説明

ロータリートラップ式節水トイレ

【課題】雨水ならびに生活排水の再利用と自然落下エネルギーを利用したロータリートラップ式節水トイレの提供を図る。
【解決手段】便器ボウルと連結フランジと回転式分岐管と汚物排水ケース管と回転装置とで構成されるロータリートラップ式節水トイレの回転式分岐管を回転装置によって機械的に回動する手段と、洗浄水の供給方式を分割式ならびに分離式の貯留タンク方式とする手段を採る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雨水ならびに生活排水の再利用と自然落下エネルギーを利用した機械式排出機構を有する節水トイレに関する。
【背景技術】
【0002】
東京都の一般家庭水使用目的調査によると、家庭での水道水の使用量は、トイレ28%、風呂24%、炊事23%、洗濯16%、洗顔・その他9%となっていて、トイレに使われる使用量が意外にも多いことや、水資源の有効利用や二酸化炭素排出量規制等の世論的な気運と相俟って、近年おいては節水型トイレの需要が一段と高まってきている。
【0003】
そしてその節水トイレの普及率の実態は、洗浄水を便器上方周縁のリム吐水口から吐出落下させて汚物を排出する洗い落とし式に始まり、その後、サイホンの吸引現象を利用したサイホン式水洗トイレが登場することで、汚物が水中にすぐに沈み込み下水管の汚物臭が発生しにくいことや、経済成長に伴う住宅居住スペースの拡大と、日本人の体格の向上による大型洋式水洗トイレの需要が増したことからその普及率は年々増加している。
【0004】
一方、高層マンションや高層ビルオフィスで使われる節水トイレは、汚物の排出方向が鉛直の下水排水管に連結される横向きの汚物排水管の要求がなされてきたことから、貯留ボウルの排出口近くのゼット孔からの水勢を利用し、より強力なサイホン現象を発生させて汚物を排出することができる水道管直結式のフラッシュバルブを使ったサイホンゼット式トイレや、そのゼット孔からさらに強力なシーケンシャルバルブやダイレクトバルブなどの電磁噴出バルブの水勢を利用したボルテックスゼット孔タイプの節水トイレが開発され、溜水面が広く汚れが付着しにくく、さらにシンプルでタンクレスである上、連続使用が可能など、デザインと使い勝手が格段に良くなって来ていることから、最近ではその需要を急速に伸ばしている。
【0005】
さらに、水資源の有効利用や二酸化炭素排出量規制等の世論的な気運による節水効果と、便器デザインやトイレ室の空間利用の多様化に伴うタンクレス化の要求が高まってきた昨今では、リム吐出口から大量の洗浄水を勢いよく渦巻き状に噴出する渦巻き流(トルネード)洗浄方式や、リム吐出口とゼット孔から吐出される洗浄水を3:7の割合で分流させて電気的に噴出するハイブリット制御洗浄方式や、臭気防止用トラップ筒を機械的に上下動させるターントラップ洗浄方式(特許文献1,2参照)等の高性能の節水トイレが開発され、現在では、当初の洗い落とし方式の洗浄水の使用量と比較して三分の一以上の節水効果を達成している。
【0006】
しかしながら、更なる洗浄水の節水ならびに水道料金の節約を実現するには、機械式排出機構を有する節水方式が最も有効と考えられるが、現在の機械式排出機構を有するターントラップ式の節水トイレにおいては、下記の示す問題点の解決が指摘されるものである。
(1)トラップ筒が蛇腹状であるため、蛇腹の凹凸部に汚物が大量に付着した場合、トラ ップ筒の可変構造に機械的なトラブルが発生しやすい。
(2)トラップ筒の回動機構に汚物が付着しやすい構造であることから、回動金具の腐食 や故障が懸念され、その他の方式と比較して定期的なメンテナンス作業を必要とす る。
(3)使用されるトラップ筒の材質に、耐久性、耐触性、柔軟性が求められるため、その 性能を有する特殊材料の確保ならびに材料コスト高が懸念される。
(4)汚物やトイレットペーパーなどがトラップ筒収納室の内壁とトラップ筒の下流側開 口の一端部に挟まる可能性がある。
(5)便器ボウルの排水経路が床面に対して暖勾配配管状でなかったり、また全体的に排 水経路が長いことから洗浄水の貯留量が多い上、汚物の処理効率が良くない。
(6)トラップ筒収納室が、単に手洗い水の排水処理容器として使われているに過ぎず、 手洗い排水の有効利用がなされていない。
【0007】
以上のようなターントラップ式節水トイレの実情を踏まえ、現状のターントラップ式節水トイレの構造は、蛇腹状に形成されたトラップ筒を機械的に上下方向に可変する構造を有して節水効果を図っているが、本発明者は、更なる節水効果を上げる手段として直線状の回転式分岐管を回転装置で回動させる構造とし、また、スライド機構と付勢手段で常に連結フランジと回転式分岐管と汚物排水ケース管の凹凸溝または螺子部で形成される回転伝達機構の谷と山部を一方向に幾重に密封当接させることによって洗浄水の漏れと下水配管臭を遮断する構造を採用し、さらに洗浄水の供給方式を分割式ならびに分離式の貯留タンク方式として、雨水や生活排水を使用することで水道料金の節約効果が得られる三重の効果が得られる点に着目し、本発明におけるロータリートラップ式節水トイレの提案に至るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005-155146号公報
【特許文献2】特開2008-291612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑み、従来の機械式排出機構を有するターントラップ式の節水トイレの改善点を克服し、洗浄水の節水ならびに水道料金の節約を実現するにあたって、機械的排出機構を有する水洗トイレの直線状の回転式分岐管(先行技術のターントラップ筒に相当)を円周上に回動することによって機械的な可動構造を簡素化し、さらに凹凸溝または螺子部で形成される回転伝達機構の密封手段を図る共に、貯留タンクから回転式分岐管の汚物排水口までの排水経路を可能な限り短縮することで洗浄水の貯水量を低減し、さらに留水タンク方式を採用することで、雨水や生活排水の再利用を図り、水道水をなるべく使用しない方法を採ることで水道料金の節約を図るもので、また、分割式と分離式の留水タンクを設けることで連続使用を可能とし、一般住宅は元より高い水圧が得られない高層マンションや高層ビルトイレでも使用できる機械的排出機構を有するロータリートラップ式節水トイレの提供を図る。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記目的を達成するために、ロータリートラップ式節水トイレの回転式分岐管を機械的に回動する手段と、洗浄水の供給方式を分割式ならびに分離式の貯留タンク方式とする手段を採るもので、詳しくは、
便器ボウルと、連結フランジと、回転式分岐管と、汚物排水ケース管と、回転装置と、で構成されるロータリートラップ式節水トイレであって、便器ボウルは、底部後方にフランジ部を有するボウル排水管を設けて成り、連結フランジは、内周部に回転式分岐管に連結する回転伝達機構を設けて成り、回転式分岐管は、外筒部の上流端部と中央部付近に連結フランジならびに汚物排水ケース管に連結する回転伝達機構を設け、さらに延設される段差筒部には、汚物排水口を上向きに開口して設けると共に、該汚物排水口と形状を同じくする汚物排水口を囲む突起部を設けた防水キャップを位置決めして挿着し、さらに下流端部には延設係止体のガイド突起穴に挿入するガイド突起を設け、延設係止体の外筒部には回転伝達機構を設け、上流端中心部にはガイド突起穴を設け、下流端中心部にはスライド機構と付勢手段を備えて、防水キャップを挟持状態にして装着して成り、汚物排水ケース管は、下向きに開口する汚物排水口を挟んで回転式分岐管と延設係止体に連結する回転伝達機構を設け、さらに下流端部には回転装置を連通させる軸受け穴部と回転装置積載台を設けて二分割されて成り、回転装置は、スライド回転軸の先端部にスライド機構と付勢手段とを有して延設係止体のスライド機構穴に係合して成り、便器ボウルと、連結フランジと、回転式分岐管と、汚物排水ケース管と、回転装置とを連結することで、スライド機構と付勢手段によって回転式分岐管と連結フランジと汚物排水ケース管の回転伝達機構を付勢させて密封当接させた状態を維持しながら、回転式分岐管が回転装置によって円周方向に回動することで、洗浄水ならびに汚物が便器ボウルから床下汚物排水管を通過して下水配水管に排出される手段を採る。
【0011】
また本発明は、汚物排水管に連結される壁側汚物排水管が、下流方向の後方側面横向きに開口し、鉛直する下水配水管に連結される手段を採る。
【0012】
また本発明は、ボウル排水管と連結フランジと回転式分岐管と汚物排水ケース管と回転装置とが上流方向から下流方向にかけて傾斜角を有して暖勾配配管状に設置する手段を採る。
【0013】
また本発明は、便器本体内に設けられた分割式貯留タンクと便器本体外に設けられた分離式貯留タンクとを連結管で連結して一体化し、最上位に位置する貯留タンク内の洗浄水の水位をフロートスイッチで管理し、洗浄水を最下位に位置する貯留タンクから汲み上げポンプによって便器ボウルのリム吐出口から吐出する手段を採る。
【0014】
また本発明は、貯留タンクに手洗い排水管または雨水配水管または汲み上げ配水管または洗濯機濯ぎ排水管の何れかまたは組み合わせてそれらを屋外貯留タンクに一旦集約し、汲み上げポンプで最上位の貯留タンクに供給する手段を採る。
【0015】
また本発明は、水道管直結電磁開閉バルブから直接連結される分離式貯留タンクが、取り外しならびに持ち運び可能な緊急非常用の貯留タンクである手段を採る。
【発明の効果】
【0016】
本発明のロータリートラップ式節水トイレによれば、直線状の回転式分岐管を回転装置で回動させ、さらにスライド機構と付勢手段で常に連結フランジと排水分岐管と汚物排水ケース管の凹凸溝または螺子部で形成される回転伝達機構の谷と山部を一方向に幾重にも密封当接させる構造により、洗浄水の漏れ防止と下水配管臭を完全に遮断することができる優れた効果を奏する。
【0017】
また、本発明のロータリートラップ式節水トイレによれば、機械的排出機構を有する回転式分岐管を回転装置によって円周方向に回動する手段を採ることで、回動機構を構成する部品と汚物や洗浄水とを完全に分離することができることから、機械的故障や汚物のつまりや下水の臭気漏れがない優れた効果を奏する。
【0018】
また、本発明のロータリートラップ式節水トイレによれば、ボウル排水管と連結フランジと回転式分岐管と汚物排水ケース管の排水経路が、従来のU字管方式やターントラップ方式と比べて短いため、排水経路内に貯留される洗浄水の量が絶対的に少ないことから既に節水効果を上げている現状から更なる節水効果が図れる優れた効果を奏する。
【0019】
また、本発明のロータリートラップ式節水トイレによれば、汚物排水ケース管の床下汚物排水管が、床面下方向に開放していることによって、一戸建て住宅に適した節水トイレとすることができることや、壁側汚物排水管が、後方側面壁方向に開口していることによって、高層マンションや高層ビルトイレに適した節水トイレとすることができる優れた効果を奏する。
【0020】
また、本発明のロータリートラップ式節水トイレによれば、ボウル排水管と連結フランジと回転式分岐管と汚物排水ケース管とが、上流方向から下流方向にかけて傾斜角を有して暖勾配配管状に設置することによって、洗浄水と汚物を自然落下エネルギーを利用して加速度的に排出することができ、特に災害時ならびに停電時においては、手回しハンドル(図3参照)と少ない置水でトイレの使用ができる優れた効果を奏する。
【0021】
また、本発明のロータリートラップ式節水トイレによれば、便器本体内に分割された貯留タンクと、便器本体外に分離された貯留タンクとを設け、それらを回転伝達機構で連結することによって一体化し、便器本体のコンパクト化、デザイン化、大容量化が一挙に図られることで、トイレの連続使用を可能とし、またトイレ室のデッドスペースの有効利用が図られる優れた効果を奏する。
【0022】
また、本発明のロータリートラップ式節水トイレによれば、汲み上げポンプによって洗浄水を貯留タンクから供給するため、便器ボウルのリム吐出口より渦巻き水流が噴出することによって、便器ボウルの内壁面の清掃が人手を煩わすことなく自動的にできると共に、従来のフロート弁の作動によるタンク音やゼット孔から噴出させるフラッシュバルブの衝撃作動音を解消することができる優れた効果を奏する。
【0023】
また、本発明のロータリートラップ式節水トイレによれば、貯留タンクに手洗い排水管、雨水配水管、汲み上げ配水管、洗濯機濯ぎ排水管の何れかまたは組み合わせてそれらを屋外貯留タンクに一旦集約し、汲み上げポンプで最上位の貯留タンクに供給することによって、水資源の有効利用や二酸化炭素排出量の削減が図られ、水道管直結式の給水を最小限に留めることで水道料金の節約が図れる優れた効果を奏する。
【0024】
また、本発明のロータリートラップ式節水トイレによれば、手洗い排水管、雨水配水管、汲み上げ配水管、または洗濯機濯ぎ排水管を一つの室外貯留タンクに一旦集約して連結することによって、一戸建て住宅では屋外に、高層マンション住宅ではベランダなどに設置することにより、消費者の住宅事情に合わせた節水型トイレの提供ができ、家庭で使用される水道水の60%前後がトイレ用の洗浄水として使用することができる優れた効果を奏する。
【0025】
また、本発明のロータリートラップ式節水トイレによれば、水道管直結電磁開閉バルブから直接連結される分離式貯留タンクが、取り外しならびに持ち運び可能な緊急非常用の貯留タンクとすることで、日常的にはトイレの洗浄水として使用し、緊急非常事態時は、取り外して持ち運び可能な緊急非常用の貯留タンクとして利用できる優れた効果を奏する。
【0026】
また、本発明のロータリートラップ式節水トイレによれば、例えば、標準的な一般家庭の1ヶ月の水道使用料金を8600円と想定すると、トイレに流用することができる風呂や洗濯に使用される水道料金は、2500〜3000円程度になると試算され、その節約効果は家計光熱費の大きな助けとなる優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明のロータリートラップ式節水トイレの主要構造を示す斜視図である。(実施例1)
【図2】本発明のロータリートラップ式節水トイレの主要構造を示す断面説明図である。(実施例2)
【図3】本発明のロータリートラップ式節水トイレの請求項1記載の実施形態を示す説明図である。(実施例3)
【図4】本発明のロータリートラップ式節水トイレの請求項2記載の実施形態を示す説明図である。(実施例4)
【図5】本発明のロータリートラップ式節水トイレの請求項3記載の実施形態を示す説明図である。(実施例5)
【図6】本発明のロータリートラップ式節水トイレの請求項4記載の実施形態を示す説明図である。(実施例6)
【図7】本発明のロータリートラップ式節水トイレの請求項5記載の実施形態を示す説明図である。(実施例7)
【図8】本発明のロータリートラップ式節水トイレの請求項6記載の実施形態を示す説明図である。(実施例8)
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、便器ボウルと連結フランジと回転式分岐管と汚物排水ケース管と回転装置とで構成されるロータリートラップ式節水トイレの回転式分岐管を回転装置によって機械的に回動にする手段と、洗浄水の供給方式を分割式ならびに分離式の貯留タンク方式とする手段を採ったことを最大の特徴とするもので、以下、実施例を図面を基に説明する。
【0029】
尚、本実施例で示す回転装置11、スライド機構12、付勢手段15、回転伝達機構24,31,37,46,に関する構造は、下記に述べる実施例に特に限定されるものでなく、本発明の主旨に逸脱しない範囲で任意に変更することができる。
【実施例1】
【0030】
図1は、本発明のロータリートラップ式節水トイレの主要構造を示す斜視図である。
便器ボウル40は、底部後方にフランジ部42を有するボウル排水管41を下向きに傾斜させて設け、連結フランジ45に連結される。
【0031】
連結フランジ45は、ボウル排水管41と回転式分岐管20に連結するためのフランジ部47を設け、下流方向の内周部には回転式分岐管20に連結する凹凸溝または螺子部を形成する回転伝達機構46を設けて形成されている。
【0032】
回転式分岐管20は、外筒部の上流側部と中央部付近には連結フランジ45ならびに汚物排水ケース管30に連結する凹凸溝または螺子部を形成する回転伝達機構24を設け、さらに延設される段差筒部25には、汚物排水口23を上向きに開口して設けると共に、該汚物排水口23と形状を同じくする汚物排水口28を囲む突起部27を設けた防水キャップ26を位置決めして挿着し、さらに下流端部には延設係止体35のガイド突起穴36に挿入するガイド突起22を設け、外筒部には回転伝達機構37を設け、後方端部にはスライド機構12と付勢手段15を中心軸外側に突設して備える延設係止体35で防水キャップ26を挟持状態にして装着して成る構造を有する。トイレ使用時は、回転装置11によって回動され、回転式分岐管20の汚物排出穴23が下向きになった時点で洗浄水Sと汚物Gが排出され、上向きになった時点で洗浄水Sが貯留される。また設置状態は、水平状態よりやや暖勾配配管状とすることにより自然落下エネルギーを利用した排水効率が図られ、さらに、排水経路の距離を短くすることにより更なる洗浄水Sの節水効果が図れる構造である
【0033】
延設係止体35は、外筒部に凹凸溝または螺子部を形成する回転伝達機構37を設けると共に、上流端中心部にガイド突起穴36を設け、中心軸外側にスライド機構穴39を突設し、回転装置11のスライド機構12と付勢手段15に係合される構造を有する。
【0034】
回転装置11は、正回転、反回転する電気駆動モーターで、角状のスライド回転軸13の先端部のスライド機構12と付勢手段15を介して延設係止体35の中心軸外側に突設されるスライド機構穴39に係合され、スライド機構12と付勢手段15によって回転式分岐管20の凹凸溝または螺子部で形成される回転伝達機構24を連結フランジ45と汚物排水ケース管30の凹凸溝または螺子部で形成される回転伝達機構46,31に付勢させて密封当接状態を維持しながら、回転式分岐管20が回転装置11によって下向き方向(半回転)に回動することで、洗浄水Sならびに汚物Gが汚物排水ケース管30の汚物排水管38から排出する構造を有する。
【0035】
また、回転装置11は、回転式分岐管20を下向き方向(半回転)に回動させる電気的手段であるが、コスト削減や停電時の臨時的な処置手段として、リンク機構、ラック&ピニオン機構を利用した足踏み式の回動装置としたり、手動用の手回しハンドル14を取り付けることもできる。
【0036】
防水キャップ26は、耐摩耗性の高い合成樹脂製で成型されるもので、回転式分岐管20の汚物排水口23と形状を同じくする汚物排水口28を囲む突起部27を設けて回転式分岐管20の段差筒部25に位置決めして挿着される。
【0037】
汚物排水ケース管30は、下向きに開口する汚物排水口32を挟んで回転式分岐管20と延設係止体35に連結する凹凸溝または螺子部を形成する回転伝達機構31を設け、さらに下流端後方には回転装置11を連通させる軸受け穴部33と回転装置積載台34を設けて二分割されて成る構造を有する。
【0038】
回転伝達機構24,31,37,46は、凹凸溝または螺子部で形成されるもので、その他構造として凹凸溝に複数の防水ベアリングやOリング、シールリング等の回転・防水部品を装着する場合は、連結フランジ45を縦割りにして二分割し、最終組み立て時に締め付け金具で締結して構成することもできる。また、連結フランジ45と回転式分岐管20を塩ビ管などの樹脂管を用いた丸みのある凹凸溝または螺子部を形成する回転伝達機構とした場合、夫々を強圧入で差し込むことによって、密封ならびに回動可能に係合する構造とすることができる。さらに、付勢手段15によって、谷と山部を一方向に幾重にも密封当接する構造により、洗浄水Sの漏れ防止と下水配管臭を完全に遮断することができる構造を有する。尚、回転伝達機構が、凹凸溝または螺子部以外の構成で形成される場合は、付勢手段15による谷と山部を一方向に幾重にも密封当接する構造は不要となる。
【実施例2】
【0039】
図2は、本発明のロータリートラップ式節水トイレの主要構造を示す断面説明図である。
図(a)は拡大断面図を示し、(b)図はA-A線拡大断面図を示す。
汚物排水ケース管30内で回動する回転式分岐管20は、外筒部の上流側部と中央部付近には連結フランジ45ならびに汚物排水ケース管30に連結する凹凸溝または螺子部を形成する回転伝達機構24を設け、さらに延設される段差筒部25には、汚物排水口23を上向きに開口して設けると共に、該汚物排水口23と形状を同じくする汚物排水口28を囲む突起部27を設けた防水キャップ26を位置決めして挿着し、該防水キャップ26を延設係止体35で挟持状態にして装着し、さらに下流端部には延設係止体35のガイド突起穴36に挿入するガイド突起22を設けて成る構造を有する。
【0040】
回転式分岐管20を回動させる回転装置11は、汚物排水ケース管30の下流端後方に取り付けられ、軸受け穴部33を連通し、スライド回転軸13の先端部をスライド機構12と付勢手段15とを介して延設係止体35のスライド機構穴39に係合している。回転式分岐管20と連結フランジ45を回動可能に係合する手段が凹凸溝の場合は、一方向に回動する回動方向を有し、螺子部の場合は、下向き方向(半回転)に回動した後、再び逆回転して元の位置に戻る回動方向を有する。
【0041】
スライド機構12は、回転装置11のスライド回転軸13の先端部の形状が角状を形成して成り、延設係止体35の下流側後方に突設されるスライド機構穴39のやや大きめの角穴に挿入することでスライド動作と回動動作を同時に可能にする構造を採っている。
【0042】
付勢手段15は、回転装置11のスライド回転軸13の先端部にコイルバネを嵌め込んで常に連結フランジ45と回転式分岐管20と汚物排水ケース管30の凹凸溝または螺子部で形成される回転伝達機構24、31、37、46の幾重の谷と山部を一方向に密封当接させた状態を維持することによって、洗浄水Sの漏れと下水配管臭を遮断することができる構造としている。
【0043】
汚物排水ケース管30は、下向きに開口する汚物排水口32を挟んで回転式分岐管20と延設係止体35に連結する凹凸溝または螺子部を形成する回転伝達機構31を設け、さらに下流端後方には回転装置11を連通させる軸受け穴部33と回転装置積載台34を設けて二分割される構造を有する。
【実施例3】
【0044】
図3は、本発明のロータリートラップ式節水トイレの請求項1記載の実施形態を示す説明図である。
便器ボウル40と、連結フランジと45、回転式分岐管20と、汚物排水ケース管30 と、回転装置11と、で構成されるロータリートラップ式節水トイレであって、便器ボ ウル40は、底部後方にフランジ部42を有するボウル排水管41を設けて成り、連結 フランジ45は、内周部に回転式分岐管20に連結する回転伝達機構46を設けて成り 、回転式分岐管20は、外筒部の上流端部と中央部付近に連結フランジ45ならびに汚 物排水ケース管30に連結する回転伝達機構24を設け、さらに延設される段差筒部2 5には、汚物排水口23を上向きに開口して設けると共に、該汚物排水口23と形状を 同じくする汚物排水口28を囲む突起部27を設けた防水キャップ26を位置決めして 挿着し、さらに下流端部には延設係止体35のガイド突起穴36に挿入するガイド突起 22を設け、延設係止体35の外筒部には回転伝達機構37を設け、上流端中心部には ガイド突起穴36を設け、下流端中心部にはスライド機構12と付勢手段15を備えて 、防水キャップ26を挟持状態にして装着して成り、汚物排水ケース管30は、下向き に開口する汚物排水口32を挟んで回転式分岐管20と延設係止体35に連結する回転 伝達機構31を設け、さらに下流端部には回転装置11を連通させる軸受け穴部33と 回転装置積載台34を設けて二分割されて成り、回転装置11は、スライド回転軸13 の先端部にスライド機構12と付勢手段15とを有して延設係止体35のスライド機構 穴39に係合して成り、便器ボウル40と、連結フランジ45と、回転式分岐管20と 、汚物排水ケース管30と、回転装置11とを連結することで、スライド機構12と付 勢手段15によって回転式分岐管20と連結フランジ45と汚物排水ケース管30の回 転伝達機構24,3137,46を付勢させて密封当接させた状態を維持しながら、回 転式分岐管20が回転装置11によって円周方向に回動することで、洗浄水Sならびに 汚物Gが便器ボウル40から床下汚物排水管71を通過して下水配水管73に排出され る一戸建て住宅仕様のロータリートラップ式節水トイレである。
【0045】
一戸建て住宅に広く使われる床下汚物排水管71は、鉛直状の形状を有して建物の床下Fに配管される下水排水管73に連結されて洗浄水Sならびに汚物Gが流される構造を有する。
【実施例4】
【0046】
図4は、本発明のロータリートラップ式節水トイレの請求項2記載の実施形態を示す説明図である。
便器ボウル40と、連結フランジと45、回転式分岐管20と、汚物排水ケース管30と、回転装置11と、で構成されるロータリートラップ式節水トイレであって、便器ボウル40は、底部後方にフランジ部42を有するボウル排水管41を設けて成り、連結フランジ45は、内周部に回転式分岐管20に連結する回転伝達機構46を設けて成り、回転式分岐管20は、外筒部の上流端部と中央部付近に連結フランジ45ならびに汚物排水ケース管30に連結する回転伝達機構24を設け、さらに延設される段差筒部25には、汚物排水口23を上向きに開口して設けると共に、該汚物排水口23と形状を同じくする汚物排水口28を囲む突起部27を設けた防水キャップ26を位置決めして挿着し、さらに下流端部には延設係止体35のガイド突起穴36に挿入するガイド突起22を設け、延設係止体35の外筒部には回転伝達機構37を設け、上流端中心部にはガイド突起穴36を設け、下流端中心部にはスライド機構12と付勢手段15を備えて、防水キャップ26を挟持状態にして装着して成り、汚物排水ケース管30は、下向きに開口する汚物排水口32を挟んで回転式分岐管20と延設係止体35に連結する回転伝達機構31を設け、さらに下流端部には回転装置11を連通させる軸受け穴部33と回転装置積載台34を設けて二分割されて成り、回転装置11は、スライド回転軸13の先端部にスライド機構12と付勢手段15とを有して延設係止体35のスライド機構穴39に係合して成り、便器ボウル40と、連結フランジ45と、回転式分岐管20と、汚物排水ケース管30と、回転装置11とを連結することで、スライド機構12と付勢手段15によって回転式分岐管20と連結フランジ45と汚物排水ケース管30の回転伝達機構24,3137,46を付勢させて密封当接させた状態を維持しながら、回転式分岐管20が回転装置11によって円周方向に回動することで、洗浄水Sならびに汚物Gが便器ボウル40から壁側汚物排水管72を通過して鉛直する下水配水管73に排出される高層マンションならびに高層ビルトイレ仕様のロータリートラップ式節水トイレである。
【0047】
高層マンション住宅や高層ビルオフィスに広く使われる壁側汚物排水管72は、L型状の形状を有して建物の壁内Kに配管される下水排水管73に連結されて洗浄水Sならびに汚物Gが流される構造を有している。
【実施例5】
【0048】
図5は、本発明のロータリートラップ式節水トイレの請求項3記載の実施形態を示す説明図である。
ボウル排水管41と連結フランジ45と回転式分岐管20と汚物排水ケース管30と回転装置11とが図示されるように、上流方向から下流方向にかけて傾斜角αを有して暖勾配配管状に設置することによって、洗浄水Sならびに汚物Gが自然落下エネルギーよって加速度的に排出される。
【0049】
また、排水経路が傾斜する場合、回転式分岐管20と汚物排水管38が成す角度は、半回転回動されて下向きになった時点で鉛直方向の真下を向いている状態が好ましい。
【0050】
また、便器ボウル40の形状は、どちらかといえばボルテックスタイプに近い溜水面が広い便器ボウル形状を有し、ボウル排水管41は下部後方に位置させて可能な限り傾斜角αを持たせて暖勾配配管状に下方に向けて設置されることが望ましい。
【実施例6】
【0051】
図6は、本発明のロータリートラップ式節水トイレの請求項4記載の実施形態を示す説明図である。
貯留タンク50は、便器本体10内の分割式貯留タンク54と、便器本体10外の分離式貯留タンク55とを設け、それらを連結管52で連結して一体化し、最上位に位置する貯留タンク50内の洗浄水Sの水頭位置をフロートスイッチ51で管理し、洗浄水Sを最下位に位置する分割式または分離式の貯留タンク54,55から汲み上げポンプ53と吐出配水管57によって便器ボウル40のリム吐出口43へ連結して吐出されるもので、補充される洗浄水Sは、水道管Hから電磁開閉バルブ16をフロートスイッチ51で制御して供給する。この時の水道管Hからの供給を制御する電磁開閉バルブ16は、単に便器ボウル40に洗浄水Sを供給すれば良く、自然落下エネルギーを利用して洗浄水Sと汚物Gを排出しているため、特に圧力を必要としないもので、従来のようなフラッシュバルブやダイレクトバルブ等を使用しないでその目的を達成することができる。
【0052】
また、貯留タンク50は、壁収納、コーナー収納、床下収納、便器内収納、水槽タンク、屋外貯留タンク66などの便器本体10周辺に分割式ならびに分離式にして設置することができるもので、最上位の貯留タンク50のフロートスイッチ51で水頭管理し、最下位の分割式または分離式貯留タンク54,55から洗浄水Sを汲み上げポンプ53を作動させることによって便器ボウル40のリム吐出口43から吐出するものである。また、一戸建て住宅で使用される雨水、地下水、引込用水などは、屋外貯留タンク66に一旦集約し、汲み上げポンプ65で上位の貯留タンク50に供給することよって水資源の有効利用と水道料金の節約が図れるものである。
【0053】
汲み上げポンプ53は、最下位の分割式または分離式貯留タンク54,55から洗浄水Sを吐出ポンプ配水管57によって吐出するもので、大便の場合は吐出時間を長く設定し、小便の場合は吐出時間を短く設定して洗浄水Sの吐出量を調節するものである。また、フラッシュバルブやダイレクトバルブなどの電磁噴出バルブを使用していないのでタンク音やバルブ開閉衝撃音などが解消されるため静寂性の高い節水トイレの提供が可能になる。
【0054】
オーバーフロー管56は、U字管状のトラップを配設して下水管臭気を遮断し、汚物排水管38または汚物排水管71,72にまたは外部に排出される。
【0055】
大気通気管58は、メインの貯留タンク50と並行して分割式または分離式貯留タンク54,55の上方に連結されて設けられるもので、その大気通気口はメインの貯留タンク50の水頭位置より高い位置の便器本体10の任意の場所に設けられる。
【実施例7】
【0056】
図7は、本発明のロータリートラップ式節水トイレの請求項5記載の実施形態を示す説明図である。
洗浄水Sは、水道管Hから電磁開閉バルブ16をフロートスイッチ51で制御して供給される外に、手洗い排水管60、雨水配水管61、汲み上げ配水管62、洗濯機濯ぎ排水管64の何れかまたは組み合わせてそれらを屋外貯留タンク66に一旦集約し、汲み上げポンプ65で最上位の貯留タンク50に供給する。
【0057】
手洗い排水管60は、トイレ室内に設けられる手洗い便器から排出される使用済みの手洗い水を有効利用するために屋外貯留タンク66(最上位の貯留タンク50に直接連結可)に一旦集約し、汲み上げポンプ65で最上位の貯留タンク50に供給する手段を採ることができるもので、必要以上の手洗い水は、オーバーフロー管56を通して汚物排出管38または汚物排水管71,72にまたは外部に排出される。
【0058】
雨水配水管61は、一戸建て住宅の屋根の軒先に設けられる雨どいから供給される雨水を有効利用するために屋外貯留タンク66に一旦集約し、汲み上げポンプ65で最上位の貯留タンク50に連結される。また大雨などの場合は、途中に止栓コック18を設けて給水を強制的に停止することができる。
【0059】
汲み上げポンプ管62は、貯留タンクやお風呂の残り湯を再利用するもので、それ以外に一戸建て住宅で使用される雨水、地下水、引込用水などは、屋外貯留タンク66に一旦集約し、汲み上げポンプ65で最上位の貯留タンク50に供給するものである。
【0060】
洗濯機濯ぎ排水管64は、洗濯機の洗剤を含んだ洗濯水と濯ぎ水を電磁切替バルブ17で切替えて屋外貯留タンク66に一旦集約し、汲み上げポンプ65で最上位の貯留タンク50に供給することで、更なる大きな節水効果が実現できる。
【0061】
本発明のロータリートラップ式節水トイレの使用例を説明する。
(1)最上位の貯留タンク50には、洗浄水Sが手洗い排水管60、雨水配水管61、汲 み上げ配水管62、洗濯機濯ぎ排水管64の何れかまたは組み合わせてそれらを屋 外貯留タンク66に一旦集約し、汲み上げポンプ65で最上位の貯留タンク50に 供給する。さらに洗浄水Sが必要とされる場合は、最上位の貯留タンク50のフロ ートスイッチ51が働き、水道管Hに直結される電磁開閉バルブ16と電磁切替バ ルブ17が作動して水道水が最上位の貯留タンク50に補充される。
(2)この時の洗浄水Sは最下位の分割式または分離式貯留タンク54,55から順次貯 められ、最上位の貯留タンク50のフロートスイッチ51で設定された水頭位置で 停止する。
(3)必要以上の洗浄水Sの制限手段は、洗濯機濯ぎ排水管64からの洗浄水Sは電磁切 替バルブ17で切り替えられ、水槽タンクやお風呂の浴槽からの洗浄水Sとなる水 は汲み上げポンプ65が停止され、手洗い排水管60と雨水配水管61からのとな る水は洗浄水Sは、屋外貯留タンク66に一旦集約してオーバーフローされる。
(4)ボウル排水管41と回転式分岐管20と汚物排水ケース管30の排水経路内に洗浄 水Sが貯留された状態で待機され、その状態で使用者が用便を足す。
(5)排便された汚物Gは、便器ボウル40のボウル排水管41の底面に沈殿する。
(6)使用者によって洗浄スイッチが押される。
(7)回転式分岐管20が回転装置11によって下向き方向(半回転)に回動することで 、汚物Gと洗浄水Sは直線状の回転式分岐管20の汚物排水口23が下向きの状態 になって汚物排水ケース管30内に排出され、数秒後、回転式分岐管20は、さら に上向き方向(半回転)に回動しながら元の位置に戻って停止する。
(8)排出された洗浄水Sと汚物Gは、汚物排水ケース管30内の汚物排水口32を通っ て、汚物排水管38から汚物排水管71,72へ排出される。
(9)最下位の分割式または分離式貯留タンク54,55に設けられている汲み上げポン プ53の動作スイッチが入り、便器ボウル40のリム吐出口43から洗浄水Sがタ イマー設定によって一定量吐出される。
(10)最上位の貯留タンク50の洗浄水Sの補充は、分割式または分離式貯留タンク5 4,55が連結管52で連結されて一体化しているため、最上位の貯留タンク50 のフロートスイッチ51で設定された水頭位置まで手洗い排水管60、雨水配水管 61、汲み上げ配水管62、洗濯機濯ぎ排水管64の何れかまたは組み合わせてそ れらを屋外貯留タンク66に一旦集約し、汲み上げポンプ65で最上位の貯留タン ク50に洗浄水Sが補充される。
(11)(10)で補充される洗浄水Sが不足する場合、水道管Hに直結される電磁開閉 バルブ16と電磁切替バルブ17が作動して水道水が最上位の貯留タンク50に水 道水が補充される。
(12)リム吐出口43から吐出された洗浄水Sは、便器ボウル40と回転式分岐管20 の排水経路内に貯留される。
(13)再び使用者によって洗浄スイッチが押されてトイレの使用が繰り返される。
【実施例8】
【0062】
図8は、本発明のロータリートラップ式節水トイレの請求項6記載の実施形態を示す説明図である。
水道管H直結の電磁開閉バルブ16から直接連結される分離式貯留タンク55が、取り外しならびに持ち運び可能な緊急非常用の貯留タンク68とすることで、日常的にはトイレ用の洗浄水貯留タンクとして使用し、緊急非常事態時は、取り外して持ち運び可能な緊急非常用の貯留タンク68として利用できる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明のロータリートラップ式節水トイレの貯留タンクにおける雨水ならびに生活排水を再利用する方法は、都市計画における水資源施設の有効利用に繋がり、また水道管に直結する分離式貯留タンクを備えることによって、非常災害時の緊急飲料水として使用することができるものである。また洗濯機の機能搭載において、洗濯水の洗剤を含んだ排水と濯ぎ水とを切替える機能が洗濯機に装備されるようになれば、さらなる節水効果が実現されることになるもので、また冒頭の東京都の一般家庭水使用目的調査による家庭での水道水の使われ方は、トイレ28%、風呂24%、炊事23%、洗濯16%、洗顔・その他9%を示していることから、単純にトイレ28%+風呂24%+洗濯16%合計すると、使用される水道水は68%になり、その他雨水の利用など含めると少なくとも家庭で使用される60%前後の生活排水がトイレ用の洗浄水として使用することができるものであり、本発明によるロータリートラップ式節水トイレの産業上の利用可能性は極めて高いものと解する。
【符号の説明】
【0064】
10 便器本体
11 回転装置
12 スライド機構
13 スライド回転軸
14 手回しハンドル
15 付勢手段
16 電磁開閉バルブ
17 電磁切替バルブ
18 止栓コック
20 回転式分岐管
21 段差筒部
22 ガイド突起
23 汚物排水口
24 回転伝達機構
25 段差筒部
26 防水キャップ
27 突起部
28 汚物排水口
30 汚物排水ケース管
31 回転伝達機構
32 汚物排水口
33 軸受け穴部
34 回転装置積載台
35 延設係止体
36 ガイド突起穴
37 回転伝達機構
38 汚物排水管
39 スライド機構穴
40 便器ボウル
41 ボウル排水管
42 フランジ部
43 リム吐出口
45 連結フランジ
46 回転伝達機構
47 フランジ部
50 貯留タンク
51 フロートスイッチ
52 連結管
53 汲み上げポンプ
54 分割式貯留タンク
55 分離式貯留タンク
56 オーバーフロー管
57 吐出ポンプ配水管
58 大気通気管
60 手洗い排水管
61 雨水配水管
62 汲み上げ配水管
64 洗濯機濯ぎ排水管
65 汲み上げポンプ
66 屋外貯留タンク
67 水道水供給管
68 緊急非常用の貯留タンク
71 床下汚物排水管
72 壁側汚物排水管
73 下水排水管
H 水道管
S 洗浄水
G 汚物
K 壁
F 床下
R ロータリートラップ
La 水頭面
α 傾斜角
β 排水口傾き角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器ボウルと、連結フランジと、回転式分岐管と、汚物排水ケース管と、回転装置と、で構成されるロータリートラップ式節水トイレであって、
前記便器ボウルは、底部後方にフランジ部を有するボウル排水管を設けて成り、
前記連結フランジは、内周部に前記回転式分岐管に連結する回転伝達機構を設けて成り、
前記回転式分岐管は、外筒部の上流端部と中央部付近に前記連結フランジならびに前記汚物排水ケース管に連結する回転伝達機構を設け、
さらに延設される段差筒部には、汚物排水口を上向きに開口して設けると共に、該汚物排水口と形状を同じくする汚物排水口を囲む突起部を設けた防水キャップを位置決めして挿着し、
さらに下流端部には延設係止体のガイド突起穴に挿入するガイド突起を設け、
前記延設係止体の外筒部には回転伝達機構を設け、上流端中心部にはガイド突起穴を設け、下流端中心部にはスライド機構と付勢手段を備えて、前記防水キャップを挟持状態にして装着して成り、
前記汚物排水ケース管は、下向きに開口する汚物排水口を挟んで前記回転式分岐管と前記延設係止体に連結する回転伝達機構を設け、
さらに下流端部には前記回転装置を連通させる軸受け穴部と回転装置積載台を設けて二分割されて成り、
前記回転装置は、スライド回転軸の先端部に前記スライド機構と前記付勢手段とを有して前記延設係止体のスライド機構穴に係合して成り、
前記便器ボウルと、前記連結フランジと、前記回転式分岐管と、前記汚物排水ケース管と、前記回転装置とを連結することで、前記スライド機構と前記付勢手段によって前記回転式分岐管と前記連結フランジと前記汚物排水ケース管の回転伝達機構を付勢させて密封当接させた状態を維持しながら、前記回転式分岐管が前記回転装置によって円周方向に回動することで、洗浄水ならびに汚物が前記便器ボウルから床下汚物排水管を通過して下水配水管に排出されることを特徴とするロータリートラップ式節水トイレ。
【請求項2】
前記汚物排水管に連結される壁側汚物排水管が、下流方向の後方側面横向きに開口し、鉛直する下水配水管に連結されることを特徴とする請求項1記載のロータリートラップ式節水トイレ。
【請求項3】
前記ボウル排水管と、前記連結フランジと、前記回転式分岐管と、前記汚物排水ケース管と、前記回転装置と、が上流方向から下流方向にかけて傾斜角を有して暖勾配配管状に設置することを特徴とする請求項1または請求項2記載のロータリートラップ式節水トイレ。
【請求項4】
便器本体内に設けられた分割式貯留タンクと、便器本体外に設けられた分離式貯留タンクと、を連結管で連結して一体化し、
最上位に位置する貯留タンク内の洗浄水の水位をフロートスイッチで管理し、
洗浄水を最下位に位置する分割貯留タンクから汲み上げポンプによって前記便器ボウルのリム吐出口から吐出することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか記載のロータリートラップ式節水トイレ。
【請求項5】
前記貯留タンクに手洗い排水管、または雨水配水管、または汲み上げ配水管、または洗濯機濯ぎ排水管の何れかまたは組み合わせてそれらを屋外貯留タンクに一旦集約し、汲み上げポンプで最上位の貯留タンクに供給することを特徴とする請求項1から請求項4の何れか記載のロータリートラップ式節水トイレ。
【請求項6】
水道管直結電磁開閉バルブから直接連結される前記分離式貯留タンクが、取り外しならびに持ち運び可能な緊急非常用の貯留タンクとしたことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか記載のロータリートラップ式節水トイレ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−138692(P2010−138692A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2010−63433(P2010−63433)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(597116252)
【Fターム(参考)】