説明

ロープの熱処理方法、熱処理設備およびロープ

加熱温度を飛躍的に高くでき、得られたロープの強度を大きく向上できること、合成繊維ロープ全般のみならず異種原材を用いた複合ロープにも適用できること、精密な温度制御が可能であり、製綱機への組み込みを可能としたロープ熱処理技術を提供する。高温の水蒸気を生成し供給する水蒸気供給部Bと、供給された水蒸気によってロープRの周囲に高温高湿度雰囲気を作る熱処理チャンバ1と、熱処理チャンバ1に通されているロープRを順送りしながら張力をかけるロープ処理部10とからなる。高温の水蒸気雰囲気中で、ロープRに張力をかけると、ロープRの強度と耐摩性が向上する。とくに、超高分子量ポリエチレン製のロープに、その効果が顕著である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、ロープの熱処理方法、熱処理設備およびロープに関するものである。さらに詳しくは、種々の産業分野で利用される合成繊維を主材とするロープの熱処理方法、その方法に用いる設備、その方法で作られたロープに関するものである。
【背景技術】
繊維原糸からロープになるまでの工程は、主につぎのとおりである。
(1)原糸をヤーン、ストランド、ロープに加工する撚り線工程
(2)ストランド及び撚り上ったロープに対する樹脂加工並びに乾燥工程
(3)繊維ロープの形崩れ等を防止する熱処理工程
(4)原料、工程、製品等の検査工程
上記のうち繊維製ロープの性能は、原料繊維の性能にほとんど依存するのであるが、樹脂加工並びに乾燥工程や熱処理工程も、(イ)ロープの直径や長さを均一にする、(ロ)ロープの伸びをある程度増減する、(ハ)ロープを使いやすい硬さにする、という目的で重要な工程である。
ただし、上記の熱処理工程に関しては、原糸の種類によって、必要な場合と不要な場合のあることが知られている。
すなわち、「ナイロンロープとポリエステルロープは撚りをかけただけでは元に戻るので、ロープの撚りを安定化させ型崩れを防ぐために熱処理が必要であり、ポリエチレンロープとポリプロピレンロープは、とくに熱処理はしなくてよい。」というのが現在の技術常識である(非特許文献1参照)。
さて、上記の熱処理の方法であるが、従来より、誘電加熱方式や熱水浸漬方式が用いられている(非特許文献2参照)。
誘電加熱方式は、高周波電磁場の電気力によってロープ内の分子に回転振動を与え、隣接分子間の摩擦によって生ずる熱を利用して加熱する方法である。最高温度は130〜150℃に達し、太いロープであっても、その内側および外側とも均一に加熱することができる。ただし、ナイロンやポリエステルには適用できるが、分子に極性のないポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系繊維、鋼線、鉛等を用いた複合ロープには適用できない。
また、熱処理装置の設備面では、発振部と負荷(ロープ)との整合が処理能力を左右する、ロープサイズの範囲内で電極構造や容量を専用化しなければならない、熱処理温度の計測ができないので精密な温度制御ができない、等の欠点がある。
熱水浸漬方式は、ヒーターや蒸気で加熱して得た高温水のバス内でロープを浸漬する方式である。ただし、この方式の加熱温度は最高で100℃以下にしかならず、ポリエチレン等の軟化点の低いものしか処理対象にできない。
また、熱処理装置の設備面では、熱処理に要する時間分は浸漬(延伸状態)しなければならないので装置化が大掛かりになる、乾燥処理が必要である、等の欠点がある。
【非特許文献1】平凡社大百科事典15巻1196頁 1985年6月28日初版発行 平凡社
【非特許文献2】ロープ類の知識 平成5年8月28日改訂初版発行 東京タンカー(株)海務部編 (株)成山堂書店
【発明の開示】
本発明は上記事情に鑑み、加熱温度を飛躍的に高くでき、得られたロープの強度や耐摩耗性を大きく向上できること、合成繊維ロープ全般のみならず異種原材を用いた複合ロープにも適用できること、精密な温度制御が可能であり、製綱機への組み込みを可能としたロープ熱処理技術を提供することを目的とする。
第1発明のロープの熱処理方法は、高温の水蒸気雰囲気中で、ロープに張力をかけることを特徴とする。
第1発明の熱処理方法によれば、水蒸気は最高で1000℃位までの高温に加熱することが可能なので、ロープ素子の引き揃え効果が高くなり、ロープ強度と耐摩耗性が向上する。また、合成繊維ロープ全般はもとより異種原材を用いた複合ロープにも適用できる。さらに、水蒸気は精密な温度制御が可能であることから、原糸の種類に応じた温度を選択できる。またほぼ完全な無酸素雰囲気となるので炭化が生じない。
第2発明のロープの熱処理設備は、高温の水蒸気を生成し供給する水蒸気供給部と、供給された水蒸気によってロープの周囲に高温高湿度雰囲気を作る熱処理チャンバと、該熱処理チャンバに通されているロープを順送りしながら張力をかけるロープ処理部を備えた熱処理装置とからなることを特徴とする。
第2発明の熱処理設備によれば、第1発明の効果を奏することに加え、熱処理部と蒸気供給部を分離して熱処理部のみ製綱機に組込むことができるので、撚り線と熱処理の一貫処理設備が可能となり、製造設備の省スペース化ができる。
第3発明のロープは、撚り線工程により得られた合成繊維製のロープ、または合成繊維に異種原料を混合したロープを、高温の水蒸気雰囲気中で、張力をかけて熱処理されたことを特徴とする。
第3発明のロープは、第1発明の効果を反映した結果、強度と耐摩耗性の大きく向上した長所を有する。
第4発明のロープは、第3発明において、前記ロープが、ポリエチレンを主材とするものであることを特徴とする。
第4発明によれば、熱処理を必要としないとされてきた技術常識に反して、熱処理を行うことによって、引張強度の向上したポリエチレン製のロープが得られる。
第5発明のロープは、第3発明において、前記ロープが、超高分子量ポリエチレンを主材とするものであることを特徴とする。
第5発明によれば、熱処理温度を適切に選択することにより、引張強度と耐摩耗性が顕著に向上した超高分子量ポリエチレンロープとなる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明に係る熱処理方法の原理図である。
図2は、本発明の熱処理設備における熱処理装置Aの説明図である。
図3は、本発明の熱処理設備の回路図である。
図4は、磨耗試験の説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1は本発明に係る熱処理方法の原理図である。
1は熱処理チャンバであり、両端にロープが通る開口のあいた筒状部材である。この熱処理チャンバ1内には過熱化された水蒸気が常圧で注入される。水蒸気の温度は、最高1000℃位までであるが、通常は500℃位までで使用される。
この熱処理チャンバ1内の過熱水蒸気雰囲気中を、ロープRを張力をかけながら通過させていくと、熱処理が行える。
本発明の熱処理方法が適用できるロープは、合成繊維製ロープ全般である。また合成繊維に、異種原材を組合わせた複合ロープにも適用できる。
合成繊維系のロープ材料としては、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ビニロン、ポリ塩化ビニル、ビニリデン、ポリウレタン、ポリクラール、ベンゾエート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどである。
合成繊維原材料に組合わせられる異種原料としては、金属や鉛、その他種々の材料がある。
とくに、ポリエチレンロープとポリプロピレンロープについては、従来より熱処理の必要がないと認識されていたものであるが、本発明の従来常識を覆す知見により、熱処理温度を適切に選択することにより、引張強度と耐摩擦力が得られるという顕著な効果を得たものである。
水蒸気は常圧で1000℃位までの高温に加熱することが可能であり、500℃位までなら無理なく加温できる。このように高温で加熱すれば加熱するほど、ロープに加えられる外力がロープ内各部に均一に作用することになるので、ロープ素子の引き揃え効果が高くなって、ロープ強度が向上する。とくに、ポリエチレンロープとポリプロピレンロープについては、上記のごとく従来は熱処理そのものが必要ないとされていたのであるが、後に実施例で詳述するごとく、引張強度の向上効果が認められ、さらに超高分子量ポリエチレン製ロープについては、耐摩耗性の向上も認められるのである。
また、水蒸気による加熱は、材料による制約がないので、合成繊維ロープ全般はもとより、これに異種原材を組合わせた複合ロープにも適用できる。
さらに、水蒸気は精密な温度制御が可能であることから、原糸の種類に応じた最適の加熱温度を選択できる。またほぼ完全な無酸素雰囲気となるので、ロープが炭化する事故も生じない。
図2は本発明の熱処理設備における熱処理装置Aの説明図である。
熱処理装置Aの主たる構成要素は熱処理チャンバ1であり、この熱処理チャンバ1は、筒状のチャンバ1aと、その両端に取付けたシール金具1bからなる。シール金具1bはロープRを通すと共に、チャンバ1a内をできるだけ気密するために用いられている。ロープRは、シール金具1bを通してチャンバ1a内に入れられる。
熱処理チャンバ1には、水蒸気供給管2が接続されており、この水蒸気供給管2には開閉弁3が介装されている。この開閉弁3は手動式で、熱処理作業の始めと終わりに水蒸気の入り切りを制御するために用いられている。
4は、後述する蒸気供給部B側と接続するためのカプラである。
前記チャンバ1aには、圧縮空気導入用の開閉弁5が取付けられている。この開閉弁5は熱処理チャンバ1の強制冷却用であり、例えば熱処理作業中の寸停時などにチャンバ温度を下げるため等に使用される。
6は、2カ所のシール金具1bに接続された吸引管で、処理済み水蒸気を回収して原水に戻すために設けられている
10はロープ処理部で、つぎのように構成されている。
前記熱処理チャンバ1の入口付近には、入側のキャプスタンロール11が設置されている。このキャプスタンロール11は、2本のシーブ12,13が一組になったもので、ロープRを数回分巻き掛けて、引張りに対する抵抗力をもたせたものである。また、熱処理チャンバ1の出口付近には、出側のキャプスタンロール14が設置されている。このキャプスタンロール14は、2本のシーブ15,16が一組になったもので、ロープRを数回分巻き掛けて、引張りに対する抵抗力をもたせたものである。
入側のキャプスタンロール11に巻き掛けたロープRをガイドシーブ17で案内して、熱処理チャンバ1内に通し、出てきたロープRを出側のキャプスタンロール14で巻き取るようにし、出側のキャプスタンロール14の巻取量を入側のキャプスタンロール11より多くすれば、ロープR張力を掛けながら、連続的に通していくことができる。
本装置は、上記のようにチャンバとキャプスタンロール等で構成されるコンパクトなものなので、製綱機Sの出側に設置することが可能であり、同一ライン上に組み込んで、生産効率を高めることができる。
なお、出側のキャプスタンロール14に巻き取った熱処理済みのロープRは適宜の場所に設置した巻取ドラム18に巻き取ればよく、その後検査工程に送られることになる。
図3は本発明の熱処理設備の回路図であり、大きくは熱処理装置Aと蒸気供給部Bとから構成されている。
熱処理装置Aの機械的構成は前記のとおりであり、回路的構成を補足しておくと、つぎのとおりである。
熱処理チャンバ1に接続されている吸引パイプ6には吸引ファン7が接続され、この吸引ファン7で熱処理チャンバ1内の処理済み水蒸気を吸引するようになっている。吸引された水蒸気は、そのまま放出してもよく、冷却水やボイラ供給水として再利用してもよい。
前記熱処理チャンバ1には電熱線によるヒータ8が取付けられている。このヒータ8は、熱処理チャンバ1の立上げ時に加温したり、供給水の水蒸気温度が低下しないように保温するものである。9はヒータ8の給電路に介装されたサーモスタットである。
つぎに、蒸気供給部Bを説明する。
21はボイラであって、供給された水を加熱して、水蒸気を生成する。この水蒸気は減圧弁22によって、圧力を約0.4MPaから約0.05MPa程度に下げられ、ヘッダ23に供給される。電磁弁24は加熱器25への水蒸気の供給・遮断を制御する。加熱器25には高周波発振機26が付設されており、電磁誘導加熱により水蒸気を直接加熱し、より高温にする。この結果、過熱水蒸気が得られる。過熱水蒸気の温度は、最高で1000℃位になるが、通常は500℃程度で運用される。この温度制御は、高周波発振機26の出力調整等で、精密に実行することが可能である。
前記加熱器25には、冷却水を通す冷却パイプ27が取付けられている。この冷却パイプ27の水量によって加熱器25が限度以上に昇温するのを防止している。加熱器25から出て熱処理チャンバ1へ過熱水蒸気を送る蒸気管路29は、パイプあるいはホース等で構成され、前記カプラ4を介して、前記水蒸気供給管2に接続されるようになっている。
28は、前記冷却パイプ27と前記ボイラ21に水を供給する冷却水ポンプである。冷却水は図示しない給水タンクから取水し、また加熱器25を冷却した水は給水タンクへ返される。
本実施形態の蒸気供給部Bは、上記の構成となっているので、ボイラ21からの蒸気供給量と加熱器25の加熱量を加減することにより、広い温度範囲の加熱水蒸気を作ることができる。たとえば、最高は1000℃までであるが、通常の操作条件でも500℃位は可能であるので、種々の素材のロープに対し、最適の温度範囲を適用して熱処理することができる。
また、電磁弁24の開度量と加熱器25の加熱温度は、微妙に調整することができるので、熱処理チャンバ1へ供給する水蒸気温度の精密な制御も可能である。よって、ロープの品質管理も高度に行えることになる。
さらに、蒸気供給部Bは、熱処理装置Aに対し、カプラ4で接続できるので、蒸気供給部Bを熱処理装置Aに対しどのように離れた位置においてもよいので、設備レイアウトの自由度が向上する。このためもあって、既述のごとく、熱処理装置Aを製綱機の出側に設置することが可能となっている。
つぎに、本発明により得られたロープの性能試験として、引張強度と耐摩耗性の試験を行ったので、その結果をつぎに説明する。
性能試験に供したロープは、ポリプロピレン製ロープ(実施例1)と超高分子量ポリエチレン製ロープ(実施例2)であり、その仕様は下表1のとおりである。
なお、超高分子量ポリエチレンはポリエチレンの一種であり、化学構造が(−CH−CH−)[分子量:約400万、−CHが約30万単位連結]で表わされ、密度が0.97g/cmのものである。例えば、東洋紡績株式会社製の商品名「ダイニーマ」などがある。
【表1】

なお、上記表1において、Dは繊度の単位デニールを意味し、「打」はストランド数を示している。
(引張試験)
前記実施例1,2について3回の引張試験を行った(試験例1〜3)。各試験例1〜3の結果と平均値は下表2のとおりである。
【表2】

なお、上記表2において、KNとは引張力の単位キロニュートンである。
上記の結果から、以下のことが分かる。
(1)実施例1,2に共通するが、無処理ロープに対して熱処理されたロープは、どの加熱温度の場合も、引張強度が向上している。これは加熱延伸されることにより撚り糸の引き揃え効果が高くなったことによると考えられる。
(2)実施例1のポリプロピレン製ロープは、無処理に対し熱処理した場合の引張強度向上は認められるが、処理温度相互間の引張強度の相違は認められない。
(3)実施例2の超高分子量ポリエチレン製ロープは、無処理に対し熱処理した場合の引張強度向上が認められる点は実施例1と同様であるが、これに加え、熱処理温度間の相違が認められる。すなわち、熱処理温度115℃に比較し140℃処理ではさらに10%強の引張強度の向上が認められる。
(磨耗試験)
磨耗試験は、図4に示す摩耗試験機を用いて行った。ロープRの途中を、390mmの間隔をあけて配置した2個のガイドローラ31,32に渡し掛け、ロープRの一端を直径550mmの円板33に取付け、ロープの他端に10kgの重鍾34を取付けた。2個のガイドローラ31,32の間に摩擦面を設置し、前記円板31をモータで回転させ、ロープRに500mmのストロークで往復させた。
摩擦面は、4mm×50mmの2本のアングル材35,36を並べて、一方のアングル材36の上面には、サンドペーパー37(80番)を置き、ロープRをアングル材35のエッジとサンドペーパーで摩擦するようにしたものである。
試験要領は、つぎのとおりである。
ストロークが500mmで、1分間に8往復させ、ロープRが1往復する毎に新しい面が接するようにサンドペーパー37を移動させ、各250回往復させた。
なお、ロープRより発生する摩擦熱を冷却させる目的で工業用扇風機で常時冷却し、湿度による接触面の乾燥の均一を図る目的で工業用ドライヤー工業用扇風機を使用した。試験機の構造上ロープRの接触面は同一面上を接触させた。
上記磨耗試験を5回行い(試験例1〜5)、試験後の引張強度(以下、残存強度という)を各試験例1〜5について計測した。それぞれの結果と平均値は、下表3のとおりである。
【表3】

上記の結果から、以下のことが分かる。
(1)実施例1のポリプロピレン製ロープでは、熱処理の有無によって残存強度の違いはほとんど認められず、残存率(試験前の引張強度に対する試験後の引張強度の割合)も47〜53%で有意差は認められないものである。
(2)実施例2の超高分子量ポリエチレン製ロープは、無処理に対し熱処理温度115℃のロープで1.1〜1.2倍に強度向上が認められるが、注目すべきは、熱処理温度140℃の場合で、実に1.5倍以上に残存強度が向上していることである。このように、とくに超高分子量ポリエチレン製のロープでは、本発明の熱処理による耐摩耗性の向上が顕著に認められるのである。
この根拠としては、ロープ原料の融点以上に高温にできることから、ロープの表面(樹脂も含む)が溶け、その後冷却することにより、ロープ表面が硬化することによるものと考えられる。
すなわち、実施例2のロープは、撚り線工程においても、ストランドの状態とロープの状態のときにポリウレタンなどの樹脂を含浸させている。ロープの摩擦による切断は、繊維間の摩擦として発現して切れにつながるのであるが、含浸させた樹脂が融点を異にしていることにより、繊維の摩擦により生じた熱の移動が生じて冷却作用が生じることから、耐摩性が向上しているのである。これに加え、本発明の熱処理を行うと、上記の理由で耐摩耗性がさらに向上するものと考えられる。
【産業上の利用可能性】
本発明は陸上用や海上用など、あらゆる産業分野のロープに利用できる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温の水蒸気雰囲気中で、ロープに張力をかけることを特徴とするロープの熱処理方法。
【請求項2】
高温の水蒸気を生成し供給する水蒸気供給部と、供給された水蒸気によってロープの周囲に高温高湿度雰囲気を作る熱処理チャンバと、該熱処理チャンバに通されているロープを順送りしながら張力をかけるロープ処理部を備えた熱処理装置とからなることを特徴とするロープの熱処理設備。
【請求項3】
撚り線工程により得られた合成繊維製のロープ、または合成繊維に異種原料を混合したロープを、高温の水蒸気雰囲気中で、張力をかけて熱処理されたことを特徴とするロープ。
【請求項4】
前記ロープが、ポリエチレンを主材とするものであることを特徴とする請求項3記載のロープ。
【請求項5】
前記ロープが、超高分子量ポリエチレンを主材とするものであることを特徴とする請求項3記載のロープ。

【国際公開番号】WO2005/024110
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【発行日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−508783(P2005−508783)
【国際出願番号】PCT/JP2003/011274
【国際出願日】平成15年9月3日(2003.9.3)
【出願人】(593126019)高木綱業株式会社 (6)
【Fターム(参考)】