説明

ローカルネットワークからリモートネットワークのエンティティを制御する方法

【課題】ローカルネットワークからリモートネットワークのエンティティを制御する方法
【解決手段】ソースネットワークからエンティティを制御するのに使用できる第1のプロトコルに従う制御インタフェースを介してローミングリレーモジュール(DMS−R2)によって第1のリクエストを受信し、ソースリレーモジュール(DMS−R1)によって第1のプロトコルに従う少なくとも1つの第3のリクエストに変換することを目的とする第2のリクエストを、ローミングリレーモジュール(DMS−R2)からソースリレーモジュール(DMS−R1)へ送信し、第1のプロトコルに従う少なくとも1つの第3のリクエストへソースリレーモジュール(DMS−R1)によって変換されることを目的とする第2のリクエストを、ローミングリレーモジュール(DMS−R2)からソースリレーモジュール(DMS−R1)に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気通信の分野に関し、特にローカルネットワークからリモートネットワークのエンティティを制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種技術により、例えばローカルネットワークからリモートネットワークのエンティティを制御する目的で、1つのネットワークから他のネットワークへの接続を確立することができる。例えば、VPN(仮想プライベートネットワーク)セキュアトンネルである。もう1つの一般的に使用される解決策は、IMS(IPマルチメディアサブシステム)手法と呼ばれるものである。
【0003】
国内ネットワークの分野では、UPnPプロトコルは、デジタルコンテンツの共有、放送および監視に対する規格として出現している。今日、UPnP(ユニバーサルプラグアンドプレイ)規格に従う各種電気製品は、家庭、特にメディアサーバ(例えばPVConnect、Windows(登録商標) Media Player 11等)、メディアレンダラ(STB、DMAオーディオ、IP−Radio等)およびメディアプレイヤ(ゲームコンソール、デジタルフォトフレーム等)を用いるマルチメディア分野にわたって普及している。しかし、UPnPネットワークの電気製品は、他のUPnPネットワークの電気製品と通信するように設計されていない。実際、UPnPエンティティ発見メカニズムは、ローカルネットワークに存在するエンティティを発見できるだけの“マルチキャスト”モードでコマンドを送信する。
【0004】
既存のVPNトンネルまたはIMS手法に基づく解決策は、その解決策としては比較的扱いにくく、実装するのに困難である。また、VPNトンネルに基づく解決策では、アドレス衝突の問題が生ずる。IMS手法は、一般の庶民であるユーザが必ずしも自由に利用できない。
【0005】
従って、2つのネットワークを接続し、ローカルネットワークからリモートネットワークのエンティティの制御を可能にし、1つのネットワークのUPnP電気製品を他のUPnPネットワークの電気製品と通信できるようにする簡単な解決策に対する要求があることは明白である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の1つの目的は、従来技術の問題、欠点または不足を解消および/または改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の実施形態によると、本発明は、ローカルホームネットワークからリモートソースネットワークのうち少なくとも1つのエンティティを制御する方法であって、前記方法は、ローミングリレーモジュールと称するリレーモジュールを用いて実行され、ローミングリレーモジュールが、ホームネットワークに接続される電気製品によって実行される時、ソースリレーモジュールと称するリレーモジュールと通信するように設計され、ソースリレーモジュールは、ソースネットワークの電気製品によって実行され、前記少なくとも1つのエンティティに対する通信リレーとして機能し、
−ソースネットワークから前記エンティティを制御するのに使用できる第1のプロトコルに従う制御インタフェースを介してローミングリレーモジュールによって第1のリクエストを受信するステップと、
−ソースリレーモジュールによって第1のプロトコルに従う少なくとも1つの第3のリクエストに変換することを目的とする第2のリクエストを、ローミングリレーモジュールからソースリレーモジュールへ送信するステップと
を具備する。
【0008】
この発明は、方法を提案し、それによりユーザは、ローカルネットワークの端末からリモートネットワークのエンティティ、例えばUPnPエンティティを簡単に制御でき、このエンティティは、例えばUPnPコンテンツサーバである。このユーザは故に、友人または自分の家族のメンバーからなるローカル国内ネットワークから自分のコンテンツの全てにアクセスし、ローカルネットワークの端末を用いてこれらのコンテンツを回復できる。
【0009】
ローミングリレーモジュールは、ソースネットワークから前記エンティティを制御するのに使用可能なプロトコルに従う制御インタフェースを呈し、またソースネットワークのリモートエンティティに向けられたリクエストをソースリレーモジュールに送信できる。従って、ローミングリレーモジュールは、この制御インタフェースを介してホームネットワークにおけるこのエンティティを示すことができる。
【0010】
最後に、2つの協働的なリレーモジュールの存在により、ホームネットワークのエンティティがソースネットワークのうち1つまたは複数のエンティティに対して、第1のプロトコルに従って対話することができる。
【0011】
本発明による方法の実施形態によると、前記エンティティは、コンテンツサーバであり、前記方法は、前記コンテンツサーバによって参照される少なくとも1つのコンテンツのアドレスを提供するステップであって、前記アドレスは、前記コンテンツを取得できるエンティティとして、ホームネットワークの電気製品によって実行され、前記コンテンツにアクセスするリクエストをソースリレーモジュールに送信できるエンティティを指定する、ステップを具備する。故に、リモートコンテンツサーバのマルチメディアコンテンツへのアクセスリクエストは、前記コンテンツを取得できるエンティティへ自動的にリダイレクトされる。ローカルコンテンツサーバと既に通信できるローカルモジュールの修正は、そのようなリモートコンテンツへのアクセスに不要である。
【0012】
実施形態によると、ローミングリレーモジュールがローカルホームネットワークのコンテンツサーバとして認識されるように、発見メカニズムを実行するステップを具備する。従って、前記第1のプロトコルを用いてローカルネットワークのコンテンツサーバと通信が可能な、前記ローミングモジュールとローカルモジュールとの間の通信は、前記ローカルモジュールを修正することなく確立できる。故に、リモートネットワークのエンティティは、まるでリモートネットワークのエンティティがローカルネットワークに位置するかのように、ユーザの視点からみてトランスペアレントな方法で制御できる。
【0013】
本発明による方法の実施形態によると、前記第2のリクエストは、第1のプロトコルとは異なる第2のプロトコルに従って送信される。2つのモジュールであるソースおよびローミングは、ソースネットワークからリモートネットワークへの通信リンクを確立するために、任意の適切な通信スキームを使用できる。
【0014】
本発明による方法のもう1つの実施形態によると、前記ローミングリレーモジュールは、ホームネットワークの電気製品からアクセス可能な記録媒体上に格納される。故に本発明により、任意のホームネットワークからソースネットワークにアクセスできる。
【0015】
記録媒体は、例えばUSBキーであり、そのコンテンツは、ローカルネットワークの端末への接続後、この端末からアクセス可能である。例示的な単純かつ実用的な方法では、ユーザは、このUSBキーを輸送することにより、自分の国内ネットワークのコンテンツにアクセスできる。
【0016】
本発明による方法のもう1つの実施形態によると、記録媒体は、ローミング接続モジュールと称する接続モジュールをさらに具備し、前記方法は、前記ローミング接続モジュールを用いて、リモートネットワークにアクセスするために電気製品との通信リンクを確立するステップをさらに具備し、前記第2のリクエストは、前記通信リンクを介して送信される。故に、ホームネットワークに対する通信リンクは、安全な方法で確立でき、特にソースネットワークにアクセス権限のある接続モジュールを用いて、このネットワークへの接続データを利用して確立される。
【0017】
特に、本発明による方法のさらにもう1つの実施形態によると、記録媒体は、前記端末に接続できる。この場合、ソースネットワークへのアクセスが可能であることを保証するために、ユーザは、ソースネットワークへアクセスしリモートエンティティを駆動するのに必要なモジュールまたは複数のモジュールを含むこの媒体を輸送することができる。
【0018】
本発明による方法のもう1つの実施形態によると、前記エンティティは、リモートソースネットワークのコンテンツサーバであり、第1のリクエストは、前記コンテンツサーバに格納されるコンテンツのメタデータを取得するリクエストである。本発明により、各種ユーザは、そのコンテンツへのアクセスを共有できる。
【0019】
相まって、本発明は、リモートソースネットワークのうち少なくとも1つのエンティティを制御する方法を実行するための、ローカルホームネットワークの電気製品からアクセス可能なデータ記録媒体に関し、
前記記録媒体は、ホームネットワークへ接続される電気製品によって実行される時、他のリレーモジュールと通信するように設計されるローミングリレーモジュールと称するリレーモジュールを具備し、他のリレーモジュールは、ソースリレーモジュールと称し、ソースネットワークの電気製品によって実行され、前記少なくとも1つのエンティティに対する通信リレーとして機能し、
ローミングリレーモジュールは、ソースネットワークから前記エンティティを制御するのに使用可能な第1のプロトコルに従う制御インタフェースを介して少なくとも1つの第1のリクエストを受信し、第1のプロトコルに従う少なくとも1つの第3のリクエストへソースリレーモジュールによって変換されることを目的とする第2のリクエストをソースリレーモジュールに送信できる。
【0020】
実施形態によると、本発明の媒体は、ソースネットワークへアクセスするために電気製品との通信リンクを確立できる通信モジュールをさらに具備する。
【0021】
実施形態によると、前記接続モジュールによって使用されることを目的とする前記アクセス電気製品への接続データが、本発明の媒体に格納される。
【0022】
相まって、本発明は、ローカルホームネットワークからリモートソースネットワークのうち少なくとも1つのエンティティを制御する方法を実行するための、ローミングリレーモジュールと称するリレーモジュールに関して、
ローミングリレーモジュールは、ホームネットワークに接続される電気製品によって実行される時、ソースリレーモジュールと称するリレーモジュールと通信するように設計され、ソースリレーモジュールは、ソースネットワークの電気製品によって実行され、前記少なくとも1つのエンティティに対する通信リレーとして機能し、
ローミングリレーモジュールは、ソースネットワークから前記エンティティを制御するのに使用可能な第1のプロトコルに従う制御インタフェースを介して少なくとも1つの第1のリクエストを受信し、第1のプロトコルに従う少なくとも1つの第3のリクエストへソースリレーモジュールによって変換されることを目的とする第2のリクエストをソースリレーモジュールに送信できる。
【0023】
対称的に、本発明は、ローカルホームネットワークからリモートソースネットワークのうち少なくとも1つのエンティティを制御する方法を実行するための、ソースリレーモジュールと称するリレーモジュールに関して、
ソースリレーモジュールは、前記少なくとも1つのエンティティに対する通信リレーとして機能し、ソースネットワークの電気製品によって実行される時、ローミングリレーモジュールと称するリレーモジュールと通信するように設計され、ローミングリレーモジュールは、ホームネットワークに接続する電気製品によって実行され、ソースネットワークから前記エンティティを制御するのに使用可能な第1のプロトコルに従う制御インタフェースを介して少なくとも1つの第1のリクエストを受信でき、
ソースリレーモジュールは、第1のプロトコルに従う第3のリクエストに変換されることを目的とする第2のリクエストをローミングリレーモジュールから受信できる。
【0024】
実施形態によると、本発明のソースリレーモジュールは、前記第3のリクエストが複数のコンテンツサーバに格納されるコンテンツのメタデータを取得するリクエストである時、第3のリクエストに応答して各種コンテンツサーバから受信されるメタデータを集約できるように構成できる
【0025】
実施形態によると、本発明のソースリレーモジュールは、受信または集約したメタデータに含まれるコンテンツアドレスを適合できることで、これらのアドレスがホームネットワークの電気製品によって解釈できる。
【0026】
好ましい実施形態によると、本発明の方法の各種ステップは、コンピュータソフトウェアまたはプログラムによって実装され、このソフトウェアは、本発明による装置のデータプロセッサによって実行されることを目的とするソフトウェア命令を含み、この方法の各種ステップの実行を制御するように設計される。
【0027】
結果的に、本発明はまた、コンピュータによって、またはデータプロセッサによって実行可能なプログラムを目的とし、このプログラムは、上記説明したような方法のステップの実行を制御するための命令を含む。
【0028】
このプログラムは、任意のプログラム言語に使用可能であり、部分的にコンパイルされるかまたは任意の他の好ましい形式等により、ソースコード、オブジェクトコード、またはソースコードおよびオブジェクトコード間の中間のコードで形成できる。
【0029】
本発明はまた、コンピュータまたはデータプロセッサによって読み取り可能な情報媒体を目的とし、上記説明したようなプログラムの命令を含む。
【0030】
情報媒体は、プログラムを格納できる任意のエンティティまたは装置でも良い。例えば、媒体は、例えばROM、CD ROM、超小型電子回路ROM、磁気記録手段、ディスケット(フロッピー(登録商標)ディスク)またはハードディスクのような格納手段を含むことができる。
【0031】
また、情報媒体は、電気または光信号のような送信可能媒体でもよく、無線により、または他の手段により、電気または光ケーブルを介して伝送されてもよい。本発明によるプログラムは特に、インターネット形式のネットワークからダウンロードできる。
【0032】
代わりに、情報媒体は、プログラムが組込める集積回路でもよく、回路は、実行するために、または対象となる方法の実行において使用されるために適合される。
【0033】
もう1つの実施形態によると、本発明は、ソフトウェアおよび/またはハードウェア要素によって実装される。これについて、用語モジュールは、本明細書において、ソフトウェア要素またはハードウェア要素に等しく対応してもよく、或いは統合プロセッサの有無に関係なく、プログラマブルハードウェア要素にも対応してもよい。
【0034】
ソフトウェア要素は、モジュールに関する以下の説明に従う機能または一組の機能を実装可能な、1つまたは複数のコンピュータプログラム、1つまたは複数のプログラムサブルーチン、または一般的な態様では任意のプログラム要素、ソフトウェアの任意の一部要素に対応する。同様に、ハードウェア要素は、モジュールに関する以下の説明に従う機能または一組の機能を実装可能な任意のハードウェアアセンブリ要素に対応する。
【0035】
本発明の他の目的、特徴および利点は、非限定的な実施形態および添付図面を参照するだけで、以下の詳細な説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は、本発明による装置を統合する通信システムを概略的に示す。
【図2】図2は、本発明による方法の実施形態のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明は、リモートソースネットワークに位置するコンテンツサーバ形式のエンティティとこのサーバに格納されたコンテンツにアクセスする手法とに対して、ローカルホームネットワークからのリモート制御を適用する場合について、詳細に説明される。
【0038】
そのようなコンテンツサーバは例えば、UPnP(ユニバーサルプラグアンドプレイ)規格またはDLNA規格(デジタルリビングネットワークアライアンス)に従うコンテンツサーバである。そのようなコンテンツサーバは、UPnP/DLNAアーキテクチャにおいて“デジタルメディアサーバ(DMS)”と呼ばれる。しかし、本発明が提案するメカニズムは、ローカルネットワークのエンティティ制御を扱う他のプロトコルに置き換えることができる。
【0039】
本発明はまた、UPnP/DLNA規格に従う他形式のエンティティに対するリモート制御、特に“デジタルメディアレンダラ” (DMR)または“デジタルメディアプレイヤ”(DMP)と呼ばれるコンテンツレンダリング装置に対する制御、または“デジタルメディアコントローラ”(DMC)と呼ばれる装置の制御に適用可能である。
【0040】
UPnP/DLNA規格は、UPnPエンティティ間でピアネットワーク形式のリンクアップを可能にするメカニズムおよびアーキテクチャを提供する。各UPnPエンティティは、ローカルネットワークのうち1つの端末に物理的に統合されるか、或いは相互接続ゲートウェイ(Gateway)、セットトップボックス(STB)、ルータまたはNAS(ネットワーク接続ストレージ)形式のストレージサーバ等の電気製品に物理的に統合されてもよい。UPnP規格で提供された通信メカニズムは、UPnPエンティティ間で相互運用を可能にするように設計される。UPnPプロトコルは、UPnPリクエストを輸送するために、特にTCP/UDP/IPプロトコル(トランスミッション制御プロトコル/ユーザデータグラムプロトコル/インターネットプロトコル)を使用する。
【0041】
エンティティは、UPnP/DLNA規格または他の同等若しくは派生規格に従う場合、特にエンティティがそのような規格に従う制御プロトコルを使用する場合、UPnPエンティティと称される。
【0042】
図1に示すシステムは、一方ではソースネットワークと称する第1のローカルネットワークRS1と、他方ではホームネットワークと称する第2のローカルネットワークRS2とが周囲に編成され、これら2つのローカルネットワークは、拡張ネットワークRI、例えばインターネットネットワークを介して共に相互接続される。ローカルネットワークRS1およびRS2は例えば、国内ネットワークである。
【0043】
このシステムは、以下のエンティティを含む。
−コンテンツサーバDMS11をホストし、UPnP規格に従う、ソースネットワークRS1の第1の端末T11。
−他のコンテンツサーバDMS12をホストし、UPnP規格に従う、ソースネットワークRS1の第2の端末T12。
−ソースネットワークRS1へのアクセスゲートウェイとして機能し、ソースリレーモジュールとも呼ばれるソースリレーモジュールDMS−R1と拡張ネットワークRIにアクセスするための相互接続モジュールCG1とをホストする国内ゲートウェイGW1。
−ネットワークオペレータのオペレータネットワークROP1に存在するドメインネームサーバDNS1(Domain Name Server、DNS)であり、DNS1は、国内ゲートウェイGW1のプロバイダであり、このオペレータネットワークは、ソースネットワークRS1がインターネットネットワークにアクセスするためのネットワークを形成する。
−コンテンツレンダリング装置DMR2(デジタルメディアレンダラまたはデジタルメディアプレイヤ)をホストし、UPnP規格に従う、ホームネットワークRS2の第1の端末T21。
−コンテンツサーバDMS21をホストし、UPnP規格に従う、ホームネットワークRS2の第2の端末T22。
−ホームネットワークRS2へのアクセスゲートウェイとして機能し、拡張ネットワークRIにアクセスするための相互接続モジュールCG2をホストする国内ゲートウェイGW2。
−記録媒体SPRであり、以下を含む。
−他のネットワークからソースネットワークRS1への接続を確立するのに使用するローミング接続モジュールRCG、および
−ローミングリレーモジュールとも呼ばれるリレーモジュールDMS−R2。
【0044】
コンテンツサーバDMS11およびDMS12
コンテンツサーバDMS11(またはDMS12)は、UPnP規格または“デジタルメディアサーバ”(DMS)に従うコンテンツサーバである。結果として、そのサーバは、UPnP規格に従う制御インタフェースを呈し、UPnPリクエストのみ用いて駆動できる。UPnPリクエストの送信は通常、目標エンティティのソフトウェアプログラミングインタフェース(API、アプリケーションプログラミングインタフェース)を介して関数呼出しを用いて実行される。
【0045】
ゲートウェイGW1
ゲートウェイGW1は、ソースネットワークRS1をインターネットネットワークRIと相互接続するためのゲートウェイである。これにより、ソースネットワークRS1の端末は、インターネットネットワークRIにアクセスできる。反対に、ゲートウェイにより、そのようなアクセス権利が承認されている条件で、ソースネットワークRS1以外のネットワークの電気製品は、ソースネットワークRS1の端末と通信できる。
【0046】
相互接続モジュールCG1は、ソースネットワークRS1とインターネットネットワークRIとの間の相互接続機能を実行する。この目的のため、CG1は、ソースネットワークRS1のエンティティと通信するための第1の通信インタフェースと、特にソースネットワークRS1の外部のエンティティへインターネットネットワークRIを介して通信するための第2の通信インタフェースとを含む。この第2のインタフェースを使用して、ドメインネームサーバDNS1とだけでなく、ネットワークROPのオペレータのインターネットアクセスプロバイダ(通常、インターネットサービスプロバイダ、ISPと呼ぶ)と通信する。
【0047】
サーバDNS1は、DNS1が管理する電気製品に割当てられたパブリックアドレスと名前との間の対応に関するルックアップテーブルを維持する。特に、国内ゲートウェイGW1に割当てられた名前は、静的であり、即ち、変化しないが、国内ゲートウェイGW1のパブリックアドレスは、周期的に変化する。この国内ゲートウェイGW1と通信するために、GW1の現在のパブリックアドレスを確定し、それによりGW1の名前に基づきサーバDNS1を問合せる必要がある。この名前は、このゲートウェイによって管理されるネットワークドメインの名前に対応し、例えば以下の形式である。
myhome.homedns.org
【0048】
この名前は、国内ゲートウェイGW1を提供するネットワークオペレータによって自動的に割当てることができ、また、このゲートウェイのユーザによって手動で設定できる。
【0049】
国内ゲートウェイGW1に関するドメイン名の設定は、この目的のためにサーバDNS1と通信する相互接続モジュールCG1を用いて実行される。
【0050】
相互接続モジュールCG1はまた、IGD(インターネットゲートウェイ装置)またはCGI(共通ゲートウェイインタフェース)のUPnP装置の形式をとるアドレスモジュールを含み、パブリックアドレス、プライベートアドレスに関するポートおよびソースネットワークRS1の電気製品のポートをマッピングする役目を果たすので、ソースネットワークRS1以外の装置は、パブリックアドレスおよび/またはポートを用いてこのソースネットワークRS1の電気製品と通信することができる。このアドレスモジュールを用いて特に、ローミングリレーモジュールDMS−R2は、ソースリレーモジュールDMS−R1と通信するように設置できる。
【0051】
ソースリレーモジュールDMS−R1
ソースリレーモジュールDMS−R1は、1つまたは複数のコンテンツサーバDMS11および/またはDMS12に関する代替のエンティティ(またはプロキシエンティティ)である。DMS−R1は、コンテンツサーバDMS11(またはDMS12)と、UPnPに従わず、および/またはソースネットワークの一部を形成しないエンティティとの間の通信に対する中継として機能する。ソースリレーモジュールDMS−R1は故に、そのようなエンティティに関するコンテンツサーバDMS11の“代替”として機能する。ソースリレーモジュールDMS−R1の存在のおかげで、コンテンツサーバDMS11は、UPnPに従わず、および/またはソースネットワークの一部を形成しないエンティティによって遠隔で駆動することができる。
【0052】
より詳細に、ソースリレーモジュールDMS−R1は、UPnP制御ポイント(DMC、デジタルメディアコントローラ)の機能、特にUPnP制御サーバを検出する機能およびUPnP制御サーバのコンテンツのディレクトリを調べる(CDS、コンテンツディレクトリサービス)機能を実行する。ソースリレーモジュールDMS−R1は、以下の2つのインタフェースを実装する。
−UPnPプロトコルに従い、UPnP制御装置インタフェース(DMC、デジタルメディアコントローラ、“UPnP制御ポイント”とも呼ばれる)に対応し、一方でソースネットワークRS1のUPnPエンティティ、特にコンテンツサーバDMS11またはDMS12の1つにUPnPコマンドを送信し、他方でこれらのリクエストに対する応答を受信および処理する第1のインタフェース。
−UPnPプロトコルとは異なり、非UPnPエンティティおよび/またはソースネットワークRS1の一部を形成しないエンティティと交わした非UPnPリクエストを送信または受信するのに適したプロトコルを使用する第2のインタフェース。そこで用いるプロトコルは例えば、HTTPプロトコルである。
【0053】
この第2のインタフェースを介して、ソースリレーモジュールDMS−R1は、ローミングリレーモジュールDMS−R2と対話でき、以下で詳述するように、DMS−R2は、ホームネットワークRS2の電気製品内で実行する。この対話は、例えばXML−RPC、SOAPおよびRESTから選択されたプロトコルに従う適切な手法に従って、例えばリモートプロシージャコールを用いて、または“ウェブサービス”形式のリクエストを用いて実行される。ソースリレーモジュールDMS−R1およびローミングリレーモジュールDMS−R2間で交わされるリクエストはこの場合、HTTPプロトコルを用いて輸送される。
【0054】
ソースリレーモジュールDMS−R1は、UPnPプロトコルに従わず、コンテンツサーバDMS11を対象とするリクエストを、その第2のインタフェースを介して受信して、UPnPに従わないこれらリクエストをUPnPプロトコルに従うリクエストに変換して、リクエストをその第1のインタフェースを介して送信することで、コンテンツサーバDMS11のために変換されるよう構成される。
【0055】
このリクエストフォーマットの変換は、例えば第2のプロトコルに従うリクエストでカプセル化されているUPnPリクエストの非カプセル化によって実行される。この第2のプロトコルは例えば、HTTPプロトコルである。このフォーマット変換動作は、変換されたUPnPリクエストのデータを修正しないが、単にそのデータを送信するために用いるフォーマットを修正する。UPnPプロトコルに従うリクエスト送信は通常、目標UPnPモジュールのソフトウェアインタフェースの関数呼出しを介して実行されることが分かる。より詳細に、UPnP規格において、ある者は、目標UPnPモジュール(UPnPコンテンツサーバ、DMRまたはDMPレンダリング装置)によって実行されるUPnPサービスのアクションを想定すると言う。
【0056】
第2のインタフェースを介して受信される例示的なリクエストは、ソースネットワークRS1のUPnPコンテンツサーバがアクセスできるコンテンツのメタデータを取得するリクエストである。ソースリレーモジュールDMS−R1は、UPnP規格で“ブラウズ”と称される1つまたは複数のリクエストに、このリクエストを変換するよう設計され、それらリクエストは、ソースネットワークRS1の各種UPnPコンテンツサーバに各々送信される。
【0057】
ソースリレーモジュールDMS−R1による受信リクエストに対して行うフォーマット変換は、以下の動作によって適切な場合に同時に行われる。
−受信リクエストのパラメータの修正またはフィルタリングおよび/または
−送信すべきリクエストまたは複数のリクエストに対する新たなパラメータの追加および/または
−送信すべき1つまたは複数のリクエストに受信リクエストを分解し、または反対に、いくつかの受信リクエストを、送信すべき単一のリクエストに組合せる。
【0058】
反対に、ソースリレーモジュールDMS−R1は、UPnPプロトコルに従うこのサーバによって格納されたコンテンツを含まない関数呼出しまたはメッセージに対する応答を、コンテンツサーバDMS11の第1のインタフェースを介して受信し、UPnPに従わず、および/またはソースネットワークの一部を形成しないエンティティとの通信に適する別のプロトコルに従うリクエストにそれらメッセージを変換し、その第2のインタフェースを介してリクエストを送信するので、目標エンティティのために変換される。このリクエストフォーマットの変換は、例えば第2のプロトコルに従うリクエストでUPnPリクエストをカプセル化することによって実行される。この第2のプロトコルは例えば、HTTPプロトコルである。この変換は、変換されたUPnPリクエストのデータを修正しないが、単にデータを送信するために使用されるフォーマットを修正する。
【0059】
ソースリレーモジュールDMS−R1によるこの時に行うフォーマット変換は、以下の動作によって適切な場合に実行される。
−受信リクエストのパラメータの修正又はフィルタリングおよび/または
−送信すべきリクエストまたは複数のリクエストに対する新たなパラメータの追加および/または
−送信すべき1つまたは複数のリクエストに受信リクエストを分解し、または反対に、いくつかの受信リクエストを、送信すべき単一のリクエストに組合せる。
【0060】
その第2のインタフェースを介して、ソースリレーモジュールDMS−R1は、“ウェブサービス”形式である任意のリクエストを輸送しないHTTPリクエストを受信および再送信することができる。これらは特に、コンテンツを送信するためのリクエスト、またはUPnPリクエスト若しくは応答への任意の変換をリクエストしないコンテンツを取得するためのリクエストを含む。
【0061】
ソースリレーモジュールDMS−R1は故に、DMS11(またはDMS12)コンテンツサーバが自ら送信できないリクエストを送信する(各々受信する)ためにそのコンテンツサーバの代わりとして機能する。
【0062】
ソースリレーモジュールDMS−R1は、国内ゲートウェイGW1へ、またはソースネットワークRS1の他の電気製品へ統合される。しかし勿論、このモジュールの各種機能は、分散した態様で実装されることが想定される。即ち、各種機能は、これらの機能の各々をそれぞれ実装するエンティティ間に通信リンクが提供される条件で、相異なる物理的な電気製品において実装されることが想定される。
【0063】
ソースリレーモジュールDMS−R1が国内ゲートウェイGW1に統合されない時、ソースリレーモジュールDMS−R1は、相互接続モジュールCG1のアドレスモジュールにアドレスデータを送信するよう設計されるので、このアドレスモジュールは、DMS−R1に向けられたリクエストをソースリレーモジュールDMS−R1に中継することができる。この目的のため、ソースリレーモジュールDMS−R1は、ソースリレーモジュールDMS−R1が連絡可能なポート番号およびIPアドレスを用いて、ポート番号およびIPアドレスを相互接続モジュールCG1のアドレスモジュールに送信する。このポート番号およびIPアドレスは、国内ゲートウェイGW1に関連付けられたドメイン名と、ソースリレーモジュールDMS−R1に割当てられたパブリックポート番号とに対応付けて格納される。
【0064】
ソースリレーモジュールDMS−R1が国内ゲートウェイGW1に統合されない時、アドレス装置は、ソースネットワークRS1の外部にある電気製品からソースリレーモジュールDMS−R1に連絡するために、国内ゲートウェイGW1において不要である。
【0065】
UPnPプロトコルからリレーモジュールDMS−R1およびDMS−R2間で用いる他のリモート制御プロトコルへのリクエストフォーマットの変換またはその逆の変換に追加して、ソースリレーモジュールDMS−R1は、ソースネットワークRS1のコンテンツサーバDMS11またはDMS12に格納されるコンテンツのアドレスを変換する機能を実行する。
【0066】
これにより、ソースネットワークRS1のコンテンツは、ホームネットワークRS2からアクセス可能になる。使用されるアドレスは通常、例えば以下のURI(Uniform Resource Identifier)アドレスの形式である。
http://192.168.1.10:9000/dlna/objectID=1234
【0067】
ソースリレーモジュールDMS−R1が行うアドレス変換は、“ソース変換”と称される。この変換はコンテンツのURIアドレスにおいて、対象コンテンツを格納するコンテンツサーバのIPアドレスおよびポートを、国内ゲートウェイGW1のパブリックドメイン名とソースリレーモジュールDMS−R1に割当てられたパブリックポート番号とに交換することからなり、これにより、変換後のURIアドレスは、ソースネットワークRS1以外のエンティティから、特に以下に詳述するホームネットワークRS2の電気製品で実行するローミングリレーモジュールDMS−R2から、ソースリレーモジュールDMS−R1を介して、および国内ゲートウェイGW1を介して対象コンテンツにアクセスするのに適合される。
【0068】
ソースリレーモジュールDMS−R1による変換後のURIアドレスは、故に以下の形式である。
http://GW1 DNS:GW1 PORT/download uri=CONTENT URI
ここで
−CONTENT_URIは、コンテンツのURIオリジナルアドレスであり、このアドレスは通常、このコンテンツだけでなく、適切なコンテンツであると識別するデータも格納するコンテンツサーバのローカルIPアドレスを含み、例えば以下の形式である。
http://192.168.1.10:9000/dlna/objectID=1234
−GW1_IPは、国内ゲートウェイGW1に割当てられたドメイン名または静的パブリックIPアドレスである。
−GW1_PORTは、国内ゲートウェイGW1であり、GW1を介してソースリレーモジュールDMS−R1をアドレス指定できる。
【0069】
従って、URIアドレスが修正され、故にコンテンツを参照するコンテンツサーバとして、即ちコンテンツを取得できるエンティティとして、ソースリレーモジュールDMS−R1を指定する。
【0070】
そのようなアドレス変換は、コンテンツサーバまたは他のネットワークから生ずるコンテンツとの矛盾、特にホームネットワークRS2のコンテンツとの矛盾の可能性を避けるために必要である。その変換は、ホームネットワークRS2に向かう、ソースリレーモジュールDMS−R1によって送信されたリクエストに含まれるURIアドレス上で行われる。
【0071】
このアドレス変換動作は、ソースリレーモジュールDMS−R1がパラメータGW1_IPおよびGW1_PORTを知る限り、DMS−R1によって行うことができる。
【0072】
変換前のURIアドレスを抽出することである逆変換は、ホームネットワークRS2から送信されたリクエストがソースリレーモジュールDMS−R1に到達する時行われる。この逆変換は故に、オリジナルアドレスCONTENT_URI、即ちこのコンテンツを参照するコンテンツサーバによって提供されるアドレスを回復することができる。
【0073】
ソースリレーモジュールDMS−R1はまた、ソースネットワークRS1の各種コンテンツサーバDMS11またはDMS12に格納されたコンテンツに関するコンテンツメタデータを収集および集約するように設計される。これらのメタデータがコンテンツのURIアドレスを含む時、これらのアドレスの変換は、先ほど言及した“ソース変換”機能を適用することによって、ソースリレーモジュールDMS−R1による集約前または後に行われる。故に修正されたメタデータは、ローミングリレーモジュールDMS−R2に送信される。
【0074】
ゲートウェイGW2
ゲートウェイGW2は、ソースネットワークRS2をインターネットネットワークRIと相互接続するためのゲートウェイである。それにより、ソースネットワークRS2の端末は、インターネットネットワークRIにアクセスできる。逆に、ゲートウェイは、そのようなアクセス権利が承認されている条件で、ソースネットワークRS2以外のネットワークの電気製品をソースネットワークRS2の端末と通信させることができる。
【0075】
相互接続モジュールCG2は、ソースネットワークRS2とインターネットネットワークRIとの間の相互接続機能を実装する。CG2はこの目的のため、ソースネットワークRS2のエンティティとの通信のための第1の通信インタフェースと、インターネットネットワークRIを介して、特にソースネットワークRS2の外部のエンティティとの通信のための第2の通信インタフェースとを含む。
【0076】
記録媒体SPR
記録媒体は、ソフトウェアモジュールを格納するのに適した媒体である。SPRは、ホームネットワークRS2のうち少なくとも1つの電気製品から読み取り可能な媒体であって、例えば以下の通りである。
−ホームネットワークRS2の端末または他の電気製品(セットトップボックス、ルータ、ゲートウェイ等)に有線または無線リンクにより配線でき、この端末またはこの電気製品により読み取りされる携帯用および取り外し可能な記録媒体であり:USBキー、携帯電話、取り外し可能なハードディスク等である。
−有線または無線ネットワークを介して確立される通信リンクによりホームネットワークRS2の端末または電気製品からアクセス可能な固定記録媒体であり:リモートサーバを介してアクセス可能なストレージスペース、このストレージスペース上に格納されるモジュールである。ここで、そのモジュールは、この端末によって実行される前にホームネットワークRSの端末へダウンロードされる。
【0077】
記録媒体SPR上に格納されるローミング接続モジュールRCGおよびローミングリレーモジュールDMS−R2は、ソースコード形式、オブジェクトコード形式、または解釈可能なコードで部分的にコンパイルされた形式で格納される。これらのコードは、実行可能なコードを取得するのに必要な、考え得る解釈またはコンパイルの後、ホームネットワークRS2の電気製品のメモリに読み込まれて、そのような電気製品のプロセッサによって実行されることを目的とする。
【0078】
記録媒体SPRが、ローミング接続モジュールRCGまたはローミングリレーモジュールDMS−R2を実行できるプロセッサに固定された電気製品に統合される場合、1つまたは他のこれらモジュールに対する実行は、このプロセッサによって扱うことができる。一般的に、リンクは、ホームネットワークにおけるこの媒体とプロセッサおよびメモリが取り付けられたホストの電気製品との間に確立され、これらのモジュールに対する実行は、ホストの電気製品のプロセッサによって扱われることが考えられる。
【0079】
好ましくは、記録媒体SPRは、セキュアアクセスの媒体なので、承認されたユーザのみがこの媒体のコンテンツにアクセスでき、パスワード、PINコード、または任意の他の承認データは、この媒体上に格納されたコンテンツにアクセスするのに必要である。
【0080】
ローミング接続モジュールRCG
ローミング接続モジュールRCGは、ホームネットワークRS2に接続される電気製品によって実行されることを目的とする。この目的のために、RCGは、記録媒体SPR上に格納され、SPRは、ホームネットワークRS2のうち少なくとも1つの電気製品からアクセス可能である。ローミング接続モジュールRCGが各種ホームネットワークで使用できる限り、このモジュールは、ローミング接続モジュールと称される。
【0081】
ローミング接続モジュールRCGは、ソースネットワークRS1のゲートウェイGW1の相互接続モジュールCG1との通信リンクを、ゲートウェイGW2の相互接続モジュールCG2を介して確立するように設計される。
【0082】
ローミング接続モジュールRCGは、例えばそのようなリンクを介して送信されたHTTPリクエストを用いて、この相互接続モジュールCG1と通信する。しかし、セキュリティ上の理由で、ローミング接続モジュールRCGは、HTTPSプロトコルまたは任意の他のセキュアプロトコルを使用して相互接続モジュールCG1と通信するのが好ましい。状況に応じて、ローミング接続モジュールRCGの承認は、以下により提供される。
−記録媒体SPR上に格納されたローミング接続モジュールRCGを承認するためのデータ、または
−ホームネットワークRS2における記録媒体SPRと端末T21またはT22との間の接続を開始する前にユーザから得られる、ユーザを承認するためのデータ。
【0083】
HTTPSプロトコルの使用は、ローミング接続モジュールRCGによって受信されたHTTPリクエストがHTTPプロトコルに従うリクエストでカプセル化され、この形式で相互接続モジュールCG1に送信されることを意味する。逆に、相互接続モジュールCG1から生ずるHTTPSリクエストの受信時、ローミング接続モジュールRCGは、このリクエストを非カプセル化して、HTTPプロトコルに従うリクエストを生成し、次いで以下に説明するローミングリレーモジュールDMS−R2にそのリクエストを送信する。
【0084】
HTTPSのようなセキュアプロトコルを使用する代わりに、ローミング接続モジュールRCGと相互接続モジュールCG1との間のリンクをセキュアにするために、セキュアトンネル(VPN、バーチャルプライベートネットワーク)の確率を行うことも考えられる。
【0085】
ローミングリレーモジュールDMS−R2は、ソースネットワークRS1のエンティティに対して確立された全ての通信がローミング接続モジュールRCGおよび相互接続モジュールCG1を介して伝わり、ローミング接続モジュールRCGと相互接続モジュールCG1との間で確立されたセキュア接続リンクを使用するように設計される。これにより、このソースネットワークを用いた通信をセキュアにすることができる。
【0086】
好ましくは、ローミング接続モジュールRCGは、開始するとすぐに、CG1とのセキュア通信リンクを確立し、このリンクは、ソースネットワークのエンティティとローミングリレーモジュールDMS−R2との間の全ての通信に使用される。
【0087】
また、通信プロキシがホームネットワークRS2へのアクセスに使用される場合、ローミング接続モジュールは、ローミング接続モジュールRCGを実行するホストの電気製品で定義されたネットワークパラメータに基づいて、ホームネットワークRS2から外部への通信を確立するのに必要なネットワークパラメータを決定するように設計される。
【0088】
ローミングリレーモジュールDMS−R2
ローミングリレーモジュールDMS−R2は、ホームネットワークRS2に接続される電気製品によって実行されることを目的とする。この目的のために、DMS−R2は、ホームネットワークRS2のうち少なくとも1つの電気製品からアクセス可能な記録媒体SPR上に格納される。ローミングリレーモジュールDMS−R2が各種ホームネットワークで使用できる限り、DMS−R2は、ローミングリレーモジュールと称される。
【0089】
ローミングリレーモジュールDMS−R2は、ホームネットワークRS2のUPnPエンティティをソースネットワークRS1の1つまたは複数のエンティティにリンクする目的で、ソースリレーモジュールDMS−R1と協働するように設計される。ソースリレーモジュールDMS−R1と同様、ローミングリレーモジュールDMS−R2は、第1のUPnP準拠通信インタフェースおよび第2の非UPnP準拠通信インタフェースを呈する。
【0090】
UPnPプロトコルに従う第1のインタフェースは、UPnPコンテンツサーバ(DMS、デジタルメディアサーバ)のソフトウェアインタフェースに対応し、一方ではホームネットワークRS2のUPnPエンティティから生ずるUPnPリクエストを受信し、他方ではこれらのリクエストに対する応答を受信および処理する。このインタフェースにより特に、UPnPコンテンツサーバのUPnP規格で定義されたサービス機能を動作することができる。
【0091】
また、ローミングリレーモジュールDMS−R2は、UPnP規格の発見メカニズムで提供された機能を実装するので、ローカルUPnPコンテンツサーバとして見なされ、故にソースネットワークRS1のうち少なくとも1つのUPnPコンテンツサーバに向けられるUPnPリクエストを、DMS−R2の第1のインタフェースを介して受信する。
【0092】
この目的のために、ローミングリレーモジュールDMS−R2は、ソースネットワークRS1のUPnPコンテンツサーバの機能、即ちUPnP規格という意味でUPnPコンテンツサーバが与える“サービス”を宣言する。
【0093】
既知の方法で、UPnP規格で提供される発見プロトコルは、以下のように進行する。ローミングリレーモジュールDMS−R2が開始されてネットワークRS2に接続する時、DMS−R2は、自身の存在を示すメッセージM1を送信することによって、ネットワークRS2のUPnP装置に対して自身が信号を送る。そのようなメッセージM1は通常、SSDPプロトコル(シンプルサービス発見プロトコル)に従うメッセージ‘アライブ’である。これらメッセージの定義のために、例えばIETF(‘インターネットエンジニアリングタスクフォース’)による“draft-cai-ssdp-v1-02”と呼ばれる文書を参照することができる。このメッセージM1は、マルチキャストモードでネットワークに送信される。故に、M1は、ネットワークRS2に位置することができるレンダリング装置DMR2によって、または任意のUPnP“制御ポイント”によって受信される。故に、ネットワークRS2のUPnPエンティティのために、あたかもこのローミングリレーモジュールDMS−R2が実際にこのネットワークRS2に位置するUPnPコンテンツサーバであるかのように、あらゆる事が起こる。
【0094】
第2のインタフェースは、UPnPプロトコルとは異なるプロトコルを使用し、非UPnPリクエストを送信または受信するのに適しており、非UPnPリクエストは、ホームネットワークRS2の一部を形成しないエンティティと交わされる。ここで用いるプロトコルは、例えばHTTPプロトコルである。
【0095】
第2のインタフェースを介して、ローミングリレーモジュールDMS−R2はまた、“ウェブサービス”形式の任意のリクエストを輸送しないHTTPリクエストを受信および再送信することができる。これらのリクエストは特に、コンテンツを送信するリクエスト、またはUPnPリクエスト若しくは応答への任意の変換を要求しないコンテンツを取得するリクエストである。
【0096】
セキュリティ上の理由で、ローミングリレーモジュールDMS−R2は、ローミング接続モジュールRCGを用いてソースリレーモジュールDMS−R1と通信する。
【0097】
ソースリレーモジュールDMS−R1と同様、ローミングリレーモジュールDMS−R2は、ソースリレーモジュールDMS−R1が提供したコンテンツアドレスを変換するための機能を実装する。これにより、ソースネットワークRS1のコンテンツは、リレーモジュールDMS−R1およびDMS−R2を介してホームネットワークRS2からアクセス可能となる。
【0098】
ローミングリレーモジュールDMS−R2が行うアドレス変換は、“ローミング変換”と称される。その変換は、コンテンツのURIアドレスにおいて、このアドレスで割当てられたサーバ(即ち、このアドレスからコンテンツを取得できるエンティティ)のIPアドレスおよびポートを、ローミング接続モジュールRCGのIPアドレスおよびポートに置き換えることである。このIPアドレスは実際、ホームネットワークRS2の電気製品のアドレスであり、ローミング接続モジュールRCGおよびローミングリレーモジュールDMS−R2を実行し、ポートは、ローミング接続モジュールRCGに割当てられた通信ポートである。
【0099】
代替として、ローミング接続モジュールRCGの代わりに、変換後のURIアドレスは、ローミングリレーモジュールDMS−R2を指定する。ローミング接続モジュールRCGおよびローミングリレーモジュールDMS−R2の役割は実質的に、アドレスの変換およびこれら変換されたアドレスを含むアクセスリクエストのインターセプト/処理に関して互換可能なことである。
【0100】
どの代替が選択されても、変換されたURIアドレスで指定されたエンティティは、ソースリレーモジュールDMS−R1との通信が可能であり、DMS−R1は、ホームネットワークRS2から送信できるコンテンツアクセスリクエストの受信先であることのみ要求される。
【0101】
ローミングリレーモジュールDMS−R2による変換後のURIアドレスは故に、以下の形式である。
http://RCG IP:RCG PORT/download uri=CONTENT URI R1
ここで
−CONTENT_URI_R1は、ソースリレーモジュールDMS−R1によって提供されたURIアドレスである。
−RCG_IPは、ローミング接続モジュールRCGのIPアドレスである。
−RCG_PORTは、ローミング接続モジュールRCGのポートである。
【0102】
故に修正されたURIアドレスは、コンテンツを参照するコンテンツサーバとして、即ち関連コンテンツを取得できるエンティティとしてローミング接続モジュールRCGを示す。
【0103】
このアドレス変換は、ソースリレーモジュールDMS−R1から生じてローミングリレーモジュールDMS−R2に到達するリクエストに含まれたURIアドレス上で行われる。
【0104】
逆変換は、“ローミング変換”の前の状態になるようにURIアドレスを抽出すること、即ちソースリレーモジュールによって提供されるアドレスCONTENT_URI_R1を抽出することであり、ホームネットワークRS2から送信されるリクエストに含まれたURIアドレス上で行われ、リクエストは、ソースリレーモジュールDMS−R2またはローミング接続モジュールRCGに到達し、ソースリレーモジュールDMS−R1に送信される必要がある。この逆動作は、ソースリレーモジュールDMS−R2によって、またはローミング接続モジュールRCGの何れかによって実行される。
【0105】
本発明による方法の実施形態は、図2を参照してここで説明される。この方法は、ステップ200から340を含む。この一組のステップは、任意の回数だけ実行でき、各回数では、ホームネットワークRS2の電気製品からソースネットワークRS1のコンテンツへのアクセスが望まれる。
【0106】
ステップ200は、開始ステップである。このステップの間、ユーザは、記録媒体SPRをホスト端末、例えば端末T21に接続する。接続後、ローミング接続モジュールRCGの実行は、ホスト端末T21のプロセッサによって自動的に引起される。
【0107】
ユーザは、認証データ、例えばIDおよびパスワードを提供するように案内される。ローミング接続モジュールは、ソースネットワークRS1の相互接続モジュールCG1に接続リクエストを送信し、リクエストは、ユーザによって提供された認証データを含む。認証が成功した場合、セキュア接続リンクは、ローミング接続モジュールRCGと相互接続モジュールCG1との間で確立され、以降のステップ201が実行される。逆の場合、エラーメッセージがユーザに提示され、方法が終了する。必要に応じて、ユーザは、新たな認証データを入力するように案内される。
【0108】
ステップ200では、ローミングリレーモジュールDMS−R2の実行は、ホスト端末T21のプロセッサによって自動的に引起される。ローミングリレーモジュールDMS−R2は、UPnP発見メカニズムに従い、ホームネットワークRS2のUPnP制御ポイント(デジタルメディアコントローラ)にその存在およびその機能を通知し、DMS−R2は次いで、ローカルUPnPコンテンツサーバと見なされる。この場合、ローミングリレーモジュールDMS−R2は、DMS−R2が代理するソースネットワークRS1のUPnPコンテンツサーバの機能を示す。
【0109】
ステップ201では、ソースネットワークRS1のコンテンツサーバのコンテンツのメタデータを取得するために“ブラウズ”と称されるUPnPリクエストは、UPnPレンダリング装置によって、例えば端末T21に位置するレンダリング装置DMR2によって送信され、ローミングリレーモジュールDMS−R2によって受信される。このリクエストは、以降のステップ205から280に対応する、メタデータを取得するための手順を引起す。代替として、メタデータを取得するための、この同一手順は、レンダリング装置DMR2から、またはUPnP制御ポイントから受信される“ブラウズ”リクエストに関係なく、ローミングリレーモジュールDMS−R2の開始時、または周期的の何れかで、自動的に引起される。
【0110】
“ブラウズ”UPnPリクエストは、ソースリレーモジュールDMS−R1に送信可能な他のリクエストに変換される。このような他のリクエストの送信は、リレーモジュールDMS−R1とDMS−R2との間の対話に関して選択された通信スキームを使用する。このような他のリクエストはこの場合、HTTPプロトコルを用いて輸送される。以下の記載では、リレーモジュールDMS−R1およびDMS−R2は、ウェブサービス形式のリクエストによって互いに通信することが想定される。
【0111】
ステップ205では、メタデータを得るためのこのHTTPリクエストは、ローミング接続モジュールRCGによってインターセプトされ、RCGは、そのリクエストをHTTPSリクエストにカプセル化する。
【0112】
ステップ210では、メタデータを得るためのカプセル化されたHTTPSリクエストは、ステップ200で確立されたセキュアリンクを介してローミング接続モジュールRCGによって送信され、相互接続モジュールCG1に到達する。
【0113】
ステップ220では、メタデータを得るためのカプセル化されたHTTPSリクエストは、相互接続モジュールCG1によって非カプセル化され、次いでHTTPリクエストの形式でソースリレーモジュールDMS−R1に送信される。
【0114】
ステップ230では、メタデータを得るためのHTTPリクエストは、リクエストを非カプセル化するソースリレーモジュールDMS−R1に到達する。非カプセル化されたリクエストは故に、レンダリング装置DMR2によってステップ201で送信されて取得したメタデータUPnPリクエストと同一の“ブラウズ”UPnPリクエストである。ソースリレーモジュールDMS−R1はその後、このリクエストを処理し、その処理は、UPnPリクエストをネットワークのUPnPコンテンツサーバに送信して、これらのコンテンツサーバの各々を介してそれぞれアクセス可能なコンテンツのメタデータを得ることにより行われる。この場合、“ブラウズ”と称されるUPnPリクエストは、各コンテンツサーバDMS11およびDMS12に送信される。
【0115】
ステップ240では、コンテンツサーバDMS11およびDMS12のUPnP応答の受信時、ソースリレーモジュールDMS−R1は、ソースネットワークRS1の各種コンテンツサーバDMS11またはDMS12から受信したメタデータを集約する。ソースリレーモジュールDMS−R1は、このモジュールに関する上記説明に従って、これらのメタデータに含まれるコンテンツURIアドレスの変換(“ソース変換”)を実行し、具体的には、これらのアドレスがホームネットワークRS2のUPnPモジュールによって使用できるようにする。この場合、この変換の特徴を考慮すると、これらの変換されたアドレスは全て、これらのコンテンツが取得可能なエンティティとしてソースリレーモジュールDMS−R1を指定する。
【0116】
ステップ250では、ソースリレーモジュールDMS−R1は、ステップ220で受信したリクエストに対する応答リクエストを生成し、その生成は、このリクエストを送信するのに用いたスキームと同一のプロトコルまたはスキーム、即ち“ウェブサービス形式”のリクエストに従う。この応答リクエストはこの場合、HTTPプロトコルに従って輸送される。そのリクエストは、ステップ240で集約および修正されたメタデータを含む。
【0117】
ステップ260では、ステップ250で生成されたHTTP応答リクエストは、相互接続モジュールCG1によって受信され、CG1は、ローミング接続モジュールRCGに対して確立されたセキュア通信リンクを介してそのリクエストを送信する前に、HTTPSプロトコルに従うリクエストにそのリクエストをカプセル化する。
【0118】
ステップ270では、HTTPS応答リクエストは、ローミング接続モジュールRCGに到達し、RCGは、そのリクエストを非カプセル化し、次いで非カプセル化された応答リクエストをHTTPリクエスト形式でローミングリレーモジュールDMS−R2に送信する。
【0119】
ステップ280では、ローミングリレーモジュールDMS−R2は、受信したHTTP応答リクエストを処理する。DMS−R2は、このモジュールに関する上記説明に従って、これらのメタデータに含まれるコンテンツURIアドレスの変換(“ローミング変換”)を実行することにより、これらのアドレスは、ローミングリレーモジュールDMS−R2と、関連するローミング接続モジュールRCGとを通過するだけで、ホームネットワークRS2のUPnPモジュールで使用できるようになる。この場合、この変換の特徴を考慮すると、これらの変換されたアドレスは全て、これらのコンテンツが取得可能なエンティティとしてローミング接続モジュールRCGを指定する。
【0120】
次に、ローミングリレーモジュールDMS−R2は、メモリまたはデータファイル、例えば記録媒体SPRに受信メタデータを記録する。このファイルは、メタデータを格納するデータベースを形成する。
【0121】
コンテンツメタデータを得るための“ブラウズ”と称されるUPnPリクエストに応答して、ローミングリレーモジュールDMS−R2は、レンダリング装置DMR2にリクエストメタデータを送信する。
【0122】
ローミングリレーモジュールDMS−R2は、関連コンテンツを取得できるエンティティとして、ホームネットワークRS2の電気製品によって実行されるエンティティ(ローミング接続モジュールRCGまたは代わりに、ローミングリレーモジュールDMS−R2)を指定するアドレスを、ソースネットワークのコンテンツサーバによって参照されるコンテンツ毎に、送信されるメタデータで提供し、このエンティティは、前記コンテンツへのアクセスリクエストをソースリレーモジュールDMS−R1に送信することができる。
【0123】
ステップ300では、ローミングリレーモジュールDMS−R2によって格納されるメタデータをユーザが参照して、回復すべきコンテンツの選択をユーザが実行した後、これらのメタデータに基づいて選択されるコンテンツのうち1つを取得するリクエストは、UPnPレンダリング装置によって、例えば端末T21に位置するレンダリング装置DMR2によって送信される。この得られたコンテンツリクエストは、HTTPプロトコルに従う“GET”形式のリクエストである。UPnP規格に従い、このリクエストは、回復すべきコンテンツのURIアドレスを含む。ローミングリレーモジュールDMS−R2によって提供されるメタデータに含まれるURIアドレスは、変換をうけているので、このURIアドレスは、関連コンテンツを取得できるエンティティとしてローミング接続モジュールRCGを指定する。代わりに、URIアドレスは、ローミングリレーモジュールDMS−R2を指定する。
【0124】
ステップ301では、コンテンツ“GET”を得るHPPTリクエストは、URIアドレスで指定されたエンティティによって受信される。そのリクエストは、択一的な選択に従い、ローミング接続モジュールRCG、またはローミングリレーモジュールDMS−R2の何れかによって受信される。
【0125】
指定されたエンティティ(ローミング接続モジュールRCGまたは代わりに、ローミングリレーモジュールDMS−R2)は、メタデータの送信中にソースリレーモジュールDMS−R1によりステップ240で生成されたようなURIアドレスを、受信したURIアドレスから抽出する。この時、抽出したアドレスは、関連コンテンツが取得できるエンティティとしてソースリレーモジュールDMS−R1を指定する。
【0126】
ローミング接続モジュールRCGまたは代わりに、ローミングリレーモジュールDMS−R2はその後、抽出したURIアドレスを含むHTTPリクエスト“GET”を生成し、次いでソースリレーモジュールDMS−R1にそのリクエストを送信する。
【0127】
次に、コンテンツ“GET”を取得するHTTPリクエストは、ローミング接続モジュールRCGによってHTTPSリクエストでカプセル化される。
【0128】
ステップ305では、コンテンツを得るためのカプセル化されたHTTPSリクエストは、ステップ200で確立されたセキュアリンクを介してローミング接続モジュールRCGによって送信され、相互接続モジュールCG2に到達する。
【0129】
ステップ310では、コンテンツを得るためのカプセル化されたHTTPSリクエストは、ステップ200で確立されたセキュアリンクを介して相互接続モジュールCG2によって送信され、相互接続モジュールCG1に到達する。
【0130】
ステップ320では、カプセル化され回復されたHTTPSリクエストは、相互接続モジュールCG1によって非カプセル化され、次いでHTTPリクエスト“GET”形式でソースリレーモジュールDMS−R1へ送信される。
【0131】
ステップ325では、コンテンツ“GET”を取得するためのHTTPリクエストは、ソースリレーモジュールDMS−R1によって受信され、DMS−R1は、メタデータの送信中にソースリレーモジュールDMS−R1によってステップ240で取得したURIアドレスを、受信したURIアドレスから抽出する。この時、抽出したアドレスは、関連コンテンツを取得できるエンティティとしてコンテンツサーバDMS11を指定する。
【0132】
ソースリレーモジュールDMS−R1はその後、抽出したURIアドレスを含むHTTPリクエスト“GET”を生成し、次いでコンテンツサーバDMS11にそのリクエストを送信する。
【0133】
ステップ330では、回復されたHTTPリクエスト“GET”は、ソースリレーモジュールDMS−R1に到達し、DMS−R1はそのリクエストを処理する。処理では、コンテンツを送信すべきサーバによって提供されるような、コンテンツのオリジナルURIアドレスを抽出し、次いでこのオリジナルアドレスを含むHTTPリクエスト“GET”を生成する。ソースリレーモジュールDMS−R1はその後、このように構成されたHTTPリクエスト“GET”を、回復すべきコンテンツを格納するコンテンツサーバに送信する。このサーバは、リクエストに含まれるURIアドレスに基づいて識別される。即ち、各種アドレス変換を切り抜けた“CONTENT_URI”フィールドに基づいて識別される。この場合、HTTPリクエスト“GET”は、コンテンツサーバDMS11およびDMS12のうち1つ、例えばコンテンツサーバDMS11に送信される。
【0134】
ステップ340では、HTTPリクエスト“GET”の受信後、コンテンツサーバDMS11は、回復すべきコンテンツのデータをソースリレーモジュールDMS−R1に送信する。これらのコンテンツデータは、HTTPプロトコルを用いて送信したデータパケット形式で送信される。
【0135】
ステップ350では、ソースリレーモジュールDMS−R1は、受信したHTTPパケットをローミングリレーモジュールDMS−R2に送信する。
【0136】
ステップ360では、これらのHTTPパケットは、相互接続モジュールCG1によって受信され、CG1は、ローミング接続モジュールRCGに対して確立されたセキュア通信リンクを介してそのパケットを送信する前に、HTTPSプロトコルに従うデータパケットでそのパケットをカプセル化する。
【0137】
ステップ370では、HTTPSパケットは、ローミング接続モジュールRCGに到達し、RCGは、そのパケットを非カプセル化し、次いで、ローミングリレーモジュールDMS−R2を通過することなく、直接レンダリング装置DMR2へHTTPパケット形式で、非カプセル化したパケットを送信する。
【0138】
ステップ380では、レンダリング装置DMR2は、受信したHTTPパケットに基づいて選択したコンテンツを回復する。
【0139】
HTTPリクエスト“GET”を伝送することは、ローミングリレーモジュールDMS―R2を通過しないで実行でき、これらのリクエストは、セキュリティ上の制限が課されない場合、ソースリレーモジュールDMS−R1に直接アドレス指定でき、および/またはローミング接続モジュールを通過しないことが分かる。
【0140】
ローミングリレーモジュールの役割は、セキュアネットワークのリモートエンティティを制御するのに用いるプロトコルに従う制御インタフェースを呈するために制御すべき主に使用され、このローミングリレーモジュールは故に、制御すべきリモートエンティティ(この場合、コンテンツサーバDMS11およびDMS12)の代わりとして、ホームネットワークにおいて機能する。ローミング接続モジュールRCGに関して、ローミングリレーモジュールDMS−R2は、ソースリレーモジュールに対する通信リレーとして機能する。
【0141】
ローミングリレーモジュールおよびローミング接続モジュールは、本発明の実施形態に役立つ各種機能を特定するために、2つの独立したモジュールとして本明細書で説明されることが分かる。しかし、それらは、記録媒体SPRに格納される、1つおよび同一のソフトウェアモジュール、または1つおよび同一のプログラム内に統合されてもよい。
【0142】
ソースリレーモジュールおよびローミングリレーモジュールの両方は、複数のリモートエンティティ(この場合、複数のコンテンツサーバDMS11およびDMS12)を示してもよいことが分かる。
【0143】
本発明および記録媒体により、ユーザBobは、他の国内ネットワークに接続された他のユーザAliceの端末から、自分の国内ネットワークに格納されたコンテンツにアクセスすることができる。故に、Bobは、特にAliceの端末上にコンテンツを回復することをリクエストすることにより、Aliceとコンテンツを共用でき、これは、たとえばBobおよびAliceの国内ネットワークが地理的に離れており、相互接続されていなくとも、同じである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローカルホームネットワーク(RS2)からリモートソースネットワーク(RS1)のうち少なくとも1つのエンティティ(DMS11、DMS12)を制御する方法であって、前記方法は、ローミングリレーモジュールと称するリレーモジュール(DMS−R2)を用いて実行され、ローミングリレーモジュールが、ホームネットワークに接続される電気製品(T12、GW2)によって実行される時、ソースリレーモジュールと称するリレーモジュール(DMS−R1)と通信するように設計され、ソースリレーモジュールは、ソースネットワーク(RS1)の電気製品(GW1)によって実行され、前記少なくとも1つのエンティティに対する通信リレーとして機能し、
−ソースネットワークから前記エンティティを制御するのに使用できる第1のプロトコルに従う制御インタフェースを介してローミングリレーモジュール(DMS−R2)によって第1のリクエストを受信するステップと、
−ソースリレーモジュール(DMS−R1)によって第1のプロトコルに従う少なくとも1つの第3のリクエストに変換することを目的とする第2のリクエストを、ローミングリレーモジュール(DMS−R2)からソースリレーモジュール(DMS−R1)へ送信するステップと
を具備することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記エンティティは、コンテンツサーバであり、前記方法は、前記コンテンツサーバによって参照される少なくとも1つのコンテンツのアドレスを提供するステップであって、前記アドレスは、前記コンテンツを取得できるエンティティとして、ホームネットワークの電気製品によって実行され、前記コンテンツにアクセスするリクエストをソースリレーモジュール(DMS−R1)に送信できるエンティティ(RCG、DMS−R2)を指定する、ステップを具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ローミングリレーモジュール(DMS−R2)がローカルホームネットワークのコンテンツサーバとして認識されるように、発見メカニズムを実行するステップを具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のリクエストは、第1のプロトコルとは異なる第2のプロトコルに従って送信されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ローミングリレーモジュール(DMS−R2)は、ホームネットワークの電気製品(T21、GW2)からアクセス可能な記録媒体(SPR)上に格納されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
記録媒体は、ローミング接続モジュールと称する接続モジュール(RCG)をさらに具備し、前記方法は、前記ローミング接続モジュール(RCG)を用いて、リモートネットワークにアクセスするために電気製品(GW1)との通信リンクを確立するステップをさらに具備し、前記第2のリクエストは、前記通信リンクを介して送信されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
記録媒体は、前記端末に接続できることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
リモートソースネットワークのうち少なくとも1つのエンティティを制御する方法を実行するための、ローカルホームネットワーク(RS2)の電気製品(T21)からアクセス可能なデータ記録媒体であって、
前記記録媒体は、ホームネットワークへ接続される電気製品によって実行される時、他のリレーモジュール(DMS−R1)と通信するように設計されるローミングリレーモジュールと称するリレーモジュール(DMS−R2)を具備し、他のリレーモジュールは、ソースリレーモジュールと称し、ソースネットワーク(RS1)の電気製品(GW1)によって実行され、前記少なくとも1つのエンティティに対する通信リレーとして機能し、
ローミングリレーモジュール(DMS−R2)は、ソースネットワーク(RS1)から前記エンティティを制御するのに使用可能な第1のプロトコルに従う制御インタフェースを介して少なくとも1つの第1のリクエストを受信し、第1のプロトコルに従う少なくとも1つの第3のリクエストへソースリレーモジュール(DMS−R1)によって変換されることを目的とする第2のリクエストをソースリレーモジュール(DMS−R1)に送信できることを特徴とする記録媒体。
【請求項9】
ソースネットワークへアクセスするために電気製品(GW1)との通信リンクを確立できる通信モジュール(RCG)を具備することを特徴とする請求項8に記載の媒体。
【請求項10】
前記接続モジュールによって使用されることを目的とする前記アクセス電気製品(GW1)への接続データが格納されることを特徴とする請求項9に記載の媒体。
【請求項11】
ローカルホームネットワーク(RS2)からリモートソースネットワーク(RS1)のうち少なくとも1つのエンティティ(DMS11、DMS12)を制御する方法を実行するための、ローミングリレーモジュールと称するリレーモジュール(DMS−R2)であって、
ローミングリレーモジュール(DMS−R2)は、ホームネットワークに接続される電気製品によって実行される時、ソースリレーモジュールと称するリレーモジュール(DMS−R1)と通信するように設計され、ソースリレーモジュールは、ソースネットワークの電気製品(GW1)によって実行され、前記少なくとも1つのエンティティに対する通信リレーとして機能し、
ローミングリレーモジュール(DMS−R2)は、ソースネットワークから前記エンティティを制御するのに使用可能な第1のプロトコルに従う制御インタフェースを介して少なくとも1つの第1のリクエストを受信し、第1のプロトコルに従う少なくとも1つの第3のリクエストへソースリレーモジュール(DMS−R1)によって変換されることを目的とする第2のリクエストをソースリレーモジュール(DMS−R1)に送信できることを特徴とするリレーモジュール。
【請求項12】
ローカルホームネットワークのコンテンツサーバとして認識されるために、発見メカニズムを実行する手段を具備することを特徴とする請求項11に記載のリレーモジュール(DMS−R1)。
【請求項13】
ローカルホームネットワーク(RS2)からリモートソースネットワーク(RS1)のうち少なくとも1つのエンティティ(DMS11、DMS12)を制御する方法を実行するための、ソースリレーモジュールと称するリレーモジュール(DMS−R1)であって、
ソースリレーモジュール(DMS−R1)は、前記少なくとも1つのエンティティに対する通信リレーとして機能し、ソースネットワークの電気製品によって実行される時、ローミングリレーモジュールと称するリレーモジュール(DMS−R2)と通信するように設計され、ローミングリレーモジュールは、ホームネットワーク(RS2)に接続する電気製品によって実行され、ソースネットワークから前記エンティティを制御するのに使用可能な第1のプロトコルに従う制御インタフェースを介して少なくとも1つの第1のリクエストを受信でき、
ソースリレーモジュール(DMS−R1)は、第1のプロトコルに従う第3のリクエストに変換されることを目的とする第2のリクエストをローミングリレーモジュール(DMS−R2)から受信できることを特徴とするリレーモジュール。
【請求項14】
ソースリレーモジュールは、前記第3のリクエストが複数のコンテンツサーバに格納されるコンテンツのメタデータを取得するリクエストである時、第3のリクエストに応答して各種コンテンツサーバから受信されるメタデータを集約できることを特徴とする請求項13に記載のリレーモジュール(DMS−R1)。
【請求項15】
ソースリレーモジュールは、受信または集約したメタデータに含まれるコンテンツアドレスを適合できることで、これらのアドレスがホームネットワークの電気製品によって解釈できることを特徴とする請求項14に記載のリレーモジュール(DMS−R1)。
【請求項16】
リレーモジュールは、UPnPコンテンツサーバを検出するための機能を具備することを特徴とする請求項15に記載のリレーモジュール(DMS−R1)。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−14143(P2011−14143A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−147464(P2010−147464)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(591034154)フランス・テレコム (290)
【Fターム(参考)】