説明

ロキソプロフェン又はその塩を含有する医薬組成物

【課題】ロキソプロフェン又はその塩と、相互作用性成分との間の相互作用が抑制された医薬組成物の提供。
【解決手段】ロキソプロフェン又はその塩、相互作用性成分、及びトラネキサム酸又はその塩を含有する医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロキソプロフェン又はその塩を含有する医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ロキソプロフェンは、非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAID)の一種であり、関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、歯痛、急性上気道炎、手術後・外傷後・抜歯後等の消炎・鎮痛・解熱に有効なものとして知られており(非特許文献1)、その優れた解熱鎮痛作用から、総合感冒薬等への配合も期待される。
【0003】
一方、これまでに、総合感冒薬においては、解熱鎮痛成分のほか、抗ヒスタミン成分、去痰成分、消炎酵素成分、鎮咳成分、中枢神経興奮成分、抗アセチルコリン成分、抗プラスミン成分、生薬成分など多種多様の成分の組み合わせが配合されている。
【0004】
抗ヒスタミン成分としては、具体的には例えば、クロルフェニラミン又はその塩;クレマスチン又はその塩;カルビノキサミン又はその塩;ジフェニルピラリン又はその塩等が挙げられ、総合感冒薬のほか、鼻炎用内服薬、アレルギー用剤など様々の医薬品に用いられている(非特許文献2〜5)。上記のうち、クロルフェニラミンは、下記式
【0005】
【化1】

【0006】
で表される化合物である。上記のうち、クレマスチンは、下記式
【0007】
【化2】

【0008】
で表される化合物である。上記のうち、カルビノキサミンは、下記式
【0009】
【化3】

【0010】
で表される化合物である。上記のうち、ジフェニルピラリンは、下記式
【0011】
【化4】

【0012】
で表される化合物である。これらの化合物はいずれもジアリールメチル構造をその共通骨格として有し、化学構造が相互に極めて類似している。
【0013】
去痰成分としては、具体的には例えば、ブロムヘキシン又はその塩;アンブロキソール又はその塩;グアヤコールスルホン酸又はその塩、グアイフェネシン、クレゾールスルホン酸又はその塩等のフェノール誘導体又はその塩;カルボシステイン又はその塩、メチルシステイン又はその塩、エチルシステイン又はその塩等のシステイン誘導体などが挙げられる。
上記のうち、ブロムヘキシンは、下記式
【0014】
【化5】

【0015】
で表される化合物であり、気道粘膜の分泌促進による粘液の希釈をはかる粘稠調整作用に基づく去痰作用を有し、スイッチOTC薬物として認可され、総合感冒薬に用いられるほか、医療用としては、急性・慢性気管支炎や塵肺症等の去痰に用いられている(非特許文献6)。
また、アンブロキソールは、下記式
【0016】
【化6】

【0017】
で表される化合物であり、去痰成分である上記ブロムヘキシンの活性代謝物として知られ、粘膜潤滑成分とも呼ばれている。スイッチOTC薬物として認可され、総合感冒薬にも用いられるほか、医療用としては、急性・慢性気管支炎や塵肺症等の去痰に用いられる(非特許文献7)。
【0018】
また、グアヤコールスルホン酸又はその塩、グアイフェネシン、クレゾールスルホン酸又はその塩等のフェノール誘導体又はその塩は、気道分泌促進作用等を有する成分である(非特許文献8)。
また、カルボシステイン又はその塩、メチルシステイン又はその塩、エチルシステイン又はその塩などのシステイン誘導体は、痰の粘度の低下作用をもたらす去痰剤である(非特許文献6、9)。
【0019】
消炎酵素成分としては、具体的には例えば、リゾチーム又はその塩などが挙げられる。これらは、ムコ多糖分解作用や抗炎症作用等を示し、ムコ多糖分解作用による痰や鼻汁の膿粘液の分解や抗炎症作用を期待して、総合感冒薬のほか、鎮咳去痰剤や鼻炎用内服薬等にも用いられる薬物である(非特許文献10)。
【0020】
鎮咳成分としては、具体的には例えば、コデイン類;エフェドリン類;デキストロメトルファン又はその塩等が挙げられる。
上記のうち、コデイン類は、咳中枢の機能を抑制することによる鎮咳作用を有する麻薬性鎮咳成分であることが知られている。そして、この作用に基づき、総合感冒薬のほか、鎮咳去痰薬等にも用いられている薬物である(非特許文献11)。
また、エフェドリン類は、交感神経興奮作用に基づく気管支拡張作用により、鎮咳作用をもたらすことが知られている。そして、鎮咳成分として、総合感冒薬、鎮咳去痰薬に用いられるほか、血管収縮作用による鼻づまりの緩和を目的として鼻炎用内服薬等にも用いられている薬物である(非特許文献12及び13)。
また、デキストロメトルファン又はその塩は、中枢性非麻薬性鎮咳成分であり、咳中枢に直接作用し、咳反射を抑制することで鎮咳作用を示すことが知られている。そして、この作用に基づき、総合感冒薬のほか、鎮咳去痰薬等にも用いられている薬物である(非特許文献12)。
【0021】
中枢神経興奮成分としては、具体的には例えば、カフェインを始めとするキサンチン誘導体が挙げられる。カフェインは中枢興奮作用、強心・利尿作用、胃酸分泌亢進作用、平滑筋弛緩作用等を示し、総合感冒薬のほか、解熱鎮痛剤、鎮咳去痰薬等に用いられる薬物である(非特許文献14)。また、カフェインと類似の構造を有するテオフィリン、パラキサンチン、テオブロミン、アミノフィリン、ジプロフィリン、プロキシフィリン等の他のキサンチン誘導体も、カフェインと類似の薬理作用を有する。テオフィリンは中枢興奮作用、強心・利尿作用、平滑筋弛緩作用等を示し、鎮咳去痰薬や鎮暈薬等に用いられる薬物である。アミノフィリンはテオフィリンとエチレンジアミンの複塩であり、テオフィリンと同様の作用を示し、ジプロフィリンも、テオフィリンと同様の作用を示す(非特許文献15)。プロキシフィリンもテオフィリンと同様の作用を示し(非特許文献16)、パラキサンチンやテオブロミンも同様の作用を示す。
【0022】
ロキソプロフェンは、その優れた薬理作用から、様々な薬物と組み合せることが検討されており、上述した総合感冒薬に用いられる成分等との組み合わせも種々知られている。
例えば、特許文献1には、(1)クレマスチン類、フェニラミン類、マレイン酸カルビノキサミン、エフェドリン類、コデイン類、塩酸フェニルプロパノールアミン、セラペプターゼ、塩化リゾチーム及び塩酸ブロムヘキシンより選択される1種又は2種以上の薬剤、並びに(2)ロキソプロフェン類を有効成分として含有する医薬組成物が記載され、当該文献には、マレイン酸カルビノキサミン、d−マレイン酸クロルフェニラミン又は塩酸フェニルプロパノールアミンと組み合わせることによる鎮痛作用の増強作用;リン酸ジヒドロコデイン、マレイン酸カルビノキサミン又は塩酸ブロムヘキシンと組み合わせることによる抗炎症作用の増強作用;マレイン酸カルビノキサミン又は塩化リゾチームと組合わせることによる解熱作用の増強作用;フマル酸クレマスチン又はd−マレイン酸クロルフェニラミンと組合わせることによる抗ヒスタミン作用の増強作用などが開示されている。
【0023】
また、特許文献2には、(a)ロキソプロフェン類並びに(b)抗アレルギー薬及び抗ヒスタミン薬からなる群から選ばれる少なくとも1種を配合してなる感冒・鼻炎用組成物が記載されており、マレイン酸カルビノキサミン又はマレイン酸クロルフェニラミンと組み合わせることによる鼻閉症状の改善作用が開示されている。
また、特許文献3には、去痰薬、及びロキソプロフェン又はその塩類を配合することを特徴とする風邪用組成物が記載されており、塩酸ブロムヘキシン又はアンブロキソールと組み合わせることによる咳嗽症状に対する効果の増強作用が開示されている。
【0024】
また、特許文献4には、ロキソプロフェンと、アンブロキソール又はブロムヘキシンから選ばれる1種又は2種以上とを含有する去痰又は気道の杯細胞過形成を抑制するための医薬組成物が記載され、塩酸アンブロキソール又は塩酸ブロムヘキシンと組み合わせることにより杯細胞過形成抑制作用が発現することが開示されている。
また、特許文献5には、ロキソプロフェン並びに、カフェイン類、エフェドリン類及びコデイン類から選ばれる1種又は2種以上を含有する鎮咳又は去痰のための医薬組成物が記載され、リン酸コデイン又は無水カフェインと組み合わせることによる杯細胞過形成抑制作用の発現が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0025】
【特許文献1】特開2000−143505号公報
【特許文献2】特開2001−199882号公報
【特許文献3】特開2001−172175号公報
【特許文献4】特開2008−13542号公報
【特許文献5】特開2007−314517号公報
【非特許文献】
【0026】
【非特許文献1】第15改正日本薬局方解説書 株式会社廣川書店 第C−4790−4795頁
【非特許文献2】OTCハンドブック 2008−09 株式会社学術情報流通センター 第230頁
【非特許文献3】OTCハンドブック 2008−09 株式会社学術情報流通センター 第231頁
【非特許文献4】OTCハンドブック 2008−09 株式会社学術情報流通センター 第232頁
【非特許文献5】OTCハンドブック 2008−09 株式会社学術情報流通センター 第365頁
【非特許文献6】OTCハンドブック 2008−09 株式会社学術情報流通センター 第292頁
【非特許文献7】OTCハンドブック 2008−09 株式会社学術情報流通センター 第235頁
【非特許文献8】OTCハンドブック 2008−09 株式会社学術情報流通センター 第291−292頁
【非特許文献9】OTCハンドブック 2008−09 株式会社学術情報流通センター 第234頁
【非特許文献10】OTCハンドブック 2008−09 株式会社学術情報流通センター 第232−233頁
【非特許文献11】OTCハンドブック 2008−09 株式会社学術情報流通センター 第289頁
【非特許文献12】OTCハンドブック 2008−09 株式会社学術情報流通センター 第290頁
【非特許文献13】OTCハンドブック 2008−09 株式会社学術情報流通センター 第369頁
【非特許文献14】OTCハンドブック 2008−09 株式会社学術情報流通センター 第198−199頁
【非特許文献15】OTCハンドブック 2008−09 株式会社学術情報流通センター 第292−294頁
【非特許文献16】OTCハンドブック 2008−09 株式会社学術情報流通センター 第688頁
【非特許文献17】第15改正日本薬局方解説書 株式会社廣川書店 第C−2743−2749頁
【非特許文献18】OTCハンドブック 2008−09 株式会社学術情報流通センター 第693−694頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
しかしながら、ロキソプロフェン又はその塩と下記の1〜9から選ばれる成分の1種以上との間に、保存安定性に影響を与えるような相互作用が生じるか否かについては、一切知られていない。
そこで、本発明者らは、まず、ロキソプロフェン又はその塩と種々の成分の保存安定性について検討したところ、ロキソプロフェン又はその塩と以下の成分1〜9のうちいずれか:
【0028】
1 クロルフェニラミン又はその塩、クレマスチン又はその塩、カルビノキサミン又はその塩、ジフェニルピラリン又はその塩などを包含する、下記一般式(1)
【0029】
【化7】

【0030】
[式(1)中、Xは単結合又は酸素原子を示し、Yはメチン基又は窒素原子を示し、R1は水素原子、水酸基又はアルキル基を示し、R2は置換基を有してもよい環状アミノ基、又は置換基を有してもよいアミノアルキル基を示し、R3は水素原子又はハロゲン原子を示す。]
で表される化合物又はその塩
2 ブロムヘキシン又はその塩、アンブロキソール又はその塩などを包含する、下記一般式(2)
【0031】
【化8】

【0032】
[式(2)中、R4は水素原子又はメチル基を示し、R5は水素原子又は水酸基を示す。]で表される化合物又はその塩
3 グアヤコールスルホン酸又はその塩、グアイフェネシン、クレゾールスルホン酸又はその塩などを包含する、下記一般式(3)
【0033】
【化9】

【0034】
[式(3)中、R6はアルキル基又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示し、R7は水素原子又はスルホ基を示す。なお、式(3)中のフェノール性水酸基はエーテル化されていてもよい。]
で表される化合物又はその塩
4 システイン誘導体
5 リゾチーム又はその塩
6 コデイン類
7 エフェドリン類
8 デキストロメトルファン又はその塩
9 キサンチン誘導体
(なお、本明細書において、上記1〜9から選ばれる成分の1種以上を「相互作用性成分」と称することがある。)
【0035】
とを混合して保存すると、意外にも、これらの成分の間に相互作用が生じ、この相互作用により、混合物の経時的な湿潤、固化及び変色等の状態変化が生じ、安定性に問題が生じることを見出した。
【0036】
従って、本発明の課題は、ロキソプロフェン又はその塩と上記相互作用性成分との間の相互作用が抑制された医薬組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0037】
そこで、本発明者らは、この問題を解決すべくさらに検討したところ、ロキソプロフェン又はその塩及び上記相互作用性成分に、トラネキサム酸又はその塩を共存せしめることにより、相互作用を抑制することができることを見出し、本発明を完成した。
【0038】
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)ロキソプロフェン又はその塩
(B)次の成分(B−1)〜(B−9)からなる群より選ばれる1種又は2種以上
(B−1)下記一般式(1)
【0039】
【化10】

【0040】
[式(1)中、Xは単結合又は酸素原子を示し、Yはメチン基又は窒素原子を示し、R1は水素原子、水酸基又はアルキル基を示し、R2は置換基を有してもよい環状アミノ基、又は置換基を有してもよいアミノアルキル基を示し、R3は水素原子又はハロゲン原子を示す。]
で表される化合物又はその塩
(B−2)下記一般式(2)
【0041】
【化11】

【0042】
[式(2)中、R4は水素原子又はメチル基を示し、R5は水素原子又は水酸基を示す。]で表される化合物又はその塩
(B−3)下記一般式(3)
【0043】
【化12】

【0044】
[式(3)中、R6はアルキル基又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示し、R7は水素原子又はスルホ基を示す。なお、式(3)中のフェノール性水酸基はエーテル化されていてもよい。]
で表される化合物又はその塩
(B−4)システイン誘導体
(B−5)リゾチーム又はその塩
(B−6)コデイン類
(B−7)エフェドリン類
(B−8)デキストロメトルファン又はその塩
(B−9)キサンチン誘導体
(C)トラネキサム酸又はその塩
を含有する医薬組成物に関する。
【発明の効果】
【0045】
本発明によれば、ロキソプロフェン又はその塩と相互作用性成分との相互作用を抑制できる。従って、保存安定性が優れた、ロキソプロフェン又はその塩、及び相互作用性成分を含有する医薬組成物を提供することができる。
また、複雑な工程を経ることなく、簡便かつ安価に、ロキソプロフェン又はその塩、及び相互作用性成分を含有する、相互作用が抑制された医薬組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明において、「ロキソプロフェン又はその塩」には、ロキソプロフェンそのもののほか、ロキソプロフェンの薬学上許容される塩、さらにはロキソプロフェンやその薬学上許容される塩と水やアルコール等との溶媒和物も含まれる。これらは公知の化合物であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。本発明において、ロキソプロフェン又はその塩としては、ロキソプロフェンナトリウム水和物(化学名:Monosodium 2-[4-[(2-oxocyclopentyl)methyl]phenyl]propanoate dihydrate)が好ましい。
【0047】
本発明の医薬組成物におけるロキソプロフェン又はその塩の含有量は特に限定されず、服用者の性別、年齢、症状等に応じて、適宜検討して決定すればよい。例えば、1日あたり、ロキソプロフェンナトリウム無水物換算で10〜300mg、より好適には30〜240mg、特に好適には60〜180mg服用できる量を含有せしめることができる。本発明においては、ロキソプロフェン又はその塩を医薬組成物全質量に対して、ロキソプロフェンナトリウム無水物換算で0.4〜50質量%含有するのが好ましく、1.2〜30質量%含有するのがより好ましく、1.2〜25質量%含有するのがさらに好ましい。このうち、1.2〜20質量%含有するのがより好ましく、2.4〜15質量%含有するのがさらにより好ましく、2.4〜12質量%含有するのが特に好ましい。
【0048】
本発明において、一般式(1)
【0049】
【化13】

【0050】
[式(1)中、Xは単結合又は酸素原子を示し、Yはメチン基又は窒素原子を示し、R1は水素原子、水酸基又はアルキル基を示し、R2は置換基を有してもよい環状アミノ基、又は置換基を有してもよいアミノアルキル基を示し、R3は水素原子又はハロゲン原子を示す。]
で表される化合物又はその塩には、上記一般式(1)で表される化合物そのもののほか、一般式(1)で表される化合物の薬学上許容される塩も含まれる。一般式(1)で表される化合物又はその塩の具体例としては例えば、一般式(1)で表される化合物、一般式(1)で表される化合物の無機酸塩や有機酸塩(例えば、塩酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、ジフェニルジスルホン酸塩、テオクル酸塩、サリチル酸塩、タンニン酸塩、ベシル酸塩、リン酸塩など)等が挙げられる。また、一般式(1)で表される化合物の化学構造中、不斉炭素が存する場合は、種々の光学異性体を有するが、本発明においては、いずれの光学異性体をも含み、単一の光学異性体でもよく、各種光学異性体の混合物でもよい。さらに、一般式(1)で表される化合物又はその塩は溶媒和物の状態にあってもよく、一般式(1)で表される化合物やその塩と水やアルコール等との溶媒和物も「一般式(1)で表される化合物又はその塩」に含まれる。
【0051】
上記R1において、アルキル基としては、直鎖又は分枝鎖の炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられるが、メチル基が好ましい。
また、上記R1としては、水素原子、メチル基が好ましい。
【0052】
上記R2において、置換基を有してもよい環状アミノ基における「環状アミノ基」とは、環構成原子として窒素原子を少なくとも1個、好適には1又は2個有する5〜7員の脂環式基を意味する。
このような環状アミノ基としては、具体的には例えば、ピロリジニル基、ピラゾリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、ホモピペリジニル基、ホモピペラジニル基等が挙げられる。中でも、ピペリジニル基、ピペラジニル基、ホモピペラジニル基が好ましく、ピペリジニル基、ピペラジニル基がより好ましい。
【0053】
また、置換基を有してもよい環状アミノ基における「置換基」としては、例えば、アルキルベンゾイル基、1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン−1−イル基、カルボキシアルコキシ基、カルボキシル基、カルボキシアルキルフェニル基及び水酸基から選ばれる1種以上の基が置換していてもよいアルキル基等が挙げられる。中でも、アルキル基、カルボキシアルコキシアルキル基、カルボキシアルキルフェニル(ヒドロキシ)アルキル基が好ましい。
上記「置換基」の具体例としては、例えば、メチル基、3−(4−tert−ブチルベンゾイル)プロピル基、3−(1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン−1−イル)プロピル基、2−(カルボキシメトキシ)エチル基、4−[4−(2−カルボキシプロパン−2−イル)フェニル]−4−ヒドロキシブチル基、3−カルボキシプロピル基等が挙げられる。
【0054】
上記R2において、「置換基を有してもよい環状アミノ基」としては、1−メチルピペリジン−4−イル基、4−メチルホモピペラジン−1−イル基、1−[3−(4−tert−ブチルベンゾイル)プロピル]ピペリジン−4−イル基、4−[3−(1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン−1−イル)プロピル]ピペラジン−1−イル基、4−[2−(カルボキシメトキシ)エチル]ピペラジン−1−イル基、1−{4−[4−(2−カルボキシプロパン−2−イル)フェニル]−4−ヒドロキシブチル}ピペリジン−4−イル基、1−(3−カルボキシプロピル)ピペリジン−4−イル基が好ましい。
【0055】
上記R2において、置換基を有してもよいアミノアルキル基における「アミノアルキル
基」は、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基又は環状アミノ基(当該「環状アミノ基」は、上記した「置換基を有してもよい環状アミノ基」における「環状アミノ基」と同義である。)が置換したアルキル基を意味する。中でも、ジアルキルアミノ基又は環状アミノ基が置換したアルキル基が好ましい。なお、当該環状アミノ基としては、ピロリジニル基が好ましい。
このようなアミノアルキル基としては、具体的には例えば、2−(ジメチルアミノ)エチル基、2−(ピロリジン−2−イル)エチル基、2−[(イソプロピル)(メチル)アミノ]エチル基等が挙げられる。また、置換基を有してもよいアミノアルキル基における「置換基」としては、例えば、水酸基、フェニル基、アルキル基等が挙げられる。
【0056】
上記R2において、「置換基を有してもよいアミノアルキル基」としては、2−(ジメチルアミノ)エチル基、2−(1−メチルピロリジン−2−イル)エチル基、2−[(メチル)(1−フェニル−1−ヒドロキシプロパン−2−イル)アミノ]エチル基が好ましい。
【0057】
なお、上記R2において、「アルキル基」、「アルキルベンゾイル基」、「カルボキシアルキルフェニル基」、「アミノアルキル基」、「モノアルキルアミノ基」、「ジアルキルアミノ基」におけるアルキル基部分としては、炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖のアルキル基が好ましく、具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
また、上記R2において、「カルボキシアルコキシ基」におけるアルコキシ基部分としては、炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖のアルコキシ基が好ましく、具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
【0058】
上記R3において、「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、本発明においては、塩素原子が好ましい。また、一般式(1)においてR3のフェニル基上の置換位置は特に限定されないが、4位に置換するのが好ましい。
【0059】
本発明において、一般式(1)で表される化合物又はその塩としては、具体的には例えば、エバスチン又はその塩;オキサトミド又はその塩;カルビノキサミンジフェニルジスルホン酸塩、カルビノキサミンマレイン酸塩等のカルビノキサミン又はその塩;クレマスチンフマル酸塩等のクレマスチン又はその塩;d−クロルフェニラミンマレイン酸塩、dl−クロルフェニラミンマレイン酸塩等のクロルフェニラミン又はその塩;ジフェテロール塩酸塩、ジフェテロールリン酸塩等のジフェテロール又はその塩;ジフェニルピラリン塩酸塩、ジフェニルピラリンテオクル酸塩等のジフェニルピラリン又はその塩;ジフェンヒドラミン塩酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩、ジフェンヒドラミンタンニン酸塩等のジフェンヒドラミン又はその塩;セチリジン塩酸塩等のセチリジン又はその塩;フェキソフェナジン又はその塩;ベポタスチンベシル酸塩等のベポタスチン又はその塩;ホモクロルシクリジン塩酸塩等のホモクロルシクリジン又はその塩等が挙げられる。
上記一般式(1)で表される化合物及びその塩、特に上記した化合物及びその塩は公知であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。
【0060】
本発明の医薬組成物における一般式(1)で表される化合物又はその塩の含有量は特に限定されず、服用者の性別、年齢、症状等に応じて、適宜検討して決定すればよい。例えば、1日あたり、一般式(1)で表される化合物又はその塩を0.01〜400mg、より好適には0.03〜300mg、特に好適には0.1〜200mg服用できる量を含有せしめることができる。なお、一般式(1)で表される化合物又はその塩として具体的な成分を用いる場合における好適な含有量を以下に例示するが、本発明は何らこれに限定されるものではない。
【0061】
本発明の医薬組成物において、一般式(1)で表される化合物又はその塩としてエバスチン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.1〜50mg服用できる量が好ましく、0.5〜30mg服用できる量がより好ましく、1〜20mg服用できる量がさらに好ましい。
本発明の医薬組成物において、一般式(1)で表される化合物又はその塩としてオキサトミド又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.3〜200mg服用できる量が好ましく、1〜100mg服用できる量がより好ましく、6〜60mg服用できる量がさらに好ましい。
本発明の医薬組成物において、一般式(1)で表される化合物又はその塩としてカルビノキサミン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.1〜60mg服用できる量が好ましく、0.5〜30mg服用できる量がより好ましく、1〜16mg服用できる量がさらに好ましい。
【0062】
本発明の医薬組成物において、一般式(1)で表される化合物又はその塩としてクレマスチン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、クレマスチンのフリー体換算で、0.01〜5mg服用できる量が好ましく、0.05〜3mg服用できる量がより好ましく、0.1〜2mg服用できる量がさらに好ましい。なお、クレマスチンフマル酸塩1.34mgはクレマスチンのフリー体として1mgに相当するものである。
本発明の医薬組成物において、一般式(1)で表される化合物又はその塩としてクロルフェニラミン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.1〜20mg服用できる量が好ましく、0.6〜12mg服用できる量がより好ましい。なお、クロルフェニラミン又はその塩として、d−クロルフェニラミンマレイン酸塩を用いる場合、1日あたり、0.1〜15mg服用できる量が好ましく、0.6〜6mg服用できる量がより好ましく、1〜5mg服用できる量がさらに好ましい。dl−クロルフェニラミンマレイン酸塩を用いる場合は、1日あたり、0.5〜20mg服用できる量が好ましく、1〜12mg服用できる量がより好ましく、2〜10mg服用できる量がさらに好ましい。
本発明の医薬組成物において、一般式(1)で表される化合物又はその塩としてジフェテロール又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、1〜300mg服用できる量が好ましく、5〜150mg服用できる量がより好ましく、10〜100mg服用できる量がさらに好ましい。
【0063】
本発明の医薬組成物において、一般式(1)で表される化合物又はその塩としてジフェニルピラリン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.1〜13.5mg服用できる量が好ましく、1〜4.5mg服用できる量がより好ましい。なお、ジフェニルピラリン又はその塩として、ジフェニルピラリン塩酸塩を用いる場合、1日あたり、0.1〜12mg服用できる量が好ましく、1〜4mg服用できる量がより好ましい。ジフェニルピラリンテオクル酸塩を用いる場合は、1日あたり、0.1〜13.5mg服用できる量が好ましく、1〜4.5mg服用できる量がより好ましい。
本発明の医薬組成物において、一般式(1)で表される化合物又はその塩としてジフェンヒドラミン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、1〜300mg服用できる量が好ましく、5〜200mg服用できる量がより好ましく、15〜150mg服用できる量がさらに好ましい。
本発明の医薬組成物において、一般式(1)で表される化合物又はその塩としてセチリジン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.1〜50mg服用できる量が好ましく、0.3〜30mg服用できる量がより好ましく、1〜20mg服用できる量がさらに好ましい。
【0064】
本発明の医薬組成物において、一般式(1)で表される化合物又はその塩としてフェキソフェナジン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.3〜200mg服用できる量が好ましく、1〜100mg服用できる量がより好ましく、6〜60mg服用できる量がさらに好ましい。
本発明の医薬組成物において、一般式(1)で表される化合物又はその塩としてベポタスチン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.1〜40mg服用できる量が好ましく、0.5〜30mg服用できる量がより好ましく、2〜20mg服用できる量がさらに好ましい。
本発明の医薬組成物において、一般式(1)で表される化合物又はその塩としてホモクロルシクリジン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.3〜180mg服用できる量が好ましく、1〜90mg服用できる量がより好ましく、3〜60mg服用できる量がさらに好ましい。
【0065】
本発明においては、一般式(1)で表される化合物又はその塩として、「クロルフェニラミン又はその塩」、「クレマスチン又はその塩」、「カルビノキサミン又はその塩」又は「ジフェニルピラリン又はその塩」を用いるのが好ましい。
【0066】
本発明において、「クロルフェニラミン又はその塩」には、クロルフェニラミンそのもののほか、クロルフェニラミンの薬学上許容される塩も含まれる。
クロルフェニラミンには不斉炭素が存するため、光学異性体を有するが、本発明においては、いずれの光学異性体をも含み、単一の光学異性体でもよく、各種光学異性体の混合物でもよい。これらのうち、本発明においては、d−体、dl−体が好ましい。当該クロルフェニラミン又はその塩の具体例としては例えば、クロルフェニラミン、クロルフェニラミンマレイン酸塩、d−クロルフェニラミンマレイン酸塩、dl−クロルフェニラミンマレイン酸塩等が挙げられる。本発明においては、d−クロルフェニラミンマレイン酸塩、dl−クロルフェニラミンマレイン酸塩が好ましく、d−クロルフェニラミンマレイン酸塩が特に好ましい。これらは公知の化合物であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。
【0067】
本発明の医薬組成物におけるクロルフェニラミン又はその塩の含有量は特に限定されず、上述した1日あたりの服用量に応じて適宜検討して決定すればよいが、クロルフェニラミン又はその塩を医薬組成物全質量に対して0.004〜1.5質量%含有するのが好ましく、0.02〜0.8質量%含有するのがより好ましく、0.04〜0.7質量%含有するのが特に好ましい。
【0068】
本発明の医薬組成物に含まれるロキソプロフェン又はその塩、及びクロルフェニラミン又はその塩の含有比は特に限定されず、上述した各成分の1日あたりの服用量に応じて適宜検討して決定すればよいが、ロキソプロフェン又はその塩をロキソプロフェンナトリウム無水物換算で1質量部に対し、クロルフェニラミン又はその塩を0.0001〜1.5質量部含有するものが好ましく、0.0005〜0.7質量部含有するものがより好ましく、0.001〜0.5質量部含有するものが特に好ましい。
【0069】
本発明において、「クレマスチン又はその塩」には、クレマスチンそのもののほか、クレマスチンの薬学上許容される塩も含まれる。クレマスチン又はその塩の具体例としては例えば、クレマスチン、クレマスチンフマル酸塩等が挙げられ、本発明においては、クレマスチンフマル酸塩が好ましい。これらは公知の化合物であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。
【0070】
本発明の医薬組成物におけるクレマスチン又はその塩の含有量は特に限定されず、上述した1日あたりの服用量に応じて適宜検討して決定すればよいが、クレマスチン又はその塩を医薬組成物全質量に対してクレマスチンのフリー体換算で0.008〜0.4質量%含有するのが好ましく、0.01〜0.2質量%含有するのがより好ましく、0.015〜0.15質量%含有するのが特に好ましい。なお、クレマスチンフマル酸塩1.34mgはクレマスチンのフリー体として1mgに相当するものである。
【0071】
本発明の医薬組成物におけるロキソプロフェン又はその塩とクレマスチン又はその塩の含有比は特に限定されず、上述した各成分の1日あたりの服用量に応じて適宜検討して決定すればよいが、ロキソプロフェン又はその塩をロキソプロフェンナトリウム無水物換算で1質量部に対し、クレマスチン又はその塩をクレマスチンのフリー体換算で0.0006〜0.5質量部含有するものが好ましく、0.0012〜0.1質量部含有するものがより好ましく、0.002〜0.03質量部含有するものがさらに好ましい。
【0072】
本発明において、「カルビノキサミン又はその塩」には、カルビノキサミンそのもののほか、カルビノキサミンの薬学上許容される塩も含まれる。カルビノキサミン又はその塩の具体例としては例えば、カルビノキサミン、カルビノキサミンマレイン酸塩、カルビノキサミンジフェニルジスルホン酸塩等が挙げられ、本発明においては、カルビノキサミンマレイン酸塩がより好ましい。これらは公知の化合物であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。
【0073】
本発明の医薬組成物におけるカルビノキサミン又はその塩の含有量は特に限定されず、上述した1日あたりの服用量に応じて適宜検討して決定すればよいが、カルビノキサミン又はその塩を医薬組成物全質量に対して0.004〜4質量%含有するのが好ましく、0.02〜2質量%含有するのがより好ましく、0.04〜1質量%含有するのが特に好ましい。
【0074】
本発明の医薬組成物に含まれるロキソプロフェン又はその塩、及びカルビノキサミン又はその塩の含有比は特に限定されず、上述した各成分の1日あたりの服用量に応じて適宜検討して決定すればよいが、ロキソプロフェン又はその塩をロキソプロフェンナトリウム無水物換算で1質量部に対し、カルビノキサミン又はその塩を0.0003〜6質量部含有するものが好ましく、0.002〜1質量部含有するものがより好ましく、0.005〜0.3質量部含有するものがさらに好ましい。
【0075】
本発明において、「ジフェニルピラリン又はその塩」には、ジフェニルピラリンそのもののほか、ジフェニルピラリンの薬学上許容される塩も含まれる。ジフェニルピラリン又はその塩の具体例としては例えば、ジフェニルピラリン、ジフェニルピラリン塩酸塩、ジフェニルピラリンテオクル酸塩等が挙げられ、本発明においては、ジフェニルピラリン塩酸塩、ジフェニルピラリンテオクル酸塩が好ましく、ジフェニルピラリン塩酸塩が特に好ましい。これらは公知の化合物であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。
【0076】
本発明の医薬組成物におけるジフェニルピラリン又はその塩の含有量は特に限定されず、上述した1日あたりの服用量に応じて適宜検討して決定すればよいが、ジフェニルピラリン又はその塩を医薬組成物全質量に対して0.004〜1質量%含有するのが好ましく、0.004〜0.5質量%含有するのがより好ましく、0.04〜0.3質量%含有するのがさらに好ましく、0.06〜0.25質量%含有するのが特に好ましい。
【0077】
本発明の医薬組成物に含まれるロキソプロフェン又はその塩、及びジフェニルピラリン又はその塩の含有比は特に限定されず、上述した各成分の1日あたりの服用量に応じて適宜検討して決定すればよいが、ロキソプロフェン又はその塩をロキソプロフェンナトリウム無水物換算で1質量部に対し、ジフェニルピラリン又はその塩を0.0001〜3質量部含有するものが好ましく、0.0005〜2.5質量部含有するものがより好ましく、0.001〜1質量部含有するものがさらに好ましく、0.001〜0.3質量部含有するものが特に好ましい。
【0078】
本発明において、一般式(2)
【0079】
【化14】

【0080】
[式(2)中、R4は水素原子又はメチル基を意味し、R5は水素原子又は水酸基を示す。]
で表される化合物又はその塩には、一般式(2)で表される化合物そのもののほか、一般式(2)で表される化合物の薬学上許容される塩も含まれる。一般式(2)で表される化合物又はその塩の具体例としては例えば、一般式(2)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物の塩酸塩等の無機酸塩や有機酸塩が挙げられ、一般式(2)で表される化合物の塩酸塩がより好ましい。
【0081】
一般式(2)で表される化合物又はその塩としては、
(a)ブロムヘキシン(R4がメチル基であり、R5が水素原子である化合物)又はその塩
(b)アンブロキソール(R4が水素原子であり、R5が水酸基である化合物)又はその塩
(c)R4がメチル基であり、R5が水酸基である化合物又はその塩
(d)R4及びR5が水素原子である化合物又はその塩
が挙げられるが、(a)ブロムヘキシン又はその塩、(b)アンブロキソール又はその塩が好ましく、ブロムヘキシン塩酸塩、アンブロキソール塩酸塩が特に好ましい。
【0082】
また、一般式(2)において、R5が水酸基である場合は、当該置換基のα炭素は不斉中心となり、S体及びR体から選ばれる異性体が存在するが、本発明においては、それらのいずれでもよく、また、それらの混合物であってもよい。なお、これらの化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。これらは公知の化合物であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。
【0083】
本発明の医薬組成物における一般式(2)で表される化合物又はその塩の含有量は特に限定されず、服用者の性別、年齢、症状等に応じて、適宜検討して決定すればよい。例えば、一般式(2)で表される化合物又はその塩がブロムヘキシン又はその塩の場合、1日あたり、ブロムヘキシン又はその塩をブロムヘキシン塩酸塩に換算して0.1〜50mg、より好適には0.5〜25mg、特に好適には1〜15mg服用できる量を含有せしめることができる。また、一般式(2)で表される化合物又はその塩がアンブロキソール又はその塩の場合、1日あたり、アンブロキソール又はその塩をアンブロキソール塩酸塩に換算して0.1〜150mg、より好適には0.5〜100mg、特に好適には1〜50mg服用できる量を含有せしめることができる。
【0084】
本発明においては、一般式(2)で表される化合物又はその塩を医薬組成物全質量に対して0.001〜20質量%含有するのが好ましい。また、一般式(2)で表される化合物又はその塩がブロムヘキシン又はその塩の場合、医薬組成物全質量に対してブロムヘキシン塩酸塩に換算して0.004〜4質量%含有するのが好ましく、0.02〜2質量%含有するのがより好ましく、0.04〜1質量%含有するのが特に好ましい。さらに、一般式(2)で表される化合物又はその塩がアンブロキソール又はその塩の場合、医薬組成物全質量に対してアンブロキソール塩酸塩に換算して0.004〜10質量%含有するのが好ましく、0.02〜7質量%含有するのがより好ましく、0.04〜5質量%含有するのが特に好ましい。
【0085】
本発明の医薬組成物に含まれるロキソプロフェン又はその塩、及び一般式(2)で表される化合物又はその塩の含有比は特に限定されず、上述した各成分の1日あたりの服用量に応じて適宜検討して決定すればよいが、一般式(2)で表される化合物又はその塩がブロムヘキシン又はその塩である場合、ロキソプロフェン又はその塩をロキソプロフェンナトリウム無水物換算で1質量部に対し、ブロムヘキシン又はその塩をブロムヘキシン塩酸塩に換算して0.0001〜10質量部含有するものが好ましく、0.0005〜2質量部含有するものがより好ましく、0.001〜1質量部含有するものが特に好ましい。また、一般式(2)で表される化合物又はその塩がアンブロキソール又はその塩である場合、ロキソプロフェン又はその塩をロキソプロフェンナトリウム無水物換算で1質量部に対し、アンブロキソール又はその塩をアンブロキソール塩酸塩に換算して0.0001〜10質量部含有するものが好ましく、0.0005〜5質量部含有するものがより好ましく、0.001〜3質量部含有するものが特に好ましい。
【0086】
本発明において、下記一般式(3)
【0087】
【化15】

【0088】
[式(3)中、R6はアルキル基又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示し、R7は水素原子又はスルホ基を示す。なお、式中のフェノール性水酸基はエーテル化されてもよい。]
で表される化合物又はその塩には、一般式(3)で表される化合物そのもののほか、一般式(3)で表される化合物の薬学上許容される塩も含まれる。当該一般式(3)で表される化合物又はその塩の具体例としては例えば、一般式(3)で表される化合物、一般式(3)で表される化合物のカリウム塩等のアルカリ金属塩が挙げられ、一般式(3)で表される化合物のカリウム塩がより好ましい。
【0089】
上記R6において、アルキル基としては、直鎖又は分枝鎖の炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。本発明においては、メチル基が好ましい。
また、アルコキシ基としては、直鎖又は分枝鎖の炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましく、具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられる。本発明においては、メトキシ基が好ましい。
当該アルコキシ基に置換し得る基としては、水酸基;臭素原子、塩素原子、フッ素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子が挙げられ、これらを1個又は複数個有していてもよい。
【0090】
上記一般式(3)において、フェノール性水酸基がエーテル化された場合としては、例えば、直鎖又は分枝鎖の炭素数1〜3の一価アルコールでフェノール性水酸基がエーテル化されたもの、直鎖又は分枝鎖の炭素数1〜3の多価アルコールでフェノール性水酸基がエーテル化されたもの等が挙げられる。一価アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノールが挙げられる。また、多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。本発明においては、直鎖又は分枝鎖の炭素数1〜3の多価アルコール、中でもグリセリンでフェノール性水酸基がエーテル化されたものが好ましい。なお、フェノール性水酸基がエーテル化された場合において、エーテル化反応は特に限定されるものではない。
【0091】
本発明の一般式(3)で表される化合物又はその塩としては、2−メトキシフェノール誘導体(グアヤコール誘導体)又はその塩、2−メチルフェノール誘導体(クレゾール誘導体)又はその塩が好適な具体例として挙げられる。
グアヤコール誘導体又はその塩としては、グアイフェネシン(グアヤコールグリセリンエーテル;(2RS)−3−(2−メトキシフェノキシ)プロパン−1,2−ジオール)又はその塩;グアヤコールスルホン酸、グアヤコールスルホン酸カリウム等のグアヤコールスルホン酸又はその塩が好ましい。また、クレゾール誘導体又はその塩としては、クレゾールスルホン酸(2−メチルフェノールスルホン酸)、クレゾールスルホン酸カリウム等のクレゾールスルホン酸又はその塩が好ましい。
また、一般式(3)で表される化合物又はその塩としては、グアヤコール誘導体又はその塩が好ましく、グアヤコールスルホン酸又はその塩、グアイフェネシンがより好ましく、グアヤコールスルホン酸カリウム、グアイフェネシンが特に好ましい。
これらは公知の化合物であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。
【0092】
本発明の医薬組成物における一般式(3)で表される化合物又はその塩の含有量は特に限定されず、服用者の性別、年齢、症状等に応じて、適宜検討して決定すればよい。例えば、1日あたり、一般式(3)で表される化合物又はその塩を5〜600mg、より好適には10〜450mg、特に好適には25〜300mg服用できる量を含有せしめることができる。なお、一般式(3)で表される化合物又はその塩として、グアヤコール誘導体又はその塩を用いる場合、1日あたり、グアヤコール誘導体又はその塩を10〜600mg、より好適には20〜450mg、特に好適には30〜300mg服用できる量を含有せしめるのが好ましい。また、一般式(3)で表される化合物又はその塩として、クレゾール誘導体又はその塩を用いる場合、1日あたり、クレゾール誘導体又はその塩を5〜550mg、より好適には10〜400mg、特に好適には25〜270mg服用できる量を含有せしめるのが好ましい。
本発明においては、一般式(3)で表される化合物又はその塩を医薬組成物全質量に対して0.2〜40質量%含有するのが好ましい。また、一般式(3)で表される化合物又はその塩がグアヤコール誘導体又はその塩である場合、医薬組成物全質量に対して0.4〜40質量%含有するのが好ましく、0.8〜30質量%含有するのがより好ましく、1.2〜25質量%含有するのが特に好ましい。さらに、一般式(3)で表される化合物又はその塩がクレゾール誘導体又はその塩である場合、医薬組成物全質量に対して0.2〜35質量%含有するのが好ましく、0.4〜25質量%含有するのがより好ましく、1〜20質量%含有するのが特に好ましい。
【0093】
本発明の医薬組成物に含まれるロキソプロフェン又はその塩、及び一般式(3)で表される化合物又はその塩の含有比は特に限定されず、上述した各成分の1日あたりの服用量に応じて適宜検討して決定すればよいが、ロキソプロフェン又はその塩をロキソプロフェンナトリウム無水物換算で1質量部に対し、一般式(3)で表される化合物又はその塩を0.015〜60質量部含有するものが好ましく、0.04〜15質量部含有するものがより好ましく、0.13〜5質量部含有するものがさらに好ましい。
【0094】
本発明において、「システイン誘導体」としては、下記一般式(4)で表される化合物又はその塩が好ましい。
【0095】
【化16】

【0096】
[式(4)中、R8は水素原子又はアルキル基を示し、R9は水素原子又はカルボキシアルキル基を示す。]
【0097】
上記R8において、アルキル基としては、直鎖又は分枝鎖の炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基が好ましい。
【0098】
上記R9において、カルボキシアルキル基としては、カルボキシ基が置換した直鎖又は分枝鎖の炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、具体例としては、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基、カルボキシブチル基、カルボキシペンチル基、カルボキシヘキシル基等が挙げられる。本発明においては、カルボキシメチル基が好ましい。
【0099】
上記一般式(4)において、R8としては水素原子が好ましく、R9としてはカルボキシアルキル基が好ましく、特にカルボキシメチル基が好ましい。
【0100】
上記一般式(4)で表される化合物又はその塩には、上記一般式(4)で表される化合物そのもののほか、その薬学上許容される塩も含まれる。一般式(4)で表される化合物又はその塩の具体例としては例えば、一般式(4)で表される化合物、一般式(4)で表される化合物の塩酸塩等の無機酸塩や有機酸塩が挙げられ、一般式(4)で表される化合物の塩酸塩がより好ましい。
また、上記一般式(4)で表される化合物には不斉炭素が存するため、光学異性体を有するが、本発明においては、いずれの光学異性体をも含み、単一の光学異性体でもよく、各種光学異性体の混合物でもよい。これらのうち、本発明においては、上記一般式(4)に係る基本骨格を構成するシステインの立体配置がL型であるのが好ましい。
【0101】
なお、上記一般式(4)において、
(1)R8が水素原子であり、R9がカルボキシメチル基であるものは、カルボシステインを意味するものである。
(2)R8がメチル基であり、R9が水素原子であるものは、メチルシステインを意味するものである。
(3)R8がエチル基であり、R9が水素原子であるものは、エチルシステインを意味するものである。
一般式(4)で表される化合物及びその塩、とりわけ上述の化合物及びその塩は公知であり、本発明においては、公知の方法により製造したもののほか、市販のものを用いることができる。
【0102】
本発明において、システイン誘導体としては、カルボシステイン又はその塩、メチルシステイン又はその塩及びエチルシステイン又はその塩からなる群より選ばれる1種以上が好ましく、L−カルボシステイン、L−メチルシステイン又はその塩及びL−エチルシステイン又はその塩からなる群より選ばれる1種以上がより好ましく、L−カルボシステイン、L−メチルシステイン塩酸塩及びL−エチルシステイン塩酸塩からなる群より選ばれる1種以上がより好ましく、L−カルボシステインが特に好ましい。
【0103】
本発明の医薬組成物におけるシステイン誘導体の含有量は特に限定されず、服用者の性別、年齢、症状等に応じて、適宜検討して決定すればよい。例えば、1日あたり、システイン誘導体を50〜3000mg、より好適には100〜2000mg、特に好適には150〜1500mg服用できる量を含有せしめることができる。本発明においては、システイン誘導体を医薬組成物全質量に対して1〜90質量%含有するのが好ましく、1〜80質量%含有するのがより好ましく、1〜75質量%含有するのがさらに好ましい。このうち、5〜70質量%含有するのが好ましく、6〜60質量%含有するのが好ましく、7〜50質量%含有するのが特に好ましい。
【0104】
また、本発明の医薬組成物に含まれるロキソプロフェン又はその塩、及びシステイン誘導体の含有比は特に限定されず、上述した各成分の1日あたりの服用量に応じて適宜検討して決定すればよいが、ロキソプロフェン又はその塩をロキソプロフェンナトリウム無水物換算で1質量部に対し、システイン誘導体を0.1〜25質量部含有するものが好ましく、0.2〜15質量部含有するものがより好ましく、0.3〜10質量部含有するものが特に好ましい。
【0105】
本発明において、「リゾチーム又はその塩」には、リゾチームそのもののほか、リゾチームの薬学上許容される塩も含まれる。当該リゾチーム又はその塩の具体例としては例えば、リゾチーム、リゾチーム塩酸塩等が挙げられ、リゾチーム塩酸塩が好ましい。これらは公知の化合物であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。
【0106】
本発明の医薬組成物におけるリゾチーム又はその塩の含有量は特に限定されず、服用者の性別、年齢、症状等に応じて、適宜検討して決定すればよい。例えば、1日あたり、リゾチーム又はその塩をリゾチーム塩酸塩の力価換算で、5〜450mg(力価)、より好適には10〜360mg(力価)、特に好適には15〜270mg(力価)服用できる量を含有せしめることができる。なお、リゾチーム又はその塩として、リゾチーム塩酸塩を用いる場合、1日あたり、リゾチーム塩酸塩を5〜450mg(力価)、より好適には10〜360mg(力価)、特に好適には15〜270mg(力価)服用できる量を含有せしめるのが好ましい。
本発明においては、リゾチーム又はその塩を医薬組成物全質量に対してリゾチーム塩酸塩の力価換算で、0.2〜30質量%(力価)含有するのが好ましく、0.4〜25質量%(力価)含有するのがより好ましく、0.6〜20質量%(力価)含有するのが特に好ましい。
【0107】
本発明の医薬組成物に含まれるロキソプロフェン又はその塩、及びリゾチーム又はその塩の含有比は特に限定されず、上述した各成分の1日あたりの服用量に応じて適宜検討して決定すればよいが、ロキソプロフェン又はその塩をロキソプロフェンナトリウム無水物換算で1質量部に対し、リゾチーム又はその塩をリゾチーム塩酸塩の力価換算で、0.01〜45質量部(力価)含有するものが好ましく、0.04〜12質量部(力価)含有するものがより好ましく、0.08〜5質量部(力価)含有するものがさらに好ましい。
【0108】
本発明において、「コデイン類」とは、コデイン、ジヒドロコデイン及びこれらの塩並びにこれらの溶媒和物からなる群より選ばれる1種又は2種以上のものを意味する。この群にはコデインやジヒドロコデインそのもののほか、コデインやジヒドロコデインの薬学上許容される塩やこれらの溶媒和物も含まれる。コデイン類の具体例としては例えば、コデイン、ジヒドロコデイン、コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩等が挙げられ、本発明の医薬組成物を総合感冒薬等として利用した場合の観点から、コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩がより好ましく、ジヒドロコデインリン酸塩がさらに好ましい。これらは公知の化合物であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。
【0109】
本発明の医薬組成物におけるコデイン類の含有量は特に限定されず、服用者の性別、年齢、症状等に応じて、適宜検討して決定すればよい。例えば、1日あたり、コデイン類を2〜60mg、より好適には4〜48mg、特に好適には6〜36mg服用できる量を含有せしめることができる。なお、コデイン類として、コデインリン酸塩水和物を用いる場合、1日あたり、コデインリン酸塩水和物を4〜60mg、より好適には8〜48mg、特に好適には12〜36mg服用できる量を含有せしめるのが好ましい。また、ジヒドロコデインリン酸塩を用いる場合、1日あたり、ジヒドロコデインリン酸塩を2〜30mg、より好適には4〜24mg、特に好適には6〜24mg服用できる量を含有せしめるのが好ましい。
本発明においては、コデイン類を医薬組成物全質量に対して0.08〜4質量%含有するのが好ましい。また、コデイン類がコデインリン酸塩水和物である場合、医薬組成物全質量に対して0.15〜4質量%含有するのが好ましく、0.3〜3質量%含有するのがより好ましく、0.5〜2.5質量%含有するのが特に好ましい。さらに、コデイン類がジヒドロコデインリン酸塩である場合、医薬組成物全質量に対して0.08〜2質量%含有するのが好ましく、0.16〜1.5質量%含有するのがより好ましく、0.24〜1.5質量%含有するのが特に好ましい。
【0110】
本発明の医薬組成物に含まれるロキソプロフェン又はその塩、及びコデイン類の含有比は特に限定されず、上述した各成分の1日あたりの服用量に応じて、適宜検討して決定すればよいが、ロキソプロフェン又はその塩を、ロキソプロフェンナトリウム無水物換算で1質量部に対し、コデイン類を0.005〜4質量部含有するものが好ましく、0.01〜2質量部含有するものがより好ましく、0.02〜1質量部含有するものが特に好ましい。
【0111】
本発明において、「エフェドリン類」とは、エフェドリン及びエフェドリンの誘導体並びにそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上を意味する。ここで、エフェドリンの誘導体としては、ノルエフェドリン(フェニルプロパノールアミン)、メチルエフェドリン等が挙げられる。また、塩としては、薬学上許容される無機酸や有機酸の塩が挙げられ、好適な具体例としては、塩酸塩、硫酸塩、サッカリン塩が挙げられる。また、エフェドリンには2つの不斉炭素が存するため、種々の光学異性体が存するが、本発明においては、いずれの光学異性体をも含み、単一の光学異性体でもよく、各種光学異性体の混合物でもよい。本発明においては、l−体、dl−体が好ましい。
【0112】
本発明において、エフェドリン類の具体例としては例えば、l−メチルエフェドリン塩酸塩、dl−メチルエフェドリン塩酸塩、l−メチルエフェドリンサッカリン塩、dl−メチルエフェドリンサッカリン塩、プソイドエフェドリン塩酸塩、プソイドエフェドリン硫酸塩等が挙げられ、これらを単独で、又は2種以上を組合わせて用いることができる。なお、エフェドリンとプソイドエフェドリンは互いにエナンチオマーの関係にあるものである。これらのうち、本発明においては、dl−メチルエフェドリン塩酸塩が好ましい。これらは公知の化合物であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。
【0113】
また、本発明において「エフェドリン類」としては、これらを成分として含有するマオウ(麻黄)も用いることができる。
マオウは、第十五改正日本薬局方に掲載されているとおり、Ephedra sinica Stapf、Ephedra intermedia Schrenk et C. A. Meyer又はEphedra equisetina Bunge (Ephedraceae) の地上茎を意味する。マオウは必要に応じてその形態を調節することができ、小片、小塊に切断若しくは破砕、又は粉末に粉砕することができる。例えば、マオウの粉末は「マオウ末」という。
また、マオウは、第十五改正日本薬局方 製剤総則等に記載の公知の方法に基づき、適当な大きさとした後に、適当な浸出剤を加えて浸出した液や浸出液を濃縮した液、すなわち「エキス」や「チンキ」等としてもよい。浸出剤としては、メタノール、エタノール及びn−ブタノール等の低級一価アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール及びグリセリン等の低級多価アルコール;ジエチルエーテル等のエーテル類;アセトン及びエチルメチルケトン等のケトン類;酢酸エチルエステル等のエステル類;ジクロロメタン及びクロロホルム等のハロゲノアルカン類;ベンゼン及びトルエン等の芳香族炭化水素;及び水等が挙げられる。これらは各々単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。さらにエキスは乾燥することもできる。
【0114】
本発明において、エフェドリン類としてマオウを用いる場合、マオウ末、マオウ流エキス、マオウ軟エキス、マオウ乾燥エキス、マオウエキス等が好ましく、これらを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。さらに、マオウを用いる場合は、マオウを含む漢方処方である、カッコントウ(葛根湯)、ショウセイリュウトウ(小青竜湯)、マオウトウ(麻黄湯)等を用いることもできる。これらは、公知の方法により製造してもよいし、市販品を用いてもよい。
【0115】
本発明の医薬組成物におけるエフェドリン類の含有量は特に限定されず、服用者の性別、年齢、症状等に応じて、適宜検討して決定すればよい。例えば、1日あたり、エフェドリン類を5〜500mg、より好適には10〜360mg、特に好適には20〜240mg服用できる量を含有せしめることができる。
なお、エフェドリン類の一部又は全ては、上述のマオウに代替することができる。エフェドリン類としてマオウを用いる場合は、例えば、1日あたり、マオウを0.1〜25g(原生薬換算量)、より好適には0.25〜10g(原生薬換算量)、特に好適には0.4〜4g(原生薬換算量)服用できる量を含有せしめることができる。
本発明においては、エフェドリン類を医薬組成物全質量に対して0.1〜40質量%含有するのが好ましく、0.5〜20質量%含有するのがより好ましく、1〜10質量%含有するのがさらに好ましく、2〜10質量%含有するのが特に好ましい。また、エフェドリン類としてマオウを用いる場合は、マオウを医薬組成物全質量に対して1〜98質量%含有するのが好ましく、2〜50質量%含有するのがより好ましく、4〜20質量%含有するのが特に好ましい。
【0116】
本発明の医薬組成物に含まれるロキソプロフェン又はその塩、及びエフェドリン類の含有比は特に限定されず、上述した各成分の1日あたりの服用量に応じて、適宜検討して決定すればよいが、ロキソプロフェン又はその塩を、ロキソプロフェンナトリウム無水物換算で1質量部に対し、エフェドリン類を、0.001〜50質量部含有するものが好ましく、0.005〜50質量部含有するものがより好ましく、0.015〜50質量部含有するものがさらに好ましい。このうち、0.05〜12質量部含有するものがより好ましく、0.1〜4質量部含有するものが特に好ましい。
【0117】
本発明において、「デキストロメトルファン又はその塩」には、デキストロメトルファンそのもののほか、デキストロメトルファンの薬学上許容される塩、さらにはデキストロメトルファンやデキストロメトルファンの薬学上許容される塩と水やアルコール等との溶媒和物も含まれる。デキストロメトルファン又はその塩の具体例としては例えば、デキストロメトルファン、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物、デキストロメトルファンフェノールフタリン塩等が挙げられ、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物、デキストロメトルファンフェノールフタリン塩が好ましく、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物が特に好ましい。これらは公知の化合物であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。
【0118】
本発明の医薬組成物におけるデキストロメトルファン又はその塩の含有量は特に限定されず、服用者の性別、年齢、症状等に応じて、適宜検討して決定すればよい。例えば、1日あたり、デキストロメトルファン又はその塩を1〜270mg、より好適には0.5〜180mg、特に好適には1〜90mg服用できる量を含有せしめることができる。なお、デキストロメトルファン又はその塩がデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物である場合、1日あたり、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物を6〜60mg、より好適には15〜60mg、特に好適には20〜60mg服用できる量を含有せしめるのが好ましい。また、デキストロメトルファン又はその塩がデキストロメトルファンフェノールフタリン塩である場合、1日あたり、デキストロメトルファンフェノールフタリン塩を9〜90mg、より好適には22〜90mg、特に好適には30〜90mg服用できる量を含有せしめるのが好ましい。
本発明においては、デキストロメトルファン又はその塩を医薬組成物全質量に対して0.004〜20質量%含有するのが好ましく、0.02〜15質量%含有するのがより好ましく、0.04〜10質量%含有するのが特に好ましい。
【0119】
本発明の医薬組成物に含まれるロキソプロフェン又はその塩、及びデキストロメトルファン又はその塩の含有比は特に限定されず、上述した各成分の1日あたりの服用量に応じて、適宜検討して決定すればよいが、ロキソプロフェン又はその塩を、ロキソプロフェンナトリウム無水物換算で1質量部に対し、デキストロメトルファン又はその塩を、0.0001〜20質量部含有するものが好ましく、0.0005〜10質量部含有するものがより好ましく、0.001〜5質量部含有するものが特に好ましい。
【0120】
本発明において、「キサンチン誘導体」としては、下記一般式(5)で表される化合物が好ましい。
【0121】
【化17】

【0122】
[式(5)中、R10及びR11は各々独立して水素原子又はメチル基を示し、R12は水素原子、メチル基、モノヒドロキシプロピル基又はジヒドロキシプロピル基を示す。]
【0123】
式(5)中、R12において、モノヒドロキシプロピル基としては、2−ヒドロキシプロピル基が好ましい。また、ジヒドロキシプロピル基としては、2,3−ジヒドロキシプロピル基が好ましい。
【0124】
なお、上記一般式(5)において、
(1)R10がメチル基であり、R11がメチル基であり、R12がメチル基であるものは、カフェインを意味するものである。
(2)R10がメチル基であり、R11がメチル基であり、R12が水素原子であるものは、テオフィリンを意味するものである。
(3)R10が水素原子であり、R11がメチル基であり、R12がメチル基であるものは、テオブロミンを意味するものである。
(4)R10がメチル基であり、R11が水素原子であり、R12がメチル基であるものは、パラキサンチンを意味するものである。
(5)R10がメチル基であり、R11がメチル基であり、R12が2−ヒドロキシプロピル基であるものは、プロキシフィリンを意味するものである。
(6)R10がメチル基であり、R11がメチル基であり、R12が2,3−ジヒドロキシプロピル基であるものは、ジプロフィリンを意味するものである。
【0125】
一般式(5)の化合物、とりわけ上述の化合物は公知であり、本発明においては、公知の方法により製造したもののほか、市販のものを用いることができる。
なお、キサンチン誘導体としては、上記一般式(5)で表される化合物そのもののほか、その薬学上許容される塩(例えば、複塩を形成したもの(安息香酸ナトリウムカフェイン(安息香酸ナトリウムとカフェインの複塩)、アミノフィリン(テオフィリンとエチレンジアミンとの複塩))等)、一般式(5)で表される化合物又はその塩と水やアルコール等との溶媒和物を用いることもでき、これらも「キサンチン誘導体」に包含され、上述の化合物(カフェイン、テオフィリン、テオブロミン、パラキサンチン、プロキシフィリン及びジプロフィリン)には、当該化合物、その塩やそれらの溶媒和物も包含される。なお、本発明においては、これらキサンチン誘導体のうち、1種又は2種以上を用いることができる。
【0126】
本発明においてキサンチン誘導体としては、カフェイン、テオフィリン、テオブロミン、パラキサンチン、プロキシフィリン及びジプロフィリンからなる群より選ばれる1種以上が好ましく、特に、本発明の医薬組成物を解熱鎮痛剤や総合感冒薬等として利用した場合の観点から、カフェインが好ましい。当該カフェインとしては、カフェイン水和物、無水カフェイン、安息香酸ナトリウムカフェイン、クエン酸カフェインが好適な具体例として挙げられ、このうち、カフェイン水和物、無水カフェイン、安息香酸ナトリウムカフェインが特に好ましい。
【0127】
本発明の医薬組成物におけるキサンチン誘導体の含有量は、服用者の性別、年齢、症状等に応じて、適宜検討して決定すればよい。例えば、1日あたり、キサンチン誘導体を10〜1000mg、より好適には20〜800mg、特に好適には40〜600mg服用できる量を含有せしめることができる。本発明においては、キサンチン誘導体を医薬組成物全質量に対して0.4〜65質量%含有するのが好ましく、0.8〜50質量%含有するのがより好ましく、1.6〜40質量%含有するのが特に好ましい。
【0128】
また、本発明の医薬組成物に含まれるロキソプロフェン又はその塩、及びキサンチン誘導体の含有比は、上述した各成分の1日あたりの服用量に応じて、適宜検討して決定すればよいが、ロキソプロフェン又はその塩を、ロキソプロフェンナトリウム無水物換算で1質量部に対し、キサンチン誘導体を、0.03〜100質量部含有するものが好ましく、0.08〜27質量部含有するものがより好ましく、0.2〜10質量部含有するものがさらに好ましい。
【0129】
本発明において、「トラネキサム酸又はその塩」には、トラネキサム酸そのもののほか、トラネキサム酸の薬学上許容される塩、さらにはトラネキサム酸やその薬学上許容される塩と水やアルコール等との溶媒和物も含まれる。トラネキサム酸又はその塩は、抗プラスミン作用、抗アレルギー・抗炎症作用を有し、全身性線溶亢進が関与すると考えられる出血傾向、扁桃炎、咽喉頭炎等の疾患における咽喉痛・発赤・充血・腫脹等の症状や口内炎における口内痛に用いられ、また、肝班、老人性色素班、炎症後色素沈着等にも用いられる公知の化合物(非特許文献17、18)であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。本発明において、トラネキサム酸又はその塩としては、トラネキサム酸(化学名:trans-4-(Aminomethyl)cyclohexanecarboxylic acid)が好ましい。
【0130】
本発明の医薬組成物におけるトラネキサム酸又はその塩の含有量は特に限定されず、服用者の性別、年齢、症状等に応じて、適宜検討して決定すればよい。例えば、1日あたり、トラネキサム酸のフリー体換算で50〜2000mg、より好適には70〜750mg、特に好適には400〜750mg服用できる量を含有せしめることができる。
本発明においては、相互作用抑制の観点から、トラネキサム酸又はその塩を医薬組成物全質量に対して、トラネキサム酸のフリー体換算で、1〜90質量%含有するのが好ましく、1〜80質量%含有するのがより好ましく、1〜75質量%含有するのがさらに好ましい。このうち、5〜70質量%含有するのが好ましく、5〜60質量%含有するのがより好ましく、7〜50質量%含有するのが特に好ましい。
【0131】
本発明の医薬組成物に含まれるロキソプロフェン又はその塩、及びトラネキサム酸又はその塩の含有比は特に限定されず、ロキソプロフェンと相互作用性成分の相互作用の抑制効果に応じて適宜検討して決定すればよいが、相互作用抑制の観点から、ロキソプロフェン又はその塩を、ロキソプロフェンナトリウム無水物換算で1質量部に対し、トラネキサム酸又はその塩をトラネキサム酸のフリー体換算で0.1〜25質量部含有するものが好ましく、0.2〜15質量部含有するものがより好ましく、0.5〜10質量部含有するものが特に好ましい。
【0132】
本発明の医薬組成物としては、次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)ロキソプロフェン又はその塩;
(B)次の成分(B−1−1)〜(B−9−1)からなる群より選ばれる1種又は2種以上;
(B−1−1)クロルフェニラミン又はその塩、(B−1−2)クレマスチン又はその塩、(B−1−3)カルビノキサミン又はその塩、(B−1−4)ジフェニルピラリン又はその塩、(B−2−1)ブロムヘキシン又はその塩、(B−2−2)アンブロキソール又はその塩、(B−3−1)グアヤコール誘導体又はその塩、(B−3−2)クレゾール誘導体又はその塩、(B−4−1)カルボシステイン又はその塩、(B−4−2)メチルシステイン又はその塩、(B−4−3)エチルシステイン又はその塩、(B−5)リゾチーム又はその塩、(B−6)コデイン類、(B−7)エフェドリン類、(B−8)デキストロメトルファン又はその塩、(B−9−1)カフェイン
(C)トラネキサム酸又はその塩;
を含有する医薬組成物が好ましく、
次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)ロキソプロフェン又はその塩;
(B)次の成分(B−1−1)〜(B−9−1)からなる群より選ばれる1種又は2種以上;
(B−1−1)クロルフェニラミン又はその塩、(B−1−2)クレマスチン又はその塩、(B−1−3)カルビノキサミン又はその塩、(B−1−4)ジフェニルピラリン又はその塩、(B−2−1)ブロムヘキシン又はその塩、(B−2−2)アンブロキソール又はその塩、(B−3−1−1)グアイフェネシン又はその塩、(B−3−1−2)グアヤコールスルホン酸又はその塩、(B−3−2−1)クレゾールスルホン酸又はその塩、(B−4−1)カルボシステイン又はその塩、(B−5)リゾチーム又はその塩、(B−6)コデイン類、(B−7)エフェドリン類、(B−8)デキストロメトルファン又はその塩、(B−9−1)カフェイン
(C)トラネキサム酸又はその塩;
を含有する医薬組成物が特に好ましい。
【0133】
また、ロキソプロフェンはNSAIDの一種であり、他のNSAIDと同じく副作用として消化管障害(胃粘膜刺激、潰瘍形成等)が問題となるが、下記試験例15に具体的に記載の通り、上記一般式(1)で表される化合物又はその塩、上記一般式(2)で表される化合物又はその塩、コデイン類、エフェドリン類、デキストロメトルファン又はその塩及びキサンチン誘導体からなる群から選ばれる1種又は2種以上の相互作用性成分とトラネキサム酸の組合わせは、当該ロキソプロフェンに起因する消化管障害に対し抑制作用を有する。
従って、本発明の医薬組成物が、以下の(A)、(B)及び(C):
(A)ロキソプロフェン又はその塩;
(B)次の成分(B−1)、(B−2)、(B−6)、(B−7)、(B−8)及び(B−9)からなる群より選ばれる1種又は2種以上;
(B−1)上記一般式(1)で表される化合物又はその塩
(B−2)上記一般式(2)で表される化合物又はその塩
(B−6)コデイン類
(B−7)エフェドリン類
(B−8)デキストロメトルファン又はその塩
(B−9)キサンチン誘導体
(C)トラネキサム酸又はその塩;
を含有する医薬組成物、より好ましくは、次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)ロキソプロフェン又はその塩;
(B)次の成分(B−1−1)、(B−2−1−1)、(B−6)、(B−7)、(B−8)及び(B−9−1)からなる群より選ばれる1種又は2種以上;
(B−1−1)クロルフェニラミン又はその塩
(B−2−1)ブロムヘキシン又はその塩
(B−6)コデイン類
(B−7)エフェドリン類
(B−8)デキストロメトルファン又はその塩
(B−9−1)カフェイン
(C)トラネキサム酸又はその塩
を含有する医薬組成物である場合においては、ロキソプロフェン又はその塩と相互作用性成分との相互作用が抑制されるため保存安定性に優れ、かつ、ロキソプロフェンに起因する消化管障害が抑制されるため安全性に優れる。従って、従来よりロキソプロフェンを含有する医薬において投与禁忌とされている消化性潰瘍の罹患者や、慎重投与とされている消化性潰瘍の既往歴のある患者であっても安全に服用することができ、消化性潰瘍の罹患者及び/又は消化性潰瘍の既往歴のある者に投与するための医薬組成物としても利用できるため、特に好ましい。さらに、本発明は、上記成分(B−1)、(B−2)、(B−6)、(B−7)、(B−8)及び(B−9)からなる群より選ばれる1種又は2種以上と、成分(C)とを有効成分とする、アルミノプロフェン、アンピロキシカム、アンフェナクナトリウム、イブプロフェン、インドメタシン、エトドラク、エピリゾール、オキサプロジン、ケトプロフェン、ザルトプロフェン、ジクロフェナク、スリンダク、セレコキシブ、チアプロフェン酸、チアラミド、テノキシカム、トルフェナム酸、ナブメトン、ナプロキセン、ピロキシカム、プラノプロフェン、フルフェナム酸、フルルビプロフェン、プログルメタシン、メフェナム酸、メロキシカム、モフェゾラク、ロキソプロフェン及びロルノキシカム並びにこれらの塩等の非ステロイド性消炎鎮痛剤(好適にはロキソプロフェン又はその塩)に起因する消化管障害(例えば、NSAID潰瘍)の軽減又は抑制剤を提供するものである。
【0134】
本発明の医薬組成物は、例えば、第十五改正日本薬局方 製剤総則等に記載の公知の方法により製造することができる。また、剤形は、特に限定されるものではなく、固形状、半固形状、液状のいずれの形状であってもよく、その利用目的等に応じて医薬品において通常利用される形状とすることができる。具体的には例えば、錠剤(チュアブル錠、発泡錠、口腔内崩壊錠などを含む)、トローチ剤、ドロップ剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、丸剤、ドライシロップ剤、坐剤、パップ剤、プラスター剤などの固形製剤;舐剤、チューインガム剤、ゼリー剤、ゼリー状ドロップ剤、ホイップ剤、軟膏剤、クリーム剤、フォーム剤、インへラー剤、ナザールジェル剤などの半固形製剤;シロップ剤、ドリンク剤、懸濁剤、酒精剤、液剤、点眼剤、エアゾール剤、噴霧剤、スプレー剤などの液状製剤などの、第十五改正日本薬局方 製剤総則等に記載の剤形とすることができる。
本発明においては、服用の簡便性や薬物服用量の管理等の点で、固形製剤であるのが好ましく、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、散剤及び細粒剤からなる群より選ばれる固形製剤であるのがより好ましく、錠剤又はカプセル剤であるのが特に好ましい。
【0135】
本発明の医薬組成物が固形製剤である場合においては、相互作用抑制の点で、固形製剤中のロキソプロフェン又はその塩及び相互作用性成分を実質的に互いに接触しないように含有せしめ、製造、製剤化したものがより好ましい。当該実質的に互いに接触しないように含有せしめて製した製剤とは、一般の製剤技術研究者であれば、容易に理解されうるものであり、公知の方法に基づき、適宜製剤添加物を用いて製造、製剤化できる。具体的には、固形製剤の形態としては、以下の(イ)−(ヘ)を例示することができ、これらは公知の方法により製造、製剤化できる。
【0136】
(イ)ロキソプロフェン又はその塩、及び相互作用性成分のいずれか一方を適当な方法で造粒して粒状物とし、これに他方を造粒せずに含有せしめて製した散剤や顆粒剤等、並びに当該粒状物を更に適当な方法で被覆した製剤。なお、本発明で用いられるトラネキサム酸又はその塩は粒状物中に含有させてもよいし、粒状物とは別に含有させてもよい。
(ロ)ロキソプロフェン又はその塩、及び相互作用性成分をそれぞれ適当な方法で別個に造粒して粒状物とし、これらを含有せしめて製した散剤や顆粒剤等、並びに当該粒状物を更に適当な方法で被覆した製剤。なお、本発明で用いられるトラネキサム酸又はその塩はいずれか一方の粒状物中に含有させてもよいし、両方の粒状物中に含有させてもよいし、また、これら粒状物とは別に含有させてもよい。
(ハ)上記(イ)又は(ロ)で製した散剤や顆粒剤等をカプセルに充填したカプセル剤。(ニ)上記(イ)又は(ロ)で製した粒状物等を製錠して得た錠剤。
(ホ)ロキソプロフェン又はその塩、及び相互作用性成分が互いに接触しないように製した多層錠、並びに当該多層錠を更に適当な方法で被覆した製剤。当該多層錠としては、ロキソプロフェン又はその塩、及び相互作用性成分を、互いに異なる層に位置させたものが好ましく、三層以上の多層錠として、ロキソプロフェン又はその塩を含む層と相互作用性成分を含む層が互いに接しないように位置させたものがより好ましい。なお、ロキソプロフェン又はその塩、及び相互作用性成分として、上記(イ)や(ロ)で製した粒状物を用いることができる。多層錠において、トラネキサム酸又はその塩はロキソプロフェン又はその塩を含む層か、相互作用性成分を含む層のいずれかに位置させてもよいし、分けて、両方の層に位置させてもよい。さらに、いずれかの層の中間層に位置させてもよい。
(ヘ)ロキソプロフェン又はその塩、及び相互作用性成分のいずれか一方を核錠に配置し、他方を外殻に配置した有核錠、並びに当該有核錠を更に適当な方法で被覆した製剤。なお、ロキソプロフェン又はその塩、及び相互作用性成分として、上記(イ)や(ロ)で製した粒状物を用いることができる。有核錠において、トラネキサム酸又はその塩は核錠に位置させてもよいし、外殻に位置させてもよいし、分けて、核錠と外殻のいずれにも位置させてもよい。
上述の固形製剤は、公知の方法により、糖衣やフィルムコーティング等により、被覆されていてもよい。
【0137】
本発明の医薬組成物の服用経路としては、経口及び経直腸や経膣等の非経口が挙げられ、本発明においては、経口投与製剤が好ましい。また、本発明の医薬組成物は、1日につき1〜4回程度に分けて、食前、食間、食後、就寝前等に服用することができる。
【0138】
本発明の医薬組成物には、医薬成分として、ロキソプロフェン又はその塩、相互作用性成分、及びトラネキサム酸又はその塩以外の薬物、例えば、解熱鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、ノスカピン類、気管支拡張剤、去痰剤、催眠鎮静剤、ビタミン類、抗炎症剤、胃粘膜保護剤、制酸剤、抗コリン剤、生薬類、漢方処方等からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含んでいてもよい。
【0139】
解熱鎮痛剤としては、例えば、アスピリン、アスピリンアルミニウム、アセトアミノフェン、イソプロピルアンチピリン、イブプロフェン、エテンザミド、サザピリン、サリチルアミド、サリチル酸ナトリウム、チアラミド塩酸塩、ラクチルフェネチジン等が挙げられる。
【0140】
抗ヒスタミン剤としては、例えば、アゼラスチン塩酸塩、アリメマジン酒石酸塩、イソチペンジル塩酸塩、イプロヘプチン塩酸塩、エピナスチン塩酸塩、エメダスチンフマル酸塩、ケトチフェンフマル酸塩、トリプロリジン塩酸塩、トリペレナミン塩酸塩、トンジルアミン塩酸塩、フェネタジン塩酸塩、プロメタジン塩酸塩、プロメタジンメチレン二サリチル酸塩、メキタジン、メトジラジン塩酸塩、メブヒドロリンナパジシル酸塩等が挙げられる。
【0141】
鎮咳剤としては、例えば、アロクラミド塩酸塩、エプラジノン塩酸塩、カルベタペンタンクエン酸塩、クロペラスチン塩酸塩、クロペラスチンフェンジゾ酸塩、ジブナートナトリウム、ジメモルファンリン酸塩、チペピジンクエン酸塩、チペピジンヒベンズ酸塩等が挙げられる。
【0142】
ノスカピン類としては、例えば、ノスカピン塩酸塩、ノスカピン等が挙げられる。
気管支拡張剤としては、例えば、トリメトキノール塩酸塩、フェニレフリン塩酸塩、メトキシフェナミン塩酸塩等が挙げられる。
【0143】
去痰剤としては、例えば、アンモニア・ウイキョウ精、塩化アンモニウム、l−メントール等が挙げられる。
【0144】
催眠鎮静剤としては、アリルイソプロピルアセチル尿素やブロムワレリル尿素等が挙げられる。
ビタミン類としては、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ヘスペリジン及びその誘導体並びにそれらの塩類等(例えば、チアミン、チアミン塩化物塩酸塩、チアミン硝化物、ジセチアミン塩酸塩、セトチアミン塩酸塩、フルスルチアミン、フルスルチアミン塩酸塩、オクトチアミン、シコチアミン、チアミンジスルフィド、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、プロスルチアミン、ベンフォチアミン、リボフラビン、リボフラビンリン酸エステル、リボフラビン酪酸エステル、リン酸リボフラビンナトリウム、パンテノール、パンテチン、パントテン酸ナトリウム、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキサールリン酸エステル、シアノコバラミン、メコバラミン、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、ヘスペリジン等)が挙げられる。
【0145】
抗炎症剤としては、グリチルリチン酸及びその誘導体並びにそれらの塩類(例えば、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム等)、セアプローゼ、セミアルカリプロティナーゼ、セラペプターゼ、プロクターゼ、プロナーゼ、ブロメライン等が挙げられる。
【0146】
胃粘膜保護剤としては、ゲファルナート、セトラキサート塩酸塩、ソファルコン、テプレノン、メチルメチオニンスルホニウムクロリド等が挙げられる。
制酸剤としては、アミノ酢酸、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウムゲル、乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウムの共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸カルシウム・炭酸マグネシウムの共沈生成物、水酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、沈降炭酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、無水リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、烏賊骨、石決明、ボレイ等が挙げられる。
【0147】
抗コリン薬としては、オキシフェンサイクリミン塩酸塩、ジサイクロミン塩酸塩、メチキセン塩酸塩、スコポラミン臭化水素酸塩、ダツラエキス、チペピジウム臭化物、メチルアトロピン臭化物、メチルアニソトロピン臭化物、メチルスコポラミン臭化物、メチル−l−ヒヨスチアミン臭化物、メチルベナクチジウム臭化物、ピレンゼピン塩酸塩、ブチルスコポラミン臭化物、ベラドンナアルカロイド、ベラドンナエキス、ベラドンナ総アルカロイド、ヨウ化イソプロパミド、ヨウ化ジフェニルピペリジノメチルジオキソラン、ロートエキス、ロート根、ロート根総アルカロイドクエン酸塩等が挙げられる。
【0148】
生薬類としては、アカメガシワ(赤芽柏)、アセンヤク(阿仙薬)、インヨウカク(淫羊霍)、ウイキョウ(茴香)、エンゴサク(延胡索)、オウゴン(黄岑)、オウセイ(黄精)、オウバク(黄柏)、オウヒ(桜皮)、オウレン(黄連)、オンジ(遠志)、ガジュツ(我朮)、カノコソウ(鹿子草)、カミツレ、カロニン(か楼仁)、キキョウ(桔梗)、キョウニン(杏仁)、クコシ(枸杞子)、クコヨウ(枸杞葉)、ケイガイ(荊芥)、ケイヒ(桂皮)、ケツメイシ(決明子)、ゲンチアナ、ゲンノショウコ(現証拠)、コウブシ(香附子)、ゴオウ(牛黄)、ゴミシ(五味子)、サイシン(細辛)、サンショウ(山椒)、シオン(紫苑)、ジコッピ(地骨皮)、シャクヤク(芍薬)、ジャコウ(麝香)、シャジン(沙参)、シャゼンシ(車前子)、シャゼンソウ(車前草)、獣胆(ユウタン(熊胆)を含む)、ショウキョウ(生姜)、ジリュウ(地竜)、シンイ(辛夷)、セキサン(石蒜)、セネガ、センキュウ(川きゅう)、ゼンコ(前胡)、センブリ(千振)、ソウジュツ(蒼朮)、ソウハクヒ(桑白皮)、ソヨウ(蘇葉)、タイサン(大蒜)、チクセツニンジン(竹節人参)、チョウジ(
丁子)、チンピ(陳皮)、トウキ(当帰)、トコン(吐根)、ナンテンジツ(南天実)、ニンジン(人参)、バイモ(貝母)、バクモンドウ(麦門冬)、ハンゲ(半夏)、バンコウカ(番紅花)、ハンピ(反鼻)、ビャクシ(白し)、ビャクジュツ(白朮)、ブクリョウ(茯苓)、ボタンピ(牡丹皮)、ロクジョウ(鹿茸)等の生薬及びこれらの抽出物(エキス、チンキ、乾燥エキス等)等が挙げられる。
【0149】
漢方処方としては、ケイシトウ(桂枝湯)、コウソサン(香蘇散)、サイコケイシトウ(柴胡桂枝湯)、ショウサイコトウ(小柴胡湯)、バクモンドウトウ(麦門冬湯)、ハンゲコウボクトウ(半夏厚朴湯)等が挙げられる。
【0150】
本発明の医薬組成物は、相互作用抑制の点から、さらに乾燥剤存在下で保存してもよい。以下、本発明の医薬組成物及び乾燥剤を容器中に含むものを、本発明の「医薬製剤」ということもある。
【0151】
本発明の医薬製剤において、乾燥剤は特に限定されるものではない。当然にその形状も限定されず、例えば、板状や袋状のシート型、円柱状(錠剤型)に成形されたもの等が挙げられ、円柱状のものにペーパーラッピングやフィルムコーティングを施したものでもよい。
【0152】
乾燥剤としては、具体的には例えば、シリカゲル、シリカアルミナゲル(アロフェン)、天然ゼオライト、合成ゼオライト(モレキュラーシーブ)、塩化カルシウム、生石灰(酸化カルシウム)、ベントナイトクレイ(モンモリロナイト)、塩化マグネシウム、酸化マグネシウム等が挙げられ、これらと活性炭を混合したものであってもよい。これらのうち、シリカゲル、シリカアルミナゲル(アロフェン)、合成ゼオライト(モレキュラーシーブ)、及び塩化カルシウムからなる群より選ばれる1種以上がより好ましい。
【0153】
乾燥剤としては市販品を用いることができ、市販品としては例えば、株式会社東海化学工業所製のシブレット、MS−タブレット、MS−セラムW、トーカイゲル、デシカイト25、アルプシート、山仁薬品株式会社製のドライヤーン(登録商標)分包品、ドライヤーン(登録商標)タブレット、ドライヤーン(登録商標)シート、品川化成株式会社製のセカード、アロシート、ゼオシート、株式会社OZO化学技研製のOZO、株式会社アイディ製のアイディシート、アイディパッキング乾燥剤等が挙げられる。
【0154】
本発明の医薬製剤において、乾燥剤の含有量は適宜検討して決定すればよいが、ロキソプロフェン又はその塩1質量部に対して、0.05〜35質量部が好ましく、0.15〜17質量部がより好ましい。
また、本発明の医薬組成物1質量部に対しては、0.001〜1質量部が好ましく、0.004〜0.4質量部がより好ましい。
【0155】
本発明の医薬製剤に用いられる容器は、食品、サプリメント、医薬品や健康食品等の容器として使用可能なものであれば特に限定されないが、定形容器、不定形容器のいずれも用いることができ、密閉可能なものが好ましい。当該定形容器としては、例えば、瓶、缶、箱等が挙げられる。不定形容器としては、例えば、袋(ピロー包装、スティック包装、PTP包装、SP包装等)等が挙げられる。これら容器のうち、具体的には瓶、袋が好ましい。
【0156】
容器の形成部材は、特に限定されるものではなく、例えば、紙、ガラス、樹脂若しくは樹脂フィルム、又は金属若しくは金属フィルム等の部材を挙げることができ、これら部材を適宜組み合わせた複合構造や多層構造としたものでもよい。また、紙などの透湿性を有する部材については透湿防止処理が施されていることが好ましい。
当該容器は透明、半透明、不透明のいずれでもよい。
【0157】
本発明の医薬組成物と乾燥剤を容器中へ収納する方法は、特に限定されるものではなく、いずれをも容器内へ投入等の適当な手段により配置することで達成できる。
【0158】
容器内への収納は、例えば、容器が瓶の場合、乾燥剤(好ましくは、円柱状(錠剤型))を瓶内に配置、又は瓶蓋の裏側(内キャップ)に格納するとともに、本発明の医薬組成物を瓶内に格納する等により達成できる。瓶内に格納するに際して、本発明の医薬組成物の剤形としては、固形製剤であるのが好ましい。
【0159】
また、容器が袋の場合は、乾燥剤(好ましくは、板状や袋状のシート型)と本発明の医薬組成物を袋内に格納する等により達成できる。袋内に格納するに際して、本発明の医薬組成物の剤形としては、固形製剤であるのが好ましい。
【0160】
さらに、本発明の医薬組成物をSP包装、PTP包装や袋により一旦包装し、次いで包装された医薬組成物と乾燥剤を袋に同封した形態とすることもできる。より具体的には、SP包装又はPTP包装した医薬組成物と、板状や袋状のシート型乾燥剤とを併せてピロー包装する形態等が挙げられる。さらに当該ピロー包装形態のものは箱等に格納されてもよい。医薬組成物をSP包装、PTP包装や袋により一旦包装するに際して、本発明の医薬組成物の剤形としては、固形製剤であるのが好ましい。
【0161】
本発明の医薬組成物は、NSAIDの一種であるロキソプロフェン又はその塩、及び抗炎症作用を有するトラネキサム酸を含有することから、頭痛・歯痛・抜歯後の疼痛・咽頭痛・耳痛・関節痛・神経痛・腰痛・筋肉痛・肩こり痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・月経痛(生理痛)・外傷痛の鎮痛、悪寒・発熱時の解熱、かぜの諸症状(のどの痛み、悪寒、発熱、頭痛、関節の痛み、筋肉の痛み)の緩和等の効能又は効果を有し、総合感冒薬(かぜ薬)や解熱鎮痛薬として有用である。
【実施例】
【0162】
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
[試験例1]ロキソプロフェンナトリウム水和物とクロルフェニラミンマレイン酸塩の相互作用の検討
以下に示すサンプル1−A〜1−Bをそれぞれ調製後60℃で1週間保存し、保存開始直後、1日後、3日後及び1週間後におけるサンプル中の混合物の状態を評価し、相互作用の有無を確認した。結果を表1に示す。
【0163】
〔サンプル1−A〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)204.3mg及びd−クロルフェニラミンマレイン酸塩(金剛化学製:商品名 D−マレイン酸クロルフェニラミン)3.5mgを混合して混合物を得、ガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル1−Aを得た。
〔サンプル1−B〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)204.3mg、d−クロルフェニラミンマレイン酸塩(金剛化学製:商品名 D−マレイン酸クロルフェニラミン)3.5mg及びトラネキサム酸(第一三共プロファーマ製:商品名 日本薬局方 トラネキサム酸)750mgを混合して混合物を得、ガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル1−Bを得た。
【0164】
【表1】

【0165】
表1に示す試験結果から、ロキソプロフェンナトリウム水和物とd−クロルフェニラミンマレイン酸塩のみを混合した混合物においては、相互作用が生じ、混合物が固化することが判明した。
一方、ロキソプロフェンナトリウム水和物、d−クロルフェニラミンマレイン酸塩に、さらにトラネキサム酸を加えて混合した混合物においては、1週間保存後も保存開始直後と同様に白色粉体の状態が保たれることが判明した。
以上の試験結果から、トラネキサム酸又はその塩が、ロキソプロフェン又はその塩と、クロルフェニラミン又はその塩を包含する一般式(1)で表される化合物又はその塩との相互作用を抑制する作用を有することが明らかとなった。
【0166】
[試験例2]ロキソプロフェンナトリウム水和物とクレマスチンフマル酸塩の相互作用の検討
以下に示すサンプル2−A〜2−Cをそれぞれ調製後60℃で1週間保存し、保存開始直後、1日後、3日後及び1週間後におけるサンプル中の混合物の状態を評価し、相互作用の有無を確認した。結果を表2に示す。
【0167】
〔サンプル2−A〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)204.3mg及びクレマスチンフマル酸塩(ダイト製:商品名 クレマスチンフマル酸塩)1.34mgを混合して混合物を得、ガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル2−Aを得た。
〔サンプル2−B〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)204.3mg、クレマスチンフマル酸塩(ダイト製:商品名 クレマスチンフマル酸塩)1.34mg及びトラネキサム酸(第一三共プロファーマ製:商品名 日本薬局方 トラネキサム酸)750mgを混合して混合物を得、ガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル2−Bを得た。
〔サンプル2−C〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)204.3mg、クレマスチンフマル酸塩(ダイト製:商品名 クレマスチンフマル酸塩)1.34mg及びトラネキサム酸(第一三共プロファーマ製:商品名 日本薬局方 トラネキサム酸)750mgを混合して混合物を得、乾燥剤である合成ゼオライト(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)1gとともにガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル2−Cを得た。
【0168】
【表2】

【0169】
表2に示す試験結果から、ロキソプロフェンナトリウム水和物とクレマスチンフマル酸塩のみを混合した混合物においては、相互作用が生じ、混合物が湿潤することが判明した。
一方、ロキソプロフェンナトリウム水和物、クレマスチンフマル酸塩に、さらにトラネキサム酸を加えて混合した混合物においては、1週間保存後も保存開始直後と同様に白色粉体の状態が保たれることが判明した。
以上の試験結果から、トラネキサム酸又はその塩が、ロキソプロフェン又はその塩と、クレマスチン又はその塩を包含する一般式(1)で表される化合物又はその塩との相互作用を抑制する作用を有することが明らかとなった。
【0170】
[試験例3]ロキソプロフェンナトリウム水和物とカルビノキサミンマレイン酸塩の相互作用の検討
以下に示すサンプル3−A〜3−Bをそれぞれ調製後60℃で1週間保存し、保存開始直後、1日後、3日後及び1週間後におけるサンプル中の混合物の状態を評価し、相互作用の有無を確認した。結果を表3に示す。
【0171】
〔サンプル3−A〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)204.3mg及びカルビノキサミンマレイン酸塩(金剛化学製:商品名 マレイン酸カルビノキサミン)7.5mgを混合して混合物を得、乾燥剤である合成ゼオライト(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)1gとともにガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル3−Aを得た。
〔サンプル3−B〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)204.3mg、カルビノキサミンマレイン酸塩(金剛化学製:商品名 マレイン酸カルビノキサミン)7.5mg及びトラネキサム酸(第一三共プロファーマ製:商品名 日本薬局方 トラネキサム酸)750mgを混合して混合物を得、乾燥剤である合成ゼオライト(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)1gとともにガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル3−Bを得た。
【0172】
【表3】

【0173】
表3に示す試験結果から、ロキソプロフェンナトリウム水和物とカルビノキサミンマレイン酸塩のみを混合した混合物においては、相互作用が生じ、混合物が固化し、その後変色することが判明した。
一方、ロキソプロフェンナトリウム水和物、カルビノキサミンマレイン酸塩に、さらにトラネキサム酸を加えて混合した混合物においては、1週間保存後も保存開始直後と同様に白色粉体の状態が保たれることが判明した。
以上の試験結果から、トラネキサム酸又はその塩が、ロキソプロフェン又はその塩と、カルビノキサミン又はその塩を包含する一般式(1)で表される化合物又はその塩との相互作用を抑制する作用を有することが明らかとなった。
【0174】
[試験例4]ロキソプロフェンナトリウム水和物とジフェニルピラリン塩酸塩の相互作用の検討
以下に示すサンプル4−A〜4−Bをそれぞれ調製後60℃で1週間保存し、保存開始直後、1日後、3日後及び1週間後におけるサンプル中の混合物の状態を評価し、相互作用の有無を確認した。結果を表4に示す。
【0175】
〔サンプル4−A〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)204.3mg及びジフェニルピラリン塩酸塩(金剛化学製:商品名 塩酸ジフェニルピラリン)4mgを混合して混合物を得、ガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル4−Aを得た。
〔サンプル4−B〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)204.3mg、ジフェニルピラリン塩酸塩(金剛化学製:商品名 塩酸ジフェニルピラリン)4mg及びトラネキサム酸(第一三共プロファーマ製:商品名 日本薬局方 トラネキサム酸)750mgを混合して混合物を得、ガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル4−Bを得た。
【0176】
【表4】

【0177】
表4に示す試験結果から、ロキソプロフェンナトリウム水和物とジフェニルピラリン塩酸塩のみを混合した混合物においては、相互作用が生じ、混合物が湿潤し、その後変色することが判明した。
一方、ロキソプロフェンナトリウム水和物、ジフェニルピラリン塩酸塩に、さらにトラネキサム酸を加えて混合した混合物においては、1週間保存後も保存開始直後と同様に白色粉体の状態が保たれることが判明した。
以上の試験結果から、トラネキサム酸又はその塩が、ロキソプロフェン又はその塩と、ジフェニルピラリン又はその塩を包含する一般式(1)で表される化合物又はその塩との相互作用を抑制する作用を有することが明らかとなった。
【0178】
[試験例5]ロキソプロフェンナトリウム水和物とブロムヘキシン塩酸塩の相互作用の検討
以下に示すサンプル5−A〜5−Bをそれぞれ調製後60℃で1週間保存し、保存開始直後、1日後、3日後及び1週間後におけるサンプル中の混合物の状態を評価し、相互作用の有無を確認した。結果を表5に示す。
【0179】
〔サンプル5−A〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)204.3mg及びブロムヘキシン塩酸塩(山洋化学製:商品名 ブロムヘキシン塩酸塩)12mgを混合して混合物を得、ガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル5−Aを得た。
〔サンプル5−B〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)204.3mg、ブロムヘキシン塩酸塩(山洋化学製:商品名 ブロムヘキシン塩酸塩)12mg及びトラネキサム酸(第一三共プロファーマ製:商品名 日本薬局方 トラネキサム酸)750mgを混合して混合物を得、ガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル5−Bを得た。
【0180】
【表5】

【0181】
表5に示す試験結果から、ロキソプロフェンナトリウム水和物とブロムヘキシン塩酸塩のみを混合した混合物においては、相互作用が生じ、混合物が固化し、その後変色することが判明した。
一方、ロキソプロフェンナトリウム水和物、ブロムヘキシン塩酸塩に、さらにトラネキサム酸を加えて混合した混合物においては、1週間保存後も保存開始直後と同様に白色粉体の状態が保たれることが判明した。
以上の試験結果から、トラネキサム酸又はその塩が、ロキソプロフェン又はその塩と、ブロムヘキシン又はその塩を包含する一般式(2)で表される化合物又はその塩との相互作用を抑制する作用を有することが明らかとなった。
【0182】
[試験例6]ロキソプロフェンナトリウム水和物とアンブロキソール塩酸塩の相互作用の検討
以下に示すサンプル6−A〜6−Cをそれぞれ調製後60℃で1週間保存し、保存開始直後、1日後、3日後及び1週間後におけるサンプル中の混合物の状態を評価し、相互作用の有無を確認した。結果を表6に示す。
【0183】
〔サンプル6−A〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)204.3mg及びアンブロキソール塩酸塩(静岡カフェイン工業所製:商品名 塩酸アンブロキソール)45mgを混合して混合物を得、ガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル6−Aを得た。
〔サンプル6−B〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)204.3mg、アンブロキソール塩酸塩(静岡カフェイン工業所製:商品名 塩酸アンブロキソール)45mg及びトラネキサム酸(第一三共プロファーマ製:商品名 日本薬局方 トラネキサム酸)750mgを混合して混合物を得、ガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル6−Bを得た。
〔サンプル6−C〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)204.3mg、アンブロキソール塩酸塩(静岡カフェイン工業所製:商品名 塩酸アンブロキソール)45mg及びトラネキサム酸(第一三共プロファーマ製:商品名 日本薬局方 トラネキサム酸)750mgを混合して混合物を得、乾燥剤である合成ゼオライト(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)1gとともにガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル6−Cを得た。
【0184】
【表6】

【0185】
表6に示す試験結果から、ロキソプロフェンナトリウム水和物とアンブロキソール塩酸塩のみを混合した混合物においては、相互作用が生じ、混合物が強度に湿潤し、その後変色することが判明した。
一方、ロキソプロフェンナトリウム水和物、アンブロキソール塩酸塩に、さらにトラネキサム酸を加えて混合した混合物においては、1週間保存後も保存開始直後と同様に白色粉体の状態が保たれることが判明した。
以上の試験結果から、トラネキサム酸又はその塩が、ロキソプロフェン又はその塩と、アンブロキソール又はその塩を包含する一般式(2)で表される化合物又はその塩との相互作用を抑制する作用を有することが明らかとなった。
【0186】
[試験例7]ロキソプロフェンナトリウム水和物とグアヤコールスルホン酸カリウムの相互作用の検討
以下に示すサンプル7−A〜7−Cをそれぞれ調製後60℃で1週間保存し、保存開始直後、1日後、3日後及び1週間後におけるサンプル中の混合物の状態を評価し、相互作用の有無を確認した。結果を表7に示す。
【0187】
〔サンプル7−A〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)204.3mg及びグアヤコールスルホン酸カリウム(米沢浜理薬品工業製:商品名 グアヤコールスルホン酸カリウム)250mgを混合して混合物を得、ガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル7−Aを得た。
〔サンプル7−B〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)204.3mg、グアヤコールスルホン酸カリウム(米沢浜理薬品工業製:商品名 グアヤコールスルホン酸カリウム)250mg及びトラネキサム酸(第一三共プロファーマ製:商品名 日本薬局方 トラネキサム酸)750mgを混合して混合物を得、ガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル7−Bを得た。
〔サンプル7−C〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)204.3mg、グアヤコールスルホン酸カリウム(米沢浜理薬品工業製:商品名 グアヤコールスルホン酸カリウム)250mg及びトラネキサム酸(第一三共プロファーマ製:商品名 日本薬局方 トラネキサム酸)750mgを混合して混合物を得、乾燥剤である合成ゼオライト(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)1gとともにガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル7−Cを得た。
【0188】
【表7】

【0189】
表7に示す試験結果から、ロキソプロフェンナトリウム水和物とグアヤコールスルホン酸カリウムのみを混合した混合物においては、相互作用が生じ、混合物が湿潤することが判明した。
一方、ロキソプロフェンナトリウム水和物、グアヤコールスルホン酸カリウムに、さらにトラネキサム酸を加えて混合した混合物においては、1週間保存後も保存開始直後と同様に白色粉体の状態が保たれることが判明した。
以上の試験結果から、トラネキサム酸又はその塩が、ロキソプロフェン又はその塩と、グアヤコールスルホン酸又はその塩を包含する一般式(3)で表される化合物又はその塩との相互作用を抑制する作用を有することが明らかとなった。
【0190】
[試験例8]ロキソプロフェンナトリウム水和物とグアイフェネシンの相互作用の検討 以下に示すサンプル8−A〜8−Cをそれぞれ調製後40℃で1週間保存し、保存開始直後、1日後、3日後及び1週間後におけるサンプル中の混合物の状態を評価し、相互作用の有無を確認した。結果を表8に示す。
【0191】
〔サンプル8−A〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)450mg及びグアイフェネシン(アルプス薬品工業製:商品名 グアイフェネシン)550mgを混合して混合物を得、ガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル8−Aを得た。
〔サンプル8−B〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)450mg、グアイフェネシン(アルプス薬品工業製:商品名 グアイフェネシン)550mg及びトラネキサム酸(第一三共プロファーマ製:商品名 日本薬局方 トラネキサム酸)4000mgを混合して混合物を得、ガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル8−Bを得た。
〔サンプル8−C〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)450mg、グアイフェネシン(アルプス薬品工業製:商品名 グアイフェネシン)550mg及びトラネキサム酸(第一三共プロファーマ製:商品名 日本薬局方 トラネキサム酸)4000mgを混合して混合物を得、乾燥剤である合成ゼオライト(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)1gとともにガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル8−Cを得た。
【0192】
【表8】

【0193】
表8に示す試験結果から、ロキソプロフェンナトリウム水和物とグアイフェネシンのみを混合した混合物においては、相互作用が生じ、混合物が固化することが判明した。
一方、ロキソプロフェンナトリウム水和物、グアイフェネシンに、さらにトラネキサム酸を加えて混合した混合物においては、1週間保存後も保存開始直後と同様に白色粉体の状態が保たれることが判明した。
以上の試験結果から、トラネキサム酸又はその塩が、ロキソプロフェン又はその塩と、グアイフェネシンを包含する一般式(3)で表される化合物又はその塩との相互作用を抑制する作用を有することが明らかとなった。
【0194】
[試験例9]ロキソプロフェンナトリウム水和物とカルボシステインの相互作用の検討
以下に示すサンプル9−A〜9−Bをそれぞれ調製後60℃で1週間保存し、保存開始直後、1日後、3日後及び1週間後におけるサンプル中の混合物の状態を評価し、相互作用の有無を確認した。結果を表9に示す。
【0195】
〔サンプル9−A〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)204.3mg及びカルボシステイン(妙中鉱業製:商品名 カルボシステイン)1500mgを混合して混合物を得、ガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル9−Aを得た。
〔サンプル9−B〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)204.3mg、カルボシステイン(妙中鉱業製:商品名 カルボシステイン)1500mg及びトラネキサム酸(第一三共プロファーマ製:商品名 日本薬局方 トラネキサム酸)750mgを混合して混合物を得、乾燥剤である合成ゼオライト(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)1gとともにガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル9−Bを得た。
【0196】
【表9】

【0197】
表9に示す試験結果から、ロキソプロフェンナトリウム水和物とカルボシステインのみを混合した混合物においては、相互作用が生じ、混合物が固化し、その後変色することが判明した。
一方、ロキソプロフェンナトリウム水和物、カルボシステインに、さらにトラネキサム酸を加えて混合した混合物においては、1週間保存後も保存開始直後と同様に白色粉体の状態が保たれることが判明した。
以上の試験結果から、トラネキサム酸又はその塩が、ロキソプロフェン又はその塩と、システイン誘導体との相互作用を抑制する作用を有することが明らかとなった。
【0198】
[試験例10]ロキソプロフェンナトリウム水和物とリゾチーム塩酸塩の相互作用の検討
以下に示すサンプル10−A〜10−Cをそれぞれ調製後60℃で1週間保存し、保存開始直後、1日後、3日後及び1週間後におけるサンプル中の混合物の状態を評価し、相互作用の有無を確認した。結果を表10に示す。
【0199】
〔サンプル10−A〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)204.3mg及びリゾチーム塩酸塩(エーザイ製:商品名 塩化リゾチーム)90mgを混合して混合物を得、ガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル10−Aを得た。
〔サンプル10−B〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)204.3mg、リゾチーム塩酸塩(エーザイ製:商品名 塩化リゾチーム)90mg及びトラネキサム酸(第一三共プロファーマ製:商品名 日本薬局方 トラネキサム酸)750mgを混合して混合物を得、ガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル10−Bを得た。
〔サンプル10−C〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)204.3mg、リゾチーム塩酸塩(エーザイ製:商品名 塩化リゾチーム)90mg及びトラネキサム酸(第一三共プロファーマ製:商品名 日本薬局方 トラネキサム酸)750mgを混合して混合物を得、乾燥剤である合成ゼオライト(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)1gとともにガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル10−Cを得た。
【0200】
【表10】

【0201】
表10に示す試験結果から、ロキソプロフェンナトリウム水和物とリゾチーム塩酸塩のみを混合した混合物においては、相互作用が生じ、混合物が湿潤し、その後固化することが判明した。
一方、ロキソプロフェンナトリウム水和物、リゾチーム塩酸塩に、さらにトラネキサム酸を加えて混合した混合物においては、1週間保存後も保存開始直後と同様に白色粉体の状態が保たれることが判明した。
以上の試験結果から、トラネキサム酸又はその塩が、ロキソプロフェン又はその塩とリゾチーム又はその塩との相互作用を抑制する作用を有することが明らかとなった。
【0202】
[試験例11]ロキソプロフェンナトリウム水和物とジヒドロコデインリン酸塩の相互作用の検討
以下に示すサンプル11−A〜11−Cをそれぞれ調製後60℃で1週間保存し、保存開始直後、1日後、3日後及び1週間後におけるサンプル中の混合物の状態を評価し、相互作用の有無を確認した。結果を表11に示す。
【0203】
〔サンプル11−A〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)990mg及びジヒドロコデインリン酸塩(塩野義製薬製:商品名 リン酸ジヒドロコデイン「シオノギ」)10mgを混合して混合物を得、ガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル11−Aを得た。
〔サンプル11−B〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)990mg、ジヒドロコデインリン酸塩(塩野義製薬製:商品名 リン酸ジヒドロコデイン「シオノギ」)10mg及びトラネキサム酸(第一三共プロファーマ製:商品名 日本薬局方 トラネキサム酸)750mgを混合して混合物を得、ガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル11−Bを得た。
〔サンプル11−C〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)990mg、ジヒドロコデインリン酸塩(塩野義製薬製:商品名 リン酸ジヒドロコデイン「シオノギ」)10mg及びトラネキサム酸(第一三共プロファーマ製:商品名 日本薬局方 トラネキサム酸)750mgを混合して混合物を得、乾燥剤である合成ゼオライト(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)1gとともにガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル11−Cを得た。
【0204】
【表11】

【0205】
表11に示す試験結果から、ロキソプロフェンナトリウム水和物とジヒドロコデインリン酸塩のみを混合した混合物においては、相互作用が生じ、混合物が固化し、その後変色することが判明した。
一方、ロキソプロフェンナトリウム水和物、ジヒドロコデインリン酸塩に、さらにトラネキサム酸を加えて混合した混合物においては、1週間保存後も保存開始直後と同様に白色粉体の状態が保たれることが判明した。
以上の試験結果から、トラネキサム酸又はその塩が、ロキソプロフェン又はその塩とコデイン類との相互作用を抑制する作用を有することが明らかとなった。
【0206】
[試験例12]ロキソプロフェンナトリウム水和物とdl−メチルエフェドリン塩酸塩の相互作用の検討
以下に示すサンプル12−A〜12−Cをそれぞれ調製後40℃75%RHで6日間保存し、保存開始直後、1日後、2日後及び6日後におけるサンプル中の混合物の状態を評価し、相互作用の有無を確認した。結果を表12に示す。
【0207】
〔サンプル12−A〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)900mg及びdl−メチルエフェドリン塩酸塩(アルプス薬品工業製:商品名 日本薬局方 dl−塩酸メチルエフェドリン末)100mgを混合して混合物を得、ガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル12−Aを得た。
〔サンプル12−B〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)900mg、dl−メチルエフェドリン塩酸塩(アルプス薬品工業製:商品名 日本薬局方 dl−塩酸メチルエフェドリン末)100mg及びトラネキサム酸(第一三共プロファーマ製:商品名 日本薬局方 トラネキサム酸)2000mgを混合して混合物を得、ガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル12−Bを得た。
〔サンプル12−C〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)900mg、dl−メチルエフェドリン塩酸塩(アルプス薬品工業製:商品名 日本薬局方 dl−塩酸メチルエフェドリン末)100mg及びトラネキサム酸(第一三共プロファーマ製:商品名 日本薬局方 トラネキサム酸)2000mgを混合して混合物を得、乾燥剤である合成ゼオライト(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)1gとともにガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル12−Cを得た。
【0208】
【表12】

【0209】
表12に示す試験結果から、ロキソプロフェンナトリウム水和物とdl−メチルエフェドリン塩酸塩のみを混合した混合物においては、相互作用が生じ、混合物が湿潤することが判明した。
一方、ロキソプロフェンナトリウム水和物、dl−メチルエフェドリン塩酸塩に、さらにトラネキサム酸を加えて混合した混合物においては、6日間保存後も保存開始直後と同様に白色粉体の状態が保たれることが判明した。
以上の試験結果から、トラネキサム酸又はその塩が、ロキソプロフェン又はその塩とエフェドリン類との相互作用を抑制する作用を有することが明らかとなった。
【0210】
[試験例13]ロキソプロフェンナトリウム水和物とデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物の相互作用の検討
以下に示すサンプル13−A〜13−Cをそれぞれ調製後60℃で1週間保存し、保存開始直後、1日後、3日後及び1週間後におけるサンプル中の混合物の状態を評価し、相互作用の有無を確認した。結果を表13に示す。
【0211】
〔サンプル13−A〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)810mg及びデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(第一ファインケミカル製:商品名 デキストロメトルファン HBR)190mgを混合して混合物を得、ガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル13−Aを得た。
〔サンプル13−B〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)810mg、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(第一ファインケミカル製:商品名 デキストロメトルファン HBR)190mg及びトラネキサム酸(第一三共プロファーマ製:商品名 日本薬局方 トラネキサム酸)1000mgを混合して混合物を得、ガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル13−Bを得た。
〔サンプル13−C〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)810mg、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(第一ファインケミカル製:商品名 デキストロメトルファン HBR)190mg及びトラネキサム酸(第一三共プロファーマ製:商品名 日本薬局方 トラネキサム酸)1000mgを混合して混合物を得、乾燥剤である合成ゼオライト(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)1gとともにガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル13−Cを得た。
【0212】
【表13】

【0213】
表13に示す試験結果から、ロキソプロフェンナトリウム水和物とデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物のみを混合した混合物においては、相互作用が生じ、混合物が湿潤することが判明した。
一方、ロキソプロフェンナトリウム水和物、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物に、さらにトラネキサム酸を加えて混合した混合物においては、1週間保存後も保存開始直後と同様に白色粉体の状態が保たれることが判明した。
以上の試験結果から、トラネキサム酸又はその塩が、ロキソプロフェン又はその塩と、デキストロメトルファン又はその塩との相互作用を抑制する作用を有することが明らかとなった。
【0214】
[試験例14]ロキソプロフェンナトリウム水和物と無水カフェインの相互作用の検討
以下に示すサンプル14−A〜14−Cをそれぞれ調製後40℃75%RHで1週間保存し、保存開始直後、1日後、3日後及び1週間後におけるサンプル中の混合物の状態を評価し、相互作用の有無を確認した。結果を表14に示す。
【0215】
[サンプル14−A]
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)204.3mg及び無水カフェイン(静岡カフェイン工業所製:商品名 無水カフェイン)250mgを混合して混合物を得、ガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル14−Aを得た。
[サンプル14−B]
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)204.3mg、無水カフェイン(静岡カフェイン工業所製:商品名 無水カフェイン)250mg及びトラネキサム酸(第一三共プロファーマ製:商品名 日本薬局方 トラネキサム酸)750mgを混合して混合物を得、ガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル14−Bを得た。
[サンプル14−C]
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)204.3mg、無水カフェイン(静岡カフェイン工業所製:商品名 無水カフェイン)250mg及びトラネキサム酸(第一三共プロファーマ製:商品名 日本薬局方 トラネキサム酸)750mgを混合して混合物を得、乾燥剤である合成ゼオライト(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)1gとともにガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル14−Cを得た。
【0216】
【表14】

【0217】
表14に示す試験結果から、ロキソプロフェンナトリウム水和物と無水カフェインのみを混合した混合物においては、相互作用が生じ、混合物が固化することが判明した。
一方、ロキソプロフェンナトリウム水和物、無水カフェインに、さらにトラネキサム酸を加えて混合した混合物においては、1週間保存後も保存開始直後と同様に白色粉体の状態が保たれることが判明した。
以上の試験結果から、トラネキサム酸又はその塩が、ロキソプロフェン又はその塩とキサンチン誘導体との相互作用を抑制する作用を有することが明らかとなった。
【0218】
[試験例15]相互作用性成分及びトラネキサム酸の組合わせによる、ロキソプロフェン誘発消化管障害の抑制作用の検討
試験例15−1 トラネキサム酸による、ロキソプロフェン誘発消化管障害の抑制作用の検討
Wistar系ラット(Std:Wistar/ST、雄、8週齢)を用い、被験薬物投与群、及び対照群それぞれ1群当り6匹として試験を実施した。ラットは、試験開始の16時間以上前より絶食とした。水の摂取は試験開始1時間前までは自由摂取とし、以後絶水とした。
被験薬物として、トラネキサム酸(TXA)を0.5%メチルセルロース(MC)溶液に懸濁し、所定量(100、400mg/5mL/kg体重)経口投与した。また、対照群には溶媒(0.5%MC溶液)のみをそれぞれ同容量(5mL/kg体重)経口投与した。
被験薬物又は溶媒の投与1時間後に、ロキソプロフェンナトリウム水和物100mg/2mL生理食塩水/kg体重を経口投与し、胃粘膜障害を誘発した。ロキソプロフェンナトリウム水和物の投与5時間後、ラットを頚椎脱臼により安楽死させ、噴門部を結紮し胃を摘出した。幽門部から胃内に1%ホルマリン溶液10mLを注入し、幽門部を結紮後、胃全体を同ホルマリン溶液中に約20分間浸漬して軽度に固定した。
【0219】
胃粘膜障害の評価は、胃を大弯に沿って切開した後、実体顕微鏡下にて腺胃部に発生した個々の損傷(びらん)の長さ(mm)を測定することにより行い、ラット1匹当たりの損傷の長さの総和を潰瘍指数(U.I.:Ulcer Index)とし、被験薬物投与群、及び対照群それぞれ各群につき、潰瘍指数(平均値±標準誤差)を算出した。また、以下の式に従い、対照群の潰瘍指数の平均値を100%とした場合における被験薬物による潰瘍抑制率(%)を算出した。結果を表15に示す。
【0220】
潰瘍抑制率(%)=(対照群における潰瘍指数の平均値−被験薬物投与群における潰瘍指数の平均値)/対照群における潰瘍指数の平均値×100
【0221】
【表15】

【0222】
試験例15−2 クロルフェニラミンマレイン酸塩とトラネキサム酸との組合わせによる、ロキソプロフェン誘発消化管障害の抑制作用の検討
被験薬物として、トラネキサム酸(TXA)及びd−クロルフェニラミンマレイン酸塩(CM)を0.5%メチルセルロース(MC)溶液に懸濁したものを用い、所定量((TXA400mg+CM3mg)/5mL/kg体重)を経口投与することにより、試験例15−1と同様に試験を実施した。結果を表16に示す。
【0223】
【表16】

【0224】
試験例15−3 ブロムヘキシン塩酸塩とトラネキサム酸との組合わせによる、ロキソプロフェン誘発消化管障害の抑制作用の検討
被験薬物として、トラネキサム酸(TXA)及びブロムヘキシン塩酸塩(BH)を0.5%メチルセルロース(MC)溶液に懸濁したものを用い、所定量((TXA400mg+BH4mg)/5mL/kg体重)を経口投与した。
胃粘膜障害はロキソプロフェンナトリウム水和物120mg/2mL生理食塩水/kg体重を経口投与することにより誘発した。
上記以外は、試験例15−1と同様に試験を実施した。結果を表17に示す。
【0225】
【表17】

【0226】
試験例15−4 ジヒドロコデインリン酸塩とトラネキサム酸との組合わせによる、ロキソプロフェン誘発消化管障害の抑制作用の検討
被験薬物として、トラネキサム酸(TXA)及びジヒドロコデインリン酸塩(DP)を0.5%メチルセルロース(MC)溶液に懸濁したものを用い、所定量((TXA400mg+DP24mg)/5mL/kg体重)を経口投与することにより、試験例15−3と同様に試験を実施した。結果を表18に示す。
【0227】
【表18】

【0228】
試験例15−5 dl−メチルエフェドリン塩酸塩とトラネキサム酸との組合わせによる、ロキソプロフェン誘発消化管障害の抑制作用の検討
被験薬物として、トラネキサム酸(TXA)及びdl−メチルエフェドリン塩酸塩(ME)を0.5%メチルセルロース(MC)溶液に懸濁したものを用い、所定量((TXA400mg+ME60mg)/5mL/kg体重)を経口投与することにより、試験例15−3と同様に試験を実施した。結果を表19に示す。
【0229】
【表19】

【0230】
試験例15−6 デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物とトラネキサム酸との組合わせによる、ロキソプロフェン誘発消化管障害の抑制作用の検討
被験薬物として、トラネキサム酸(TXA)及びデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(DH)を0.5%メチルセルロース(MC)溶液に懸濁したものを用い、所定量((TXA400mg+DH48mg)/5mL/kg体重)を経口投与することにより、試験例15−3と同様に試験を実施した。結果を表20に示す。
【0231】
【表20】

【0232】
試験例15−7 無水カフェインとトラネキサム酸との組合わせによる、ロキソプロフェン誘発消化管障害の抑制作用の検討
被験薬物として、トラネキサム酸(TXA)及び無水カフェイン(Caf)を0.5%メチルセルロース(MC)溶液に懸濁したものを用い、所定量((TXA400mg+Caf100mg)/5mL/kg体重)を経口投与することにより、試験例15−1と同様に試験を実施した。結果を表21に示す。
【0233】
【表21】

【0234】
表15〜21の試験結果から、ロキソプロフェン誘発消化管障害に対して、トラネキサム酸の単独投与(400mg/kg)では45.9%の潰瘍抑制作用が認められた。
一方、トラネキサム酸とd−クロルフェニラミンマレイン酸塩の組合わせ(400mg/kg+3mg/kg)では67.9%、トラネキサム酸とブロムヘキシン塩酸塩の組合わせ(400mg/kg+4mg/kg)では54.4%、トラネキサム酸とジヒドロコデインリン酸塩の組合わせ(400mg/kg+24mg/kg)では98.0%、トラネキサム酸とdl−メチルエフェドリン塩酸塩の組合わせ(400mg/kg+60mg/kg)では63.4%、トラネキサム酸とデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物の組合わせ(400mg/kg+48mg/kg)では81.4%、トラネキサム酸と無水カフェインの組合わせ(400mg/kg+100mg/kg)では72.9%もの潰瘍抑制作用が認められた。
【0235】
以上の試験結果から、クロルフェニラミン又はその塩を包含する一般式(1)で表される化合物又はその塩、ブロムへキシンを包含する一般式(2)で表される化合物又はその塩、コデイン類、エフェドリン類、デキストロメトルファン又はその塩及びキサンチン誘導体からなる群より選ばれる1種又は2種以上の相互作用性成分とトラネキサム酸の組合わせは、ロキソプロフェンに起因する消化管障害に対し優れた抑制作用を有することが明らかとなった。また、ロキソプロフェンと同様に消化管障害を引き起こす他のNSAIDに対しても同様の抑制作用を示すものと考えられた。
【0236】
[実施例1]
9錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
ロキソプロフェンナトリウム水和物 204.3mg
d−クロルフェニラミンマレイン酸塩 3.5mg
トラネキサム酸 750mg
ヒドロキシプロピルセルロース 72.9mg
カルメロースカルシウム 243mg
結晶セルロース 1132mg
ステアリン酸マグネシウム 24.3mg
【0237】
[実施例2]
9錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
ロキソプロフェンナトリウム水和物 204.3mg
クレマスチンフマル酸塩 1.34mg
トラネキサム酸 750mg
ヒドロキシプロピルセルロース 72.9mg
カルメロースカルシウム 243mg
結晶セルロース 1134.16mg
ステアリン酸マグネシウム 24.3mg
【0238】
[実施例3]
9錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
ロキソプロフェンナトリウム水和物 204.3mg
カルビノキサミンマレイン酸塩 7.5mg
トラネキサム酸 750mg
ヒドロキシプロピルセルロース 72.9mg
カルメロースカルシウム 243mg
結晶セルロース 1128mg
ステアリン酸マグネシウム 24.3mg
【0239】
[実施例4]
9錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
ロキソプロフェンナトリウム水和物 204.3mg
ジフェニルピラリン塩酸塩 4mg
トラネキサム酸 750mg
ヒドロキシプロピルセルロース 72.9mg
カルメロースカルシウム 243mg
結晶セルロース 1131.5mg
ステアリン酸マグネシウム 24.3mg
【0240】
[実施例5]
9錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
ロキソプロフェンナトリウム水和物 204.3mg
エバスチン 10mg
トラネキサム酸 750mg
ヒドロキシプロピルセルロース 72.9mg
カルメロースカルシウム 243mg
結晶セルロース 1125.5mg
ステアリン酸マグネシウム 24.3mg
【0241】
[実施例6]
9錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
ロキソプロフェンナトリウム水和物 204.3mg
オキサトミド 60mg
トラネキサム酸 750mg
ヒドロキシプロピルセルロース 72.9mg
カルメロースカルシウム 243mg
結晶セルロース 1075.5mg
ステアリン酸マグネシウム 24.3mg
【0242】
[実施例7]
9錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
ロキソプロフェンナトリウム水和物 204.3mg
ジフェテロール塩酸塩 90mg
トラネキサム酸 750mg
ヒドロキシプロピルセルロース 72.9mg
カルメロースカルシウム 243mg
結晶セルロース 1045.5mg
ステアリン酸マグネシウム 24.3mg
【0243】
[実施例8]
9錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
ロキソプロフェンナトリウム水和物 204.3mg
ジフェンヒドラミン塩酸塩 75mg
トラネキサム酸 750mg
ヒドロキシプロピルセルロース 72.9mg
カルメロースカルシウム 243mg
結晶セルロース 1060.5mg
ステアリン酸マグネシウム 24.3mg
【0244】
[実施例9]
9錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
ロキソプロフェンナトリウム水和物 204.3mg
セチリジン塩酸塩 10mg
トラネキサム酸 750mg
ヒドロキシプロピルセルロース 72.9mg
カルメロースカルシウム 243mg
結晶セルロース 1125.5mg
ステアリン酸マグネシウム 24.3mg
【0245】
[実施例10]
9錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
ロキソプロフェンナトリウム水和物 204.3mg
フェキソフェナジン塩酸塩 120mg
トラネキサム酸 750mg
ヒドロキシプロピルセルロース 72.9mg
カルメロースカルシウム 243mg
結晶セルロース 1015.5mg
ステアリン酸マグネシウム 24.3mg
【0246】
[実施例11]
9錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
ロキソプロフェンナトリウム水和物 204.3mg
ベポタスチンベシル酸塩 20mg
トラネキサム酸 750mg
ヒドロキシプロピルセルロース 72.9mg
カルメロースカルシウム 243mg
結晶セルロース 1115.5mg
ステアリン酸マグネシウム 24.3mg
【0247】
[実施例12]
9錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
ロキソプロフェンナトリウム水和物 204.3mg
ホモクロルシクリジン塩酸塩 60mg
トラネキサム酸 750mg
ヒドロキシプロピルセルロース 72.9mg
カルメロースカルシウム 243mg
結晶セルロース 1075.5mg
ステアリン酸マグネシウム 24.3mg
【0248】
[実施例13]
9錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
ロキソプロフェンナトリウム水和物 204.3mg
ブロムヘキシン塩酸塩 12mg
トラネキサム酸 750mg
ヒドロキシプロピルセルロース 72.9mg
カルメロースカルシウム 243mg
結晶セルロース 1123.5mg
ステアリン酸マグネシウム 24.3mg
【0249】
[実施例14]
9錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
ロキソプロフェンナトリウム水和物 204.3mg
アンブロキソール塩酸塩 45mg
トラネキサム酸 750mg
ヒドロキシプロピルセルロース 72.9mg
カルメロースカルシウム 243mg
結晶セルロース 1090.5mg
ステアリン酸マグネシウム 24.3mg
【0250】
[実施例15]
9錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
ロキソプロフェンナトリウム水和物 204.3mg
グアイフェネシン 250mg
トラネキサム酸 750mg
ヒドロキシプロピルセルロース 72.9mg
カルメロースカルシウム 243mg
結晶セルロース 885.5mg
ステアリン酸マグネシウム 24.3mg
【0251】
[実施例16]
9錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
ロキソプロフェンナトリウム水和物 204.3mg
グアヤコールスルホン酸カリウム 250mg
トラネキサム酸 750mg
ヒドロキシプロピルセルロース 72.9mg
カルメロースカルシウム 243mg
結晶セルロース 885.5mg
ステアリン酸マグネシウム 24.3mg
【0252】
[実施例17]
9錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
ロキソプロフェンナトリウム水和物 204.3mg
カルボシステイン 750mg
トラネキサム酸 750mg
ヒドロキシプロピルセルロース 72.9mg
カルメロースカルシウム 243mg
結晶セルロース 385.5mg
ステアリン酸マグネシウム 24.3mg
【0253】
[実施例18]
9錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
ロキソプロフェンナトリウム水和物 204.3mg
エチルシステイン塩酸塩 300mg
トラネキサム酸 750mg
ヒドロキシプロピルセルロース 72.9mg
カルメロースカルシウム 243mg
結晶セルロース 835.5mg
ステアリン酸マグネシウム 24.3mg
【0254】
[実施例19]
9錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
ロキソプロフェンナトリウム水和物 204.3mg
リゾチーム塩酸塩 60mg
トラネキサム酸 750mg
ヒドロキシプロピルセルロース 72.9mg
カルメロースカルシウム 243mg
結晶セルロース 1075.5mg
ステアリン酸マグネシウム 24.3mg
【0255】
[実施例20]
9錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の
「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
ロキソプロフェンナトリウム水和物 204.3mg
ジヒドロコデインリン酸塩 24mg
トラネキサム酸 750mg
ヒドロキシプロピルセルロース 72.9mg
カルメロースカルシウム 243mg
結晶セルロース 1111.5mg
ステアリン酸マグネシウム 24.3mg
【0256】
[実施例21]
9錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
ロキソプロフェンナトリウム水和物 204.3mg
dl−メチルエフェドリン塩酸塩 60mg
トラネキサム酸 750mg
ヒドロキシプロピルセルロース 72.9mg
カルメロースカルシウム 243mg
結晶セルロース 1075.5mg
ステアリン酸マグネシウム 24.3mg
【0257】
[実施例22]
9錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
ロキソプロフェンナトリウム水和物 204.3mg
デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物 48mg
トラネキサム酸 750mg
ヒドロキシプロピルセルロース 72.9mg
カルメロースカルシウム 243mg
結晶セルロース 1087.5mg
ステアリン酸マグネシウム 24.3mg
【0258】
[実施例23]
9錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
ロキソプロフェンナトリウム水和物 204.3mg
無水カフェイン 150mg
トラネキサム酸 750mg
ヒドロキシプロピルセルロース 72.9mg
カルメロースカルシウム 243mg
結晶セルロース 985.5mg
ステアリン酸マグネシウム 24.3mg
【0259】
[実施例24]
6錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
トラネキサム酸 750mg
ロキソプロフェンナトリウム水和物 204.3mg
クレマスチンフマル酸塩 1.34mg
ブロムヘキシン塩酸塩 12mg
dl−メチルエフェドリン塩酸塩 60mg
ジヒドロコデインリン酸塩 24mg
チアミン硝化物(ビタミンB1硝酸塩) 25mg
リボフラビン(ビタミンB2) 12mg
トレハロース 600mg
結晶セルロース 467.36mg
マクロゴール6000 60mg
クロスカルメロースナトリウム 80mg
ポリビニールアルコール 1mg
軽質無水ケイ酸 24mg
硬化油 65mg
ステアリン酸マグネシウム 44mg
【0260】
[実施例25]
9錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
トラネキサム酸 750mg
ロキソプロフェンナトリウム水和物 204.3mg
ジフェニルピラリン塩酸塩 4mg
ジヒドロコデインリン酸塩 24mg
dl−メチルエフェドリン塩酸塩 60mg
グアヤコールスルホン酸カリウム 150mg
無水カフェイン 75mg
ヒドロキシプロピルセルロース 72.9mg
カルメロースカルシウム 243mg
結晶セルロース 822.5mg
ステアリン酸マグネシウム 24.3mg
【0261】
[実施例26]
2錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
ロキソプロフェンナトリウム水和物 136.2mg
無水カフェイン 75mg
トラネキサム酸 400mg
ヒドロキシプロピルセルロース 54.8mg
乳糖水和物 110mg
ステアリン酸マグネシウム 16mg
三二酸化鉄 8mg
【0262】
[実施例27]
実施例1で得た錠剤30錠及び合成ゼオライト1g(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)をガラス瓶(3K規格瓶)に入れ、医薬製剤を製した。
【0263】
[実施例28]
実施例2で得た錠剤30錠及び合成ゼオライト1g(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)をガラス瓶(3K規格瓶)に入れ、医薬製剤を製した。
【0264】
[実施例29]
実施例3で得た錠剤30錠及び合成ゼオライト1g(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)をガラス瓶(3K規格瓶)に入れ、医薬製剤を製した。
【0265】
[実施例30]
実施例4で得た錠剤30錠及び合成ゼオライト1g(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)をガラス瓶(3K規格瓶)に入れ、医薬製剤を製した。
【0266】
[実施例31]
実施例5で得た錠剤30錠及び合成ゼオライト1g(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)をガラス瓶(3K規格瓶)に入れ、医薬製剤を製した。
【0267】
[実施例32]
実施例6で得た錠剤30錠及び合成ゼオライト1g(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)をガラス瓶(3K規格瓶)に入れ、医薬製剤を製した。
【0268】
[実施例33]
実施例7で得た錠剤30錠及び合成ゼオライト1g(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)をガラス瓶(3K規格瓶)に入れ、医薬製剤を製した。
【0269】
[実施例34]
実施例8で得た錠剤30錠及び合成ゼオライト1g(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)をガラス瓶(3K規格瓶)に入れ、医薬製剤を製した。
【0270】
[実施例35]
実施例9で得た錠剤30錠及び合成ゼオライト1g(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)をガラス瓶(3K規格瓶)に入れ、医薬製剤を製した。
【0271】
[実施例36]
実施例10で得た錠剤30錠及び合成ゼオライト1g(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)をガラス瓶(3K規格瓶)に入れ、医薬製剤を製した。
【0272】
[実施例37]
実施例11で得た錠剤30錠及び合成ゼオライト1g(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)をガラス瓶(3K規格瓶)に入れ、医薬製剤を製した。
【0273】
[実施例38]
実施例12で得た錠剤30錠及び合成ゼオライト1g(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)をガラス瓶(3K規格瓶)に入れ、医薬製剤を製した。
【0274】
[実施例39]
実施例13で得た錠剤30錠及び合成ゼオライト1g(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)をガラス瓶(3K規格瓶)に入れ、医薬製剤を製した。
【0275】
[実施例40]
実施例14で得た錠剤30錠及び合成ゼオライト1g(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)をガラス瓶(3K規格瓶)に入れ、医薬製剤を製した。
【0276】
[実施例41]
実施例15で得た錠剤30錠及び合成ゼオライト1g(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)をガラス瓶(3K規格瓶)に入れ、医薬製剤を製した。
【0277】
[実施例42]
実施例16で得た錠剤30錠及び合成ゼオライト1g(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)をガラス瓶(3K規格瓶)に入れ、医薬製剤を製した。
【0278】
[実施例43]
実施例17で得た錠剤30錠及び合成ゼオライト1g(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)をガラス瓶(3K規格瓶)に入れ、医薬製剤を製した。
【0279】
[実施例44]
実施例18で得た錠剤30錠及び合成ゼオライト1g(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)をガラス瓶(3K規格瓶)に入れ、医薬製剤を製した。
【0280】
[実施例45]
実施例19で得た錠剤30錠及び合成ゼオライト1g(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)をガラス瓶(3K規格瓶)に入れ、医薬製剤を製した。
【0281】
[実施例46]
実施例20で得た錠剤30錠及び合成ゼオライト1g(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)をガラス瓶(3K規格瓶)に入れ、医薬製剤を製した。
【0282】
[実施例47]
実施例21で得た錠剤30錠及び合成ゼオライト1g(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)をガラス瓶(3K規格瓶)に入れ、医薬製剤を製した。
【0283】
[実施例48]
実施例22で得た錠剤30錠及び合成ゼオライト1g(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)をガラス瓶(3K規格瓶)に入れ、医薬製剤を製した。
【0284】
[実施例49]
実施例23で得た錠剤30錠及び合成ゼオライト1g(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)をガラス瓶(3K規格瓶)に入れ、医薬製剤を製した。
【0285】
[実施例50]
実施例24で得た錠剤12錠をアルミPTP包装した。
【0286】
[実施例51]
実施例25で得た錠剤30錠及び合成ゼオライト1g(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)をガラス瓶(3K規格瓶)に入れ、医薬製剤を製した。
【0287】
[実施例52]
実施例26で得た錠剤12錠をPTP包装した。
【産業上の利用可能性】
【0288】
本発明によれば、ロキソプロフェン又はその塩と相互作用性成分との相互作用を抑制できる。従って、保存安定性が優れた、ロキソプロフェン又はその塩、及び相互作用性成分を含む医薬組成物を提供することができる。本発明の医薬組成物は、2つの抗炎症成分トラネキサム酸、ロキソプロフェンが、つらいかぜ症状のもとになる炎症を抑え、のどの痛み、熱などにすぐれた効果を発揮するため、例えば総合感冒薬(かぜ薬)として好適に使用でき、医薬品産業等において利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)ロキソプロフェン又はその塩
(B)次の成分(B−1)〜(B−9)からなる群より選ばれる1種又は2種以上
(B−1)下記一般式(1)
【化1】

[式(1)中、Xは単結合又は酸素原子を示し、Yはメチン基又は窒素原子を示し、R1は水素原子、水酸基又はアルキル基を示し、R2は置換基を有してもよい環状アミノ基、又は置換基を有してもよいアミノアルキル基を示し、R3は水素原子又はハロゲン原子を示す。]
で表される化合物又はその塩
(B−2)下記一般式(2)
【化2】

[式(2)中、R4は水素原子又はメチル基を示し、R5は水素原子又は水酸基を示す。]で表される化合物又はその塩
(B−3)下記一般式(3)
【化3】

[式(3)中、R6はアルキル基又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示し、R7は水素原子又はスルホ基を示す。なお、式(3)中のフェノール性水酸基はエーテル化されていてもよい。]
で表される化合物又はその塩
(B−4)システイン誘導体
(B−5)リゾチーム又はその塩
(B−6)コデイン類
(B−7)エフェドリン類
(B−8)デキストロメトルファン又はその塩
(B−9)キサンチン誘導体
(C)トラネキサム酸又はその塩
を含有する医薬組成物。
【請求項2】
成分(B)が、次の成分からなる群より選ばれる1種又は2種以上
(B−1−1)クロルフェニラミン又はその塩、(B−1−2)クレマスチン又はその塩、(B−1−3)カルビノキサミン又はその塩、(B−1−4)ジフェニルピラリン又はその塩、(B−2−1)ブロムヘキシン又はその塩、(B−2−2)アンブロキソール又はその塩、(B−3−1)グアヤコール誘導体又はその塩、(B−3−2)クレゾール誘導体又はその塩、(B−4−1)カルボシステイン又はその塩、(B−4−2)メチルシステイン又はその塩、(B−4−3)エチルシステイン又はその塩、(B−5)リゾチーム又はその塩、(B−6)コデイン類、(B−7)エフェドリン類、(B−8)デキストロメトルファン又はその塩、(B−9−1)カフェイン
である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
成分(B)が、次の成分からなる群より選ばれる1種又は2種以上
(B−1−1)クロルフェニラミン又はその塩、(B−2−1)ブロムヘキシン又はその塩、(B−6)コデイン類、(B−7)エフェドリン類、(B−8)デキストロメトルファン又はその塩、(B−9−1)カフェイン
である、請求項1又は2記載の医薬組成物。
【請求項4】
成分(B)が、コデイン類である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
消化性潰瘍の罹患者及び/又は既往歴のある者に投与するためのものである、請求項3又は4記載の医薬組成物。
【請求項6】
固形製剤である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
剤形が、錠剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、丸剤又はカプセル剤である請求項1〜6のいずれか1項に記載の医薬組成物。

【公開番号】特開2011−246441(P2011−246441A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77509(P2011−77509)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000163006)興和株式会社 (618)
【Fターム(参考)】