説明

ローラ及びこれを用いた画像形成装置

【課題】ベルトが張架されるローラにおいて、ベルトの正規位置からの移動が生じ難く、移動しても、ベルトの蛇行、偏りが生じてもベルトが正規位置に自動的に戻るローラであって、その製造も安価で容易であるローラを提供する。
【解決手段】ベルトが張架されるローラR1、R2において、ローラR1、R2は、中心から軸線方向の端部にむけて径が次第に増加するように形成されるとともに、ローラR1、R2内には複数の球体80又はコロ90が、ローラR1、R2表面には複数の開口81が、ローラR1、R2の周方向及び/又は軸線方向にわたって設けられており、球体80又コロ90は、回転可能に保持され、張架されるベルトと球体80が接するようにローラR1、R2表面及び開口81から一部が突出するように設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトが張架されるローラ及びこのローラを用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、物品等を運ぶためにベルトが用いられている。そして、ベルトは無端状のものが用いられることがあり、このベルトを張架するためにローラが用いられる。ローラが回転すると、複数のローラに張架されたベルトは、ローラの回転にあわせて回転される。このようなベルトは、様々な分野で用いられている。
【0003】
例えば、複写機、プリンタ、FAX等の画像形成装置においては、転写材である用紙を搬送するための用紙搬送ベルト、定着装置においてトナー像を加熱するために必要な熱を伝達するための定着ベルト等、ベルトが用いられている。又、カラー対応の画像形成装置では、各色のトナー像を順次中間転写部に転写し、中間転写部に重ね合わされたトナー像をまとめて転写材に転写することが行われているが、この中間転写部にベルトが採用されている。
【0004】
ここで、ローラに張架されているベルトは、ローラの設置状態における傾き、寸法等の条件により、ローラの軸線方向に移動する場合がある。ベルトが移動すると、ベルトの蛇行、斜行、ベルトがローラの軸線方向における一方向に寄ってしまうという偏り、ベルトの表面に皺や波打ちが生ずる。
【0005】
このようなベルトの移動により生ずる蛇行等は、一般に搬送物の搬送ミスや搬送タイミングのズレの原因となり、更にはベルトが傷付く場合もあり、ベルトの寿命に影響がある。画像形成装置について言えば、用紙搬送ベルトでは、用紙への転写のタイミングのずれや紙詰まりの原因となる。定着ベルトでは、熱の伝達ミスやベルトの短命化の原因となる。中間転写ベルトでは、像担持体から正確な転写を受けられないことによる色ズレや転写材への転写が正確になされないことによって、形成される画像に影響を与える。
【0006】
このベルトの蛇行等に対する対策として、ローラの形状をクラウン状又は逆クラウン状とするように、ローラの中心部の径を大きく又は小さくすることがある。又、ローラの端部に周方向に溝を、溝に嵌め合わせるためのリブをベルト端部に設けることもある。又、ローラの取り付け角度や、ベルトを張架するローラどうしの平行度を管理し、かつ、ベルトの平行度を部品レベル、組立レベルにて管理することもある。又、ベルトの蛇行、偏りをセンサ等で検知してモータ等の機構を設け、各ローラの平行度を保つこともある。
【0007】
更に、上記問題に対する解決策として、特許文献1記載の発明が提案されている。特許文献1には、幅方向の両端側における径が端部に向かって増加し、かつ、両端側が半径方向に弾力性を有するローラが記載されている。又、この構成に加え、ローラは略円筒形の外筒と、外筒を回転駆動させる回転軸を備え、外筒の両端に複数の舌片が形成され、舌片は外向きに拡開されているローラも記載されている(請求項1、請求項3、図2参照)。このように構成することで、ベルトが偏り始めてもベルトを正規の位置に戻すようにしている(段落0010)。
【特許文献1】特開2005−070701
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、ベルトの蛇行、偏りを防ぐために様々な手段が存在しているが、ローラの形状をクラウン又は逆クラウン形状とすれば、ベルトの張力は増加させ得るが、このローラに張架できるベルトは伸縮可能なものに限られるという問題がある。又、逆クラウン形状とした場合では、ベルト中央部がローラから浮いてしまい、駆動伝達において好ましくない場合があるという問題がある。
【0009】
又、ローラの溝と、ベルトのリブを嵌め合わせると、蛇行等が生じがたくなり得るが、ローラの駆動力が大きい場合等、溝とリブの嵌め合わせがはずれてしまう場合があり、又、再度嵌め合わせる作業は困難であるという問題がある。又、ベルトの平行度を部品レベル、組立レベルにて管理すると高精度にローラやベルト等を製造しかつ組み立てなければならず、又、センサやモータ等を用いる場合においても画像形成装置に様々な部品を取り付ける必要があって画像形成装置の構造が複雑となり、いずれの場合もコスト面において採用し難く、又、画像形成装置の製造が複雑化するという問題がある。
【0010】
更に、特許文献1記載の発明をみると、特許文献1記載の発明は、上記の各手段における問題を解決でき、ベルトの蛇行、偏りは生じ難いと言えるものの、一度ベルトが移動してしまうと、張架されるベルトとローラの間における摩擦により、ベルトが正規位置に戻りにくい場合があるという問題が存在する。
【0011】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、ベルトが張架されるローラにおいて、ベルトの正規位置からの移動が生じ難く、移動しても、ベルトの蛇行、偏りが生じてもベルトが正規位置に自動的に戻るローラであって、その製造も安価で容易であるローラを提供することを課題とする。又、そのようなローラを用いることにより、ベルトの移動がない画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために請求項1に係る発明は、ベルトが張架され、前記ベルトにより駆動力が伝達されるテンションローラに用いられるローラにおいて、前記ローラは、中心から軸線方向の端部にむけて径が次第に増加するように形成されるとともに、ローラ内には複数の球体が、ローラ表面には複数の開口が、前記ローラの周方向及び/又は軸線方向にわたって設けられており、前記球体は、回転可能に保持され、張架されるベルトと球体が接するようにローラ表面及び前記開口から一部が突出するように設けられることとした。
【0013】
又、請求項2に係る発明は、ベルトが張架されるローラにおいて、前記ローラは、中心から軸線方向の端部にむけて径が次第に増加するように形成されるとともに、ローラ内には複数のコロが、ローラ表面には複数の開口が、前記ローラの周方向及び/又は軸線方向にわたって設けられており、前記コロは、その回転方向が軸線方向と平行になるよう回転可能に保持され、張架されるベルトと前記コロが接するようにローラ表面及び前記開口から一部が突出するように設けられることとした。
【0014】
又、請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載のローラにおいて、前記ローラは、中心から軸線方向の端部にむけて径が次第に増加するように形成された前記ローラの外周面を構成する円筒状部材を備えており、前記円筒状部材の内部に、前記ローラの軸線方向に沿って前記球体又は前記コロを保持するための複数の保持体が内包されており、前記円筒状部材の両端部に嵌め合わされるとともに、前記保持体と係止されるキャップ部材を備えていることとした。
【0015】
又、請求項4に係る発明は、請求項3に記載のローラにおいて、前記キャップ部材は、前記球体又は前記コロを保持することとした。
【0016】
又、請求項5に係る発明は、請求項3又は4に記載のローラにおいて、複数の前記保持体は、ローラの軸線方向の両端にそれぞれ突起が設けられており、前記キャップ部材は、前記突起と嵌め合わせるための穴部が設けられることとした。
【0017】
又、請求項6に係る発明は、請求項3乃至5いずれか1項に記載のローラにおいて、前記円筒状部材は、ばね材からなり、前記円筒状部材の両端部における開口は、軸線方向に複数のスリット状の開口となっていて、前記スリットに沿って前記円筒状部材の両端部を広げることで中心から軸線方向の端部にむけて径が次第に増加するように形成されることとした。
【0018】
又、請求項7に係る発明は、静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体に現像剤を供給しトナー像を現像する現像装置と、現像されたトナー像を中間転写部に転写後、転写材に転写するか、若しくは、像担持体から直接、転写材に転写する転写手段と、転写材を搬送する搬送手段と、転写材に転写されたトナー像を加熱、加圧して転写材に定着させるための定着装置とを備えた画像形成装置において、上記中間転写部、上記搬送手段、又は上記定着装置のうち、少なくとも1つにはベルトが用いられており、前記ベルトを張架するために請求項1乃至6いずれか1項に記載のローラを備えることとした。
【発明の効果】
【0019】
請求項1記載の発明によれば、ローラの中心からローラの軸線方向の端部に向けて次第にローラ径が大きくなっているから、ローラに張架されたベルトが、ローラの軸線方向と平行な方向に正規位置から移動し難くなっている。従って、ベルトの蛇行や偏りが生じ難いローラを提供できる。
【0020】
又、ベルトが移動してもローラの端部ではローラの外径が大きくなっているので、その移動方向と反対方向にむけての力がベルトに加わる。即ち、ベルトに対し正規位置に戻ろうとする力が働く。しかも、ローラの表面から、回転可能に保持された球体の一部が突出して、球体の一部とベルトが接するから、ベルトは正規位置に戻りやすい。更に、ローラの端部ではローラの外径が大きくなっているので、ベルトが戻りすぎてしまうこともない。従って、張架されたベルトが正規位置を維持するローラを提供できる。
【0021】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様に、ローラに張架されたベルトが、ローラの軸線方向と平行な方向に正規位置から移動し難くなっている。従ってベルトの蛇行や偏りが生じ難いローラを提供できる。
【0022】
又、ベルトが移動しても、その移動方向と反対方向にむけての力がベルトに加わる。即ち、ベルトに対し正規位置に戻ろうとする力が働く。しかも、ローラの表面から、回転可能に保持されたコロの一部が突出して、コロの一部とベルトが接するから、ベルトは正規位置に戻りやすい。更に、ベルトが戻りすぎてしまうこともない。従って、張架されたベルトが正規位置を維持するローラを提供できる。
【0023】
請求項3及び4記載の発明によれば、請求項1又は2記載の発明の効果に加え、従来のように、ベルトにリブを、ローラにリブを嵌め合わせるための溝を設けたり、ローラを高精度に製造し、組み立てたり、ローラ等の平行度を管理するためにセンサやモータなどを設けたりして複雑化することなく、簡易な構成で安価にベルトが正規位置を維持するローラを提供できる。更に、円筒状部材は、中心から軸線方向の端部にむけて径が次第に増加するように形成されるにもかかわらず、支持体又はキャップ部材により、球体又はコロを確実に保持できるとともに、支持体及びキャップ部材とが係止され、球体又はコロの保持する位置を確実なものとできる。
【0024】
特に、請求項4記載の発明においては、中心から軸線方向の端部にむけて径が次第に増加するように形成されているから、ローラの軸線方向において、曲線を形成しているにもかかわらず、球体又はコロを確実に保持するローラを容易に製造できる。
【0025】
請求項5記載の発明によれば、保持体の突起とキャップ部材の穴部が嵌め合わされるから、突起と穴部を嵌め合わせるだけで確実に保持体とキャップ部材とを係合することができ、円筒状部材内で、保持体が円周方向に回転することを防ぐことができる。従って、球体又はコロの支持を確実に行えるローラを容易に製造できる。
【0026】
請求項6記載の発明によれば、円筒状部材の両端は、弾力性を有しスリットも設けられているから、キャップ部材の径を調整するだけで円筒状部材の両端部の径を変えることができる。例えば、ゴム製のような伸縮可能なベルトを用いる場合、円筒状部材の両端部の径を大きくして、一方で、伸縮性の少ない又はないようなベルトを用いる場合、円筒状部材の両端部の径を小さくすることができる。従って、ベルトの材質の差異に対応しつつ、ベルトが正規位置を維持するローラを提供できる。しかも、製造も容易で安価なローラであり、従来のような複雑な構成や高精度な管理を行う必要がない。
【0027】
請求項7記載の発明によれば、画像形成装置に用いられるベルトを張架するために上記のローラを用いれば、ベルトが傷つくことがないから、長寿命の画像形成装置を提供できる。又、用紙搬送ベルトにおいては、用紙が斜めの状態で搬送されたり、又、紙詰まりを生じたりずることがない。又、中間転写ベルトにおいては、転写ズレがなく、特にカラーの画像形成装置では色ズレも生ずることもない。又、定着装置においては、紙詰まりや定着不足を生ずることがない。従って、形成される画像の品質が高く、用紙搬送等の点で精度の高い画像形成装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の第1の実施形態について図1〜4を参照しつつ説明する。尚、本実施形態では、本発明に係るローラR1を中間転写ベルト21の張架に用いる画像形成装置1aについて説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
【0029】
まず、図1を用いて、本発明の第1の実施形態におけるローラR1を備えた画像形成装置1aの概略を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置1aの概略構成を示す模型的断面図である。
【0030】
本実施形態に係る画像形成装置1aは、画像形成部10、中間転写部20、給紙部30、用紙搬送部40、2次転写部50、定着装置60とトナー供給部70等から構成される。以下その詳細を説明する。
【0031】
前記画像形成部10は、像担持体としての感光体ドラム11、感光体ドラム11の表面を一様に帯電させるための帯電ローラ12、感光体ドラム11の表面に残留したトナーや付着物を清掃するためのドラムクリーニング装置13、感光体ドラム11に形成された静電潜像を各色のトナーによって現像するロータリ式現像装置14、外部のコンピュータから送られてきた画像情報等に基づいて、感光体ドラム11を走査露光するためのレーザユニット15等から構成される。
【0032】
前記感光体ドラム11は、表面に静電潜像が形成されるものであり、画像形成装置1aのほぼ中央に回転自在に設けられる(回転方向を矢印で図示)。その回転軸(不図示)は、図1の紙面に対して垂直に延びるように設けられている。又、感光体ドラム11は、アモルファスシリコンやOPC感光体等の感光層を有するように形成されている。
【0033】
前記帯電ローラ12は、感光体ドラム11の上部に設けられている。又、帯電ローラ12は、感光体ドラム11の表面を一様に帯電させるため感光体ドラム11と接しており、所定の方向に回転駆動されている。尚、帯電ローラ12の上部に設けられているのは、帯電ローラ12に付着している帯電生成物をクリーニングするためのクリーナー12aである。
【0034】
前記ドラムクリーニング装置13は、図1における感光体ドラム11の右側方に設けられていて、感光体ドラム11の表面に残留したトナーや付着物を清掃する。
【0035】
前記、ロータリ式現像装置14は、図1における左側方に感光体ドラム11に隣接して設けられている。又、ロータリ式現像装置14は、回転枠14aと、4色のトナーに対応して設けられ回転枠14aに支持された4つの現像器14B、14Y、14C、14Mとを有し、図示しないモータやギアを含む駆動機構によって回転させられる。ロータリ式現像装置14は、軸の回りに回転自在な円筒形状である。ロータリ式現像装置14の回転軸は、回転枠14aの中心を通り、その軸線方向は、感光体ドラム11の回転軸の軸線方向と平行である。
【0036】
図1に示すように、回転枠14aは、回転軸の中心から放射状に延びる仕切枠14dによって円周方向に4等分された4つの区画を有している。各区画には、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの4つのトナー色に対応した現像器14B、14Y、14C、14Mが配置され、各現像器14B、14Y、14C、14Mは、それぞれ同様の構成である。そして、ロータリ式現像装置14が回転すると、各区画における現像ローラ14b、14y、14c、14mが、感光体ドラム11に所定の隙間を有しつつ対向するようになっている。
【0037】
前記レーザユニット15は、外部のコンピュータ等から送られてきた画像情報に基づき感光体ドラム11を走査露光するものであり、ロータリ式現像装置14の上方に設けられる。そして、レーザユニット15からはレーザ光15Lが画像情報に基づき発射され、レーザ光15Lの光路上には、反射ミラー15aが設けられている。レーザ光15Lは、この反射ミラー15aによって反射され、感光体ドラム11の表面に照射される(2点鎖線にてレーザ光15Lを図示)。尚、レーザユニット15の内部の構成は、レーザ光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モータ等を有している(不図示)。
【0038】
次に中間転写部20について説明する。
【0039】
前記中間転写部20は、感光体ドラム11に形成された各色のトナー画像が順次転写される中間転写ベルト21、中間転写ベルト21を張架し回転駆動させるための駆動ローラ22、テンションローラ23、感光体ドラム11と中間転写ベルト21を介して隣接する1次転写ローラ24、25、中間転写ベルト21を清掃するためのベルトクリーニング装置26等から構成されている。
【0040】
前記中間転写ベルト21は、静電潜像上に各色のトナーが現像されたトナー像が順次転写され、感光体ドラム11の下方に配置される。この中間転写ベルト21は、対向して配置され、ローラとローラの回転軸の軸線方向が平行となるように設けられた駆動ローラ22とテンションローラ23、1次転写ローラ24、25に張架されている。
【0041】
前記駆動ローラ22は、感光体ドラム11の下方に設けられる。そして、モータ(不図示)から駆動が伝達され所定の方向に回転する。テンションローラ23は、図1における装置右方に設けられ、その高さの位置は、感光体ドラム11とほぼ同じとなっている。このテンションローラ23はバネ23aによって駆動ローラ22から離れる方向に付勢されている。これにより、中間転写ベルト21に所定の張力が与えられる。
【0042】
前記1次転写ローラ24、25は、中間転写ベルト21の所定範囲が感光体ドラム11に当接されるように互いに近接して感光体ドラム11の下方に設けられる。1次転写ローラ24、25のうち1次転写ローラ25は、中間転写ベルト21を介してニップを形成しており、この部分において、感光体ドラム11から中間転写ベルト21にトナー像が転写される。これらのローラ及び中間転写ベルト21は、駆動ローラ22が回転することで、張架された中間転写ベルト21、テンションローラ23、1次転写ローラ24、25も従動して回転する。
【0043】
前記ベルトクリーニング装置26は、図1における装置左側方に対向して設けられており、転写ベルトを清掃する。このベルトクリーニング装置26は、中間転写ベルト21の表面に摺接されるブラシ又はローラを有している。ベルトクリーニング装置26は、中間転写ベルト21の付着物を掻き取る。
【0044】
前記給紙部30は、給紙カセット31、手差しトレイ32等から構成されている。装置の底部には、用紙Pが載置される載置板33を有する給紙カセット31が設けられる。又、給紙部30は、載置板33上の用紙Pを1枚ずつ用紙搬送路に送り出すために給紙カセット31の右上部にピックアップローラ34と、ピックアップローラ34の右方にローラ対からなる重送防止ローラ35とを有している。更に、装置右側面には、別途給紙できるように手差しトレイ32が設けられている。そして、手差しトレイ32にも用紙Pを1枚ずつ用紙搬送路に送り出すためのピックアップローラ36が設けられている。
【0045】
前記用紙搬送部40は、画像形成装置1a内で用紙Pを搬送するためのものである。用紙搬送部40は、給紙部30から後述する2次転写ローラ51に至る第1搬送路41と、2次転写ローラ51から定着装置60を経て画像形成済みの用紙Pを排出するための用紙排出口47に至る第2搬送路42と、一度定着装置60を通過した用紙Pを、再度2次転写ローラ51を通過させるため、第2搬送路42の途中から第1搬送路41の途中をつなぐように設けられている反転搬送路43等から構成されている。尚、用紙搬送方向は、矢印で図示している。
【0046】
前記第1搬送路41には、給紙カセット31から送り出された用紙Pを上方に搬送しつつ搬送方向を逆にするための湾曲部44が設けられている。又、湾曲部44上部では、手差しトレイ32からの搬送路が合流している。2次転写ローラ51の手前には、用紙Pの搬送タイミングを制御するためのレジストローラ対45が配置される。これら要素が設けられる搬送路には、搬送ローラ対46が複数設けられている。又、用紙Pを案内するガイド板(不図示)も適宜設けられる。
【0047】
前記第2搬送路42は、搬送ローラ対46が複数設けられている。又、用紙Pを案内するガイド板(不図示)も適宜設けられる。
【0048】
反転搬送路43は、両面印刷の際に用いられる搬送路である。反転搬送路43は、第2搬送路42の途中であって定着装置60の用紙搬送方向下流に設けられた分岐爪48の設けられた部分から、レジストローラ対45の用紙搬送方向上流側に合流するように設けられている。この反転搬送路43は、給紙カセット31の上方かつ、2次転写ローラ51及び第2搬送路42の下方を通る用にして設けられている。この反転搬送路43も、前記搬送ローラ対46が複数設けられ、用紙Pを案内するガイド板(不図示)も適宜設けられる。
【0049】
前記2次転写部50は、2次転写ローラ51及び駆動ローラ22から構成される。2次転写ローラ51は、中間転写ベルト21に転写された画像を、2次転写ローラ51と中間転写ベルト21の間に挟まれるように搬送されてきた用紙Pに転写するためのものである。そのため、2次転写ローラ51は駆動ローラ22と中間転写ベルト21を介して接するように設けられている。そして、この2次転写ローラ51には、電圧印加手段(不図示)によって、所定のタイミングで用紙Pにトナーが転写されるようにするための電圧が印加される。
【0050】
前記定着装置60は、用紙P上に転写されたトナーを溶融定着させるためのものであり、第2搬送路42の途中であって、ロータリ式現像装置14の下方に設けられている。この定着装置60は、ヒータを内蔵する加熱ローラ61と加熱ローラ61に圧接する加圧ローラ62とを有しており、両ローラ間に用紙Pを挟持して用紙Pを搬送するとともに、トナーを加熱加圧して用紙Pに定着させる。
【0051】
前記トナー供給部70は、トナー収容器71及びトナー供給装置72等から構成される。トナー収容器71は、ロータリ式現像装置14の各現像器14B、14Y、14C、14Mに対して供給するトナーを収容する部分であり感光体ドラム11及び中間転写ベルト21の上方に設けられる。このトナー収容器71は、図1で不可視となっているが、図1の紙面垂直方向に並べて4つ配置される。それぞれ、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックのそれぞれの各色のトナーを収容する。
【0052】
前記トナー供給装置72は、トナー収容器71に収容された各色のトナーを、対応する現像器14B、14Y、14C、14Mに供給するためのものであり、感光体ドラム11の上方において、レーザユニット15とトナー収容器71との間のスペースに配置されていて、上下動できるよう構成されている。トナー供給装置72は、先端が細い形状となっており、下方に移動した際に、先端が現像器14B、14Y、14C、14Mに差し込まれトナーを供給する。
【0053】
次に、画像形成動作について簡単に説明する。この画像形成装置1aは、入力された画像データに基づき、以下のように画像形成動作実行する。
【0054】
まず、帯電ローラ12によって感光体ドラム11が帯電される。その後、この感光体ドラム11に対して、レーザユニット15により画像データに対応した走査露光が行われ、感光体ドラム11には静電潜像が形成される。次に、ロータリ式現像装置14が回転され、対応する色の現像器14B、14Y、14C、14Mが感光体ドラム11に対向させられる。この状態で、感光体ドラム11の静電潜像が対応する色のトナーによって現像される。現像された画像は、中間転写ベルト21に転写される。以上の動作を各色順次繰り返し、中間転写ベルト21上にはフルカラーのトナー像が形成される。尚、例えば、黒色の単色画像を形成する場合は、以上の動作を1度行えばよい。又、感光体ドラム11上に転写後に残留したトナー等は、ドラムクリーニング装置13により清掃される。
【0055】
一方で、給紙部30において、給紙カセット31又は手差しトレイ32から1枚の用紙Pがピックアップローラ34等により取り出され、レジストローラ対45まで搬送される。その後、用紙Pは、レジストローラ対45から中間転写ベルト21上の画像形成にタイミングを合わせて搬送され、2次転写ローラ51に案内される。2次転写ローラ51は中間転写ベルト21に当接し、2次転写ローラ51に所定の電圧を印加し、中間転写ベルト21上に形成されたトナー像が用紙Pに転写される。この用紙Pは第2搬送路42により定着装置60に案内され、この定着装置60によりトナー像が用紙Pに定着される。そして、片面印刷の場合は、分岐爪48を経て、用紙排出口47から順次排出され、画像形成済みの用紙Pは排出トレイ49上が受け止める。
【0056】
一方、両面印刷の場合、定着装置60を通過した用紙Pは、用紙搬送方向において、分岐爪48よりも下流側の第2搬送路42上でスイッチバックされ、分岐爪48によって反転搬送路43に導入される。その後、表裏反転した用紙Pは、再び第1搬送路41のレジストローラ対45の上流側に戻される。そして、用紙Pの裏面側にタイミングを合わせて2次転写ローラ51からトナー像が転写される。その後は用紙排出口47から排出される。
【0057】
次に、第1の実施形態に係るローラR1の構成について、図2乃至4を用いて説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係るローラR1の側面図である。図3は、本発明の第1の実施形態に係るローラR1を側面から見た場合の断面図である。図4(a)は、図2に示すA−A´方向のローラR1の断面図である。(b)は、図2に示すB−B´方向のローラR1の断面図である。尚、図2乃至4において、ローラR1に複数設けられる開口81(円状開口81a、スリット82)は、球体80の全てに対し符号を付すと雑然となるから、一部のみに符号を付すこととする。
【0058】
本実施形態における画像形成装置1aにおけるベルトは、中間転写ベルト21であり、中間転写ベルト21を張架しているローラは、駆動ローラ22、テンションローラ23、1次転写ローラ24、25であり、これらのローラのうち、特にテンションローラ23に本発明に係るローラR1を用いることができる。
【0059】
図2に示すように、前記ローラR1は、中心から軸線方向の端部にむけて径が次第に増加するように形成されている。そして、詳細は後述するが、ローラR1内には、球体80が設けられており、又、ローラR1表面には、円状開口81a、及び、ローラR1端から所定の長さでローラR1端部を分割するように、かつ、ローラR1の両端部にローラR1の周方向及び/又は軸線方向にわたってスリット状の開口81(以下、「スリット82」と呼ぶこともある。)が複数設けられ、かつ、球体80は、その一部が開口81及びローラR1表面から突出するようになっている。尚、球体80は例えば金属製のものを用いることができるが、後述するように、中間転写ベルト21と球体80は接するから耐摩耗性等を考慮して、適宜他の素材を用いることも可能である。
【0060】
次に、図3に基づき、ローラR1の詳細な構成及び内部構造について説明する。
【0061】
図3の断面図に示すように、ローラR1は、主として、外周面を構成する円筒状部材83と、ローラR1の両端部に設けられたスリット82とスリット82の間において、球体80を保持する保持体84と、円筒状部材83の両端部に嵌め合わされるキャップ部材85及びローラ軸88とから構成されている。
【0062】
前記円筒状部材83は、中心から軸線方向の端部にむけて径が次第に増加するように形成されていて、ローラR1、R2の外周面を構成する。又、円筒状部材83には、複数の開口81が設けられていて、円筒状部材83の両端部では開口81が軸線方向に沿ったスリット82となっている。一方で、軸線方向に見てスリット82とスリット82の間の開口81は、円状(円状開口81a)となっている。尚、ローラR1の両端部の開口81をスリット82ではなく円状とすることも可能である。
【0063】
前記保持体84は、円筒状部材83の内部に内包される形で設けられ、円筒状部材83内を埋めるように複数に分割して設けられ、又、球体80を保持する。球体80を保持するために、本実施形態における保持体84は、凹部84aが複数設けられている。この凹部84aに球体80を入れ込む。
【0064】
前記キャップ部材85は、円筒状部材83の両端部に嵌め合わされるものであり、本実施形態におけるローラR1では、2つ用いている。前記キャップ部材85は、嵌め込んだ際に保持体84と接する部分を先端側とすると、キャップ部材85の先端側の径は円筒状部材83の内径とほぼ同一になっている。そして、キャップ部材85も円筒状部材83と同様に後端方向に向けて径が次第に増加するように形成されている。尚、キャップ部材85には、例えば樹脂製のものを用いることができる。
【0065】
又、キャップ部材85は、保持体84と同様に球体80を保持できるように凹部84aが設けられ、この凹部84aに球体80を入れ込む。本実施形態では、特に、ローラR1において設けられたスリット82部分において、ローラR1表面及びスリット82から球体80の一部が突出するように、キャップ部材85は球体80を保持する。
【0066】
そして、図3に示すように、保持体84は、ローラR1の軸線方向の両端にそれぞれ突起86が設けられている。一方で、キャップ部材85には穴部87が設けられている。この穴部87は、半径方向に細長い形状となっている。ローラR1を組み立てる際には、保持体84の突起86とキャップ部材85の穴部87を嵌合させ、更に、キャップ部材85を円筒状部材83の両端部に嵌め合わせれば、保持体84は周方向に移動を規制される。
【0067】
又、保持体84とキャップ部材85は球体80を保持しているが、球体80は回転可能に保持されている。更に、図3に示すように、保持体84及びキャップ部材85が球体80を保持する位置は、円筒状部材83に設けられた開口81(円状開口81a及びスリット82)と対応している。一方で円状の開口81の径及びスリット82の幅の長さは、ローラR1内部で保持される球体80の径よりも短くなっている。このように構成することで、ローラR1の表面から球体80が脱落せず、かつ、ローラR1表面及び開口81から球体80の一部が突出する。
【0068】
尚、図3に示すように、ローラR1のローラ軸88は、ローラR1を貫通するように挿入されているが、ローラR1への軸の挿入の詳細は後述する。
【0069】
ここで、円筒状部材83の材料としては、例えば、SUSやバネ鋼のような金属のバネ材を用いることができる。これは、円筒状部材83の両端部にスリット82を設けるともに、バネ材で円筒状部材83を形成すれば、その弾力性により円筒状部材83の両端部における径を調整することができるためである。即ち、円筒状部材83の両端部における径をキャップ部材85で調整できる。従って、ローラR1に張架されるベルトの伸縮性を考慮してローラR1を製造することが容易になる。又、一定の弾力性を有すれば、円筒状部材83とキャップ部材85を嵌め合わせたときに、その嵌合部85aを押し広げようとする力が働き、円筒状部材83とキャップ部材85の嵌合がより強固なものとなる。従って、円筒状部材83からキャップ部材85がはずれにくくなる。尚、一定の強度と弾力性を有するものであれば、材料は、特に限定されるものではない。
【0070】
次に図4に基づき、ローラR1の構造について更に説明する。図4のうち(a)は、図2に示すA−A´における断面であり、具体的には、ローラR1の周方向における円筒状部材83とキャップ部材85の断面図である。(b)は、図2に示すB−B´における断面であり、具体的には、ローラR1の周方向における円筒状部材83と保持体84の断面図である。
【0071】
図4(a)に示すように、キャップ部材85は、ローラ軸88を挿通できるようにするために、中心に貫通孔85bが設けられている。そして、本実施形態では、周方向において、キャップ部材85は、12個の凹部84aを有している。この凹部84aに球体80を入れ込むことで、ローラR1の周方向にわたって球体80を保持できるようになっている。尚、周方向における凹部84aの数は12個に限られるものではなく、適宜設定可能である。
【0072】
図4(b)に示すように保持体84は、円筒状部材83内に4つ内包されている。即ち、保持体84は円周方向に4分割されている。又、保持体84は、円筒状部材83の両端部に設けられたスリット82とスリット82を結ぶ程度の長さでローラR1の軸線方向に伸びた形状となっている。そして、本実施形態では、キャップ部材85と同様に、保持体84には複数の凹部84aが設けられていて、周方向では各保持体84につき3個、合計で周方向に12個の凹部84aが並べて設けられている(軸線方向については適宜設定可能)。この凹部84aに球体80を入れ込みローラR1の周方向にわたって球体80を保持できるようになっている。尚、周方向における凹部84aの数は12個に限られるものではなく、適宜設定可能である。
【0073】
本実施形態において、4つの保持体84を円筒状部材83に内包した場合、円筒状部材83の周方向の中心に位置する部分ではローラ軸88を通せるように、ローラR1の軸線方向に伸びている挿通部89が形成される。この挿通部89において、各保持体84は、ローラ軸88と接する。言い換えると、各保持体84は、組み合わされた場合、ローラ軸88の挿通部89を形成するような形状とされている。
【0074】
ここで、本実施形態におけるローラR1の組立について説明しておく。まず、円筒状部材83の内部に球体80を保持した状態の保持体84を4つ収める。そして次に、円筒状部材83の両端にそれぞれ、球体80を保持した状態のキャップ部材85を嵌め込む。この際、例えば、治具などを用いて円周上に球体80を保持しつつ、組み立ててもよい。
【0075】
次に、ローラ軸88を挿通させるが、図3に示したように、キャップ部材85には穴部87が、保持体84には穴部87と嵌め合わされる突起86が設けられている。ローラ軸88を挿通させていない状態では、キャップ部材85により保持体84は、周方向の移動は規制されているが、保持体84は、半径方向には移動できる状態となっている。これは、キャップ部材85に設けられた半径方向に伸びて形成されている、穴部87の存在のためである。これにより球体80がローラR1に干渉することなくローラ軸88を挿入できる。
【0076】
そして、ローラ軸88をキャップ部材85から保持体84、そしてキャップ部材85へと挿通させていく。ローラ軸88が挿通されると、保持体84が半径方向に押され円筒状部材83と接し、保持体84に保持されている球体80の一部が対応する開口81(円状開口81a及びスリット82)、即ち円筒状部材83の表面から突出した状態となる。
【0077】
ここで、本実施形態における中間転写ベルト21を張架するために、テンションローラ23に本実施形態に係るローラR1を用いた場合について説明する。
【0078】
尚、駆動ローラ22にも、本実施形態に係るローラR1を用いることも考えられる。しかし、駆動ローラ22は、駆動力がモータから伝達されるローラR1であり、従動するテンションローラ23、1次転写ローラ24、25よりも回転駆動力が強くなっている。そのため、駆動ローラ22に本実施形態を用いると、中間転写ベルト21が回転方向に滑ってしまう場合もある。従って、駆動ローラ22には、本実施形態に係るローラR1を使用しないこととする。又、1次転写ローラ24、25も性能上表面層の材料特性が重要なこともあり、1次転写ローラ24、25には使用しないこととする。
【0079】
駆動ローラ22に回転する駆動力が伝達されると、駆動ローラ22、テンションローラ23及び1次転写ローラ24、25に張架された中間転写ベルト21も回転する。この際、駆動ローラ22、テンションローラ23及び1次転写ローラ24のそれぞれが平行でないと、張架された中間転写ベルト21が各ローラR1の軸線方向に(図1における紙面垂直方向)移動しようとする場合もある。
【0080】
又、中間転写ベルト21を各ローラ2の軸線方向に移動させようとする力の要因は、それだけではない。即ち、中間転写ベルト21と接する感光体ドラム11、2次転写ローラ51及びベルトクリーニング装置26との平行度も問題となる。なぜなら、中間転写ベルト21は、これらの部材と接するから、何らかの力を受けるためである。又、中間転写ベルト21自体の形状等にも左右されうる。
【0081】
中間転写ベルト21を張架する各ローラや感光体ドラム11等の中間転写ベルト21と接する回転体における軸線方向が完全に平行であることが理想である。しかし、現実的には難しい。そのような、部品の精度管理、組立の精度管理を行うと、各回転体ひいては画像形成装置1aの製造に要するコストがあまりに高いものとなってしまうからである。
【0082】
ここで、中間転写ベルト21が張架する各ローラ2の軸線方向に移動すると、中間転写ベルト21の蛇行や斜行、ベルトの偏り、ベルト表面における皺、浪打ち等の原因となる。そうすると、中間転写ベルト21への感光体ドラム11からの転写及び中間転写ベルト21から用紙Pへの転写における色ズレか転写ズレの原因となってしまう。従って、形成される画像の品質が低下してしまう場合もある。又、そして、中間転写ベルト21の斜行や蛇行、偏り等が自動的に戻ることが望ましい。
【0083】
本実施形態における中間転写ベルト21を張架するローラR1は、中心から軸線方向の端部にむけて径が次第に増加するように形成されるから、中間転写ベルト21が軸線方向に移動しようとしても、直ぐに移動しようとする反対の方向に力が働き、中間転写ベルト21が正規位置から移動し難いものとなっている。更に、回転可能に保持された球体80がローラR1表面から突出しているので、中間転写ベルト21が移動した場合でも元の正規状態に戻りやすくなっている。従って、中間転写ベルト21の斜行、蛇行、偏り、ベルト表面に皺や浪打ちがなくなる。しかも高精度に部品・組立の品質管理を行う必要がなく、又、センサ等により中間転写ベルト21の移動状態を検知する必要もないから、安価にベルトの移動のない長寿命のベルト張架装置を構成できる。
【0084】
次に本発明における第2の実施形態について、図5、6に基づいて説明する。図5は、本発明の第2の実施形態に係るローラR2の側面図である。図6は、(a)は、図5に示す第2の実施形態に係るローラR2のC−C´方向の断面図である。(b)は、図5に示すD−D´方向の断面図である。
【0085】
第2の実施形態は、ローラR2に用いる球体80を、コロ90としている点で第1の実施形態と最も大きな差異を有している。従って、その他の基本的な構成は、図1〜4を用いて説明した上記の第1の実施形態と同様であるから、上記と共通する構成については、図面の記載及び説明を省略する。即ち、球体80をコロ90と変更することによる差異以外の点については、図1〜4を用いて説明した第1の実施形態と同様にすればよい。
【0086】
図5に示すように、球体80に変えて、コロ90がローラR2内で保持されるから、円状に設けられていた開口81をローラR2側面から見て矩形状にすることができる(尚、ローラR2の両端部にはスリット82を設けている)。そして、コロ90はローラR2の軸線方向に回転するように保持体84及びキャップ部材85に保持される。
【0087】
図6(a)及び(b)に示すように、各コロ90は、突部91が側面部分に設けられる(図6では、図面の煩雑化防止のため一部のコロ90のみに符号を付す。)。突部91は円筒状部材83からコロ90が落ちないようにするためのものである。このようにして、ローラR2表面からコロ90の一部が突出するように本実施形態におけるローラR2は形成されている。
【0088】
尚、上記第1の実施形態におけるローラR1は、中間転写ベルト21を張架するローラのうち、駆動ローラ22、中間転写ローラ24、25には、使用しない旨記載した。しかし、本実施形態におけるローラR2においては、コロ90の回転方向は、ローラR1、R2の軸線方向のみとなっているから、ベルトが回転方向には滑り難くなっており、本実施形態におけるローラR2は駆動ローラ22にも、用いることが可能な場合もある。
【0089】
このように、第2の実施形態に係るローラR2は簡易な構成であって、張架された中間転写ベルト21が正規位置から、軸線方向に移動し難いものでありつつ、又、ベルトが移動したとしても、正規位置に移動しやすいものとなっているから、第1の実施形態と同様の効果を有する。
【0090】
次に本発明における第3の実施形態について、図7に基づいて説明する。図7は、本発明にかかるローラR1又はR2を備えた第3の実施形態に係る画像形成装置1bの構造を示す模型的断面図である。
【0091】
第1及び2の実施形態における画像形成装置1aでは、トナー像を中間転写ベルト21に形成した上で、用紙Pにトナー像を転写していた。しかし、第3の実施形態における画像形成装置1bは、タンデムに各色のトナー像を形成するための画像形成部100を配置し、各感光体ドラム11に形成されたトナー像を用紙Pに直接転写する。そして、画像形成部100内での用紙搬送部400にベルト(用紙搬送ベルト401)を用いる点で、第1及び第2の実施形態における画像形成装置1aと異なる。
【0092】
尚、第1及び第2実施形態に係る画像形成装置1aは、画像形成装置1a自体の大きさを小さく、即ち、コンパクトとし易い等の点で利点がある。一方、第3の実施形態に係る画像形成装置1bは、画像形成の速度を速くできる等の点で利点がある。
【0093】
更に、第1及び第2実施形態における画像形成装置1aは、トナー像の用紙Pへの定着に加圧ローラ62と加熱ローラ61からなる定着装置60を備えているが、第3の実施形態にかかる画像形成装置1bは、加熱ローラ601、加圧ローラ602、定着ベルト603、定着ローラ604からなる定着装置600を備えている点で異なる。
【0094】
尚、第1及び第2実施形態に係る画像形成装置1aは、定着装置60自体の大きさを小さくでき、画像形成装置1aのコンパクト化の要請に応え易い等の点で利点がある。一方、第3の実施形態に係る画像形成装置1bは、定着装置600を利用できるまでのウォームアップの時間を短くできる等の点で利点がある。
【0095】
その他の基本的な構成は、図1〜6を用いて説明した上記の第1及び第2の実施形態と同様とできるから、上記と共通する構成については、図面の記載及び説明を省略する。即ち、画像形成装置1b内の他の構成については、第1及び第2の実施形態に係る画像形成装置1aと同様にすればよい。又、ベルトを張架する各ローラに第1及び第2の実施形態に係るローラR1、R2を用いればよい。
【0096】
図7に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1bは、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの各色のトナー像を形成する4つの画像形成部100B、100Y、100C、100Mを備えている点で異なっている。しかし、各画像形成部100は、それぞれ像担持体としての感光体ドラム110、帯電器120、現像装置140、ドラムクリーニング装置130等を備える点は第1及び第2の実施形態と同様である。又、感光体ドラム11に対しては、レーザユニット(不図示)からのレーザ光150L(二点鎖線で図示)が帯電後の感光体ドラム110に対し、走査・露光する点でも同様である。従って、各画像形成部100におけるトナー像の形成動作については、実施形態1及び2における画像形成装置1aと同様である。
【0097】
しかし、各感光体ドラム110に対向して、用紙搬送ベルト401を介し、転写ローラ240がそれぞれ設けられている点で、実施形態1及び2に係る画像形成装置1aと異なっている。これは、用紙Pに直接、感光体ドラム110からトナー像を転写できるようにするためである。
【0098】
ここで、用紙搬送ベルト401は、駆動ローラ220、従動ローラ230、231、転写ローラ240に張架されている。駆動ローラ220は、モータから駆動力が伝達されるローラである。従動ローラ230、231は、用紙搬送ベルト401に一定の張力を与える等の目的で設けられているローラである。各転写ローラ240は、上述の通り感光体ドラム110上に形成されたトナー像を用紙Pに転写するためのものであり、転写のため所定の電圧が印加される。又、駆動ローラ220が回転すると、併せて各ローラ及び用紙搬送ベルト401も回転する。
【0099】
そして、画像形成に用いられる用紙Pは、図7において、右方から、用紙搬送ベルト401上に載せられ左方に向けて搬送される。搬送される際には、各感光体ドラム110と各転写ローラ240のニップ(計4箇所)を通過し、それぞれのニップで各色のトナー像が順次転写される。即ち、マゼンダ、シアン、イエロー、ブラックの順で用紙Pにトナー像が転写される。従って、用紙搬送ベルト401及びこれを張架する各ローラは、用紙搬送部400を形成するとともに、転写部500を形成している。
【0100】
用紙搬送ベルト401を張架するために用いられている各ローラのうち、例えば、駆動ローラ220、従動ローラ230、231に実施形態1及び2に示すような本発明に係るローラR1、R2を用いることができる。尚、駆動ローラ220には、内部に球体80が保持されている実施形態1に係るローラR1は上述の理由から使用しないようにしてもよい。
【0101】
そして、トナー像を転写された用紙Pは、定着装置600に向けて搬送される。上述の通り、本実施形態における定着装置600は、加熱ローラ601、加圧ローラ602、定着ベルト603、定着ローラ604等からなる。加熱ローラ601には、発熱体(不図示)が内蔵されていて、又、加圧ローラ602にも補助的に発熱体(不図示)を内蔵することが可能である。本実施形態の定着装置600における各部材の位置関係は、例えば、上方から加熱ローラ601、定着ローラ604、加圧ローラ602の順に配し、定着ベルト603を加熱ローラ601と定着ローラ604に張架する。定着ベルト603に熱容量の小さなものを用いれば、トナーを溶融・定着可能な温度まで定着装置600を素早く暖めることができる。そうすると、画像形成装置1bは、起動時から短い時間で利用できる状態にできる。
【0102】
又、定着ローラ604と加圧ローラ602は、定着ベルト603を介し、圧接されている。用紙Pは、定着ベルト603と加圧ローラ603の間を通過して、トナー像が用紙Pに定着する。
【0103】
定着ベルト603を張架するために用いられているローラは、加熱ローラ601と定着ローラ604であるが、例えば、加熱ローラ601、定着ローラ604に、球体80又はコロ90の突出量を調整する等により定着及び熱の伝導が正確に行われるのであれば、本発明に係るローラR1、R2を用いてもよい。
【0104】
これらの用紙搬送ベルト401及び定着ベルト603を張架する部材に、実施形態1又は2に示したような本発明に係るローラR1、R2を用いれば、ベルトの斜行、蛇行、偏り、皺、浪打等のない画像形成装置1bを提供できる。従って、紙詰まりがなく、転写、定着ミスのない形成される画像の品質が高く、長寿命の画像形成装置1bを提供できる。
【0105】
このようにして、ベルトが張架され、ベルトにより駆動力が伝達され従動するローラに用いられるローラR1において、ローラR1は、中心から軸線方向の端部にむけて径が次第に増加するように形成されるとともに、ローラR1内には複数の球体80が、ローラR1表面には複数の開口81が、ローラR1の周方向及び/又は軸線方向にわたって設けられ、球体80は、回転可能に保持され、張架されるベルトと球体80が接するようにローラR1表面及び開口81から一部が突出して設けられるようにすれば、ローラR1の中心からローラR1の軸線方向の端部に向けて次第にローラR1の径が大きくなっているから、ローラR1に張架されたベルトが正規位置からローラR1の軸線方向と平行な方向に正規位置から移動し難くなっている。従って、ベルトの蛇行等が生じ難いローラR1を提供できる。又、ベルトが移動してもローラR1の端部ではローラR1の外径が大きくなっているので、移動方向と反対方向にむけての力がベルトに加わる。即ち、ベルトに対し正規位置に戻ろうとする力が働く。しかも、ローラR1の表面から、回転可能に保持された球体80の一部が突出して、球体80の一部とベルトが接するから、ベルトは正規位置に戻りやすい。更に、ローラR1の端部ではローラR1の外径が大きくなっているから、ベルトが戻りすぎてしまうこともない。従って、張架されたベルトが正規位置を維持するローラR1を簡易な構成で安価に提供できる。
【0106】
又、ベルトが張架されるローラR2において、ローラR2は、中心から軸線方向の端部にむけて径が次第に増加するように形成されるとともに、ローラR2内には複数のコロ90が、ローラR2表面には複数の開口81が、ローラR2の周方向及び/又は軸線方向にわたって設けられ、コロ90は、その回転方向が軸線方向と平行になるよう回転可能に保持され、張架されるベルトとコロ90が接するようにローラR2表面及び開口81から一部が突出するように設けられるようにすれば、球体80を設けた場合と同様に、ローラR2に張架されたベルトが、ローラR2の軸線方向と平行な方向に正規位置から移動し難くなっている。従ってベルトの蛇行や偏りが生じ難く、張架されたベルトが正規位置を維持するローラR2を簡易な構成で安価に提供できる。
【0107】
又、ローラR1、R2は、中心から軸線方向の端部にむけて径が次第に増加するように形成されたローラR1、R2の外周面を構成する円筒状部材83を備え、円筒状部材83の内部に、ローラR1、R2の軸線方向に沿って球体80又はコロ90を保持するための複数の保持体84が内包されており、円筒状部材83の両端部に嵌め合わされるとともに、保持体84と係止されるキャップ部材85を備え、更にキャップ部材85は、球体80又はコロ90を保持するようにすれば、上記の効果に加え、従来のように、ベルトにリブを、ローラにリブを嵌め合わせるための溝を設けたり、ローラを高精度に製造し、組み立てたり、ローラ等の平行度を管理するためにセンサやモータなどを設けたりして複雑化することなく、簡易な構成で安価にベルトが正規位置を維持するローラを提供できる。更に、円筒状部材83は、中心から軸線方向の端部にむけて径が次第に増加するように形成されるにもかかわらず、保持体84又はキャップ部材85により、球体80又はコロ90を確実に保持できるとともに、保持体84及びキャップ部材85とが係止され、球体80又はコロ90の保持する位置を確実なものとできる。特に、キャップ部材85は、ローラR1、R2中心から軸線方向の端部にむけて径が次第に増加するように形成されているから、ローラR1、R2の軸線方向両端部では、曲線を形成しているにもかかわらず、球体80又はコロ90を確実に保持するローラR1、R2を容易に製造できる。
【0108】
又、保持体84の突起86とキャップ部材85の穴部87が嵌め合わされるから、突起86と穴部87を嵌め合わせるだけで確実に保持体84とキャップ部材85とを係合することができ、円筒状部材83内で、保持体84が円周方向に回転することを防ぐことができる。従って、球体80又はコロ90の支持を確実に行うローラR1、R2を容易に製造できる。
【0109】
又、円筒状部材83は、バネ材からなり、円筒状部材83の両端部における開口81は、軸線方向に複数のスリット状の開口81となっていて、スリット82に沿って円筒状部材83の両端部を広げることで中心から軸線方向の端部にむけて径が次第に増加するように形成されるようにすれば、円筒状部材83の両端部は、弾力性を有するから、キャップ部材85の径を調整するだけで円筒状部材83の両端部の径を変えることができる。例えば、ゴム製のような伸縮可能なベルトを用いる場合、円筒状部材83の両端部の径を大きくし、一方で、伸縮性の少ない又はないようなベルトを用いる場合、円筒状部材83の両端部の径を小さくすることができる。従って、ベルトの材質の差異に対応しつつ、ベルトが正規位置を維持するローラR1、R2を提供できる。しかも、製造も容易で安価なローラR1、R2であり、従来のような複雑な構成や高精度な管理を行う必要がない。
【0110】
又、静電潜像が形成される感光体ドラム11、110と、感光体ドラム11、110に現像剤を供給しトナー像を現像するロータリ式現像装置14又は現像装置140と、現像されたトナー像を中間転写部20に転写後、用紙Pに転写するか、若しくは、像担持体から直接、用紙Pに転写する転写部500と、用紙Pを搬送する用紙搬送部40、400と、転写材に転写されたトナー像を加熱、加圧して転写材に定着させるための定着装置60、600とを備えた画像形成装置1a又は1bにおいて、中間転写部20、用紙搬送部40、400、又は定着装置60、600のうち、少なくとも1つにはベルトが用いられており、ベルトを張架するために上記のローラR1、R2を備えるようにすれば、ベルトの蛇行等が押さえられベルトが傷付くことがないから、長寿命の画像形成装置1a又は1bを提供できる。又、用紙搬送ベルト401においては、用紙Pが斜めの状態で搬送されたり、又、紙詰まりを生じたりずることがなくなる。又、中間転写ベルト21においては、転写ズレがなく、特にカラーの画像形成装置1aでは色ズレも生ずることもない。又、定着装置60においては、紙詰まりを生ずることがない。従って、形成される画像の品質が高く、用紙搬送等の点で精度の高い画像形成装置1a、1bを提供できる。
【0111】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。上記実施形態では、本発明に係るローラR1、R2は、画像形成装置1a、1bに用いる場合について説明したが、本発明に係るローラR1、R2は、使用目的は画像形成装置1a、1bに限られず、運搬等に用いられるベルトを張架するローラR1、R2であれば、適用可能である。又、用紙搬送ベルト401上で転写が行われる場合について説明したが、用紙搬送ベルト401は、画像形成装置1a、1b内で単に用紙Pの搬送を行う目的で別途設けるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明は、ベルトを張架するローラ及び例えば、このローラを備えた画像形成装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す模型的断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るローラの側面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るローラを側面から見た場合の断面図である。
【図4】(a)は、図2に示すA−A´方向のローラの断面図である。(b)は、図2に示すB−B´方向のローラの断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るローラの側面図である。
【図6】(a)は、図5に示す第2の実施形態に係るローラのC−C´方向の断面図である。(b)は、図5に示すD−D´方向の断面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置の構造を示す模型的断面図である。
【符号の説明】
【0114】
R1、R2 ローラ
1a、1b 画像形成装置
11、110 感光体ドラム
14、140 現像装置(ロータリ式現像装置、現像装置)
20 中間転写部
40、400 用紙搬送部
500 転写部
60、600 定着装置
80 球体
81 開口
81a 開口(円状)
82 スリット
83 円筒状部材
84 保持体
85 キャップ部材
86 突起
87 穴部
90 コロ
P 用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルトが張架され、前記ベルトにより駆動力が伝達され従動するローラに用いられるローラにおいて、
前記ローラは、中心から軸線方向の端部にむけて径が次第に増加するように形成されるとともに、ローラ内には複数の球体が、ローラ表面には複数の開口が、前記ローラの周方向及び/又は軸線方向にわたって設けられており、
前記球体は、回転可能に保持され、張架されるベルトと球体が接するようにローラ表面及び前記開口から一部が突出するように設けられていることを特徴とするローラ。
【請求項2】
ベルトが張架されるローラにおいて、
前記ローラは、中心から軸線方向の端部にむけて径が次第に増加するように形成されるとともに、ローラ内には複数のコロが、ローラ表面には複数の開口が、前記ローラの周方向及び/又は軸線方向にわたって設けられており、
前記コロは、その回転方向が軸線方向と平行になるよう回転可能に保持され、張架されるベルトと前記コロが接するようにローラ表面及び前記開口から一部が突出するように設けられていることを特徴とするローラ。
【請求項3】
前記ローラは、中心から軸線方向の端部にむけて径が次第に増加するように形成された前記ローラの外周面を構成する円筒状部材を備えており、
前記円筒状部材の内部に、前記ローラの軸線方向に沿って前記球体又は前記コロを保持するための複数の保持体が内包されており、
前記円筒状部材の両端部に嵌め合わされるとともに、前記保持体と係止されるキャップ部材を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載のローラ。
【請求項4】
前記キャップ部材は、前記球体又は前記コロを保持することを特徴とする請求項3に記載のローラ。
【請求項5】
複数の前記保持体は、ローラの軸線方向の両端にそれぞれ突起が設けられており、
前記キャップ部材は、前記突起と嵌め合わせるための穴部が設けられていることを特徴とする請求項3又は4に記載のローラ。
【請求項6】
前記円筒状部材は、ばね材からなり、
前記円筒状部材の両端部における開口は、軸線方向に複数のスリット状の開口となっていて、前記スリットに沿って前記円筒状部材の両端部を広げることで中心から軸線方向の端部にむけて径が次第に増加するように形成されていることを特徴とする請求項3乃至5いずれか1項に記載のローラ。
【請求項7】
静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体に現像剤を供給しトナー像を現像する現像装置と、現像されたトナー像を中間転写部に転写後、用紙に転写するか、若しくは、像担持体から直接、用紙に転写する転写部と、用紙を搬送する用紙搬送部と、転写材に転写されたトナー像を加熱、加圧して転写材に定着させるための定着装置とを備えた画像形成装置において、
上記中間転写部、上記用紙搬送部、又は上記定着装置のうち、少なくとも1つにはベルトが用いられており、
前記ベルトを張架するために請求項1乃至6いずれか1項に記載のローラを備えていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−107428(P2008−107428A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−288240(P2006−288240)
【出願日】平成18年10月24日(2006.10.24)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】