説明

ロケーションベースサービス(LBS)システム、移動局LBSアプリケーションのトリガのための方法及び装置

【課題】
【解決手段】モバイルポジショニングセンタ(MPC)やモバイルセンタ(MC)といったネットワーク要素によってのみトリガされ、移動局内で実行されるアプリケーション。ネットワーク要素は基地局と結合される。ネットワーク要素は、移動局内に常駐する、又は、ネットワークのどこかに常駐している装置で実行される、アプリケーションを認証する責任を負う。移動局は、基地局及び他のインフラストラクチャコンポーネントを介して通信リンク上でネットワーク要素と通信する。米国電気通信工業会(TIA)/米国電子工業会(EIA)によって発行されている暫定仕様(Interim Specification)637A(IS−637A)で定義されるようなショートメッセージサービス(SMS)メッセージを移動局が受信する場合のみ、移動局は特定の動作(例えば、特定のアプリケーションの作動)をトリガしようとする試みに応答するであろう。より具体的には、そのSMSメッセージは、特定の事前に割り当てられた値を有するSMSテレサービス識別子(Teleservice Identifier)を含まなければならない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に通信に関し、より具体的には、ロケーションベースアプリケーションを通信システムの移動局内で作動させるべくトリガすることで位置決定を実行するシステム、方法、及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線ユーザのロケーションを知るのが望ましいことはしばしばある。実際、それは時々必要となる。例えば、連邦通信委員会(FCC:Federal Communications Comission)は、移動局(例えば、携帯電話)のロケーションが公安応答局(PSAP:Public Safety Answering Point)に提供されることを、当該移動局から911番に電話がかけられる度に要求する、エンハンスト911(E−9−1−1)ワイヤレスサービスの報告及び指令を採用している。FCCの指令に加えて、ネットワークオペレータ/サービスプロバイダは、ロケーションベースサービスを使用する多様なアプリケーションをサポートし得る。そのようなサービスは、移動局のロケーションを提供する。「アプリケーション」とは、ロケーション情報から作られる特定の用途をいう。しばしば、アプリケーションは、移動局内のプロセッサか、当該移動局と通信中のワイヤレスインフラストラクチャネットワーク内に置かれたプロセッサによって実行されるコンピュータソフトウェアと共に導入される。この情報を使用するアプリケーションは、例えば、ロケーションセンシティブな広告、資産トラッキング、資産モニタリング及び回復、車両及びリソースマネジメント、パーソナルロケーションサービス等を含み得る。パーソナルロケーションサービス用アプリケーションの具体例の一部には、(1)移動局にそのロケーションに基づいてローカルマップを提供すること、(2)移動局のロケーションに基づいて設備(例えば、ホテル又はレストラン)の推薦を提供すること、及び(3)移動局の現在のロケーションから、推薦された設備への案内(directions)を提供すること、が含まれる。
【0003】
現在、少なくともいくつかの状況において、ロケーションベースサービス(すなわち、そのロケーションを知りたいと望む移動局、又は移動局のロケーションを望むエンティティ(entity))の使用には、サービスプロバイダへの支払いが要求される。プライバシーへの配慮を確実にするだけでなく、そのような支払いの集金ができることを確実にするために、またその他の理由から、アプリケーションを「認証する」ことが重要である。アプリケーションの認証とは、「充分な」アイデンティティ及び請求情報があることを確認する行為を言う。そのようなアイデンティティ及び請求情報には、1)請求先住所、2)要求されたロケーション情報にアクセスするための、サービスプロバイダからの認証、3)請求対象者と請求者(すなわち、サービスプロバイダ)間での、要求されたロケーション情報が提供される契約条件に関する合意、といったものが含まれる。アイデンティティ及び請求情報が「充分」であるとみなされるのは、それにより、1)サービスプロバイダがロケーションベースサービス(例えば、ポジションロケーション情報の提供)を使用している当事者に対して請求及び料金の集金をすることが可能となり、かつ、2)ロケーション情報を利用可能となるであろう如何なる者のプライバシーも保護される場合である。
【0004】
一般に、移動局によってアクセスされるアプリケーションは、ネットワーク内のコンポーネント(component)内で実行されるものである。そのような場合、アプリケーションは通常、外部の情報要求に応答するために、又は、移動局の位置が決定されるようにすることを目的として移動局内でアプリケーションを実行することを開始するために、移動局をトリガ(trigger)することが必要であろう。しかし、プライバシーと、請求が無視されないことを確実にすること、という上述した懸念の双方に鑑み、トリガすることを認証されていない外部装置によって移動局がトリガされないことを確実にするような、何らかのセキュリティが適切に導入される必要がある。ここに開示された方法及び装置は、そのような保証のために提供される。
【発明の開示】
【0005】
[概要]
本願は、2003年1月31日出願の米国仮出願第60/444,248号、及び、2003年2月5日出願の米国仮出願第60/445,815号の利益を主張するものであり、その全体が、あらゆる目的のために、参照することで組み込まれる。
【0006】
ここに開示されている方法及び装置は、移動局内で実行されるアプリケーションが、モバイルポジショニングセンタ(MPC:mobile positioning center)によってのみトリガされることを可能とする。移動局は、通信インフラストラクチャのコンポーネントと通信するが、これは開示された方法及び装置の一実施形態によれば、セルラ通信ネットワークインフラストラクチャ内のコンポーネントである。典型的なセルラ通信ネットワークインフラストラクチャは基地局を含むが、これを介して信号が無線移動局とネットワークとの間で無線で送信される。MPCは、当技術分野において周知である種々の可能な構成のうち任意の一つを使用して、基地局と結合される。ここに開示されている方法及び装置によれば、MPCは、移動局内に常駐する、又は、ネットワークのどこかに常駐している装置で実行される、アプリケーションを認証する責任を負う。移動局は、基地局及び他のインフラストラクチャコンポーネントを介して通信リンク上でMPCと通信する。開示された方法及び装置によれば、米国電気通信工業会(TIA)/米国電子工業会(EIA)によって発行されている暫定仕様(Interim Specification)637A(IS−637A)で定義されるようなショートメッセージサービス(SMS)メッセージを移動局が受信する場合のみ、移動局は特定の動作(例えば、特定のアプリケーションの実行)をトリガしようとする試みに応答するであろう。より具体的には、そのSMSメッセージは、特定の事前に割り当てられた値を有するSMSテレサービス識別子(SMS Teleservice Identifier)を含まなければならない。
【0007】
本発明の様々な面及び実施形態は、以下により詳細に説明されている。
【0008】
[詳細な説明]
開示されている方法及び装置は、同様の参照符号は同様の構成要素を特定する以下の図面と併せて、以下の詳細な説明から一層明確になるであろう。
【0009】
図1は、開示された方法及び装置による、移動局101、ワイヤレス通信ネットワーク103、モバイルポジショニングセンタ(MPC)105、及び位置決定装置(PDE)107を含むシステム100を説明する簡易化したブロック図である。移動局101は、移動局101内で、又は、101の外部で実行され得るLBSアプリケーションと共にロケーションベースサービス(LBSs:location based services)をサポートできる任意の無線装置であってよい。本明細書の目的のため、LBSアプリケーションは、任意のプログラム、アプレット、ルーチン、又は、他のそのようなコンピュータ導入アルゴリズム(computer implemented algorithm)であって、当該アプリケーションが作動している移動局のロケーション、あるいは別の移動局のロケーションを使用して情報又はサービスをユーザに提供するものを含む。そのようなLBSアプリケーションは、1)LBSクライアント(すなわち、LBSサービスを要求している人物)が、適切に装備された移動局を使用している別の人物の位置を突き止める(locate)ことを可能とするために、別の人物によって操作されている移動局のロケーションを識別すること、2)近くの製品又はサービスステーションの位置を突き止め、ユーザに、ATMやレストラン等の当該ステーションへの案内を提供すること、3)適切に装備された移動局を追跡すること等ができるプログラムを含む。無線装置の例には、携帯電話、ワイヤレスモデム、個人情報マネージャ(PIMs:personal information managers)、携帯情報端末(PDAs:personal digital assistants)等が含まれる。
【0010】
図1に示されるように、移動局101は、ワイヤレスネットワーク103と無線リンク102上で通信する。ワイヤレスネットワーク103は、無線リンク102上で移動局101から情報を受信、及び移動局101へ情報を送信することが可能な基地局104を少なくとも含む。本開示の目的のため、基地局104は、基地局コントローラ(BSCs:base station controllers)、移動通信交換局(MSCs:mobile switching centers)等、簡便化のために図示されていないワイヤレスネットワーク103の様々な他のコンポーネントを含む。
【0011】
基地局104は、ケーブル、マイクロ波中継装置(microwave links)、衛星通信リンク等を含む任意の従来の通信媒体によって、MPC105に結合されるが、これらに限定されるものではない。同様に、MPC105は、任意の従来の通信媒体によって、PDE107に結合される。
【0012】
図2は、開示された方法及び装置による、移動局101の構成要素の簡易化したブロック図である。図2に示される移動局101は、送信機201、プロセッサ203、アプリケーションメモリ205、及び汎用メモリ207を含む。プロセッサ203は、一つのブロックとして示されている。しかし、プロセッサ203により実行されるものとして開示される機能は、提携して作動する、又は独立して動作する、別個のプロセッサの集まり(collection)によって実行されてもよいことが、当業者には理解されるべきである。従って、そのようなプロセッサの集まりは、開示された機能を実行するために連結されてもよいし、又は、それらは互いに完全に独立して動作してもよい。さらに、開示された方法及び装置の別の実施形態によれば、アプリケーションメモリ205及び汎用メモリ207を結合して、これら二つのメモリ205、207に格納されるものとして本明細書に開示される情報を格納する、単独のメモリ装置としてもよい。また別の実施形態において、移動局101は、移動局101内で情報を格納する責任を共有する複数の付加的な独立したメモリ装置を具備し得る。
【0013】
ここに開示された方法及び装置の一実施形態によれば、プロセッサ203は、プロトコルスタック(protocol stack)として提携して動作する複数の機能を有する。しかし、この特定の構成は、開示された方法及び装置に必須のものではないことが理解されるべきである。
【0014】
図3は、開示された方法及び装置の一実施形態の中で使用されるプロトコルスタック300の例の概略図である。本開示の目的のため、プロトコルスタックは、一般に一つのルーチンが、別の下位レベルのルーチン又はプログラムの上に構築され、当該別の下位レベルのルーチン又はプログラムの機能を使用し、共に動作するプログラム指令又はルーチンの任意の組である。図3のプロトコルスタック300内の第1の機能は、オペレーティングシステム301である。オペレーティングシステム301は基礎的な機能であって、その上に他の機能が構築される。つまり、オペレーティングシステム301は、プロセッサ203内で実行される他の機能によってアクセス及び使用されることが可能な機能を含む。ここに開示された方法及び装置の一実施形態によれば、オペレーティングシステム301は、ワイヤレス用バイナリランタイム環境(BREW:Binary Run−time Environment for Wireless)オペレーティングシステムである。あるいは、オペレーティングシステム301は、ワイヤレスアプリケーションプロトコル(WAP)である。また別の実施形態において、オペレーティングシステムはショートメッセージサービス(SMS)オペレーティングシステムである。また別の実施形態では、オペレーティングシステムはJava(登録商標)オペレーティングシステム等である。Java(登録商標)は、サンマイクロシステムズ社のオペレーティングシステムの登録商標である。当業者であれば、使用される特定のオペレーティングシステムは、LBSアプリケーション303が移動局101内で作動することを認証する、ここに開示された方法及び装置に直接関連しないことを認識するであろう。
【0015】
一実施形態によれば、アプリケーションクライアント機能303は、オペレーティングシステム301の上で作動する。ある例において、アプリケーションクライアント機能303は、キーボードやタッチスクリーンといった従来のデータ入力装置を介して移動局のユーザから情報を受信するために、ユーザインタフェース機能にアクセス、及び、ユーザインタフェース機能を利用し得るLBSアプリケーションである。そのようなLBSアプリケーションはまた、液晶ダイオード(LCD:liquid crystal diode)ディスプレイ画面を介して、移動局のユーザに情報を提供するために、オペレーティングシステム機能にアクセス、及びオペレーティングシステム機能を利用してもよい。別の例では、アプリケーションクライアント機能303は、オペレーティングシステム301とプロトコルスタック300のより上位の層との間のインタフェースを取ってポジションロケーション決定動作を開始するルーチンである。
【0016】
アプリケーションクライアント機能の一つの機能は、移動局101の位置を突き止めるのを支援することである。また、アプリケーションクライアント機能がLBSアプリケーションの場合、当該アプリケーションは、移動局の近傍にどのような関心地点(points of interest)やサービスポイントがあるかを判断し(例えば、店舗、ATM、レストラン、美術館等)、移動局のロケーション及び特定のサービスステーションや関心地点のロケーションの知識に基づいて、ナビゲーション案内や地図をユーザに提供し得る。
【0017】
アプリケーションクライアント機能303は、ポジションロケーションエンジン305にアクセスすることで移動局101の位置を突き止めることを支援する。ポジションロケーションエンジン305は、移動局101それ自身のロケーションを決定することができる、又は、別の装置が移動局101のロケーションを決定するのを補助するのに有用な、GPS衛星の擬似範囲(pseudo−ranges to GPS satellites)といった情報を提供することができる任意の機能であってよい。開示された方法及び装置の一実施形態において、ポジションロケーションエンジン305は、全地球測位(GPS:global positioning satellite)システムのコンポーネントである。この例のポジションロケーションエンジン305は、移動局が(GPS受信機ハードウェア202と共に)移動局101のロケーションを決定する目的でGPS衛星から情報を受信することを可能にするGPS受信機機能を含む。
【0018】
また、開示された方法及び装置の一実施形態では、ポジションロケーションエンジン305は補助情報(aiding information)を要求し、PDE107から補助情報を受信する。例えば、一実施形態において、移動局101は、どの衛星が「視野内(in view)」なのかに関する情報を要求する。ある衛星が視野内の場合、移動局101は当該衛星から情報を受信及び復調することができるべきである。
【0019】
また、移動局101は、視野内の衛星のロケーションに関する情報、視野内の衛星から受信した情報を使用して移動局101のロケーションを計算するときに使用すべき修正率(correction factors)についての情報、視野内の衛星から信号を受信するときに移動局101が直面し得るドップラーシフトの量に関する情報、及び他のそのような有用な情報を要求するかもしれない。この情報により、移動局101が衛星をより急速に検知及び「捕捉(acquire)」することが可能になる。衛星の捕捉とは、移動局101が衛星から送信された信号を受信し、移動局101が衛星から送信された信号上に変調された情報を解釈する準備として、受信した情報を移動局101内のローカルなタイミングに合わせる(aligns)処理を言う。PDE107から補助情報を受信する処理に関する更なる論考を以下に与える。
【0020】
図3はまた、SMSメッセージングプロトコル層307を示す。SMSメッセージングプロトコル層307は、双方ともにTIA/EIAによって刊行されているIS−637A及びIS−41に概要が述べられている、周知のSMS通信プロトコルに従ってメッセージを送信及び受信するためのサポートを提供する。従って、移動局101によって受信又は送信されるべき情報は、SMSメッセージングプロトコル層307に提供される。SMSメッセージングプロトコル層307は次に、情報が送信されるべき他の装置が、移動局101によって送信された情報を受信及び解釈できるように、SMSプロトコル仕様に従って情報を適切にフォーマットする。
【0021】
また、SMSメッセージングプロトコル層は、受信したメッセージ中のデータに基づいて、適切なより下位レベルのプロトコル層にメッセージをルーティングする。特に、SMSメッセージは、一般にSMSテレサービス識別子(SMS teleservice identifier)として知られるフィールドを有している。SMSテレサービス識別子フィールド内のバリューキャリア(value carrier)に応じて、SMSメッセージは解釈のために異なるコンポーネントへルーティングされるであろう。ここに開示された方法及び装置によれば、SMSテレサービス識別子フィールド中の特定の値は、ポジションロケーションエンジン305により解釈されることを意図されたメッセージに関連付けられる。他のメッセージは全て、解釈及び作用される(作用されない)べく別のプロトコル層に送信される。SMSテレサービス識別子フィールドの顕著な特徴は、SMSメッセージ内のペイロードフィールドとは対照的に、通信システム内の選択されたコンポーネントによってのみSMSテレサービス識別子フィールドを変更できる(すなわち、情報を当該フィールドに入れることができる)ということである。これらのコンポーネントで最も重要なものはMPC105である。従って、ネットワークコンポーネントのみがSMSテレサービス識別子フィールドの値を変更可能であって、SMSテレサービス識別子フィールドの値が特定の所定の値である場合に移動局101はメッセージをポジションロケーションエンジン305にルーティングするのみであるなら、移動局101内のポジションロケーションエンジン305へのアクセスを許可する安全な(secure)システムを確立することができる。
【0022】
図4は、開示された方法及び装置を実施するシステム100の多様なコンポーネント間で渡されるメッセージのシーケンスを示す概略図である。図4の上部に渡って示されるブロックは、これらのコンポーネントの各々を表す。これらのコンポーネントは、SMSメッセージングプロトコル層307、アプリケーションクライアント機能303、ポジションロケーションエンジン305、PDE107、MPC105、モバイルセンタ(MC)402、及びLBSクライアント403を含む。各コンポーネント303、305、107、105、402、403から垂直に下りているライン401は、時間の経過を表す。コンポーネント303、305、107、105、402、403に最も近いラインのポイントは、最新の時点を表す。
【0023】
最初に、LBSクライアント403(例えば、別の移動局)は、矢405で示されるように、MPC105から移動局101の位置を要求する。MPC105は、要求が認証されているかどうかを判断する責任を負う。要求が認証されていると判断すると、MPC105は、モバイル終端の(MT:mobile terminated)SMSメッセージ409を移動局101に提供するのに加えて、「GPOSREQ」メッセージ407をPDE107に提供する。PDE107に対するGPOSREQメッセージ407は、移動局101のロケーションを決定するに際してPDE107がポジションロケーションエンジン305と共に動作するのを支援する情報をPDE107に供給する(seed)。特に、GPOSREQメッセージ407は、移動局101が通信中の基地局104のロケーションに関する情報をPDE107に提供する。この情報により、PDE107は、移動局101のロケーションを数マイルかそれよりも小さい範囲に決定することが可能になる。そこでPDE107は、移動局101内のポジションロケーションエンジン305が、どの衛星が視野内なのかをより容易に決定できるように、及び、それらの衛星をはるかに速く捕捉ように支援する補助情報を最も効率的に提供することができる。
【0024】
MT SMSメッセージ409は、MPCからMC402へ送信される。MC402は次に、メッセージが、ポジションロケーション動作を実行するために移動局101をトリガすることを意図されたものであると判断する。従って、MC402は、メッセージ411を移動局101内のSMSメッセージングプロトコル層307用にフォーマットする。MC402からSMSメッセージングプロトコル層307へのメッセージ411は、テレサービス識別子フィールド中に所定の値を含む。開示された方法及び装置の一実施形態では、SMSメッセージングプロトコル層307が、到来するMT SMSメッセージを、アプリケーションクライアント機能303及び最終的にはポジションロケーションエンジン305を対象としたメッセージとして解釈すべきことを表す所定の値として65001の値が選択される。テレサービス識別子フィールドに所定の値を含むメッセージ411を受信すると、SMSメッセージングプロトコル層307は、SMSメッセージ411のペイロードに含まれている情報を、SMSメッセージングプロトコル層307からアプリケーションクライアント機能303へのメッセージ413の中でアプリケーションクライアント機能303に渡す。
【0025】
アプリケーションクライアント機能303は次に、メッセージ415をポジションロケーションエンジン305に送信する。アプリケーションクライアント機能303は、TIA/EIAにより発行されているIS−801に従って、ポジションロケーションに関連する情報のPDE107への送信、及びPDE107からの受信を開始するようにポジションロケーションエンジン305に命令するために、メッセージ415をポジションロケーションエンジン305用に定式化する。この「IS−801セッション」417の結果は、移動局101の位置の決定である。PDEは次に、移動局101の位置をメッセージ419でMPC105に送信する。MPC105は、今度は移動局101の位置をLBSクライアント403に送信する。
【0026】
MC402は、SMSメッセージのテレサービス識別子フィールド中のビットを変更することをネットワーク内で唯一可能とされているので、ルージュ(rouge)移動局といった認証されていないエンティティが、認証されていないトリガを移動局101に与えて、移動局101のロケーションが適切な認証なしに決定される可能性が無い。
【0027】
上記方法及び装置の説明は、いかなる当業者も本明細書に添付された特許請求の範囲によって定義される発明を構成又は使用することを可能にすべく提供されている。これらの方法及び装置に対する多様な変形は、当業者には容易にはっきりと理解できるであろう。しかし、本明細書に定義される一般的な原理は、特許請求の範囲に記載された発明の精神又は範囲から逸脱することなく、方法及び装置の他の実施形態に適用し得る。従って、特許請求の範囲に記載された発明は、本明細書に示される方法や装置の実施形態に限定されることを意図されたものではなく、むしろ本明細書に開示された原理及び新規な特徴に合致する最も広範な範囲と一致すべきものである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】開示された方法及び装置による、移動局、無線通信ネットワーク、モバイルポジショニングセンタ(MPC)、及び位置決定装置(PDE)を含むシステムを説明する簡易化したブロック図である。
【図2】開示された方法及び装置による、移動局101の構成要素の簡易化したブロック図である。
【図3】開示された方法及び装置の一実施形態の中で使用されるプロトコルスタック300の例の概略図である。
【図4】開示された方法及び装置を実施するシステムの多様なコンポーネント間で渡されるメッセージのシーケンスを示す概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動局上で作動されるアプリケーションを認証する方法であって、該方法は、
a.前記移動局上でアプリケーションを作動させようと試みることと、
b.前記アプリケーションの認証を要求することと、
c.モバイルポジショニングセンタ(MPC)に前記アプリケーションの前記認証の要求を実現させるために、MPCと直接通信することと、
d.前記アプリケーションが認証される場合、前記アプリケーションが認証されることに応答して前記アプリケーションを作動させ続けるのに必要な情報を前記移動局内で受信することと、
e.前記アプリケーションが認証されない場合、前記アプリケーションが認証されないことに応答して前記アプリケーションを作動させるのに必要な少なくとも一部の情報を受信できないこと、を具備する。
【請求項2】
a.前記アプリケーションが認証されていない場合、認証が失敗したことを表す応答メッセージを受信することと、
b.前記応答メッセージの受信に応答して、前記アプリケーションを停止させること、
を更に具備する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記移動局上で作動させようと試みられる前記アプリケーションは、要求された情報を全て受信するために前記MPCからの認証を要求する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記移動局上で作動させられるべき前記アプリケーションの前記認証は、電話通信を認証する目的で前記移動局から要求されるべき他の認証動作とは独立している、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
作動させられるべき前記アプリケーションの前記認証は更に、他のアプリケーションを認証するために要求されるべき他の認証動作とは独立している、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記MPCによる前記アプリケーションの前記認証は、前記移動局が他のコンポーネントと通信することを可能にする、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記他のコンポーネントは、位置決定エンティティを含む、請求項6に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−517771(P2006−517771A)
【公表日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503257(P2006−503257)
【出願日】平成16年2月2日(2004.2.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/002936
【国際公開番号】WO2004/071126
【国際公開日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】