ロング仕様のシーラガン
【課題】ロング仕様のシーラガンに生じているコストが嵩む問題を、吐出筒2の筒先の吐出口20にシーラを導く誘導路uの形成に支障を生ぜしめることなく解決し得るようにする手段を構成する。
【解決手段】ボディaを把持グリップ1および握りレバー5を装備せるボディ本体部a1と、先端側に吐出筒2を保持せしめるボディ先端部a2とに分け、それらボディ本体部a1とボディ先端部a2を各別に組み立て、そのボディ本体部a1の前端部とボディ先端部a2の後端部とに、接続継手dをそれぞれ装設し、別に、両端に前記接続継手dと接合して接続する接続継手eをそれぞれ装備せる継ぎパイプcよりなる中間胴部a3を形成し、この中間胴部a3内に、ボディ先端部a2に収蔵せるシーラの吐出をオン・オフ制御する弁機構4を開・閉さす作動軸7を、挿通せしめて、この中間胴部a3を介してボディ本体部a1とボディ先端部a2とを、接続連結して一体に連続するボディaに組み立てる。
【解決手段】ボディaを把持グリップ1および握りレバー5を装備せるボディ本体部a1と、先端側に吐出筒2を保持せしめるボディ先端部a2とに分け、それらボディ本体部a1とボディ先端部a2を各別に組み立て、そのボディ本体部a1の前端部とボディ先端部a2の後端部とに、接続継手dをそれぞれ装設し、別に、両端に前記接続継手dと接合して接続する接続継手eをそれぞれ装備せる継ぎパイプcよりなる中間胴部a3を形成し、この中間胴部a3内に、ボディ先端部a2に収蔵せるシーラの吐出をオン・オフ制御する弁機構4を開・閉さす作動軸7を、挿通せしめて、この中間胴部a3を介してボディ本体部a1とボディ先端部a2とを、接続連結して一体に連続するボディaに組み立てる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布剤または充填剤の液材料(シーラ)を、吐出筒の筒先の吐出口から吐出させるシーラガンのうちで、ボディの手元の把持グリップから先端の吐出口までが長く形成してあるロング仕様の形態のシーラガンについての改良に関する。
【背景技術】
【0002】
塗布剤・充填剤などの液材料(シーラ)を、構造体の隙間・間隔に塗着・充填するシーラガンAは、通常、図1に示しているように、中空の筒状に成形したボディaの基端側に、把持グリップ1を一体または一体的に設け、先端側には筒先に吐出口20を開設した吐出筒2を接続して設け、ボディaの内部には、把持グリップ1の底部に接続する供給ホース3で供給されてくるシーラを、吐出筒2の筒先の吐出口20に導く誘導路uを設け、その誘導路uの途中には、シーラの吐出口20への流れを断・接する弁機構4を設け、ボディa基端側の把持グリップ1の前面には、該把持グリップ1に対し進退するよう回動する握りレバー5を支軸5aにより軸支し、この握りレバー5と前記弁機構4とを、その握りレバー5を把持グリップ1に沿う姿勢位置に握り込むことで前記弁機構4が開弁に作動し、握り込みを放して復元バネ50により把持グリップ1から離れた姿勢位置に復元回動する作動で閉弁に作動するよう連繋機構6を介して連繋し、これにより、把持グリップ1を握ってシーラガンAのボディaを把持した状態で、握りレバー5を握り込むと、弁機構4が開弁に作動してボディaの先端の吐出筒2の筒先の吐出口20からシーラが吐出し、握りレバー5の握り込みを放すと、弁機構4が閉弁に作動して、吐出口20からのシーラの吐出が停止とするように構成してある。
【0003】
シーラガンAは、握りレバー5の握り込みを放してシーラの吐出を停止させたときに、吐出筒2の筒先の吐出口20の付近にシーラが、つららのように垂れ下がった状態に付着して残る、シーラの液だれSを生ぜしめるようになる(図1の鎖線参照)。
【0004】
シーラの吐出を停止させたときに筒先に生じるこの液だれSは、放置しておくと、外気に曝されることで、次の塗布作業・充填作業を行うときには、正常に使用することのできない性状のシーラに変性してくることから、吐出を停止したときの直後に、紙布により拭きとって廃棄するように処理している。
【0005】
シーラガンには、シーラの吐出を停止させる度ごとに行う液だれを拭いとる処理のために、作業性を悪くしている問題がある。
【0006】
シーラの吐出を停止させたときに生じてくるこの液だれの現象は、シーラが、粘性のある性状のもので、付着性と凝集性が大きいことから、“切れ”が悪いことと、シーラが加圧されて圧送されてくることで、弁機構4の閉弁作動で吐出を停止させたときに、弁機構4より下流側のシーラの誘導路u内に残るシーラが、圧送の際に与えられていた圧力によって、吐出口から押し出されることにより生ずるものと考えられている。このことから、シーラガンAのボディa内の誘導路uには、吐出筒2の筒先の吐出口20に寄る外端部位に弁機構4を設けて、弁機構4より下流側の誘導路uの長さを短くするか、誘導路uの途中に設ける弁機構4の外に、吐出筒2の先端の吐出口20に寄せた位置にも第2の弁機構4’を設ける手段が採られている(図2参照)。
【0007】
しかし、このようにしても、シーラの吐出を停止させたときの液だれは生じてくるので、図3に示しているように、シーラガンAのボディaには、握りレバー5の握り込みを解放したときに、弁機構4を開閉作動させる作動軸7が復元バネ50により復元回動する作動によってその作動軸7の前端に設けたピストン80の作動で吸引作動するポンプ装置Pを組み付け、そのポンプ装置Pのピストン80の作動で拡縮するポンプ室pに接続する吸引パイプ83を、シーラガンAの吐出筒2内に配設して、作動軸7の作動で弁機構4が閉弁に作動したときにポンプ装置Pが同期して吸引作動を行い、それによる吸引圧により液だれのシーラを吐出筒2内を経てポンプ室pに引き込ますようにする液だれ防止手段が採られるようになってきている。
【0008】
ところで、このシーラガンAは、シーラを塗着、若しくは充填する対象物の構造体が、目の前に置かれている場合だけでなく、例えば、自動車等の車輌の床下に位置する構造部分が対象物で、シーラの塗布・充填作業を行うときに、作業者が近寄ることができず、遠隔位置から作業を行わなければならない場合があることから、これに対処できるよう、ボディを長く構成したロング仕様のものがある。
【0009】
このロング仕様のシーラガンは、シーラを塗布する個所が構造体の構成部材で遮られて、その構成部材の隙間にシーラガンAを挿し込んで、吐出筒2の筒先を塗布すべき個所に近づけ、塗布作業を行うようにするためのものであることから、対象物である塗布・充填すべき個所の種々の状態位置に対応するよう種々の長さのものに作られている。塗布すべき個所が、例えば、自動車の車体の床下部分で車体の左右の側壁部の内面側に位置する部位である場合には、作業者が、塗布個所と反対側の車体の側面に回り込んで、車体の床板下面の隙間からシーラガンを挿し込み、筒先を対象個所に狙い付けるように用いることで、車体幅に対応する数メートルの長さの超ロング仕様のものまで作られている。
【0010】
このロング仕様のシーラガンには、多数の、距離の異なる遠隔位置にある対象個所に対し、それぞれ適応して塗布・充填作業が行えるようにするため、それぞれ長さの異なる多数のシーラガンを取り揃えておくことから、使用しない遊休の設備を多く抱えることになり、コストが嵩む問題を生ぜしめている。
【0011】
このため、シーラガンを、ボディaと吐出筒2とをそれぞれ別体に成形し、その吐出筒2をボディaに対し装脱自在に組み付け接続することでシーラガンに組み立てられるように構成し、その吐出筒2を、それの基端の接続部から筒先の吐出口20までの長さが異なる多種類のものに取り揃えておいて、これらの中から、選択した吐出筒2をボディaに組み付けることで、距離の異なる遠隔位置の塗布対象物に対応させることでコストを低減させる手段の試みがなされてきている。
【0012】
このようにしたとき、長く成形した吐出筒2は、ボディaに接続させる基端の接続部よりも先端側の、細管状に形成されるノズル部が長大に形成されることで、強度が不足して作業中に器物に当接したときに屈曲・変形するようになって、作業が適切に行えなくなる問題が生ずる。吐出筒2の内部で筒先の吐出口20の近接位置に、液だれ防止のための、第2の弁機構4’を設けた場合は、それの重量により吐出筒2の先端側に荷重がかかることで、屈折・変形による損傷が甚だしくなる。
【0013】
また、吐出筒2が長大に形成されることで、その吐出筒2の基端の接続部から筒先の吐出口20までのシーラの誘導がむずかしくなり、誘導路uの下流側の端部に寄る位置に弁機構4またはポンプ装置Pを装備せしめようとしたときには、その誘導路uの形成がむずかしくなる問題がでてくる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明において解決しようとする課題は、上述のロング仕様のシーラガンに生じているコストが嵩む問題を、吐出筒2の筒先の吐出口20にシーラを導く誘導路uの形成に支障を生ぜしめることなく解決し得るようにする手段を構成する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明においては、上述の課題を解決するための手段として、把持グリップ1を設けた基端から吐出口20が開口する吐出筒2の先端までの長さを長く形成したロング仕様のシーラガンにおいて、ボディaを把持グリップ1および握りレバー5を装備せるボディ本体部a1と、先端側に吐出筒2を保持せしめるボディ先端部a2とに分け、それらボディ本体部a1とボディ先端部a2を各別に組み立て、そのボディ本体部a1の前端部とボディ先端部a2の後端部とに、接続継手dをそれぞれ装設し、別に、両端に前記接続継手dと接合して接続する接続継手eをそれぞれ装備せる継ぎパイプcよりなる中間胴部a3を形成し、この中間胴部a3内に、ボディ先端部a2に収蔵せるシーラの吐出をオン・オフ制御する弁機構4を開・閉さす作動軸7を、挿通せしめて、この中間胴部a3を介してボディ本体部a1とボディ先端部a2とを、接続連結して一体に連続するボディaに組み立てたことを特徴とするロング仕様のシーラガンを提起するものである。
また、これに併せて、ボディ先端部a2には、吐出筒2の筒先の吐出口20からのシーラの吐出をオン・オフ制御する弁機構4を収蔵せしめ、その弁機構4の弁軸42を開弁位置と閉弁位置とに作動さす作動軸7を、ボディ本体部a1内に収蔵される本体軸部7aと、ボディ先端部a2内に収蔵される先端軸部7bと、中間胴部a3内に配位される中間軸部7cとに分け、中間軸部7cを、本体軸部7aと先端軸部7b間に渡架し、装脱自在に接続連結して連続する作動軸7に組み立てることを特徴とする請求項1記載のロング仕様のシーラガンを提起し、
さらに、ボディ先端部a2を、弁機構4の筒状のケーシング41を主体とし、そのケーシング41の外周面の前後の中間部位に、リング状の鍔410を一体または一体的に連続させて設け、その鍔410より前方の部位の外周面と後方の部位の外周面とに、それぞれねじ溝を設けて、鍔410より前方の部位を、吐出筒2の基端部が螺合して連結される接続継手fに形成し、鍔410より後方の部位を、中間胴部a3の端部が螺合して連結される接続継手dに形成し、ケーシング41内に嵌挿される弁軸40の後端部に、中間軸部7cの端部が着脱自在に接続される接続口jを装設して、ボディ先端部a2に組み立てることを特徴とする請求項1記載のロング仕様のシーラガン。
および、ボディ先端部a2に収蔵せる弁機構4のケーシング41に前後方向に摺動自在に嵌装せしめた弁軸40の前端側に、弁軸40に対し一体または一体的に連結して、弁軸40とともにケーシング41内を摺動するピストン80を設け、そのピストン80の前面側には、吸引ブロック81を配位してケーシング41の前端に組み付け固定し、その吸引ブロック81とピストン80との間に形成される拡縮するポンプ室pに吸引パイプ83を接続して、弁機構4の閉弁作動時の弁軸40が後退作動する閉弁作動時に、ピストン80が吸引ブロック81から後退してポンプ室pを拡張せしめる吸引作動が行われるポンプ装置Pを、ボディ先端部a2内に組み込み、そのポンプ装置Pの吸引パイプ83の先端側を、ボディ先端部a2の前端に装設せる吐出筒2内に突入せしめ、先端開口84を吐出筒2の筒先の吐出口20の近傍に臨ませ、弁機構4を閉弁させてシーラの吐出を停止させたときに吐出筒2の筒先付近に生ずる液だれのシーラをポンプ装置Pの吸引作動によりポンプ室pに引き込み消失させるようにしたことを特徴とする請求項1記載のロング仕様のシーラガン。
および、中間胴部a3内に配位して本体軸部7aと先端軸部7bとを接続する作動軸7の中間軸部7cを、中空のパイプ軸状に形成し、その中間軸部7cの内部空間を、ボディ本体部a1内に設けられるシーラの誘導路uの上流側誘導路u1と、ボディ先端部a2内に設けられる下流側の誘導路u2とを接続する流路としたことを特徴とする請求項1記載のロング仕様のシーラガン。
および、中間胴部a3内に配位して本体軸部7aと先端軸部7bとを接続する中間軸部7cを、軸杆状に形成し、その軸杆状の中間軸部7cの外周面と、中間胴部a3の内周面との間の内部空間を、ボディ本体部a1内に設けられるシーラの誘導路uの上流側の誘導路u1と、ボディ先端部a2内に設けられる下流側の誘導路u2とを接続する誘導路u3に構成したことを特徴とする請求項1記載のロング仕様のシーラガン。
および、ボディ先端部a2に、シーラの吐出をオン・オフ制御するよう収蔵せしめる弁機構4を、弁軸42がスライドするスライドバルブに構成し、ボディ先端部a2とボディ本体部a1とを接続する中間胴部a3を、フレキシブルパイプ等の屈曲変形可能な金属パイプにより構成し、中間胴部a3内に配設する前記弁機構4の作動軸7の中間軸部7cを、弾性により撓曲する金属材のロッド乃至金属材のワイヤーで形成したことを特徴とする請求項1記載のロング仕様のシーラガン。
および、ボディ主体部a1には、円筒状のケーシング41と、該ケーシング41内に摺動自在に嵌合する弁軸40と、その弁軸40に設けた弁座口43と、ケーシング41に設けた弁口42とからなる弁機構4が収蔵され、その弁機構4のケーシング41は、外周面の前後の中間部位に環状の鍔410が一体または一体的に連続して設けられ、その鍔410より前方に位置する部位が、雄ねじの接続継手dに形成され、鍔410より後方の部位が、ねじ部のない嵌合軸部に形成され、かつ、前記環状の鍔410には、周方向の一部に切欠き状の係合溝vが設けられ、嵌合軸部の外周に嵌合するボディ主体部a1の前端側の筒状部a’には、前端に前記係合溝vに嵌合する突起状の係合突起bが設けてあることを特徴とする請求項1記載のロング仕様のシーラガンを提起するものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明手段によるロング仕様のシーラガンは、ボディ本体部a1とボディ先端部a2との間に配位して、それらに接続して継ぎ合わせている継ぎパイプ状の中間胴部a3の長さと、ボディ本体部a1内に収蔵される作動軸7の本体軸部7aとボディ先端部a2内に収蔵される先端軸部7bとをつなぐ中間軸部7cの長さを所望に設定しておくことで、筒先の吐出口20からボディaの基端までの長さが所望の長さとなる仕様のシーラガンに構成されるから、この中間胴部a3と中間軸部7cとを多種類用意しておくことで、長さ仕様の異なる多種類のシーラガンを用意したことになるので、ロング仕様のシーラガンに生じていたコストが嵩む問題が解消できる。また、ボディa内に収蔵する作動軸7の前端部に、ポンプ装置Pのピストン80を設けて、弁機構4を閉弁としたときに生じてくる液だれを、ポンプ装置Pの吸引作動でポンプ室pに引き込み、消失させるようにしたときにおいても、その液だれの防止作動に影響なく多種類のロング仕様のシーラガンを用意できる。また、分断した作動軸7をつなぐ中間軸部7cを、分断されたシーラの誘導路uの、ボディ本体部a1側の誘導路u1とボディ先端部a2側の誘導路u2とをつなぐ中空のパイプ軸に構成したときは、中間軸部7cの内部空間が誘導路に用いられるから、シーラの誘導路uの形成に支障を生ぜしめることもない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】従前のシーラガンの一部破断した縦断側面図である。
【図2】筒先の吐出口の近くに弁機構を設けたシーラガンの一部破断した縦断側面図である。
【図3】筒先の吐出口の近くに弁機構とポンプ装置とを組み付けたシーラガンの縦断側面図である。
【図4】本発明手段を実施せるロング仕様のシーラガンの側面図である。
【図5】同上シーラガンの縦断側面図である。
【図6】同上シーラガンの部分の拡大縦断側面図である。
【図7】同上シーラガンの別の部分の拡大縦断側面図である。
【図8】同上シーラガンのボディ本体部の前端部分の斜視図である。
【図9】本発明手段の別の実施例で、(イ)はその実施例の先端側の弁機構及び基端側の弁機構が閉弁している状態時の縦断側面図、(ロ)は同上実施例のボディ先端部に組み込まれる先端側の弁機構の弁軸及びボディ主体部に組み込まれる弁機構の弁軸の斜視図である。
【図10】同上実施例の、先端側の弁機構及び基端側の弁機構が開弁した状態時における縦断側面図である。
【図11】同上実施例の、胴部を真っすぐにした常態時の側面図である。
【図12】同上実施例の、胴部を弯曲させた状態時の側面図である。
【図13】同上実施例の、胴部内に、作動軸をガイドする駒を設けた例の縦断側面図である。
【図14】同上例の、胴部内に組み込む駒の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に本発明の実施の態様を、実施例につき図面に従い詳述する。
【実施例1】
【0019】
図4は、本発明を実施せるロング仕様のシーラガンの組み立てた状態の全体の側面図、図5は同上シーラガンにおいて、ボディaの組み立て前の状態における各部分の縦断側面図、図6は、ボディ本体部a1内に収蔵される作動軸7の本体軸部7aの前端部に設けた接続口jの拡大縦断面図、図7は、ボディ先端部a2内に収蔵される作動軸7の軸先端部7bの後端部に設けた接続口jの拡大縦断面図である。
【0020】
図4において、Aはロング仕様のシーラガンの全体、aはそのシーラガンAのボディ、1はそのボディaの基端側に設けた把持グリップ、2はボディaの前端側に設けた吐出筒、3はシーラガンAに対しシーラを供給するよう把持グリップ1の端部に接続したシーラの供給ホース、uは、供給ホース3により供給されてくるシーラを、ボディaの先端側に設けた吐出筒2に導くようボディa内に設けたシーラの誘導路、4はその誘導路uの途中に設けた弁機構、5は、弁機構4に開弁・閉弁の作動を行わすべく把持グリップ1の前面側に配位して支軸5aによりボディaに軸支した握りレバー、6は、握りレバー5を把持グリップ1と一緒に握り込んで、把持グリップ1に沿う近接位置に回動させる作動により前記弁機構4を開弁に作動させ、握りレバー5の握り込みを解放して、握りレバー5が復元バネ50により把持グリップ1から離れた開放位置に回動する作動によって弁機構4を閉弁に作動させるよう、握りレバー5と弁機構4とを連繋する連繋機構、7はボディa内に収蔵せしめた前記弁機構4を作動さす作動軸、60は、前記連繋機構6を構成するよう作動軸7に設けた係止部材、61は、係止部材60と係合するよう握りレバー5に設けた係合部材、a1はボディ本体部、a2はボディ先端部、a3は中間胴部を示す。
【0021】
ボディ主体部a1は、後端側に把持グリップ1を装備し、その把持グリップ1の前面側には握りレバー5が、支軸5aにより把持グリップ1に対し進退する方向に回動自在に軸支してあり、また内部には、弁機構4を開・閉作動させる分割した作動軸7の基端側の部分である本体軸部7aが前後にスライド自在に収蔵せしめてある。
【0022】
この本体軸部7aには、後端側に寄る部位に、ボビン状に形成した係止部材60が取り付けられ、この係止部材60に握りレバー5に形設した突起状の係合部材61が係合していて、握りレバー5の回動により、前記係止部材60と係合部材61とで構成される連繋機構6を介して、この本体軸部7aが前後方向にスライドするようにしてあり、また、係止部材61とボディ本体部a1の内周面に設けた係合段部62との間に渡架装設した復元バネ50により、後方に向け押し出されるように付勢されていて、常態において、該本体軸部7aの後端が、ボディ本体部a1内の後端部位に設けた規制部材kに突き当たった状態に保持されている。
【0023】
本体軸部7aは、前端側が径方向に拡径する拡径軸部に形成してあり、その拡径軸部の前端面には、中間胴部a3内に収蔵せしめる中間軸部7cの端部を抜き差し自在に嵌挿して着脱自在に接続せしめる接続口jが形設してある。
【0024】
また、この本体軸部7aの前端側の拡径軸部は、弁機構4の弁軸40を構成している。弁機構4は、内周面をシリンダ状に形成して、ボディ本体部a1の内腔に嵌挿して固着した円筒状のケーシング41と、このケーシング41内に軸方向の摺動移動を自在に嵌合させた前記拡径軸部により構成せる弁軸40と、シーラの誘導路uの上流側の誘導路u1に接続させてケーシング41の周壁に形設した弁口42と、シーラの誘導路uの上流側の誘導路u1に接続させて弁軸40の周面に形設した弁座43と、により構成してあり、弁軸40がケーシング41内に押し込まれて、弁座口43が弁口42と合致する位置を占めることで開弁となってシーラが誘導路uを上流側から下流側に流れ、弁軸40がケーシング41内から引き出される方向に動いて、周面に設けた弁座口43が、弁口42から外れた位置を占め、弁口42が弁軸40の周面で閉鎖されることで閉弁となるようにしてある。
【0025】
本体軸部7aの前端に形設せる接続口jは、この実施例においては、図6に示しているように、本体軸部7aの前端側の弁軸40を構成する拡径軸部の前端部をさらに拡径した拡径部に形成し、その拡径部の前端面の軸芯部位に、接続しようとする中間軸部7cの径より大径とした透孔45を、軸芯線に沿い後方に向けて開設し、その透孔45内に、内径を中間軸部7cの径より幾分小径とした弾性材よりなる筒状体46を嵌挿し、外側に中心穴を具備せしめた押さえ板47で押さえ、さらにその外側に中心穴を具備する袋ナット48を被せ、その袋ナット48を本体軸部7aの前端の拡径部の外周面に形設した螺子部49に螺合して締結し、弾性材の筒状体46を拡径部内に保持せしめることで構成してあり、これにより、中間軸部7cの端部を接続口jに挿し込むと、弾性材よりなる筒状の筒状体46に堅く緊縛保持されるようにしてある。この接続口jに対し中間軸部7cの端部を挿し込んで接続させるとき、接続を一層正確にするため、接触面にロックタイト等の接着剤を使用する場合がある。
【0026】
ボディ本体部a1の前端側の内腔に装備せしめた前記弁機構4の弁軸40を摺動自在に嵌合せしめるシリンダ状のケーシング41は、それの外周面の、前端側に寄る部位に、リング状の鍔410がケーシング41と一体または一体的に連結して形設してあり、その鍔410より前方の部位が、そこに刻設せる螺子溝により雄ねじの接続継手dに形成してあり、これにより、中間胴部a3の後端側に設けた雌ねじの接続継手eを、このケーシング41前端の雄ねじの接続継手dにねじ込み螺合させて、中間胴部a3をボディ本体部a1に接続連結するときに、接続継手eの雌ねじがケーシング41に設けた鍔410に突き当たるまでねじ込むことで確実な接続が得られる接続継手を構成するようにしている。
【0027】
ケーシング41の前記鍔410より後方の部位は、ボディ本体部a1の筒状部分の内腔に対し圧入嵌合を可能とする嵌合軸状に成形してある。ケーシング41のボディ本体部a1の筒状部分の内部に対する装着は、この鍔410より後方の嵌合軸状の部分を、ボディ本体部a1の筒状部分a’に鍔410が突き当たるまで挿し込み、そのとき、嵌合軸状の部分の外周面と筒状部分a’の内周面との間にロックタイト等の接着剤を充填しておき、その接着剤により連結固着させることで装着するが、この装着の際、ボディ本体部a1の筒状部分a’の前端側には、図8に示しているように、突起状に前方に突出する係合突起bを設け、また、前述の鍔410には周方向の一部に、前記係合突起bを嵌合させる係合溝vを設けておき、ケーシング41の嵌合軸状の部分をボディ本体部a1の筒状部分a’内に嵌挿するときに、筒状部分a’の前端に設けた係合突起bを鍔410に設けた係合溝vに嵌め合わせ、この係合突起bと係合溝vとの嵌合による係合で、ケーシング41と筒状部分a’とが、回転方向に連結した状態となるようにしてある。
【0028】
そして、これにより、ボディ本体部a1を回転しないよう保持した状態において、ケーシング41の前端の雄ねじの接続継手dに、中間胴部a3の雌ねじの接続継手eを、ねじ込んで、中間胴部a3をボディ本体部a1に対し接続連結するときに、中間胴部a3を回転させて雌ねじの接続継手eをねじ込むときの回転力がケーシング41に加わることで、ケーシング41とボディ本体部a1の筒状部分a’の間の接触面に、回転方向のずれが生じて、この間のシールがゆるみ、そこからシーラの塗布作業中にシーラが漏れ出すようになるのを、この鍔410に設けた係合溝vと筒状部分a’に設けた係合突起bとの係合による回転方向の結合との係合により、ケーシング41とボディaの筒状部分a’との間の回転方向のずれを阻止し、そのずれにより、ケーシング41と筒状部分a’との間のシールが破壊されるのを有効に阻止するようになる。
【0029】
中間胴部a3は、ボディ本体部a1とボディ先端部a2とを継なぐようパイプ状に形成された継ぎパイプcと、ボディ本体部a1内に収蔵された本体軸部7aとボディ先端部a2内に収蔵せる先端軸部7bとを接続するよう継ぎパイプcの中心部位に配設される中間軸部7cとからなる。その継ぎパイプcは、アルミ合金等の軽金属材または合成樹脂材などの軽量で強度のある素材を用いて、外径が、ボディ本体部a1の前端側の筒状部分a’の外径に対応し、内径が、前記筒状部分a’に嵌合するケーシング41の外径に対応し、組み立てるロング仕様のシーラガンの長さに適応する長さ寸法のパイプ状に成形してあり、かつ、両端部には、雌ねじの接続継手eが形成してある。また、中間軸部7cは、この例においては、作動軸7を構成する強度のある金属材を用いて、中空の軸筒に形成して接続軸とするとともに、内部空間を上流側の誘導路u1と下流側の誘導路u2に分割された誘導路uを接続するつなぎの誘導路に用いている。
【0030】
この中間胴部a3のボディ本体部a1に対する接続連結は、軸筒体に形成した中間軸部7cの後端部を、ボディ本体部a1内に収蔵せる本体軸部7aの前端部に形設した接続口jに挿入し、ロックタイトで固着連結して、中間軸部7cを本体軸部7aに対し接続し、継ぎパイプcの後端側の雌ねじの接続継手eを、ボディ本体部a1の筒状部分に嵌装されているケーシング41の前端側に形設した雄ねじの接続継手dにねじ込み螺合させて結合させることで行う。
【0031】
ボディ先端部a2は、この例においては、ロング仕様のシーラガンにおいて、先端側に設ける第2の弁機構4’の構成部材を利用して組み立てている。第2の弁機構4’は、ボディ本体部a1内に収蔵せしめる弁機構4と同様に、内周面をシリンダ状に形成した筒状のケーシング41’と、そのケーシング41’内に摺動自在に嵌合させる弁軸40’と、シーラの上流側の誘導路u2に接続連通させてケーシング41’の内周面に開設させておく弁口42’と、シーラの下流側の誘導路u1に連通させて弁軸40’の外周面に開設しておく弁座口43’とにより構成するが、この第2の弁機構4’の外筐となる筒状のケーシング41’を、主体フレームに用いて、ボディ先端部a2を組み立てるようにしている。
【0032】
即ち、図5に示しているように、内周面をシリンダ状に形成して弁軸40’を摺動自在に嵌合させる筒状のケーシング41’を主体フレームとし、このケーシング41’の外周面の前端側に寄る部位にリング状の鍔410を一体または一体的に連続させて装設し、その鍔410より前方の部位の外周面に吐出筒2の基端側を螺合させて接続連結する雄ねじの接続継手fを設け、鍔410より後方の部位の外周面には、前述の中間胴部a3の継ぎパイプcの前端側の雌ねじの接続継手eに螺合させるねじ溝を設けて雄ねじの接続継手dに形成し、このケーシング41の内側に、摺動自在に嵌合した弁軸40の後端側に、前述の中間胴部a3の中間軸部7cを装脱自在に接続連結せしめる接続口jを設けることで、ボディ先端部a2に組み立て構成している。そして第2の弁機構4’は、前記弁軸40’の内部に上流側の端部が前記接続口jに連通するシーラの下流側の誘導路u2を形設し、周面には、前記シーラの誘導路u2に通ずる弁座口43’を開設しておき、また、前述のケーシング41’の内周面には、前記弁座口43’に対向させる弁口42’を開設し、内部には、上流側が前記弁口42’に接続し、下流側が該ケーシング41’の前端面に開口するシーラの下流側の誘導路u2を形設しておくことで、弁軸40’が前方に動いて周面に設けた弁座口43’がケーシング41’に設けた弁口42’と接合すると、開弁となって、接続口j側から流れてくるシーラが、弁座口43’から弁口42’を流過して誘導路u2を経て、該ボディ先端部a2の前端に接続する吐出筒2内に流れ、筒先の吐出口20から吐出されるようになり、弁軸40’が後方に動くと、弁座口43’が弁口42’からずれて、弁口42’を弁軸40’の周面で閉塞して閉弁となって、シーラの流路を遮断しシーラの吐出を停止させるように構成してある。
【0033】
また、該ボディ先端部a2の、弁軸40’の後端部に装設せる接続口jは、ボディ本体部a2の弁軸40の前端部に設けた接続口jと同様の構造のもので、図7に示しているように、弁軸40’の後端部に拡径部を設け、その拡径部の後端面に透孔45を開設し、その透孔45に、弾性材により、内径を中間軸部7cの外径よりも幾分小径に成形した筒状体46を装入し、その筒状体46の外端側に、中心穴を具備する押さえ板47を当て、その外側から、中心穴を具備する袋ナット48を被せ、その袋ナット48を拡径部の外周面に刻設したねじ溝にねじ込み締結することで構成している。
【0034】
この接続口jに対する中間軸部7cの前端部の接続は、中間軸部7cの端部を圧入により挿入し、弾性材よりなる筒状体46で緊縛保持せしめることで行うが、この実施例においては、挿入後の接続状態の確実な保持のために、中間軸部7cの周面と筒状体46の内周面との間に、ロックタイト等の接着・シール剤を介装するようにしている。
【0035】
ボディ先端部a2には、この実施例においては、さらに、第2の弁機構4’を閉弁に作動させてシーラの吐出を停止させたときに、吐出筒2の筒先の吐出口20の周辺にシーラが付着して、垂れ下がるように生じてくるシーラの液だれを、吸引して消失除去せしめる液だれ防止装置Bのポンプ装置Pが、ボディ先端部a2内に組み込み収蔵せしめる弁機構4’の構成部材を利用してこのボディ先端部a2内に組み込まれている。
【0036】
この液だれ防止装置Bを構成するポンプ装置Pは、シリンダ内に摺動自在に嵌挿したピストンが、シリンダの隔壁に向けて押し込まれるように作動することで、ピストンとシリンダの隔壁との間に形成される拡縮するポンプ室を圧縮してそのポンプ室に通ずる吸引・吐出口を介し内気を吐出する吐出作動を行い、ピストンが引き出されるよう作動することで拡縮するポンプ室を拡張させて吸引・吐出口を介し外気を吸引する吸引作動する通常の形態のポンプ装置である。
【0037】
そして、このポンプ装置Pは、ボディ先端部a2に組み込まれた第2の弁機構4’のケーシング41’内に前後に摺動自在に嵌合させてある弁軸40’の前端側に、その弁軸40’と共にケーシング41’内を前後に摺動するピストン80を、一体または一体的に連続させて装設し、このピストン80の前面側には、内周面をシリンダ状に形成してある前記ケーシング41’の前端側を塞いで、そのシリンダの隔壁となる吸引ブロック81を、コーン状に成形して配位し、その外周面に設けた鍔810を、ケーシング41’の前端に接合させて組み付け、この吸引ブロック81の後面とピストン80の前面との間に、ピストン80の前後の動きにより拡縮するポンプ室pを形成し、吸引ブロック81の軸芯部位に、外部に通ずる吸引・吐出口82を開設し、その吸引・吐出口82に吸引パイプ83の基端側を接続し、その吸引パイプ83の先端側を、ボディ先端部a2の前端側の接続継手fに接続して装着される吐出筒2内に突入させて、先端開口84を、吐出筒2内において、その吐出筒2の筒先の吐出口20の近傍位置に臨ませることで、構成してある。
【0038】
なお、図5において811は鍔810に形設したシーラの流路となる透孔で、ピストン80の前面側に配位した吸引ブロック81を、それの鍔410がケーシング41’の前端面に当接した状態において、吐出筒2の基端部の雌ねじを、ケーシング41’の前端部の接続継手fの雄ねじに螺合して締結することで、吐出筒2内の係止段部21により、鍔810をケーシング41’の前端面に押し付けて吸引ブロック81をケーシング41’に対し固着した状態に組み付けたとき、弁機構4’の弁口42’に通ずるケーシング41’内のシーラの誘導路u2の下流側の端部に接続連通して、前記弁口42’を経て流れてくるシーラを、この透孔811よりなる流路により、吐出筒2内の吸引パイプ83の外周面と吐出筒2の内壁面との間の間隙を経て吐出口20に導くようにする。
【0039】
この液だれ防止装置Bを構成するポンプ装置Pは、弁軸40’が押し込まれて、弁機構4’の弁座口43’とが接合する開弁位置に動くと、弁軸40’前端に設けたピストン80が吸引ブロック81の後面に近接してポンプ室pを圧縮するように動き吐出作動を行い、弁軸40’が引き出されて弁座口43’が弁口42’から外れる閉弁位置に動くと、ピストン80が吸引ブロック81の後面から後退してポンプ室pを拡張するように動き吸引作動を行うようになる。
【0040】
このことから、シーラガンの握りレバー5の握り込みを放して弁機構4を閉弁に作動させてシーラの吐出を停止させたときに、吐出筒2の筒先の吐出口20から垂れ下がるように生じてくるシーラの液だれを、ポンプ装置Pの吸引作動による吸引圧で、吐出筒2内の吸引パイプ83を経てポンプ室pに引き込み、除去・消失せしめるようになる。
【0041】
そして、この液だれ防止装置Bを構成するポンプ装置Pは、ピストン80を摺動自在に嵌合させるためのシリンダとして、弁機構4’の弁軸40’を嵌合させるケーシング41’を共用し、ピストン80を作動させる作動軸として、作動軸7を共用することになるので、簡略な構成で組み込めるようになる。
【実施例2】
【0042】
図9・図10は、本発明手段を実施せるロング仕様のシーラガンの別の実施例を示している。
この例は、ボディaを、把持グリップ1および握りレバー5を装備せるボディ本体部a1と、先端側に吐出筒2を保持せしめるボディ先端部a2とに分けて、それらを各別に組み立て、そのボディ本体部a1の前端部とボディ先端部a2の後端部とに接続継手dをそれぞれ装設し、別に前後の両端部に前記接続継手dと接続する接続継手eを装備せる継ぎパイプ状の中間胴部a3を形設し、この中間胴部a3内に、ボディ本体部a1に収蔵せる弁機構4の弁軸40とボディ先端部a2に収蔵せる弁機構4’の弁軸40’とを接続連繋する作動軸7の中間軸部7cを挿通し、この状態において中間軸部7cを弁機構4の弁軸40と、先端側の弁機構4’の弁軸40’とに接続連繋し、中間胴部a3をボディ本体部a1とボディ先端部a2とに接続連結することで、一体に連続するボディaを組み立てることについては、前述の実施例1のものと変わりがないが、中間胴部a3内に配位する中間軸部7cは、軸杆状に形成しておいて、この中間軸部7cの外周面と中間胴部a3の内周面との間に形成される該中間胴部a3の内部空間を、ボディ本体部a1内に設けられるシーラの誘導路uの上流側の誘導路u1とボディ先端部a2内に設けられる下流側の誘導路u2とを接続連通する誘導路u3に構成し、シーラがこの中間胴部a3の内部空間を流路として吐出筒2の先端の吐出口20に流れるようにしている例である。この実施例は、中間胴部a3の内部空間をシーラの誘導路u3とした点を除くその余の構成については、前述の実施例1のものと変わりがなく、同じ構成部材について同じ符号を付すことで詳細な説明は省略する。
【0043】
この例のロング仕様のシーラガンは、胴部の構成が胴部の外径を小さく抑えてシーラの流路断面積を充分に確保できることで、全体を軽量にでき、また、胴部を小径に構成できて、細かい作業ができるようになる。
【実施例3】
【0044】
図11乃至図14は、さらに別の実施例を示している。この例は、ボディaを、把持グリップ1および握りレバー5を装備せるボディ本体部a1と先端側に吐出筒2を保持せしめるボディ先端部a2とに分けて、それらを、別体に形成して、これらを別に形成した中間胴部a3で接続連結して一体に連続するボディaに組み立て、胴部を長くしたロング仕様のシーラガンにおいて、それの胴部である中間胴部a3を、屈曲変形が自在に行われるよう構成しておくことで、シーラを塗布すべき箇所の手前に障碍物がある場合に、胴部を屈曲変形させることにより、障碍物を迂回して先端の吐出筒2の筒先を、塗布すべき箇所に対向させて、シーラの塗布が行えるようにしている例である。
【0045】
この例のロング仕様のシーラガンは、ボディ先端部a2の構成およびボディ本体部a1の構成については、前述の実施例2のものと変わりがなく、同様に構成してあり、また、ボディ先端部a2に収蔵せる先端弁機構4’を開閉作動させるのにボディ本体部a1に収蔵せる弁機構4の弁軸40に基端側が接続連繋する中間軸部7cを、中間胴部a3内に通してボディ先端部a2側に導き、その中間軸部7cの先端側を、ボディ先端部a2内に収蔵せる先端弁機構4’の弁軸40’に接続連繋することで、握りレバー5の回動作動により作動軸7を動かし、先端の弁機構4’を開閉作動させるようにする構成、また、ボディ本体部a1内のシーラの流路uに導入したシーラを、ボディ先端部a2に設けている吐出筒2に導くのに、中間胴部a3の内周面と中間軸部7cの外周面との間に形成される中間胴部a3の内部空間を、ボディ本体部a1内の上流側の誘導路u1とボディ先端部a2内の下流側の誘導路u2とを接続連通する誘導路u3に構成し、シーラが、ボディ本体部a1とボディ先端部a2を接続する継ぎパイプである中間胴部a3の内部空間を流路として吐出筒2の先端の吐出口20に流れるようにしている構成については、前述の例のものと変わりがない。
【0046】
しかし、ボディ本体部a1とボディ先端部a2とを接続する継ぎパイプとなる中間胴部a3は、屈曲回動する関節が軸方向に多連に並列して屈曲変形が自在なフレキシブルパイプで構成してあり、かつ、中間胴部a3内に配位して、ボディ本体部a1に収蔵せる弁機構4の弁軸40とボディ先端部a2に収蔵せる先端側の弁機構4’の弁軸40’とを接続連繋する中間軸部7cは、具備する弾性により撓曲変形とその復元が自在の鋼材よりなる小径のロッド乃至太目のワイヤーにより構成している。
【0047】
そして、これにより、ボディ先端部a2とボディ本体部a1とを握り、胴部を撓ませるように力を加えると、フレキシブルパイプよりなる中間胴部a3が屈曲変形して弯曲した状態となり(図12)、このとき、中間胴部a3内の、鋼材よりなる棒状乃至線状の中間軸部7cが、フレキシブルパイプの屈曲に追従して屈曲変形し、その屈曲したフレキシブルパイプによって、屈曲変形した状態姿勢に保持されるようになり、この状態において、握りレバー5を操作し回動させることで、先端の弁機構4’の開閉作動が、屈曲した作動軸7の長手方向に沿う作動によって行われ、シーラの吐出と停止がコントロールされるようにしている。
【0048】
従って、先端の吐出筒2の筒先の吐出口20を、胴部の屈曲変形により、塗布すべき箇所の手前に存在する障碍物をかわして、その箇所と対向する位置に配置できるようになる。
【0049】
この実施例において、中間胴部を構成するフレキシブルパイプは、ボディ本体部a1がボディ先端部a2を支持せしめる強度を具備して、屈曲変形が自在に行われるようになればよいものであり、屈曲回動を自在とする関節が多連に並列して連続する形態のフレキシブルパイプに限らず屈曲変形を自在とする金属パイプとする場合がある。
【0050】
また、屈曲変形を可能に構成するこの中間胴部a3内には、図14にしめしているような、円板状に形成した駒9を、1個乃至複数個装入して、中間胴部a3の内周面に固定装着しておき、それの中心部に開設した誘導孔90に、小径の棒状乃至太目の線状に形成した中間軸部7cを挿通せしめて、その中間軸部7cの軸芯線方向の動きをガイドさせ、誘導孔90の周辺部位に開設した透孔91により、中間胴部a3内を流過するシーラを透過させるようにする場合がある。
【0051】
この駒9は、フレキシブルパイプまたは撓曲可能の金属パイプで構成した中間胴部a3を屈曲変形させて、内部に収蔵している撓曲可能な作動軸7の先端部7aを追従撓曲させたときに、その作動軸7の先端部7aが不正な形状に屈曲して、屈曲部位が、中間胴部a3の内周面に圧接し、弁機構4を開閉させる作動に支障をきたすようになるのを抑止し、作動軸7の作動を円滑にするよう機能する。
【符号の説明】
【0052】
A シーラガン
P ポンプ装置
S 液だれ
a ボディ
a’ 筒状部分
a1 ボディ本体部
a2 ボディ先端部
a3 中間胴部
b 係合突起
c 継ぎパイプ
d f 雄ねじの接続継手
e 雌ねじの接続継手
j 接続口
k 規制部材
p ポンプ室
u 誘導路
u1 上流側の誘導路
u2 下流側の誘導路
v 係合溝
1 把持グリップ
2 吐出筒
20 吐出口
21 係止段部
3 供給ホース
4 弁機構
4’ 第2の弁機構
40 40’ 弁軸
41 41’ ケーシング
410 鍔
42 42’ 弁口
43 43’ 弁座口
45 透孔
46 筒状体
47 押さえ板
48 袋ナット
49 螺子部
5 握りレバー
5a 支軸
50 復元バネ
6 連繋機構
60 係止部材
61 係合部材
62 係合段部
7 作動軸
7a 本体軸部
7b 先端軸部
7c 中間軸部
80 ピストン
81 吸引ブロック
810 鍔
811 透孔
82 吸引・吐出口
83 吸引パイプ
84 先端開口
9 駒
90 誘導孔
91 透孔
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布剤または充填剤の液材料(シーラ)を、吐出筒の筒先の吐出口から吐出させるシーラガンのうちで、ボディの手元の把持グリップから先端の吐出口までが長く形成してあるロング仕様の形態のシーラガンについての改良に関する。
【背景技術】
【0002】
塗布剤・充填剤などの液材料(シーラ)を、構造体の隙間・間隔に塗着・充填するシーラガンAは、通常、図1に示しているように、中空の筒状に成形したボディaの基端側に、把持グリップ1を一体または一体的に設け、先端側には筒先に吐出口20を開設した吐出筒2を接続して設け、ボディaの内部には、把持グリップ1の底部に接続する供給ホース3で供給されてくるシーラを、吐出筒2の筒先の吐出口20に導く誘導路uを設け、その誘導路uの途中には、シーラの吐出口20への流れを断・接する弁機構4を設け、ボディa基端側の把持グリップ1の前面には、該把持グリップ1に対し進退するよう回動する握りレバー5を支軸5aにより軸支し、この握りレバー5と前記弁機構4とを、その握りレバー5を把持グリップ1に沿う姿勢位置に握り込むことで前記弁機構4が開弁に作動し、握り込みを放して復元バネ50により把持グリップ1から離れた姿勢位置に復元回動する作動で閉弁に作動するよう連繋機構6を介して連繋し、これにより、把持グリップ1を握ってシーラガンAのボディaを把持した状態で、握りレバー5を握り込むと、弁機構4が開弁に作動してボディaの先端の吐出筒2の筒先の吐出口20からシーラが吐出し、握りレバー5の握り込みを放すと、弁機構4が閉弁に作動して、吐出口20からのシーラの吐出が停止とするように構成してある。
【0003】
シーラガンAは、握りレバー5の握り込みを放してシーラの吐出を停止させたときに、吐出筒2の筒先の吐出口20の付近にシーラが、つららのように垂れ下がった状態に付着して残る、シーラの液だれSを生ぜしめるようになる(図1の鎖線参照)。
【0004】
シーラの吐出を停止させたときに筒先に生じるこの液だれSは、放置しておくと、外気に曝されることで、次の塗布作業・充填作業を行うときには、正常に使用することのできない性状のシーラに変性してくることから、吐出を停止したときの直後に、紙布により拭きとって廃棄するように処理している。
【0005】
シーラガンには、シーラの吐出を停止させる度ごとに行う液だれを拭いとる処理のために、作業性を悪くしている問題がある。
【0006】
シーラの吐出を停止させたときに生じてくるこの液だれの現象は、シーラが、粘性のある性状のもので、付着性と凝集性が大きいことから、“切れ”が悪いことと、シーラが加圧されて圧送されてくることで、弁機構4の閉弁作動で吐出を停止させたときに、弁機構4より下流側のシーラの誘導路u内に残るシーラが、圧送の際に与えられていた圧力によって、吐出口から押し出されることにより生ずるものと考えられている。このことから、シーラガンAのボディa内の誘導路uには、吐出筒2の筒先の吐出口20に寄る外端部位に弁機構4を設けて、弁機構4より下流側の誘導路uの長さを短くするか、誘導路uの途中に設ける弁機構4の外に、吐出筒2の先端の吐出口20に寄せた位置にも第2の弁機構4’を設ける手段が採られている(図2参照)。
【0007】
しかし、このようにしても、シーラの吐出を停止させたときの液だれは生じてくるので、図3に示しているように、シーラガンAのボディaには、握りレバー5の握り込みを解放したときに、弁機構4を開閉作動させる作動軸7が復元バネ50により復元回動する作動によってその作動軸7の前端に設けたピストン80の作動で吸引作動するポンプ装置Pを組み付け、そのポンプ装置Pのピストン80の作動で拡縮するポンプ室pに接続する吸引パイプ83を、シーラガンAの吐出筒2内に配設して、作動軸7の作動で弁機構4が閉弁に作動したときにポンプ装置Pが同期して吸引作動を行い、それによる吸引圧により液だれのシーラを吐出筒2内を経てポンプ室pに引き込ますようにする液だれ防止手段が採られるようになってきている。
【0008】
ところで、このシーラガンAは、シーラを塗着、若しくは充填する対象物の構造体が、目の前に置かれている場合だけでなく、例えば、自動車等の車輌の床下に位置する構造部分が対象物で、シーラの塗布・充填作業を行うときに、作業者が近寄ることができず、遠隔位置から作業を行わなければならない場合があることから、これに対処できるよう、ボディを長く構成したロング仕様のものがある。
【0009】
このロング仕様のシーラガンは、シーラを塗布する個所が構造体の構成部材で遮られて、その構成部材の隙間にシーラガンAを挿し込んで、吐出筒2の筒先を塗布すべき個所に近づけ、塗布作業を行うようにするためのものであることから、対象物である塗布・充填すべき個所の種々の状態位置に対応するよう種々の長さのものに作られている。塗布すべき個所が、例えば、自動車の車体の床下部分で車体の左右の側壁部の内面側に位置する部位である場合には、作業者が、塗布個所と反対側の車体の側面に回り込んで、車体の床板下面の隙間からシーラガンを挿し込み、筒先を対象個所に狙い付けるように用いることで、車体幅に対応する数メートルの長さの超ロング仕様のものまで作られている。
【0010】
このロング仕様のシーラガンには、多数の、距離の異なる遠隔位置にある対象個所に対し、それぞれ適応して塗布・充填作業が行えるようにするため、それぞれ長さの異なる多数のシーラガンを取り揃えておくことから、使用しない遊休の設備を多く抱えることになり、コストが嵩む問題を生ぜしめている。
【0011】
このため、シーラガンを、ボディaと吐出筒2とをそれぞれ別体に成形し、その吐出筒2をボディaに対し装脱自在に組み付け接続することでシーラガンに組み立てられるように構成し、その吐出筒2を、それの基端の接続部から筒先の吐出口20までの長さが異なる多種類のものに取り揃えておいて、これらの中から、選択した吐出筒2をボディaに組み付けることで、距離の異なる遠隔位置の塗布対象物に対応させることでコストを低減させる手段の試みがなされてきている。
【0012】
このようにしたとき、長く成形した吐出筒2は、ボディaに接続させる基端の接続部よりも先端側の、細管状に形成されるノズル部が長大に形成されることで、強度が不足して作業中に器物に当接したときに屈曲・変形するようになって、作業が適切に行えなくなる問題が生ずる。吐出筒2の内部で筒先の吐出口20の近接位置に、液だれ防止のための、第2の弁機構4’を設けた場合は、それの重量により吐出筒2の先端側に荷重がかかることで、屈折・変形による損傷が甚だしくなる。
【0013】
また、吐出筒2が長大に形成されることで、その吐出筒2の基端の接続部から筒先の吐出口20までのシーラの誘導がむずかしくなり、誘導路uの下流側の端部に寄る位置に弁機構4またはポンプ装置Pを装備せしめようとしたときには、その誘導路uの形成がむずかしくなる問題がでてくる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明において解決しようとする課題は、上述のロング仕様のシーラガンに生じているコストが嵩む問題を、吐出筒2の筒先の吐出口20にシーラを導く誘導路uの形成に支障を生ぜしめることなく解決し得るようにする手段を構成する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明においては、上述の課題を解決するための手段として、把持グリップ1を設けた基端から吐出口20が開口する吐出筒2の先端までの長さを長く形成したロング仕様のシーラガンにおいて、ボディaを把持グリップ1および握りレバー5を装備せるボディ本体部a1と、先端側に吐出筒2を保持せしめるボディ先端部a2とに分け、それらボディ本体部a1とボディ先端部a2を各別に組み立て、そのボディ本体部a1の前端部とボディ先端部a2の後端部とに、接続継手dをそれぞれ装設し、別に、両端に前記接続継手dと接合して接続する接続継手eをそれぞれ装備せる継ぎパイプcよりなる中間胴部a3を形成し、この中間胴部a3内に、ボディ先端部a2に収蔵せるシーラの吐出をオン・オフ制御する弁機構4を開・閉さす作動軸7を、挿通せしめて、この中間胴部a3を介してボディ本体部a1とボディ先端部a2とを、接続連結して一体に連続するボディaに組み立てたことを特徴とするロング仕様のシーラガンを提起するものである。
また、これに併せて、ボディ先端部a2には、吐出筒2の筒先の吐出口20からのシーラの吐出をオン・オフ制御する弁機構4を収蔵せしめ、その弁機構4の弁軸42を開弁位置と閉弁位置とに作動さす作動軸7を、ボディ本体部a1内に収蔵される本体軸部7aと、ボディ先端部a2内に収蔵される先端軸部7bと、中間胴部a3内に配位される中間軸部7cとに分け、中間軸部7cを、本体軸部7aと先端軸部7b間に渡架し、装脱自在に接続連結して連続する作動軸7に組み立てることを特徴とする請求項1記載のロング仕様のシーラガンを提起し、
さらに、ボディ先端部a2を、弁機構4の筒状のケーシング41を主体とし、そのケーシング41の外周面の前後の中間部位に、リング状の鍔410を一体または一体的に連続させて設け、その鍔410より前方の部位の外周面と後方の部位の外周面とに、それぞれねじ溝を設けて、鍔410より前方の部位を、吐出筒2の基端部が螺合して連結される接続継手fに形成し、鍔410より後方の部位を、中間胴部a3の端部が螺合して連結される接続継手dに形成し、ケーシング41内に嵌挿される弁軸40の後端部に、中間軸部7cの端部が着脱自在に接続される接続口jを装設して、ボディ先端部a2に組み立てることを特徴とする請求項1記載のロング仕様のシーラガン。
および、ボディ先端部a2に収蔵せる弁機構4のケーシング41に前後方向に摺動自在に嵌装せしめた弁軸40の前端側に、弁軸40に対し一体または一体的に連結して、弁軸40とともにケーシング41内を摺動するピストン80を設け、そのピストン80の前面側には、吸引ブロック81を配位してケーシング41の前端に組み付け固定し、その吸引ブロック81とピストン80との間に形成される拡縮するポンプ室pに吸引パイプ83を接続して、弁機構4の閉弁作動時の弁軸40が後退作動する閉弁作動時に、ピストン80が吸引ブロック81から後退してポンプ室pを拡張せしめる吸引作動が行われるポンプ装置Pを、ボディ先端部a2内に組み込み、そのポンプ装置Pの吸引パイプ83の先端側を、ボディ先端部a2の前端に装設せる吐出筒2内に突入せしめ、先端開口84を吐出筒2の筒先の吐出口20の近傍に臨ませ、弁機構4を閉弁させてシーラの吐出を停止させたときに吐出筒2の筒先付近に生ずる液だれのシーラをポンプ装置Pの吸引作動によりポンプ室pに引き込み消失させるようにしたことを特徴とする請求項1記載のロング仕様のシーラガン。
および、中間胴部a3内に配位して本体軸部7aと先端軸部7bとを接続する作動軸7の中間軸部7cを、中空のパイプ軸状に形成し、その中間軸部7cの内部空間を、ボディ本体部a1内に設けられるシーラの誘導路uの上流側誘導路u1と、ボディ先端部a2内に設けられる下流側の誘導路u2とを接続する流路としたことを特徴とする請求項1記載のロング仕様のシーラガン。
および、中間胴部a3内に配位して本体軸部7aと先端軸部7bとを接続する中間軸部7cを、軸杆状に形成し、その軸杆状の中間軸部7cの外周面と、中間胴部a3の内周面との間の内部空間を、ボディ本体部a1内に設けられるシーラの誘導路uの上流側の誘導路u1と、ボディ先端部a2内に設けられる下流側の誘導路u2とを接続する誘導路u3に構成したことを特徴とする請求項1記載のロング仕様のシーラガン。
および、ボディ先端部a2に、シーラの吐出をオン・オフ制御するよう収蔵せしめる弁機構4を、弁軸42がスライドするスライドバルブに構成し、ボディ先端部a2とボディ本体部a1とを接続する中間胴部a3を、フレキシブルパイプ等の屈曲変形可能な金属パイプにより構成し、中間胴部a3内に配設する前記弁機構4の作動軸7の中間軸部7cを、弾性により撓曲する金属材のロッド乃至金属材のワイヤーで形成したことを特徴とする請求項1記載のロング仕様のシーラガン。
および、ボディ主体部a1には、円筒状のケーシング41と、該ケーシング41内に摺動自在に嵌合する弁軸40と、その弁軸40に設けた弁座口43と、ケーシング41に設けた弁口42とからなる弁機構4が収蔵され、その弁機構4のケーシング41は、外周面の前後の中間部位に環状の鍔410が一体または一体的に連続して設けられ、その鍔410より前方に位置する部位が、雄ねじの接続継手dに形成され、鍔410より後方の部位が、ねじ部のない嵌合軸部に形成され、かつ、前記環状の鍔410には、周方向の一部に切欠き状の係合溝vが設けられ、嵌合軸部の外周に嵌合するボディ主体部a1の前端側の筒状部a’には、前端に前記係合溝vに嵌合する突起状の係合突起bが設けてあることを特徴とする請求項1記載のロング仕様のシーラガンを提起するものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明手段によるロング仕様のシーラガンは、ボディ本体部a1とボディ先端部a2との間に配位して、それらに接続して継ぎ合わせている継ぎパイプ状の中間胴部a3の長さと、ボディ本体部a1内に収蔵される作動軸7の本体軸部7aとボディ先端部a2内に収蔵される先端軸部7bとをつなぐ中間軸部7cの長さを所望に設定しておくことで、筒先の吐出口20からボディaの基端までの長さが所望の長さとなる仕様のシーラガンに構成されるから、この中間胴部a3と中間軸部7cとを多種類用意しておくことで、長さ仕様の異なる多種類のシーラガンを用意したことになるので、ロング仕様のシーラガンに生じていたコストが嵩む問題が解消できる。また、ボディa内に収蔵する作動軸7の前端部に、ポンプ装置Pのピストン80を設けて、弁機構4を閉弁としたときに生じてくる液だれを、ポンプ装置Pの吸引作動でポンプ室pに引き込み、消失させるようにしたときにおいても、その液だれの防止作動に影響なく多種類のロング仕様のシーラガンを用意できる。また、分断した作動軸7をつなぐ中間軸部7cを、分断されたシーラの誘導路uの、ボディ本体部a1側の誘導路u1とボディ先端部a2側の誘導路u2とをつなぐ中空のパイプ軸に構成したときは、中間軸部7cの内部空間が誘導路に用いられるから、シーラの誘導路uの形成に支障を生ぜしめることもない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】従前のシーラガンの一部破断した縦断側面図である。
【図2】筒先の吐出口の近くに弁機構を設けたシーラガンの一部破断した縦断側面図である。
【図3】筒先の吐出口の近くに弁機構とポンプ装置とを組み付けたシーラガンの縦断側面図である。
【図4】本発明手段を実施せるロング仕様のシーラガンの側面図である。
【図5】同上シーラガンの縦断側面図である。
【図6】同上シーラガンの部分の拡大縦断側面図である。
【図7】同上シーラガンの別の部分の拡大縦断側面図である。
【図8】同上シーラガンのボディ本体部の前端部分の斜視図である。
【図9】本発明手段の別の実施例で、(イ)はその実施例の先端側の弁機構及び基端側の弁機構が閉弁している状態時の縦断側面図、(ロ)は同上実施例のボディ先端部に組み込まれる先端側の弁機構の弁軸及びボディ主体部に組み込まれる弁機構の弁軸の斜視図である。
【図10】同上実施例の、先端側の弁機構及び基端側の弁機構が開弁した状態時における縦断側面図である。
【図11】同上実施例の、胴部を真っすぐにした常態時の側面図である。
【図12】同上実施例の、胴部を弯曲させた状態時の側面図である。
【図13】同上実施例の、胴部内に、作動軸をガイドする駒を設けた例の縦断側面図である。
【図14】同上例の、胴部内に組み込む駒の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に本発明の実施の態様を、実施例につき図面に従い詳述する。
【実施例1】
【0019】
図4は、本発明を実施せるロング仕様のシーラガンの組み立てた状態の全体の側面図、図5は同上シーラガンにおいて、ボディaの組み立て前の状態における各部分の縦断側面図、図6は、ボディ本体部a1内に収蔵される作動軸7の本体軸部7aの前端部に設けた接続口jの拡大縦断面図、図7は、ボディ先端部a2内に収蔵される作動軸7の軸先端部7bの後端部に設けた接続口jの拡大縦断面図である。
【0020】
図4において、Aはロング仕様のシーラガンの全体、aはそのシーラガンAのボディ、1はそのボディaの基端側に設けた把持グリップ、2はボディaの前端側に設けた吐出筒、3はシーラガンAに対しシーラを供給するよう把持グリップ1の端部に接続したシーラの供給ホース、uは、供給ホース3により供給されてくるシーラを、ボディaの先端側に設けた吐出筒2に導くようボディa内に設けたシーラの誘導路、4はその誘導路uの途中に設けた弁機構、5は、弁機構4に開弁・閉弁の作動を行わすべく把持グリップ1の前面側に配位して支軸5aによりボディaに軸支した握りレバー、6は、握りレバー5を把持グリップ1と一緒に握り込んで、把持グリップ1に沿う近接位置に回動させる作動により前記弁機構4を開弁に作動させ、握りレバー5の握り込みを解放して、握りレバー5が復元バネ50により把持グリップ1から離れた開放位置に回動する作動によって弁機構4を閉弁に作動させるよう、握りレバー5と弁機構4とを連繋する連繋機構、7はボディa内に収蔵せしめた前記弁機構4を作動さす作動軸、60は、前記連繋機構6を構成するよう作動軸7に設けた係止部材、61は、係止部材60と係合するよう握りレバー5に設けた係合部材、a1はボディ本体部、a2はボディ先端部、a3は中間胴部を示す。
【0021】
ボディ主体部a1は、後端側に把持グリップ1を装備し、その把持グリップ1の前面側には握りレバー5が、支軸5aにより把持グリップ1に対し進退する方向に回動自在に軸支してあり、また内部には、弁機構4を開・閉作動させる分割した作動軸7の基端側の部分である本体軸部7aが前後にスライド自在に収蔵せしめてある。
【0022】
この本体軸部7aには、後端側に寄る部位に、ボビン状に形成した係止部材60が取り付けられ、この係止部材60に握りレバー5に形設した突起状の係合部材61が係合していて、握りレバー5の回動により、前記係止部材60と係合部材61とで構成される連繋機構6を介して、この本体軸部7aが前後方向にスライドするようにしてあり、また、係止部材61とボディ本体部a1の内周面に設けた係合段部62との間に渡架装設した復元バネ50により、後方に向け押し出されるように付勢されていて、常態において、該本体軸部7aの後端が、ボディ本体部a1内の後端部位に設けた規制部材kに突き当たった状態に保持されている。
【0023】
本体軸部7aは、前端側が径方向に拡径する拡径軸部に形成してあり、その拡径軸部の前端面には、中間胴部a3内に収蔵せしめる中間軸部7cの端部を抜き差し自在に嵌挿して着脱自在に接続せしめる接続口jが形設してある。
【0024】
また、この本体軸部7aの前端側の拡径軸部は、弁機構4の弁軸40を構成している。弁機構4は、内周面をシリンダ状に形成して、ボディ本体部a1の内腔に嵌挿して固着した円筒状のケーシング41と、このケーシング41内に軸方向の摺動移動を自在に嵌合させた前記拡径軸部により構成せる弁軸40と、シーラの誘導路uの上流側の誘導路u1に接続させてケーシング41の周壁に形設した弁口42と、シーラの誘導路uの上流側の誘導路u1に接続させて弁軸40の周面に形設した弁座43と、により構成してあり、弁軸40がケーシング41内に押し込まれて、弁座口43が弁口42と合致する位置を占めることで開弁となってシーラが誘導路uを上流側から下流側に流れ、弁軸40がケーシング41内から引き出される方向に動いて、周面に設けた弁座口43が、弁口42から外れた位置を占め、弁口42が弁軸40の周面で閉鎖されることで閉弁となるようにしてある。
【0025】
本体軸部7aの前端に形設せる接続口jは、この実施例においては、図6に示しているように、本体軸部7aの前端側の弁軸40を構成する拡径軸部の前端部をさらに拡径した拡径部に形成し、その拡径部の前端面の軸芯部位に、接続しようとする中間軸部7cの径より大径とした透孔45を、軸芯線に沿い後方に向けて開設し、その透孔45内に、内径を中間軸部7cの径より幾分小径とした弾性材よりなる筒状体46を嵌挿し、外側に中心穴を具備せしめた押さえ板47で押さえ、さらにその外側に中心穴を具備する袋ナット48を被せ、その袋ナット48を本体軸部7aの前端の拡径部の外周面に形設した螺子部49に螺合して締結し、弾性材の筒状体46を拡径部内に保持せしめることで構成してあり、これにより、中間軸部7cの端部を接続口jに挿し込むと、弾性材よりなる筒状の筒状体46に堅く緊縛保持されるようにしてある。この接続口jに対し中間軸部7cの端部を挿し込んで接続させるとき、接続を一層正確にするため、接触面にロックタイト等の接着剤を使用する場合がある。
【0026】
ボディ本体部a1の前端側の内腔に装備せしめた前記弁機構4の弁軸40を摺動自在に嵌合せしめるシリンダ状のケーシング41は、それの外周面の、前端側に寄る部位に、リング状の鍔410がケーシング41と一体または一体的に連結して形設してあり、その鍔410より前方の部位が、そこに刻設せる螺子溝により雄ねじの接続継手dに形成してあり、これにより、中間胴部a3の後端側に設けた雌ねじの接続継手eを、このケーシング41前端の雄ねじの接続継手dにねじ込み螺合させて、中間胴部a3をボディ本体部a1に接続連結するときに、接続継手eの雌ねじがケーシング41に設けた鍔410に突き当たるまでねじ込むことで確実な接続が得られる接続継手を構成するようにしている。
【0027】
ケーシング41の前記鍔410より後方の部位は、ボディ本体部a1の筒状部分の内腔に対し圧入嵌合を可能とする嵌合軸状に成形してある。ケーシング41のボディ本体部a1の筒状部分の内部に対する装着は、この鍔410より後方の嵌合軸状の部分を、ボディ本体部a1の筒状部分a’に鍔410が突き当たるまで挿し込み、そのとき、嵌合軸状の部分の外周面と筒状部分a’の内周面との間にロックタイト等の接着剤を充填しておき、その接着剤により連結固着させることで装着するが、この装着の際、ボディ本体部a1の筒状部分a’の前端側には、図8に示しているように、突起状に前方に突出する係合突起bを設け、また、前述の鍔410には周方向の一部に、前記係合突起bを嵌合させる係合溝vを設けておき、ケーシング41の嵌合軸状の部分をボディ本体部a1の筒状部分a’内に嵌挿するときに、筒状部分a’の前端に設けた係合突起bを鍔410に設けた係合溝vに嵌め合わせ、この係合突起bと係合溝vとの嵌合による係合で、ケーシング41と筒状部分a’とが、回転方向に連結した状態となるようにしてある。
【0028】
そして、これにより、ボディ本体部a1を回転しないよう保持した状態において、ケーシング41の前端の雄ねじの接続継手dに、中間胴部a3の雌ねじの接続継手eを、ねじ込んで、中間胴部a3をボディ本体部a1に対し接続連結するときに、中間胴部a3を回転させて雌ねじの接続継手eをねじ込むときの回転力がケーシング41に加わることで、ケーシング41とボディ本体部a1の筒状部分a’の間の接触面に、回転方向のずれが生じて、この間のシールがゆるみ、そこからシーラの塗布作業中にシーラが漏れ出すようになるのを、この鍔410に設けた係合溝vと筒状部分a’に設けた係合突起bとの係合による回転方向の結合との係合により、ケーシング41とボディaの筒状部分a’との間の回転方向のずれを阻止し、そのずれにより、ケーシング41と筒状部分a’との間のシールが破壊されるのを有効に阻止するようになる。
【0029】
中間胴部a3は、ボディ本体部a1とボディ先端部a2とを継なぐようパイプ状に形成された継ぎパイプcと、ボディ本体部a1内に収蔵された本体軸部7aとボディ先端部a2内に収蔵せる先端軸部7bとを接続するよう継ぎパイプcの中心部位に配設される中間軸部7cとからなる。その継ぎパイプcは、アルミ合金等の軽金属材または合成樹脂材などの軽量で強度のある素材を用いて、外径が、ボディ本体部a1の前端側の筒状部分a’の外径に対応し、内径が、前記筒状部分a’に嵌合するケーシング41の外径に対応し、組み立てるロング仕様のシーラガンの長さに適応する長さ寸法のパイプ状に成形してあり、かつ、両端部には、雌ねじの接続継手eが形成してある。また、中間軸部7cは、この例においては、作動軸7を構成する強度のある金属材を用いて、中空の軸筒に形成して接続軸とするとともに、内部空間を上流側の誘導路u1と下流側の誘導路u2に分割された誘導路uを接続するつなぎの誘導路に用いている。
【0030】
この中間胴部a3のボディ本体部a1に対する接続連結は、軸筒体に形成した中間軸部7cの後端部を、ボディ本体部a1内に収蔵せる本体軸部7aの前端部に形設した接続口jに挿入し、ロックタイトで固着連結して、中間軸部7cを本体軸部7aに対し接続し、継ぎパイプcの後端側の雌ねじの接続継手eを、ボディ本体部a1の筒状部分に嵌装されているケーシング41の前端側に形設した雄ねじの接続継手dにねじ込み螺合させて結合させることで行う。
【0031】
ボディ先端部a2は、この例においては、ロング仕様のシーラガンにおいて、先端側に設ける第2の弁機構4’の構成部材を利用して組み立てている。第2の弁機構4’は、ボディ本体部a1内に収蔵せしめる弁機構4と同様に、内周面をシリンダ状に形成した筒状のケーシング41’と、そのケーシング41’内に摺動自在に嵌合させる弁軸40’と、シーラの上流側の誘導路u2に接続連通させてケーシング41’の内周面に開設させておく弁口42’と、シーラの下流側の誘導路u1に連通させて弁軸40’の外周面に開設しておく弁座口43’とにより構成するが、この第2の弁機構4’の外筐となる筒状のケーシング41’を、主体フレームに用いて、ボディ先端部a2を組み立てるようにしている。
【0032】
即ち、図5に示しているように、内周面をシリンダ状に形成して弁軸40’を摺動自在に嵌合させる筒状のケーシング41’を主体フレームとし、このケーシング41’の外周面の前端側に寄る部位にリング状の鍔410を一体または一体的に連続させて装設し、その鍔410より前方の部位の外周面に吐出筒2の基端側を螺合させて接続連結する雄ねじの接続継手fを設け、鍔410より後方の部位の外周面には、前述の中間胴部a3の継ぎパイプcの前端側の雌ねじの接続継手eに螺合させるねじ溝を設けて雄ねじの接続継手dに形成し、このケーシング41の内側に、摺動自在に嵌合した弁軸40の後端側に、前述の中間胴部a3の中間軸部7cを装脱自在に接続連結せしめる接続口jを設けることで、ボディ先端部a2に組み立て構成している。そして第2の弁機構4’は、前記弁軸40’の内部に上流側の端部が前記接続口jに連通するシーラの下流側の誘導路u2を形設し、周面には、前記シーラの誘導路u2に通ずる弁座口43’を開設しておき、また、前述のケーシング41’の内周面には、前記弁座口43’に対向させる弁口42’を開設し、内部には、上流側が前記弁口42’に接続し、下流側が該ケーシング41’の前端面に開口するシーラの下流側の誘導路u2を形設しておくことで、弁軸40’が前方に動いて周面に設けた弁座口43’がケーシング41’に設けた弁口42’と接合すると、開弁となって、接続口j側から流れてくるシーラが、弁座口43’から弁口42’を流過して誘導路u2を経て、該ボディ先端部a2の前端に接続する吐出筒2内に流れ、筒先の吐出口20から吐出されるようになり、弁軸40’が後方に動くと、弁座口43’が弁口42’からずれて、弁口42’を弁軸40’の周面で閉塞して閉弁となって、シーラの流路を遮断しシーラの吐出を停止させるように構成してある。
【0033】
また、該ボディ先端部a2の、弁軸40’の後端部に装設せる接続口jは、ボディ本体部a2の弁軸40の前端部に設けた接続口jと同様の構造のもので、図7に示しているように、弁軸40’の後端部に拡径部を設け、その拡径部の後端面に透孔45を開設し、その透孔45に、弾性材により、内径を中間軸部7cの外径よりも幾分小径に成形した筒状体46を装入し、その筒状体46の外端側に、中心穴を具備する押さえ板47を当て、その外側から、中心穴を具備する袋ナット48を被せ、その袋ナット48を拡径部の外周面に刻設したねじ溝にねじ込み締結することで構成している。
【0034】
この接続口jに対する中間軸部7cの前端部の接続は、中間軸部7cの端部を圧入により挿入し、弾性材よりなる筒状体46で緊縛保持せしめることで行うが、この実施例においては、挿入後の接続状態の確実な保持のために、中間軸部7cの周面と筒状体46の内周面との間に、ロックタイト等の接着・シール剤を介装するようにしている。
【0035】
ボディ先端部a2には、この実施例においては、さらに、第2の弁機構4’を閉弁に作動させてシーラの吐出を停止させたときに、吐出筒2の筒先の吐出口20の周辺にシーラが付着して、垂れ下がるように生じてくるシーラの液だれを、吸引して消失除去せしめる液だれ防止装置Bのポンプ装置Pが、ボディ先端部a2内に組み込み収蔵せしめる弁機構4’の構成部材を利用してこのボディ先端部a2内に組み込まれている。
【0036】
この液だれ防止装置Bを構成するポンプ装置Pは、シリンダ内に摺動自在に嵌挿したピストンが、シリンダの隔壁に向けて押し込まれるように作動することで、ピストンとシリンダの隔壁との間に形成される拡縮するポンプ室を圧縮してそのポンプ室に通ずる吸引・吐出口を介し内気を吐出する吐出作動を行い、ピストンが引き出されるよう作動することで拡縮するポンプ室を拡張させて吸引・吐出口を介し外気を吸引する吸引作動する通常の形態のポンプ装置である。
【0037】
そして、このポンプ装置Pは、ボディ先端部a2に組み込まれた第2の弁機構4’のケーシング41’内に前後に摺動自在に嵌合させてある弁軸40’の前端側に、その弁軸40’と共にケーシング41’内を前後に摺動するピストン80を、一体または一体的に連続させて装設し、このピストン80の前面側には、内周面をシリンダ状に形成してある前記ケーシング41’の前端側を塞いで、そのシリンダの隔壁となる吸引ブロック81を、コーン状に成形して配位し、その外周面に設けた鍔810を、ケーシング41’の前端に接合させて組み付け、この吸引ブロック81の後面とピストン80の前面との間に、ピストン80の前後の動きにより拡縮するポンプ室pを形成し、吸引ブロック81の軸芯部位に、外部に通ずる吸引・吐出口82を開設し、その吸引・吐出口82に吸引パイプ83の基端側を接続し、その吸引パイプ83の先端側を、ボディ先端部a2の前端側の接続継手fに接続して装着される吐出筒2内に突入させて、先端開口84を、吐出筒2内において、その吐出筒2の筒先の吐出口20の近傍位置に臨ませることで、構成してある。
【0038】
なお、図5において811は鍔810に形設したシーラの流路となる透孔で、ピストン80の前面側に配位した吸引ブロック81を、それの鍔410がケーシング41’の前端面に当接した状態において、吐出筒2の基端部の雌ねじを、ケーシング41’の前端部の接続継手fの雄ねじに螺合して締結することで、吐出筒2内の係止段部21により、鍔810をケーシング41’の前端面に押し付けて吸引ブロック81をケーシング41’に対し固着した状態に組み付けたとき、弁機構4’の弁口42’に通ずるケーシング41’内のシーラの誘導路u2の下流側の端部に接続連通して、前記弁口42’を経て流れてくるシーラを、この透孔811よりなる流路により、吐出筒2内の吸引パイプ83の外周面と吐出筒2の内壁面との間の間隙を経て吐出口20に導くようにする。
【0039】
この液だれ防止装置Bを構成するポンプ装置Pは、弁軸40’が押し込まれて、弁機構4’の弁座口43’とが接合する開弁位置に動くと、弁軸40’前端に設けたピストン80が吸引ブロック81の後面に近接してポンプ室pを圧縮するように動き吐出作動を行い、弁軸40’が引き出されて弁座口43’が弁口42’から外れる閉弁位置に動くと、ピストン80が吸引ブロック81の後面から後退してポンプ室pを拡張するように動き吸引作動を行うようになる。
【0040】
このことから、シーラガンの握りレバー5の握り込みを放して弁機構4を閉弁に作動させてシーラの吐出を停止させたときに、吐出筒2の筒先の吐出口20から垂れ下がるように生じてくるシーラの液だれを、ポンプ装置Pの吸引作動による吸引圧で、吐出筒2内の吸引パイプ83を経てポンプ室pに引き込み、除去・消失せしめるようになる。
【0041】
そして、この液だれ防止装置Bを構成するポンプ装置Pは、ピストン80を摺動自在に嵌合させるためのシリンダとして、弁機構4’の弁軸40’を嵌合させるケーシング41’を共用し、ピストン80を作動させる作動軸として、作動軸7を共用することになるので、簡略な構成で組み込めるようになる。
【実施例2】
【0042】
図9・図10は、本発明手段を実施せるロング仕様のシーラガンの別の実施例を示している。
この例は、ボディaを、把持グリップ1および握りレバー5を装備せるボディ本体部a1と、先端側に吐出筒2を保持せしめるボディ先端部a2とに分けて、それらを各別に組み立て、そのボディ本体部a1の前端部とボディ先端部a2の後端部とに接続継手dをそれぞれ装設し、別に前後の両端部に前記接続継手dと接続する接続継手eを装備せる継ぎパイプ状の中間胴部a3を形設し、この中間胴部a3内に、ボディ本体部a1に収蔵せる弁機構4の弁軸40とボディ先端部a2に収蔵せる弁機構4’の弁軸40’とを接続連繋する作動軸7の中間軸部7cを挿通し、この状態において中間軸部7cを弁機構4の弁軸40と、先端側の弁機構4’の弁軸40’とに接続連繋し、中間胴部a3をボディ本体部a1とボディ先端部a2とに接続連結することで、一体に連続するボディaを組み立てることについては、前述の実施例1のものと変わりがないが、中間胴部a3内に配位する中間軸部7cは、軸杆状に形成しておいて、この中間軸部7cの外周面と中間胴部a3の内周面との間に形成される該中間胴部a3の内部空間を、ボディ本体部a1内に設けられるシーラの誘導路uの上流側の誘導路u1とボディ先端部a2内に設けられる下流側の誘導路u2とを接続連通する誘導路u3に構成し、シーラがこの中間胴部a3の内部空間を流路として吐出筒2の先端の吐出口20に流れるようにしている例である。この実施例は、中間胴部a3の内部空間をシーラの誘導路u3とした点を除くその余の構成については、前述の実施例1のものと変わりがなく、同じ構成部材について同じ符号を付すことで詳細な説明は省略する。
【0043】
この例のロング仕様のシーラガンは、胴部の構成が胴部の外径を小さく抑えてシーラの流路断面積を充分に確保できることで、全体を軽量にでき、また、胴部を小径に構成できて、細かい作業ができるようになる。
【実施例3】
【0044】
図11乃至図14は、さらに別の実施例を示している。この例は、ボディaを、把持グリップ1および握りレバー5を装備せるボディ本体部a1と先端側に吐出筒2を保持せしめるボディ先端部a2とに分けて、それらを、別体に形成して、これらを別に形成した中間胴部a3で接続連結して一体に連続するボディaに組み立て、胴部を長くしたロング仕様のシーラガンにおいて、それの胴部である中間胴部a3を、屈曲変形が自在に行われるよう構成しておくことで、シーラを塗布すべき箇所の手前に障碍物がある場合に、胴部を屈曲変形させることにより、障碍物を迂回して先端の吐出筒2の筒先を、塗布すべき箇所に対向させて、シーラの塗布が行えるようにしている例である。
【0045】
この例のロング仕様のシーラガンは、ボディ先端部a2の構成およびボディ本体部a1の構成については、前述の実施例2のものと変わりがなく、同様に構成してあり、また、ボディ先端部a2に収蔵せる先端弁機構4’を開閉作動させるのにボディ本体部a1に収蔵せる弁機構4の弁軸40に基端側が接続連繋する中間軸部7cを、中間胴部a3内に通してボディ先端部a2側に導き、その中間軸部7cの先端側を、ボディ先端部a2内に収蔵せる先端弁機構4’の弁軸40’に接続連繋することで、握りレバー5の回動作動により作動軸7を動かし、先端の弁機構4’を開閉作動させるようにする構成、また、ボディ本体部a1内のシーラの流路uに導入したシーラを、ボディ先端部a2に設けている吐出筒2に導くのに、中間胴部a3の内周面と中間軸部7cの外周面との間に形成される中間胴部a3の内部空間を、ボディ本体部a1内の上流側の誘導路u1とボディ先端部a2内の下流側の誘導路u2とを接続連通する誘導路u3に構成し、シーラが、ボディ本体部a1とボディ先端部a2を接続する継ぎパイプである中間胴部a3の内部空間を流路として吐出筒2の先端の吐出口20に流れるようにしている構成については、前述の例のものと変わりがない。
【0046】
しかし、ボディ本体部a1とボディ先端部a2とを接続する継ぎパイプとなる中間胴部a3は、屈曲回動する関節が軸方向に多連に並列して屈曲変形が自在なフレキシブルパイプで構成してあり、かつ、中間胴部a3内に配位して、ボディ本体部a1に収蔵せる弁機構4の弁軸40とボディ先端部a2に収蔵せる先端側の弁機構4’の弁軸40’とを接続連繋する中間軸部7cは、具備する弾性により撓曲変形とその復元が自在の鋼材よりなる小径のロッド乃至太目のワイヤーにより構成している。
【0047】
そして、これにより、ボディ先端部a2とボディ本体部a1とを握り、胴部を撓ませるように力を加えると、フレキシブルパイプよりなる中間胴部a3が屈曲変形して弯曲した状態となり(図12)、このとき、中間胴部a3内の、鋼材よりなる棒状乃至線状の中間軸部7cが、フレキシブルパイプの屈曲に追従して屈曲変形し、その屈曲したフレキシブルパイプによって、屈曲変形した状態姿勢に保持されるようになり、この状態において、握りレバー5を操作し回動させることで、先端の弁機構4’の開閉作動が、屈曲した作動軸7の長手方向に沿う作動によって行われ、シーラの吐出と停止がコントロールされるようにしている。
【0048】
従って、先端の吐出筒2の筒先の吐出口20を、胴部の屈曲変形により、塗布すべき箇所の手前に存在する障碍物をかわして、その箇所と対向する位置に配置できるようになる。
【0049】
この実施例において、中間胴部を構成するフレキシブルパイプは、ボディ本体部a1がボディ先端部a2を支持せしめる強度を具備して、屈曲変形が自在に行われるようになればよいものであり、屈曲回動を自在とする関節が多連に並列して連続する形態のフレキシブルパイプに限らず屈曲変形を自在とする金属パイプとする場合がある。
【0050】
また、屈曲変形を可能に構成するこの中間胴部a3内には、図14にしめしているような、円板状に形成した駒9を、1個乃至複数個装入して、中間胴部a3の内周面に固定装着しておき、それの中心部に開設した誘導孔90に、小径の棒状乃至太目の線状に形成した中間軸部7cを挿通せしめて、その中間軸部7cの軸芯線方向の動きをガイドさせ、誘導孔90の周辺部位に開設した透孔91により、中間胴部a3内を流過するシーラを透過させるようにする場合がある。
【0051】
この駒9は、フレキシブルパイプまたは撓曲可能の金属パイプで構成した中間胴部a3を屈曲変形させて、内部に収蔵している撓曲可能な作動軸7の先端部7aを追従撓曲させたときに、その作動軸7の先端部7aが不正な形状に屈曲して、屈曲部位が、中間胴部a3の内周面に圧接し、弁機構4を開閉させる作動に支障をきたすようになるのを抑止し、作動軸7の作動を円滑にするよう機能する。
【符号の説明】
【0052】
A シーラガン
P ポンプ装置
S 液だれ
a ボディ
a’ 筒状部分
a1 ボディ本体部
a2 ボディ先端部
a3 中間胴部
b 係合突起
c 継ぎパイプ
d f 雄ねじの接続継手
e 雌ねじの接続継手
j 接続口
k 規制部材
p ポンプ室
u 誘導路
u1 上流側の誘導路
u2 下流側の誘導路
v 係合溝
1 把持グリップ
2 吐出筒
20 吐出口
21 係止段部
3 供給ホース
4 弁機構
4’ 第2の弁機構
40 40’ 弁軸
41 41’ ケーシング
410 鍔
42 42’ 弁口
43 43’ 弁座口
45 透孔
46 筒状体
47 押さえ板
48 袋ナット
49 螺子部
5 握りレバー
5a 支軸
50 復元バネ
6 連繋機構
60 係止部材
61 係合部材
62 係合段部
7 作動軸
7a 本体軸部
7b 先端軸部
7c 中間軸部
80 ピストン
81 吸引ブロック
810 鍔
811 透孔
82 吸引・吐出口
83 吸引パイプ
84 先端開口
9 駒
90 誘導孔
91 透孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持グリップ(1)を設けた基端から吐出口(20)が開口する吐出筒(2)の先端までの長さを長く形成したロング仕様のシーラガンにおいて、ボディ(a)を把持グリップ(1)および握りレバー(5)を装備せるボディ本体部(a1)と、先端側に吐出筒(2)を保持せしめるボディ先端部(a2)とに分け、それらボディ本体部(a1)とボディ先端部(a2)を各別に組み立て、そのボディ本体部(a1)の前端部とボディ先端部(a2)の後端部とに、接続継手(d)をそれぞれ装設し、別に、両端に前記接続継手(d)と接合して接続する接続継手(e)をそれぞれ装備せる継ぎパイプ(c)よりなる中間胴部(a3)を形成し、この中間胴部(a3)内に、ボディ先端部(a2)に収蔵せるシーラの吐出をオン・オフ制御する弁機構(4)を開・閉さす作動軸(7)を、挿通せしめて、この中間胴部(a3)を介してボディ本体部(a1)とボディ先端部(a2)とを、接続連結して一体に連続するボディ(a)に組み立てたことを特徴とするロング仕様のシーラガン。
【請求項2】
ボディ先端部(a2)に収蔵せしめた弁機構(4)を開弁位置と閉弁位置とに作動さす作動軸(7)を、ボディ本体部(a1)内に収蔵される本体軸部(7a)と、ボディ先端部(a2)内に収蔵される先端軸部(7b)と、中間胴部(a3)内に配位される中間軸部(7c)とに分け、中間軸部(7c)を、本体軸部(7a)と先端軸部(7b)間に渡架し、装脱自在に接続連結して連続する作動軸(7)に組み立てることを特徴とする請求項1記載のロング仕様のシーラガン。
【請求項3】
ボディ先端部(a2)を、弁機構(4)の筒状のケーシング(41)を主体とし、そのケーシング(41)の外周面の前後の中間部位に、リング状の鍔(410)を一体または一体的に連続させて設け、その鍔(410)より前方の部位の外周面と後方の部位の外周面とに、それぞれねじ溝を設けて、鍔(410)より前方の部位を、吐出筒(2)の基端部が螺合して連結される接続継手(f)に形成し、鍔(410)より後方の部位を、中間胴部(a3)の端部が螺合して連結される接続継手(d)に形成し、ケーシング(41)内に嵌挿される弁軸(40)の後端部に、中間軸部(7c)の端部が着脱自在に接続される接続口(j)を装設して、ボディ先端部(a2)に組み立てることを特徴とする請求項1記載のロング仕様のシーラガン。
【請求項4】
ボディ先端部(a2)に収蔵せる弁機構(4)のケーシング(41)に前後方向に摺動自在に嵌装せしめた弁軸(40)の前端側に、弁軸(40)に対し一体または一体的に連結して、弁軸(40)とともにケーシング(41)内を摺動するピストン(80)を設け、そのピストン(80)の前面側には、吸引ブロック(81)を配位してケーシング(41)の前端に組み付け固定し、その吸引ブロック(81)とピストン(80)との間に形成される拡縮するポンプ室(p)に吸引パイプ(83)を接続して、弁機構(4)の閉弁作動時の弁軸(40)が後退作動する閉弁作動時に、ピストン(80)が吸引ブロック(81)から後退してポンプ室(p)を拡張せしめる吸引作動が行われるポンプ装置(P)を、ボディ先端部(a2)内に組み込み、そのポンプ装置(P)の吸引パイプ(83)の先端側を、ボディ先端部(a2)の前端に装設せる吐出筒(2)内に突入せしめ、先端開口(84)を吐出筒(2)の筒先の吐出口(20)の近傍に臨ませ、弁機構(4)を閉弁させてシーラの吐出を停止させたときに吐出筒(2)の筒先付近に生ずる液だれのシーラをポンプ装置(P)の吸引作動によりポンプ室(p)に引き込み消失させるようにしたことを特徴とする請求項1記載のロング仕様のシーラガン。
【請求項5】
中間胴部(a3)内に配位して本体軸部(7a)と先端軸部(7b)とを接続する作動軸(7)の中間軸部(7c)を、中空のパイプ軸状に形成し、その中間軸部(7c)の内部空間を、ボディ本体部(a1)内に設けられるシーラの誘導路(u)の上流側誘導路(u1)と、ボディ先端部(a2)内に設けられる下流側の誘導路(u2)とを接続する流路としたことを特徴とする請求項1記載のロング仕様のシーラガン。
【請求項6】
中間胴部(a3)内に配位して本体軸部(7a)と先端軸部(7b)とを接続する中間軸部(7c)を、軸杆状に形成し、その軸杆状の中間軸部(7c)の外周面と、中間胴部(a3)の内周面との間の内部空間を、ボディ本体部(a1)内に設けられるシーラの誘導路(u)の上流側の誘導路(u1)と、ボディ先端部(a2)内に設けられる下流側の誘導路(u2)とを接続する誘導路(u3)に構成したことを特徴とする請求項1記載のロング仕様のシーラガン。
【請求項7】
ボディ先端部(a2)に、シーラの吐出をオン・オフ制御するよう収蔵せしめる弁機構(4)を、弁軸(42)がスライドするスライドバルブに構成し、ボディ先端部(a2)とボディ本体部(a1)とを接続する中間胴部(a3)を、フレキシブルパイプ等の屈曲変形可能な金属パイプにより構成し、中間胴部(a3)内に配設する前記弁機構(4)の作動軸(7)の中間軸部(7c)を、弾性により撓曲する金属材のロッド乃至金属材のワイヤーで形成したことを特徴とする請求項1記載のロング仕様のシーラガン。
【請求項8】
ボディ主体部(a1)には、円筒状のケーシング(41)と、該ケーシング(41)内に摺動自在に嵌合する弁軸(40)と、その弁軸(40)に設けた弁座口(43)と、ケーシング(41)に設けた弁口(42)とからなる弁機構(4)が収蔵され、その弁機構(4)のケーシング(41)は、外周面の前後の中間部位に環状の鍔(410)が一体または一体的に連続して設けられ、その鍔(410)より前方に位置する部位が、雄ねじの接続継手(d)に形成され、鍔(410)より後方の部位が、ねじ部のない嵌合軸部に形成され、かつ、前記環状の鍔(410)には、周方向の一部に切欠き状の係合溝(v)が設けられ、嵌合軸部の外周に嵌合するボディ主体部(a1)の前端側の筒状部(a’)には、前端に前記係合溝(v)に嵌合する突起状の係合突起(b)が設けてあることを特徴とする請求項1記載のロング仕様のシーラガン。
【請求項1】
把持グリップ(1)を設けた基端から吐出口(20)が開口する吐出筒(2)の先端までの長さを長く形成したロング仕様のシーラガンにおいて、ボディ(a)を把持グリップ(1)および握りレバー(5)を装備せるボディ本体部(a1)と、先端側に吐出筒(2)を保持せしめるボディ先端部(a2)とに分け、それらボディ本体部(a1)とボディ先端部(a2)を各別に組み立て、そのボディ本体部(a1)の前端部とボディ先端部(a2)の後端部とに、接続継手(d)をそれぞれ装設し、別に、両端に前記接続継手(d)と接合して接続する接続継手(e)をそれぞれ装備せる継ぎパイプ(c)よりなる中間胴部(a3)を形成し、この中間胴部(a3)内に、ボディ先端部(a2)に収蔵せるシーラの吐出をオン・オフ制御する弁機構(4)を開・閉さす作動軸(7)を、挿通せしめて、この中間胴部(a3)を介してボディ本体部(a1)とボディ先端部(a2)とを、接続連結して一体に連続するボディ(a)に組み立てたことを特徴とするロング仕様のシーラガン。
【請求項2】
ボディ先端部(a2)に収蔵せしめた弁機構(4)を開弁位置と閉弁位置とに作動さす作動軸(7)を、ボディ本体部(a1)内に収蔵される本体軸部(7a)と、ボディ先端部(a2)内に収蔵される先端軸部(7b)と、中間胴部(a3)内に配位される中間軸部(7c)とに分け、中間軸部(7c)を、本体軸部(7a)と先端軸部(7b)間に渡架し、装脱自在に接続連結して連続する作動軸(7)に組み立てることを特徴とする請求項1記載のロング仕様のシーラガン。
【請求項3】
ボディ先端部(a2)を、弁機構(4)の筒状のケーシング(41)を主体とし、そのケーシング(41)の外周面の前後の中間部位に、リング状の鍔(410)を一体または一体的に連続させて設け、その鍔(410)より前方の部位の外周面と後方の部位の外周面とに、それぞれねじ溝を設けて、鍔(410)より前方の部位を、吐出筒(2)の基端部が螺合して連結される接続継手(f)に形成し、鍔(410)より後方の部位を、中間胴部(a3)の端部が螺合して連結される接続継手(d)に形成し、ケーシング(41)内に嵌挿される弁軸(40)の後端部に、中間軸部(7c)の端部が着脱自在に接続される接続口(j)を装設して、ボディ先端部(a2)に組み立てることを特徴とする請求項1記載のロング仕様のシーラガン。
【請求項4】
ボディ先端部(a2)に収蔵せる弁機構(4)のケーシング(41)に前後方向に摺動自在に嵌装せしめた弁軸(40)の前端側に、弁軸(40)に対し一体または一体的に連結して、弁軸(40)とともにケーシング(41)内を摺動するピストン(80)を設け、そのピストン(80)の前面側には、吸引ブロック(81)を配位してケーシング(41)の前端に組み付け固定し、その吸引ブロック(81)とピストン(80)との間に形成される拡縮するポンプ室(p)に吸引パイプ(83)を接続して、弁機構(4)の閉弁作動時の弁軸(40)が後退作動する閉弁作動時に、ピストン(80)が吸引ブロック(81)から後退してポンプ室(p)を拡張せしめる吸引作動が行われるポンプ装置(P)を、ボディ先端部(a2)内に組み込み、そのポンプ装置(P)の吸引パイプ(83)の先端側を、ボディ先端部(a2)の前端に装設せる吐出筒(2)内に突入せしめ、先端開口(84)を吐出筒(2)の筒先の吐出口(20)の近傍に臨ませ、弁機構(4)を閉弁させてシーラの吐出を停止させたときに吐出筒(2)の筒先付近に生ずる液だれのシーラをポンプ装置(P)の吸引作動によりポンプ室(p)に引き込み消失させるようにしたことを特徴とする請求項1記載のロング仕様のシーラガン。
【請求項5】
中間胴部(a3)内に配位して本体軸部(7a)と先端軸部(7b)とを接続する作動軸(7)の中間軸部(7c)を、中空のパイプ軸状に形成し、その中間軸部(7c)の内部空間を、ボディ本体部(a1)内に設けられるシーラの誘導路(u)の上流側誘導路(u1)と、ボディ先端部(a2)内に設けられる下流側の誘導路(u2)とを接続する流路としたことを特徴とする請求項1記載のロング仕様のシーラガン。
【請求項6】
中間胴部(a3)内に配位して本体軸部(7a)と先端軸部(7b)とを接続する中間軸部(7c)を、軸杆状に形成し、その軸杆状の中間軸部(7c)の外周面と、中間胴部(a3)の内周面との間の内部空間を、ボディ本体部(a1)内に設けられるシーラの誘導路(u)の上流側の誘導路(u1)と、ボディ先端部(a2)内に設けられる下流側の誘導路(u2)とを接続する誘導路(u3)に構成したことを特徴とする請求項1記載のロング仕様のシーラガン。
【請求項7】
ボディ先端部(a2)に、シーラの吐出をオン・オフ制御するよう収蔵せしめる弁機構(4)を、弁軸(42)がスライドするスライドバルブに構成し、ボディ先端部(a2)とボディ本体部(a1)とを接続する中間胴部(a3)を、フレキシブルパイプ等の屈曲変形可能な金属パイプにより構成し、中間胴部(a3)内に配設する前記弁機構(4)の作動軸(7)の中間軸部(7c)を、弾性により撓曲する金属材のロッド乃至金属材のワイヤーで形成したことを特徴とする請求項1記載のロング仕様のシーラガン。
【請求項8】
ボディ主体部(a1)には、円筒状のケーシング(41)と、該ケーシング(41)内に摺動自在に嵌合する弁軸(40)と、その弁軸(40)に設けた弁座口(43)と、ケーシング(41)に設けた弁口(42)とからなる弁機構(4)が収蔵され、その弁機構(4)のケーシング(41)は、外周面の前後の中間部位に環状の鍔(410)が一体または一体的に連続して設けられ、その鍔(410)より前方に位置する部位が、雄ねじの接続継手(d)に形成され、鍔(410)より後方の部位が、ねじ部のない嵌合軸部に形成され、かつ、前記環状の鍔(410)には、周方向の一部に切欠き状の係合溝(v)が設けられ、嵌合軸部の外周に嵌合するボディ主体部(a1)の前端側の筒状部(a’)には、前端に前記係合溝(v)に嵌合する突起状の係合突起(b)が設けてあることを特徴とする請求項1記載のロング仕様のシーラガン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−43142(P2013−43142A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183839(P2011−183839)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(000146179)エムテックスマツムラ株式会社 (17)
【出願人】(000157083)トヨタ自動車東日本株式会社 (1,164)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(000146179)エムテックスマツムラ株式会社 (17)
【出願人】(000157083)トヨタ自動車東日本株式会社 (1,164)
【Fターム(参考)】
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