説明

ローラ、ベルトコンベヤ、ベルト伝動装置およびローラコンベヤ

【課題】使用環境の制限をなくすことおよび作業者の安全性を高めることが可能で、かつ、小型化を図りつつ、確実な調芯動作を行うことが可能なローラを提供すること。
【解決手段】ローラ4は、外周面を構成するとともに回転可能な回転部材20と、回転部材20の軸方向を傾斜させるための回転部材20の回動中心となる回動中心部28bと、回動中心部28bを中心に回転部材20を回動させる回動機構24と、回転部材20の径方向内側に配置される回動機構24の駆動源25とを備えている。このローラ4では、駆動源25で駆動される回動機構24によって、回転部材20の軸方向を確実に傾斜させることができ、確実な調芯動作を行うことが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調芯機能を有するローラに関する。また、本発明は、このローラを有するベルトコンベヤ、ベルト伝動装置およびローラコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
商品等の被搬送物をベルトで搬送するベルトコンベヤが様々な用途で使用されている。この種のベルトコンベヤとして、駆動モータによって駆動される駆動ローラ(プーリ)と、従動ローラ(プーリ)と、駆動ローラおよび従動ローラに架け渡されたベルトとを備えるベルトコンベヤが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のベルトコンベヤでは、フレームや従動ローラにV溝が形成されるとともに、V溝に係合する桟がベルトの裏面に接着固定されており、ベルト裏面の桟とフレーム等に形成されたV溝とによって、ベルトの蛇行が防止されている。しかしながら、一般に、桟は熱に弱いため、このベルトコンベヤでは、使用環境が制限されるといった問題が生じるおそれがある。また、コストが高くなる傾向もある。
【0004】
この特許文献1に記載のベルトコンヤの問題を解決することが可能なベルトコンベヤとして、特許文献2に記載のベルトコンベヤが知られている。このベルトコンベヤでは、従動ローラとともに回転する回転軸の両端側が軸受で支持されており、軸受には、ベルトの蛇行を修正するための油圧シリンダが連結されている。このベルトコンベヤでは、油圧シリンダによってベルトの蛇行を修正することが可能であり、かつ、使用環境が制限されるといった問題を解決することも可能である。しかしながら、このベルトコンベヤでは、従動ローラの軸方向の外側に油圧シリンダがあるため、従動ローラの軸方向でベルトコンベヤが大型化する。また、作動中の油圧シリンダと作業者とが接触する可能性があり、危険である。
【0005】
また、特許文献1および2に記載のベルトコンベヤが有する問題を解決することが可能なベルトコンベヤとして、特許文献3に記載されたベルトコンベヤが知られている。このベルトコンベヤでは、従動ローラは、中空状に形成されている。また、この従動ローラは、軸方向の中央部に配置される調芯軸受に回転可能に支持されており、従動ローラの軸方向は、傾動可能となっている。すなわち、この従動ローラは、首振り可能となっている。そのため、特許文献3に記載のベルトコンベヤでは、駆動ローラおよび従動ローラに架け渡されたベルトがずれたり、蛇行したりすると、首振り可能な従動ローラの調芯作用で、ベルトのずれや蛇行を修正することが可能になっている。また、このベルトコンベヤでは、使用環境の問題、大型化の問題および安全性の問題といった特許文献1および2に記載のベルトコンベヤが有する問題を解決することが可能になっている。
【0006】
【特許文献1】特開2006−44892号公報
【特許文献2】特開昭60−242111号公報
【特許文献3】特開2001−10709号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献3に記載のベルトコンベヤでは、従動ローラは調芯軸受で支持されており、従動ローラの調芯動作はベルトの張力に依存する。そのため、ベルトの張力によっては、ベルトのずれや蛇行を修正するために従動ローラが傾く必要があるにもかかわらず、従動ローラが傾かない状況が生じることもある。すなわち、特許文献3に記載された従動ローラの調芯動作は不安定になりやすく、この従動ローラに確実な調芯機能を持たせることは困難である。
【0008】
そこで、本発明の課題は、使用環境の制限をなくすことおよび作業者の安全性を高めることが可能で、かつ、小型化を図りつつ、確実な調芯動作を行うことが可能なローラを提供することにある。また、本発明の課題は、かかるローラを備えるベルトコンベヤ、ベルト伝動装置およびローラコンベヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明のローラは、外周面を構成するとともに回転可能な回転部材と、回転部材の軸方向を傾斜させるための回転部材の回動中心となる回動中心部と、回動中心部を中心に回転部材を回動させる回動機構と、回転部材の径方向内側に配置される回動機構の駆動源とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明のローラは、回動中心部を中心に回転部材を回動させる回動機構と、回動機構の駆動源とを備えている。そのため、駆動源によって駆動される回動機構を用いて、回転部材の軸方向を確実に傾斜させることができる。したがって、本発明では、ローラの確実な調芯動作を行うことが可能になる。また、本発明では、駆動源が回転部材の径方向内側に配置されているため、ローラを小型化することが可能になる。さらに、本発明では、駆動源が回転部材の径方向内側に配置されているため、ローラの使用環境の制限をなくすことおよび作業者の安全性を高めることが可能になる。
【0011】
本発明において、ローラは、回転部材の端部側を支持する支持部材を備え、回転部材は、回動中心部を中心に支持部材に対して相対回動するように構成され、回動機構は、支持部材に保持される固定側部材と、駆動源に連結されて移動する移動側部材とを備えることが好ましい。このように構成すると、支持部材に保持される固定側部材と駆動源に連結される移動側部材とを用いて、回転部材の軸方向を確実に傾斜させることができ、確実な調芯動作を行うことが可能になる。
【0012】
本発明において、移動側部材は、駆動源によって直線状に移動するとともに、移動側部材には、回転部材の軸方向に対して傾斜する傾斜溝が形成され、固定側部材は、支持部材に回転可能に保持されるとともに傾斜溝に係合する係合ローラであることが好ましい。このように構成すると、傾斜溝とこの傾斜溝に係合する係合ローラとを用いた比較的簡易な構成で、回転部材の軸方向を確実に傾斜させることができる。
【0013】
本発明において、ローラは、回転部材の径方向内側に配置され、駆動源が固定されるとともに回動中心部が形成される駆動源保持部材を備え、回転部材は、駆動源保持部材に回転可能に支持されていることが好ましい。このように構成すると、駆動源を回転させる必要がなくなるため、ローラの構成を簡素化することができる。したがって、ローラを小型化することができる。
【0014】
本発明において、ローラは、回転部材の軸方向における駆動源保持部材の両端側に配置され、回転部材を回動可能に支持する軸受を備えることが好ましい。このように構成すると、回転部材の回転を安定させることができる。また、軸受に偏荷重がかかりにくくなるため、軸受の耐久性を向上させることができる。
【0015】
本発明において、回動中心部は、回転部材の軸方向の一端側に配置され、回動機構は、回転部材の軸方向の他端側に配置されていることが好ましい。このように構成すると、比較的小さな力で、回転部材を回動させることが可能になる。したがって、回動機構の構成を簡素化することが可能になる。また、駆動源を小型化することが可能になる。
【0016】
本発明において、駆動源は、エアシリンダであることが好ましい。駆動源が油圧シリンダ、モータあるいはソレノイド等である場合と比較して、駆動源がエアシリンダである場合には、回動機構の構成や駆動源の構成を簡素化することが可能になる。
【0017】
本発明において、ローラは、たとえば、回転部材にベルトが係合するプーリである。このプーリでは、小型化を図りつつ、確実な調芯動作を行うことが可能になる。
【0018】
本発明のローラ(プーリ)は、回転部材に係合するベルトを備え、ベルトで所定の被搬送物を搬送するベルトコンベヤに用いることができる。この場合、ローラは、たとえば、被搬送物の搬送方向におけるベルトコンベヤの端部に配置されるとともに、回転駆動機構に連結されない従動ローラである。このベルトコンベヤでは、ローラの確実な調芯動作を行うことが可能になるため、回転部材に係合するベルトのずれや蛇行を確実に修正することが可能になる。
【0019】
本発明において、ベルトコンベヤは、ローラに対するベルトの偏りを検出する検出機構を備え、検出機構での検出結果に基づいて、駆動源を駆動することが好ましい。このように構成すると、検出機構で検出されるベルトの偏りに応じて、ローラの調芯動作を行うことが可能になるため、ベルトのずれや蛇行を適切に修正することが可能になる。
【0020】
本発明において、検出機構は、たとえば、ベルトの端部が接触可能な接触部材を備える接触式の検出機構である。また、検出機構は、ベルトの端部側に接触することなくベルトの端部側を検出する非接触式の検出機構であっても良い。
【0021】
本発明において、検出機構が接触式のものである場合には、駆動源は、エアシリンダであり、エアシリンダには、エアシリンダに供給される圧縮空気の流入路と圧縮空気の流出路と流入路を開閉するための開閉部材とを備えるバルブが接続され、ベルトの端部が接触部材に接触すると、接触部材は、開閉部材に接触して、開閉部材に流入路の開放動作または閉鎖動作を行わせることが好ましい。また、検出機構が接触式のものである場合には、駆動源は、エアシリンダであり、エアシリンダには、エアシリンダに供給される圧縮空気の流入路と圧縮空気の流出路とを備えるバルブが接続され、接触部材は、バルブに内蔵されるとともに流入路を開閉するための開閉部材であっても良い。このように構成すると、エアシリンダを電気的に制御する必要がなくなる。したがって、ベルトコンベヤの構成を簡素化することができる。
【0022】
本発明のローラ(プーリ)は、回転部材に係合するベルトを備え、所定の駆動源からの動力を伝達するベルト伝動装置に用いることができる。このベルト伝動装置では、ローラの確実な調芯動作を行うことが可能になるため、回転部材に係合するベルトのずれや蛇行を確実に修正することが可能になる。したがって、このベルト伝動装置では、所定の駆動源からの動力を適切に伝達することが可能になる。
【0023】
本発明のローラは、このローラを複数備え、このローラで所定の被搬送物を搬送するローラコンベヤに用いることができる。このローラコンベヤでは、ローラの確実な調芯動作を行うことが可能になるため、被搬送物を所定方向へ適切に搬送することが可能になる。また、このローラコンベヤでは、回転部材を任意の方向に傾斜させて、被搬送物を斜めに搬送することが可能になる。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明のローラでは、使用環境の制限をなくすことおよび作業者の安全性を高めることが可能で、かつ、小型化を図りつつ、確実な調芯動作を行うことが可能になる。また、本発明のベルトコンベヤおよびベルト伝動装置では、ローラの確実な調芯動作を行うことが可能になるため、ベルトのずれや蛇行を確実に修正することが可能になる。さらに、本発明のローラコンベヤでは、ローラの確実な調芯動作を行うことが可能になるため、被搬送物を所定方向へ適切に搬送することが可能になる。また、本発明のローラコンベヤでは、回転部材を任意の方向に傾斜させて、被搬送物を斜めに搬送することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
(ベルトコンベヤの概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるベルトコンベヤ1を示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図である。図2は、図1(A)のE部の拡大図である。図3は、図1(B)のF部の拡大図である。
【0027】
本形態のベルトコンベヤ1は、所定の被搬送物(図示省略)をベルト2によって所定方向へ搬送するための装置である。このベルトコンベヤ1は、図1に示すように、被搬送物の搬送方向(図1の左右方向)の一端部(図1の左端部)に配置される駆動ローラ3と、被搬送物の搬送方向の他端部(図1の右端部)に配置される従動ローラ4とを備え、駆動ローラ3と従動ローラ4とにベルト2が掛け渡されている。すなわち、本形態のベルトコンベヤ1は、被搬送物の搬送方向の一端部に配置される駆動ローラ3と、被搬送物の搬送方向の他端部に配置される従動ローラ4とにベルト2が掛け渡されたいわゆるヘッドドライブ型のベルトコンベヤである。なお、本形態の駆動ローラ3および従動ローラ4は、ベルト2が係合するプーリであるため、以下では、駆動ローラ3を「駆動プーリ3」と表記し、従動ローラ4を「従動プーリ4」と表記する。
【0028】
本形態のベルト2は、薄い圧延鋼板等からなる金属製のベルトである。たとえば、ベルト2は、ステンレス鋼板からなるステンレスベルト(スチールベルト)である。なお、ベルト2は、樹脂からなる樹脂ベルトであっても良い。
【0029】
ベルトコンベヤ1は、駆動プーリ3を駆動するためのモータ5を備えている。モータ5の出力軸は、歯車、伝動ベルトあるいはチェーン等の動力伝達手段を介して駆動ローラ3の回転軸に連結されている。
【0030】
また、ベルトコンベヤ1は、一対のサイドフレーム6、7とサイドフレーム6、7の上端を連結するトッププレート8とから構成されるフレームを備えている。サイドフレーム6には、支持脚9が取り付けられている。駆動プーリ3は、サイドフレーム6、7に回転可能に支持されている。一方、本形態の従動プーリ4は、図2、図3に示すように、ベルトコンベヤ1の他端側に配置されるテールプレート11に固定されたブラケット12に支持されている。
【0031】
テールプレート11は、サイドフレーム6、7およびトッププレート8に対して、被搬送物の搬送方向に相対移動可能に構成されている。具体的には、サイドフレーム6、7の他端側に固定される支軸13に、テールプレート11と係合してテールプレート11を搬送方向にスライド出没させる出没切換手段14が配設されており、この出没切換手段14の作用で、テールプレート11は、サイドフレーム6、7およびトッププレート8に対して、搬送方向に相対移動する。すなわち、従動プーリ4は、サイドフレーム6、7およびトッププレート8に対して、搬送方向に相対移動する。また、この出没切換手段14が有するトーションバネ16の作用で、ベルト2の適切な張力が維持されるようになっている。なお、テールプレート11の底面は、サイドフレーム6、7に固定される水平支持板15によって搬送方向にスライド可能に支持されている。
【0032】
テールプレート11、ブラケット12、支軸13、出没切換手段14および水平支持板15は、本出願人によって出願され公開された特開2006−44892号公報に記載されたものと全く同様に構成されている。そのため、テールプレート11、ブラケット12、支軸13、出没切換手段14および水平支持板15についての詳細な説明は省略する。なお、テールプレート11、ブラケット12、支軸13、出没切換手段14および水平支持板15の詳細な構成は、特開2006−44892号公報を参酌することで明確に特定される。
【0033】
(従動プーリおよびその周辺部分の構成)
図4は、図2のG−G断面を示す断面図である。図5は、図1に示すベルトコンベヤ1の他端側を示す側面図であり、(A)は図4のH−H方向からの側面図、(B)は図4のJ−J方向からの側面図である。図6は、図4のK−K断面を示す断面図である。図7は、図4に示す従動プーリ4およびその周辺部分の概略構成を説明するための分解斜視図である。図8は、図4に示す従動プーリ4の動作を説明するための図である。なお、図4、図6〜図8では、ベルト2の図示を省略している。
【0034】
以下の説明では、図2の上下方向(図3の紙面垂直方向)を「前後方向」とし、図2の左右方向を「左右方向」とする。また、図2の下側を「前」側、図2の上側を「後(後ろ)」側、図2の右側を「右」側、図2の左側を「左」側とする。
【0035】
従動プーリ4は、図4等に示すように、従動プーリ4の外周面を構成するとともにベルト2が係合する薄い円筒状の外周側部材20と、外周側部材20の径方向内側に配置される内周側部材21とを備えている。外周側部材20の軸方向における内周側部材21の両端側には、軸受22が配置されており、外周側部材20は、2個の軸受22によって内周側部材21に対して相対回転可能に支持されている。本形態の外周側部材20は、従動プーリ4の外周面を構成するとともに回転可能な回転部材である。そのため、以下では、外周側部材20を「回転部材20」と表記する。
【0036】
本形態の従動プーリ4は、調芯機能を有している。すなわち、本形態の従動プーリ4は、上下方向から見たときの回転部材20の軸方向が前後方向に対して傾斜可能となるように構成されている。具体的には、従動プーリ4は、回転部材20が軸方向の後端側を中心として、上下方向に直交する水平面(図4の紙面垂直方向に平行な面)に沿って回動(揺動)するように構成されている。
【0037】
図4に示すように、従動プーリ4は、回転部材20および内周側部材21の前端側を支持する支持部材23と、回転部材20を回動させる回動機構24と、回動機構24の駆動源25とを備えている。本形態の駆動源25はエアシリンダである。したがって、以下では、駆動源25を「エアシリンダ25」と表記する。
【0038】
内周側部材21は、全体として前端側が開口する略有底円筒状に形成されており、回転部材20と同軸上に配置される薄い円筒状の円筒部27と、内周側部材21の底面を構成する底面部28と、エアシリンダ25を固定するためのシリンダ固定部29とを備えている。本形態の内周側部材21は、駆動源であるエアシリンダ25が固定される駆動源保持部材である。
【0039】
底面部28は、円筒部27の後端に固定されている。底面部28には、後ろ側に向かって突出する板状の突出部28aが形成されている。この突出部28aは、回転部材20の後端よりも後ろ側へ突出している。突出部28aには、上下方向に貫通する貫通孔28bが形成されている。貫通孔28bには、上下方向を軸方向とする軸30が挿通されている。軸30の両端側は、ブラケット12に固定された軸保持ブロック31に保持されている。軸保持ブロック31は、回転部材20および内周側部材21の後端側を支持している。
【0040】
本形態では、回転部材20は、貫通孔28bを回動中心として水平面に沿って回動する。すなわち、本形態の貫通孔28bは、回転部材20の回動中心となる回動中心部である。なお、後端側に配置されるブラケット12には、突出部28aが配置される配置孔12aが前後方向に貫通するように形成されている。
【0041】
シリンダ固定部29は、全体として略円筒状に形成されており、円筒部27の前端側に固定されている。このシリンダ固定部29は、円筒部27と同軸上に配置されている。シリンダ固定部29の後端には、エアシリンダ25が固定されている。具体的には、エアシリンダ25のロッド25aが前端側に向かって突出するように、シリンダ固定部29の後端に、エアシリンダ25が固定されている。また、シリンダ固定部29の前端には、図7に示すように、前側に向かって突出する2個の突起部29aが左右方向に所定の間隔をあけた状態で形成されている。この突起部29aの前端は、回転部材20の前端よりも前側に突出している。
【0042】
支持部材23は、前端側に配置されるブラケット12の前面に固定されている。この支持部材23は、ブラケット12の前面に固定される固定部23aと、固定部23aから後ろ側に向かって突出する突出部23bとを備えている。突出部23bの後端側には、図7に示すように、上下方向に所定の間隔をあけた状態で2枚の平板部23cが形成されている。2枚の平板部23cは、2個の突起部29aの間に配置されている。なお、前端側に配置されるブラケット12には、突出部23bが配置される配置孔12bが前後方向に貫通するように形成されている。この配置孔12bには、突起部29aの前端側も配置されている。
【0043】
回動機構24は、エアシリンダ25に連結される移動側部材33と、支持部材23に保持される固定側部材34とを備えている。この回動機構24は、従動ローラ4の前端側に配置されている。また、回動機構24は、円筒部27およびシリンダ固定部29の径方向内側に配置されている。すなわち、回動機構24は、回転部材20の径方向内側に配置されている。
【0044】
移動側部材33は、ブロック状に形成され、エアシリンダ25のロッド25aの先端に固定されている。また、移動側部材33は、シリンダ固定部29の径方向内側に配置されている。移動側部材33の前端部33aは、支持部材23に形成される2枚の平板部23c間の隙間よりも薄い平板状に形成されている。前端部33aには、図6に示すように、回転部材20の軸方向に対して傾斜する傾斜溝33bが上下方向に貫通するように形成さている。具体的には、後ろ側に向かうにしたがって左側(図6の上側)に傾斜する傾斜溝33bが前端部33aに形成されている。この傾斜溝33bの前端は開口している。
【0045】
本形態の固定側部材34は、傾斜溝33bに係合する係合ローラである。したがって、以下では、固定側部材34を「係合ローラ34」と表記する。係合ローラ34は、支持部材23に形成される2枚の平板部23cの間に配置されている。具体的には、係合ローラ34は、図4に示すように、2枚の平板部23cの先端側に上下方向を軸方向として固定された軸35に回転可能に保持されている。
【0046】
エアシリンダ25は、上述のように、円筒部27の前端側に固定されたシリンダ固定部29の後端に固定されており、円筒部27の前端側の径方向内部に配置されている。このエアシリンダ25には、後述のバルブ42を介して圧縮空気供給源41が接続されており(図10参照)、圧縮空気供給源41から供給される圧縮空気によって、ロッド25aが前後方向に直動する。
【0047】
本形態では、ロッド25aが突出すると、図8(A)に示すように、傾斜溝33bの後端に係合ローラ34が配置される。そのため、ロッド25aが突出すると、回転部材20は、貫通孔28bを中心に反時計方向に回動して、ブラケット12および支持部材23に対して相対移動する。回転部材20が貫通孔28bを中心に反時計方向に回動すると、回転部材20の軸方向は、前側に向かうにしたがって右方向(図8(A)の下方向)に傾斜する。
【0048】
一方、ロッド25aが引っ込むと、図8(B)に示すように、傾斜溝33bの前端側に係合ローラ34が配置される。そのため、ロッド25aが引っ込むと、回転部材20は、貫通孔28bを中心に時計方向に回動して、ブラケット12および支持部材23に対して相対移動する。回転部材20が貫通孔28bを中心に時計方向に回動すると、回転部材20の軸方向は、前側に向かうにしたがって左方向(図8(A)の上方向)に傾斜する。
【0049】
(検出機構および従動プーリの動作)
図9は、図2のL−L方向から検出レバー40およびバルブ42の取付状態を説明するための図である。図10は、図4に示すエアシリンダ25と図9に示すバルブ42との接続状態を説明するための模式図である。図11は、図9に示す検出レバー40の動作を説明するための図であり、(A)はベルト2が偏っていない状態を示す図、(B)はベルト2が偏っている状態を示す図である。図12は、図11(A)のN−N方向からブラケット12を取り除いた状態を示す図である。
【0050】
本形態のベルトコンベヤ1は、ベルト2のずれや蛇行を検出するための検出機構40を備えている。この検出機構40は、従動プーリ4に対するベルト2の偏りを検出することで、ベルト2のずれや蛇行を検出する。また、本形態のベルトコンベヤ1は、図10に示すように、エアシリンダ25に圧縮空気を供給する圧縮空気供給源41と、エアシリンダ25に供給される圧縮空気の供給・停止を制御するバルブ42とを備えている。本形態では、検出機構40でのベルト2の偏り状態の検出結果に基づいて、バルブ42が制御され、エアシリンダ25に供給される圧縮空気の供給・停止が制御される。
【0051】
本形態の検出機構40は、ベルト2の端部(前後方向の端部)が接触可能な検出レバーからなる接触式の検出機構である。したがって、以下では、検出機構40を「検出レバー40」と表記する。検出レバー40は、図9に示すように、ベルトコンベヤ1の前端側および後端側の2箇所に設置されている。また、この検出レバー40には、トッププレート8の下方を通過するベルト2の前後方向の端部が接触可能となっている。なお、本形態の検出レバー40は、ベルト2の端部が接触可能な接触部材である。
【0052】
検出レバー40は、ブラケット12の前後方向の内側に固定された取付部材43に回動(揺動)可能に取り付けられている。具体的には、図12に示すように、検出レバー40は、取付部材43に固定されるネジ44にブッシュ45を介して支持されており、検出レバー40は、左右方向を軸方向として回動可能になっている。本形態では、図11に示すように、検出レバー40の、回動中心よりも下側部分にベルト2が接触可能となっている。また、検出レバー40の、回動中心よりも上側部分にバルブ42を構成する後述のプランジャ48が接触可能になっている。なお、検出レバー40の回動中心からベルト2の接触位置までの距離は、検出レバー40の回動中心からプランジャ48の接触位置まで距離よりも長くなっている。
【0053】
バルブ42は、図9に示すように、ベルトコンベヤ1の前端側および後端側の2箇所に設置されている。具体的には、バルブ42は、前後方向における検出レバー40の内側に設置されるとともに、検出レバー40の回動中心よりも上側に設置されている。このバルブ42は、取付部材43に固定されている。
【0054】
バルブ42は、いわゆるマイクロメカニカルバルブであり、たとえば、SMC株式会社の型式「VM1000」で特定されるバルブと同様の構成を備えている。このバルブ42は、圧縮空気供給源41からの圧縮空気が流入する流入路46と、エアシリンダ25に向かって圧縮空気が流出する流出路47と、バルブ42の内部で流入路46を開閉するための開閉部材としてのプランジャ48とを備えている。
【0055】
図11(A)に示すように、プランジャ48がバルブ42の外部へ突出している状態では、プランジャ48の作用で、流入路46は閉鎖されている。また、この状態では、プランジャ48の作用で、流出路47を逆流する空気が図示を省略する空気抜き部からバルブ42の外部へ流出するようになっている。一方、図11(B)に示すように、プランジャ48がバルブ42の内部へ押し込まれている状態では、プランジャ48の作用で、流入路46は開放されている。すなわち、この状態では、バルブ42からエアシリンダ25に圧縮空気が供給されている。また、この状態では、プランジャ48の作用で、バルブ42の圧縮空気が空気抜き部から外部へ流出しないようになっている。
【0056】
プランジャ48は、バルブ42に内蔵されるバネ(図示省略)によって前後方向の外側に突出するように付勢されている。そのため、通常は、プランジャ48の作用で、流入路46は閉鎖されている。ここで、上述のように、プランジャ48は、検出レバー40の、回動中心よりも上側部分が接触可能となる位置に配置されている。そのため、図11(B)に示すように、ベルト2が偏り、ベルト2の端部が検出レバー40に接触して、検出レバー40が回動すると、検出レバー40がプランジャ48に接触してプランジャ48をバルブ42の内部へ押し込む。プランジャ48がバルブ42の内部へ押し込まれると、プランジャ48の作用で、流入路46は開放されて、エアシリンダ25に圧縮空気が供給される。すなわち、ベルト2の端部が検出レバー40に接触すると、検出レバー40は、プランジャ48に接触して、プランジャ48に流入路46の開放動作を行わせる。
【0057】
本形態では、図10に示すように、前端側に配置されるバルブ42の流出路47は、エアシリンダ25のロッド側に接続され、後端側に配置されるバルブ42の流出路47は、エアシリンダ25のヘッド側に接続されている。
【0058】
そのため、ベルト2が後端側に偏って、ベルト2の端部が後端側に配置される検出レバー40に接触すると、エアシリンダ25のヘッド側に圧縮空気が供給される。したがって、図8(A)に示すように回転部材20が傾いて、ベルト2の偏りが修正される。このとき、図10に示すように、前端側に配置されるバルブ42の流出路47を逆流する空気は空気抜き部からバルブ42の外部へ流出する。また、ベルト2が前端側に偏って、ベルト2の端部が前端側に配置される検出レバー40に接触すると、エアシリンダ25のロッド側に圧縮空気が供給される。したがって、図8(B)に示すように回転部材20が傾いて、ベルト2の偏りが修正される。
【0059】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の従動プーリ4は、貫通孔28bを中心に回転部材20を回動させる回動機構24と、回動機構24の駆動源となるエアシリンダ25とを備えている。そのため、エアシリンダ25で駆動される回動機構24によって、回転部材20の軸方向を確実に傾斜させることができる。したがって、本形態では、従動プーリ4の確実な調芯動作を行うことが可能になり、ベルト2のずれや蛇行を確実に修正することが可能になる。
【0060】
本形態では、エアシリンダ25は、回転部材20の径方向内側に配置されている。そのため、従動プーリ4を小型化することができる。また、たとえば、多くの水が使用される環境や多くの塵埃が発生する環境でベルトコンベヤ1が使用されたとしても、これらの環境の影響を受けずにエアシリンダ25の動作を安定させることが可能になる。すなわち、様々な環境で、ベルトコンベヤ1を使用することが可能になる。さらに、エアシリンダ25が回転部材20の径方向内側に配置されているため、作業者の安全性を高めることも可能になる。
【0061】
本形態では、回動機構24は、エアシリンダ25に連結される移動側部材33と、支持部材23に保持される係合ローラ34とを備えている。また、移動側部材33には、係合ローラ34が係合する傾斜溝33bが形成されている。そのため、直線状に移動する移動側部材33の傾斜溝33bとこの傾斜溝33bに係合する係合ローラ34とを用いた比較的簡易な構成で、回転部材20の軸方向を確実に傾斜させることができる。
【0062】
本形態では、エアシリンダ25が固定される内周側部材21に回転部材20が回転可能に支持されている。そのため、ベルト2に係合する回転部材20が回転しても、エアシリンダ25は回転しない。したがって、配管が接続されるエアシリンダ25を回転させるための構成が不要となる。その結果、従動プーリ4の構成を簡素化することができ、従動プーリ4を小型化することができる。
【0063】
本形態では、回転部材20の軸方向における内周側部材21の両端側に配置される2個の軸受22によって、回転部材20が回転可能に支持されている。そのため、回転部材20の回転を安定させることができる。また、軸受22に偏荷重がかかりにくくなり、軸受22の耐久性を向上させることができる。
【0064】
本形態では、回転部材20の回動中心部となる貫通孔28bが後端側に配置され、回動機構24が前端側に配置されている。そのため、エアシリンダ25の駆動力が比較的小さくても、回転部材20を回動させることができる。したがって、回動機構24の構成を簡素化することができる。また、エアシリンダ25を小型化することができる。さらに、エアシリンダ25に接続される配管機器の構成を簡素化することができる。また、回動機構24が従動プーリ4の軸方向の中心ではなく端部側に配置されているため、回動機構24のメンテナンスが容易になる。また、回動機構24の組立も容易になる。
【0065】
本形態では、ベルトコンベヤ1のベルト2を駆動するための回転駆動機構に連結されない従動プーリ4が調芯機能を有している。そのため、モータ5に連結される駆動プーリ3を従動プーリ4と同様に構成して、駆動プーリ3に調芯機能を持たせる場合と比較して、プーリの構成を簡素化することができる。したがって、比較的簡易な構成で、ベルト2のずれや蛇行を確実に修正することが可能になる。また、従動プーリ4は、被搬送物の搬送方向の端部に配置されているため、ベルト2のずれや蛇行を効果的に補正することができる。
【0066】
本形態では、ベルトコンベヤ1は従動プーリ4に対するベルト2の偏りを検出する検出レバー40を備え、検出レバー40でベルト2の偏りが検出されると、エアシリンダ25に圧縮空気が供給される。そのため、検出レバー40で検出されるベルト2の偏りに応じて、従動プーリ4の調芯動作を行うことができ、ベルト2のずれや蛇行を適切に修正することが可能になる。
【0067】
本形態では、ベルト2の端部が検出レバー40に接触すると、検出レバー40は、プランジャ48に接触して、プランジャ48に流入路46の開放動作を行わせている。そのため、エアシリンダ25を電気的に制御する必要がなくなり、ベルトコンベヤ1の構成を簡素化することができる。
【0068】
本形態では、回動機構24の駆動源として、エアシリンダ25を用いている。そのため、回動機構24の駆動源が、たとえば、油圧シリンダ、モータあるいはソレノイドである場合と比較して、駆動源の構成や回動機構24の構成を簡素化することが可能になる。
【0069】
(他の実施の形態)
上述した形態では、回動機構24の駆動源は、エアシリンダ25であるが、回動機構24の駆動源は、油圧シリンダ、モータまたはソレノイド等の他の駆動源であっても良い。
【0070】
上述した形態では、回動機構24を構成する固定側部材34は、係合ローラであるが、固定側部材34は、傾斜溝33bに係合する係合ピンであっても良い。また、上述した形態では、傾斜溝33bが形成される移動側部材33と、係合ローラ34とによって回動機構24が構成されているが、回動機構24は、所定のリンク機構、カム機構あるいはギア列によって構成されても良い。
【0071】
上述した形態では、回転部材20の回動中心部(貫通孔28b)は後端側に配置されているが、回転部材20の回動中心部が前後方向の中央部に配置されても良い。この場合には、前端側に加え後端側にも回動機構24およびエアシリンダ25が配置されても良い。
【0072】
上述した形態では、ベルト2の端部が検出レバー40に接触すると、検出レバー40が、プランジャ48に接触して、プランジャ48に流入路46の開放動作を行わせている。この他にもたとえば、プランジャ48がバルブ42の外部へ突出している状態で、流入路46が開放されるようにバルブ42を構成するとともに、ベルト2の端部が検出レバー40に接触したときに、検出レバー40が、プランジャ48に接触して、プランジャ48に流入路46の閉鎖動作を行わせるようにしても良い。
【0073】
また、上述した形態では、検出レバー40にベルト2の端部が接触可能となっており、検出レバー40が、プランジャ48に接触して、プランジャ48に流入路46の開放動作を行わせている。この他にもたとえば、検出レバー40を設けずに、プランジャ48に直接、ベルト2の端部が接触するようにバルブ42を配置しても良い。すなわち、検出機構40は、ベルト2の端部が接触可能なプランジャ48からなる接触式の検出機構であっても良い。この場合には、プランジャ48はベルト2の端部が接触可能な接触部材となる。
【0074】
また、検出機構40は、接触部材としての接点レバーとこの接点レバーが接触する接点スイッチとを備えるマイクロスイッチ等の機械式の検出機構であっても良い。さらに、検出機構40は、ベルト2の端部側に接触することなく、ベルト2の端部側を検出する非接触式の検出機構であっても良い。たとえば、検出機構40は、発光素子と受光素子とを有する光学式センサや近接スイッチ等であっても良い。なお、これらの場合には、電磁弁によって、エアシリンダ25に供給される圧縮空気の供給・停止を制御すれば良い。
【0075】
上述した形態では、検出レバー40によって、従動プーリ4に対するベルト2の偏りが検出されると、エアシリンダ25に圧縮空気が供給されて従動ローラ4が回動する。この他にもたとえば、定期的に、エアシリンダ25のヘッド側およびロッド側に交互に圧縮空気を供給して、定期的に従動ローラ4を回動させても良い。この場合には、検出レバー40を設けなくても良い。
【0076】
上述した形態では、いわゆるヘッドドライブ型のベルトコンベヤ1に従動プーリ4が使用されている。この他にもたとえば、被搬送物の搬送方向の両端部に従動プーリが配置され、被搬送物の搬送方向の中央部に駆動プーリが配置されるいわゆるセンタドライブ型のベルトコンベヤにも従動プーリ4を使用することができる。この場合には、被搬送物の搬送方向の両端部に従動プーリ4が使用されても良いし、搬送方向の一端部のみに従動プーリ4が使用されても良い。
【0077】
また、上述した形態では、ベルトコンベヤ1に従動プーリ4が使用されているが、従動プーリ4は、被搬送物をベルト2で搬送することのない他の装置に使用することもできる。たとえば、従動プーリ4は、モータ等の所定の駆動源からの動力を伝達するベルト伝動装置に使用することもできる。このベルト伝動装置では、ベルトのずれや蛇行を確実に修正することが可能になり、駆動源からの動力を適切に伝達することが可能になる。
【0078】
上述した形態では、ベルト2が係合する従動プーリ4を例に本発明の実施の形態にかかるローラを説明しているが、本発明にかかるローラには、ベルトが係合されなくも良い。たとえば、図13に示すように、ローラ54で所定の被搬送物61を搬送するローラコンベヤ51に使用される複数のローラ54に本発明にかかるローラが使用されても良い。このローラコンベヤ51では、ローラ54の確実な調芯動作を行うことが可能になるため、被搬送物61を所定の方向へ適切に搬送することが可能になる。また、このローラコンベヤ51では、回転部材20を任意の方向に傾斜させて、被搬送物61を斜めに搬送することが可能になる。
【0079】
さらに、このローラコンベア51では、回転部材20を傾斜させるか否かを任意に選択することが可能になるため、被搬送物61ごとにその搬送方向を変えることが可能になる。たとえば、ある被搬送物61をまっすぐ搬送し、他の被搬送物61を斜め方向に搬送することが可能になる。したがって、このローラコンベア51では、被搬送物61の仕分けを行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の実施の形態にかかるベルトコンベヤを示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図2】図1(A)のE部の拡大図である。
【図3】図1(B)のF部の拡大図である。
【図4】図2のG−G断面を示す断面図である。
【図5】図5は、図1に示すベルトコンベヤの他端側を示す側面図であり、(A)は図4のH−H方向からの側面図、(B)は図4のJ−J方向からの側面図である。
【図6】図4のK−K断面を示す断面図である。
【図7】図4に示す従動プーリおよびその周辺部分の概略構成を説明するための分解斜視図である。
【図8】図4に示す従動プーリの動作を説明するための図である。
【図9】図2のL−L方向から検出レバーおよびバルブの取付状態を説明するための図である。
【図10】図4に示すエアシリンダと図9に示すバルブとの接続状態を説明するための模式図である。
【図11】図9に示す検出レバーの動作を説明するための図であり、(A)はベルトが偏っていない状態を示す図、(B)はベルトが偏っている状態を示す図である。
【図12】図11(A)のN−N方向からブラケットを取り除いた状態を示す図である。
【図13】本発明の他の実施の形態にかかるローラコンベヤを示す平面図である。
【符号の説明】
【0081】
1 ベルトコンベヤ
2 ベルト
4 従動プーリ(プーリ、従動ローラ、ローラ)
20 回転部材(外周側部材)
21 内周側部材(駆動源保持部材)
22 軸受
23 支持部材
24 回動機構
25 エアシリンダ(駆動源)
28b 貫通孔(回動中心部)
33 移動側部材
33b 傾斜溝
34 係合ローラ(固定側部材)
40 検出レバー(検出機構、接触部材)
42 バルブ
46 流入路
47 流出路
48 プランジャ(開閉部材)
51 ローラコンベヤ
54 ローラ
61 被搬送物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面を構成するとともに回転可能な回転部材と、前記回転部材の軸方向を傾斜させるための前記回転部材の回動中心となる回動中心部と、前記回動中心部を中心に前記回転部材を回動させる回動機構と、前記回転部材の径方向内側に配置される前記回動機構の駆動源とを備えることを特徴とするローラ。
【請求項2】
前記回転部材の端部側を支持する支持部材を備え、
前記回転部材は、前記回動中心部を中心に前記支持部材に対して相対回動するように構成され、
前記回動機構は、前記支持部材に保持される固定側部材と、前記駆動源に連結されて移動する移動側部材とを備えることを特徴とする請求項1記載のローラ。
【請求項3】
前記移動側部材は、前記駆動源によって直線状に移動するとともに、前記移動側部材には、前記回転部材の軸方向に対して傾斜する傾斜溝が形成され、
前記固定側部材は、前記支持部材に回転可能に保持されるとともに前記傾斜溝に係合する係合ローラであることを特徴とする請求項2記載のローラ。
【請求項4】
前記回転部材の径方向内側に配置され、前記駆動源が固定されるとともに前記回動中心部が形成される駆動源保持部材を備え、
前記回転部材は、前記駆動源保持部材に回転可能に支持されていることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載のローラ。
【請求項5】
前記回転部材の軸方向における前記駆動源保持部材の両端側に配置され、前記回転部材を回動可能に支持する軸受を備えることを特徴とする請求項4記載のローラ。
【請求項6】
前記回動中心部は、前記回転部材の軸方向の一端側に配置され、前記回動機構は、前記回転部材の軸方向の他端側に配置されていることを特徴とする請求項1から5いずれかに記載のローラ。
【請求項7】
前記駆動源は、エアシリンダであることを特徴とする請求項1から6いずれかに記載のローラ。
【請求項8】
前記ローラは、前記回転部材にベルトが係合するプーリであることを特徴とする請求項1から7いずれかに記載のローラ。
【請求項9】
請求項8に記載のローラと、前記回転部材に係合するベルトとを備え、
前記ベルトで所定の被搬送物を搬送することを特徴とするベルトコンベヤ。
【請求項10】
前記ローラは、前記被搬送物の搬送方向における前記ベルトコンベヤの端部に配置されるとともに、回転駆動機構に連結されない従動ローラであることを特徴とする請求項9記載のベルトコンベヤ。
【請求項11】
前記ローラに対する前記ベルトの偏りを検出する検出機構を備え、
前記検出機構での検出結果に基づいて、前記駆動源を駆動することを特徴とする請求項9または10記載のベルトコンベヤ。
【請求項12】
前記検出機構は、前記ベルトの端部が接触可能な接触部材を備える接触式の検出機構であることを特徴とする請求項11記載のベルトコンベヤ。
【請求項13】
前記駆動源は、エアシリンダであり、
前記エアシリンダには、前記エアシリンダに供給される圧縮空気の流入路と前記圧縮空気の流出路と前記流入路を開閉するための開閉部材とを備えるバルブが接続され、
前記ベルトの端部が前記接触部材に接触すると、前記接触部材は、前記開閉部材に接触して、前記開閉部材に前記流入路の開放動作または閉鎖動作を行わせることを特徴とする請求項12記載のベルトコンベヤ。
【請求項14】
前記駆動源は、エアシリンダであり、
前記エアシリンダには、前記エアシリンダに供給される圧縮空気の流入路と前記圧縮空気の流出路とを備えるバルブが接続され、
前記接触部材は、前記バルブに内蔵されるとともに前記流入路を開閉するための開閉部材であることを特徴とする請求項12記載のベルトコンベヤ。
【請求項15】
前記検出機構は、前記ベルトの端部側に接触することなく前記ベルトの端部側を検出する非接触式の検出機構であることを特徴とする請求項11記載のベルトコンベヤ。
【請求項16】
請求項8に記載のローラと、前記回転部材に係合するベルトとを備え、
所定の駆動源からの動力を伝達することを特徴とするベルト伝動装置。
【請求項17】
請求項1から7いずれかに記載のローラを複数備え、
前記ローラで所定の被搬送物を搬送することを特徴とするローラコンベヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−18401(P2010−18401A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−181279(P2008−181279)
【出願日】平成20年7月11日(2008.7.11)
【出願人】(391019289)マルヤス機械株式会社 (32)
【Fターム(参考)】