説明

ロータリートラップ式節水トイレ

【課題】雨水ならびに生活排水の再利用と自然落下エネルギーを利用したロータリートラップ式節水トイレを提供する。
【解決手段】便器本体10の排出部に設けた回動トラップ管20を機械的に回動する手段11を備え、便器本体10内に設けた洗浄水貯留タンク54と便器本体10外に設けた洗浄水貯留タンク55とを連結するとともに、雨水や生活排水等を貯留する屋外貯留タンク66から洗浄水貯留タンク54,55に、便器洗浄水を汲み上げポンプ65により供給可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雨水ならびに生活排水の再利用と自然落下エネルギーを利用した機械式排出機構を有する節水トイレに関する。
【背景技術】
【0002】
東京都の一般家庭水使用目的調査によると、家庭での水道水の使用量は、トイレ28%、風呂24%、炊事23%、洗濯16%、洗顔・その他9%となっていて、トイレに使われる使用量が意外にも多いことや、水資源の有効利用や二酸化炭素排出量規制等の世論的な気運と相俟って、近年おいては節水型トイレの需要が一段と高まってきている。
【0003】
そしてその節水トイレの普及率の実態は、洗浄水を便器上方周縁のリム吐水口から吐出落下させて汚物を排出する洗い落とし式に始まり、その後、サイホンの吸引現象を利用したサイホン式水洗トイレが登場することで、汚物が水中にすぐに沈み込み下水管の汚物臭が発生しにくいことや、経済成長に伴う住宅居住スペースの拡大と、日本人の体格の向上による大型洋式水洗トイレの需要が増したことからその普及率は年々増加している。
【0004】
一方、高層マンションや高層ビルオフィスで使われる節水トイレは、汚物の排出方向が鉛直の下水排水管に連結される横向きの汚物排水管の要求がなされてきたことから、貯留ボウルの排出口近くのゼット孔からの水勢を利用し、より強力なサイホン現象を発生させて汚物を排出することができる水道管直結式のフラッシュバルブを使ったサイホンゼット式トイレや、そのゼット孔からさらに強力なシーケンシャルバルブやダイレクトバルブなどの電磁噴出バルブの水勢を利用したボルテックスゼット孔タイプの節水トイレが開発され、溜水面が広く汚れが付着しにくく、さらにシンプルでタンクレスである上、連続使用が可能など、デザインと使い勝手が格段に良くなって来ていることから、最近ではその需要を急速に伸ばしている。
【0005】
さらに、水資源の有効利用や二酸化炭素排出量規制等の世論的な気運による節水効果と、便器デザインやトイレ室の空間利用の多様化に伴うタンクレス化の要求が高まってきた昨今では、リム吐出口から大量の洗浄水を勢いよく渦巻き状に噴出する渦巻き流(トルネード)洗浄方式や、リム吐出口とゼット孔から吐出される洗浄水を3:7の割合で分流させて電気的に噴出するハイブリット制御洗浄方式や、臭気防止用トラップ筒を機械的に上下動させるターントラップ洗浄方式(特許文献1,2参照)等の高性能の節水トイレが開発され、現在では、当初の洗い落とし方式の洗浄水の使用量と比較して三分の一以上の節水効果を達成している。
【0006】
しかしながら、更なる洗浄水の節水ならびに水道料金の節約を実現するには、機械式排出機構を有する節水方式が最も有効と考えられるが、現在の機械式排出機構を有するターントラップ式の節水トイレにおいては、下記の示す問題点の解決が指摘されるものである。
(1)トラップ筒が蛇腹状であるため、蛇腹の凹凸部に汚物が大量に付着した場合、トラップ筒の可変構造に機械的なトラブルが発生しやすい。
(2)トラップ筒の回動機構に汚物が付着しやすい構造であることから、回動金具の腐食や故障が懸念され、その他の方式と比較して定期的なメンテナンス作業を必要とする。
(3)使用されるトラップ筒の材質に、耐久性、耐触性、柔軟性が求められるため、その性能を有する特殊材料の確保ならびに材料コスト高が懸念される。
(4)汚物やトイレットペーパーなどがトラップ筒収納室の内壁とトラップ筒の下流側開口の一端部に挟まる可能性がある。
(5)便器ボウルの排水経路が床面に対して暖勾配配管状でなかったり、また全体的に排水経路が長いことから洗浄水の貯留量が多い上、汚物の処理効率が良くない。
(6)トラップ筒収納室が、単に手洗い水の排水処理容器として使われているに過ぎず、手洗い排水の有効利用がなされていない。
【0007】
以上のようなターントラップ式節水トイレの実情を踏まえ、現状のターントラップ式節水トイレの構造は、蛇腹状に形成されたトラップ筒を機械的に上下方向に可変する構造を有して節水効果を図っているが、本発明者は、更なる節水効果を上げる手段として略L字形に屈曲成型した回動トラップ管を回転装置で回動させる構造とし、また、スライド機構と付勢手段で常に排水連結管と回動トラップ管の凹凸溝または螺子部の谷と山部を一方向に幾重に当接させることによって洗浄水の漏れと下水配管臭を遮断する構造を採用し、さらに洗浄水の供給方式を分割式ならびに分離式の貯留タンク方式として、雨水や生活排水を使用することで水道料金の節約効果が得られる三重の効果が得られる点に着目し、本発明におけるロータリートラップ式節水トイレの提案に至るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005-155146号公報
【特許文献2】特開2008-291612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑み、従来の機械式排出機構を有するターントラップ式の節水トイレの改善点を克服し、洗浄水の節水ならびに水道料金の節約を実現するにあたって、機械的排出機構を有する水洗トイレの略L字形に屈曲した回動トラップ管(先行技術のターントラップ筒に相当)を円周上に回動することによって機械的な可動構造を簡素化し、さらに回動接続部の密封手段を設ける共に、貯留タンクから回動トラップ管のトラップ部までの排水経路を可能な限り短縮することで洗浄水の貯水量を低減し、さらに留水タンク方式を採用することで、雨水や生活排水の再利用を図り、水道水をなるべく使用しない方法を採ることで水道料金の節約を図るもので、また、分割式と分離式の留水タンクを設けることで連続使用を可能とし、一般住宅は元より高い水圧が得られない高層マンションや高層ビルトイレでも使用できる機械的排出機構を有するロータリートラップ式節水トイレの提供を図る。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記目的を達成するために、ロータリートラップ式節水トイレの回動トラップ管を機械的に回動する手段と、洗浄水の供給方式を分割式ならびに分離式の貯留タンク方式とする手段を採るもので、詳しくは、
便器ボウルと排水連結管と回動トラップ管と回転装置と集合枡ケースとで構成されるロータリートラップ式節水トイレであって、便器ボウルには、底部後方にフランジを有するボウル排水管を設け、排水連結管は、ボウル排水管と集合枡ケースに連結するためのフランジを設け、下流方向の外周部には凹凸溝または螺子部を備えた挿入管部を延設して形成し、回動トラップ管は、略L字形に屈曲した形状であって、下流側端部は上向きに開口した開口口を設け、上流側端部には排水連結管の凹凸挿入部に回動可能に連結するための凹凸溝または螺子部を形成し、排水連結管の上流方向から下流方向に中心軸を延長する回動トラップ管の中心軸外側にスライド機構と付勢手段を突設して配設し、回転装置は、回転軸先端部にスライド機構と付勢手段とを有して回動トラップ管のスライド機構と付勢手段に係合し、集合枡ケースは、上流方向中央に排水連結管と連結するためのフランジを設け、下流方向中央には回転装置を連通させる軸受け穴部を設け、底面には汚物排水口を下向きに開口する構成に形成し、便器ボウルと排水連結管と回動トラップ管と回転装置と集合枡ケースとを連結することで、スライド機構と付勢手段によって回動トラップ管の凹凸溝または螺子部を排水連結管の凹凸溝または螺子部に付勢させて密封当接状態を維持しつつ、回動トラップ管が回転装置によって下向き方向(半回転)に回動することで洗浄水ならびに汚物が集合枡ケースの汚物排水口から排出される手段を採る。
【0011】
また本発明は、集合枡ケースの汚物排出口が、後方側面横方向に開口する手段を採る。
【0012】
また本発明は、便器ボウルと排水連結管と回動トラップ管と集合枡ケースとが、上流方向から下流方向にかけて傾斜角を有して暖勾配配管状に連結する手段を採る。
【0013】
また本発明は、便器本体内に設けられる分割式貯留タンクと、便器本体外に設けられる分離式貯留タンクと、を連結管で連結して一体化し、最上位に位置する貯留タンク内の洗浄水の水位をフロートスイッチで管理し、洗浄水を最下位に位置する貯留タンクから汲み上げポンプによって便器ボウルのリム吐出口から吐出する手段を採る。
【0014】
また本発明は、貯留タンクに手洗い排水管、または雨水配水管、または汲み上げ配水管、または洗濯機濯ぎ排水管の何れかの一つまたは組み合わせてそれらを屋外貯留タンクに一旦集約し、汲み上げポンプで最上位の貯留タンクに供給する手段を採る。
【0015】
また本発明は、水道管直結電磁開閉バルブから直接連結される分離式貯留タンクが、取り外しならびに持ち運び可能な緊急非常用の貯留タンクである手段を採る。
【発明の効果】
【0016】
本発明のロータリートラップ式節水トイレによれば、略L字形に屈曲成型した回動トラップ管を回転装置で回動させ、さらにスライド機構と付勢手段で常に排水連結管と回動トラップ管の凹凸溝または螺子部の谷と山部を一方向に幾重にも当接させる簡単構造により、洗浄水の漏れ防止と下水配管臭を完全に遮断することができる優れた効果を奏する。
【0017】
また、本発明のロータリートラップ式節水トイレによれば、機械的排出機構を有する回動トラップ管を回転装置によって円周方向に回動する手段を採ることで、回動機構を構成する部品と汚物や洗浄水とを完全に分離することができることから、機械的故障や汚物のつまりや臭気漏れがない優れた効果を奏する。
【0018】
また、本発明のロータリートラップ式節水トイレによれば、集合枡ケースの汚物排出口が、床面下方向に開放していることによって、一戸建て住宅に適した節水トイレとすることができることや、後方側面壁方向に開口していることによって、高層マンションや高層ビルトイレに適した節水トイレとすることができる優れた効果を奏する。
【0019】
また、本発明のロータリートラップ式節水トイレによれば、便器ボウルと排水連結管と回動トラップ管と集合枡ケースとが、上流方向から下流方向にかけて傾斜角を有して暖勾配配管状に連結することによって、洗浄水と汚物を自然落下エネルギーを利用して加速度的に排出することができ、特に災害時ならびに停電時においては、手回しハンドル(図3参照)と少ない流水でトイレの使用ができる優れた効果を奏する。
【0020】
また、本発明のロータリートラップ式節水トイレによれば、便器本体内に分割された貯留タンクと、便器本体外に分離された貯留タンクとを設け、それらを連結管で連結することによって一体化し、便器本体のコンパクト化、デザイン化、大容量化が一挙に図られることで、トイレの連続使用を可能とし、またトイレ室のデッドスペースの有効利用が図られる優れた効果を奏する。
【0021】
また、本発明のロータリートラップ式節水トイレによれば、汲み上げポンプによって洗浄水を貯留タンクから供給するため、便器ボウルのリム吐出口より渦巻き水流が噴出することによって、便器ボウルの内壁面の清掃が人手を煩わすことなく自動的にできると共に、従来のフロート弁の作動によるタンク音やゼット孔から噴出させるフラッシュバルブの衝撃作動音を解消することができる優れた効果を奏する。
【0022】
また、本発明のロータリートラップ式節水トイレによれば、集合枡ケースの下方隅部構造は、汚物排水口を頂点として漏斗状の斜面が形成され、下水排水管に排水されることにより、洗浄水Sならびに汚物Gの排水効率を高める優れた効果を奏する。
【0023】
また、本発明のロータリートラップ式節水トイレによれば、貯留タンクに手洗い排水管、雨水配水管、汲み上げ配水管、洗濯機濯ぎ排水管の何れかまたは組み合わせてそれらを屋外貯留タンクに一旦集約し、汲み上げポンプで最上位の貯留タンクに供給することによって、水資源の有効利用や二酸化炭素排出量の削減が図られ、水道管直結式の給水を最小限に留めることで水道料金の節約が図れる優れた効果を奏する。
【0024】
また、本発明のロータリートラップ式節水トイレによれば、手洗い排水管、雨水配水管、汲み上げ配水管、または洗濯機濯ぎ排水管を一つの室外貯留タンクに一旦集約して連結することによって、一戸建て住宅では屋外に、高層マンション住宅ではベランダなどに設置することにより、消費者の住宅事情に合わせた節水型トイレの提供ができ、家庭で使用される水道水の60%前後がトイレ用の洗浄水として使用することができる優れた効果を奏する。
【0025】
また、本発明のロータリートラップ式節水トイレによれば、水道管直結電磁開閉バルブから直接連結される分離式貯留タンクが、取り外しならびに持ち運び可能な緊急非常用の貯留タンクとすることで、日常的にはトイレの洗浄水として使用し、緊急非常事態時は、取り外して持ち運び可能な緊急非常用の貯留タンクとして利用できる優れた効果を奏する。
【0026】
また、本発明のロータリートラップ式節水トイレによれば、例えば、標準的な一般家庭の1ヶ月の水道使用料金を8600円と想定すると、トイレに流用することができる風呂や洗濯に使用される水道料金は、2500〜3000円程度になると試算され、その節約効果は家計光熱費の大きな助けとなる優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明のロータリートラップ式節水トイレの主要構造を示す斜視図である。(実施例1)
【図2】本発明のロータリートラップ式節水トイレの主要構造を示す断面説明図である。(実施例2)
【図3】本発明のロータリートラップ式節水トイレの請求項1記載の実施形態を示す説明図である。(実施例3)
【図4】本発明のロータリートラップ式節水トイレの請求項2記載の実施形態を示す説明図である。(実施例4)
【図5】本発明のロータリートラップ式節水トイレの請求項3記載の実施形態を示す説明図である。(実施例5)
【図6】本発明のロータリートラップ式節水トイレの請求項4記載の実施形態を示す説明図である。(実施例6)
【図7】本発明のロータリートラップ式節水トイレの請求項5記載の実施形態を示す説明図である。(実施例7)
【図8】本発明のロータリートラップ式節水トイレの請求項6記載の実施形態を示す説明図である。(実施例8)
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、ロータリートラップ式節水トイレの回動トラップ管を機械的に回動にする手段と、洗浄水の供給方式を分割式ならびに分離式の貯留タンク方式とする手段を採ったことを最大の特徴とするもので、以下、実施例を図面を基に説明する。
【0029】
尚、本実施例で示す回転装置11ならびにスライド機構12、付勢手段15に関する構
造は、下記に述べる実施例に特に限定されるものでなく、本発明の主旨に逸脱しない範囲で任意に変更することができる。
【実施例1】
【0030】
図1は、本発明のロータリートラップ式節水トイレの主要構造を示す斜視図である。
便器ボウル40は、底部後方にフランジ43を有するボウル排水管41を下向きに傾斜させて設け、排水連結管45に連結される。
【0031】
排水連結管45は、ボウル排水管41と集合枡ケース30に連結するためのフランジ46を設け、下流方向の外周部には凹凸溝または螺子部48を備えた挿入管部47を延設して形成されている。また設置状態は、水平状態よりやや暖勾配配管状とすることにより自然落下エネルギーを利用した排水効率が図られ、さらに、排水経路の距離を短くすることにより洗浄水の節水効果が図れる構造である。
【0032】
回動トラップ管20は、排水連結管45の挿入管部47に回動可能に連結するための凹凸溝または螺子部24を形成し、排水連結管45の上流方向から下流方向に中心軸を延長する回動トラップ管20の中心軸外側にスライド機構12と付勢手段15を突設して配設される構造を有する。
【0033】
トイレ使用後は、回転装置11によって回動され、回動トラップ管20の開口口23が下向きになった時点で洗浄水Sと汚物Gが排出され、上向きになった時点で洗浄水Sが貯留される。
【0034】
回転装置11は、回転軸先端部のスライド機構12と付勢手段15を介して回動トラップ管20の中心軸の外側に突設されるスライド機構穴25に係合され、スライド機構12と付勢手段15によって回動トラップ管20の凹凸溝または螺子部24を排水連結管45の凹凸溝または螺子部48に付勢させて密封当接状態を維持しつつ、回動トラップ管20が回転装置11によって下向き方向(半回転)に回動することで洗浄水Sならびに汚物Gが集合枡ケース30の汚物排水口32から排出する構造を有する。
【0035】
また、回転装置11は、回動トラップ管20を下向き方向(半回転)に回動させる電気的手段であるが、コスト削減や停電時の臨時的な処置手段として、リンク機構、ラック&ピニオン機構を利用した足踏み式の回動装置としたり、手動用の手回しハンドル14を取り付けることもできる。
【0036】
回動トラップ21は、開口部23を上にし、便器ボウル40の水頭面Lbと略L字形に屈曲した回動トラップ管20の開口口23の水頭面Laを同じくして回動トラップ管20内に洗浄水Sが貯留される構造を有する。
【0037】
集合枡ケース30は、上下に分割されて、上流方向中央に排水連結管45と連結するためのフランジ31を設け、後方中央には回転装置11を連通させる軸受け穴部33を設け、該内側にはスライド機構と付勢手段をカバーする汚物避けカバーを円筒状に覆うように設け、底面には汚物排水口32を下向きに開口して床下汚物配水管71に連結される構造を有する。
【0038】
一戸建て住宅に広く使われる集合枡ケース30は、建物の床下Fに配管される床下汚物排水管71に連結されて洗浄水Sならびに汚物Gが流され、集合枡ケース30内の下方隅部34は、汚物排水口32に向かって漏斗状の斜面35が形成され、洗浄水Sならびに汚物Gの排水効率を高める構造を有する。
【0039】
高層マンション住宅や高層ビルオフィスに広く使われる集合枡ケース30は、建物の壁内Kに配管される壁側汚物排水管72に連結されて洗浄水Sならびに汚物Gが流され、集合枡ケース30内の下方隅部34は、汚物排水口32に向かって漏斗状の斜面35が形成され、洗浄水Sならびに汚物Gの排水効率を高める構造を有している。
【実施例2】
【0040】
図2は、本発明のロータリートラップ式節水トイレの主要構造を示す断面説明図である。
集合枡ケース30内で回動する回動トラップ管20は、略L字形に屈曲した形状であって、下流側端部は上向きに開口した開口口23が設けられ、上流側端部には排水連結管45の挿入管部47に回動可能に連結するための凹凸溝または螺子部24を形成し、排水連結管45の上流方向から下流方向に中心軸を延長する回動トラップ管20の中心軸外側にスライド機構12と付勢手段15を突設して配設している。
【0041】
回動トラップ管20を回動させる回転装置11は、集合枡ケース30の後側外面に取り付けられ、軸受け穴部33を連通し、回転軸先端部をスライド機構12と付勢手段15とを介して回動トラップ管20のスライド機構穴25に係合している。回動トラップ管20と排水連結管45を回動可能に係合する手段が凹凸溝の場合は、一方向に回動する回動方向を有し、螺子部の場合は、下向き方向(半回転)に回動した後、再び逆回転して元の位置に戻る回動方向を有する。
【0042】
また、回動トラップ管20と排水連結管45の回動可能に係合するための構造において、さらに密封効果を得る構造として、凹凸溝に複数の防水ベアリングやOリング等の軸受部品や防水・密封部品を介在させる場合は、回動トラップ管20を縦割りにして二分割し、最終組み立て時に締め付け金具で締結して構成することもできる。
【0043】
また、回動トラップ管20と排水連結管45を塩ビ管を用い、丸みのある凹凸溝または螺子部24,48を形成した場合、排水連結管45の挿入管部47に回動トラップ管20の凹凸溝または螺子部24を強圧入で差し込むことによって、密封ならびに回動可能に係合する構造とすることができる。
【0044】
スライド機構12は、回転装置11の回転軸先端部の形状が角状を形成して成り、回動トラップ管20のスライド軸穴25のやや大きめの角穴に挿入することでスライド動作と回動を同時に可能にする構造を採っている。
【0045】
付勢手段15は、回転装置11の回転軸先端部に圧縮バネを嵌め込んで常に排水連結管45と回動トラップ管20の凹凸溝または螺子部48,24の幾重の谷と山部を一方向に当接させることによって、洗浄水Sの漏れと下水配管臭を遮断することができる構造としている。
【0046】
集合枡ケース30は、フランジ31部と軸受け穴部33を境に上下に分割され、上流方向中央に排水連結管45と連結するためのフランジ31を設け、後方中央には回転装置11を連通させる軸受け穴部33を設け、底面には汚物排水口32を下向きに開口する構成に形成し、洗浄水Sならびに汚物Gが汚物排水口32から排出される構造を採っている。 尚、排水経路が傾斜される場合は、集合枡ケース30の下部に角度調整台19を設けて便器本体10に取り付けられる。
【0047】
また、集合枡ケース30と排水連結管45は、排水連結管45の挿入管部47の形状が凹凸溝に限って、構成部品の簡素化を図ることを目的として合体して成型加工することも可能である。
【実施例3】
【0048】
図3は、本発明のロータリートラップ式節水トイレの請求項1記載の実施形態を示す説明図である。
便器ボウル40と排水連結管45と回動トラップ管20と回転装置11と集合枡ケース30とで構成されるロータリートラップ式節水トイレであって、便器ボウル40には、底部後方にフランジ43を有するボウル排水口41を設け、排水連結管45は、ボウル排水口41と集合枡ケース30に連結するためのフランジ46を設け、下流方向の外周部には凹凸溝または螺子部48を備えた凹凸挿入部47を延設して形成し、回動トラップ管20は、略L字形に屈曲した形状であって、下流側端部は上向きに開口した開口口23を設け、上流側端部には排水連結管45の挿入管部47に回動可能に連結するための凹凸溝または螺子部48を形成し、排水連結管45の上流方向から下流方向に中心軸を延長する回動トラップ管20の中心軸外側にスライド機構12と付勢手段15を突設して配設し、回転装置11は、回転軸先端部を前記スライド機構12と付勢手段15とを介して回動トラップ管20のスライド機構穴25に係合し、集合枡ケース30は、上流方向中央に排水連結管45と連結するためのフランジ31を設け、後方中央には回転装置11を連通させる軸受け穴部33を設け、底面には汚物排水口32を下向きに開口する構成に形成し、便器ボウル40と排水連結管45と回動トラップ管20と回転装置11と集合枡ケース30とを連結することで、スライド機構12と付勢手段15によって回動トラップ管20の凹凸溝または螺子部24を排水連結管45の凹凸溝または螺子部48に付勢させて密封当接状態を維持しつつ、回動トラップ管20が回転装置11によって下向き方向(半回転)に回動することで洗浄水Sならびに汚物Gが集合枡ケース30の汚物排水口32から排出する一戸建て住宅仕様のロータリートラップ式節水トイレである。
【実施例4】
【0049】
図4は、本発明のロータリートラップ式節水トイレの請求項2記載の実施形態を示す説明図である。
便器ボウル40と、排水連結管45と、回動トラップ管20と、回転装置11と、集合枡ケース30と、で構成されるロータリートラップ式節水トイレであって、便器ボウル40には、底部後方にフランジ43を有するボウル排水口41を設け、排水連結管45は、ボウル排水口41と集合枡ケース30に連結するためのフランジ46を設け、下流方向の外周部には凹凸溝または螺子部48を備えた挿入管部47を延設して形成し、回動トラップ管20は、略L字形に屈曲した形状であって、下流側端部は上向きに開口した開口口23を設け、上流側端部には排水連結管45の凹凸挿入部47に回動可能に連結するための凹凸溝または螺子部48を形成し、排水連結管45の上流方向から下流方向に中心軸を延長する回動トラップ管20の中心軸外側にスライド機構12と付勢手段15を突設して配設し、回転装置11は、回転軸先端部を前記スライド機構12と付勢手段15とを介して回動トラップ管20のスライド機構穴25に係合し、集合枡ケース30は、上流方向中央に排水連結管45と連結するためのフランジ31を設け、下流方向中央には回転装置11を連通させる軸受け穴部33を設け、後方側面横方向には汚物排水口32を後方横向きに開口する構成に形成し、便器ボウル40と排水連結管45と回動トラップ管20と回転装置11と集合枡ケース30とを連結することで、スライド機構12と付勢手段15によって回動トラップ管20の凹凸溝または螺子部24を排水連結管45の凹凸溝または螺子部48に付勢させて密封当接状態を維持しつつ、回動トラップ管20が回転装置11によって下向き方向(半回転)に回動することで洗浄水Sならびに汚物Gが集合枡ケース30の汚物排水口32から排出する高層マンションならびに高層ビルトイレ仕様のロータリートラップ式節水トイレである。
【実施例5】
【0050】
図5は、本発明のロータリートラップ式節水トイレの請求項3記載の実施形態を示す説明図である。
便器ボウル40と排水連結管45と回動トラップ管20と集合枡ケース30とが図示されるように、上流方向から下流方向にかけて傾斜角αを有して暖勾配配管状に設けられることによって、洗浄水Sならびに汚物Gが自然落下エネルギーよって加速度的に排出される。
【0051】
また、排水連結管45の中心軸と回動トラップ管20の開口口23の中心軸が成す開口口傾き角βの角度は、通常直角90度を成しているが、排水経路が傾斜する場合は、90度+傾斜角α=開口口傾き角β(例えば、図示では90度+8度=98度)と成り、半回転回動されて下向きになった時点で略L字形に屈曲した回動トラップ管20の開口口23が鉛直方向の真下またはやや後方を向いている状態が好ましい。
【0052】
また、便器ボウル40の形状は、どちらかといえばボルテックスタイプに近い溜水面が広い便器ボウル形状を有し、ボウル排水管41は下部後方に位置させて可能な限り傾斜角αを持たせてボウル排水管41を下方に向けて図示されるように暖勾配配管状に設置されることが望ましい。
【実施例6】
【0053】
図6は、本発明のロータリートラップ式節水トイレの請求項4記載の実施形態を示す説明図である。
貯留タンク50は、便器本体10内の分割式貯留タンク54と、便器本体10外の分離式貯留タンク55とを設け、それらを連結管52で連結して一体化し、最上位に位置する貯留タンク50内の洗浄水Sの水頭位置をフロートスイッチ51で管理し、洗浄水Sを最下位に位置する分割式または分離式の貯留タンク54,55から汲み上げポンプ53と吐出配水管57によって便器ボウル40のリム吐出口42へ連結して吐出されるもので、補充される洗浄水Sは、水道管Hから電磁開閉バルブ16をフロートスイッチ51で制御して供給する。この時の水道管Hからの供給を制御する電磁開閉バルブ16は、単に便器ボウル40に洗浄水Sを供給すれば良く、自然落下エネルギーを利用して洗浄水Sと汚物Gを排出しているため、特に圧力を必要としないもので、従来のようなフラッシュバルブやダイレクトバルブ等を使用しないでその目的を達成することができる。
【0054】
また、貯留タンク50は、壁収納、コーナー収納、床下収納、便器内収納、水槽タンク、屋外貯留タンク66などの便器本体10周辺に分割式ならびに分離式にして設置することができるもので、最上位の貯留タンク50のフロートスイッチ51で水頭管理し、最下位の分割式または分離式貯留タンク54,55から洗浄水Sを汲み上げポンプ53を作動させることによって便器ボウル40のリム吐出口42から吐出するものである。また、一戸建て住宅で使用される雨水、地下水、引込用水などは、屋外貯留タンク66に一旦集約し、汲み上げポンプ65で上位の貯留タンク50に供給することよって水資源の有効利用と水道料金の節約が図れるものである。
【0055】
汲み上げポンプ53は、最下位の分割式または分離式貯留タンク54,55から洗浄水Sを吐出ポンプ配水管57によって吐出するもので、大便の場合は吐出時間を長く設定し、小便の場合は吐出時間を短く設定して洗浄水Sの吐出量を調節するものである。また、フラッシュバルブやダイレクトバルブなどの電磁噴出バルブを使用していないのでタンク音やバルブ開閉衝撃音などが解消されるため静寂性の高い節水トイレの提供が可能になる。
【0056】
オーバーフロー管56は、U字管状のトラップを配設して下水管臭気を遮断し、集合桝ケース30の回動トラップ管20の回動動作に影響されない位置に任意に連結される。
【0057】
大気通気管58は、メインの貯留タンク50と並行して分割式または分離式貯留タンク54,55の上方に連結されて設けられるもので、その大気通気口はメインの貯留タンク50の水頭位置より高い位置の便器本体10の任意の場所に設けられる。
【実施例7】
【0058】
図7は、本発明のロータリートラップ式節水トイレの請求項5記載の実施形態を示す説明図である。
洗浄水Sは、水道管Hから電磁開閉バルブ16をフロートスイッチ51で制御して供給される外に、手洗い排水管60、雨水配水管61、汲み上げ配水管62、洗濯機濯ぎ排水管64の何れかまたは組み合わせてそれらを屋外貯留タンク66に一旦集約し、汲み上げポンプ65で最上位の貯留タンク50に供給する。
【0059】
手洗い排水管60は、トイレ室内に設けられる手洗い便器から排出される使用済みの手洗い水を有効利用するために屋外貯留タンク66(最上位の貯留タンク50に直接連結可)に一旦集約し、汲み上げポンプ65で最上位の貯留タンク50に供給する手段を採ることができるもので、必要以上の手洗い水は、オーバーフロー管56を通して下水排水管73または外部に排出される。
【0060】
雨水配水管61は、一戸建て住宅の屋根の軒先に設けられる雨どいから供給される雨水を有効利用するために屋外貯留タンク66に一旦集約し、汲み上げポンプ65で最上位の貯留タンク50に連結される。また大雨などの場合は、途中に止栓コック17を設けて給水を強制的に停止することができる。
【0061】
汲み上げポンプ管62は、貯留タンクやお風呂の残り湯を再利用するもので、それ以外に一戸建て住宅で使用される雨水、地下水、引込用水などは、屋外貯留タンク66に一旦集約し、汲み上げポンプ65で最上位の貯留タンク50に供給するものである。
【0062】
洗濯機濯ぎ排水管64は、洗濯機の洗剤を含んだ洗濯水と濯ぎ水を電磁切替バルブ17で切替えて屋外貯留タンク66に一旦集約し、汲み上げポンプ65で最上位の貯留タンク50に供給することで、更なる大きな節水効果が実現できる。
【0063】
本発明のロータリートラップ式節水トイレの使用例を説明する。
(1)最上位の貯留タンク50には、洗浄水Sが手洗い排水管60、雨水配水管61、汲み上げ配水管62、洗濯機濯ぎ排水管64の何れかまたは組み合わせてそれらを屋外貯留タンク66に一旦集約し、汲み上げポンプ65で最上位の貯留タンク50に供給する。さらに洗浄水Sが必要とされる場合は、最上位の貯留タンク50のフロートスイッチ51が働き、水道管Hに直結される電磁開閉バルブ16と電磁切替バルブ17が作動して水道水が最上位の貯留タンク50に補充される。
(2)この時の洗浄水Sは最下位の分割式または分離式貯留タンク54,55から順次貯められ、最上位の貯留タンク50のフロートスイッチ51で設定された水頭位置で停止する。
(3)必要以上の洗浄水Sの制限手段は、洗濯機濯ぎ排水管64からの洗浄水Sは電磁切替バルブ17で切り替えられ、水槽タンクやお風呂の浴槽からの洗浄水Sとなる水は、汲み上げポンプ65が停止され、手洗い排水管60と雨水配水管61からのとなる水は洗浄水Sは、屋外貯留タンク66に一旦集約してオーバーフローされる。
(4)便器ボウル40と回動トラップ管20の排水連結管45内に洗浄水Sが開口口23の頭水面Laまで貯留された状態で待機され、その状態で使用者が用便を足す。
(5)排便された汚物Gは、便器ボウル40のボウル排水管41の底面に沈殿する。
(6)使用者によって洗浄スイッチが押される。
(7)回動トラップ管20が回転装置11によって下向き方向(半回転)に回動することで、汚物Gと洗浄水Sは略L字形に屈曲した回動トラップ管20の開口口23が下向きの状態になって集合枡ケース30内に排出され、数秒後、回動トラップ管20は、さらに上向き方向(半回転)に回動しながら元の位置に戻って停止する。
(8)排出された洗浄水Sと汚物Gは、集合枡ケース30内を通って汚物排水口32から汚物排水管71,72へ排出される。
(9)最下位の分割式または分離式貯留タンク54,55に設けられている汲み上げポンプ53の動作スイッチが入り、便器ボウル40のリム吐出口42から洗浄水Sがタイマー設定によって一定量吐出される。
(10)最上位の貯留タンク50の洗浄水Sの補充は、分割式または分離式貯留タンク54,55が連結管52で連結されて一体化しているため、最上位の貯留タンク50のフロートスイッチ51で設定された水頭位置まで手洗い排水管60、雨水配水管61、汲み上げ配水管62、洗濯機濯ぎ排水管64の何れかまたは組み合わせてそれらを屋外貯留タンク66に一旦集約し、汲み上げポンプ65で最上位の貯留タンク50に洗浄水Sが補充される。
(11)(10)で補充される洗浄水Sが不足する場合、水道管Hに直結される電磁開閉バルブ16と電磁切替バルブ17が作動して水道水が最上位の貯留タンク50に水道水が補充される。
(12)リム吐出口42から吐出された洗浄水Sは、便器ボウル40と回動トラップ管
20の排水経路内に貯留される。
(13)再び使用者によって洗浄スイッチが押されてトイレの使用が繰り返される。
【実施例8】
【0064】
図8は、本発明のロータリートラップ式節水トイレの請求項6記載の実施形態を示す説明図である。
水道管H直結の電磁開閉バルブ16から直接連結される分離式貯留タンク55が、取り外しならびに持ち運び可能な緊急非常用の貯留タンク68とすることで、日常的にはトイレ用の洗浄水貯留タンクとして使用し、緊急非常事態時は、取り外して持ち運び可能な緊急非常用の貯留タンク68として利用できる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明のロータリートラップ式節水トイレの貯留タンクにおける雨水ならびに生活排水を再利用する方法は、都市計画における水資源施設の有効利用に繋がり、また水道管に直結する分離式貯留タンクを備えることによって、非常災害時の緊急飲料水として使用することができるものである。また洗濯機の機能搭載において、洗濯水の洗剤を含んだ排水と濯ぎ水とを切替える機能が洗濯機に装備されるようになれば、さらなる節水効果が実現されることになるもので、また冒頭の東京都の一般家庭水使用目的調査による家庭での水道水の使われ方は、トイレ28%、風呂24%、炊事23%、洗濯16%、洗顔・その他9%を示していることから、単純にトイレ28%+風呂24%+洗濯16%合計すると、使用される水道水は68%になり、その他雨水の利用など含めると少なくとも家庭で使用される60%前後の生活排水がトイレ用の洗浄水として使用することができるものであり、本発明によるロータリートラップ式節水トイレの産業上の利用可能性は極めて高いものと解する。
【符号の説明】
【0066】
10 便器本体
11 回転装置
12 スライド機構
13 スライド回転軸
14 手回しハンドル
15 付勢手段
16 電磁開閉バルブ
17 電磁切替バルブ
18 止栓コック
19 角度調整台
20 回動トラップ管
21 回動トラップ
22 トラップ部
23 開口口
24 凹凸部または螺子部
25 スライド機構穴
30 集合枡ケース
31 フランジ
32 汚物排水口
33 軸受け穴部
34 下方隅部
35 斜面
36 汚物避けカバー
40 便器ボウル
41 ボウル排水管
42 リム吐出口
43 フランジ
44 ボウル排水口
45 排水連結管
46 フランジ
47 挿入管部
48 凹凸溝または螺子部
50 貯留タンク
51 フロートスイッチ
52 連結管
53 汲み上げポンプ
54 分割式貯留タンク
55 分離式貯留タンク
56 オーバーフロー管
57 吐出ポンプ配水管
58 大気通気管
60 手洗い排水管
61 雨水配水管
62 汲み上げ配水管
64 洗濯機濯ぎ排水管
65 汲み上げポンプ
66 屋外貯留タンク
67 水道水供給管
68 緊急非常用の貯留タンク
71 床下汚物排水管
72 壁側汚物排水管
73 下水排水管
H 水道管
S 洗浄水
G 汚物
K 壁
F 床下
La 水頭面
Lb 水頭面
α 傾斜角
β 開口口傾き角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器ボウルと、排水連結管と、回動トラップ管と、回転装置と、集合枡ケースと、で構成されるロータリートラップ式節水トイレであって、
前記便器ボウルには、底部後方にフランジを有するボウル排水管を設け、
前記排水連結管は、前記ボウル排水管と前記集合枡ケースに連結するためのフランジを設け、下流方向の外周部には凹凸溝または螺子部を備えた挿入管部を延設して形成し、
前記回動トラップ管は、略L字形に屈曲した形状であって、下流側端部は上向きに開口した開口口を設け、上流側端部には前記排水連結管の凹凸挿入部に回動可能に連結するための凹凸溝または螺子部を形成し、
前記排水連結管の上流方向から下流方向に中心軸を延長する回動トラップ管の中心軸外側にスライド機構と付勢手段を突設して配設し、
前記回転装置は、回転軸先端部に前記スライド機構と前記付勢手段とを有して前記回動トラップ管の前記スライド機構と前記付勢手段に係合し、
前記集合枡ケースは、上流方向中央に前記排水連結管と連結するためのフランジを設け、後方中央には前記回転装置を連通させる軸受け穴部を設け、底面には汚物排水口を下向きに開口する構成に形成し、
前記便器ボウルと、前記排水連結管と、前記回動トラップ管と、前記回転装置と、前記集合枡ケースとを連結することで、前記スライド機構と前記付勢手段によって前記回動トラップ管の凹凸溝または螺子部を前記排水連結管の凹凸溝または螺子部に付勢させて密封当接状態を維持しつつ、前記回動トラップ管が前記回転装置によって下向き方向に回動することで洗浄水ならびに汚物が前記集合枡ケースの汚物排水口から排出されることを特徴とするロータリートラップ式節水トイレ。
【請求項2】
前記集合枡ケースの前記汚物排出口が下流方向の後方側面横向きに開口していることを特徴とする請求項1記載のロータリートラップ式節水トイレ。
【請求項3】
前記便器ボウルと、前記排水連結管と、前記回動トラップ管と、前記回転装置と、前記集合枡ケースと、が上流方向から下流方向にかけて傾斜角を有して暖勾配配管状に連結されることを特徴とする請求項1または請求項2記載のロータリートラップ式節水トイレ。
【請求項4】
便器本体内に設けられた分割式貯留タンクと、便器本体外に設けられた分離式貯留タンクと、を連結管で連結して一体化し、
最上位に位置する貯留タンク内の洗浄水の水位をフロートスイッチで管理し、
洗浄水を最下位に位置する貯留タンクから汲み上げポンプによって前記便器ボウルのリム吐出口から吐出することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか記載のロータリートラップ式節水トイレ。
【請求項5】
前記貯留タンクに手洗い排水管、または雨水配水管、または汲み上げ配水管、または洗濯機濯ぎ排水管の何れかまたは組み合わせてそれらを屋外貯留タンクに一旦集約し、汲み上げポンプで最上位の貯留タンクに供給することを特徴とする請求項1から請求項4の何れか記載のロータリートラップ式節水トイレ。
【請求項6】
水道管直結電磁開閉バルブから直接連結される前記分離式貯留タンクが、取り外しならびに持ち運び可能な緊急非常用の貯留タンクであることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか記載のロータリートラップ式節水トイレ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−150920(P2010−150920A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2010−49225(P2010−49225)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(597116252)
【Fターム(参考)】