ローラを引張部材として有するコンベアベルト
コンベアベルトのための引張部材として機能する複数のローラを含むコンベアベルトである。いくつかの実施例において、ローラは、縦方向シャフトまわりに回転するローラ部材を含む。ローラシャフトは、コンベアベルトの縦方向にわたる引張力を受けて伝達する。いくつかの実施例において、コンベアベルトの幅方向の隣接ローラ部材同士の間には何も存在しない
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローラを引張部材として有するコンベアベルトに関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本願は、2006年1月26日出願の「Systems and Methods for a Variable Angle High-Speed Diverting Conveyor System」という名称の米国仮特許出願第60/762,227号の優先権を主張する、2007年1月25日出願の「Systems and Methods for Diverting Objects」という名称の同時係属米国非仮特許出願第11/627,132号の一部継続出願である。双方の出願は全てここに参照として組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
コンベアベルトは、ベルトの少なくとも上面を越えたところに延在する複数のローラを含む場合がある。かかるローラを介して、選択された方向にローラを駆動することにより、ベルトによって運ばれる物体をベルトからそらすことができる。
【0004】
上述のタイプのコンベアベルトは典型的に、ともに連結されてローラを支持するモジュール式ベルト本体部分を含む。例えば、ベルトの幅方向にわたって延在する複数のローラの列のそれぞれに1つの本体部分を設けることができる。かかる本体部分は、当該部分の例えば所定長さのプラスチック又は金属である一部がベルトの幅方向の隣接ローラのそれぞれの間に配置されるように、当該ローラの側方を取り囲む。本体部分は、ローラを支持するための実行可能手段を与え、かつ、ベルトに構造物を与えるが、ベルトの幅方向のスペースを占めるので、達成可能なローラ密度には限界がある。すなわち、ローラ同士の間に存在する本体部分の長さの存在が、各隣接ローラ間のスペースを最小化できる程度を制限する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0011454号明細書
【特許文献2】米国特許第4,730,723号明細書
【発明の概要】
【0006】
以下の図面を参照することにより、開示のコンベアベルトがさらに良く理解できる。図面中の要素は、必ずしも縮尺通りではない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】引張部材として機能するローラを有するコンベアベルトの第1実施例の斜視図である。
【図2】図1のコンベアベルトに使用できるローラの実施例の上面図である。
【図3】図2のローラの端面図である。
【図4】図2のローラ部材の分解斜視図である。外層の適用前のローラの構造を示す。
【図5】図2のローラの斜視図である。
【図6】コンベアベルトのローラを使用して物体をそらすことを示す概略図である。
【図7】コンベアベルトのローラの上部に着地するデブリの保持を示す概略図である。
【図8】引張部材として機能するローラを有するコンベアベルトの第2実施例の斜視図である。
【図9】図8のコンベアベルトに使用することができるローラ部材及びスペーサ部材の実施例の部分断面側面図である。
【図10】図9に示されるローラの上面図である。
【図11】図9に示されるローラの端面図である。
【図12】図8のコンベアベルトの1つの横方向部分の斜視図である。当該部分の製造方法の実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
コンベアベルトが以下に記載される。コンベアベルトの複数のローラは、当該ベルトの縦方向の引張部材として機能する。いくつかの実施例において、コンベアベルトは、複数の横方向列を含む。各列は、複数のローラを含む。複数のローラは、それらの回転軸が一般に当該ベルトの縦方向に整列されるように配向される。各ローラはシャフトを含む。ローラのローラ部材は、例えばコンベアベルトから物体を側方にそらすべく当該シャフトまわりに回転できる。シャフトは、ローラ部材を支持するだけでなく、コンベアベルトに対してその長さ方向に及ぼされる引張力を受けて伝達する。これにより、コンベアベルトが、例えばベルトスプロケットによって所定方向に引っ張られる場合、その引張力はシャフトが受けて伝達する。これは、例えばベルト本体部分のような他のベルト要素とは対照的である。
【0009】
コンベアベルトの様々な実施例を以下に開示する。具体的な実施例が提示されるが、かかる実施例は開示のベルトの単なる例示的実施であって、他の実施例も可能である。かかる実施例はすべて、本開示の範囲内にある。
【0010】
同じ参照番号が対応する要素を特定する図面を参照する。図1は、コンベアベルト10の第1実施例の一部を示す。図1に示されるように、コンベアベルト10は、複数の横方向列12のローラ14を含む。複数のローラ14は、当該ベルトの幅方向に延在する。少なくともいくつかの実施例において、ローラ14はまた、矢印18によって特定されるベルトの進行方向(すなわちベルトの縦方向)と平行をなすベルト10の長さ方向に延在するコラム16において整列される。図1に示されるように、ローラ14が取り付けられるコンベア本体部分又は他のベルト要素は存在しない。コンベアベルト10にその縦方向において各列12で及ぼされる引張力は、ローラ単独が受けて伝達する。さらに、ベルト10には、当該ベルトの幅方向に隣接するローラ同士の間に配置される要素はない。具体的には、複数のローラ14の間に存在してそのローラの外側表面が画定するギャップ内には要素が存在しない。
【0011】
コンベアベルト10は、複数の横方向シャフト20を含む。横方向シャフト20は、ベルトの幅方向に延在し、ローラ14の様々な列12を回動可能にともに接続する。かかる列はともに、連続的な又は「エンドレスな」ベルトを形成する。これにより、横方向シャフト20はまた、コンベアベルト10における引張力を受けて伝達する。いくつかの実施例において、シャフト20は、金属又はプラスチック材料からなる中実の細長いロッドを含む。例えば、シャフト20は鋼製ロッドを含んでよい。図1に示されるように、シャフト20の端部22にはねじ山が付けられて、例えばナットのような相手方のねじ付ファスナ24が受け入れられる。さらに、ワッシャ26又は他のスペーサ要素を、固定されるファスナ24とローラ14との間に配置することができる。
【0012】
横方向シャフト20は、ローラ14の縦方向シャフト28に設けられた開口を通って延在する。図1の実施例において、横方向シャフト20は、ローラシャフト28の端部に設けられたアイレット30によって形成される開口を通過する。また、横方向シャフト20は、横方向スペーサ32と通って延在する。横方向スペーサ32は、ローラシャフト28の所定間隔を維持することによってローラ14自体の所定間隔を維持する。いくつかの実施例において、横方向スペーサ32は、ポリマー又は金属の材料で作られた円筒状のカラーを含む。
【0013】
図2−図5は、例示的なローラ36を示す。ローラ36は、図1のコンベアベルト10において使用することができる。図2の上面図から始めると、各ローラ36はローラ部材38を含む。ローラ部材38は、外層42によって取り囲まれたローラ体40を含む。図4に示されるように、ローラ体40は、ほぼ円筒状の部材である。これは、少なくともいくつかの実施例において、2つの縦方向半体44及び46から形成される。各半体は、丸みのある外側表面48と、少なくとも一部が平坦な内側表面50(図4に明示的に特定される内表面は1つのみである)とを含む。各半体44、46の各端部は、2つの半体が連結した場合にローラ体40が円錐状及び/又は丸み端部を有するような、ほぼ円錐状及び/又は丸み部分52を形成する。
【0014】
各ローラ体半体44、46には、細長い溝54が設けられる。細長い溝54は、ローラ体40の長さ方向に延在して、シャフト56を受け入れるための通路の半分を形成する。通路が形成されると、通路は、ローラ体40がシャフト56まわりに回転する際にローラ体40を支持する支承表面を画定する。いくつかの実施例において、各半体44、46は、シャフト56まわりに少なくとも一時的に2つの半体相互を接続するべく使用される接続要素を含む。図1の実施例において、接続要素は、ローラ体半体44に設けられたオス型接続要素(すなわち突起)57と、ローラ体半体46に設けられたメス型接続要素(すなわち開口)59とを含む。ここで、メス型接続要素は、スナップ留めの関係にあるオス型接続要素を受け入れる。
【0015】
シャフト56は、各端部にアイレット58が設けられた細長いロッド又は管を含む。アイレット58は、例えば図1に示されるシャフト20のような横方向シャフトを受け入れる開口60を画定する。図2及び図3に最も明確に示されるように、アイレット58は、シャフト56の縦軸に対してオフセットされる。より具体的には、図2に示されるように、アイレット58は、シャフト56の残りの部分に対して対向する横方向へオフセットされ又はずらされる。かかるオフセットされ又はずらされた配向によって、各ローラ36のシャフト56を、当該ローラが使用されるベルトの縦方向に関して整列させることが容易となる。例えば、アイレット58は、各アイレットの内側表面62が、シャフト56の縦軸が存在する面内に実質的に存在するようにオフセットされる。この場合、各シャフト56の内側表面62もまた同じ面内に実質的に存在する。ベルトの縦方向に延在するローラコラムの各ローラ36の縦軸が相互にほぼ整列される。
【0016】
ローラ36の製造中、シャフト56は、アイレット58及びその開口60が作られるように金属ロッドの端部を曲げることによって形成することができる。2つのローラ体半体44、46は、例えば射出成形プロセスを使用して別個に製造することができる。射出成形プロセスでは、1つがローラ体40の各半体のための別個の鋳型内にポリマー又は他の適切な材料が射出される。シャフト56及びローラ体半体44、46が作られると、図4に示されるように、当該半体はシャフト56まわりに相互にスナップ留めされる。その結果、ほぼ円筒状のローラ体40は、ローラの回転軸に一致するシャフト56まわりに枢動することができる。次に、図5に示されるように、ローラ体40まわりに外層42を設けることができる。いくつかの実施例において、外層42は、ローラ体40の外側表面48まわりの所定位置に射出成形される。他の実施例において、外層42は、ローラ体外側表面48にかぶせられる事前成形スリーブとして作られる。いずれにせよ、外層42は、ローラ体40の2つの半体44、46を一緒に保持する。少なくともいくつかの実施例において、外層42は、ローラ36と、ベルトにより運ばれる物体及び/又はローラを駆動する駆動要素との間の滑りを低減する高摩擦材料からなる。例えば、高摩擦材料は、ゴム又はポリマー材料を含むことができる。
【0017】
図6は、物体Oをそらす場合のローラ36の使用を示す。図6において、ローラ36を越えるコンベアベルトの要素は、明確性を目的として省略される。図6に示されるように、各ローラ部材38は、そのシャフト56まわりに反時計方向に回転する。この回転は、例えば、コンベアベルトの下にローラ部材38と接触して配置される傾斜駆動ローラ(図示せず)のような適切な駆動機構を使用して行われる。反時計回転に起因して、ローラ36により支持される物体Oは、矢印64により特定される左方向にそらされる。なお、図6の、ローラ36の反時計回転及び物体Oが左方向へそれることは、例示目的で示されるにすぎない。
【0018】
図7は、ローラ36のさらなる使用シナリオを示す。しかし、この場合はデブリDが、コンベアベルトの隣接する2つのローラ36上に着陸している。2つのローラ36同士の間になにもなければ、デブリDは、その左側では上方向の力を受け、その右側では下方向の力を受ける。図7に示されるように、これによってデブリDは、コンベアベルト上部の所定位置で回転する。しかし、この回転が生じないとしても、デブリDは、それに作用する対向する力によってコンベアベルト内に下方向に引き込まれることがない。なお、かかる結果は、ベルト本体部分によって取り囲まれたローラを含む周知のコンベアベルトでは生じる可能性が低い。具体的には、かかるベルトは、隣接ローラの下方向移動表面とベルト本体部分の静止表面との間にデブリが配置され得るので、デブリが下に引き込まれる可能性が高い。図7に示される構成により、かかるデブリがベルト内の下方向に引き込まれる可能性が低減される以外に、例えば指のような付属肢がその構成の下方向に引き込まれる可能性も低いことから考えて、オペレータの安全性が高められる。
【0019】
図8は、コンベアベルト70の第2実施例の一部を示す。図8に示されるように、コンベアベルト70は、図1のコンベアベルトといくつかの点において類似する。したがって、コンベアベルト70は、ベルトの幅方向に延在してコンベアベルトの長さ方向の引張力を受けて伝達する複数のローラ74の複数の横方向列72を含む。少なくともいくつかの実施例において、ローラ74はまた、矢印78によって特定されるベルトの進行方向(すなわちベルトの縦方向)と平行をなすベルト70の長さ方向に延在するコラム76において整列される。
【0020】
図8にさらに示されるように、コンベアベルト70は、複数の横方向シャフト80を含む。横方向シャフト80は、ベルトの幅方向に延在し、ローラ74の様々な列72を回動可能にともに接続する。隣接する列はともにベルトの長さ方向に連結され、連続的な又は「エンドレスな」ベルトを形成する。いくつかの実施例において、シャフト80は、金属又はプラスチック材料からなる中実の細長いロッドを含む。例えば、シャフト80は鋼製ロッドを含んでよい。図8に示されるように、シャフト80の端部82にはねじ山が付けられて、例えばナットのような相手方のねじ付ファスナ84が受け入れられる。さらに、ワッシャ86又は他のスペーサ要素を、固定されるファスナ84とローラ74との間に配置することができる。
【0021】
横方向シャフト80はまた、ローラ74の縦方向シャフトに設けられた開口を通って延在する。しかし、図8のコンベアベルト70においてシャフト80の端部は、ローラ74同士の間に所定間隔を維持するスペーサ部材88に、例えば組み込まれ又は囲まれることによって取り付けられる。スペーサ部材88は、ローラの隣接列72の相手方スペーサ部材に接続されて、引張力を伝達する。かかる構成は図9に示される。
【0022】
図9は、図8のコンベアベルト70において使用できる例示的なローラ90及びスペーサ部材112を示す。図9に示されるように、ローラ90はローラ部材92を含む。ローラ部材92は、外層96によって取り囲まれたローラ体94を含む。図10及び図11から明らかなように、ローラ体94は、少なくともいくつかの実施例において2つの縦方向半体98及び100から形成される、ほぼ円筒状の部材である。縦方向半体98及び100はそれぞれ、丸みのある外側表面及び平坦な内側表面を含む。したがって、図9に示されるのは、半体の一方(半体98)及びそれに設けられた接続要素102である。
【0023】
図9に示されるように、ローラ体半体98は、その内側表面106に形成された溝104を有する。溝104は、ローラ体の長さ方向に延在して、シャフト106を受け入れるための通路の半分を形成する。シャフト106は、各端部に接続要素108が設けられた細長いロッド又は管を含む。少なくともいくつかの実施例において、接続要素108はフック要素を含む。しかし、シャフト端部の特性は、この端部がスペーサ部材112と接続可能な要素を与える限りは重要ではない。少なくともいくつかの実施例において、接続要素108は開口110を画定する。横方向シャフト80のような横方向シャフトが開口110を通過することができる。
【0024】
図10及び図11に戻ると、シャフト106の接続要素108は、シャフトの残りの部分の縦軸に対してオフセットされる。図10に最も良く示されるように、接続要素108は、シャフト106の残りの部分から、対向する横方向へオフセットされる。この対向する横方向のそれぞれは、シャフトの縦軸に対して鋭角をなす。かかるオフセット配向により、各ローラ90のシャフトを、当該ローラが使用されるベルトの縦方向と整列させることが容易になる。この場合、ベルトの縦方向に延在するローラコラムの各ローラ90の縦軸は、相互にほぼ整列する。
【0025】
図12は、図8に示されるタイプのコンベアベルトの横方向部分114の製造方法の例を示す。まず、ベルトローラ90のシャフト106が、所望の接続要素108を形成するべく金属ロッドの端部を曲げることによって作られる。シャフト106が作られると、シャフト106は、1つ以上のスペーサ部材鋳型内に配置される。次に、例えばポリマー材料のような選択された材料が鋳型内に射出され、シャフト106の端部の一方又は双方及びその接続要素108のそれぞれが少なくとも部分的に取り囲まれるか又は覆われる。図12に示される実施例において、接続要素108は、スペーサ部材112内に実質的に覆われる。
【0026】
図12に示されるように、各スペーサ部材112は本体部分116を含む。接続要素108の大部分を覆うカラー118が本体部分116から延びる。各カラー118は横方向開口120を含む。例えば図8に示されるシャフト80のような横方向シャフトが横方向開口120を通って延びることができる。接続要素108がスペーサ部材112によって完全に覆われる場合、横方向シャフトは、開口120の内側表面とだけ接触する。カラー118同士の間にはギャップ122が存在する。ギャップ122は、隣接するスペーサ部材112のカラーを受け入れるような形状に構成される。本体部分116の対向側部から延びるのは、支持部材124である。支持部材124は、ローラシャフト106の一部を取り囲み、横方向部分114に構造強度を与える。図12の実施例において、支持部材124は実質的に円錐台状である。
【0027】
2つのローラ体半体98、100は、例えば射出成形プロセスを使用して別個に製造することができる。射出成形プロセスでは、1つがローラ体94の各半体のための別個の鋳型内にポリマー材料が射出される。図12に示されるように、半体98、100は、スペーサ部材112の支持部材124のためのスペースを与える円錐台状溝を含む。ローラ体半体98、100が作られると、図12に示されるように、当該半体はシャフト106まわりに相互にスナップ留めされる。かかるスナップ留めは、半体98、100のそれぞれに設けられた接続要素128によって行われる。この時点で、ほぼ円筒状のローラ体94が、ローラの回転軸に一致するシャフト106まわりに枢動するように形成される。
【0028】
次に、図9に示されるように、ローラ体94のまわりに外層96を設けることができる。例えば、外層96はローラ体94の外側表面まわりに射出成形されて、ローラ体94の2つの半体98、100を一緒に保持する。少なくともいくつかの実施例において、外層96は、ローラ90と、運ばれる物体及び/又はローラを駆動する駆動要素との間の滑りを低減する高摩擦材料を含む。例えば、高摩擦材料は、ゴム又はポリマー材料を含む。
【0029】
上述のようにして様々な横方向部分が構成されると、例えば図8のシャフト80のような横方向シャフトを使用することにより当該様々な部分を回動可能に一緒に接続して連続ベルトを形成することができる。
【0030】
上述の実施例のそれぞれにおいて、コンベアベルトローラ、及び、具体的にはかかるローラのシャフトは、コンベアベルトの引張部材として機能する。ローラは、ベルトに及ぼされる引張力を受けて伝達する。かかる構成により、ローラコンベアベルトを製造するべく通常使用されるコンベアベルト本体部分を省略することができる。かかる本体部分を省略することにより、コンベアベルトの幅方向における高いローラ密度が可能となり、デブリ又は人の付属肢のような物体がベルト動作中にコンベアベルト内に引き下ろされる可能性が低減される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローラを引張部材として有するコンベアベルトに関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本願は、2006年1月26日出願の「Systems and Methods for a Variable Angle High-Speed Diverting Conveyor System」という名称の米国仮特許出願第60/762,227号の優先権を主張する、2007年1月25日出願の「Systems and Methods for Diverting Objects」という名称の同時係属米国非仮特許出願第11/627,132号の一部継続出願である。双方の出願は全てここに参照として組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
コンベアベルトは、ベルトの少なくとも上面を越えたところに延在する複数のローラを含む場合がある。かかるローラを介して、選択された方向にローラを駆動することにより、ベルトによって運ばれる物体をベルトからそらすことができる。
【0004】
上述のタイプのコンベアベルトは典型的に、ともに連結されてローラを支持するモジュール式ベルト本体部分を含む。例えば、ベルトの幅方向にわたって延在する複数のローラの列のそれぞれに1つの本体部分を設けることができる。かかる本体部分は、当該部分の例えば所定長さのプラスチック又は金属である一部がベルトの幅方向の隣接ローラのそれぞれの間に配置されるように、当該ローラの側方を取り囲む。本体部分は、ローラを支持するための実行可能手段を与え、かつ、ベルトに構造物を与えるが、ベルトの幅方向のスペースを占めるので、達成可能なローラ密度には限界がある。すなわち、ローラ同士の間に存在する本体部分の長さの存在が、各隣接ローラ間のスペースを最小化できる程度を制限する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0011454号明細書
【特許文献2】米国特許第4,730,723号明細書
【発明の概要】
【0006】
以下の図面を参照することにより、開示のコンベアベルトがさらに良く理解できる。図面中の要素は、必ずしも縮尺通りではない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】引張部材として機能するローラを有するコンベアベルトの第1実施例の斜視図である。
【図2】図1のコンベアベルトに使用できるローラの実施例の上面図である。
【図3】図2のローラの端面図である。
【図4】図2のローラ部材の分解斜視図である。外層の適用前のローラの構造を示す。
【図5】図2のローラの斜視図である。
【図6】コンベアベルトのローラを使用して物体をそらすことを示す概略図である。
【図7】コンベアベルトのローラの上部に着地するデブリの保持を示す概略図である。
【図8】引張部材として機能するローラを有するコンベアベルトの第2実施例の斜視図である。
【図9】図8のコンベアベルトに使用することができるローラ部材及びスペーサ部材の実施例の部分断面側面図である。
【図10】図9に示されるローラの上面図である。
【図11】図9に示されるローラの端面図である。
【図12】図8のコンベアベルトの1つの横方向部分の斜視図である。当該部分の製造方法の実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
コンベアベルトが以下に記載される。コンベアベルトの複数のローラは、当該ベルトの縦方向の引張部材として機能する。いくつかの実施例において、コンベアベルトは、複数の横方向列を含む。各列は、複数のローラを含む。複数のローラは、それらの回転軸が一般に当該ベルトの縦方向に整列されるように配向される。各ローラはシャフトを含む。ローラのローラ部材は、例えばコンベアベルトから物体を側方にそらすべく当該シャフトまわりに回転できる。シャフトは、ローラ部材を支持するだけでなく、コンベアベルトに対してその長さ方向に及ぼされる引張力を受けて伝達する。これにより、コンベアベルトが、例えばベルトスプロケットによって所定方向に引っ張られる場合、その引張力はシャフトが受けて伝達する。これは、例えばベルト本体部分のような他のベルト要素とは対照的である。
【0009】
コンベアベルトの様々な実施例を以下に開示する。具体的な実施例が提示されるが、かかる実施例は開示のベルトの単なる例示的実施であって、他の実施例も可能である。かかる実施例はすべて、本開示の範囲内にある。
【0010】
同じ参照番号が対応する要素を特定する図面を参照する。図1は、コンベアベルト10の第1実施例の一部を示す。図1に示されるように、コンベアベルト10は、複数の横方向列12のローラ14を含む。複数のローラ14は、当該ベルトの幅方向に延在する。少なくともいくつかの実施例において、ローラ14はまた、矢印18によって特定されるベルトの進行方向(すなわちベルトの縦方向)と平行をなすベルト10の長さ方向に延在するコラム16において整列される。図1に示されるように、ローラ14が取り付けられるコンベア本体部分又は他のベルト要素は存在しない。コンベアベルト10にその縦方向において各列12で及ぼされる引張力は、ローラ単独が受けて伝達する。さらに、ベルト10には、当該ベルトの幅方向に隣接するローラ同士の間に配置される要素はない。具体的には、複数のローラ14の間に存在してそのローラの外側表面が画定するギャップ内には要素が存在しない。
【0011】
コンベアベルト10は、複数の横方向シャフト20を含む。横方向シャフト20は、ベルトの幅方向に延在し、ローラ14の様々な列12を回動可能にともに接続する。かかる列はともに、連続的な又は「エンドレスな」ベルトを形成する。これにより、横方向シャフト20はまた、コンベアベルト10における引張力を受けて伝達する。いくつかの実施例において、シャフト20は、金属又はプラスチック材料からなる中実の細長いロッドを含む。例えば、シャフト20は鋼製ロッドを含んでよい。図1に示されるように、シャフト20の端部22にはねじ山が付けられて、例えばナットのような相手方のねじ付ファスナ24が受け入れられる。さらに、ワッシャ26又は他のスペーサ要素を、固定されるファスナ24とローラ14との間に配置することができる。
【0012】
横方向シャフト20は、ローラ14の縦方向シャフト28に設けられた開口を通って延在する。図1の実施例において、横方向シャフト20は、ローラシャフト28の端部に設けられたアイレット30によって形成される開口を通過する。また、横方向シャフト20は、横方向スペーサ32と通って延在する。横方向スペーサ32は、ローラシャフト28の所定間隔を維持することによってローラ14自体の所定間隔を維持する。いくつかの実施例において、横方向スペーサ32は、ポリマー又は金属の材料で作られた円筒状のカラーを含む。
【0013】
図2−図5は、例示的なローラ36を示す。ローラ36は、図1のコンベアベルト10において使用することができる。図2の上面図から始めると、各ローラ36はローラ部材38を含む。ローラ部材38は、外層42によって取り囲まれたローラ体40を含む。図4に示されるように、ローラ体40は、ほぼ円筒状の部材である。これは、少なくともいくつかの実施例において、2つの縦方向半体44及び46から形成される。各半体は、丸みのある外側表面48と、少なくとも一部が平坦な内側表面50(図4に明示的に特定される内表面は1つのみである)とを含む。各半体44、46の各端部は、2つの半体が連結した場合にローラ体40が円錐状及び/又は丸み端部を有するような、ほぼ円錐状及び/又は丸み部分52を形成する。
【0014】
各ローラ体半体44、46には、細長い溝54が設けられる。細長い溝54は、ローラ体40の長さ方向に延在して、シャフト56を受け入れるための通路の半分を形成する。通路が形成されると、通路は、ローラ体40がシャフト56まわりに回転する際にローラ体40を支持する支承表面を画定する。いくつかの実施例において、各半体44、46は、シャフト56まわりに少なくとも一時的に2つの半体相互を接続するべく使用される接続要素を含む。図1の実施例において、接続要素は、ローラ体半体44に設けられたオス型接続要素(すなわち突起)57と、ローラ体半体46に設けられたメス型接続要素(すなわち開口)59とを含む。ここで、メス型接続要素は、スナップ留めの関係にあるオス型接続要素を受け入れる。
【0015】
シャフト56は、各端部にアイレット58が設けられた細長いロッド又は管を含む。アイレット58は、例えば図1に示されるシャフト20のような横方向シャフトを受け入れる開口60を画定する。図2及び図3に最も明確に示されるように、アイレット58は、シャフト56の縦軸に対してオフセットされる。より具体的には、図2に示されるように、アイレット58は、シャフト56の残りの部分に対して対向する横方向へオフセットされ又はずらされる。かかるオフセットされ又はずらされた配向によって、各ローラ36のシャフト56を、当該ローラが使用されるベルトの縦方向に関して整列させることが容易となる。例えば、アイレット58は、各アイレットの内側表面62が、シャフト56の縦軸が存在する面内に実質的に存在するようにオフセットされる。この場合、各シャフト56の内側表面62もまた同じ面内に実質的に存在する。ベルトの縦方向に延在するローラコラムの各ローラ36の縦軸が相互にほぼ整列される。
【0016】
ローラ36の製造中、シャフト56は、アイレット58及びその開口60が作られるように金属ロッドの端部を曲げることによって形成することができる。2つのローラ体半体44、46は、例えば射出成形プロセスを使用して別個に製造することができる。射出成形プロセスでは、1つがローラ体40の各半体のための別個の鋳型内にポリマー又は他の適切な材料が射出される。シャフト56及びローラ体半体44、46が作られると、図4に示されるように、当該半体はシャフト56まわりに相互にスナップ留めされる。その結果、ほぼ円筒状のローラ体40は、ローラの回転軸に一致するシャフト56まわりに枢動することができる。次に、図5に示されるように、ローラ体40まわりに外層42を設けることができる。いくつかの実施例において、外層42は、ローラ体40の外側表面48まわりの所定位置に射出成形される。他の実施例において、外層42は、ローラ体外側表面48にかぶせられる事前成形スリーブとして作られる。いずれにせよ、外層42は、ローラ体40の2つの半体44、46を一緒に保持する。少なくともいくつかの実施例において、外層42は、ローラ36と、ベルトにより運ばれる物体及び/又はローラを駆動する駆動要素との間の滑りを低減する高摩擦材料からなる。例えば、高摩擦材料は、ゴム又はポリマー材料を含むことができる。
【0017】
図6は、物体Oをそらす場合のローラ36の使用を示す。図6において、ローラ36を越えるコンベアベルトの要素は、明確性を目的として省略される。図6に示されるように、各ローラ部材38は、そのシャフト56まわりに反時計方向に回転する。この回転は、例えば、コンベアベルトの下にローラ部材38と接触して配置される傾斜駆動ローラ(図示せず)のような適切な駆動機構を使用して行われる。反時計回転に起因して、ローラ36により支持される物体Oは、矢印64により特定される左方向にそらされる。なお、図6の、ローラ36の反時計回転及び物体Oが左方向へそれることは、例示目的で示されるにすぎない。
【0018】
図7は、ローラ36のさらなる使用シナリオを示す。しかし、この場合はデブリDが、コンベアベルトの隣接する2つのローラ36上に着陸している。2つのローラ36同士の間になにもなければ、デブリDは、その左側では上方向の力を受け、その右側では下方向の力を受ける。図7に示されるように、これによってデブリDは、コンベアベルト上部の所定位置で回転する。しかし、この回転が生じないとしても、デブリDは、それに作用する対向する力によってコンベアベルト内に下方向に引き込まれることがない。なお、かかる結果は、ベルト本体部分によって取り囲まれたローラを含む周知のコンベアベルトでは生じる可能性が低い。具体的には、かかるベルトは、隣接ローラの下方向移動表面とベルト本体部分の静止表面との間にデブリが配置され得るので、デブリが下に引き込まれる可能性が高い。図7に示される構成により、かかるデブリがベルト内の下方向に引き込まれる可能性が低減される以外に、例えば指のような付属肢がその構成の下方向に引き込まれる可能性も低いことから考えて、オペレータの安全性が高められる。
【0019】
図8は、コンベアベルト70の第2実施例の一部を示す。図8に示されるように、コンベアベルト70は、図1のコンベアベルトといくつかの点において類似する。したがって、コンベアベルト70は、ベルトの幅方向に延在してコンベアベルトの長さ方向の引張力を受けて伝達する複数のローラ74の複数の横方向列72を含む。少なくともいくつかの実施例において、ローラ74はまた、矢印78によって特定されるベルトの進行方向(すなわちベルトの縦方向)と平行をなすベルト70の長さ方向に延在するコラム76において整列される。
【0020】
図8にさらに示されるように、コンベアベルト70は、複数の横方向シャフト80を含む。横方向シャフト80は、ベルトの幅方向に延在し、ローラ74の様々な列72を回動可能にともに接続する。隣接する列はともにベルトの長さ方向に連結され、連続的な又は「エンドレスな」ベルトを形成する。いくつかの実施例において、シャフト80は、金属又はプラスチック材料からなる中実の細長いロッドを含む。例えば、シャフト80は鋼製ロッドを含んでよい。図8に示されるように、シャフト80の端部82にはねじ山が付けられて、例えばナットのような相手方のねじ付ファスナ84が受け入れられる。さらに、ワッシャ86又は他のスペーサ要素を、固定されるファスナ84とローラ74との間に配置することができる。
【0021】
横方向シャフト80はまた、ローラ74の縦方向シャフトに設けられた開口を通って延在する。しかし、図8のコンベアベルト70においてシャフト80の端部は、ローラ74同士の間に所定間隔を維持するスペーサ部材88に、例えば組み込まれ又は囲まれることによって取り付けられる。スペーサ部材88は、ローラの隣接列72の相手方スペーサ部材に接続されて、引張力を伝達する。かかる構成は図9に示される。
【0022】
図9は、図8のコンベアベルト70において使用できる例示的なローラ90及びスペーサ部材112を示す。図9に示されるように、ローラ90はローラ部材92を含む。ローラ部材92は、外層96によって取り囲まれたローラ体94を含む。図10及び図11から明らかなように、ローラ体94は、少なくともいくつかの実施例において2つの縦方向半体98及び100から形成される、ほぼ円筒状の部材である。縦方向半体98及び100はそれぞれ、丸みのある外側表面及び平坦な内側表面を含む。したがって、図9に示されるのは、半体の一方(半体98)及びそれに設けられた接続要素102である。
【0023】
図9に示されるように、ローラ体半体98は、その内側表面106に形成された溝104を有する。溝104は、ローラ体の長さ方向に延在して、シャフト106を受け入れるための通路の半分を形成する。シャフト106は、各端部に接続要素108が設けられた細長いロッド又は管を含む。少なくともいくつかの実施例において、接続要素108はフック要素を含む。しかし、シャフト端部の特性は、この端部がスペーサ部材112と接続可能な要素を与える限りは重要ではない。少なくともいくつかの実施例において、接続要素108は開口110を画定する。横方向シャフト80のような横方向シャフトが開口110を通過することができる。
【0024】
図10及び図11に戻ると、シャフト106の接続要素108は、シャフトの残りの部分の縦軸に対してオフセットされる。図10に最も良く示されるように、接続要素108は、シャフト106の残りの部分から、対向する横方向へオフセットされる。この対向する横方向のそれぞれは、シャフトの縦軸に対して鋭角をなす。かかるオフセット配向により、各ローラ90のシャフトを、当該ローラが使用されるベルトの縦方向と整列させることが容易になる。この場合、ベルトの縦方向に延在するローラコラムの各ローラ90の縦軸は、相互にほぼ整列する。
【0025】
図12は、図8に示されるタイプのコンベアベルトの横方向部分114の製造方法の例を示す。まず、ベルトローラ90のシャフト106が、所望の接続要素108を形成するべく金属ロッドの端部を曲げることによって作られる。シャフト106が作られると、シャフト106は、1つ以上のスペーサ部材鋳型内に配置される。次に、例えばポリマー材料のような選択された材料が鋳型内に射出され、シャフト106の端部の一方又は双方及びその接続要素108のそれぞれが少なくとも部分的に取り囲まれるか又は覆われる。図12に示される実施例において、接続要素108は、スペーサ部材112内に実質的に覆われる。
【0026】
図12に示されるように、各スペーサ部材112は本体部分116を含む。接続要素108の大部分を覆うカラー118が本体部分116から延びる。各カラー118は横方向開口120を含む。例えば図8に示されるシャフト80のような横方向シャフトが横方向開口120を通って延びることができる。接続要素108がスペーサ部材112によって完全に覆われる場合、横方向シャフトは、開口120の内側表面とだけ接触する。カラー118同士の間にはギャップ122が存在する。ギャップ122は、隣接するスペーサ部材112のカラーを受け入れるような形状に構成される。本体部分116の対向側部から延びるのは、支持部材124である。支持部材124は、ローラシャフト106の一部を取り囲み、横方向部分114に構造強度を与える。図12の実施例において、支持部材124は実質的に円錐台状である。
【0027】
2つのローラ体半体98、100は、例えば射出成形プロセスを使用して別個に製造することができる。射出成形プロセスでは、1つがローラ体94の各半体のための別個の鋳型内にポリマー材料が射出される。図12に示されるように、半体98、100は、スペーサ部材112の支持部材124のためのスペースを与える円錐台状溝を含む。ローラ体半体98、100が作られると、図12に示されるように、当該半体はシャフト106まわりに相互にスナップ留めされる。かかるスナップ留めは、半体98、100のそれぞれに設けられた接続要素128によって行われる。この時点で、ほぼ円筒状のローラ体94が、ローラの回転軸に一致するシャフト106まわりに枢動するように形成される。
【0028】
次に、図9に示されるように、ローラ体94のまわりに外層96を設けることができる。例えば、外層96はローラ体94の外側表面まわりに射出成形されて、ローラ体94の2つの半体98、100を一緒に保持する。少なくともいくつかの実施例において、外層96は、ローラ90と、運ばれる物体及び/又はローラを駆動する駆動要素との間の滑りを低減する高摩擦材料を含む。例えば、高摩擦材料は、ゴム又はポリマー材料を含む。
【0029】
上述のようにして様々な横方向部分が構成されると、例えば図8のシャフト80のような横方向シャフトを使用することにより当該様々な部分を回動可能に一緒に接続して連続ベルトを形成することができる。
【0030】
上述の実施例のそれぞれにおいて、コンベアベルトローラ、及び、具体的にはかかるローラのシャフトは、コンベアベルトの引張部材として機能する。ローラは、ベルトに及ぼされる引張力を受けて伝達する。かかる構成により、ローラコンベアベルトを製造するべく通常使用されるコンベアベルト本体部分を省略することができる。かかる本体部分を省略することにより、コンベアベルトの幅方向における高いローラ密度が可能となり、デブリ又は人の付属肢のような物体がベルト動作中にコンベアベルト内に引き下ろされる可能性が低減される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベアベルトであって、
前記コンベアベルトの幅方向に延在する複数のローラを含み、
前記ローラは、前記コンベアベルトのための引張部材として機能し、前記コンベアベルトの幅方向の隣接するローラ同士の間に配置されるベルト要素が存在しない、コンベアベルト。
【請求項2】
前記複数のローラは、それらの回転軸が前記コンベアベルトの縦方向に整列する配向である、請求項1に記載のコンベアベルト。
【請求項3】
前記ローラはローラ部材と縦方向シャフトとを含み、前記ローラ部材は前記縦方向シャフトまわりを回転することができる、請求項1に記載のコンベアベルト。
【請求項4】
前記ローラシャフトは、前記コンベアベルトの縦方向にわたって引張力を受けて伝達する、請求項3に記載のコンベアベルト。
【請求項5】
前記ローラシャフトは、前記コンベアベルトの縦方向にわたって隣接するローラが相互に整列可能となるオフセット端部を有する、請求項3に記載のコンベアベルト。
【請求項6】
前記コンベアベルトの幅方向に延在する横方向シャフトをさらに含み、前記ローラは前記横方向シャフトに回動可能に接続されて、前記コンベアベルトの縦方向にわたる隣接横方向シャフト同士の間には前記ローラシャフトの他の要素は延在しない、請求項1に記載のコンベアベルト。
【請求項7】
前記横方向シャフトに設けられて前記コンベアベルトの幅方向に隣接するローラの相互のスペースを与えるスペーサ部材をさらに含む、請求項6に記載のコンベアベルト。
【請求項8】
各ローラが、ローラ体と、前記ローラ体の外側表面に設けられた高摩擦外層とを有するローラ部材を含む、請求項1に記載のコンベアベルト。
【請求項9】
各ローラ体が、一緒にスナップ留めされて前記ローラ体を形成する2つの半体を含む、請求項8に記載のコンベアベルト。
【請求項10】
コンベアベルトであって、
各ローラがローラ部材と縦方向シャフトとを含み、前記ローラ部材が前記縦方向シャフトまわりに回転可能であり、前記縦方向シャフトが前記コンベアベルトの縦方向に整列し、前記縦方向シャフトがその各端部に開口を画定する、複数の横方向列のローラと、
隣接する横方向列の前記ローラの前記縦方向シャフトの前記開口を通って延び、隣接する横方向列を回動可能に一緒に接続する横方向シャフトと
を含み、
前記コンベアベルトの縦方向にわたる隣接横方向シャフト同士の間の前記横方向列において、前記コンベアベルトに及ぼされる引張力を前記縦方向シャフト単独で受けて伝達する、コンベアベルト。
【請求項11】
各横方向列における隣接ローラ部材同士の間には何も存在しない、請求項10に記載のコンベアベルト。
【請求項12】
前記縦方向シャフトは、前記開口を画定する各端部にアイレットを含む、請求項10に記載のコンベアベルト。
【請求項13】
前記アイレットは、前記縦方向シャフトの縦軸からオフセットされて、前記コンベアベルトの縦方向にわたる隣接ローラの前記縦方向シャフトの整列を可能にする、請求項12に記載のコンベアベルト。
【請求項14】
各縦方向シャフトの前記アイレットの内側表面は実質的に同一の平面内に存在する、請求項13に記載のコンベアベルト。
【請求項15】
前記横方向シャフトが通過するスペーサ部材をさらに含み、前記スペーサ部材は、前記コンベアベルトの幅方向の前記ローラの所定間隔を維持する、請求項10に記載のコンベアベルト。
【請求項16】
コンベアベルトであって、
各ローラがローラ部材と縦方向シャフトとを含み、前記ローラ部材が前記縦方向シャフトまわりに回転可能であり、前記縦方向シャフトが前記コンベアベルトの縦方向に整列する、複数の横方向列のローラと、
各横方向列の前記ローラ同士の間に所定間隔を維持し、前記縦方向シャフトの端部を受け入れ、横方向開口を有するスペーサ部材と、
前記スペーサ部材の前記横方向開口を通って延び、隣接する横方向列を回動可能に一緒に接続する横方向シャフトと
を含み、
前記縦方向シャフト、前記スペーサ部材、及び前記横方向シャフトは、前記コンベアベルトの縦方向において前記コンベアベルトに及ぼされる実質的にすべての引張力を受けて伝達する、コンベアベルト。
【請求項17】
各横方向列における隣接ローラ部材同士の間には何も存在しない、請求項16に記載のコンベアベルト。
【請求項18】
前記縦方向シャフトは、前記スペーサ部材と接続する接続要素を各端部に含む、請求項10に記載のコンベアベルト。
【請求項19】
前記接続要素は、前記横方向シャフトが通過するフック要素を含む、請求項18に記載のコンベアベルト。
【請求項20】
前記スペーサ部材は、前記接続要素を実質的に取り囲む、請求項18に記載のコンベアベルト。
【請求項21】
前記接続要素は、前記スペーサ部材の材料によって実質的に覆われる、請求項18に記載のコンベアベルト。
【請求項22】
前記接続要素は、前記縦方向シャフトの縦軸からオフセットされて、前記コンベアベルトの縦方向にわたる隣接ローラの前記縦方向シャフトの整列を可能にする、請求項18に記載のコンベアベルト。
【請求項23】
前記スペーサ部材は、前記横方向開口を画定する複数のカラーを含み、前記カラーは、前記コンベアベルトの縦方向にわたる隣接スペーサ部材のカラーを受け入れるギャップによって互いに分離される、請求項16に記載のコンベアベルト。
【請求項24】
コンベアベルトのためのローラであって、
ローラ部材と、
前記ローラ部材が取り付けられてそのまわりに回転可能なシャフトと
を含み、
前記シャフトは各端部に、前記コンベアベルトの横方向シャフトを受け入れる開口を画定するアイレットを含み、
前記アイレットは、横方向において相互にオフセットされて、前記コンベアベルトの縦方向にわたる隣接ローラのシャフトと前記シャフトとの整列を可能とし、
前記シャフトは、前記コンベアベルトの縦方向にわたる引張力を受けて伝達する、ローラ。
【請求項1】
コンベアベルトであって、
前記コンベアベルトの幅方向に延在する複数のローラを含み、
前記ローラは、前記コンベアベルトのための引張部材として機能し、前記コンベアベルトの幅方向の隣接するローラ同士の間に配置されるベルト要素が存在しない、コンベアベルト。
【請求項2】
前記複数のローラは、それらの回転軸が前記コンベアベルトの縦方向に整列する配向である、請求項1に記載のコンベアベルト。
【請求項3】
前記ローラはローラ部材と縦方向シャフトとを含み、前記ローラ部材は前記縦方向シャフトまわりを回転することができる、請求項1に記載のコンベアベルト。
【請求項4】
前記ローラシャフトは、前記コンベアベルトの縦方向にわたって引張力を受けて伝達する、請求項3に記載のコンベアベルト。
【請求項5】
前記ローラシャフトは、前記コンベアベルトの縦方向にわたって隣接するローラが相互に整列可能となるオフセット端部を有する、請求項3に記載のコンベアベルト。
【請求項6】
前記コンベアベルトの幅方向に延在する横方向シャフトをさらに含み、前記ローラは前記横方向シャフトに回動可能に接続されて、前記コンベアベルトの縦方向にわたる隣接横方向シャフト同士の間には前記ローラシャフトの他の要素は延在しない、請求項1に記載のコンベアベルト。
【請求項7】
前記横方向シャフトに設けられて前記コンベアベルトの幅方向に隣接するローラの相互のスペースを与えるスペーサ部材をさらに含む、請求項6に記載のコンベアベルト。
【請求項8】
各ローラが、ローラ体と、前記ローラ体の外側表面に設けられた高摩擦外層とを有するローラ部材を含む、請求項1に記載のコンベアベルト。
【請求項9】
各ローラ体が、一緒にスナップ留めされて前記ローラ体を形成する2つの半体を含む、請求項8に記載のコンベアベルト。
【請求項10】
コンベアベルトであって、
各ローラがローラ部材と縦方向シャフトとを含み、前記ローラ部材が前記縦方向シャフトまわりに回転可能であり、前記縦方向シャフトが前記コンベアベルトの縦方向に整列し、前記縦方向シャフトがその各端部に開口を画定する、複数の横方向列のローラと、
隣接する横方向列の前記ローラの前記縦方向シャフトの前記開口を通って延び、隣接する横方向列を回動可能に一緒に接続する横方向シャフトと
を含み、
前記コンベアベルトの縦方向にわたる隣接横方向シャフト同士の間の前記横方向列において、前記コンベアベルトに及ぼされる引張力を前記縦方向シャフト単独で受けて伝達する、コンベアベルト。
【請求項11】
各横方向列における隣接ローラ部材同士の間には何も存在しない、請求項10に記載のコンベアベルト。
【請求項12】
前記縦方向シャフトは、前記開口を画定する各端部にアイレットを含む、請求項10に記載のコンベアベルト。
【請求項13】
前記アイレットは、前記縦方向シャフトの縦軸からオフセットされて、前記コンベアベルトの縦方向にわたる隣接ローラの前記縦方向シャフトの整列を可能にする、請求項12に記載のコンベアベルト。
【請求項14】
各縦方向シャフトの前記アイレットの内側表面は実質的に同一の平面内に存在する、請求項13に記載のコンベアベルト。
【請求項15】
前記横方向シャフトが通過するスペーサ部材をさらに含み、前記スペーサ部材は、前記コンベアベルトの幅方向の前記ローラの所定間隔を維持する、請求項10に記載のコンベアベルト。
【請求項16】
コンベアベルトであって、
各ローラがローラ部材と縦方向シャフトとを含み、前記ローラ部材が前記縦方向シャフトまわりに回転可能であり、前記縦方向シャフトが前記コンベアベルトの縦方向に整列する、複数の横方向列のローラと、
各横方向列の前記ローラ同士の間に所定間隔を維持し、前記縦方向シャフトの端部を受け入れ、横方向開口を有するスペーサ部材と、
前記スペーサ部材の前記横方向開口を通って延び、隣接する横方向列を回動可能に一緒に接続する横方向シャフトと
を含み、
前記縦方向シャフト、前記スペーサ部材、及び前記横方向シャフトは、前記コンベアベルトの縦方向において前記コンベアベルトに及ぼされる実質的にすべての引張力を受けて伝達する、コンベアベルト。
【請求項17】
各横方向列における隣接ローラ部材同士の間には何も存在しない、請求項16に記載のコンベアベルト。
【請求項18】
前記縦方向シャフトは、前記スペーサ部材と接続する接続要素を各端部に含む、請求項10に記載のコンベアベルト。
【請求項19】
前記接続要素は、前記横方向シャフトが通過するフック要素を含む、請求項18に記載のコンベアベルト。
【請求項20】
前記スペーサ部材は、前記接続要素を実質的に取り囲む、請求項18に記載のコンベアベルト。
【請求項21】
前記接続要素は、前記スペーサ部材の材料によって実質的に覆われる、請求項18に記載のコンベアベルト。
【請求項22】
前記接続要素は、前記縦方向シャフトの縦軸からオフセットされて、前記コンベアベルトの縦方向にわたる隣接ローラの前記縦方向シャフトの整列を可能にする、請求項18に記載のコンベアベルト。
【請求項23】
前記スペーサ部材は、前記横方向開口を画定する複数のカラーを含み、前記カラーは、前記コンベアベルトの縦方向にわたる隣接スペーサ部材のカラーを受け入れるギャップによって互いに分離される、請求項16に記載のコンベアベルト。
【請求項24】
コンベアベルトのためのローラであって、
ローラ部材と、
前記ローラ部材が取り付けられてそのまわりに回転可能なシャフトと
を含み、
前記シャフトは各端部に、前記コンベアベルトの横方向シャフトを受け入れる開口を画定するアイレットを含み、
前記アイレットは、横方向において相互にオフセットされて、前記コンベアベルトの縦方向にわたる隣接ローラのシャフトと前記シャフトとの整列を可能とし、
前記シャフトは、前記コンベアベルトの縦方向にわたる引張力を受けて伝達する、ローラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2010−523443(P2010−523443A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503107(P2010−503107)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際出願番号】PCT/US2008/056010
【国際公開番号】WO2008/127804
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(506152704)レイトラム リミテッド ライアビリティー カンパニー (21)
【氏名又は名称原語表記】LAITRAM,L.L.C.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際出願番号】PCT/US2008/056010
【国際公開番号】WO2008/127804
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(506152704)レイトラム リミテッド ライアビリティー カンパニー (21)
【氏名又は名称原語表記】LAITRAM,L.L.C.
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]