説明

ロック装置

【課題】操作性を損なうことなく部材のガタツキを抑える。
【解決手段】ロック装置20の規制手段は、操作部材30および該操作部材の下側に設けられたロッド部材40の間に臨む連動軸部56に対して、操作部材30の移動に伴い相対的に接離する第1規制部60と、操作部材30の上側に臨むようにベース22に設けられ、操作部材30の上側に設けられた当接部64に対して操作部材30の移動に伴い相対的に接離する第2規制部62とから構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、第1の部材と第2の部材との相対的な移動を規制または許容するロック装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車等に設置される収納ボックスは、上方へ開放する収納部を画成する本体部材と、この本体部材の上部に変位可能に取り付けられて収納部を開閉する蓋部材と、この蓋部材を本体部材に対して開放規制するロック装置とを備えている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のロック装置は、蓋部材に固定されるベースと、このベースの長手方向に沿って移動する操作子と、この操作子の移動に応じて本体部材に穿設された軸孔内に挿脱されるロッドとから基本的に構成されている。このロック装置のベースは、操作子の移動方向に沿って設けられて、操作子を左右から挟む一対の側壁と、各側壁の上端に設けられて、操作子の上側から当接する保持爪と、各側壁の上端に設けられて、操作子の上面に弾力的に当接する弾性爪とを備えている。そして、特許文献1のロック装置は、一対の側壁に挟んで操作子の左右方向のガタツキを抑制すると共に、操作子の上面に当接する保持爪および弾性爪によって該操作子の上下方向のガタツキを抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−76344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示のロック装置は、ベースと保持爪および弾性爪とによって操作子が上下から挟持されているので、使用者の操作に伴う操作子の移動やリターンスプリングによる操作子の復帰移動に際して上下から余計な負荷がかかる。このため、特許文献1のロック装置の構成では、操作子をスムーズに動かすことができない難点がある。
【0005】
すなわち本発明は、従来の技術に係るロック装置に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、操作性を損なうことなく、部材のガタツキを軽減し得るロック装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明のロック装置は、
第1の部材と第2の部材との相対的な移動を規制または許容するロック装置において、
前記第1の部材に設けられたベースにスライド変位可能に配設され、通常位置と操作位置との間で移動される第1スライド部材と、
前記ベースと第1スライド部材との間に一端部が位置すると共に該ベースにスライド変位可能に配設され、連動手段によって第1スライド部材の移動に連動して他端部が前記第2の部材に係合するロック位置と他端部が該第2の部材から退避するロック解除位置との間で移動される第2スライド部材と、
前記第1スライド部材が通常位置にあると共に前記第2スライド部材がロック位置にある通常状態において、該第1スライド部材を保持する規制手段とを備え、
前記規制手段は、
前記第1スライド部材および第2スライド部材の間に臨む前記連動手段の連動軸部に対して、該第1スライド部材の移動に伴い相対的に接離する第1規制部と、
前記第1スライド部材における第2スライド部材と反対側に臨むように前記ベースに設けられ、第1スライド部材における該第2スライド部材と反対側に設けられた当接部に対して該第1スライド部材の移動に伴い相対的に接離する第2規制部とを備え、
前記連動軸部と第1規制部とは、前記通常状態において弾力的に当接して、該連動手段によって操作位置から通常位置に向けて付勢される第1スライド部材の移動を規制すると共に、前記当接部と第2規制部とは、前記通常状態において弾力的に当接して、前記連動手段によって操作位置から通常位置に向けて付勢される第1スライド部材の移動を規制するよう構成したことを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、通常状態で弾力的に当接する連動軸部と第1規制部との当接組と、通常状態で弾力的に当接する第1スライド部材の当接部とベースの第2規制部との当接組とが、ベース、第1スライド部材および第2スライド部材の重なり方向に離間して設けられているので、これらの2点の当接組に支持されて第1スライド部材の重なり方向のガタツキを通常状態において抑制することができる。しかも、ロック装置は、連動軸部および第1規制部の当接組と当接部および第2規制部の当接組とによって前記重なり方向に離間した2点で支持し、第1スライド部材の操作位置への移動時に当接組を構成する部位が互いに離間する構成であるので、操作位置への移動時に第1スライド部材に規制手段が当接せず、第1スライド部材および第2スライド部材をスムーズに動作させることができる。
【0007】
請求項2に係る発明では、前記第2スライド部材は、前記第1スライド部材の移動方向と交差する方向に移動されると共に、該第2スライド部材に対応して設けられた前記第1規制部は、前記第2規制部に対して前記第1スライド部材の移動方向と交差する方向に離間配置され、
前記第1規制部は、前記連動軸部に対して前記通常状態において弾力的に当接して、該連動手段によってロック解除位置からロック位置に向けて付勢される第2スライド部材の移動を規制するよう構成されたことを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、連動軸部と第1規制部との当接組によって第2スライド部材の移動規制ができると共に、第1スライド部材の移動方向と交差する方向に離間する連動軸部および第1規制部の当接組と当接部および第2規制部の当接組とによって第1スライド部材の移動方向と交差する方向のガタツキを抑えることができる。
【0008】
請求項3に係る発明では、前記連動手段によって前記第1スライド部材の移動方向と交差する方向へ該第1スライド部材の移動方向を挟んで互いに対称な関係で移動する一対の第2スライド部材を備え、
前記第2スライド部材の夫々に対応して対をなす前記第1規制部が、前記第2規制部を挟んで設けられたことを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、当接部および第2規制部の当接組と、当該当接組を挟んで設けられた連動軸部および第1規制部の当接組によって、通常状態でベース、第1スライド部材および第2スライド部材の重なり方向および連動軸部および第1規制部の当接組の離間方向への第1スライド部材のガタツキをバランスよく抑えることができる。
【0009】
請求項4に係る発明では、前記第2規制部は、前記当接部に対して前記第1スライド部材の移動方向に離間配置された当受部に、第1スライド部材の操作位置において弾力的に当接するよう構成されたことを要旨とする。
請求項4に係る発明によれば、第1スライド部材を操作位置に移動した際に、当受部に第2規制部が弾力的に当接するので、第1スライド部材の操作時に干渉音の発生を防止できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るロック装置によれば、第1スライド部材の操作性を損なうことなく、第1スライド部材のガタツキを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の好適な実施例に係るロック装置の平面図であって、操作部材が通常位置にあると共にロッド部材がロック位置にある通常状態を示す。
【図2】実施例のロック装置の正面図であって、操作部材が通常位置にあると共にロッド部材がロック位置にある通常状態を示す。
【図3】実施例のロック装置を示す平面図であって、操作部材が操作位置にあると共にロッド部材がロック解除位置にある操作状態を示す。
【図4】実施例のロック装置を示す正面図であって、操作部材が操作位置にあると共にロッド部材がロック解除位置にある操作状態を示す。
【図5】実施例のロック装置を示す概略斜視図である。
【図6】実施例のロック装置について、操作部材を分離した状態で示す概略斜視図である。
【図7】実施例のロック装置の操作部材およびロッド部材を分解して示す説明斜視図である。
【図8】実施例のロック装置において、連動案内部および連動軸部の関係と、連動軸部および第1規制部の関係と、当接部および第2規制部の関係と、当受部および第2規制部の関係とを示す説明図であって、(a)は操作部材およびロッド部材が通常状態にあり、(b)は操作部材およびロッド部材が操作状態にある。
【図9】実施例のロック装置が採用されたコンソールボックスを示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明に係るロック装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、実施例では、車両における運転席と助手席との間に設けられるコンソールボックス(図9参照)に本発明に係るロック装置を適用する場合を例示して説明する。そして、特に断りのない場合は、コンソールボックスの蓋部材を閉じた状態において、車両における上下前後左右方向を基準として方向を指称する。
【実施例】
【0013】
図9に示すように、コンソールボックス10は、上方へ開放する収納部12aを画成する本体部材(第2の部材)12と、この本体部材12の上部に変位可能に取り付けられて収納部12aを開閉する蓋部材(第1の部材)14とを備えている。本体部材12および蓋部材14は、平面視で前後方向に長い略矩形状に形成され、蓋部材14の後縁部が、本体部材12の後縁部上面に対してヒンジ接続されている。コンソールボックス10は、蓋部材14を本体部材12の上部に倒伏した姿勢で収納部12aが蓋部材14で塞がれ、蓋部材14を本体部材12の後縁部に上方へ起立した姿勢で収納部12aが開放されるようになっている。また、コンソールボックス10は、蓋部材14にロック装置20を備えている。コンソールボックス10は、ロック装置20によって蓋部材14を倒伏した姿勢で本体部材12に対する蓋部材14の姿勢変位を規制すると共に、使用者によるロック装置20のロック解除操作によって蓋部材14の開放変位が許容されるようになっている。実施例の蓋部材14には、該蓋部材14の上部を構成するアッパ部材15と該蓋部材14の下部を構成するロア部材16との間に設置空間14aが画成され(図2または図4参照)、この設置空間14aにロック装置20が収納されている。
【0014】
図1〜6に示すように、実施例のロック装置20は、蓋部材14の設置空間14aに配設されたベース22と、このベース22にスライド変位可能に配設された操作部材(第1スライド部材)30と、ベース22にスライド変位可能に配設された一対のロッド部材(第2スライド部材)40,40と、操作部材30およびロッド部材40,40を連動させる連動手段50,56,58とを備えている。操作部材30は、使用者によるロック解除操作前に保持される状態である通常位置(図1参照)と、使用者によってロック解除操作された際の状態である操作位置(図3参照)との間で移動するよう構成されている。実施例の操作部材30は、前後方向に水平変位可能にベース22に支持され、操作部材30の前端部が蓋部材14の前縁部中央に開設された操作開口14bを介して外方へ露出するようになっている(図9参照)。そして、ロック装置20は、通常位置で蓋部材14の前縁部から突出している操作部材30の前端部を使用者が後方へ押すロック解除操作を行うことで、操作部材30が後方へ変位して操作位置に移動される。
【0015】
前記ロック装置20では、各ロッド部材40の一端部が、ベース22と操作部材30との間に位置するよう配設されている(図1〜図4参照)。また、ロック装置20は、各ロッド部材40の他端部先端に設けられたロック片46aが、蓋部材14の側面に開設されたロック開口14cを介して該蓋部材14から本体部材12に向けて突出するようになっている(図9参照)。各ロッド部材40は、他端部のロック片46aが本体部材12のロック孔部13に係合するロック位置(図1または図2参照)と、本体部材12のロック孔部13から退避したロック解除位置との間で移動するよう構成されている。ここで、実施例のロック装置20は、各ロッド部材40が左右方向に水平変位可能にベース22に支持されている。このように、ロック装置20では、前後方向に移動する操作部材30の移動方向と、左右方向に移動するロッド部材40,40の移動方向とが交差(実施例では直交)している。そして、ロック装置20では、操作部材30およびロッド部材40,40に設けられた連動手段50,56,58によって操作部材30の移動とロッド部材40,40の移動とが移動向きを変えて連係される。なお、ロック装置20の構成部材22,30,40は、POM(ポリアタール)、PA(ポリアミド)またはABS等の硬質で摺動性のよい合成樹脂を材質として、インジェクション成形等により成形された成形品が用いられている。
【0016】
図2または図4に示すように、ロック装置20は、ベース22の上側に各ロッド部材40の一端部が配設されると共に、両ロッド部材40,40の一端部の上側に重ね合わせて操作部材30が配設されている。すなわち、実施例のロック装置20では、ベース22、ロッド部材40の一端部および操作部材30の重なり方向が、上下方向になっている。ロック装置20は、略矩形状の操作部材30がベース22の左右方向の中央部に設置されると共に、長尺な棒状のロッド部材40が、長手を左右方向に延在させて設置されている(図1または図3参照)。ロック装置20には、ベース22の左右方向中央部を挟んで一対のロッド部材40,40が左右対称な関係で配置され、一対のロッド部材40,40が左右方向に直列に並んでいる。すなわち、右側のロッド部材40は、左端部(一端部)が操作部材30の下右側に重なる一方、右端部(他端部)に設けられたロック片46aがロック位置で蓋部材14の右側面のロック開口14cから突出するよう構成される。また、左側のロッド部材40は、右端部(一端部)が操作部材30の下左側に重なる一方、左端部(他端部)に設けられたロック片46aがロック位置で蓋部材14の左側面のロック開口14cから突出するよう構成される。
【0017】
前記ロック装置20には、ロッド部材40,40を支持する構成、操作部材30とロッド部材40と連動させる連動手段50,56,58の構成および後述する規制手段の第1規制部60の構成が、各ロッド部材40に対応して設けられており、これらの構成が操作部材30の移動方向に沿う仮想線を挟んで対称な関係で配置されている。そこで、以下の説明では、一方のロッド部材40に対応する連動手段50,56,58や規制手段の第1規制部60の構成だけ基本的に説明し、他方のロッド部材40に対応する構成についても同じ符号を付して説明を省略する。
【0018】
図1〜図6に示すように、ベース22は、蓋部材14の左右の側壁間に亘って延在するサイズで横長の略矩形状に形成された板状部分を本体とし、左右中央を境界として左右対称形状に形成されている。ベース22には、板状部分の上面に、左右方向に離間して対向配置された対をなす支持壁部24,24が上方に延出するよう形成されている。ここで、ベース22には、前後方向の略中央部をあけるように前後方向に離間して左右方向で対をなす支持壁部24,24が2組設けられている(図1,図3または図6参照)。各支持壁部24は、操作部材30の移動方向である前後方向に延在するよう形成されており、操作部材30が配設される内側に、前後方向へ延在する凹状の案内溝24aが内側へ開口するように形成されている。操作部材30は、本体部分が対をなす支持壁部24,24の左右方向の間隔に適合する幅寸法で形成された矩形板状であって、この本体部分の左右の側面に突ピン32が突出形成されている(図6または図7参照)。なお、操作部材30の各側面には、前後に離間して2箇所の突ピン32,32が設けられている。操作部材30は、支持壁部24の案内溝24aに対応する突ピン32が支持されて、左右方向で対をなす支持壁部24,24の間に位置して水平な姿勢で支持されている。そして、操作部材30は、突ピン32が案内溝24aに沿って移動が許容されることで、通常位置と操作位置との間で姿勢を保ったまま移動するようになっている。
【0019】
図7に示すように、各ロッド部材40は、左右方向に延在する一端部側を構成する第1レバー部42と、左右方向に延在する他端部側を構成する第2レバー部46とを、上下方向に延在する接続部44で繋いだクランク形状に形成されている。ロッド部材40は、ベース22に上下に貫通形成された貫通口25に接続部44を挿通して、第1レバー部42をベース22の上側に臨ませると共に第2レバー部46をベース22の下側に臨ませた状態で設置されている(図6参照)。ロッド部材40は、前後方向に並ぶ支持壁部24,24の間に左右方向に連通するよう設けられた第1支持溝26に、第1レバー部42の前縁および後縁に延出形成された第1支持片42a,42aを嵌め合わせて左右方向へ変位可能に支持されている。また、ロッド部材40は、ベース22の側縁下面に左右方向に連通するよう設けられた第2支持溝27に、第2レバー部46の前縁および後縁に延出形成された第2支持片46b,46bを嵌め合わせて左右方向へ変位可能に支持されている。そして、ロッド部材40は、支持片42a,46bの支持溝26,27に沿う移動が許容されることで、ロック位置とロック解除位置との間で姿勢を保ったまま移動するようになっている。
【0020】
図1〜図7に示すように、ロック装置20の連動手段は、操作部材30に設けられた凹状の連動案内部50と、各ロッド部材40の一端部に設けられ、連動案内部50に挿入される凸状の連動軸部56と、ロッド部材40を付勢する付勢手段58とを備えている。操作部材30には、2つのロッド部材40,40の夫々に対応して2つの連動案内部50,50が左右対称に設けられており、右側の連動案内部50に右側のロッド部材40の連動軸部56が係合すると共に、左側の連動案内部50に左側のロッド部材40の連動軸部56が係合するようになっている。
【0021】
実施例の連動案内部50は、操作部材30に上下に貫通するよう形成された開口部であって、平面視で略三角形状に形成されている。連動案内部50は、操作部材30の通常位置側(前)から操作位置側(後)に向かうにつれてロッド部材40のロック位置側(外側方:右側の連動案内部50であれば右方、左側の連動案内部50であれば左方)に延在する第1案内縁51と、ロッド部材40の移動方向である左右方向に沿って延在する第2案内縁52と、操作部材30の移動方向である前後方向に沿って延在する第3案内縁53とで囲われている。連動軸部56は、ロッド部材40の第1レバー部42上面に上方へ突出するように形成された円柱状の軸部分であって、連動案内部50に下方から挿入されて該連動案内部50の案内縁51,52,53に当接可能になっている。ロック装置20は、連動案内部50の案内縁51,52,53と連動軸部56とが引っ掛かることで、操作部材30およびロッド部材40の両方または一方の相対的な移動が規制される。また、ロック装置20は、操作部材30またはロッド部材40の一方の移動に伴って、連動案内部50の案内縁51と連動軸部56との摺接により案内されて、操作部材30またはロッド部材40の他方が移動される。
【0022】
前記連動手段は、連動案内部50と連動軸部56とが、操作部材30の通常位置から操作位置への変位およびロッド部材40のロック解除位置からロック位置への変位において少なくとも係合するよう構成されている。すなわち、連動手段は、操作部材30の通常位置から操作位置への移動に伴って連動案内部50と連動軸部56との摺接下にロッド部材40をロック位置からロック解除位置へ向けて作動するようになっている。また、連動手段は、ロッド部材40のロック解除位置からロック位置への変位に伴って連動案内部50と連動軸部56との摺接下に操作部材30を操作位置から通常位置へ向けて作動するようになっている。
【0023】
前記付勢手段は、ロッド部材40の夫々に対応して設けられ、実施例ではコイルばね58が採用されている。コイルばね58は、ベース22の上面中央部に立設された支持リブ28とロッド部材40の第1レバー部42との間に介挿され、該コイルばね58によってロッド部材40を外側方(ロック解除位置からロック位置)へ向けて常に弾性付勢するよう構成されている(図2,図4または図6参照)。そして、ロック装置20は、コイルばね58によってロック解除位置からロック位置に向けてロッド部材40が付勢されるのに連動軸部56と連動案内部50との摺接下に連係して、操作部材30が操作位置から通常位置に向けて付勢されるようになっている。すなわち、ロック装置20は、外部から力が加わっていない状態において、操作部材30が通常位置にあると共に、ロッド部材40がロック位置にあるように、コイルばね58によって保持されている。
【0024】
前記連動手段は、操作部材30が通常位置にあると共にロッド部材40がロック位置にある通常状態において、連動軸部56が連動案内部50における第1案内縁51と第2案内縁52とがなす角隅部(以下、区別する場合は第1隅部50aという)に位置し、コイルばね58の付勢によって当該状態を保つようになっている(図1または図2参照)。連動手段は、操作部材30を通常位置から操作位置に変位すると、連動軸部56が連動案内部50の第1案内縁51の傾斜に案内されて内側方(右側のロッド部材40であれば左方、左側のロッド部材40であれば右方)に変位し、これによりロッド部材40がコイルばね58の付勢に抗してロック位置からロック解除位置へ変位されるようになっている(図3または図4参照)。そして、連動手段は、操作部材30が操作位置にあると共にロッド部材40がロック解除位置にある操作状態において、連動軸部56が連動案内部50における第1案内縁51と第3案内縁53とがなす角隅部(区別する場合は、第2隅部50bという)に位置するようになっている。連動手段は、操作位置にある操作部材30の押圧状態を解除すると、ロッド部材40がコイルばね58の付勢によってロック解除位置からロック位置に復帰するのに伴って、連動軸部56と連動案内部50の第1案内縁51との摺接によって操作部材30が通常位置に戻される。更に、実施例の連動手段は、操作部材30が通常位置にある状態において、連動軸部56が連動案内部50において第1案内縁51と第3案内縁53との間を移動可能であるから、各ロッド部材40を互いに独立してロック位置からロック解除位置へ変位可能となっている。
【0025】
前記ロック装置20は、蓋部材14の移動を規制または許容する前記構成に加えて、操作部材30のガタツキや部材同士の干渉音の発生を抑える規制手段60,62を備えている(図1〜図6参照)。規制手段60,62は、操作部材30が通常位置にあると共にロッド部材40がロック位置にある通常状態において操作部材30を保持するように構成されている。規制手段は、操作部材30の下面(ロッド部材40側の面)に突出形成され、連動軸部56と弾力的に当接する第1規制部60と、ベース22の上面(操作部材30側の面)に突出形成され、操作部材30の上面(ロッド部材40と反対側)に設けられた当接部64に弾力的に当接する第2規制部62とを備えている。規制手段は、連動案内部50と連動軸部56とからなる連動組の夫々に対応して第1規制部60を有している。第1規制部60は、操作部材30の移動に伴い連動軸部56に対して相対的に接離すると共に、ロッド部材40の移動に伴い連動軸部56に対して相対的に接離するように設けられている。また、第2規制部62は、操作部材30の移動に伴い当接部64に対して相対的に接離するように設けられている。実施例のロック装置20では、右側のロッド部材40に設けられた連動軸部56に当接する第1規制部60と、左側のロッド部材40に設けられた連動軸部56に当接する第1規制部60とが、操作部材30の左右方向中央部を挟む左右対称に位置して該操作部材30に設けられている。
【0026】
前記連動軸部56は、第1規制部60に当接する部位が、ゴムや発泡体等の弾性体からなる緩衝部57で構成されており、緩衝部57で第1規制部60を受け止めるようになっている。なお、実施例の連動軸部56は、ロッド部材40に一体形成された円柱形状の本体部分56aに対して、緩衝部57としてのゴムからなるOリングが装着されている。第1規制部60は、操作部材30の下面からロッド部材40側へ突出した円柱形状に形成されている。第1規制部60は、連動案内部50の第1隅部50aに隣接した部位(第1隅部50aの外側斜め後方)に配置され、第1隅部50aに位置した連動軸部56と当接するようになっている。
【0027】
前記第1規制部60は、操作部材30とロッド部材40との間に臨む連動軸部56に対して、前記通常状態において操作部材30の移動方向に重なるように弾力的に当接される。規制手段は、第1規制部60と連動軸部56とが当接することで、連動手段50,56によって操作位置から通常位置に向けて付勢される操作部材30の移動を規制するようになっている。ここで、第1規制部60は、連動軸部56に対して前記通常状態においてロッド部材40の移動方向にも重なるように弾力的に当接され、第1規制部60と連動軸部56とが当接することで、連動手段50,56によってロック解除位置からロック位置に向けて付勢されるロッド部材40の移動を規制するようになっている。すなわち、規制手段は、操作位置から通常位置への操作部材30の移動に伴う第1規制部60の移動経路上に、ロック位置にあるロッド部材40の連動軸部56が重なる位置関係にあり、前記通常状態において連動軸部56が第1規制部60の操作位置側から通常位置側への移動方向前側に位置している。また、規制手段は、ロック解除位置からロック位置へのロッド部材40の移動に伴う連動軸部56の移動経路上に通常位置にある操作部材30の第1規制部60が重なる位置関係にあり、前記通常状態において第1規制部60が連動軸部56のロック解除位置側からロック位置側への移動方向前側に位置している。換言すると、連動軸部56と第1規制部60とは、操作部材30の通常位置から操作位置への変位およびロッド部材40のロック位置からロック解除位置への変位に伴って互いに離れる位置関係で配置されている。
【0028】
前記操作部材30の下面には、左右のロッド部材40,40の連動軸部56,56に対応して、2箇所の第1規制部60,60が左右に離間して設けられている。右側の第1規制部60は、コイルばね58に付勢された右側のロッド部材40の連動軸部56との当接下に右方へ押されると共に、左側の第1規制部60は、コイルばね58に付勢された左側のロッド部材40の連動軸部56との当接下に左方へ押されている。このように、操作部材30は、左右の第1規制部60,60に対応の連動軸部56,56から左右反対向きに力が作用するよう構成されている。
【0029】
前記連動軸部56は、連動案内部50の第1隅部50aに本体部分56aの周面が当接する前に、緩衝部57が第1規制部60に当接するように構成されている。ここで、連動軸部56は、該連動軸部56の本体部分56aが連動案内部50に挿入されると共に、操作部材30とロッド部材40の間に位置する緩衝部57が、該本体部分56aの周面より突出している(図8参照)。そして、連動軸部56からの緩衝部57の突出幅M1が、連動案内部50の第1隅部50aと第1規制部60との間隔L1よりも僅かに大きく(0.1〜0.3mm程度)設定されており(図8(b)参照)、緩衝部57が撓んだもとで連動軸部56の本体部分56aが連動案内部50の第1隅部50aに当接するようになっている(図8(a)参照)。連動軸部56の緩衝部57は、上方に位置する操作部材30の下面から離して配設され(図2または図4参照)、第1規制部60以外の操作部材30の部位に接触しないようになっている。なお、連動軸部56の本体部分56aには、Oリングが用いられる実施例の緩衝部57を位置決めする係止突部56bが、緩衝部57の上側(操作部材30側)に設けられている。
【0030】
図1〜4に示すように、前記第2規制部62は、ベース22の上面における左右方向中央部に位置して上方へ突出する円柱形状に形成され、操作部材30の上側に上端部(先端部)が臨むようになっている。ここで、操作部材30には、左右方向中央部に該操作部材30の移動方向(前後方向)に延在するように挿通口34が上下に貫通形成され、この挿通口34を介して操作部材30の上側に第2規制部62の上端部が突出するようになっている。第2規制部62は、連動手段50,56によって操作位置から通常位置に向けて付勢される操作部材30の移動を、当接部64と当接したもとで規制するようになっている。このように規制手段は、第1規制部60および連動軸部56の当接組(以下、第1当接組という)と第2規制部62および当接部64の当接組(以下、第2当接組)とが、操作部材30の本体部分を挟んで上下方向(ベース22、ロッド部材40の一端部および操作部材30の重なり方向)に離間して設けられ、これらの当接組によって通常状態において操作部材30が上下方向の2箇所で支持される。
【0031】
図1または図3に示すように、操作部材30の上面には、挿通口34の後端部(操作位置側の閉塞端)に隣接して上方に立ち上がる壁状の当接部64が設けられると共に、挿通口34の前端部(通常位置側の閉塞端)に隣接して上方に立ち上がる壁状の当受部66が設けられている。すなわち、操作部材30の上面には、挿通口34を挟んで当接部64と当受部66とが操作部材30の移動方向に離間するよう設けられている。当接部64および当受部66は、第2規制部62の周面に合わせて該第2規制部62との当たり面が形成され、実施例では第2規制部62の円弧状の周面に合わせて当たり面が円弧状に湾曲形成されている。そして、ロック装置20は、操作部材30の通常位置で当接部64と第2規制部62とが弾力的に当接する一方、操作部材30の操作位置で当受部66と第2規制部62とが弾力的に当接するよう構成されている。第2規制部62は、当接部64または当受部66に当接する部位が、ゴムや発泡体等の弾性体からなる緩衝部63で構成されており、緩衝部63で当接部64または当受部66を受け止めるようになっている。なお、実施例の第2規制部62は、ベース22に一体形成された円柱形状の本体部分62aに対して、緩衝部63としてのゴムからなるOリングが装着されている。
【0032】
前記第2規制部62は、挿通口34の後端部に本体部分62aの周面が当接する前に、緩衝部63が当接部64に当接するように構成されている。なお、実施例のロック装置20では、連動軸部56の本体部分56aの周面が連動案内部50の第1隅部50aに当接する前に、第2規制部62の緩衝部63が当接部64に当接するように構成されている。ここで、第2規制部62は、該第2規制部62の本体部分62aが挿通口34に挿通されると共に、操作部材30の上側に位置する緩衝部63が、該本体部分62aの周面より突出している(図8参照)。そして、第2規制部62の本体部分62aから後方への緩衝部63の突出幅M2が、当接部64の当たり面と挿通口34の後端部との間隔L2よりも僅かに大きく(0.1〜0.3mm程度)設定されており(図8(b)参照)、緩衝部63が撓んだもとで第2規制部62の本体部分62aが挿通口34の後端部に当接するようになっている(図8(a)参照)。
【0033】
前記第2規制部62は、挿通口34の前端部に本体部分62aの周面が当接する前に、緩衝部63が当受部66に当接するように構成されている。なお、実施例のロック装置20では、連動軸部56の本体部分56aの周面が連動案内部50の第2隅部50bに当接する前に、第2規制部62の緩衝部63が当受部66に当接するように構成されている。第2規制部62の本体部分62aから前方への緩衝部63の突出幅M3が、当受部66の当たり面と挿通口34の前端部との間隔L3よりも僅かに大きく(0.1〜0.3mm程度)設定されており(図8(a)参照)、緩衝部63が撓んだもとで第2規制部62の本体部分62aが挿通口34の前端部に当接するようになっている(図8(b)参照)。第2規制部62の緩衝部63は、下方に位置する操作部材30の上面から離して配設され(図2または図4参照)、当接部64および当受部66以外の操作部材30の部位に接触しないようになっている。なお、第2規制部62の本体部分62aには、Oリングが用いられる実施例の緩衝部63を位置決めする係止突部(図示せず)が、緩衝部63の下側(操作部材30側)に設けられている。
【0034】
(実施例の作用)
次に、実施例に係るロック装置20の作用について説明する。コンソールボックス10は、ロック装置20における各ロッド部材40のロック片46aが本体部材12の対応するロック孔部13に挿入されることで、蓋部材14が本体部材12に対して移動規制される。ロック装置20は、操作部材30の非操作時に、コイルばね58の付勢力によって各ロッド部材40がロック位置に保持されると共に連動手段50,56を介して操作部材30も通常位置に保持される。このときロック装置20は、連動軸部56と第1規制部60とが操作部材30の本体部分の下側で弾力的に当接すると共に、操作部材30の当接部64とベース22の第2規制部62とが操作部材30の本体部分の上側で弾力的に当接している。ロック装置20は、操作部材30の本体部分を挟む上下方向に離間して設けられた2つの当接組に支持されて、操作部材30の上下方向のガタツキを抑制することができる。従って、走行時に振動するコンソールボックス10にロック装置20を用いても、操作部材30のガタツキによる異音の発生を防止することができる。
【0035】
前記ロック装置20は、第1規制部60と連動軸部56とが前記通常状態において操作部材30の移動方向に重なる関係で当接し、第2規制部62と当接部64とが前記通常状態において操作部材30の移動方向に重なる関係で当接している。そして、操作部材30の通常位置から操作位置への移動に伴い、連動軸部56と第1規制部60とが互いに離れると共に当接部64と第2規制部62とが互いに離れるので、操作部材30の移動に際してこれらの当接組が摺動等することはなく、操作部材30の通常位置から操作位置への移動または操作位置から通常位置まで戻る移動の邪魔にならない。このように、ロック装置20は、規制手段が操作部材30を上下方向から挟持してガタツキを抑えるのではないので、操作部材30の通常位置から操作位置へのロック解除動作および操作位置からの復帰動作が規制手段60,62によって妨げられない。従って、ロック装置20は、通常状態にある操作部材30の上下方向のガタツキを規制手段60,62で抑えても、操作部材30をスムーズに動作させることができ、操作部材30の操作性に影響を与えない。
【0036】
前記ロック装置20は、第1当接組と第2当接組とが左右方向に離間して設けられているので、第1当接組および第2当接組によって通常状態で上下方向を軸とする操作部材30の捻り方向および左右方向のガタツキも抑えることができる。また、ロック装置20は、第2当接組を左右に挟んで対称な関係で2つの第1当接組が設けられているので、通常位置で何れかの当接組だけが当接することを回避でき、3点の当接組で操作部材30をバランスよく保持することができる。
【0037】
前記ロック装置20は、連動軸部56が連動案内部50に位置規制される前に、第1規制部60と連動軸部56とが弾力性のある緩衝部57を介して当接すると共に、第2規制部62が挿通口34の後端部に位置規制される前に、第2規制部62と当接部64とが弾力性がある緩衝部63を介して当接するので、操作部材30またはロッド部材40の移動が減勢される。また、ロック装置20は、第2規制部62が挿通口34の前端部に位置規制される前に、第2規制部62と当受部66とが弾力性がある緩衝部63を介して当接するので、操作部材30の移動が減勢される。これにより、連動手段を構成する硬質な連動軸部56の本体部分56aと同じく硬質な連動案内部50の案内縁51,52,53とが勢いよく衝突しないから、ロック装置20の操作時に、連動軸部56の本体部分56aと連動案内部50の案内縁51,52,53との衝突による干渉音が発生しない。なお、ロック装置20では、操作部材30の操作位置から通常位置への変位による干渉音の発生防止と、ロッド部材40のロック解除位置からロック位置への変位による干渉音の発生防止とを、各ロッド部材40に対応する第1規制部60で行うことができる。
【0038】
(変更例)
前述した実施例に限定されず、例えば以下のように変更することも可能である。
(1)実施例では、ロック装置のベースを蓋部材と別体に設けたが、蓋部材をベースとして用いてもよい。例えば実施例の蓋部材のロア部材をベースとして、ロック装置の構成部材を配設し、第2規制部をベースとしてのロア部材に一体形成する構成が例示される。
(2)実施例のロック装置では、使用者が操作部材を直接操作する構成であるが、別の操作片を動かすことで、操作部材が移動する構成であってもよい。
(3)実施例では、蓋部材にロック装置を配設したが、ロック装置を本体部材に配設し、ロッド部材の他端部を蓋部材に設けたロック孔部に挿脱する構成であってもよい。
(4)実施例では、付勢手段としてコイルばねを例示したが、トーションばねやその他のものを採用できる。
(5)実施例では、緩衝部を当接組を構成する一方の部材に設けたが、実施例と反対側に設けても、両方に設けてもよい。緩衝部を両方に設けた場合は緩衝部同士を当接させてもよい。また、緩衝部としては、Oリングに限定されず、プレート状やブロック状等の弾性体であってもよい。
(6)連動案内部は、実施例に示した略三角状に限るものではなく、「I字形」、「く字形」および「楕円形」等であってもよい。例えば「I字形」の連動案内部は、操作部材の通常位置から操作位置に向かうにつれて対応のロッド部材のロック解除位置からロック位置に向けて延在するよう形成される。このような「I字形」の連動案内部を採用することで、一方のロッド部材のロック位置からロック解除位置への移動に連動させて、他方のロッド部材をロック位置からロック解除位置に移動させることができる。
(7)実施例では、操作部材の移動方向とロッド部材の移動方向とが直交する形態を例示したが、操作部材とロッド部材の交差角度はこれ以外であってもよい。
(8)実施例では、操作部材に連動案内部を設けると共にロッド部材に連動軸部を設けたが、ロッド部材に連動案内部を設け、操作部材に連動軸部を設けてもよい。ロッド部材に連動案内部がある場合は、第1規制部がロッド部材に設けられ、操作部材に設けられた連動軸部に当接する構成となる。
(9)ロック装置は、コンソールボックスに限定されず、グローブボックスやその他の収納部の蓋に適用可能であり、また車両に限定されない。
【符号の説明】
【0039】
12 本体部材(第2の部材),14 蓋部材(第1の部材),22 ベース,
30 操作部材(第1スライド部材),40 ロッド部材(第2スライド部材),
50 連動案内部(連動手段),56 連動軸部(連動手段),
58 付勢手段(連動手段),60 第1規制部(規制手段),
62 第2規制部(規制手段),64 当接部,66 当受部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の部材と第2の部材との相対的な移動を規制または許容するロック装置において、
前記第1の部材に設けられたベースにスライド変位可能に配設され、通常位置と操作位置との間で移動される第1スライド部材と、
前記ベースと第1スライド部材との間に一端部が位置すると共に該ベースにスライド変位可能に配設され、連動手段によって第1スライド部材の移動に連動して他端部が前記第2の部材に係合するロック位置と他端部が該第2の部材から退避するロック解除位置との間で移動される第2スライド部材と、
前記第1スライド部材が通常位置にあると共に前記第2スライド部材がロック位置にある通常状態において、該第1スライド部材を保持する規制手段とを備え、
前記規制手段は、
前記第1スライド部材および第2スライド部材の間に臨む前記連動手段の連動軸部に対して、該第1スライド部材の移動に伴い相対的に接離する第1規制部と、
前記第1スライド部材における第2スライド部材と反対側に臨むように前記ベースに設けられ、第1スライド部材における該第2スライド部材と反対側に設けられた当接部に対して該第1スライド部材の移動に伴い相対的に接離する第2規制部とを備え、
前記連動軸部と第1規制部とは、前記通常状態において弾力的に当接して、該連動手段によって操作位置から通常位置に向けて付勢される第1スライド部材の移動を規制すると共に、前記当接部と第2規制部とは、前記通常状態において弾力的に当接して、前記連動手段によって操作位置から通常位置に向けて付勢される第1スライド部材の移動を規制するよう構成した
ことを特徴とするロック装置。
【請求項2】
前記第2スライド部材は、前記第1スライド部材の移動方向と交差する方向に移動されると共に、該第2スライド部材に対応して設けられた前記第1規制部は、前記第2規制部に対して前記第1スライド部材の移動方向と交差する方向に離間配置され、
前記第1規制部は、前記連動軸部に対して前記通常状態において弾力的に当接して、該連動手段によってロック解除位置からロック位置に向けて付勢される第2スライド部材の移動を規制するよう構成された請求項1記載のロック装置。
【請求項3】
前記連動手段によって前記第1スライド部材の移動方向と交差する方向へ該第1スライド部材の移動方向を挟んで互いに対称な関係で移動する一対の第2スライド部材を備え、
前記第2スライド部材の夫々に対応して対をなす前記第1規制部が、前記第2規制部を挟んで設けられた請求項1または2記載のロック装置。
【請求項4】
前記第2規制部は、前記当接部に対して前記第1スライド部材の移動方向に離間配置された当受部に、第1スライド部材の操作位置において弾力的に当接するよう構成された請求項1〜3の何れか一項に記載のロック装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−225075(P2012−225075A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−94519(P2011−94519)
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【Fターム(参考)】