説明

ローラコンベア及びベアリング組立体

【課題】ローラコンベアにおいて、搬送ローラを支持する長スパンのシャフトを用いる場合、その中間位置に、メンテナンス性を損なうことなく、且つ、粉塵を発生させることなく中間ベアリングによって支持する。
【解決手段】ローラコンベア10は、搬送用ローラ14を支持するシャフト12を中空のサブ中空シャフト13A、13Bとから構成し、このサブ中空シャフト13A、13Bを軸方向の隙間40をあけてカップリング38により連結し、このカップリング38を中間ベアリング32によって支持する。中間ベアリング32の両側は、中間カバーケース36によって囲まれ、中間ベアリング32で発生した粉塵が、中間カバーケース36のスリット状連通孔41Bとカップリング38のスリット状連通孔41Aを通って前記隙間40を経て、サブ中空シャフト13A内の内側空間13Cを介して、排出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、クリーンルーム内で大型のガラス基板等を搬送するに適したローラコンベア及びこのローラコンベアに用いて好適なベアリング組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
大型フラットパネルディスプレイに用いる大型ガラス基板は、僅かな埃が付着しても、不良発生の原因となるので、クリーンルーム内で取り扱われる。
【0003】
このような大型ガラス基板を搬送するためのローラコンベアは、当然、回転部分からの粉塵の発生を防止しなければならない。
【0004】
これに対して、従来は、ローラコンベアにおけるシャフトの軸受部の外周を筐体で覆って、筐体内の空気を吸引することによって、粉塵を吸い出すようにしていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような筐体は、ローラコンベアの軸方向両端部に配置された軸受部を、それぞれ軸方向外側から覆うようにしているため、ベアリングの軸方向外側位置から発生する粉塵は吸引することができるが、軸方向内側(搬送面側)から発生する粉塵は吸引することができなかった。
【0006】
更に、上記のように、フラットパネルディスプレイが大型化すると共に、ガラス基板サイズがますます大型化し、これを搬送する際のローラコンベアにおけるローラが取付けられたシャフトも長くなり、このシャフトの軸方向両端部位置にのみベアリングを設けた場合、軸方向中間部分で、大型ガラス基板の重みによって、シャフトが下向きに湾曲する力を受けるという問題点が発生している。
【0007】
これに対しては、シャフトの軸方向中間位置にベアリングを配置して、即ち、シャフトを3点支持することによって、大型ガラス基板の湾曲を防止することが考えられる。
【0008】
しかしながら、このような、シャフトの中間位置に設けたベアリングからの粉塵を吸引処理すること、及び、ベアリングのメンテナンスの際に、シャフトの長さが2mを越えるような場合、ローラコンベアの外側から作業をすることが困難となってしまうという新たな問題点が生じる。
【0009】
この発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、ベアリングの、ローラコンベア搬送面側部分からの粉塵を吸引することができるローラコンベアを提供することを課題とする。
【0010】
又、コンベアシャフトの長手方向中間位置にベアリングを設けた場合に、このベアリングから発生する粉塵等を吸引することができるローラコンベアを提供することを課題とする。
【0011】
更に又、この発明は、軸方向両端面から、発生する粉塵を吸引可能としたローラコンベア用のベアリング組立体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)平面内に互いに平行に配置された複数のシャフト、前記複数のシャフトに軸方向に間隔をあけて取り付けられた複数のローラ、前記複数のシャフトの軸方向一方の端部である駆動側端部近傍に配置され、該シャフトを回転駆動するための駆動装置、前記シャフト毎に、前記駆動側端部近傍を回転自在に支持する駆動側ベアリング、及びその反対側の軸方向端部である非駆動側端部近傍を回転自在に支持する非駆動側ベアリング、を有するローラコンベアであって、前記シャフトの中間部を回転自在に支持する中間ベアリングと、この中間ベアリングを支持する中間ベアリングホルダと、前記駆動側ベアリングを支持する駆動側ベアリングホルダ及び前記非駆動側ベアリングを支持する非駆動側ベアリングホルダと、前記中間ベアリング及び中間ベアリングホルダを囲む中間カバーケースと、前記駆動装置、駆動側ベアリング及び駆動側ベアリングホルダを囲む駆動側カバーケースと、前記非駆動側ベアリング及び非駆動側ベアリングホルダを囲む非駆動側カバーケースと、前記駆動側カバーケース、非駆動側カバーケース、中間カバーケース内の気体を、個々に又は同時に直接吸引する吸気装置と、を有していることを特徴とするローラコンベア。
【0013】
(2)前記シャフトは2本のサブ中実シャフト及びこれらを軸方向に接続する筒状のカップリングにより構成され、これらのサブ中実シャフトは、前記中間カバーケース内で、前記カップリングにより軸方向に隙間を介して連結され、前記カップリングは、前記中間ベアリングにより支持されていることを特徴とする(1)のローラコンベア。
【0014】
(3)前記シャフトは中空シャフトとされ、前記駆動側端部は前記駆動側カバーケース内に開口され、且つ、前記非駆動側端部は前記非駆動側カバーケース内に開口されるとともに、前記中間カバーケース内の位置で、内側空間を該中間カバーケース内に連通する連通路を有していることを特徴とする(1)のローラコンベア。
【0015】
(4)前記中空シャフトは2本のサブ中空シャフト及びこれらを軸方向に接続する筒状のカップリングにより構成され、これらのサブ中空シャフトは、前記中間カバーケース内で、前記カップリングにより軸方向に隙間を介して連結され、前記連通路は、前記2本のサブ中空シャフトの、対向する軸方向端面間の前記隙間と、これに連続して、前記カップリングの円周方向複数箇所に筒状壁を貫通して形成された連通孔とから構成されていることを特徴とする(3)のローラコンベア。
【0016】
(5)前記中間ベアリングホルダは吸気路を有し、この吸気路の一端は、支持する中間ベアリングの軸方向両端面に臨んで形成され、且つ、これらと平行なスリット状の吸引口とされ、他端は、前記中間カバーケースの内側に開口された排出口とされたことを特徴とする(2)、(3)又は(4)のローラコンベア。
【0017】
(6)前記中空シャフトは2本のサブ中空シャフト及びこれらを軸方向に接続する筒状のカップリングにより構成され、これらのサブ中空シャフトは、前記カップリングにより軸方向に隙間を介して連結され、前記中間カバーケースは、前記カップリングの外周を囲むようにして、これに取り付けられ、前記連通路は、前記2本のサブ中空シャフトの、対向する軸方向端面間の前記隙間と、この隙間に連続して、前記カップリングの円周方向複数箇所に筒状壁を貫通して形成された連通孔とから構成されていることを特徴とする(3)のローラコンベア。
【0018】
(7)前記中間ベアリングホルダは、前記中間ベアリングの外側リングと一体の着脱部と、コンベア本体側に固定され、前記着脱部が上方から着脱自在に挿入される固定部と、を有してなり、前記着脱部の下側部は、下向きに先細りとなるテーパ先端部を有し、前記固定部は上向きに拡開し、前記着脱部のテーパ先端部が上方から嵌合するテーパ凹部を有することを特徴とする(1)乃至(6)のいずれかのローラコンベア。
【0019】
(8)平面内に互いに平行に配置された複数のシャフト、前記複数のシャフトに軸方向に間隔をあけて取り付けられた複数のローラ、前記複数のシャフトの軸方向一方の端部である駆動側端部近傍に配置され、該シャフトを回転駆動するための駆動装置、前記シャフト毎に、前記駆動側端部近傍を回転自在に支持する駆動側ベアリング、及びその反対側の軸方向端部である非駆動側端部近傍を回転自在に支持する非駆動側ベアリング、を有するローラコンベアであって、前記シャフトの中間部を回転自在に支持する中間ベアリングと、この中間ベアリングを支持する中間ベアリングホルダと、前記駆動側ベアリングを支持する駆動側ベアリングホルダ及び前記非駆動側ベアリングを支持する非駆動側ベアリングホルダと、を有してなり、前記中間ベアリングホルダは、前記中間ベアリングの外側リングと一体の着脱部と、コンベア本体側に固定され、前記着脱部が上方から着脱自在に挿入される固定部と、を有してなり、前記着脱部の下側部は、下向きに先細りとなるテーパ先端部を有し、前記固定部は上向きに拡開し、前記着脱部のテーパ先端部が上方から嵌合するテーパ凹部を有することを特徴とするローラコンベア。
【0020】
(9)平面内に互いに平行に配置された複数のシャフト、前記複数のシャフトに、軸方向に間隔をあけて取り付けられた複数のローラ、前記複数のシャフトの軸方向一方の端部である駆動側端部近傍に配置され、該シャフトを回転駆動するための駆動装置、前記シャフト毎に、前記駆動側端部近傍を回転自在に支持する駆動側ベアリング、及びその反対側の軸方向端部である非駆動側端部近傍を回転自在に支持する非駆動側ベアリング、を有するローラコンベアであって、前記駆動側ベアリングを支持する駆動側ベアリングホルダ及び前記非駆動側ベアリングを支持する非駆動側ベアリングホルダと、前記シャフトにおける前記駆動側端部、駆動装置、駆動側ベアリング及び駆動側ベアリングホルダを囲む駆動側カバーケースと、前記シャフトにおける前記非駆動側端部、非駆動側ベアリング及び非駆動側ベアリングホルダを囲む非駆動側カバーケースと、前記駆動側カバーケースと非駆動側カバーケースのうち少なくとも駆動側カバーケース内の気体を直接吸引する吸気装置と、を設けてなり、前記駆動側ベアリングホルダ及び非駆動側ベアリングホルダは、各々吸気路を有し、この吸気路の一端は、支持する駆動側ベアリング及び非駆動側ベアリングの軸方向両端面に臨んで成形され、且つ、これらと平行なスリット状吸引口とされ、他端は、前記駆動側カバーケース及び非駆動側カバーケースの内側に開口された排気口とされたことを特徴とするローラコンベア。
【0021】
(10)前記シャフトは中空であり、その内側空間は、シャフトの軸方向両端で開口されていることを特徴とする(9)のローラコンベア。
【0022】
(11)シャフトが挿通嵌合可能な内側リング及びこの内側リングを回転自在に支持する外側リングを備えたベアリングと、このベアリングを保持するベアリングホルダと、を有してなり、前記ベアリングホルダは、前記外側リングの外周面の全部又は一部に係合して、ベアリングを直径方向に拘束する保持溝と、この保持溝に拘束された外側リングの軸方向両端面の全部又は一部に係合して、ベアリングを軸方向に拘束する一対の保持リブと、この保持リブよりも、更に軸方向外側に設けられ、拘束されたベアリングの外側リングの軸方向両端面に沿って設けられたスリット状の吸引口と、ベアリングホルダ外側壁に開口された排気口と、この排気口と前記吸引口とを接続する排気路と、を有していることを特徴とするベアリング組立体。
【0023】
(12)前記ベアリングホルダは、上端が開口し、軸方向から見てU字形状であって、前記開口から、前記ベアリングが挿入可能な案内溝を備えたホルダ本体と、前記案内溝の前記上端の開口を閉じるように、前記案内溝の上端に着脱自在で、且つ、取付け時に、前記案内溝の一部と共に、前記外側リングを径方向に拘束する蓋部と、を有してなり、前記案内溝における円弧状部の少なくとも一部が、前記保持溝を構成し、前記案内溝の軸方向両端には、前記保持リングが設けられ、前記外側リングの軸方向両端面よりも軸方向外側位置に、該軸方向両端面との間で前記スリット状の吸引口を形成するカバーリブが設けられたことを特徴とする(11)のベアリング組立体。
【0024】
(13)前記案内溝を形成する壁部におけるU字の平行辺部分が、前記開口側の端部を自由端として、相互に弾力的に隣接又は拡開するように、反対側の端部において、U字の半円弧状部に連結された構造とされ、前記吸気路は、前記U字の平行部分の軸方向両端面に沿って形成されていることを特徴とする(12)のベアリング組立体。
【発明の効果】
【0025】
この発明は、ベアリングを保持するベアリングホルダに、ベアリングの軸方向端面に沿って形成されたスリット状吸引口から、ベアリングの滑動面で発生し両端面から漏出してくる粉塵を吸引することができるという効果を有する。
【0026】
又、シャフトを軸方向中間位置で支持する中間ベアリングを設ける場合、シャフトを中空とし、且つこれを支持する中間ベアリングを囲んで中間カバーケースを設け、中間ベアリングの軸方向両端面から発生した粉塵を中間カバーケース、連通路、中空シャフトの内側空間を経て、その端部開口から排出することができる。又、中空シャフトを2本のサブ中空シャフトから構成しているので、重量及びコストの低減を図ることができると共に、両者の間から中間ベアリングで発生した粉塵を吸引できる。
【0027】
更に、ベアリング組立体は、ベアリングを保持するベアリングホルダに、ベアリングの軸方向両端面に沿ってスリット状の吸引口と、ベアリングホルダ外側壁に開口された排気口と、これらを連通する排気路とを設けて、ベアリングの軸方向両端から発生する粉塵を確実に吸引排出することができるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
この発明の実施のための最良の形態は、ローラが取付けられているシャフトを2本のサブ中空シャフト及びこれらを軸方向に隙間をもって接続する筒状のカップリングから構成し、シャフトの軸方向両端近傍及びカップリングをベアリングで回転自在に支持し、このベアリングを保持するベアリングホルダに、該ベアリングの軸方向両端面に沿ってスリット状の吸引口を設け、この吸引口から吸引された気体を、前記中空シャフトの軸方向両端部を囲む端部及びベアリングホルダを囲むカバーケース内に排出して、更に、カバーケース内からは、気体を吸い出すことによって、このカバーケース内の気体及び中空シャフトを介して反対側のカバーケース内の気体を吸出し、又、カップリングを支持する中間ベアリングを囲む中間カバーケース内の気体を、前記2本のサブ中空シャフトの隙間から中空シャフトを介して排出し、ベアリングで発生する粉塵を吸引除去することができる。
【実施例1】
【0029】
以下図1、図2を参照して、本発明の実施例1に係るローラベアリング10について詳細に説明する。
【0030】
このローラコンベア10は、平行に配置された複数の中空シャフト12、前記複数の中空シャフトに、軸方向に間隔をあけて取付けられた複数のローラ14、前記複数の中空シャフト12の軸方向一方の端部近傍(図2において左端側)に配置され、該中空シャフト12を回転駆動するための駆動装置16、前記中空シャフト12毎に、前記駆動装置16側の軸方向端部(以下、駆動側端部12A)近傍を回転自在に支持する駆動側ベアリング18、及びその反対側の軸方向端部(以下、非動側端部12B)近傍を回転自在に支持する非動側ベアリング20を有するものである。
【0031】
又、前記ローラコンベア10には、前記駆動側ベアリング18を支持する駆動側ベアリングホルダ22及び前記非動側ベアリング20を支持する非動側ベアリングホルダ24と、前記中空シャフト12における前記駆動側端部12A、駆動装置16、駆動側ベアリング18及び駆動側ベアリングホルダ22を囲む駆動側カバーケース26と、前記中空シャフト12における前記非動側端部12B、非動側ベアリング20及び非動側ベアリングホルダ24を囲む非動側カバーケース28と、前記駆動側カバーケース26内の気体を直接吸引する吸引装置30と、が設けられている。
【0032】
前記中空シャフト12の軸方向中間部分は、筒状のカップリング38(詳細後述)を介して、中間ベアリング32により回転自在に支持されている。この中間ベアリング32は、中間ベアリングホルダ34を介して中間フレーム33に支持されている(図3参照)。又、前記中間ベアリング32の軸方向両端面及びこの近傍の中間ベアリングホルダ34の一部は、中間カバーケース36によって囲まれている。
【0033】
前記中空シャフト12は、カップリング38と、前記中間カバーケース36内の位置で、前記カップリング38により軸方向に隙間40を介して連結された、2本の同一長さのサブ中空シャフト13A、13Bとから構成されている。又、前記中間カバーケース36は、前記カップリング38の外周に、中間ベアリング32の両側から嵌合される一対のカバーリング36A、36Bから構成されている。
【0034】
前記カップリング38には、中心軸線回りに180°の等角度間隔で、且つ、軸方向中間部分を残して筒状壁を貫通して2本のスリット状の連通孔41Aが形成されている。一方、前記カバーリング36A、36Bの内周面にも、その軸方向両端から一定深さで、中心軸線回りに180°の等角度間隔で、2本のスリット状の連通孔41Bが形成されていて、前記カップリング38の連通孔41Aと重なることによって、前記2本のサブ中空シャフト13A、13B間の隙間40に連通されるようになっている。
【0035】
又、前記カバーリング36A、36Bにおける、前記2本の連通孔41Bの一方は、図4に詳細に示されるように、半径方向外側にまで延在されていて、カバーリング36A、36Bを摺り割り構造としている。図2、4の符号37はこの摺り割り構造のカバーリング36A、36Bを、カップリング38に嵌合した状態でこれに締付け固定するためのボルトを示す。
【0036】
前記中間ベアリング32は、前記カップリング38における軸方向中間部分の外周に嵌合されている。前記中間ベアリングホルダ34は、図5に分解して示されるように、前記中間ベアリング32の外側リングと一体の着脱部34Aと、前記中間フレーム33にボルト33Aにより固定され、前記着脱部34Aが上方から着脱自在に挿入される固定部34Bと、を有してなり、前記着脱部34Aの下側部は、下向きに先細りとなるテーパ先端部35Aを有し、前記固定部34Bは、上向きに拡開していて、前記着脱部34Aのテーパ先端部35Aが上方から嵌合するテーパ凹部35Bを有している。
【0037】
前記駆動側ベアリング18及び非駆動側ベアリング20、及び、これらを支持する駆動側ベアリングホルダ22及び非駆動側ベアリングホルダ24は同一の構成とされているので、駆動側のみを図6に拡大して示して、非駆動側の説明を兼ねるものとする。
【0038】
図6において、前記駆動側ベアリング18及び前記駆動側ベアリングホルダ22は、ベアリング組立体50を構成している。
【0039】
前記駆動側ベアリング18は、例えば前記中空シャフト12のようなシャフトが挿通嵌合可能な内側リング44A、この内側リング44Aをベアリングボール44Bを介して回転自在に支持する外側リング44Cとを備えて構成されている。又、前記駆動側ベアリングホルダ22は、ホルダ本体56と蓋部58とを備えた構成とされている。前記ホルダ本体56は、上端が開口52とされ、前記開口52から、前記駆動側ベアリング18が挿入可能な、軸方向から見てU字形状の案内溝54を備えている。前記蓋部58は、前記案内溝54の、前記上端の開口52を閉じるように、前記案内溝54の上端に着脱自在で、且つ取付け時に前記案内溝54の一部と共に、前記駆動側ベアリング18における外側リング44Cを径方向に拘束するように構成されている。
【0040】
前記案内溝54の軸方向両側には、この案内溝54内で拘束された状態の外側リング44Cの軸方向両端面の一部に係合して、駆動側ベアリング18を軸方向に拘束する一対の保持リブ62A、62Bが設けられている。
【0041】
更に、前記ホルダ本体56には、前記外側リング44Cの軸方向両端面よりも軸方向外側位置で、該軸方向両端面との間でスリット状の吸引口64A、64Bを形成するカバーリブ66A、66Bが設けられている。
【0042】
前記一対のカバーリブ66A、66Bのうち、一方のカバーリブ66Bは、図6に示されるように、案内溝54内で拘束された駆動側ベアリング18の前記内側リング44Aの外側位置にまで、例えば中空シャフト12と干渉しない範囲でU字形状に延在されている。
【0043】
又、前記ホルダ本体56において、前記U字形状の案内溝54を形成する壁部は、U字の平行部分68A、68BとU字の半円弧状部68Cとから構成されている。前記U字の平行部分68A、68Bは、前記開口52側の端部を自由端として、相互に弾力的に接近又は拡開するように、反対側の端部において、前記U字の半円弧状部68Cに連結されている。
【0044】
前記平行部分68A、68Bは、その軸方向両端面及び上端とホルダ本体56の側壁との間に隙間69が形成されることによって、上記のように弾力的に接近又は拡開できるようにされている。この隙間69は、前記スリット状の吸引口64A、64Bに連通され、従って、吸引口64A、64Bと隙間69とは、ホルダ本体56の外側面に至る吸気路70を構成することになる。
【0045】
図6の符号58Aは、蓋部58が開口52を閉じたとき、カバーリブ66Bと対向して中空シャフト12の外周近傍にまで延在して覆うように蓋部58に付けられたカバープレートを示す。
【0046】
前記駆動側ベアリングホルダ22は、駆動側フレームユニット72に前記駆動側カバーケース26と共に取り付けられ、又、前記非駆動側ベアリングホルダ24は、非駆動側カバーケース28と共に、非駆動側フレームユニット74にそれぞれ取り付けられている。
【0047】
図1の符号19は、駆動側ベアリング18、非駆動側ベアリング20及び中間ベアリング32をそれぞれ中空シャフト12に対して軸方向に固定するための止め輪を示す。
【0048】
前記駆動装置16は、前記中空シャフト12の駆動側端部12Aに取り付けられた磁気従動車17A及び前記中空シャフト12に対して直角に食い違う方向に配置された磁気駆動車17Bとから構成されている。
【0049】
これら磁気従動車17A、磁気駆動車17Bは、その外周にN極とS極の磁性を示す磁石(図示省略)を交互に配置して、磁気駆動車17Bを駆動軸17Cにより回転させることによって、非接触で磁気従動車17Aを回転駆動させるものである。
【0050】
前記駆動側カバーケース26の、図1において左下部分には、吸引ポンプである前記吸引装置30の吸込み口が接続され、これによって、駆動側カバーケース26内の気体、更には、中空シャフト12内の気体、この中空シャフト12を介して反対側の非駆動側カバーケース28内の気体及び前記中間カバーケース36内の気体が吸引されるようになっている。
【0051】
ここで、図2に示されるように、前記駆動側カバーケース26、非駆動側カバーケース28は、いずれも、ローラコンベア10の搬送方向に一定範囲で、連続的に形成され、複数の中空シャフト12の対応する両端部を覆うようにされている。
【0052】
図1の符号76は、前記駆動側カバーケース26、非駆動側カバーケース28それぞれの搬送面側を覆う仕切り板を示す。これにより、各ベアリングホルダ間の搬送方向の隙間が覆われる。
【0053】
この実施例1に係るローラコンベア10において、例えばガラス基板80を搬送する場合、駆動軸17Cにより、各中空シャフト12の駆動側端部12Aにおける、駆動装置16を駆動して、各中空シャフト12を同一方向に回転させる。このとき、同時に、前記吸引装置30を駆動させ、駆動側カバーケース26内の気体を吸引排気する。
【0054】
駆動側カバーケース26内は、中空シャフト12の内側空間13Cを介して反対側の非動側カバーケース28内と連通され、更に、前記サブ中空シャフト13A、13B間の隙間40と連通孔41A、41Bを介して中間カバーケース36内と連通されているので、駆動側カバーケース26、非駆動側カバーケース28及び中間カバーケース36内の気体は吸引装置30によって排出されることになる。
【0055】
従って、各カバーケース内には負圧が発生して、ベアリングホルダ50(22、24)における吸引孔64に対しても、吸気路70を介して負圧がかかり、吸引孔64から、駆動側ベアリング18の軸方向両端面近傍の気体が、駆動側ベアリング18において発生する粉塵と共に吸引され、吸気路70を経てカバーケース26、28内空間に排出される。
【0056】
このカバーケース26、28内の気体は、前述のように、吸引装置30によって直接又は中空シャフト12の内側空間13Cを介して排気される。又、中間カバーケース36(36A、36B)内においては、該中間カバーケース36内の気体がカバーリング36A、36Bの連通孔41B、カップリング38の連通孔41A、サブ中間シャフト13A、13B間の隙間40及び中空シャフト12の内側空間13Cを介して駆動側カバーケース26内に至り、更に外部に排出される。
【0057】
中空シャフト12、これと一体のローラ14、又はベアリングを交換したり、メンテナンス作業をする場合は、中空シャフト12の両端を持ち上げれば、中間ベアリング32を支持している中間ベアリングホルダ34の着脱部34Aが固定部34Bから簡単に分離するので、コンベア内に入り込んだり、特別な治具を用いることなく容易に作業をすることができる。
【0058】
なお、上記実施例1において、中空シャフト12は、その軸方向中間位置で中間ベアリング32によって回転自在に支持されているが、本発明はこれに限定されるものでなく、中間ベアリング32、中間ベアリングホルダ34、中間カバーケース36を設けない場合にも適用されるものである。この場合、当然、中空シャフト12は連続した1本のパイプからなり、2本のサブ中空シャフトに分割する必要は無い。
【実施例2】
【0059】
次に、図7に示される実施例2に係るローラコンベア100について説明する。
【0060】
このローラコンベア100は、前記図1に示されるローラコンベア10における、中間ベアリング、中間ベアリングホルダ、中間カバーケース及びカップリングの構成を変えたものであり、他の構成は前記ローラコンベア10におけると同様であるので図示及び説明を省略する。
【0061】
このローラコンベア100における中間ベアリング102は、2本のサブ中空シャフト13A、13Bを接続するカップリング104の軸方向両側に一対配置され、且つ、その各々が、中間ベアリングホルダ106を介して、中間フレームユニット108に支持されている。
【0062】
前記一対の中間ベアリング102及びこれを支持する中間ベアリングホルダ106は、前記実施例1における駆動側ベアリング18及びこれを支持するためのベアリングへホルダ50と同一構成とされている。
【0063】
前記中間フレームユニット108には、前記中間ベアリング102、これら一対の中間ベアリング102の間のサブ中空シャフト13A、13Bの一部とこれを連結する前記カップリング104、中間ベアリングホルダ106は、連続中間カバーケース110により囲まれている。
【0064】
前記カップリング104には、円周方向と180°の等角度間隔に2個の連通孔112が、その円筒壁を貫通して形成され、且つ、この連通孔112は前記サブ中空シャフト13A、13B間の隙間40に連通するようにされている。
【0065】
図7の符号114は前記連続中間カバーケース110の一部であって、中間ベアリングホルダ106間の搬送方向の隙間を覆うように、中間フレームユニット108の幅方向両側面位置に取り付けられた仕切板である。
【0066】
この実施例2において、前記中間ベアリングホルダ106における、中間ベアリング102で発生した粉塵を吸引する作用は、前記実施例1におけるベアリングホルダ50におけると同一であるので説明を省略する。
【0067】
この中間ベアリング102の回転部分で発生した粉塵は、中間ベアリングホルダ106の吸気路を通って連続中間カバーケース110内に排出され、この連続中間カバーケース110内の気体は、前記カップリング104に設けられた連通孔112と前記隙間40を介して中空シャフト12内に吸引されて、実施例1の場合と同様に、吸引装置30から排出される。
【0068】
なお、上記実施例1において、吸引装置30は駆動側にのみ設けられているが、本発明はこれに限定されるものでなく、非駆動側にも吸引装置を設けて、両側から粉塵を吸引するようにしてもよい。この場合、中間ベアリング32で発生した粉塵は、駆動側の吸引装置30あるいは非駆動側の吸引装置(図示省略)の一方又は両方によって吸引されるようにしてもよい。又、中空シャフトを用いる場合は、単純な円管でもよいが、例えば、図8(A)、(B)に示されるように、内面リブ付き中空シャフト121、リブ付き多重中空シャフト122等の断面形状として断面剛性を増大させてもよい。
【0069】
更に、実施例1の構成において、中間ベアリングを設けない場合は、吸引装置を駆動側及び非駆動側として、且つ、シャフトは中実としてもよい。
【0070】
更に又、図1、図7においてローラコンベア10、100は、ガラス基板80を水平に搬送するように示されているが、本発明はこれに限定されるものでなく、搬送面を水平から90°未満の角度範囲に設定した場合にも適用されるものである。特に、搬送面を傾斜させると、大型のガラス基板を搬送する際に、自重による撓み量を低減することができる。
【0071】
又、本発明は、シャフトの中間を、中間ベアリングで支持し、且つ、中間ベアリングホルダを着脱部と固定部とから構成するローラコンベアに適用されるものである。この場合、シャフトは、中実、中空のいずれでもよく、又、2本のサブ忠実シャフトあるいは2本のサブ中空シャフトから構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施例1に係るローラコンベアを示す断面図
【図2】同ローラコンベアの一部を示す平面図
【図3】図1のIII−III線に沿う断面図
【図4】図2のIV−IV線に沿う拡大断面図
【図5】図3に示される状態から、中空シャフト及び中間ベアリング、中間ベアリングホルダの一部を抜き出した状態を示す図3と同様の断面図
【図6】同実施例に用いたベアリング組立体を示す分解斜視図
【図7】本発明の実施例2に係るローラコンベアにおける中間ベアリング及びその近傍を拡大して示す断面図
【図8】本発明の実施例に用いた中空シャフトの変形例を示す断面図
【符号の説明】
【0073】
10、100…ローラコンベア
12…中空シャフト
12A…駆動側端部
12B…非駆動側端部
13A、13B…サブ中空シャフト
13C…内側空間
14…ローラ
16…駆動装置
18…駆動側ベアリング
19…止め輪
20…非駆動側ベアリング
22…駆動側ベアリングホルダ
24…非駆動側ベアリングホルダ
26…駆動側カバーケース
28…非駆動側カバーケース
30…吸引装置
32、102…中間ベアリング
32…中間フレーム
34、106…中間ベアリングホルダ
36…中間カバーケース
38、104…カップリング
40…隙間
41A、41B、112…連通孔
44A…内側リング
44B…ベアリングボール
44C…外側リング
50…ベアリング組立体
52…開口
54…案内溝
56…ホルダ本体
58…蓋部 62A、62B…保持リブ
64…吸引口
66A、66B…カバーリブ
68A、68B…平行部分
68C…半円弧状部
70…吸気路
80…ガラス基板
108…中間フレームユニット
110…連続中間カバーケース
114…仕切り板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面内に互いに平行に配置された複数のシャフト、前記複数のシャフトに軸方向に間隔をあけて取り付けられた複数のローラ、前記複数のシャフトの軸方向一方の端部である駆動側端部近傍に配置され、該シャフトを回転駆動するための駆動装置、前記シャフト毎に、前記駆動側端部近傍を回転自在に支持する駆動側ベアリング、及びその反対側の軸方向端部である非駆動側端部近傍を回転自在に支持する非駆動側ベアリング、を有するローラコンベアであって、
前記シャフトの中間部を回転自在に支持する中間ベアリングと、
この中間ベアリングを支持する中間ベアリングホルダと、
前記駆動側ベアリングを支持する駆動側ベアリングホルダ及び前記非駆動側ベアリングを支持する非駆動側ベアリングホルダと、
前記中間ベアリング及び中間ベアリングホルダを囲む中間カバーケースと、
前記駆動装置、駆動側ベアリング及び駆動側ベアリングホルダを囲む駆動側カバーケースと、
前記非駆動側ベアリング及び非駆動側ベアリングホルダを囲む非駆動側カバーケースと、
前記駆動側カバーケース、非駆動側カバーケース、中間カバーケース内の気体を、個々に又は同時に直接吸引する吸気装置と、
を有していることを特徴とするローラコンベア。
【請求項2】
請求項1において、
前記シャフトは2本のサブ中実シャフト及びこれらを軸方向に接続する筒状のカップリングにより構成され、これらのサブ中実シャフトは、前記中間カバーケース内で、前記カップリングにより軸方向に隙間を介して連結され、前記カップリングは、前記中間ベアリングにより支持されていることを特徴とするローラコンベア。
【請求項3】
請求項1において、前記シャフトは中空シャフトとされ、前記駆動側端部は前記駆動側カバーケース内に開口され、且つ、前記非駆動側端部は前記非駆動側カバーケース内に開口されるとともに、前記中間カバーケース内の位置で、内側空間を該中間カバーケース内に連通する連通路を有していることを特徴とするローラコンベア。
【請求項4】
請求項3において、
前記中空シャフトは2本のサブ中空シャフト及びこれらを軸方向に接続する筒状のカップリングにより構成され、これらのサブ中空シャフトは、前記中間カバーケース内で、前記カップリングにより軸方向に隙間を介して連結され、前記連通路は、前記2本のサブ中空シャフトの、対向する軸方向端面間の前記隙間と、これに連続して、前記カップリングの円周方向複数箇所に筒状壁を貫通して形成された連通孔とから構成されていることを特徴とするローラコンベア。
【請求項5】
請求項2、3又は4において、
前記中間ベアリングホルダは吸気路を有し、この吸気路の一端は、支持する中間ベアリングの軸方向両端面に臨んで形成され、且つ、これらと平行なスリット状の吸引口とされ、他端は、前記中間カバーケースの内側に開口された排出口とされたことを特徴とするローラコンベア。
【請求項6】
請求項3において、
前記中空シャフトは2本のサブ中空シャフト及びこれらを軸方向に接続する筒状のカップリングにより構成され、これらのサブ中空シャフトは、前記カップリングにより軸方向に隙間を介して連結され、前記中間カバーケースは、前記カップリングの外周を囲むようにして、これに取り付けられ、前記連通路は、前記2本のサブ中空シャフトの、対向する軸方向端面間の前記隙間と、この隙間に連続して、前記カップリングの円周方向複数箇所に筒状壁を貫通して形成された連通孔とから構成されていることを特徴とするローラコンベア。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかにおいて、
前記中間ベアリングホルダは、前記中間ベアリングの外側リングと一体の着脱部と、コンベア本体側に固定され、前記着脱部が上方から着脱自在に挿入される固定部と、を有してなり、前記着脱部の下側部は、下向きに先細りとなるテーパ先端部を有し、前記固定部は上向きに拡開し、前記着脱部のテーパ先端部が上方から嵌合するテーパ凹部を有することを特徴とするローラコンベア。
【請求項8】
平面内に互いに平行に配置された複数のシャフト、前記複数のシャフトに軸方向に間隔をあけて取り付けられた複数のローラ、前記複数のシャフトの軸方向一方の端部である駆動側端部近傍に配置され、該シャフトを回転駆動するための駆動装置、前記シャフト毎に、前記駆動側端部近傍を回転自在に支持する駆動側ベアリング、及びその反対側の軸方向端部である非駆動側端部近傍を回転自在に支持する非駆動側ベアリング、を有するローラコンベアであって、
前記シャフトの中間部を回転自在に支持する中間ベアリングと、
この中間ベアリングを支持する中間ベアリングホルダと、
前記駆動側ベアリングを支持する駆動側ベアリングホルダ及び前記非駆動側ベアリングを支持する非駆動側ベアリングホルダと、を有してなり、
前記中間ベアリングホルダは、前記中間ベアリングの外側リングと一体の着脱部と、コンベア本体側に固定され、前記着脱部が上方から着脱自在に挿入される固定部と、を有してなり、前記着脱部の下側部は、下向きに先細りとなるテーパ先端部を有し、前記固定部は上向きに拡開し、前記着脱部のテーパ先端部が上方から嵌合するテーパ凹部を有することを特徴とするローラコンベア。
【請求項9】
平面内に互いに平行に配置された複数のシャフト、前記複数のシャフトに、軸方向に間隔をあけて取り付けられた複数のローラ、前記複数のシャフトの軸方向一方の端部である駆動側端部近傍に配置され、該シャフトを回転駆動するための駆動装置、前記シャフト毎に、前記駆動側端部近傍を回転自在に支持する駆動側ベアリング、及びその反対側の軸方向端部である非駆動側端部近傍を回転自在に支持する非駆動側ベアリング、を有するローラコンベアであって、
前記駆動側ベアリングを支持する駆動側ベアリングホルダ及び前記非駆動側ベアリングを支持する非駆動側ベアリングホルダと、
前記シャフトにおける前記駆動側端部、駆動装置、駆動側ベアリング及び駆動側ベアリングホルダを囲む駆動側カバーケースと、
前記シャフトにおける前記非駆動側端部、非駆動側ベアリング及び非駆動側ベアリングホルダを囲む非駆動側カバーケースと、
前記駆動側カバーケースと非駆動側カバーケースのうち少なくとも駆動側カバーケース内の気体を直接吸引する吸気装置と、を設けてなり、
前記駆動側ベアリングホルダ及び非駆動側ベアリングホルダは、各々吸気路を有し、この吸気路の一端は、支持する駆動側ベアリング及び非駆動側ベアリングの軸方向両端面に臨んで成形され、且つ、これらと平行なスリット状吸引口とされ、他端は、前記駆動側カバーケース及び非駆動側カバーケースの内側に開口された排気口とされたことを特徴とするローラコンベア。
【請求項10】
請求項9において、
前記シャフトは中空であり、その内側空間は、シャフトの軸方向両端で開口されていることを特徴とするローラコンベア。
【請求項11】
シャフトが挿通嵌合可能な内側リング及びこの内側リングを回転自在に支持する外側リングを備えたベアリングと、このベアリングを保持するベアリングホルダと、を有してなり、前記ベアリングホルダは、前記外側リングの外周面の全部又は一部に係合して、ベアリングを直径方向に拘束する保持溝と、この保持溝に拘束された外側リングの軸方向両端面の全部又は一部に係合して、ベアリングを軸方向に拘束する一対の保持リブと、この保持リブよりも、更に軸方向外側に設けられ、拘束されたベアリングの外側リングの軸方向両端面に沿って設けられたスリット状の吸引口と、ベアリングホルダ外側壁に開口された排気口と、この排気口と前記吸引口とを接続する排気路と、を有していることを特徴とするベアリング組立体。
【請求項12】
請求項11において、
前記ベアリングホルダは、上端が開口し、軸方向から見てU字形状であって、前記開口から、前記ベアリングが挿入可能な案内溝を備えたホルダ本体と、前記案内溝の前記上端の開口を閉じるように、前記案内溝の上端に着脱自在で、且つ、取付け時に、前記案内溝の一部と共に、前記外側リングを径方向に拘束する蓋部と、を有してなり、前記案内溝における円弧状部の少なくとも一部が、前記保持溝を構成し、前記案内溝の軸方向両端には、前記保持リングが設けられ、前記外側リングの軸方向両端面よりも軸方向外側位置に、該軸方向両端面との間で前記スリット状の吸引口を形成するカバーリブが設けられたことを特徴とするベアリング組立体。
【請求項13】
請求項12において、
前記案内溝を形成する壁部におけるU字の平行辺部分が、前記開口側の端部を自由端として、相互に弾力的に隣接又は拡開するように、反対側の端部において、U字の半円弧状部に連結された構造とされ、前記吸気路は、前記U字の平行部分の軸方向両端面に沿って形成されていることを特徴とするベアリング組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−8695(P2007−8695A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−194178(P2005−194178)
【出願日】平成17年7月1日(2005.7.1)
【出願人】(592053778)株式会社日本設計工業 (18)
【Fターム(参考)】