説明

ロータ、回転ロータ、掃除機用吸込具、電気掃除機及び空気調和機

【課題】安価で、動バランスに優れ、騒音、振動の少ないロータを提供する。
【解決手段】機器に回転自在に取着されるロータ1であって、中空基部2と、前記中空基部2の外周部に一体に形成されると共にブラシ体(図示せず)をそれぞれ保持するブラシ体保持部3a、3bとからなり、前記ロータ1は、樹脂で螺旋状に形成され、前記中空基部2の材厚を0.8〜2.5mm、前記ブラシ体保持部3a、3bの材厚を0.5〜2.0mmとし、前記ブラシ体保持部3a、3bの最大回転外径を20mm以下としたもので、軽量化により動バランスが良くなり、低騒音、低振動が図れると共に、中空基部2の外周に、0.5〜2.0mmの材厚を保ってブラシ体保持部3a、3bが形成されているので、ロータ1の強度も確保できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被掃除面の清掃や洗浄に用いられるロータと、そのロータを用いた回転清掃体と、その回転清掃体を用いた掃除機用吸込具と、電気掃除機及び空気調和機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のロータとして、アルミニューム等の金属材料で、中空状で、しかも捩り押し出し成形で形成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、モータのブラケット外周に内輪が圧入されたベアリングで回転自在に支持されたロータも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特公平6−79741号公報
【特許文献2】特開2001−157657号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示されたような従来のロータは、アルミニューム等の金属材料で形成されているので、高価で、しかもロータが重くなるため動バランスが悪くなり、騒音や振動が大きくなるといった課題があった。
【0005】
また、上記特許文献2に開示されたような従来のロータは、内部にモータが組み込まれているため、ロータの外径が大きくなり、機器の大型化を招くと共に、ロータが重くなるため、上記特許文献1に開示されたようなロータと同様、動バランスが悪くなり、騒音や振動が大きくなるといった課題があった。
【0006】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、安価で、動バランスに優れ、騒音、振動の少ないロータと回転ロータ及び、低騒音、低振動の掃除機用吸込具、電気掃除機及び空気調和機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明のロータは、機器に回転自在に取着されるロータであって、中空基部と、前記中空基部の外周部に一体に形成されると共にブラシ体を保持するブラシ体保持部とからなり、前記ロータは、樹脂で螺旋状に形成され、前記中空基部の材厚を0.8〜2.5mm、前記ブラシ体保持部の材厚を0.5〜2.0mmとし、前記ブラシ体保持部の最大回転外径を20mm以下としたもので、軽量化により動バランスが良くなり、騒音、振動が低減し、且つ、中空基部の外周に、0.5〜2.0mmの材厚を保ってブラシ体保持部が形成されているので、ロータの強度も確保できる。
【0008】
また、本発明の回転ロータは、請求項1〜3のいずれか1項に記載のロータを備えたもので、ロータが軽量で、動バランスに優れているので、低騒音、低振動の回転ロータを提供することが出来る。
【0009】
また、本発明の掃除機用吸込具は、請求項4に記載の回転ロータを回転自在に備えたもので、回転ロータが軽量で、動バランスに優れているので、低騒音、低振動で、しかも、清掃効率の良い掃除機用吸込具を提供することができる。
【0010】
また、本発明の電気掃除機は、請求項5に記載の掃除機用吸込具を備えたもので、低騒音、低振動の掃除機用吸込具を備えることで、低騒音、低振動で、しかも掃除機用吸込具の取り回しが良く、さらに清掃効率の良い電気掃除機を提供することができる
【0011】
また、本発明の空気調和機は、室内熱交換器と、前記室内熱交換器の上流側に配され、前記室内熱交換器を通過する空気に含まれる塵埃を捕捉するエアーフィルタと、請求項4に記載の回転ロータとを備え、前記回転ロータで、前記エアーフィルタに付着した塵埃を除去するもので、回転ロータが軽量で、動バランスに優れているので、エアーフィルタ清掃用の回転ロータを有する清掃ユニットの軽量化、低騒音化、低振動化が図られ、空気調和機の軽量化、低騒音化、低振動化にもつながる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のロータは、安価で、動バランスに優れ、騒音、振動の少ないもので、そのロータを用いることにより、低騒音、低振動の回転ロータ、掃除機用吸込具、電気掃除機及び空気調和機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
第1の発明は、機器に回転自在に取着されるロータであって、中空基部と、前記中空基部の外周部に一体に形成されると共にブラシ体を保持するブラシ体保持部とからなり、前記ロータは、樹脂で螺旋状に成形で形成され、前記中空基部の材厚を0.8〜2.5mm、前記ブラシ体保持部の材厚を0.5〜2.0mmとし、前記ブラシ体保持部の最大回転外径を20mm以下としたもので、軽量化により動バランスが良くなり、騒音、振動が低減し、且つ、中空基部の外周に、0.5〜2.0mmの材厚を保ってブラシ体保持部が形成されているので、ロータの強度も確保できる。
【0014】
第2の発明は、特に、第1の発明のブラシ体保持部を、中空基部の外周部の略全周を覆うように形成したもので、ブラシ体保持部が中空基部の強度を補強して、ロータの強度が、より一層増す。また、保持できるブラシ体の数が多くなるので、清掃性能、清掃効率がアップする。
【0015】
第3の発明は、特に、第1又は第2の発明の少なくとも一つのブラシ体保持部の底面部に空間部を形成したもので、清掃時にブラシ体に外力が加わった時に、トランポリンのネットの如く、ブラシ体のブラシ基部が空間部側に撓んで衝撃を吸収すると共に、その撓みが戻るときの反力で、塵埃を効率よく掻き出すことができる。また、外力による衝撃を吸収することで回転抵抗を軽減できる。
【0016】
第4の発明における回転ロータは、請求項1〜3のいずれか1項に記載のロータを備えたもので、ロータが軽量で、動バランスに優れているので、低騒音、低振動の回転ロータを提供することが出来る。
【0017】
第5の発明における掃除機用吸込具は、請求項4に記載の回転ロータを回転自在に備えたもので、回転ロータが軽量で、動バランスに優れているので、低騒音、低振動で、しかも、清掃効率の良い掃除機用吸込具を提供することができる。
【0018】
第6の発明における電気掃除機は、請求項5に記載の掃除機用吸込具を備えたもので、低騒音、低振動の掃除機用吸込具を備えることで、低騒音、低振動で、しかも掃除機用吸込具の取り回しが良く、さらに清掃効率の良い電気掃除機を提供することができる。
【0019】
第7の発明における空気調和機は、室内熱交換器と、前記室内熱交換器の上流側に配され、前記室内熱交換器を通過する空気に含まれる塵埃を捕捉するエアーフィルタと、請求項4に記載の回転ロータとを備え、前記回転ロータで、前記エアーフィルタに付着した塵埃を除去するもので、回転ロータが軽量で、動バランスに優れているので、エアーフィルタ清掃用の回転ロータを有する清掃ユニットの軽量化、低騒音化、低振動化が図られ、空気調和機の軽量化、低騒音化、低振動化にもつながる。
【0020】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施例によって本発明が限定されるものではない。
(実施例1)
図1は、本発明の第1の実施例におけるロータの斜視図、図2は、同ロータの断面図、図3(a)は、同ロータにブラシ体を装着した例を示すロータの断面図、(b)は、同ブラシ体の斜視図である。
【0021】
図1〜3において、本実施例におけるロータ1は、中空状で材厚が0.8〜2.5mmの中空基部2と、前記中空基部2の外周部の全周を覆うように、しかも一体に形成されると共に、材厚が0.5〜2.0mmで、後述のブラシ体5、6を保持するブラシ体保持部3a、3bとから構成されている。ロータ1は、ABSや、PSなどの樹脂材料で螺旋状に形成され、さらに、ブラシ体保持部3a、3bの最大回転外径を20mm以下になるようにしている。
【0022】
ロータ1を螺旋状に形成する方法として、樹脂を連続的に所定の捩り角度で捩りながら押し出して成形する押し出し成形がある。この方法によれば、生産性に優れ、しかも、金型、設備、製品において、安価に製作することが出来る。ロータ1を螺旋状に形成する他の方法として、インジェクション(射出)成形も可能であるが、金型コスト、製品コストが高く、また、螺旋形状の離型など難易度が高いことは歪めない。
【0023】
ブラシ体5、6のそれぞれは、略帯状で、シリコンゴム、ナイロン、塩ビなどからなるブラシ基部5a、6aと、外径が0.1mm程度の密集した繊維や、外径が0.5mm以上の樹脂などから形成された多数の細棒などでブラシ状に構成され、ブラシ基部5a、6aに接着、溶着などの方法で固着されるブラシ部材5b、6bから構成されている。
【0024】
ブラシ体保持部3a、3bは、ロータ1の外周の半径方向に交互に配され、ブラシ体保持部3aは、ブラシ体5のブラシ基部5aを保持する基部支持部3cを備え、その基部支持部3cの下方、すなわちブラシ体保持部3aの底面部には、空間部3eが形成されている。
【0025】
一方ブラシ体保持部3bは、ブラシ体6のブラシ基部6aを保持する基部支持部3dを備え、さらに基部支持部3dを、基部支持部3cよりロータ1の半径方向で内方に位置させるようにして、ロータ1の半径方向で、基部支持部3dの位置と基部支持部3cとの位置をずらしている。
【0026】
本実施例では、ロータ1のブラシ体保持部3a、3bにブラシ体5、6をそれぞれ装着し、ロータ1を回転させたときに、ブラシ体5、6のブラシ部材5b、6bそれぞれの先端での回転半径が略同一になるように、ブラシ部材5b、6bの突出長さL1、L2を設定している。
【0027】
以上のように、本実施例におけるロータ1は、樹脂で捩り押し出し成形で形成され、中空基部2の材厚を0.8〜2.5mm、ブラシ体保持部3a、3bの材厚を0.5〜2.0mmとし、さらにブラシ体保持部3a、3bの最大回転外径を20mm以下としたことにより、軽量化ができ、それにより動バランスが良くなり、騒音、振動が低減し、且つ、中空基部2の外周にブラシ体保持部3a、3bが一体に形成されているので、中空基部2の材厚が0.8〜2.5mm程度であっても、ロータ1の強度を十分確保することができる。
【0028】
また、ブラシ体保持部3a、3bを中空基部2の外周部の略全周を覆うように形成したことにより、ブラシ体保持部3a、3bが中空基部2の強度を補強して、ロータ1の強度が、より一層増す。また、保持できるブラシ体5、6の数が多くなるので、清掃性能、清掃効率がアップする。
【0029】
また、ブラシ体保持部3aの底面部に空間部3eを形成したことにより、ブラシ体保持部3aで保持されたブラシ体5のブラシ基部5aの背面にその空間部3eが位置し、清掃時にブラシ体5に外力が加わった時に、トランポリンのネットの如く、ブラシ体5のブラシ基部5aが空間部3e側に撓んで衝撃を吸収すると共に、その撓みが戻るときの反力で、塵埃を効率よく掻き出すことができる。また、外力による衝撃を吸収することで回転抵抗を軽減し、ロータ1を回転駆動するモータ(図示せず)などに大きな負荷が加わるのを防止できる。
【0030】
また、ロータ1の半径方向で、基部支持部3dの位置と基部支持部3cとの位置をずらしているので、基部支持部3cと基部支持部3dのそれぞれに装着されるブラシ体5、6のブラシ基部5a、6aの幅寸法を十分確保することが出来る。
【0031】
本実施例では、ブラシ体5、6のブラシ基部5a、6aをシリコンゴム、ナイロン、塩ビなどで形成したが、繊維(縦糸、横糸)で織って布状とし、その繊維間にブラシ部材5b、6bを織り込んで形成しても良い。
【0032】
図4は、ロータ1の他の断面形状の例を示すもので、ブラシ体保持部3aとブラシ体保持部3bとの間に隙間7を、すなわちロータ1の外周部の一部にブラシ体保持部3a、ブラシ体保持部3bで覆われていない部分を設けたものである。ロータ1を掃除機用吸込具などの機器に取り付ける場合、ロータ1の左右の端部に、機器側に設けた軸受等で回転自在に支持される端板(図示せず)を固着する必要があるが、その端板をロータ1の端部に固着する際、通常は、ブラシ体保持部3a、3bが嵌合する嵌合部(図示せず)を端板側に設け、ブラシ体保持部3a、3bをその嵌合部に嵌合させて両者の回り止めを行うが、そうすると、嵌合代の分だけ、ブラシ体5、6のブラシ部材5b、6bを短く、すなわち清掃幅を短くする必要がある。これに対し、上記のように、ブラシ体保持部3aとブラシ体保持部3bとの間に隙間7を設け、その隙間7に嵌合する突起(図示せず)を端板側に設けて、ロータ1の端部と端板との回り止めを行うようにすれば、ブラシ部材5b、6bを短くする必要が無くなり、その結果ブラシ体5,6の清掃幅も損なうことも無い。
【0033】
また、捩り押し出し成形による残留応力が、ブラシ体保持部3a、3bを歪ませてブラシ体保持部3a、3bが変形する場合があるが、隣り合うブラシ体保持部3a、3b間が前記隙間7で寸断される事により、応力が緩和され、ブラシ体保持部3a、3bの断面形状を安定させることも出来る。
【0034】
(実施例2)
図5(a)は、本発明の第2の実施例における回転ロータの斜視図、図5(b)は、同回転ロータの断面図である。尚上記第1の実施例におけるロータ、ブラシ体と同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0035】
図5において、本実施例における回転ロータ10は、上記第1の実施例におけるロータ1と、ロータ1のブラシ体保持部3a、3bで保持されたブラシ体5、6と、ロータ1の左右それぞれの端部に嵌合固着されると共に、掃除機用吸込具(図示せず)などの機器に回転自在に取着される軸部11a、12aをそれぞれ有する端板A11と、端板B12とから構成されている。端板B12の外周には、図5に示すように、機器に内蔵された電動機などの駆動手段(図示せず)で駆動されるタイミングベルト(図示せず)を張架するためのギア12bが形成されている。
【0036】
また、本実施例では、端板A11、端板B12のいずれも樹脂で形成している。ここで、ブラシ体5、6も樹脂で形成するようにすれば、回転ロータ10が全て、樹脂で形成されることになり、回転ロータ10の廃棄の際、材料分別が全く不要になり、処理が容易になる。
【0037】
図6は、ロータ1と端板A11、端板B12の固定方法の例を示すもので、図6(a)は、少なくともロータ1の端部、端板A11(又は及び端板B12)のいずれかに一方に接着剤を塗布した上で、ロータ1の端部に端板A11(又は及び端板B12)を圧入して固定するようにしたものである。尚、接着剤を用いる代わりに、ロータ1の端部に端板A11(又は及び端板B12)を圧入した後、超音波を加えて溶着するようにしても良い。
【0038】
また、図6(b)に示すように、端板A11(又は及び端板B12)の内壁に爪13を設け、その爪13が嵌合する孔14をロータ1に設け、端板A11(又は及び端板B12)の爪13をロータ1の孔14に嵌合させることにより、端板A11(又は及び端板B12)をロータ1に固定するようにしても良い。この場合、例えば、ロータ1をABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)樹脂で、端板A11(又は及び端板B12)をPOM(ポリアセタール)樹脂で形成しても、両者は、爪13と孔14とで嵌合しているだけなので、簡単に分離でき、廃棄の際の材料の分別が容易になるものである。
【0039】
また、図6(c)、(d)に示すように、端板A11(又は及び端板B12)の一部に、孔15または切り欠き16を設け、端板A11(又は及び端板B12)を、ロータ1に外嵌合した後、孔15、切り欠き16より接着剤を流し込むようにしても良い。
【0040】
或いは、図6(e)に示すように、端板A11(又は及び端板B12)を、ブラシ体保持部3aに外嵌合させた後、接着剤等で固定するようにしても良い。特に、この方法によれば、ブラシ体保持部3aの端部が撓みやすいので、端板A11(又は及び端板B12)とブラシ体保持部3aとの嵌合が容易になり、接着、組み立ても容易に行うことができる。
【0041】
尚、上記固定方法はあくまで例であり、本発明は、上記固定方法に限定するものでは無い。
以上のように、本実施例によれば、ロータ1が軽量で、動バランスに優れているので、低騒音、低振動の回転ロータ10を提供することが出来る。
【0042】
尚、ロータ1の中空基部2内に、図7(a)に示すような金属製でパイプ状、又は図7(b)に示すような断面略十字状の矯正材35を挿入するようにすれば、中空基部2の軸心が得やすくなるという効果を得ることができる。
【0043】
図8は、図7(a)に示した金属製パイプ状の矯正材35を、ロータ1の中空基部2内に挿入した状態の部分断面図であるが、このような構成とすることで矯正材35の外径部を、機器側に設けた軸受部(図示せず)で回転自在に軸支することができる。この方法によれば、端板A11、端板B12の部品が不要になるので、回転ロータ10を安価に構成することが出来る。
【0044】
(実施例3)
図9は、本発明の第3の実施例における掃除機用吸込具の斜視図と、裏面図である。なお、上記第2の実施例における回転ロータと同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0045】
図9において、本実施例における掃除機用吸込具19の本体19a内には、回転ロータ10と、電動機20と、電動機20の回転軸(図示せず)と回転ロータ10の端板B12のギア12b間に張架されるタイミングベルト21が配され、本体19aの後方中央部には、上下、左右回動自在で、電気掃除機(図示せず)に接続された延長管(図示せず)に着脱自在に接続される接続管22が設けられ、本体19aの底面19bの前後に、一対ずつ走行用の車輪23が設けられ、同底面19bの前部には、回転ロータ10のブラシ体5、6が臨むと共に、塵埃を吸引する吸引口24が形成されている。
【0046】
以上のように構成された本実施例における掃除機用吸込具19の動作は、以下の通りである。
掃除機用吸込具19を、接続管22を介して、電気掃除機の延長管に接続し、同電気掃除機を運転しながら、掃除機用吸込具19を床面上で移動させると、床面上の塵埃が、回転ロータ10のブラシ体5、6で掻き取られ、空気と共に、吸引口24から吸引され、接続管22、延長管、ホース(図示せず)を通って、電気掃除機の集塵部(図示せず)で捕捉される。
【0047】
以上のように、本実施例によれば、回転ロータ10が軽量で、動バランスに優れているので、低騒音、低振動で、しかも、清掃効率の良い掃除機用吸込具19を提供することができる。
また、低騒音、低振動で、しかも、清掃効率の良い掃除機用吸込具19を、電気掃除機に接続すれば、同じく低騒音、低振動の電気掃除機を提供することが出来る。
【0048】
(実施例4)
図10は、本発明の第4の実施例における空気調和機の要部斜視図及び部分断面図である。なお、上記実施例と同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0049】
図10において、本実施例における空気調和機は、室内熱交換器(図示せず)と、同室内熱交換器の上流側に配され、前記室内熱交換器を通過する空気に含まれる塵埃を捕捉すると共に、枠体27aと、枠体27aに一体に張り付けられたネットフィルタ27bから構成されたエアーフィルタ27と、図示しない駆動手段Aで、エアーフィルタ27の上流側表面に沿って移動可能に設けられた塵埃除去装置28と、可撓性に優れたダクト29を介して塵埃除去装置28に接続された吸引装置30を備えている。
【0050】
塵埃除去装置28は、図示しない駆動手段Bで回転駆動される回転ロータ10を内蔵すると共に、エアーフィルタ27と対向する面には、回転ロータ10のブラシ体5、6が臨むと共に吸引装置30と連通する開口部28aが設けられている。なお、エアーフィルタ27と回転ロータ10の位置関係は、図10(b)に示すように、開口部28aを通して、回転ロータ10のブラシ体5、6がエアーフィルタ27の上流側表面に摺接できるようになっている。
【0051】
以上のように構成された本実施例における空気調和機の動作は、以下の通りである。
エアーフィルタ27に付着した塵埃を除去するときは、吸引装置30を運転しながら、駆動手段A及び駆動手段Bを駆動すると、塵埃除去装置28が、エアーフィルタ27の一端、図10に示す例では左端、から他端(右端)に向かって移動開始すると同時に、回転ロータ10が回転し、ブラシ体5、6が、エアーフィルタ27の表面に付着した塵埃を掻き取り、その掻き取られた塵埃は、開口部28aから吸引され、ダクト29を経て吸引装置30に送られ、外部に排出されるようになっている。
【0052】
以上のように、本実施例によれば、回転ロータ10が軽量で、動バランスに優れているので、エアーフィルタ清掃用の回転ロータ10を有する清掃ユニット(図示せず)の軽量化、低騒音化、低振動化が図られ、空気調和機の軽量化、低騒音化、低振動化にもつながる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
以上のように、本発明にかかるロータは、軽量で、動バランスに優れ、低騒音、低振動なので、各種回転ロータ、掃除機用吸込具、電気掃除機及び空気調和機などに広く利用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の第1の実施例におけるロータの斜視図
【図2】同ロータの断面図
【図3】(a)同ロータにブラシ体を装着した例を示すロータの断面図、(b)同ブラシ体の斜視図
【図4】同ロータの他の断面形状の例を示す図
【図5】(a)本発明の第2の実施例における回転ロータの斜視図、(b)同回転ロータの断面図
【図6】(a)〜(e)同回転ロータにおけるロータと端板の固定方法の例を示す図
【図7】同回転ロータのロータに挿入される矯正材の例を示す図
【図8】同回転ロータのロータに矯正材を挿入した状態を示す部分断面図
【図9】(a)本発明の第3の実施例における掃除機用吸込具の斜視図、(b)同掃除機用吸込具の裏面図
【図10】(a)本発明の第4の実施例における空気調和機の要部斜視図、(b)図10(a)のA−A断面図
【符号の説明】
【0055】
1 ロータ
2 中空基部
3a、3b ブラシ体保持部
5、6 ブラシ体
10 回転ロータ
19 掃除機用吸込具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器に回転自在に取着されるロータであって、中空基部と、前記中空基部の外周部に一体に形成されると共にブラシ体を保持するブラシ体保持部とからなり、前記ロータは、樹脂で螺旋状に形成され、前記中空基部の材厚を0.8〜2.5mm、前記ブラシ体保持部の材厚を0.5〜2.0mmとし、前記ブラシ体保持部の最大回転外径を20mm以下としたことを特徴とするロータ。
【請求項2】
ブラシ体保持部を、中空基部の外周部の略全周を覆うように形成したことを特徴とする請求項1に記載のロータ。
【請求項3】
少なくとも一つのブラシ体保持部の底面部に空間部を形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のロータ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のロータを備えた回転ロータ。
【請求項5】
請求項4に記載の回転ロータを回転自在に備えた掃除機用吸込具。
【請求項6】
請求項5に記載の掃除機用吸込具を備えた電気掃除機。
【請求項7】
室内熱交換器と、前記室内熱交換器の上流側に配され、前記室内熱交換器を通過する空気に含まれる塵埃を捕捉するエアーフィルタと、請求項4に記載の回転ロータとを備え、前記回転ロータで、前記エアーフィルタに付着した塵埃を除去することを特徴とする空気調和機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−153871(P2009−153871A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−337764(P2007−337764)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(391044797)株式会社コーワ (283)
【Fターム(参考)】