説明

ローラポンプ

【課題】
チューブの巻き込みや破損が生じることを抑制したローラポンプである。
【解決手段】
チューブケース2の中央部の円形状凹部内に、駆動軸の先端に設けられる太陽歯車4と、該太陽歯車4及び内歯10とに噛合する遊星歯車5aを形成した3個の自公転ローラ5と、前記太陽歯車4及び内歯10とに噛合する遊星歯車6aを形成した3個の公転ローラ6を備え、チューブ押圧面5b及びリングローラ6cとガイド面11とでチューブ12を押圧挟持して、チューブ押圧面5b及びリングローラ6cとでチューブ12内の流体を送液させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、理化学機器、化学分析機器、医療機器、産業機器等における試料などの送液に使用されるローラポンプに関し、詳しくは、駆動軸の軸心を中心とする円軌跡上に配置した複数の自公転ローラの周状のチューブ押圧面によって、円弧状のガイド面に沿って配されたチューブを押圧挟持させて、前記チューブ押圧面によりチューブ内の液体を送液させるローラポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
ローラポンプの従来例として、一端に太陽歯車が形成された駆動軸をチューブケースに回転自在に支持し、該駆動軸の軸心を中心とする円軌跡上に、前記太陽歯車と噛合する遊星歯車が形成された自公転ローラを複数個配設し、前記駆動軸の軸心を中心とする円弧状のガイド面と前記自公転ローラに形成した周状のチューブ押圧面とでチューブを押圧挟持するとともに、前記遊星歯車を前記ガイド面の下部位置に設けられた内歯に噛合させ、前記駆動軸の回転により、前記駆動軸の太陽歯車と噛合する遊星歯車を介して自公転ローラが自転しながら円軌跡上を公転移動することで、前記チューブ押圧面による押圧でチューブ内の流体を送液させる構造のものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、別の従来例として、中心に駆動軸を固設したリテーナの前記駆動軸を中心とする円軌跡上に、周状のチューブ押圧面を形成するとともに該チューブ押圧面の下部位置に遊星歯車を形成した複数の自公転ローラを回転可能に前記リテーナに配設し、駆動軸の軸心を中心とする円弧状のガイド面と前記チューブ押圧面とでチューブを押圧挟持するとともに、前記遊星歯車を前記ガイド面の下部位置に設けられた内歯に噛合させ、前記駆動軸の回転により、前記内歯と噛合する遊星歯車を介して自公転ローラが自転しながら円軌跡上を公転移動することで、前記チューブ押圧面による押圧でチューブ内の流体を送液させる構造のものが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
さらに、中心に駆動軸を固設したリテーナの前記駆動軸を中心とする円軌跡上に、周状のチューブ押圧面を形成した複数の自公転ローラを回転可能に前記リテーナに配設し、前記駆動軸の回転により、前記リテーナを介して公転する前記自公転ローラが前記チューブとの接触摩擦により自転しながら円軌跡上を移動することで、前記チューブ押圧面による押圧でチューブ内の流体を送液させる構造のものが知られている(例えば、特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−21050号公報
【特許文献2】実開平2−119989号公報
【特許文献3】特開2010−43600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、前二者の自公転する自公転ローラを備えたローラポンプは、自公転ローラによる送液を続けていると、周状のチューブ押圧面の径が遊星歯車のピッチ円の径より大きいため、円周の回転距離が大きくなり、摩擦力による公転方向と逆の方向の力が発生し、チューブの種類(例えば、材質、サイズ)によっては、チューブが自公転ローラに巻き込まれ、チューブが破損する虞が生じることが確認されていた。後者のローラポンプは、自公転ローラの公転により、チューブと接触して自転する公転フリーローラ機構であるため、公転方向の力が発生し、上記とは逆の現象が生じる。
【0007】
そこで、本発明は、チューブの巻き込みや破損が生じることを抑制したローラポンプを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の第1のローラポンプは、一端に太陽歯車が形成された駆動軸をチューブケースに回転自在に支持し、該駆動軸の軸心を中心とする円軌跡上に、前記太陽歯車及び内歯と噛合する遊星歯車を形成した自公転ローラを配設し、前記駆動軸の軸心を中心とする円弧状のガイド面と前記自公転ローラに形成した周状のチューブ押圧面とでチューブを押圧挟持し、前記駆動軸の回転により、前記太陽歯車と噛合する遊星歯車を介して前記自公転ローラを自公転させながら前記円軌跡上を移動させて、前記チューブ押圧面にて前記チューブ内の流体を送液させるローラポンプにおいて、少なくとも1個の前記自公転ローラと、前記太陽歯車及び内歯と噛合する遊星歯車を形成した少なくとも1個の公転ローラとを前記円軌跡上に配設するとともに、該公転ローラは、前記周状のチューブ押圧面の外径よりも小径の装着軸部を形成し、該装着軸部に、前記周状のチューブ押圧面の外径と同径のチューブ押圧用のリングローラを回転自在に装着したことを特徴としている。
【0009】
第2のローラポンプは、一端に太陽歯車が形成された駆動軸をチューブケースに回転自在に支持し、該駆動軸の軸心を中心とする円軌跡上に、前記太陽歯車及び内歯と噛合する遊星歯車を形成した自公転ローラを配設し、前記駆動軸の軸心を中心とする円弧状のガイド面と前記自公転ローラに形成した周状のチューブ押圧面とでチューブを押圧挟持し、前記駆動軸の回転により、前記太陽歯車と噛合する遊星歯車を介して前記自公転ローラを自公転させながら前記円軌跡上を移動させて、前記チューブ押圧面にて前記チューブ内の流体を送液させるローラポンプにおいて、少なくとも1個の前記自公転ローラと、少なくとも1個の公転ローラとを前記円軌跡上に配設して前記太陽歯車と一体回転するリテーナに回転可能に設けた少なくとも1個の公転ローラとを前記円軌跡上に配設するとともに、該公転ローラは、前記自公転ローラのチューブ押圧面と同径のチューブ押圧面を形成していることを特徴としている。
【0010】
また、第2のローラポンプは、前記公転ローラのチューブ押圧面の径を前記自公転ローラのチューブ押圧面の径よりも小径に形成するとともに、両ローラのチューブ押圧面の外側の円軌跡が同じになるように、前記公転ローラを前記自公転ローラが配置される円軌跡よりも大径の円軌跡上に配設することもできる。
【0011】
第3のローラポンプは、チューブケースに回転自在に支持される駆動軸の先端を取り付けることができるリテーナの前記駆動軸の軸心を中心とする円軌跡上に、内歯と噛合する遊星歯車を形成した自公転ローラを回転可能に配設し、前記駆動軸の軸心を中心とする円弧状のガイド面と前記自公転ローラに形成した周状のチューブ押圧面とでチューブを押圧挟持し、前記駆動軸の回転により、前記太陽歯車と噛合する遊星歯車を介して前記自公転ローラを自公転させながら前記円軌跡上を移動させて、前記チューブ押圧面にて前記チューブ内の流体を送液させるローラポンプにおいて、少なくとも1個の前記自公転ローラと、前記内歯と噛合する遊星歯車を形成した少なくとも1個の公転ローラとを、前記リテーナの前記円軌跡上に回転可能に配設するとともに、該公転ローラは、前記周状のチューブ押圧面の外径よりも小径の装着軸部を形成し、該装着軸部に、前記周状のチューブ押圧面の外径と同径のチューブ押圧用のリングローラを回転自在に装着したことを特徴している。
【0012】
また、第3のローラポンプは、前記公転ローラに装着されるリングローラの径を前記自公転ローラのチューブ押圧面の径よりも小径に形成するとともに、リングローラ及びチューブ押圧面の外側の円軌跡が同じになるように、前記公転ローラを前記自公転ローラが配置される円軌跡よりも大径の円軌跡上に配設することもできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、遊星歯車機構を備えた自公転ローラと、公転ローラとを配したので、自公転する自公転ローラと公転ローラとにより、チューブの伸びを相殺して、引き込みと押し出しとを繰り返すことによりチューブの巻き込みや破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る遊星歯車機構を用いたローラポンプの第1実施形態例を示す一部分解外観斜視図である。
【図2】ローラポンプの第1実施形態例のローラを示す一部分解斜視図である。
【図3】ローラポンプのローラの配置構成を示す平面図である。
【図4】ローラポンプによる動作原理を説明するための平面図である。
【図5】ローラポンプの第1実施形態例におけるローラの他の配置例をそれぞれ示す平面図である。
【図6】本発明に係る遊星歯車機構を用いたローラポンプの第2実施形態例のローラを示す一部分解斜視図である。
【図7】本発明に係るローラポンプの第3実施形態例のローラの配置構成を示す平面図である。
【図8】第2又は第3実施形態例の変形例のローラの配置構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の第1実施形態例を図1〜図3に基づいて説明する。ローラポンプ1は、図1に示されるように、チューブケース2の中央部に形成された円形状の凹部3内に、駆動軸の先端に設けられる太陽歯車4と、該太陽歯車4に噛合する遊星歯車5aを形成した3個の自公転ローラ5と、前記太陽歯車4に噛合する遊星歯車6aを形成した3個の公転ローラ6を備えている。
【0016】
前記自公転ローラ5は、遊星歯車5aの上部位置にチューブ押圧面5bを周状に形成して、前記駆動軸の軸心を中心とする円軌跡7上に3個配設されている。前記公転ローラ6は、遊星歯車6aの上部位置に前記チューブ押圧面5bの外径よりも小径の装着軸部6bを形成し、前記チューブ押圧面5bの外径と同径のチューブ押圧用のリングローラ6cを、フリー回転の機能を具備すべく前記装着軸部6bに回転自在に装着している。これら3個の公転ローラ6は、前記自公転ローラ5の間に1個ずつ配設されて、前記駆動軸の軸心を中心とする円軌跡7上に設けられている。
【0017】
交互に1個ずつ配設されている自公転ローラ5及び公転ローラ6は、リテーナ8に前記駆動軸の軸心を中心とする円軌跡7上に等間隔に形成した各支持孔8aに、上部の挿通軸5d及び6dを挿入して抜け止めピン9により回転可能に装着するとともに、中心の挿通孔8bに太陽歯車4の突起4aを挿通して、前記太陽歯車4、自公転ローラ5及び公転ローラ6をリテーナ8に設けてローラユニット化し、これを凹部3内に入れて、駆動軸の先端を太陽歯車4の中心に装着することにより、自公転ローラ5の遊星歯車5a及び公転ローラ6の遊星歯車6aは、前記太陽歯車4及び前記凹部3の内周壁に設けられた環状の内歯10に噛合する。
【0018】
前記内歯10の上部位置には、チューブ導入部11aからチューブ導出部11bに至る2本のガイド面11,11が、前記駆動軸の軸心を中心とする円弧状に形成され、このガイド面11,11に軟質のチューブ12が装着される。このチューブ12は、例えばシリコン等の軟質の樹脂で形成されたもので、流体の吐出量に応じて様々な径のチューブが使用される。
【0019】
前記チューブケース2の凹部3の両側部には、カバー体2a,2aがスライド可能に設けられている。これらカバー体2a,2aは、対称形状をしたもので、対向する凹部側内面に、円弧状のガイド面11,11が形成され、外面には摘み2b,2bが突設され、ガイド面11,11をチューブケース2の中央側に向けてそれぞれ取り付けられている。ガイド面11,11は、駆動軸の軸心から自公転ローラ5及び公転ローラ6の中心を通る円軌跡7までの距離を半径とした円弧よりも大きな円弧で形成され、ガイド面11の両端側からガイド面11の中央に向けて、ガイド面11から駆動軸の軸心までの距離が漸次小さくなるように設定されている。
【0020】
前記カバー体2a,2aのガイド面11,11と自公転ローラ5のチューブ押圧面5b及びフリー回転ローラ6のリングローラ6cとの間は、2本のチューブ装着溝となる。このチューブ装着溝は、カバー体2aのガイド面11が、上述したように、駆動軸の軸心から自公転ローラ5及びフリー回転ローラ6の中心を通る円軌跡7よりも大きく設定されていることから、チューブ装着溝の両端側からチューブ装着溝の中央に向けて次第に細く形成される。
【0021】
このように構成されたローラポンプ1は、摘み2b、2bを弛めて、カバー体2a,2aをチューブケース2の外側にスライドさせ、太陽歯車4と自公転ローラ5と公転ローラ6とをセットしたリテーナ8を前記凹部3内に装着して、遊星歯車5,6と内歯10とを歯合させるとともに、モータの駆動軸を太陽歯車4に装着させる。ついで、チューブ12をチューブ装着溝に装着し、カバー体2a,2aをチューブケース2の内側にスライドさせ、チューブ12を各自公転ローラ5のチューブ押圧面5b及び公転ローラー6のリングローラ6bに密着させる。この時、チューブ装着溝は、カバー体2a,2aのガイド面11の両端側から中央に向けてしだいに細く形成されることから、チューブ12は、ガイド面11の中央部とチューブ押圧面5b又はリングローラ6bとで潰された状態で保持されている。
【0022】
前記チューブ12をチューブ装着溝に装着した状態で、モータを駆動させると、各自公転ローラ5の遊星歯車5aは、太陽歯車4の回転に伴って太陽歯車4及び内歯10と噛み合いながら自公転するとともに、公転ローラー6のリングローラ6bは自由回転して、チューブ12が、ガイド面11の中央部と各チューブ押圧面5b及び各リングローラ6bとで連続的に潰されて、チューブ12内の流体がチューブ導入部11aからチューブ導出部11bに移送されていく。ガイド面11,11の双方にチューブ12,12を装着した場合は、一方のチューブ12と他方のチューブ12の流体はそれぞれ公転方向に移送されていく。
【0023】
このポンプ作業において、遊星歯車機構を備えた自公転ローラ5と公転ローラ6とを配したので、図4に示す如く、自公転する自公転ローラ5によるチューブ12の矢印A方向への移動と公転ローラ6による矢印B方向の移動とが相互に作用して、チューブ12の伸びを相殺し、引き込みと押し出しとを繰り返すことにより生じるチューブ12の巻き込みや破損を防止することができる。
【0024】
ローラポンプ1は、1本のチューブに少なくとも2個のローラによって押圧されていればよいことから、自公転ローラと公転ローラとの配置構成は、自公転ローラ5と公転ローラ6を1つ置きに配置するものに限定されず、例えば、図5に示すローラの配置構成でも適用できる。例えば、図5の(A)に示す如き、2個のローラのうち、1個の自公転ローラ5と1個の公転ローラ6とを対向配置した構成、(B)は、3個のローラのうち、2個の自公転ローラ5と1個の公転ローラ6とを配置した構成、(C)は、6個のローラのうち、3個の自公転ローラ5と3個の公転ローラ6とを対向配置した構成、(D)は、6個のローラのうち、対向配置した2個の自公転ローラ5の間に、それぞれ1個の公転ローラ6を配置した構成等が考えられる。理論的には、自公転ローラ5と公転ローラ6とは、それぞれ1個以上あればローラポンプとしての機能を発揮することができるが、通常は、公転ローラ6が少なくとも1個含んでいれば、使い勝手や費用の面等から全体として2個乃至8個程度のローラ構成が効果的である。なお、図5の(A)の配置構成は、1個の自公転ローラ5と1個の公転ローラ6とにより常にチューブ12を押圧する必要上、いわゆるU字掛けした1本のチューブに適用されるが、その他はこれに限らない。また、公転ローラの数が多い構成の方が硬度の低いチューブに適している。
【0025】
本発明の第2実施形態例を図6に基づいて説明する。この実施形態例のローラポンプの公転ローラ13は、第1実施形態例の公転ローラ6のリングローラ6cを設けずに、自公転ローラ5のチューブ押圧面5bと同径の周状のチューブ押圧面13aを設けるとともに、該チューブ押圧面13aの下部に遊星歯車を設けていない構成であって、その他の構成及び作用は、第1実施形態例と同様である。この実施形態例によれば、公転ローラ13は、太陽歯車4及び内歯10とは噛み合わないので、第1実施形態例のリテーナ8に回転自在の設けられることによって、フリーに回転できる機能を具備していることになる。
【0026】
本発明の第3実施形態例を図7に基づいて説明する。この実施形態例のローラポンプは、第1実施形態例の太陽歯車4を設けない構成であって、中心に駆動軸13を取り付けることにより駆動軸13と一体回転するリテーナ8に、3個の自公転ローラ5とリングローラ6cを備えた3個の公転ローラ6を第1形態例と同様の配置構成で、抜け止めピン9にて回転可能に取り付けて、ユニット化したものである。
【0027】
ローラポンプとして使用する際には、駆動軸13の先端をリテーナ8に固設して、ユニット化した自公転ローラ5の遊星歯車5a及び公転ローラ6の遊星歯車6aを内歯10に噛合させ、駆動軸14によるリテーナ8の回転により、第1及び第2実施形態例と同様のローラポンプとしての機能を発揮する。
【0028】
図8に示す実施形態例は、第2又は第3実施形態例の変形例のローラの配置構成に関するものである。この実施形態例は、フリー回転ローラ15のチューブ押圧面又はリングローラの径を自公転ローラ5のチューブ押圧面5bの径よりも小径に形成し、両ローラ5,15のチューブ押圧面の外側の円軌跡16が同じになるように、又は、リングローラ及びチューブ押圧面5bの外側の円軌跡16が同じになるように、自公転ローラ5が配置される円軌跡7よりも大径の円軌跡17上に配設したもので、第2形態例の変形例では、第2形態例のチューブ押圧面の径よりも小径に形成し、第3実施形態例の変形例では、リングローラよりも小径のリングローラを装着したもので、その他の構成は、第1又は第3実施形態例の場合と同様である。
【符号の説明】
【0029】
1…ローラポンプ、2…チューブケース、3…凹部、4…太陽歯車、4a…突起、5…自公転ローラ、5a…遊星歯車、5b…チューブ押圧面、5d…挿通軸、6…公転ローラ、6a…遊星歯車、6b…装着軸部、6c…リングローラ、6d…挿通軸、7…駆動軸を中心とする円軌跡、8…リテーナ、8a…支持孔、8b…挿通孔、9…抜け止めピン、10…内歯、11…ガイド面、11a…チューブ導入部、11b…チューブ導出部、12…チューブ、13…公転ローラ、14…駆動軸、15…フリー回転ローラ、16…外側の円軌跡、17…駆動軸を中心とする円軌跡

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端に太陽歯車が形成された駆動軸をチューブケースに回転自在に支持し、該駆動軸の軸心を中心とする円軌跡上に、前記太陽歯車及び内歯と噛合する遊星歯車を形成した自公転ローラを配設し、前記駆動軸の軸心を中心とする円弧状のガイド面と前記自公転ローラに形成した周状のチューブ押圧面とでチューブを押圧挟持し、前記駆動軸の回転により、前記太陽歯車と噛合する遊星歯車を介して前記自公転ローラを自公転させながら前記円軌跡上を移動させて、前記チューブ押圧面にて前記チューブ内の流体を送液させるローラポンプにおいて、
少なくとも1個の前記自公転ローラと、前記太陽歯車及び内歯と噛合する遊星歯車を形成した少なくとも1個の公転ローラとを前記円軌跡上に配設するとともに、該公転ローラは、前記周状のチューブ押圧面の外径よりも小径の装着軸部を形成し、該装着軸部に、前記周状のチューブ押圧面の外径と同径のチューブ押圧用のリングローラを回転自在に装着したことを特徴とするローラポンプ。
【請求項2】
一端に太陽歯車が形成された駆動軸をチューブケースに回転自在に支持し、該駆動軸の軸心を中心とする円軌跡上に、前記太陽歯車及び内歯と噛合する遊星歯車を形成した自公転ローラを配設し、前記駆動軸の軸心を中心とする円弧状のガイド面と前記自公転ローラに形成した周状のチューブ押圧面とでチューブを押圧挟持し、前記駆動軸の回転により、前記太陽歯車と噛合する遊星歯車を介して前記自公転ローラを自公転させながら前記円軌跡上を移動させて、前記チューブ押圧面にて前記チューブ内の流体を送液させるローラポンプにおいて、
少なくとも1個の前記自公転ローラと、少なくとも1個の公転ローラとを前記円軌跡上に配設して前記太陽歯車と一体回転するリテーナに回転可能に設けた少なくとも1個の公転ローラとを前記円軌跡上に配設するとともに、該公転ローラは、前記自公転ローラのチューブ押圧面と同径のチューブ押圧面を形成していることを特徴とするローラポンプ。
【請求項3】
前記公転ローラのチューブ押圧面の径を前記自公転ローラのチューブ押圧面の径よりも小径に形成するとともに、両ローラのチューブ押圧面の外側の円軌跡が同じになるように、前記公転ローラを前記自公転ローラが配置される円軌跡よりも大径の円軌跡上に配設することを特徴とする請求項2記載のローラポンプ。
【請求項4】
チューブケースに回転自在に支持される駆動軸の先端を取り付けることができるリテーナの前記駆動軸の軸心を中心とする円軌跡上に、内歯と噛合する遊星歯車を形成した自公転ローラを回転可能に配設し、前記駆動軸の軸心を中心とする円弧状のガイド面と前記自公転ローラに形成した周状のチューブ押圧面とでチューブを押圧挟持し、前記駆動軸の回転により、前記太陽歯車と噛合する遊星歯車を介して前記自公転ローラを自公転させながら前記円軌跡上を移動させて、前記チューブ押圧面にて前記チューブ内の流体を送液させるローラポンプにおいて、
少なくとも1個の前記自公転ローラと、前記内歯と噛合する遊星歯車を形成した少なくとも1個の公転ローラとを、前記リテーナの前記円軌跡上に回転可能に配設するとともに、該公転ローラは、前記周状のチューブ押圧面の外径よりも小径の装着軸部を形成し、該装着軸部に、前記周状のチューブ押圧面の外径と同径のチューブ押圧用のリングローラを回転自在に装着したことを特徴とするローラポンプ。
【請求項5】
前記公転ローラに装着されるリングローラの径を前記自公転ローラのチューブ押圧面の径よりも小径に形成するとともに、前記公転ローラを前記自公転ローラが配置される円軌跡よりも大径の円軌跡上に配設することを特徴とする請求項4記載のローラポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−233427(P2012−233427A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−101785(P2011−101785)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(591245543)東京理化器械株式会社 (36)
【Fターム(参考)】