説明

ロープガイド装置

【課題】構造を簡単にでき、環境に配慮可能で、メンテナンス性にも優れたロープガイド装置を提供する。
【解決手段】立設したパイプ柱13、14内に配置した軸受部材37、39に基部が固定されて開閉し、先部に軸受42、44を介して回転自在に配置された回転軸43、45を備えるアーム40、41と、回転軸43、45に装着されたタイヤ47、48と、回転軸43、45の動力伝達車59、60と軸受部材37、39に配置され回転動力源49、50の出力軸51に取付けられた動力伝達車57、58を連結する無端動力伝達部材61、62と、パイプ柱13、14を連結する前補強材15及び後カバー材16に取付けられた前ガイド部材21及び後ガイド部材22とを有し、タイヤ47、48は、挟持したロープ12を後から前へ送り出すように回転動力源49、50によって駆動され、その回転によってアーム40、41のなす角度が180度に近づく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、タグボートなどにおいて使用されるロープガイド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タグボート等で他の船を牽引する場合には、一般に曳航用の大径のロープが使用されている。このロープは通常、タグボート上に配置したウインチに巻回されて保持されており、ウインチの前方に設置されたロープガイド装置のガイド孔を介して、その繰出しや巻取りの操作がなされている。
このロープガイド装置として、例えば、特許文献1には、ロープを案内する挿通孔が設けられた架台と、架台の内部に設けられ、左右からロープを弾性的に挟持し、それぞれ油圧モータによって回転駆動されるタイヤ(ローラ)と、この左右のタイヤを開閉し、ロープの押圧又はその解除を行う開閉駆動機構とを有する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3131132号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のロープガイド装置は、左右のタイヤの回転駆動と開閉を、異なる場所に配置された別々の機構で行っていたため、複数のリンク機構が必要となり構造が複雑になっていた。このため、タグボートの曳航作業を終えた後、甲板上では、ロープガイド装置に海水を放水して洗浄するが、その際、ピンや軸受などの露出した部品に給脂したグリースが流れ出てしまう恐れがあった。また、洗浄の際に飛散したグリースが、回収するロープに付着する可能性もあり、このロープを再度海に投入したときに、脂分が海面に浮くという恐れもあった。更に、ロープガイド装置の構造が複雑であるため、メンテナンス等の作業性が悪かった。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、構造を簡単にでき、環境に配慮可能で、メンテナンス性にも優れたロープガイド装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的に沿う第1の発明に係るロープガイド装置は、対となって平行に立設された第1、第2のパイプ柱と、
前記第1、第2のパイプ柱内にそれぞれ回動可能に配置された第1、第2の軸受部材に基部が固定されて開閉し、先部には第1、第2の軸受を介して回転自在に配置された第1、第2の回転軸を備える第1、第2のアームと、
前記第1、第2の回転軸にそれぞれ装着され、前記第1、第2のアームが前記第1、第2のパイプ柱の間にあって対向配置される第1、第2のタイヤ(ローラ)と、
前記第1の回転軸の一端部に取付けられた第1の動力伝達車と、前記第1の軸受部材と同心上に配置された第1の回転動力源の出力軸に取付けられた第2の動力伝達車を連結する第1の無端動力伝達部材と、
前記第2の回転軸の一端部に取付けられた第3の動力伝達車と、前記第2の軸受部材と同心上に配置された第2の回転動力源の出力軸に取付けられた第4の動力伝達車を連結する第2の無端動力伝達部材と、
前記第1、第2のパイプ柱の前側を連結する前補強材に取付けられ、前記第1、第2のタイヤの間を挿通されるロープをガイドする前ガイド部材と、
前記第1、第2のパイプ柱の後側を連結する後カバー材に取付けられ、前記第1、第2のタイヤの間を挿通される前記ロープをガイドする後ガイド部材とを有し、
前記第1、第2のタイヤは、挟持した前記ロープを後から前へ送り出すように前記第1、第2の回転動力源によって駆動され、しかも、前記第1、第2の回転動力源の回転によって、前記第1、第2のアームのなす角度が180度に近づく。
【0007】
第1の発明に係るロープガイド装置において、前記第1、第2の軸受部材には、それぞれ第1、第2の回動駆動手段が連接されて、前記第1、第2のアームの角度又は付勢方向を調整可能であるのがよい。
ここで、前記第1、第2の回動駆動手段は、それぞれフランジ取付け型のロータリアクチュエータであって、前記第1、第2のパイプ柱の中間位置に配置された第1、第2の支持板材にフランジ取付けされ、前記第1、第2の回動駆動手段の出力軸に装着された第1、第2の繋ぎ軸材が前記第1、第2の軸受部材にそれぞれ連結され、更に、前記第1、第2の軸受部材に、前記第1、第2の回転動力源に連結される第1、第2の中間軸が回転自由にそれぞれ取付けられ、該第1、第2の中間軸を介して前記第2、第4の動力伝達車が前記第1、第2の回転動力源にそれぞれ取付けられてもよい。
【0008】
第1の発明に係るロープガイド装置において、前記第1、第2の軸受部材及び前記第1、第2の軸受には、内部の油の流出を止めるオイルシールがそれぞれ設けられていることが好ましい。
また、第1の発明に係るロープガイド装置において、前記第1、第2のアームは前記第1、第2のパイプ柱の中間より上位置に設けられ、更に、前記第1、第2のパイプ柱の間の前記第1、第2のタイヤの直下には、前記ロープを伝って侵入する水を溜めるドレーン抜き付きの貯水部が設けられていることが好ましい。
そして、第1の発明に係るロープガイド装置において、前記後ガイド部材は、リング状のガイドと、該ガイドの下後側位置に配置された水平ローラ又は水平パイプとを有するのがよい。
【0009】
前記目的に沿う第2の発明に係るロープガイド装置は、対となって平行に立設された第1、第2のパイプ柱と、
前記第1、第2のパイプ柱内にそれぞれ回動可能に配置された第1、第2の軸受部材に基部が固定されて開閉し、先部には第1、第2の回転動力源を備える第1、第2のアームと、
前記第1、第2の回転動力源の出力軸にそれぞれ装着され、前記第1、第2のアームが前記第1、第2のパイプ柱の間にあって対向配置される第1、第2のタイヤ(ローラ)と、
前記第1、第2のパイプ柱の前側を連結する前補強材に取付けられ、前記第1、第2のタイヤの間を挿通されるロープをガイドする前ガイド部材と、
前記第1、第2のパイプ柱の後側を連結する後カバー材に取付けられ、前記第1、第2のタイヤの間を挿通される前記ロープをガイドする後ガイド部材とを有し、
前記第1、第2のタイヤは、挟持した前記ロープを後から前へ送り出すように前記第1、第2の回転動力源によって駆動され、しかも、前記第1、第2の回転動力源の回転によって、前記第1、第2のアームのなす角度が180度に近づく。
【0010】
前記目的に沿う第3の発明に係るロープガイド装置は、対となって平行に立設された第1、第2の柱材と、
上下に間隔を有し対となって平行に配置され、しかもその両側が前記第1、第2の柱材に取付けられた第1、第2のパイプ柱と、
前記第1、第2のパイプ柱内にそれぞれ回動可能に配置された第1、第2の軸受部材に基部が固定されて開閉し、先部には第1、第2の軸受を介して回転自在に配置された第1、第2の回転軸を備える第1、第2のアームと、
前記第1、第2の回転軸にそれぞれ装着され、前記第1、第2のアームが前記第1、第2のパイプ柱の間にあって対向配置される第1、第2のタイヤ(ローラ)と、
前記第1の回転軸の一端部にそれぞれ取付けられた第1の動力伝達車と、前記第1の軸受部材と同心上に配置された第1の回転動力源の出力軸に取付けられた第2の動力伝達車を連結する第1の無端動力伝達部材と、
前記第2の回転軸の一端部にそれぞれ取付けられた第3の動力伝達車と、前記第2の軸受部材と同心上に配置された第2の回転動力源の出力軸に取付けられた第4の動力伝達車を連結する第2の無端動力伝達部材と、
前記第1、第2のパイプ柱の前側を連結する前補強材に取付けられ、前記第1、第2のタイヤの間を挿通されるロープをガイドする前ガイド部材と、
前記第1、第2のパイプ柱の後側を連結する後カバー材に取付けられ、前記第1、第2のタイヤの間を挿通される前記ロープをガイドする後ガイド部材とを有し、
前記第1、第2のタイヤは、挟持した前記ロープを後から前へ送り出すように前記第1、第2の回転動力源によって駆動され、しかも、前記第1、第2の回転動力源の回転によって、前記第1、第2のアームのなす角度が180度に近づく。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るロープガイド装置は、挟持したロープを後から前へ送り出すように、第1、第2のタイヤを駆動させる第1、第2の回転動力源の回転により、第1、第2のタイヤが設けられた第1、第2のアームのなす角度を180度に近づけることができるので、各タイヤをロープに対して開閉させるための複数のリンク機構等が不要となり、装置構成を簡単にできる。これにより、露出する部分を少なくできるため、例えば、曳航作業を終えた後にロープガイド装置に海水を放水して洗浄した場合でも、グリースの流出等の問題を抑制、更には防止できる。
従って、構造を簡単にでき、環境に配慮可能で、メンテナンス性にも優れる。
【0012】
第1、第2の軸受部材に第1、第2の回動駆動手段が連接され、第1、第2のアームの角度又は付勢方向が調整可能である場合、各タイヤのロープに対する押圧力を調整できるため、例えば、ロープの種類や表面状態に影響されることなく、作業性よくロープをガイドできる。また、例えば、各回動駆動手段によりタイヤの位置調整ができるので、メンテナンス作業も容易である。
【0013】
ここで、第1、第2の回動駆動手段を、第1、第2の繋ぎ軸材を介して第1、第2の軸受部材に連接し、第1、第2の軸受部材に第1、第2の回転動力源に連結される第1、第2の中間軸を回転自由に取付け、この第1、第2の中間軸を介して第3、第4の動力伝達車が第1、第2の回転動力源に取付けられる場合、これらを同一軸心上に配置できる。これにより、構造を更に簡単にできるため、例えば、容易に水等の侵入を防止可能な構造にできる。
【0014】
そして、第1、第2の軸受部材及び第1、第2の軸受に、内部の油の流出を止めるオイルシールがそれぞれ設けられている場合、例えば、曳航作業の終了後に、ロープガイド装置に海水を放水して洗浄しても、内部の油の外部への流出を防止できる。
【0015】
また、第1、第2のパイプ柱の間の第1、第2のタイヤの直下に、ロープを伝って侵入する水を溜めるドレーン抜き付きの貯水部を設ける場合、侵入する水を、ロープガイド装置の他の部分に流れ込ませることなく回収できる。これにより、ロープガイド装置内からの油の流出を防止できる。
【0016】
更に、後ガイド部材が、リング状のガイドと、このガイドの下後側位置に配置された水平ローラ又は水平パイプとを有する場合、ロープの損傷を抑制しながら、ロープのガイドをスムーズに実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るロープガイド装置の正面図である。
【図2】同ロープガイド装置の側面図である。
【図3】同ロープガイド装置の平面図である。
【図4】同ロープガイド装置の主要部の説明図である。
【図5】同ロープガイド装置の第2のパイプ柱内の部分拡大正面図である。
【図6】(A)〜(C)はそれぞれ同ロープガイド装置の使用状態を示す説明図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るロープガイド装置の一部切欠き正断面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係るロープガイド装置の一部切欠き正断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1〜図6に示すように、本発明の一実施の形態に係るロープガイド装置10は、タグボート(図示しない)の甲板11上に設置され、ウインチに巻回されて保持されたロープ12の繰出しや巻取りの操作を行う際のガイドであり、例えば、1.0〜1.3mの間隔を有して立設された第1、第2のパイプ柱13、14と、各パイプ柱13、14の前側を連結する前補強材15及び後側を連結する後カバー材16を備えた架台17とを有している。なお、前補強材15及び後カバー材16の中央部には、対向する位置にそれぞれ長孔18、19が形成され、この長孔18、19により、架台17の前後方向にロープ通過路20が形成される。以下、詳しく説明する。
【0019】
第1、第2のパイプ柱13、14は、図1〜図4に示すように、左右両側に対となって、平行かつ向かい合って設けられている。
各パイプ柱13、14は、強度を有する材料からなる天井(蓋)を備えた中空円筒状(断面円形)のものである。ここで、第1、第2のパイプ柱13、14を平行に配置するとは、その軸心が完全に平行であることのみならず、例えば、±5度(好ましくは、±2度)の範囲内で傾斜する場合も含む。
各パイプ柱13、14の甲板11への取付けは、溶接により行っているが、支持部(例えば、フランジ等)を取付けてボルト等により行ってもよい。また、各パイプ柱は、上記した形状に限定されるものではなく、例えば、中空角筒状(断面多角形)や中空楕円筒状(断面楕円形)でもよい。
【0020】
前補強材15と後カバー材16にそれぞれ形成された長孔(長円孔)18、19は、上部及び下部に位置する半円と、この半円を連結する矩形とからなる上下に長い長円からなって、垂直方向の長径が280〜320mm、水平方向の短径が180〜220mmとなっている。
架台17の前側(船首側)に配置された前補強材15には、長孔18に対応する位置に、その直径が外側に喇叭状に広がり、ロープ通過路20を通過するロープ12をガイドする前ガイド部材21が設けられている。なお、前補強材15と前ガイド部材21は、耐食性及び耐摩耗性を有する材料(例えば、ステンレス)で構成され、前ガイド部材21の基端部が前補強材15に溶接固定されている。
【0021】
また、架台17の後側(船尾側)の後カバー材16には、ロープ通過路20を通過するロープ12をガイドする後ガイド部材22が設けられている。
後カバー材16は、各パイプ柱13、14の後側を連結する壁材23と、その上側に取付け取外し可能となった後側へ突出する容器状の点検カバー24とを備えており、この点検カバー24の突出した後側壁部に長孔19が形成されている。
また、後ガイド部材22は、所定大きさの丸鋼を長円状に曲げて形成したリング状のガイド25と、このガイド25の下後側位置に配置された水平ローラ26とを有している。
【0022】
後カバー材16とリング状のガイド25は、耐食性及び耐摩耗性を有する材料(例えば、ステンレス)で構成され、点検カバー24の長孔19に対応する位置に、ガイド25の基端部が溶接固定されている。
なお、前ガイド部材21とリング状のガイド25にそれぞれ形成されている長孔27、28は、同一高さ位置にあって、長孔18、19の高さ位置に合わせている。
また、水平ローラ26は、点検カバー24に取付けられた左右の支持部材29、30によって回転自由に支持され、ロープ12を載せてガイドするものである。なお、水平ローラ26は、ステンレス鋼によって構成されるものであり、パイプ(水平パイプ)であってもよいし、中実棒であってもよい。また、水平ローラ26は回転しなくてもよい。更に、水平ローラ26は、ロープ12の径に合わせ、上下調整が可能となるように、支持部材29、30がボルトと長孔を用いた取付けとなっている。
【0023】
各パイプ柱13、14内には、図1、図3〜図5に示すように、第1、第2のフランジ取付け型のロータリアクチュエータ(第1、第2の回動駆動手段の一例)31、32が、それぞれ配置されている。このロータリアクチュエータ31、32の代わりに、例えば油圧モータや油圧シリンダがある。また、ロータリアクチュエータの代わりに電動モータ等を使用してもよい。
左側のロータリアクチュエータ31は、出力軸33を上方に向け、その軸心をパイプ柱13の軸心に合わせた状態で、パイプ柱13の中間位置に配置された第1の支持板材34にフランジ取付けされている。また、右側のロータリアクチュエータ32も同様に、出力軸33を上方に向け、パイプ柱14の中間位置に配置された第2の支持板材35にフランジ取付けされている。
なお、ロータリアクチュエータ31(ロータリアクチュエータ32も同様)は、第1の支持板材34にフランジ取付けされているため、その出力軸33を除く部分が、パイプ柱13内に密閉状態で収納されている。
【0024】
また、左側のロータリアクチュエータ31の出力軸33には、円筒状の第1の繋ぎ軸材36が、その軸心を合わせて装着され、この繋ぎ軸材36の上端部に円筒状の第1の軸受部材37が、その軸心を合わせて連結されている。右側のロータリアクチュエータ32も同様に、円筒状の第2の繋ぎ軸材38が、その軸心を合わせて装着され、この繋ぎ軸材38の上端部に円筒状の第2の軸受部材39が、その軸心を合わせて連結されている。
上記したロータリアクチュエータ31、32は、それぞれの出力軸33の回転運動の角度を制限できるので、左側のロータリアクチュエータ31を駆動させることで、繋ぎ軸材36と軸受部材37がパイプ柱13内で回動可能となり、また、右側のロータリアクチュエータ32を駆動させることで、繋ぎ軸材38と軸受部材39がパイプ柱14内で回動可能となる。
【0025】
そして、左側の軸受部材37には、水平配置された第1のアーム40の基部が固定され、右側の軸受部材39には、水平配置された第2のアーム41の基部が固定されている。これにより、各ロータリアクチュエータ31、32を同期駆動させることで、対向配置される左右のアーム40、41を、その基部を中心として開閉でき、その角度又は付勢方向が調整可能となる。
左側のアーム40の先部には、その軸心を鉛直方向とする第1の軸受42が取付けられ、この軸受42を介して第1の回転軸43が回転自在に備えられ、また右側のアーム41の先部にも、その軸心を鉛直方向とする第2の軸受44が取付けられ、この軸受44を介して第2の回転軸45が回転自在に備えられている。
なお、各軸受42、44の内周部にはオイルシール46が取付けられ、軸受42と回転軸43との間、及び軸受44と回転軸45との間からの油の流出を防いでいる。
【0026】
左側のアーム40の先部に備えられた回転軸43は、その下側が、アーム40の下方に突出しており、この突出部分に第1のタイヤ(ローラも含む)47が装着されている。また、右側のアーム41の先部に備えられた回転軸45も、その下側が、アーム41の下方に突出しており、この突出部分に第2のタイヤ(ローラも含む)48が装着されている。なお、各回転軸43、45とタイヤ47、48とは、それぞれ回転中心を同一軸心上に合わせている。
これにより、各タイヤ47、48は、各アーム40、41がパイプ柱13、14の間にあって対向配置される。
ここで、タイヤには、中央部が膨出した太鼓形状となったゴム製の中空タイヤを使用しているが、これに限定されるものではなく、例えば、ゴムの材質によっては中実タイヤを使用することもでき、また他の材質のタイヤを使用することもできる。
【0027】
各パイプ柱13、14内には、第1、第2の油圧モータ(第1、第2の回転動力源の一例)49、50が、それぞれ配置されている。なお、油圧モータの代わりに、電動モータ等を使用することもできる。
左側の油圧モータ49は、出力軸51を下方に向け、その軸心をパイプ柱13の軸心に合わせた状態で、パイプ柱13の上側位置に配置された第3の支持板材52にフランジ取付けされている。また、右側の油圧モータ50も同様に、出力軸51を下方に向け、パイプ柱14の上側位置に配置された第4の支持板材53にフランジ取付けされている。
なお、油圧モータ49(油圧モータ50も同様)は、第3の支持板材52にフランジ取付けされているため、その出力軸51を除く部分が、パイプ柱13内に密閉状態で収納されている。
【0028】
左側の油圧モータ49の出力軸51には、第1の中間軸54が、その軸心を合わせて取付けられ、また右側の油圧モータ50の出力軸51にも、第2の中間軸55が、その軸心を合わせて取付けられている。この各中間軸54、55の先側は、軸受である軸受部材37、39内に、その回転中心を、ロータリアクチュエータ31、32の出力軸33の回動中心に合わせて、それぞれ回転自由に取付けられている。
なお、各軸受部材37、39の内周部にはオイルシール56が取付けられ、軸受部材37と中間軸54との間、及び軸受部材39と中間軸55との間からの油の流出を防いでいる。
これにより、左側の油圧モータ49とロータリアクチュエータ31、及び右側の油圧モータ50とロータリアクチュエータ32を、それぞれ同一軸心上に配置できると共に、各油圧モータ49、50と各ロータリアクチュエータ31、32とを、個別に駆動できる。
【0029】
左側の油圧モータ49の出力軸51に取付けられた中間軸54の基側には、第2のスプロケット(第2の動力伝達車の一例)57が取付けられ、右側の油圧モータ50の出力軸51に取付けられた中間軸55の基側には、第4のスプロケット(第4の動力伝達車の一例)58が取付けられている。なお、各スプロケット57、58は、ロータリアクチュエータ31、32の出力軸33、及びこの出力軸33に設けられた軸受部材37、39とは、それぞれ同心上に配置されている。
また、左側のアーム40の先部に設けられた回転軸43の上端部(一端部)には、第1のスプロケット(第1の動力伝達車の一例)59が取付けられ、右側のアーム41の先部に設けられた回転軸45の上端部(一端部)には、第3のスプロケット(第3の動力伝達車の一例)60が取付けられている。
【0030】
ここで、左側に配置されたスプロケット57とスプロケット59は、第1のチェーン(第1の無端動力伝達部材の一例)61で連結され、右側に配置されたスプロケット58とスプロケット60は、第2のチェーン(第2の無端動力伝達部材の一例)62で連結されている。これにより、各油圧モータ49、50の駆動力を、チェーン61、62を介して、タイヤ47、48にそれぞれ伝達できる。ここで、左側に配置されたスプロケット57、スプロケット59、及びチェーン61は、カバー(図示しない)で覆われ、また右側に配置されたスプロケット58、スプロケット60、及びチェーン62も、カバー(図示しない)で覆われ、外部から水がかかることを防止している。この各カバーは、軸受部材37、アーム40、及び軸受42と、軸受部材39、アーム41、及び軸受44を、それぞれ覆っているが、覆っていなくてもよい。
なお、各油圧モータの駆動力をタイヤにそれぞれ伝達できる構成であれば、例えば、スプロケットの代わりにギヤやプーリを使用することができ、チェーンの代わりにベルトを使用することもできる。また、スプロケットやチェーンを用いることなく、各アームの先部に、第1、第2の回転動力源の一例であるモータを内蔵したタイヤ(ホイールモータ)を設けることもできる。この場合、スプロケットやチェーンが不要となるため、装置構成を更に簡単にできる。
【0031】
左右のアーム40、41は、各パイプ柱13、14の中間(各パイプ柱13、14の高さの1/2の高さ位置)より上位置に設けられ、更に、各パイプ柱13、14の間の左右のタイヤ47、48の直下に、ロープ12を伝って侵入する水を溜めるドレーン抜き63付きの貯水部64が設けられている。なお、貯水部64は、ステンレスで構成することが好ましく、これにより、耐腐食性を向上でき、例えば、錆を含んだ溜まり水が、外部へ流れ出すことを防止できる。また、貯水部64は、中央下部に設けられたドレーン抜き63に向けて傾斜しているので、ドレーン抜き63を介して、貯水部64内の水を外部へ排水できる。更に、各長孔18、19の下端位置と貯水部64の底面との距離を、例えば、10〜20mmとすることで、ドレーン抜き63を操作することなく、貯水部64内の水を各長孔18、19を介して外部へ排出することもできる。
なお、図1、図2に示す符号65、66は、ロータリアクチュエータ31、32や油圧モータ49、50の外部接続口であり、符号67は、ロープガイド装置10内部の点検口である。
【0032】
このように構成することで、図6(A)に示すように、左右のタイヤ47、48を、挟持したロープ12を後から前へ送り出すように、各油圧モータ49、50によって回転駆動させることができる。具体的には、図6(A)において、左側のタイヤ47を時計回り(右回り)、右側のタイヤ48を反時計回り(左回り)に回転させる。
これにより、左右のタイヤ47、48は、各油圧モータ49、50の回転によって、図6(A)から図6(B)に示すように、左右のアーム40、41のなす角度が90度位から180度に近づく。そして、図6(B)に示すように、左右のタイヤ47、48がロープ12に接触して、ロープ12の送り出しが行われる。
なお、図6(C)は、ロープ12がなく、左右のアーム40、41のなす角度が180度になった状態を示している。
【0033】
続いて、本発明の一実施の形態に係るロープガイド装置10の動作について説明する。
まず、「スタンバイ」(非運転)の状態では、各油圧モータ49、50を停止させて左右のタイヤ47、48を非回転とし、また各ロータリアクチュエータ31、32を非動作とするため、左右のタイヤ47、48の間が開いた状態となる(図6(A)参照)。
次に、図6(A)に示す状態が、「ロープ通し」の状態となるが、各油圧モータ49、50を停止させて左右のタイヤ47、48を非回転とし、また各ロータリアクチュエータ31、32を非動作とするため、左右のタイヤ47、48の間が開いた状態を維持する。
【0034】
図6(B)は、ロープガイド装置10を用いて、ロープ12をウインチドラム(図示しない)から繰り出している状態であり、挟持したロープ12を後から前へ送り出すように各油圧モータ49、50を駆動させて、左右のタイヤ47、48を回転させる。このとき、左右のアーム40、41は、各油圧モータ49、50の駆動反力によりパイプ柱13、14の内側(間)へ移動し、左右のタイヤ47、48がロープ12を両側から締めるようになる。そして、このように、ロープ12に左右のタイヤ47、48が接触した後は、左右のタイヤ47、48の回転反力により、ロープ12の締付力が大きくなり、ロープ12を左右のタイヤ47、48の回転により、送り出すことができる。
これにより、従来のように、シリンダ等で左右のタイヤを挟持する必要がなく、装置構成を簡単にできる。
【0035】
なお、ロープ12の大きさや種類により、左右のタイヤ47、48によるロープ12の挟持力が弱い場合は、ロータリアクチュエータ31、32を動作させて、アーム40、41の角度又は付勢方向を調整することもできる。
以上の方法により、ロープ12の繰り出し作業をスムーズに実施できる。
また、ロープ12をウインチドラムで巻き取る場合は、各油圧モータ49、50を停止して左右のタイヤ47、48を非回転とし、左右のタイヤ47、48の間を開いた状態とする(図6(A)参照)。これにより、ロープ12が自由にロープ通過路20を通過できるようにする。
【0036】
上記した方法で、ロープ12を回収した後は、ロープガイド装置10に海水を放水して、洗浄手入れ作業を行うが、装置構成が簡単であり、油の流出を抑制、更には防止した構成としているため、グリースの流出や洗浄する際に飛散したグリースがロープに付着するという恐れも低減できる。
また、ロープガイド装置10のメンテナンス時には、後カバー材16の点検カバー24を壁材23から取外し、各ロータリアクチュエータ31、32を動作させることで、各アーム40、41のなす角度が90度に近づいて、各タイヤ47、48をロープガイド装置10の後方へ退避させることができる。これにより、各タイヤ47、48の点検や清掃、またロープガイド装置10内部の清掃が容易にできる。
【0037】
次に、図7を参照しながら、本発明の第2の実施の形態に係るロープガイド装置70について説明するが、前記したロープガイド装置10とは、各ロータリアクチュエータ31、32と各油圧モータ49、50の配置位置を上下逆にしたことのみが異なるため、同一部材には同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
左右(第1、第2)のパイプ柱71、72(パイプ柱13、14と同様)内には、第1、第2のフランジ取付け型のロータリアクチュエータ31、32が、それぞれ配置されている。この左側のロータリアクチュエータ31は、出力軸33を下方に向け、その軸心をパイプ柱71の軸心に合わせた状態で、パイプ柱71の上側位置に配置された第1の支持板材73にフランジ取付けされている。また、右側のロータリアクチュエータ32も同様に、出力軸33を下方に向け、パイプ柱72の上側位置に配置された第2の支持板材74にフランジ取付けされている。
【0038】
左側のアーム40の先部に備えられた回転軸43は、その上側が、アーム40の上方に突出しており、この突出部分に第1のタイヤ47が装着されている。また、右側のアーム41の先部に備えられた回転軸45も、その上側が、アーム41の上方に突出しており、この突出部分に第2のタイヤ48が装着されている。
また、各パイプ柱71、72内には、第1、第2の油圧モータ49、50が、それぞれ配置されている。
左側の油圧モータ49は、出力軸51を上方に向け、その軸心をパイプ柱71の軸心に合わせた状態で、パイプ柱71の中間位置に配置された第3の支持板材75にフランジ取付けされている。また、右側の油圧モータ50も同様に、出力軸51を上方に向け、パイプ柱72の中間位置に配置された第4の支持板材76にフランジ取付けされている。
【0039】
次に、図8を参照しながら、本発明の第3の実施の形態に係るロープガイド装置80について説明するが、前記したロープガイド装置10を90度傾けたことのみが異なり、その基本的な装置構成は同一であるため、同一部材には同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
ロープガイド装置80は、対となって平行に立設された第1、第2の柱材81、82と、上下に間隔を有し対となって平行(水平)に配置され、しかもその両側が左右の柱材81、82に取付けられた第1、第2のパイプ柱83、84とを有している。
【0040】
各パイプ柱83、84内には、第1、第2のフランジ取付け型のロータリアクチュエータ31、32が、それぞれ配置されている。この下側のロータリアクチュエータ31は、出力軸33を左側(一方側)に向け、その軸心をパイプ柱83の軸心に合わせた状態で、パイプ柱83の幅方向中間位置に配置された第1の支持板材85にフランジ取付けされている。また、上側のロータリアクチュエータ32も同様に、出力軸33を左側(一側)に向け、パイプ柱84の幅方向中間位置に配置された第2の支持板材86にフランジ取付けされている。
下側のアーム40の先部(上部)に備えられた回転軸43は、その右側が、アーム40の右側方に突出しており、この突出部分に第1のタイヤ47が装着されている。また、上側のアーム41の先部(下部)に備えられた回転軸45も、その右側が、アーム41の右側方に突出しており、この突出部分に第2のタイヤ48が装着されている。
【0041】
また、各パイプ柱83、84内には、第1、第2の油圧モータ49、50が、それぞれ配置されている。
下側の油圧モータ49は、出力軸51を右側(他側)に向け、その軸心をパイプ柱83の軸心に合わせた状態で、パイプ柱83の左側位置に配置された第3の支持板材87にフランジ取付けされている。また、上側の油圧モータ50も同様に、出力軸51を右側(他側)に向け、パイプ柱84の左側位置に配置された第4の支持板材88にフランジ取付けされている。
なお、各ロータリアクチュエータの出力軸と、各油圧モータの出力軸の配置方向は、左右逆方向にすることもでき、また、上側のパイプ柱と下側のパイプ柱とで、ロータリアクチュエータと油圧モータの配置位置を逆方向にすることもできる。
【0042】
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明のロープガイド装置を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
また、前記実施の形態においては、各タイヤの退避位置を、ロープガイド装置の後側とした場合について説明したが、ロープガイド装置の前側とすることもできる。この場合、前補強材を、各パイプ柱の前側を連結する壁材と、その上側に取付け取外し可能となった前側へ突出する容器状の点検カバーで構成し、この点検カバーの突出した前側壁部に長孔を形成する。
そして、前記実施の形態においては、各アームの角度又は付勢方向を調整するロータリアクチュエータを設けた場合について説明したが、各アームのなす角度は油圧モータの回転によって180度に近づくため、上記したロータリアクチュエータを設けなくてもよい。この場合、各パイプ柱の内部の支持板材に、各アームの回動を自由に行うための軸受を取付ける。
【符号の説明】
【0043】
10:ロープガイド装置、11:甲板、12:ロープ、13、14:パイプ柱、15:前補強材、16:後カバー材、17:架台、18、19:長孔、20:ロープ通過路、21:前ガイド部材、22:後ガイド部材、23:壁材、24:点検カバー、25:ガイド、26:水平ローラ、27、28:長孔、29、30:支持部材、31、32:ロータリアクチュエータ(回動駆動手段)、33:出力軸、34、35:支持板材、36:繋ぎ軸材、37:軸受部材、38:繋ぎ軸材、39:軸受部材、40、41:アーム、42:軸受、43:回転軸、44:軸受、45:回転軸、46:オイルシール、47、48:タイヤ、49、50:油圧モータ(回転動力源)、51:出力軸、52、53:支持板材、54、55:中間軸、56:オイルシール、57〜60:スプロケット(動力伝達車)、61、62:チェーン(無端動力伝達部材)、63:ドレーン抜き、64:貯水部、65、66:外部接続口、67:点検口、70:ロープガイド装置、71、72:パイプ柱、73〜76:支持板材、80:ロープガイド装置、81、82:柱材、83、84:パイプ柱、85〜88:支持板材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対となって平行に立設された第1、第2のパイプ柱と、
前記第1、第2のパイプ柱内にそれぞれ回動可能に配置された第1、第2の軸受部材に基部が固定されて開閉し、先部には第1、第2の軸受を介して回転自在に配置された第1、第2の回転軸を備える第1、第2のアームと、
前記第1、第2の回転軸にそれぞれ装着され、前記第1、第2のアームが前記第1、第2のパイプ柱の間にあって対向配置される第1、第2のタイヤと、
前記第1の回転軸の一端部に取付けられた第1の動力伝達車と、前記第1の軸受部材と同心上に配置された第1の回転動力源の出力軸に取付けられた第2の動力伝達車を連結する第1の無端動力伝達部材と、
前記第2の回転軸の一端部に取付けられた第3の動力伝達車と、前記第2の軸受部材と同心上に配置された第2の回転動力源の出力軸に取付けられた第4の動力伝達車を連結する第2の無端動力伝達部材と、
前記第1、第2のパイプ柱の前側を連結する前補強材に取付けられ、前記第1、第2のタイヤの間を挿通されるロープをガイドする前ガイド部材と、
前記第1、第2のパイプ柱の後側を連結する後カバー材に取付けられ、前記第1、第2のタイヤの間を挿通される前記ロープをガイドする後ガイド部材とを有し、
前記第1、第2のタイヤは、挟持した前記ロープを後から前へ送り出すように前記第1、第2の回転動力源によって駆動され、しかも、前記第1、第2の回転動力源の回転によって、前記第1、第2のアームのなす角度が180度に近づくことを特徴とするロープガイド装置。
【請求項2】
請求項1記載のロープガイド装置において、前記第1、第2の軸受部材には、それぞれ第1、第2の回動駆動手段が連接されて、前記第1、第2のアームの角度又は付勢方向を調整可能であることを特徴とするロープガイド装置。
【請求項3】
請求項2記載のロープガイド装置において、前記第1、第2の回動駆動手段は、それぞれフランジ取付け型のロータリアクチュエータであって、前記第1、第2のパイプ柱の中間位置に配置された第1、第2の支持板材にフランジ取付けされ、前記第1、第2の回動駆動手段の出力軸に装着された第1、第2の繋ぎ軸材が前記第1、第2の軸受部材にそれぞれ連結され、更に、前記第1、第2の軸受部材に、前記第1、第2の回転動力源に連結される第1、第2の中間軸が回転自由にそれぞれ取付けられ、該第1、第2の中間軸を介して前記第2、第4の動力伝達車が前記第1、第2の回転動力源にそれぞれ取付けられていることを特徴とするロープガイド装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のロープガイド装置において、前記第1、第2の軸受部材及び前記第1、第2の軸受には、内部の油の流出を止めるオイルシールがそれぞれ設けられていることを特徴とするロープガイド装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のロープガイド装置において、前記第1、第2のアームは前記第1、第2のパイプ柱の中間より上位置に設けられ、更に、前記第1、第2のパイプ柱の間の前記第1、第2のタイヤの直下には、前記ロープを伝って侵入する水を溜めるドレーン抜き付きの貯水部が設けられていることを特徴とするロープガイド装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のロープガイド装置において、前記後ガイド部材は、リング状のガイドと、該ガイドの下後側位置に配置された水平ローラ又は水平パイプとを有していることを特徴とするロープガイド装置。
【請求項7】
対となって平行に立設された第1、第2のパイプ柱と、
前記第1、第2のパイプ柱内にそれぞれ回動可能に配置された第1、第2の軸受部材に基部が固定されて開閉し、先部には第1、第2の回転動力源を備える第1、第2のアームと、
前記第1、第2の回転動力源の出力軸にそれぞれ装着され、前記第1、第2のアームが前記第1、第2のパイプ柱の間にあって対向配置される第1、第2のタイヤと、
前記第1、第2のパイプ柱の前側を連結する前補強材に取付けられ、前記第1、第2のタイヤの間を挿通されるロープをガイドする前ガイド部材と、
前記第1、第2のパイプ柱の後側を連結する後カバー材に取付けられ、前記第1、第2のタイヤの間を挿通される前記ロープをガイドする後ガイド部材とを有し、
前記第1、第2のタイヤは、挟持した前記ロープを後から前へ送り出すように前記第1、第2の回転動力源によって駆動され、しかも、前記第1、第2の回転動力源の回転によって、前記第1、第2のアームのなす角度が180度に近づくことを特徴とするロープガイド装置。
【請求項8】
対となって平行に立設された第1、第2の柱材と、
上下に間隔を有し対となって平行に配置され、しかもその両側が前記第1、第2の柱材に取付けられた第1、第2のパイプ柱と、
前記第1、第2のパイプ柱内にそれぞれ回動可能に配置された第1、第2の軸受部材に基部が固定されて開閉し、先部には第1、第2の軸受を介して回転自在に配置された第1、第2の回転軸を備える第1、第2のアームと、
前記第1、第2の回転軸にそれぞれ装着され、前記第1、第2のアームが前記第1、第2のパイプ柱の間にあって対向配置される第1、第2のタイヤと、
前記第1の回転軸の一端部に取付けられた第1の動力伝達車と、前記第1の軸受部材と同心上に配置された第1の回転動力源の出力軸に取付けられた第2の動力伝達車を連結する第1の無端動力伝達部材と、
前記第2の回転軸の一端部に取付けられた第3の動力伝達車と、前記第2の軸受部材と同心上に配置された第2の回転動力源の出力軸に取付けられた第4の動力伝達車を連結する第2の無端動力伝達部材と、
前記第1、第2のパイプ柱の前側を連結する前補強材に取付けられ、前記第1、第2のタイヤの間を挿通されるロープをガイドする前ガイド部材と、
前記第1、第2のパイプ柱の後側を連結する後カバー材に取付けられ、前記第1、第2のタイヤの間を挿通される前記ロープをガイドする後ガイド部材とを有し、
前記第1、第2のタイヤは、挟持した前記ロープを後から前へ送り出すように前記第1、第2の回転動力源によって駆動され、しかも、前記第1、第2の回転動力源の回転によって、前記第1、第2のアームのなす角度が180度に近づくことを特徴とするロープガイド装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−246231(P2011−246231A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−120757(P2010−120757)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【出願人】(391009604)マリンハイドロテック株式会社 (6)