説明

ロープ様構造物

本発明はロープ様構造物(10)、特に、コアスパンロープ、コードおよびロープ、に関し、そこでは、個々の繊維、加工糸、ストランドおよび/またはコードが縦繊維構造体(40)の縦繊維の形態で提供され、それら縦繊維が、縦繊維との関係において実質的に横に又はいずれかの特定角度で延びるもう一つの繊維(50)に結合されていて、縦繊維構造体(40)の縦繊維が相互に滑らずそして本質的に互いとの関係において反対方向に動くことができず、そこでは、他の繊維(50)は少なくともある時は縦繊維との関係において自由であり、そして従って、それによって後者はずれないように保たれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1に特許請求されている通りのロープ様構造物(rope-like structure)に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第4,640,178号明細書には、多数のコア繊維束をコアとして合体させそして中間外被(intermediate jacket)によって取り囲まれているコアロープが開示されている。中間外被の周りにはモノフィラメント糸の編組外側外被(braided, outside jacket)がある。このコアと中間外被と外被は互いの間で結合されていないので相互に滑る;これはコアロープの使用における不利な点である。
【0003】
米国特許第4,170,076号明細書には、多数のコア繊維束によって形成されている編組コアからなるコアロープが開示されている。コアはさらに編組外被によって取り囲まれている。コアと外被は互いの間で結合されておらず、従って、滑り抵抗性(slip-proof)ではない。使用中に、厚くなった区域と薄くなった区域が形成される;これは不利である。
【0004】
WO第03/027383号公報には、中の個々の繊維、糸または糸ストランド(yarn strands)が相互に滑り抵抗性であるようにそれらが互いの間で結合されているロープ様構造物、特に、コアロープ、コードおよびロープ、が開示されている。これらのロープ様構造物は緊張挙動(stretching behavior)における増大した強さと、増大した結節強さ(knot strength)を有する。
【0005】
オーストリア特許第358433号明細書には、コア−外被構造のロープ特に登山用ロープが開示されているが、そこでは、外被用加工糸(jacket threads)はそれらが外側に向って彩色してある編組パターンとして横たわるように又は外被のよりよい保持のためにコアの上に内側に向って横たわるように案内されている。コア糸は管状編組(tubular braidings)によって保持されている。
【0006】
さらには、コア無しの又はストランドからの中空編組としての種々の編組ストランドから慣例的に撚られた又は製造されたコアと外被をもつロープまたはコードが知られている。このやり方では、これらコードを用いて一方の端でいわゆる「組み継ぎ(splicing)」してチューブを形成できる。これらの性質は価値があり、そして主にセーリング(sailing)に使用される。しかし、組み継ぎは複雑であり、従って費用がかかる。
【0007】
紐(strings)または薄いコードがテニスラケットのガットとして知られている:それらはより大きな摩擦と強度を得るために細い糸でコアとして丸く編まれている。なおまた、うね模様をつけた表面(ribbed surface)(「縦−横」パターン)または摩擦を増大させるために別の特異な構造を有する紐および細いコアも知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、個々の繊維、糸または糸ストランドが縦繊維(longitudinal fibers)として互いの間で結合されていて繊維、糸またはストランドが相互に滑り抵抗性で存在し、それによって上記欠点が解消された、ロープ様物品またはロープ様構造物を提起することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明において特許請求されている通り、この目的は請求項1の表現に従うロープ様構造物によって達成される。
【0010】
図を使用して以下に本発明を詳述する。
【0011】
図1は本発明において特許請求されている通りのコアロープの概略構造を示す。コアロープ10は内側のコア区域1とそれを取り囲む外被区域2を有する。コア区域1は少なくとも一つのコア3からなり、それはそれに関する限りは多数の繊維、糸、糸ストランド、および/または本発明において特許請求されている通りの少なくとも一つのコードから形成され、それらはいずれも、下記には、いわゆるコア繊維構造体5として表示される。外被区域2は外被4からなり、それはそれに関する限りは多数の繊維、糸、糸ストランド、および/または本発明において特許請求されている通りの少なくとも一つの付加的コード、から形成されており、それらはいずれも、下記には、いわゆる外被繊維構造体6として表示される。コア区域1には、数個のたとえば3〜5個のコアが、同一または異なるタイプの本発明において特許請求されている通りのコア繊維および/またはコアであれば、存在することも可能であり、それをもってコア繊維構造体5の多様性が示される。同様のことは外被繊維構造体6にも適用される。
【0012】
コア繊維構造体5および外被繊維構造体6は縦繊維からなり、そして下記には総合して縦繊維構造体40としてある。
【0013】
コア繊維構造体5の一部、コア繊維5’と呼ぶ、は外被区域2の中に存在し、そしてその中で外被繊維構造体6の外被繊維に結合され、他方、外被繊維構造体6の一部、外被繊維6’と呼ぶ、はコア区域1の中に存在し、そしてその中でコア繊維に結合される。このやり方で、外被は少なくとも一つのコアに相互に滑り抵抗性に取り付けられる。少なくとも一つのコアに数個の外被を大抵の様々な繊維をもって、相互に滑り抵抗性に結合することもできる。縦繊維構造体40に対して本質的に横方向に横たわる少なくとも一つの他の繊維50または繊維束は縦繊維構造体40の中の縦繊維を互いに対して滑ることができないように又は相互に一緒になるように保持する。さらに、表現「繊維50」は下記では繊維束をも意味する。
【0014】
縦繊維構造体40に対する繊維50は縦繊維に対して本質的に横方向に対角的であり、そしてそれらに対して殆どいずれの角度で走行してもよいが、一般的には、45度未満の角度で走行する。しかし、それは45°〜90°の角度または正確に90°であることも可能である。繊維50の具体的配置は後で記載する。
【0015】
外被がコアの上を滑ることは知られているが、先に記載した通り、コアロープにおいては非常に望ましくない性質である。記載の構造物は、一方ではコアと外被の繊維を混合することで、そして他方では横繊維(traverse fiber)に拘束することによって、どのような滑りも防ぎ、従って重大な利益を呈する。
【0016】
有利なことに、それはカラビナやローラーやロープディスペンサーの上を走行するとき一様に走行する。外被滑りで一般に生じていたような、厚くなった部位も薄くなった部位も生じない。これらのコアロープは撚りロープ(twisted ropes)の代わりに使用できる。
【0017】
繊維は次のような素材であることができる:高強度用途向きの、PBO、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ダイニーマ(Dyneema)、アラミド(Aramid)、ベクトラン(Vectran)およびザイロン(Zylon)、耐熱・難燃用途向きの、アラミド、ノメックス(Nomex)およびモノフィルヤーン(monofil yarns)、UV耐性向きの、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステルおよびモノフィルヤーン、浮き(floating)用途向きのポリプロピレンモノフィルヤーン、および、切断・剪断抵抗用途向きの、ポリアミド、ポリエステルおよびモノフィルヤーン。
【0018】
横繊維束はモノフィル、マルチフィルまたはステープルファイバーからなる。それらは対になっているか又は撚られているか又は平行繊維束として加工されている。異なる繊維の混合繊維も使用される。個々の繊維のいずれの組合せもが想定可能である。
【0019】
図2は本発明において特許請求されている通りのコードの概略構造を示す。コード20は、繊維、糸、および/または糸ストランドからつくられた縦繊維構造体40を有する。個々の糸ストランドは少なくとも一つの他の繊維50または繊維束によって取り囲まれている又は拘束されている。それは縦繊維に対しておおよそ横方向に横たわっている。他の繊維50による縦繊維の結合はそれが縦繊維に対して横方向、斜め方向、またはその他の或る選択角度に走行するように行われている。
【0020】
縦繊維のもとには、繊維50によって取り囲まれた又は囲い込まれた少なくとも一つの縦加工糸または縦繊維41が存在し、縦加工糸または縦繊維41は縦繊維構造体40の内部の一定の位置に保持されている。繊維50はこの位置の後で逆戻りさせられて縦繊維構造体40の残りの個々の縦繊維を個別に、部分的に又は全体的に取り囲みそしてそれらを居所に保持する、又はそれらを滑ったり移動したりする能力を持たないように互いの間で本質的に固定的に保持する。
【0021】
繊維50の又は繊維束の主な機能はこの拘束プロセスにある。勿論、「拘束」後に同繊維は更に次の拘束部位へ送られることができ、そのためには、該繊維は一般に縦繊維に平行に走行する;これは拘束点(binding points)の「オフセット(offset)」に等しい。繊維50のこの連続した送りが第二の機能である;この理由で、「本質的に横の(essentially traverse)」の表示が適するように思われる。この一つの又は幾つかの繊維50によって、異なって見える表面が形成または達成される。この目的のために使用されそして厚さ、強度および色が異なっていてもよい個々の糸ストランドおよび繊維は縦繊維構造体40の縦繊維に本質的に不動に結合される。
【0022】
このタイプのコードは従来の撚りコアに似て見えるが、異なる材料を有することもでき、そしてほどけない又はほどけにくい;これは主要な利点である。また、それは編組コードに似て見えるように製造することもできる。それは互いに不動に結合されている異なる繊維から成ることができるが、編組コードに関してはより高い強度を有する。
【0023】
図3は縦繊維構造体40の縦繊維のまわりに配置された更なる横繊維50をもったコード20を示す。外側にある繊維50は、次いでコードの外面からコア中心の方向へと離れる又は戻るように案内されるためには、そして、その後で2つの縦繊維の間の表面に再び達しそして別の縦繊維41’を取り囲むため又はその周囲で「包み込まれる」ためには、縦繊維41の一つを少なくとも2箇所で取り囲む。繊維50は異なる強度および伸び率のものであることができる。縦繊維の幾つかは熱によって溶融するいわゆる溶融繊維(melt fibers)としてつくられている。弾性であるようにつくられた繊維も同様に使用される。
【0024】
図4は内側から外側へそして外側から内側へ案内された別の横繊維50をもつコアを示す。繊維50はコード表面の大きな部分の上を走行し、そして縦繊維構造体40の縦繊維41.1の周囲で包み込まれ、内側に送られ、縦繊維41.2および41.3の周囲で包み込まれ、そして再び縦繊維41.1の周囲に送られるためにはコードの表面へと外側に送られる。しかしながら、その後は逆方向のまわりで行われる。外側の縦繊維の各々は「包み込み」に関しては縦繊維41.1の役割を推定できる。次の縦繊維の選択は、隣のような厳密な順序で、又はいずれか等しい確率論的パターンに従って、行うことができる。同じことは、内側の縦繊維41.2もしくは41.3の一つ又はコア繊維の一つの選択についても適用される。
【0025】
このやり方で、コア繊維と外被を形成する繊維および/または糸ストランドとが特に強く結合される。コードの異なる剛性(stiffness)または柔軟性(flexibility)は殆ど如何なるやり方ででも達成できる。かかるコアは切断時にほどけにくい。
【0026】
図5は少なくとも一つの高強度の縦繊維をもつコードを示す。コード20は縦繊維構造体40の縦繊維のもとには、少なくとも一つの他の縦繊維、すなわち、残りの縦繊維よりもはるかに高い強度を有する縦加工糸41、41’、を有している。このやり方で、ロープ様構造物の極めて低い伸張(stretching)が達成できる。同時に、縦加工糸41、41’は縦繊維構造体40の中により高い密度および強度を有する一つまたはそれ以上の部位42または区域を形成し、それによって、特に強く確実な縫い合せ43が低い縫い合せ損失をもって可能になる。更に、部位42はより少ない伸張を有する。
【0027】
図6は幾つかの横繊維または繊維束をもったコードの第一態様を示す。コード2は縦繊維構造体40の縦繊維または糸ストランドに対して幾つかの横繊維50を有する。縦繊維構造体40の縦繊維のもとには、はるかに高い弾性および/または伸び率をもつ少なくとも一つの縦加工糸41、41’が縦繊維構造体の内部の少なくとも一つの場所に存在する。この理由で、かかるコードは特異な弾性と曲げ容易性を獲得する。
【0028】
縦繊維はポリエステルからなり、横繊維はポリアミドからなる。外側の縦繊維の各々は0.3〜1.5mm毎に繊維50によって取り囲まれる又はそれによって拘束される。
【0029】
このようなコード20はより高い伸張および/または弾性によって特徴付けられる。かかるコードの制動性(damping properties)は特に高い。これは特にコアコードの一つとしてのダイナミックロープに仕上げられる場合の事例である。この関連では、コードは「完成品」として又はコアロープの中の縦糸、縦コードまたは縦繊維構造体として加工される。
【0030】
図7は縦方向の幾つかの平行繊維をもつコードの第二態様を示す。コード20は縦繊維構造体40の縦繊維のもとには、コアの中におよび/または外被の中にいわゆる溶融繊維として存在する少なくとも一つの他の縦繊維44を有する。横繊維50はここでは一部が同様にポリアミドの溶融繊維51として存在する。縦繊維構造体はこれらの溶融繊維に加えてポリエステルからなる。加熱においては、すなわち、製造過程の経路での又はその後での熱処理中には、これらの繊維は幾つかの場所45で縦繊維と共に溶融し、それによって、はるかに高い耐摩耗性が個々の繊維または糸ストランドの互いの間で又は外被区域で達成される。この関連においては、溶融繊維44および51は部位45において他の縦繊維と融合する。これは結果としてはるかに高い含浸(たとえば、ポリアミドによる)および/または被覆(ポリアミド)を生じる。
【0031】
図8は外側に溶融繊維をもつコードの第三態様を示す。コード20は縦繊維構造体40の縦繊維のもとには、ポリアミドPA6またはポリアミドPA6.6(Griion, Ems-Chemie, CH-7013 Domat/Ems)の溶融繊維としてつくられた他の外側縦繊維46を有している。これは加工(中でも、加熱処理)後に特に耐摩耗性のしかし可撓性の外被を生じる。他の横繊維50は縦繊維を交番に2mm毎に拘束するポリアミド(溶融繊維PA6)である。
【0032】
得られたコードの性質は著しく高い耐摩耗性および改善されたUV耐性である。これらのコードはローラー、ウインチ、カラビナおよびクランプの中で使用することができ、そして改善された耐摩耗性を有する。
【0033】
図8に記載された通りのコードの一構造はロープにも応用できる。より一般的な形態では、コアと外被は同一または異なる縦繊維の縦繊維構造体40を有する。外側縦繊維46は少なくとも一部が溶融繊維としてつくられている。一つの少なくとも付加的な横繊維50が外側縦繊維46を取り囲む又はそれらを拘束する。同時に、少なくとも一つの第二の付加的横繊維50’が、外側縦繊維46を取り囲む又はそれらを拘束する溶融繊維として存在する。第二の付加的横繊維50’と共に縦繊維46を溶融することで融合外被を生じる。
【0034】
図9は中間外被と横の付加的繊維をもったコアロープの第一態様を示す。
【0035】
コア3はコア繊維構造体5の中に高性能繊維をポリアミド(PA)、ポリエステル(PES)、低伸張ポリエステル(low-stretch polyester)(PEN)、アラミド、ダイニーマ、ベクトランまたはザイロンのような繊維をもって有する。中間外被8は高い圧縮性を有するモノフィルまたは弾性糸のようないわゆる制動性の糸からなるが、外被4は、高い耐摩耗性、切断抵抗または縁強度(edge strength)を有する、ポリエステルやポリアミドのような、外被繊維構造体6の中の外被繊維からなる。
【0036】
縦繊維構造体40の縦繊維とも称される、コア繊維構造体5の高性能繊維および外被繊維構造体6の外被繊維を、付加的なおおよそ横の繊維50が覆うか又は輪状に囲む: 或る繊維51は縦繊維を全体に外側を取り囲むが、他の繊維51’は縦繊維を交番に取り囲むだけである、即ち、外側の縦繊維が一つずつ交互に拘束される。繊維51、51’としてはポリアミドが使用された。
【0037】
少なくとも一つの他の繊維50が縦繊維構造体40の縦繊維に比べて高い強度を有しそして縦繊維をそれとは異なって輪状に囲みそして拘束する場合には、より高い曲げ強さおよび強度をもつ従ってより高い剛性をもつロープが形成される。
【0038】
コアがたとえば高強度のアラミド繊維からなりそして一つの又は場合によっては幾つかの外被が耐熱性ノメックス繊維からなるならば、コアロープは消防における及び軍隊における耐熱性ロープとして救助用途に特によく適する。
【0039】
少なくとも一つの外被区域の中のコア繊維の混合または結合は低い即ち3%未満であることができる。同時に、ここで、コア区域の中の外被繊維の混合は必要がない。しかし、これが事実でも、それは低い混合とも考えられる、即ち、それは3%未満である。それで、コア繊維は少なくとも一つの外被区域の中にあり、他方、外被繊維はコア区域の中に結合されて存在する。これは主に、現在使用されている静的および動的コアロープの用途に応用される。
【0040】
図10は厚さと強度が異なる同一素材のコアロープの第二態様を示す。コアロープは縦繊維40を有し、外側外被繊維はコア繊維より厚い。外側外被繊維は交番で他の繊維50によって拘束されている。これはより高い強度を外被区域に生じる。ロープは撚りロープに似ている表面を有することもできる。コアおよび外被の繊維はポリエステルからなり、そして横繊維はポリアミドからなる。
【0041】
縦繊維構造体40の縦繊維は一般に、コアと外被の繊維として混合されて存在し、外被繊維はコアの一部を成しそしてコア繊維は外被の一部を成す。それらは縦繊維に関してより高い強度をもつ少なくとも一つの他の繊維50によって同時に拘束されており、該他の繊維は異なる厚さ、強度または伸び率を有する。
【0042】
図11は低伸張ロープの概略構造を示す。ロープは縦繊維構造体40の縦繊維としての個々の繊維、糸または糸ストランドからなり、それらは繊維、糸または糸ストランドが相互に滑り抵抗性であるように互いの中に存在している又は結合されている。少なくとも一つの他の横の又は交叉走行の繊維50または繊維束は縦繊維を再三拘束し、それによって縦繊維は相互に不動に又は固定的に保持される。見たところ、それは撚りロープまたは編組ロープに似て見えるが、それは従来ロープよりも、緊張挙動における少なくとも10%高い強さと、少なくとも10%高い結節強さを有する。一つのプラスの性質は切断末端でそれがほどけない又は縁取りの必要がないということである。このロープ構造物においては、可能な限り多数の糸が平行に存在している又は付加的に延伸もしくは予備伸張されている。
【0043】
これらの応用においては、コア区域の中の繊維は外面的に平行であるべきでありそして部分的に予備伸張されているが、外被区域の中の繊維は輪になるように配列されておりそして従ってより可撓性でありかつ摩耗および切断に対してより抵抗性でありそして従ってUV耐性を大いに増大させもする。
【0044】
少なくとも一つの他の繊維50が縦繊維構造体40の縦繊維に比べてより高い弾性を有するならば、そしてそれが縦繊維を拘束するならば、高強度アラミド繊維のコアと、耐熱性ノメックス繊維または耐摩耗性、防切断性および/または防炎性、耐熱性、耐酸性もしくはUV耐性の繊維および/または糸の外被では、典型的な消防活動用ロープが生じる。他の代表的な用途は一般に救助分野においてはスチールケーブルに代わるロープとして、又は殆ど交番曲げのない積荷用ロープ(a load rope with little alternate bending)として、又は撚りロープの代わりとして、見出すことができる。
【0045】
コアが部分的に延伸または予備伸張されている極めて高強度の繊維を有し、そして外被がUV耐性、耐摩耗性かつ切断抵抗性の糸および/または繊維からなるならば、セーリングシート(sailing sheet)の典型的性質が生じる。
【0046】
図12は特に落下制動性(fall-damping properties)をもつケーブルの第一態様を示す。
可能な限り多数のフィブリルからなる糸にして本発明において特許請求されている通りのコード20を形成する前記糸から、本発明において特許請求されているロープを可能な限り落下制動性であるように製造することもでき、コア繊維構造体は少なくとも一つの他の繊維50または繊維束によって繰り返し輪状に囲まれる。従って、たとえば、素材および性質の異なる多数の繊維50がコアの一つまたはそれ以上をいずれかのパターンに従って取り囲むのに使用できる。
【0047】
本発明において特許請求されている通りのこれらコードは、本発明において特許請求されている通りのロープのコアの中に使用される。達成される良好な制動性のせいで、この構造物は好ましいことには、ダイナミックな登山用のロープに適する。良好な落下制動性ゆえに、ここでは主にポリアミド、ポリエステルまたはPOY糸の糸が使用される。
【0048】
図13はレタリング(lettering)をもつロープを示す。縦繊維構造体40においては、少なくとも一つの付加的繊維50または繊維束によって、レタリング52は構造物の外面の中にロープの長さ方向に連続して細工されている。良好な可読性は繊維50および/または個々の縦繊維の色についての熟練した選択によって大いに助けられる。
【0049】
レタリングに加えて、何らかのタイプのマーキングおよび/または例えばロープ中央の印も存在し得る。
【0050】
図14は連続マーキングをもったロープを示す。縦繊維構造体40においては、少なくとも一つの他の繊維によって、連続マーキング53がロープ構造物の外面の中に細工されている。これはたとえば、連番をもつリングマーキングである。マーキング間のインターバル54’、54”の表面は、一方では繊維50の具体的選択をもって、そして他方では対応して表面構造の中に細工することによって、マーキング53のように同定される。従って、たとえば、インターバル54’の表面はクロスハッチされたように見え、そしてインターバル54”のそれは縦に破線をもつ。ロープ表面のこの構成は有益でありそして特に使用者に親しみやすい。
【0051】
図15はセーリングシートまたは極めて静止高性能のロープの概略構造を示す。従来のコア−外被構成の極めて低伸張の静止高性能ロープの代わりに、外観が編組撚りロープまたは類似の構成もしくは設計に似ているロープは、コアの中の極めて高強度高性能の繊維が非常に平行でありそして遥かに低下した伸びと高い引裂抵抗を有するように、製造され、そして従って、同じ直径または減少した直径でさえ静的性質が改善される。縦繊維構造体40のこれら縦繊維は予備伸張または予備延伸されることができる。外被の繊維は、かなり、より耐摩耗性、より低感湿性、かつ、より切断抵抗性の諸性質を生じることができ、コア3と外被4は他の方向に走行する一つまたはそれ以上の加工糸または他の繊維50によって互いに結合されている、それで、大抵の様々な繊維特性でさえ、外被滑りまたは追加伸張がない。
【0052】
図16は空洞(cavity)をもつコアを示す。コア3の中の縦繊維構造体40は、同じ直径または減少した直径でさえ改善された静的性質を生じる遥かに低下した伸張とより高い引裂抵抗をもつ非常に高強度高性能の繊維を有している。これらコア繊維はコアの中心にある空洞を取り囲んでいる。コア、中間外被および外被の縦繊維は少なくとも一つの他の横繊維50によって互いに結合されているので、大抵の様々な繊維特性でさえ外被滑りが起こらない。中間外被はコアまたは外被のものと異なるまたは同じ繊維からなる。これは、外被の下に制動クッションまたはエアクッションの形成を可能にする且つ耐摩耗性で縁が強く防切断性の繊維および外被の繊維構造体と対になって著しく改善された縁強度を有する柔軟−可撓性構造物(soft-flexible structure)を生じる。中間外被の繊維構造体は微細な構造をもつ極めて小さい空洞または極めて小さい気泡を有する。空洞56は「ソフトコア中点(soft core middle point)」とも呼ばれる。本発明において特許請求されている構成は外観が編組ロープに似ている。かかるロープは特に防切断性であり、そして特にあらゆるタイプの救助用途に十分に適する。
【0053】
図17は断面に変化をもつロープを示す。本質的に丸い断面61をもったロープは製造過程中に少なくとも一つの部位62において断面63が楕円形または平板形に変化する。この箇所で、ロープは例えばより良好に取り付けられる又は縫い合わされる又はより容易く引っ掛けられる。コア断面を1回だけ又は繰り返し変化させることができる。従って、楕円形から例えば平板形に、そして平板形から再び丸くすることができる。横繊維50または繊維束が繰り返し縦繊維を拘束するのでそれらが網のようにしてロープを取り囲んでいるように見える。
【0054】
このタイプのコードおよびロープは縫い合わせることができ、組み継ぎの必要がない;これは末端接合のための加工における著しい簡素化である。
【0055】
本発明において特許請求されている通り、外観がターンドロープ(turned rope)に似ているそしてコア区域の中で極めて高負荷の他の繊維たとえば高強度アラミド繊維またはベクトラン、ザイロンからなる、ロープも製造できる。保護外被はUV防護の又は特に耐摩耗性の外被を形成する繊維および/または糸から成ることができる。切断部位において、このロープは縫い合わせることができるので、組み継ぎの必要がない。さらに、このロープは切断部位でほどけない。これらのコアロープの態様は極めて多様であり、ここに限定的に列挙することはできない。
【0056】
図18は、間隔dをもって予め規定されたグリッド(grid)の中にスロット長さLの開口64、64’、64”を有するロープ様構造物、コードまたはロープを示す。スロット長さLが、「ワンピース(one-piece)」として編組されて存在する非分割ロープ様構造物(undivided rope-like structure)の直径Dのほぼ3〜5倍であれば、特に有利な配列が生じる。開口64を通ってワンピースをループバックさせることが可能になり、それによってロープ様構造物の一方の端に1つのループが形成される。緊張下で繰り返しループバックさせると、ループの圧縮(compaction)が生じ、組み継ぎされた端部に似てもはやループを開くことができなくなる。グリッドはしかしながら随意に選択することもできる、すなわち、間隔dはそれで互いに不規則に続く。
【0057】
図19はループバックされた端部をもつロープ様構造物を示す。端部65は開口64、64’および64”を通って輪にして留められており、従って、緊張下では組み継ぎループの性質に似た性質を有するループが形成された。
【0058】
図20はロープ様構造物の一部を断面と共に示す。ロープ様構造物の境界を成す、ロープ様構造物の開口64と非分割区域66’および66”が見られる。開口64と、区域66’および66”は、A−A断面、B’−B’断面を、断面図A、B’およびB”をもって、包含する。断面図B’およびB”は丸いロープ様構造物を表わし、断面図Aでは分割とその結果の開口が認識できる。
【0059】
図21は、低滑り紐(low-slip strings)向けの、グリッドの中に配列された開口をもつロープ様構造物としてのコードを示す。コードまたは紐の構造はほぼ図18に対応している。しかしながら、それはもっと小さい0.8〜2.0mmの直径向けに設計されている。開口64、64’および64”をもつ第一区画70の後には、コードが非分割ロープ様構造物として即ち「ワンピース」として編組されて存在する第二区画71が続く。区画70と71は一定の与えられたグリッドの中に互いに続く。第二コード73を第一コード72に対して直角に水平に配置し、そして第一コードの開口64に通して輪にする。開口すなわちスロットの長さLは緊張状態にある横コードがほぼ真ん中にくるように選択する。同様に、区画70および71の長さ、すなわち、グリッド寸法は、第一義的にはスロットの寸法にそして第二義的には使用される張力範囲と素材に釣り合わせる。グリッドはたとえば3〜30mmから変動する、すなわち、スロットはこれらの間隔で互いに続く。
【0060】
第二コード73は第一コード72に対して本質的に直角に配置される。それはそれに接触しそして紐の一部を形成する。しかし、コード間の自由空間が菱形として現われることを可能にする紐も想定可能である。
【0061】
コードまたは紐のこれら配置はいずれのタイプの紐縛り(stringing)向けにも、たとえば、テニス、バドミントン、スカッシュまたはゴルフのようなボールを使用するゲーム向けに、適している。この配置のせいで、コードまたは紐は極めて高い摩擦圧および衝撃圧のもとでさえ動き難い。このやり方では、ラケット表面の改善された緊張がボール接触時に達成される。第一および第二コードは一般には同一構造のものであるが、これは必須ではない。
【0062】
図22は、低滑り紐向けの、グリッドの中に配列された厚い区域をもつコードを示す。このコード構造物は図21にほぼ対応している。第一および第二のコード74、75または紐の中には区画70と71が互いに続く。区画71においては、コードは「ワンピース」として編組された非分割ロープ様構造物として製造されている。区画70においては、コードは区画71におけるコード直径の2倍の直径までである厚い区域76を有する。この配列では、区画70および71の長さおよびグリッドの大きさは使用される張力範囲と素材に釣り合わせる。グリッドはたとえば3〜30mmから変動する、すなわち、スロットはこれらの間隔で互いに続く。コード74、75は本質的に互いに垂直であり、緊張状態においては区画71の真ん中領域が互いに接触しておりそして紐縛りの一部を形成する。
【産業上の利用可能性】
【0063】
コードまたは紐のこれら配置はいずれのタイプの紐縛り向けにも、たとえば、テニス、バドミントン、スカッシュまたはゴルフのようなボールを使用するゲーム向けに、適している。コードまたは紐は極めて高い摩擦圧および衝撃圧のもとでさえこの配置のせいで無意義に動くことができるだけである。このやり方では、ラケット表面の改善された緊張がボール接触時に達成される。第一および第二コードはこのバージョンでは一般には同一構造のものであるが、これはここではいずれにしても必須ではない。
【0064】
本発明において特許請求されたコアロープは工業的安全策に、ウォータースポーツ、セーリングおよび山登りに、そして警察、消防および軍隊にも、使用される。
【0065】
本発明において特許請求されたロープおよびコードは娯楽や趣味にも、主に編組ロープまたはターンドロープの代用として、使用される。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明において特許請求されている通りのコアロープの概略構造を示す。
【図2】本発明において特許請求されている通りのコードの概略構造を示す。
【図3】付加的横繊維をもつコードを示す。
【図4】内側から外側にそして外側から内側に案内された付加的横繊維をもつコードを示す。
【図5】少なくとも一つの高強度の縦繊維をもつコードを示す。
【図6】数本の横の溶融繊維をもつコアの第一態様を示す。
【図7】縦方向の数本の平行繊維をもつコアの第二態様を示す。
【図8】外側の溶融繊維をもつコードの第三態様を示す。
【図9】中間外被と横の付加的繊維をもつコアロープの第一態様を示す。
【図10】厚さと強さが異なる同一素材のコアロープの第二態様を示す。
【図11】低伸張ロープの概略構造を示す。
【図12】良好な制動性をもつロープの第一態様を示す。
【図13】レタリングをもつロープを示す。
【図14】連続マークをもつロープを示す。
【図15】クライミングロープの概略構造を示す。
【図16】空洞をもつロープを示す。
【図17】断面に変化をもつロープを示す。
【図18】開口をもつロープ様構造物を示す。
【図19】ループバック端部をもつロープ様構造物を示す。
【図20】ロープ様物品の一部を断面と共に示す。
【図21】低滑り紐縛り向けの、グリッドの中に配列された開口をもつコードを示す。
【図22】低滑り紐向けの、グリッドの中に配列された厚い区域をもつコードを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個々の繊維、糸、糸ストランドおよび/またはコードからなる縦繊維構造体(40)の縦繊維が互いの間で加工されてコア(3)、中間外被(8)および外被(4)の中に存在すること、縦繊維に対して本質的に異なる角度をもって横方向に横たわる少なくとも一つの他の繊維(50)またはもう一つの繊維束が少なくとも存在して縦繊維が相互に滑り抵抗性で本質的に不動であるように縦繊維のまわりに取り付けられており、そしてそこでは他の繊維(50)が縦繊維構造体(40)の縦繊維に少なくとも一つ拘束されて存在し、このやり方で縦繊維がしっかり保持されること、を特徴とする、ロープ様構造物、特に、コアロープ、コードおよびロープ。
【請求項2】
縦繊維構造体(40)の少なくとも一つの縦繊維(41)が少なくとも一つの他の繊維(50)によって少なくとも部分的に輪状に囲まれ、そしてこのやり方で残りの縦繊維がしっかり保持される、請求項1のロープ様構造物。
【請求項3】
縦繊維構造体(40)の縦繊維は他の繊維(50)または繊維束が縦繊維に対して横方向に又は斜め方向に又はその他の或る任意の角度で走行するように結合されて存在し、そこでは、繊維(50)は縦繊維構造体(40)の内部の位置に保持されている少なくとも一つの縦加工糸または一つの縦繊維(41)を取り囲み又はそれを個別に、全体的に又は部分的に囲い込み、そして繊維(50)は逆戻りさせられて個々の縦繊維を全体に取り囲みそしてそれらを本質的に不動にかつ互いに対する居所に固定的に保持する、請求項1または2のコード。
【請求項4】
ほどけない、請求項3のコード。
【請求項5】
編組コードに関してはより高い強度を有する、請求項3のコード。
【請求項6】
縦繊維構造体(40)の縦繊維の周囲を輪状に囲む少なくとも一つの他の繊維(50)または繊維束が包み込まれて存在する箇所と逆戻りさせられて存在する箇所との少なくとも2箇所(42)を有する、請求項1〜5のいずれか一項のコード。
【請求項7】
縦繊維構造体(40)の縦繊維が縦繊維の周囲に外側から内側へそして内側から外側へと横たわる少なくとも一つの他の繊維(50)または繊維束によって保持されていることによって、切断時にもほどけにくく存在する、請求項1〜5のいずれか一項のコード。
【請求項8】
縦繊維構造体(40)の縦繊維のもとには、縦繊維構造体(40)の内部の少なくとも一箇所に、はるかに高い強度をもつ一つの縦加工糸または一つの縦繊維(41、41’)を有しており、それによってコード(20)はより確実に縫い合わせることができそして/またはより少ない伸張を有する、請求項1〜7のいずれか一項のコード。
【請求項9】
縦繊維構造体(40)の縦繊維のもとには、縦繊維構造体(40)の内部の少なくとも一箇所に、はるかに高い弾性および/または伸張をもつ一つの縦加工糸または一つの縦繊維(41、41’)を有しており、それによってコード(20)はより高い伸張および/または弾性を有する、請求項1〜7のいずれか一項のコード。
【請求項10】
縦繊維構造体(40)の縦繊維のもとには、縦繊維構造体(40)の縦繊維が滑り抵抗性で存在するように少なくとも一箇所(45)おいて熱によって縦繊維と共におよび溶融繊維として少なくとも一部分つくられた別の繊維(50、51)または繊維束と共に少なくとも部分的に溶融されて存在する少なくとも一つの他の縦繊維(44)が存在し、それによって、はるかに高い耐摩耗性および/または含浸および/または被覆が結果として生じる、請求項1または2のコードまたはロープ。
【請求項11】
コア(3)と外被(4)が同一または異なる縦繊維の縦繊維構造体(40)を有し、外側縦繊維(46)は少なくとも一部が溶融繊維としてつくられており、少なくとも一つの他の横繊維(50)または繊維束が外側縦繊維(46)を取り囲みそして拘束し、そしてそこでは、溶融繊維として存在する少なくとももう一つの第二横繊維(50’)または第二繊維束が外側縦繊維(46)を取り囲みそして拘束し、縦繊維(46)をもう一つの第二横繊維(50’)と共に溶融することによって熱によって融合外被が形成される、請求項10のコードまたはロープ。
【請求項12】
少なくとも一つの他の繊維(50)または繊維束は縦繊維構造体(40)の縦繊維に比べてより高い強度を有しそして縦繊維をそれとは異なって囲い込みそして拘束し、より高い剛性を生じる、請求項1または2のロープ。
【請求項13】
縦繊維構造(40)の縦繊維はコアおよび外被の繊維として混合されて存在し、外被繊維はコアの一部を形成しそしてコア繊維は外被の一部を形成し、そしてそれらは縦繊維に比べてより高い強度をもつ少なくとも一つの他の繊維(50)または繊維束によって同時に拘束されて存在し、該他の繊維(50)または繊維束は異なる厚さ、強度または伸び率を有する、請求項12のロープ。
【請求項14】
少なくとも一つの他の繊維(50)または繊維束は縦繊維構造体(40)の縦繊維に比べてより高い弾性を有しそして縦繊維を拘束し、そしてコア(3)は高強度アラミド繊維からなりそして外被は耐熱性ノメックス繊維または耐摩耗性、防切断性および/または防炎性、耐熱性、耐酸性またはUV耐性の繊維および/または糸からなる、請求項12のロープ。
【請求項15】
少なくとも一つの他の繊維(50)または繊維束は縦繊維構造体(40)の縦繊維に比べてより高い弾性を有しそして縦繊維を拘束し、そしてコア(3)は部分的に予備伸張または延伸されている極めて高強度の平行繊維からなり、そして外被(4)はUV耐性、耐摩耗性、防切断性の糸および/または繊維からなり、それによって、より高い柔軟性と共により少ない伸張が得られる、請求項12のロープ。
【請求項16】
コア(3)の中の縦繊維構造体(40)の縦繊維は高性能繊維から及び/又は多数のフィブリルをもつ本発明において特許請求されている通りのコードからなり、そして外被(4)の中のそれは不感湿性の耐摩耗性防切断性繊維からなり、コア(3)および外被(4)の中の繊維は少なくとも一つの他の本質的に横の繊維(50)または繊維束によって互いに結合されていて大抵の様々な繊維特性でさえ外被滑りが起こらず、そしてこのやり方で、同じ直径または減少した直径において動的衝撃のより高い制動が確保される、請求項12のロープ。
【請求項17】
コア(3)は極めて低い伸張と高い引裂強さをもった様々な高性能繊維からなり、そして外被(4)は種々の、特に耐摩耗性の、縁の強い、防切断性、耐熱性、難燃性、UV耐性の繊維からなり、そして縦繊維は可能な限り平行に配列されており、縦方向に伸張が起こる可能性が最も小さい、請求項12のロープ。
【請求項18】
コア(3)の中の縦繊維構造体(40)の縦繊維ははるかに減少した伸張と高い引裂抵抗をもつ極めて高強度高性能の繊維からなり、そして外被の中のそれは不感湿性の耐摩耗性防切断性繊維からなり、コア(3)および外被(4)の中の繊維は少なくとも一つの他の本質的に横の繊維(50)または繊維束によって互いに結合されていて大抵の様々な繊維特性でさえ外被滑りが起こらず、そしてこの理由で同じ直径または減少した直径において可能な限り小さい伸張が確保される、請求項12のロープ。
【請求項19】
少なくともコア繊維は一部が予備伸張または延伸されて存在する、請求項18のロープ。
【請求項20】
コア(3)、中間外被(8)および外被(4)の中の縦繊維構造体(4)は異なる繊維からなり、中間外被の中に制動クッションまたはエアクッションが形成され、そしてロープがコア(3)の真ん中に空洞(35)を有する、請求項12のロープ。
【請求項21】
直径が場所によって変化する本質的には丸い断面を有し、そして断面が場所によって楕円形および/または平板形断面に移る、請求項12〜20のいずれか一項のロープ。
【請求項22】
少なくとも一つの別の繊維(50)または繊維束の手段によってレタリングおよび/またはマーキングおよび/または中央マーキングが構造物の外面の中に縦方向に及び/又は横方向に及び/又は縦方向に対していずれかの角度で連続的に細工されて存在する、請求項12〜21のいずれか一項のロープ。
【請求項23】
他の繊維(50)または繊維束が縦繊維(40)に対して45°未満の角度を成す、請求項1のロープ様構造物。
【請求項24】
他の繊維(50)または繊維束が縦繊維(40)に対して45°〜90°または90°の角度を成す、請求項1のロープ様構造物。
【請求項25】
グリッドの中で、直径(D)をもつ非分割編組ロープ様構造物から分割編組ロープ様構造物へと移行し、そしてスロット長さ(L)をもつ開口(64、64’、64”)を有する、請求項1〜24のいずれか一項のロープ様構造物、コードまたはロープ。
【請求項26】
ロープの端部(65)は開口(64、64’、64”)を通して繰り返しループバックされて存在しループを形成し、スロット長さ(L)がロープの直径(D)の3〜5倍である、請求項25のロープ。
【請求項27】
グリッドの中に非分割編組ロープ様構造物としての第一区画(70)と分割編組ロープ様構造物としての第二区画(71)を有する、請求項1〜25のいずれか一項のロープ様構造物。
【請求項28】
第二コード(73)が第一コード(72)の開口(64)を通って輪にされそしてそれに対して本質的に直角に配置されて存在し、第一コードと第二コードが紐縛りの部分を形成する、請求項27のコード。
【請求項29】
グリッドの中に、非分割編組ロープ様構造物としての第一区画(70)と、第一区画(70)の直径の2倍以下である直径をもつ厚くなった区域(76)を各々がもつ分割編組ロープ様構造物としての第二区画(71)を有する、請求項1〜24のいずれか一項のロープ様構造物。
【請求項30】
第一コード(74)に対して本質的に直角に配置された第二コード(75)が存在し、区画(71)の真ん中の区域が互いの上に横たわり、そして第一と第二のコードが紐縛りの部分を形成する、請求項29のコード。
【請求項31】
少なくとも一つの他の繊維(50)が繊維束としてつくられている、請求項1〜30のいずれか一項のコード。
【請求項32】
繊維束がモノフィル、マルチフィルステープルファイバーまたは異なる繊維の混合繊維からなり又は繊維のいずれかの組合せからなり、繊維束が対にされて又は撚られて又は平行繊維束として存在する、請求項1〜31のいずれか一項のコード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公表番号】特表2007−526408(P2007−526408A)
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−501089(P2007−501089)
【出願日】平成17年3月1日(2005.3.1)
【国際出願番号】PCT/CH2005/000115
【国際公開番号】WO2005/085518
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(506297289)
【Fターム(参考)】