、補正角をΔγからΔγ×(X/P)へと修正した上で、推奨レーン側案内線部分RLをもとの傾斜角γから補正角Δγ×(X/P)だけ傾斜させて矢印形状の案内線glの形状を補正する。ここで、(X/P)は開始後状態におけるレーン変更の進行度を示す係数である。図7Bに示すように、Xは前方画像の底辺における推奨レーンの中央線UCの位置Iと中点CCとの距離である。前方画像の底辺において車両Cの幅方向の中央位置を示す中点CCと推奨レーンの中央線UCの位置Iとが一致する場合、車両Cが推奨レーンにおける幅方向の中央位置を走行しており、レーン変更が完了したと考えることができる。従って、Xは、現在からレーン変更が完了するまでに、中点CCが前方画像の底辺において推奨レーンの中央線UCの位置Iに対して相対的に移動する距離を意味する。なお、表示制御部21eの機能により制御部20は、前方画像の下辺の中点CCと第1変化点K1との横方向における距離が所定距離以下となった場合に、レーン変更が完了したと判定してもよい。前方画像の下辺の中点CCと第1変化点K1との横方向における距離が所定距離以下となった場合、推奨レーン側案内線部分RLと交差線部分CLとにより一直線に近い形状の案内線GLが形成され、運転者は車両が直進すべきであり、レーン変更が完了したことを認識できるからである。
【0070】
Pは、走行レーン(車両Cがすでに推奨レーンを走行している場合には直前の走行レーン)の推奨レーン側の区画線の像BLの前方画像の底辺における位置Gから車幅の半分に対応する所定距離Tだけ走行レーン側へ移動した位置Jと、前方画像の底辺における推奨レーンの中央線UCの位置Iとの距離である。前方画像の底辺において車両Cの幅方向の中央位置を示す中点CCと位置Jとが一致するタイミングにおいて、開始前状態から開始後状態へと移行する。従って、Pは、開始後状態となってからレーン変更が完了するまでに、中点CCが前方画像の底辺において推奨レーンの中央線UCの位置Iに対して相対的に移動する距離を意味する。従って、補正角Δγ×(X/P)は開始前状態から開始後状態へと移行したタイミングでΔγとなり、レーン変更の進行とともに減少し、レーン変更が完了したタイミングで0となる。すなわち、開始後状態において表示制御部21eの機能により制御部20は、レーン変更が進行し、推奨レーン側案内線部分RLの方向が縦方向に近づくにつれて補正角Δγ×(X/P)が減少する。レーン変更が進行して推奨レーン側案内線部分RLの方向が縦方向に近づくほど、矢印の頭部AHと左右の底角それぞれの縦方向の位置の差は減少するとともに、推奨レーンの左右の区画線の像BLが推奨レーン側案内線部分RLに関して互いに線対称に近くなっていく。従って、レーン変更が進行していくにつれて矢印の頭部AHと推奨レーンの左右の区画線の像BLとの間に形成される左の隙間の幅a1と右の隙間の幅a2との差は減少していく。このような左の隙間の幅a1と右の隙間の幅a2との差の減少に対応して、当該差を抑制するための補正角Δγ×(X/P)も減少させていくことができ、前方側端点FEの補正量aが過多となることが防止できる。
【0071】
推奨レーン側案内線部分RLをもとの傾斜角γの補正する手法以外の手法により、矢印の頭部AHと推奨レーンの左右の区画線の像BLとの間に形成される左の隙間の幅a1と右の隙間の幅a2との差を抑制してもよい。例えば、前方画像において、矢印の頭部AHの頂角に対応する前方側端点FEの位置を補正することなく、矢印の頭部AHの左右の底角をそれぞれ補正量aだけ横方向に補正してもよい。
【0072】
前記実施形態において、表示制御部21eの機能により制御部20は、表1に示すようにレーン変更状態の開始前状態においてのみ第2変化点K2を設定することとしたが、レーン変更状態の開始後状態においても第2変化点K2を設定してもよい。具体的に表示制御部21eの機能により制御部20は、前記実施形態の開始前状態における第2変化点K2(図4B)と同様に、前方画像を横方向に二等分する二等分線上に第2変化点K2を設定してもよい。ただし、表示制御部21eの機能により制御部20は、前方画像における第2変化点K2の縦方向の位置を、第1変化点K1よりも下方の所定位置とする。開始後状態においては、推奨レーンの区画線のうち走行レーン側の区画線の像BLと交差線部分CLとが交差しない場合もあり、また交差した場合でも平行に近い角度で交差することとなるため、推奨レーンの区画線のうち走行レーン側の区画線の像BLと交差線部分CLとが形成する鋭角θが所定角度となるように第2変化点K2を設定することができないからである。前方画像において第2変化点K2が設定される縦方向の所定位置は、開始前状態から開始後状態へと移行する直前において第2変化点K2が設定されている縦方向の位置とするのが望ましい。これにより、開始前状態から開始後状態へと移行するタイミングにおいて第2変化点K2が急激に遷移することが防止できる。
【0073】
以上においては、推奨レーンと走行レーンとが隣接している場合を例示したが、推奨レーンと走行レーンとの間に1個以上の他のレーンが介在していてもよい。この場合、前方画像において、推奨レーンの像内に設定される第1変化点K1と、走行レーンの像内に設定される第2変化点K2との結ぶ直線(交差線部分CL)は、推奨レーンと走行レーンとの間に存在する複数の区画線の像BLと交差することとなる。図8は、交差線部分CLが2本の区画線の像BLと交差する例を示す。表示制御部21eの機能により制御部20は、交差線部分CLと2本の区画線の像BLのそれぞれが交差する点にて形成される鋭角θ1,θ2のうち最も角度が小さい鋭角θ2を特定し、当該鋭角θ2が所定角度(60度)となるように、第2変化点K2を設定する。このようにすることにより、第1変化点K1と第2変化点K2との結ぶ直線(交差線部分CL)は、推奨レーンと走行レーンとの間に存在する複数の区画線の像BLと交差する鋭角θのそれぞれを所定角度以上とすることができる。従って、運転者は、どの区画線についても区画線を越えてレーン変更をすべきことを容易に認識できる。
【0074】
レーン特定部21cの機能により制御部20は、車両Cが走行すべきレーンを推奨レーンとして特定すればよく、走行予定経路において車両Cの前方の交差点に進入すべきレーンが存在する場合において、当該交差点に所定距離以内に接近した段階で当該レーンを推奨レーンとして特定してもよい。また、レーン特定部21cの機能により制御部20は、他のレーンよりも安全またはスムーズに走行できるレーンを推奨レーンとして特定してもよい。表示制御部21eの機能により制御部20は、前方側端点と後方側端点とを接続する破線や鎖線の案内線glを生成してもよい。さらに、表示制御部21eの機能により制御部20は、細線状の案内線GLをそのまま前方画像に重畳してもよい。
【0075】
また、表示制御部21eの機能により制御部20は、推奨レーン側案内線部分RLを傾斜させる以外の手法により、矢印の頭部AHと推奨レーンの左右の区画線の像BLとの間に形成される左の隙間の横方向の幅a1と右の隙間の横方向の幅a2との差を抑制してもよい。例えば、推奨レーン側案内線部分RLを傾斜させることなく矢印の頭部AHの形状を推奨レーン側案内線部分RLに関して非対称とすることにより、左の隙間の幅a1と右の隙間の幅a2との差を抑制してもよい。例えば、表示制御部21eの機能により制御部20は、矢印の頭部AHの底角のうち隙間の幅a1,a2が小さい側については大きい側よりも、推奨レーン側案内線部分RLから近い位置とすることにより、矢印の頭部AHの形状そのものを補正してもよい。
【0076】
また、レーン案内表示システムは、
車両の前方を撮影した前方画像を取得する前方画像取得手段と、
前記前方画像において前記車両が走行すべき推奨レーンを特定するレーン特定手段と、
前記車両が現在走行している位置を示す後方側端点を後方側の端点とし、前記推奨レーン内において前記後方側端点よりも前方側の位置を示す前方側端点を前方側の端点とする案内線を生成し、当該生成した前記案内線を重畳した前記前方画像を表示部に表示させる表示制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記車両が現在走行している走行レーンと前記推奨レーンとが異なる場合に、
前記前方側端点よりも後方側、かつ、前記後方側端点よりも前方側の位置を示す第1変化点を設定し、
前記走行レーン内において、前記第1変化点よりも後方側、かつ、前記後方側端点よりも前方側の位置を示す第2変化点を設定し、
前記第1変化点と前記第2変化点とを接続する交差線部分を含む前記案内線を生成するとともに、
前記前方画像において、前記走行レーンと前記推奨レーンとの間に存在する区画線の像と、前記第1変化点と前記第2変化点とを結ぶ直線とがなす鋭角が所定角度以上になるように前記案内線を生成する、構成を有してもよい。
【0077】
すなわち、表示制御部21eの機能により制御部20は、前方画像における前方側端点FEの縦方向の位置を一定位置Hに維持することなく、前方画像において、走行レーンと推奨レーンとの間に存在する区画線の像BLと、第1変化点K1と第2変化点K2とを結ぶ直線(交差線部分CL)とがなす鋭角θが所定角度と等しくなるように第2変化点K2を設定してもよい。この場合、第1変化点K1と第2変化点K2とを結ぶ交差線部分CLにより、推奨レーンへとレーン変更をすべきことを認識しやすくすることができる。
【0078】
また、レーン案内表示システムは、
車両の前方を撮影した前方画像を取得する前方画像取得手段と、
前記前方画像において前記車両が走行すべき推奨レーンを特定するレーン特定手段と、
前記車両が現在走行している位置を示す後方側端点を後方側の端点とし、前記推奨レーン内において前記後方側端点よりも前方側の位置を示す前方側端点を前方側の端点とする案内線を生成し、当該生成した前記案内線を重畳した前記前方画像を表示部に表示させる表示制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記車両が現在走行している走行レーンと前記推奨レーンとが異なる場合に、
前記前方側端点よりも後方側、かつ、前記後方側端点よりも前方側の位置を示す第1変化点を設定し、
前記走行レーン内において、前記第1変化点よりも後方側、かつ、前記後方側端点よりも前方側の位置を示す第2変化点を設定し、
前記第1変化点と前記前方側端点とを接続する推奨レーン側案内線部分と、前記第2変化点と前記第1変化点とを接続する交差線部分とを含む前記案内線を生成するとともに、
前記前方画像において、前記前方画像における前記推奨レーン側案内線部分の長さが所定値以上に維持され、かつ、前記走行レーンと前記推奨レーンとの間に存在する区画線の像と、前記第1変化点と前記第2変化点とを結ぶ直線とがなす鋭角が所定角度以上になるように前記案内線を生成する、構成を有してもよい。
【0079】
すなわち、表示制御部21eの機能により制御部20は、前方画像における前方側端点FEの縦方向の位置を一定位置Hに維持することなく、前方画像において、推奨レーン側案内線部分RLの長さを一定値Y以上に維持するように案内線GLを生成するとともに、走行レーンと推奨レーンとの間に存在する区画線の像BLと、第1変化点K1と第2変化点K2とを結ぶ直線(交差線部分CL)とがなす鋭角θが所定角度と等しくなるように第2変化点K2を設定してもよい。この場合、推奨レーン側案内線部分RLが示す推奨レーンの位置、および、推奨レーンへとレーン変更をすべきことを認識しやすくすることができる。
【符号の説明】
【0080】
10…ナビゲーション装置、20…制御部、21…レーン案内表示プログラム、21a…ナビゲーション部、21b…前方画像取得部、21c…レーン特定部、21d…判定部、21e…表示制御部、30…記録媒体、30a…地図情報、41…受信部、42…車速センサ、43…ジャイロセンサ、44…カメラ、45…ユーザI/F部、BE…後方側端点、BL…区画線の像、C…車両、CC…中点、CL…交差線部分、FE…前方側端点、GL,gl…案内線、H…一定位置、K1…第1変化点、K2…第2変化点、RC…中央線、RL…推奨レーン側案内線部分。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の前方を撮影した前方画像を取得する前方画像取得手段と、
前記前方画像において前記車両が走行すべき推奨レーンを特定するレーン特定手段と、
前記車両が現在走行している位置を示す後方側端点を後方側の端点とし、前記推奨レーン内において前記後方側端点よりも前方側の位置を示す前方側端点を前方側の端点とする案内線を生成し、当該生成した前記案内線を重畳した前記前方画像を表示部に表示させる表示制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記案内線を重畳した前記前方画像を連続的に更新するとともに、前記前方画像の縦方向における前記前方側端点の位置が一定に維持されるように前記案内線を生成する、
レーン案内表示システム。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記車両が現在走行している走行レーンと前記推奨レーンとが異なる場合に、
前記推奨レーン内において、前記前方側端点よりも後方側、かつ、前記後方側端点よりも前方側の位置を示す第1変化点を設定し、
前記第1変化点と前記前方側端点とを接続する推奨レーン側案内線部分を含む前記案内線を生成するとともに、
前記前方画像における前記推奨レーン側案内線部分の長さが所定値以上に維持されるように前記案内線を生成する、
請求項1に記載のレーン案内表示システム。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記走行レーンと前記推奨レーンとが異なる場合に、
前記走行レーン内において、前記第1変化点よりも後方側、かつ、前記後方側端点よりも前方側の位置を示す第2変化点を設定し、
前記推奨レーン側案内線部分と、前記第2変化点と前記第1変化点とを接続する交差線部分とを含む前記案内線を生成するとともに、
前記前方画像において、前記走行レーンと前記推奨レーンとの間に存在する区画線の像と、前記第1変化点と前記第2変化点とを結ぶ直線とがなす鋭角が所定角度以上になるように前記案内線を生成する、
請求項2に記載のレーン案内表示システム。
【請求項4】
前記表示制御手段は、
前記推奨レーンにおける幅方向の中央位置を示すように前記前方画像における前記前方側端点の位置を設定し、前記前方側端点を矢印の頭部に含む矢印形状の前記案内線を生成するとともに、
前記前方画像における前記推奨レーンの左右の区画線の像のそれぞれと前記矢印の頭部との間に形成される隙間の幅の差を抑制するように、前記矢印形状を補正する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のレーン案内表示システム。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記前方画像における前記推奨レーンの左右の区画線の像のそれぞれと前記矢印の頭部との間に形成される隙間の幅の差を抑制するように、前記前方側端点の位置を前記前方画像の横方向に補正する、
請求項4に記載のレーン案内表示システム。
【請求項6】
前記表示制御手段は、
前記推奨レーンにおける幅方向の中央位置を示すように前記前方画像における前記前方側端点の位置を設定し、前記前方側端点を矢印の頭部に含む矢印形状の前記案内線を前記前方画像に重畳するとともに、
前記前方画像における前記推奨レーンの左右の区画線の像のそれぞれと前記矢印の頭部との間に形成される隙間の幅の差を抑制するように、前記推奨レーン側案内線部分の傾きを補正する、
請求項2または請求項3のいずれかに記載のレーン案内表示システム。
【請求項7】
前記表示制御手段は、
前記前方画像の横方向における前記推奨レーンの左右の区画線の像の中点を通過する中央線を特定し、
前記前方画像における前記中央線上の位置、かつ、当該前方画像の縦方向の一定位置に前記前方側端点を設定する、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のレーン案内表示システム。
【請求項8】
車両の前方を撮影した前方画像を取得する前方画像取得工程と、
前記前方画像において前記車両が走行すべき推奨レーンを特定するレーン特定工程と、
前記車両が現在走行している位置を示す後方側端点を後方側の端点とし、前記推奨レーン内において前記後方側端点よりも前方側の位置を示す前方側端点を前方側の端点とする案内線を生成し、当該生成した前記案内線を重畳した前記前方画像を表示部に表示させる表示制御工程と、を含み、
前記表示制御工程において、前記案内線を重畳した前記前方画像を連続的に更新するとともに、前記前方画像の縦方向における前記前方側端点の位置が一定に維持されるように前記案内線が生成される、
レーン案内表示方法。
【請求項9】
車両の前方を撮影した前方画像を取得する前方画像取得機能と、
前記前方画像において前記車両が走行すべき推奨レーンを特定するレーン特定機能と、
前記車両が現在走行している位置を示す後方側端点を後方側の端点とし、前記推奨レーン内において前記後方側端点よりも前方側の位置を示す前方側端点を前方側の端点とする案内線を生成し、当該生成した前記案内線を重畳した前記前方画像を表示部に表示させる表示制御機能と、コンピュータに実行させ、
前記表示制御機能によりコンピュータは、前記案内線を重畳した前記前方画像を連続的に更新するとともに、前記前方画像の縦方向における前記前方側端点の位置が一定に維持されるように前記案内線を生成する、
レーン案内表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−96913(P2013−96913A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241510(P2011−241510)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】