説明

ローラ及び画像加熱装置

【課題】 良好な定着性を得ることが可能で、かつ、コストダウンを図れるローラ及び画像加熱装置を提供する。
【解決手段】 シート上に形成された画像をニップ部にて加熱する中空状のローラにおいて、Eをヤング率(Pa)、νをポアソン比、tをローラの肉厚(mm)、Lをローラの長手方向長さ(mm)、rをローラの平均半径(mm)とし、かつ、ローラのねじり座屈応力σ(Pa)を、σ=(k・π・E・(t/L))/(12・α))、k=(2.6・Z・(t/r)0.5)/(π・α0.25)、Z=(L・α0.5)/(r・t)、α=1−νとした場合、0<L≦450、0<r≦50、0<t≦1.0、0<E≦22×1010なる条件下において、2.2×10≦σ<2.2×10を満たすことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録材上の画像を加熱するローラ、並びにこのローラを用いた画像加熱装置、及び、コピー機、プリンタ、ファクシミリ送信装置等の定着装置を配設する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置の定着装置においては、加熱、加圧のために定着ローラと加圧ローラからなるローラ対でシート上の未定着トナーの定着を行う方式を採用していた。この従来の定着装置に用いられる定着ローラは肉厚の厚い中空形状が用いられており、定着ローラ内部に配置される熱源からの熱を蓄熱するような構成となっていた。
【0003】
しかし、肉厚の厚い定着ローラでは未定着トナーを定着可能となるような所定温度まで昇温するのに長時間がかかっていた。
【0004】
この所定温度に達するまでの時間を削減するために、熱量を多くしようと熱源に投入される電力を増大した例もあるが、ユーザが負担する電気代などがアップしてしまい、その技術は採用できなかった。
【0005】
また、肉厚の厚い定着ローラでは、重いローラ重量を支持するために、部品のコストアップや、定着ローラを保持するための保持部材の強度が必要になる等のコストアップが生じており、改善が求められていた。
【0006】
この他、特許文献1のように定着ローラ自体を薄いフィルム状のものを用いオンデマンド定着なるものが考案され、所定温度に達するまでの時間を削減したものもある。
【0007】
また、薄肉化を達成しつつ強度向上に貢献した技術として特許文献2や特許文献3のように定着ローラの内側に複数のリブを形成したものもある。
【特許文献1】特開2001−305893号公報
【特許文献2】特開2001−166623号公報
【特許文献3】特開平11−149226号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1においては、フィルム状部材が薄すぎるため、フィルム状部材に寄りが生じ易く、定着不良が生じるおそれがあった。
【0009】
また、加圧ローラからの加圧力を受け止める部材が必要であり、従来では樹脂部品により該加圧力を受けていたが、高速機においては樹脂部品では強度不足であり、加圧力を受け止めることが困難となって、定着不良を生じさせてしまうため、高速機には不向きであった。
【0010】
また、特許文献1のフィルムの回転は圧接する加圧ローラ側からの駆動を受けて従動回転するものであるため、フィルムの回転を所定回転速度に合わせることは困難であり、回転速度が安定せず、定着不良を招くおそれがあった。
【0011】
一方、特許文献2や特許文献3のように定着ローラの内側にリブを形成したものは、その形状ゆえに加工コストが膨大なものとなり、今日の低価格化にそぐわないものとなって
いた。
【0012】
本発明は上記従来課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、良好な定着性を得ることが可能で、かつ、コストダウンを図れるローラ及び画像加熱装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明にあっては、以下の構成を有する。
【0014】
第1の本発明は、シート上に形成された画像をニップ部にて加熱する中空状のローラにおいて、
Eをヤング率(Pa)、νをポアソン比、tをローラの肉厚(mm)、Lをローラの長手方向長さ(mm)、rをローラの平均半径(mm)とし、かつ、ローラのねじり座屈応力σ(Pa)を、
σ=(k・π・E・(t/L))/(12・α))、
k=(2.6・Z・(t/r)0.5)/(π・α0.25)、
Z=(L・α0.5)/(r・t)、
α=1−ν
とした場合、
0<L≦450、0<r≦50、0<t≦1.0、0<E≦22×1010なる条件下において、
2.2×10≦σ<2.2×10
を満たすことを特徴とする。
【0015】
第2の本発明は、シート上に形成された画像をニップ部にて加熱する中空状のローラと、前記ローラに圧接して前記ニップ部を形成する圧接部材と、を有する画像加熱装置において、
Eをヤング率(Pa)、νをポアソン比、tをローラの肉厚(mm)、Lをローラの長手方向長さ(mm)、rをローラの平均半径(mm)とし、かつ、ローラのねじり座屈応力σ(Pa)を、
σ=(k・π・E・(t/L))/(12・α))、
k=(2.6・Z・(t/r)0.5)/(π・α0.25)、
Z=(L・α0.5)/(r・t)、
α=1−ν
とした場合、
0<L≦450、0<r≦50、0<t≦1.0、0<E≦22×1010なる条件下において、
2.2×10≦σ<2.2×10
を満たすことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ニップ部にてローラに加圧力をかけた際、ローラが大きく潰れることによりニップ部の幅が増大するので、簡単な構成で良好な定着性を得ることが可能となる。また、強度付与のための他の部材を必要とせず、部品点数を削減し、コストダウンが図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に図面を参照して、この発明の最良な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のもので
はない。
【0018】
(第1の実施形態)
(画像形成装置)
まず、図1を参照して本実施形態に係る画像形成装置について説明する。図1は本実施形態に係る画像形成装置の模式的断面図である。
【0019】
図1において、100は原稿101を載せる原稿台ガラスであり、102は原稿101の画像情報を読み取るリーダーユニットである。
【0020】
また、103は、像担持体としての感光ドラム104表面上の所定位置に、原稿101の画像情報、あるいはその他の画像情報を有する光を照射する光学ユニットである。この光学ユニット103は、リーダーユニット102によって得られた画像情報、あるいはその他の画像情報を、不図示の画像処理装置を介して処理、制御された電気信号により明滅するレーザー光源を備えており、また、このレーザー光源から感光ドラム104までレーザー光を導く光路上には、複数の光学部品、すなわち、レーザー光を反射するための複数のミラーや、光学的に拡大や補正を行うための複数の光学部材(各種レンズ等)などが備えられている。
【0021】
また、感光ドラム104の周辺には、感光ドラム104上の静電潜像を可視化するためにトナーを感光ドラム104に供給するための現像器105や、トナー像をシートPに転写してシートPが感光ドラム104に静電吸着しているのを剥がすための分離部を有する転写・分離帯装置106、感光ドラム104上におけるシートPに転写されずに残ったトナーを除去するためのクリーニング装置107、感光ドラム104上の残留潜像を消すための前露光装置108が配置されている。これら感光ドラム104と感光ドラム104の周辺装置とがシート上にトナー像を形成する画像形成部を構成する。
【0022】
また、感光ドラム104から、トナー像を転写したシートPを定着装置110に搬送するための搬送装置109が配置されている。
【0023】
また、定着装置110から出てきたシートPを、機外の排紙トレー112に排紙ローラ113で排紙するか、両面・多重のコピーを取るときに感光ドラム104に再度、シートPを再給紙する再給紙装置114に搬送するかを制御するための、排紙反転装置111も設けられている。
【0024】
更に、シートPを複数積載してストックしておくための給紙カセット115も設けられている。
【0025】
次に、上記構成における画像形成装置の動作について順をおって説明する。まず、不示図のコピースタートボタンをユーザが押すと、給紙カセット115から給紙装置116より、給紙カセット115に積載されているシートPが一枚ずつ縦パス搬送部117に搬送され、レジストローラ118まで送られる。
【0026】
次に、リーダーユニット102によって、原稿101の画像情報を電気信号に変換すべくスキャンを開始し、不図示の画像処理装置を介して光学ユニット103により感光ドラム104の表面に原稿画像の情報を有する光が照射され、その画像が記録される。なお、外部装置から入力された画像情報に基づいてこの動作を行うことも可能である。
【0027】
また、この動作と同期するように、レジストローラ118がシートPの搬送を開始する。
【0028】
この時、感光ドラム104上に記録された原稿101の画像情報である静電潜像は、現像器105によりトナー像とされ、このトナー像を転写・分離装置106によりシートPに転写して、シートPは搬送装置109によって搬送され、定着装置110によりトナー像をシートPに定着したあと、シートPは片面のコピーなら排紙反転装置111により排紙ローラ113へと搬送され、排紙トレー112へと機外に排出される。また、両面または多重コピーの場合には、定着装置110によってトナー像が定着されたシートPは、排紙反転装置111により再給紙装置114により、再度、感光ドラム104に搬送され、再びトナー像が転写され、順次、搬送装置109,定着装置110,排紙反転装置111,排紙ローラ113を経て、排紙トレー112上に機外排出される。
【0029】
(定着装置)
図2〜図5を用いて本実施形態における定着装置110の構成を説明する。図2は本実施形態に係る定着装置の長手方向断面図である。図3は本実施形態に係る定着ローラの長手方向端部の外観図である。図4は定着ローラの断面モデル図である。図5は本実施形態に係る定着装置の駆動伝達部の断面図である。
【0030】
定着装置110は、搬送されてきたシート上の未定着トナー像を熱と圧で定着させる定着ローラ対(ローラ対)として、定着ローラ1と加圧ローラ5とを備える。
【0031】
定着ローラ1は、中空の芯金で構成され、加熱用部材としてのヒータ(不図示)等を内包する。定着ローラ1は熱容量の小さな芯金であり、クイックスタートを可能にするために厚1mm以下の肉厚で耐熱性、高熱伝導性を有する部材を基層としたスリーブである。また、長寿命の定着装置110を構成するために充分な強度を持ち、耐久性に優れたスリーブとして、厚さ0.2mm以上の肉厚が必要である。よって定着ローラ1の芯金の肉厚としては0.2mm以上1mm以下が良く、最適なのは0.5〜0.8mmである。本実施形態では0.5mmとしている。
【0032】
また、定着ローラについて、E:ヤング率(16.5・1010Pa)、ν:ポアソン比(0.8)、t=定着ローラ肉厚(=0.5mm)、L=定着ローラ長手方向長さ(=400mm)、r=定着ローラ平均半径=定着ローラ内外径の平均半径(=18.9mm)なる材料を選択した。この選択材料の定着ローラの円筒ねじり座屈応力(Pa)は、σ=(k・π・E・(t/L))/(12・α))≒0.0297・1010Paになる。このようにヤング率が低いにもかかわらず、応力が高めの材料を用いる。
【0033】
加圧ローラ5は、耐熱性弾性加圧ローラである。加圧ローラ5は、中心軸の外側に、シリコンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムあるいはシリコンゴムを発泡して形成された弾性層を有し、この上にはPFA、PTFE、FEP等の離型性層を形成してあってもよい。
【0034】
ここで、図2に示すように、定着ローラ1は長手方向端部において、回転可能にベアリング2によって支持されている。ベアリング2は側板4によって保持されている。また、ベアリング2と定着ローラ1との間には、定着ローラ1からベアリング2への熱伝達を防止するために樹脂製の断熱ブッシュ3が配置されている。
【0035】
加圧ローラ5も長手方向端部において、回転可能にベアリング6によって支持されている。ベアリング6は側板7によって保持されている。
【0036】
そして、加圧ローラ5のベアリング6に支持された位置よりも長手方向端には駆動伝達手段としてギア8が配置されている。ギア8は加圧ローラ5の中心軸に回転可能に保持さ
れている。このギア8は加圧ローラ5そのものには駆動を伝達していない。
【0037】
また、図2、図3に示すように、定着ローラ1の長手方向端部のギア8が外接する位置には、切り欠き部1aが設けられている。すなわち、長手方向で見た場合において、ギア8の対応する位置に切り欠き部1aが配置されている。このため、ギア8の山が切り欠き部1aに入り込み、動力を伝達するようにギア8と切り欠き部1aは噛み合う。また、ギア8は定着ローラ1とは反対側から伝達ギア9によって駆動を伝達される。したがって、ギア8によって、外部からの駆動が定着ローラ1に直接伝達され、定着ローラ1が駆動回転する。このように、定着ローラ1が直接駆動回転するため、回転速度を所定回転速度に合わせることが容易に行え、回転速度が安定し、定着を良好に行わせることができる。
【0038】
また、図2の矢印に示す方向に、定着ローラ1には、加圧ローラ5から総荷重1960Nなる荷重がかかっている。このように、大きな荷重が定着ローラ1にかかることによって、定着ローラ1は図4に示すように潰れた形状となる。図4のモデル図を参照してその効果を説明する。
【0039】
加圧ローラ5の加圧力よって潰れた定着ローラ1の断面形状は、概略楕円形を形作り、その長径はおよそ45mm、短径は30mmとなる。このため、定着ローラ1と加圧ローラ5とで形成されるニップは非常に大きなものとなりかつ、加圧力も従来機種並みの1960Nを負荷することで、非常に良好な定着性を得ることが可能となる。
【0040】
本実施形態における定着ローラ1が潰れることにより大きくなったニップの幅は約8.5mmを確保可能である。すなわち、従来、ニップの幅を広げると加圧ローラ側への進入量が増大し、加圧ローラの寿命劣化の原因となっていた。このため加圧ローラの寿命を維持した場合の定着ローラの外径は符号10となり(φ37mm)最大限のニップ幅は7.5mmであった。仮に進入量をそのままとし、ニップの幅を8.5mmにしようとした場合、定着ローラの外径は符号11で示すφ67.2mmにも達し、現実的には不可能であった。しかしながら、本実施形態の上記の物性値を有する定着ローラ1を使い、ニップ幅8.5mmを達成することができる。
【0041】
ニップ幅8.5mmを達成するためには、定着ローラ1を大きく潰すことが可能な材料が必要不可欠である。近年、この物性値を持った材料が複数社で開発され、組成内のMn、Ni、Cr、Moなどの配合や熱処理などを始めとする結晶構造を変化させることにより、上記低ヤング率かつ高応力材が入手可能となった。
【0042】
一方、このように、大きく潰れる材質を定着ローラ1に用いたため、従来のような駆動伝達手段では定着ローラ1は回転しないという問題があった。そこで、本実施形態においては、ギア8と噛み合う切り欠き部1aを定着ローラ1表面に形成し、加圧ローラ5側のギア8から定着ローラ1の切り欠き部1aに駆動を伝達し、動力が入力される(図5参照)。図5に示すように、切り欠き部1aとギア8が噛み合う位置は、ちょうどニップの位置である。このニップの位置で駆動が入力されることにより、定着ローラ1側の形状は常に安定した形状になるためスムースな駆動が可能となる。
【0043】
以上のように本実施形態では、潰した定着ローラ1を採用することにより、ローラ対へのシートの侵入が非常にスムースなものとなり、従来シートが定着ローラへ接触した際に見られた画像への乱れが大幅に減少し、良好な定着性を得ることができる。
【0044】
また、潰れる定着ローラ1は薄すぎず、寄りが生じないので、良好な定着性を得ることができる。
【0045】
さらに、加圧ローラ5からの加圧力を潰れた定着ローラ1で受け止めているので、高速機を含めて、その他に加圧力を受け止める部材は必要なく、部品点数を削減でき、コストダウンを図ることができると共に、加圧力を良好に受け止めることができ、良好な定着性を得ることができる。
【0046】
さらにまた、潰れた定着ローラ1は、ギア8から駆動を直接受けて駆動回転するので、回転を所定回転速度に合わせることができ、回転速度が安定し、良好な定着性を得ることができる。
【0047】
また、潰れた定着ローラ1は強度も十分備えていることから定着ローラ1の内側に高価なリブを形成する必要がなく、部品点数を削減でき、コストダウンを図ることができる。
【0048】
さらに、本実施形態の潰れた定着ローラ1の曲率はニップ通過後に局所的に大きくなるため、シートの定着ローラ1からの引き剥がしが自然に行われ、従来必須であった定着分離爪の廃止が可能となった。これによっても、部品点数が削減でき、コストダウンを図ることができる。
【0049】
(第2の実施形態)
図6を参照して第2の実施形態を説明する。図6は本実施形態に係る定着装置の長手方向断面図である。
【0050】
本実施形態では、加圧ローラ5からの加圧力をもっと増やし積極的に定着ローラ1を潰して使用したい場合に有効な構成であり、定着ローラ1の加圧ローラ5が配置された位置とは反対側に加圧補強部材16を追加するものである。加圧補強部材16は加圧ローラ5とともに定着ローラ1を挟持する形になり、定着ローラ1は加圧ローラ5のみで加圧された場合よりもさらに潰される。
【0051】
なお、加圧補強部材16は定着ローラ1表面に付着したトナーをふき取るクリーニングローラと兼用することも可能である。また、定着ローラ1表面にシリコンオイルなどを塗布するオイル塗布ローラと兼用することも可能である。
【0052】
本実施形態では、定着ローラ1の長手方向端部の周面上に凸状のギア部1bを全周にわたって設け、同時に加圧補強部材16の長手方向端部においてはギア部1bと一致する位置にギア14を設ける。そして、加圧補強部材16のギア14には外部駆動装置からの駆動を伝達ギア15により入力する。これによって、駆動伝達された加圧補強部材16はギア14を介して定着ローラ1に駆動を伝達し、定着ローラ1を駆動回転させる。
【0053】
なお、定着ローラ1長手方向端部のギア部1bは第1の実施形態のように切り欠き部1aとし、その切り欠き部1aとギア14とが噛み合うことで駆動が伝達されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】第1の実施形態に係る画像形成装置の断面図である。
【図2】第1の実施形態に係る定着装置の長手方向断面図である。
【図3】第1の実施形態に係る定着ローラの長手方向端部外観図である。
【図4】定着ローラの断面モデル図である。
【図5】第1の実施形態に係る定着装置の駆動伝達部の断面図である。
【図6】第2の実施形態に係る定着装置の長手方向断面図である。
【符号の説明】
【0055】
1 定着ローラ
1a 切り欠き部
1b ギア部
2 ベアリング
3 断熱ブッシュ
4 側板
5 加圧ローラ
6 ベアリング
7 側板
8 ギア
9 伝達ギア
14 ギア
15 伝達ギア
16 加圧補強部材
110 定着装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート上に形成された画像をニップ部にて加熱する中空状のローラにおいて、
Eをヤング率(Pa)、νをポアソン比、tをローラの肉厚(mm)、Lをローラの長手方向長さ(mm)、rをローラの平均半径(mm)とし、かつ、ローラのねじり座屈応力σ(Pa)を、
σ=(k・π・E・(t/L))/(12・α))、
k=(2.6・Z・(t/r)0.5)/(π・α0.25)、
Z=(L・α0.5)/(r・t)、
α=1−ν
とした場合、
0<L≦450、0<r≦50、0<t≦1.0、0<E≦22×1010なる条件下において、
2.2×10≦σ<2.2×10
を満たすことを特徴とするローラ。
【請求項2】
シート上に形成された画像をニップ部にて加熱する中空状のローラと、前記ローラに圧接して前記ニップ部を形成する圧接部材と、を有する画像加熱装置において、
Eをヤング率(Pa)、νをポアソン比、tをローラの肉厚(mm)、Lをローラの長手方向長さ(mm)、rをローラの平均半径(mm)とし、かつ、ローラのねじり座屈応力σ(Pa)を、
σ=(k・π・E・(t/L))/(12・α))、
k=(2.6・Z・(t/r)0.5)/(π・α0.25)、
Z=(L・α0.5)/(r・t)、
α=1−ν
とした場合、
0<L≦450、0<r≦50、0<t≦1.0、0<E≦22×1010なる条件下において、
2.2×10≦σ<2.2×10
を満たすことを特徴とする画像加熱装置。
【請求項3】
前記ローラは前記圧接部材により略楕円状に変形するよう構成されており、その際の前記ローラの長径をD1、短径をD2とすると、
D1/D2≧1.05
を満たすことを特徴とする請求項2に記載の画像加熱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−23429(P2006−23429A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−200177(P2004−200177)
【出願日】平成16年7月7日(2004.7.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】