説明

ローラ支持構造

【課題】ローラの着脱を繰り返してもローラが偏心して回転駆動することのないローラ支持構造を提供する。
【解決手段】駆動源からの駆動力を受けて回転駆動される駆動側支持部材と、前期駆動側支持部材と対抗配置されるとともに回転自在かつ軸方向に沿って移動自在とされた従動側支持部材との間でローラを回転駆動可能に支持するローラ支持構造において、駆動側支持部材2および従動側支持部材のそれぞれにテーパをなす支持面6、11を形成し、両支持面6、11の相互間でローラRの両端部に設けられた取付穴R1あるいは取付孔の開口端を挟持して支持するように形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローラを回転駆動可能に支持するのに好適なローラ支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ローラを回転駆動可能に支持するためのローラ支持構造が知られている。このような回転駆動されるローラとしては、搬送に用いる搬送ローラ、異物の除去に用いるクリーニングローラ、粘着ローラなどが挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図2は、従来のローラ支持構造の一例を示すものであり、このローラ支持構造101は、図2左側に示す駆動側DSに配置された駆動側支持部材102と、この駆動側支持部材102と対向するように図2右側に示す従動側FSに配置された従動側支持部材103とを有している。
【0004】
駆動側支持部材102は、駆動モータなどの駆動源からの駆動力を受けて回転駆動されるものであり、円盤状の駆動側基体部104を有している。この駆動側基体部104の従動側FSに位置する右端面の軸心部には、図2の2点鎖線に示すように、軸方向の両端面の軸心位置のそれぞれに取付穴R1が設けられた円柱状のローラRの左端面に形成された取付穴R1に挿入される円柱状の駆動側支持凸部105が突設されている。また、駆動側基体部104の右端面の駆動側支持凸部105より径方向外側に位置する外周側には、円柱状に形成された伝動用凸部106が駆動側支持凸部105と平行に延在するように形成されており、この伝動用凸部106の先端部は、ローラRの左端面に形成された伝動用凹部R2に挿入されるようになっている。
【0005】
従動側支持部材103は、円盤状の従動側基体部107を有している。この従動側基体部107の駆動側DSに位置する左端面の軸心部には、ローラRの右端面に形成された取付穴R1に挿入される円柱状の従動側支持凸部108が突設されている。また、従動側基体部107の右端面の軸心部には、従動側基体部107より小径の支持軸部109が突設されている。この支持軸部109は、図2の左右方向に示す軸方向(長手方向)における左端部近傍と、図2の右側に示す右端部近傍との2箇所において支持部材としての支持フレーム110に形成されている2箇所の支持孔111に挿入されている。
【0006】
両支持孔111は、間隔をおいて相互に対向するようにして同軸上に配置されており、両支持孔111には軸受としてのすべり軸受112がそれぞれ取着されている。そして、支持軸部109は、両支持孔111に装着されたすべり軸受112を介して回転自在かつ軸方向に沿って移動自在となるように支持フレーム110に支持されている。
【0007】
支持軸部109の両支持孔111の間に位置する部分の外周には、支持軸部109を常時駆動側支持部材102に向かって付勢するための圧縮コイルばね113が配設されている。この圧縮コイルばね113の一端たる図2の左側に示す左端は、両支持孔111の間に位置する支持軸部109の中間部分における外周面に取着された止め輪114の右端面に当接されており、圧縮コイルばね113の他端たる図2の右側に示す右端は、両支持孔111の間に位置する支持軸部109の止め輪114より右側に位置する外周面に軸方向に移動自在に挿入された環状体115の左端に当接されている。また、環状体115の右端は、ローラRの支持状態において図2右側に示す支持孔111に取着されたすべり軸受112の左端面に当接されている。
【0008】
支持軸部109の右端面の軸心部には、操作手段としての操作体116のねじ部117が螺着されている。この操作体116は、支持軸部109の外径寸法より大径の胴部118と、この胴部118の右端面に形成された胴部118の外径寸法より大径の操作部119とを有しており、人手により操作部119を摘んで圧縮コイルばね113の付勢力に抗して図2の太矢印にて示す右方向に操作することにより、支持軸部109、ひいては従動側支持部材103を図2の左右方向に示す軸方向に沿って右方向に強制的に移動させることができるように形成されている。これにより、駆動側支持部材102に対して従動側支持部材103を離間させて、駆動側支持部材102と従動側支持部材103との相互間に、両凸部105、108により支持しているローラRの取り外しに必要な空間を確保することができるようになっている。
【0009】
また、操作部119を右方向へ操作した後に、右方向への操作力(右方向へ移動させて移動させた位置で停止させている操作力を含む)を解除することにより、支持軸部109、ひいては従動側支持部材103を、圧縮コイルばね113の付勢力により左方向、すなわち、駆動側支持部材102に接近する方向に自動的に移動させることができるようになっている。これにより、両凸部105、108の相互間でローラRの開口端を挟持して支持することができるようになっている。
【0010】
このような構成の従来のローラ支持構造101によれば、駆動源からの駆動力を受けて回転駆動される駆動側支持部材102と、駆動側支持部材102と対向配置されるとともに回転自在かつ軸方向に沿って移動自在とされた従動側支持部材103との間でローラRを回転駆動可能に支持することができるようになっている。
【0011】
【特許文献1】特開平5−341278号公報(図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、ローラRとしては、着脱してメンテナンスを行うもの、例えば、外周面の洗浄を必要とするクリーニングローラや粘着ローラなどがある。
【0013】
しかしながら、従来のローラ支持構造101においては、駆動側支持凸部105および従動側支持凸部108という両凸部105、108をローラRの有底穴R1(貫通孔の場合もある)に嵌め込む構成とされているため、ローラRの着脱を繰り返すと、ローラRを回転駆動させた時に凸部105、108と有底穴R2との相互間で摩擦抵抗が発生し、凸部105、108と有底穴R1との相互間での摩耗により、凸部105、108をローラRの有底穴R1に嵌合させる程度に形成されている隙間(図2に誇張して示す)が必要以上に大きくなり、ローラRが偏心して回転駆動するという問題点があった。
【0014】
なお、駆動側支持部材102からローラRへの駆動力の伝動手段としてねじ止めによる構成を用いた場合には、ローラRの着脱に労力と時間とを必要とし、着脱の作業性が悪いという問題点がある。
【0015】
そこで、ローラの着脱を繰り返しても偏心して回転駆動することのないローラ支持構造が求められている。
【0016】
本発明はこの点に鑑みてなされたものであり、ローラの着脱を繰り返してもローラが偏心して回転駆動することのないローラ支持構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前述した目的を達成するため、本発明に係るローラ支持構造の特徴は、駆動源からの駆動力を受けて回転駆動される駆動側支持部材と、前記駆動側支持部材と対向配置されるとともに回転自在かつ軸方向に沿って移動自在とされた従動側支持部材との間でローラを回転駆動可能に支持するローラ支持構造において、前記駆動側支持部材および前記従動側支持部材のそれぞれにテーパをなす支持面が相互に対向するように形成されており、前記両支持面の相互間で前記ローラの両端部に設けられた取付穴あるいは取付孔の開口端を挟持して支持することができるように形成されている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、ローラの着脱を繰り返しても取付穴あるいは取付孔が摩耗しないので、ローラが偏心して回転駆動するのを確実かつ容易に防止することができる。
【0018】
前記従動側支持部材が、一端に前記支持面が形成され、他端に軸受取付穴が形成された回転支持体と、前記回転支持体の軸受取付穴に取着されたころがり軸受と、前記ころがり軸受に一端が取着され、軸方向に沿って移動自在とされた支持軸と、前記支持軸を常時前記駆動側支持部材に向かって付勢するために、前記支持軸に配設された圧縮コイルばねとを有していることが好ましい。そして、このような構成を採用したことにより、支持軸をその軸方向に沿って移動させるという簡単な操作により、ローラの着脱を行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るローラ支持構造によれば、ローラの着脱を繰り返しても、ローラが偏心して回転駆動するのを確実かつ容易に防止することができるなどの優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を図面に示す実施形態により説明する。
【0021】
図1は本発明に係るローラ支持構造の実施形態の要部を示す概略正面図である。
【0022】
図1に示すように、本実施形態のローラ支持構造1は、図1左側に示す駆動側DSに配置された駆動側支持部材2と、この駆動側支持部材2と対向するように図1右側に示す従動側FSに配置された従動側支持部材3とを有している。
【0023】
前記駆動側支持部材2は、駆動モータなどの駆動源からの駆動力を受けて回転駆動されるものであり、円盤状の駆動側基体部4を有している。この駆動側基体部4の外径寸法は、図1の2点鎖線に示す軸方向の両端面の軸心位置のそれぞれに取付穴R1が設けられた円柱状のローラRの外径寸法より小径に形成されている。
【0024】
前記駆動側基体部4の従動側FSに位置する右端面の軸心部には、駆動側支持凸部5が形成されている。この駆動側支持凸部5は、従動側FSが小径とされた截頭円錐状に形成されており、その外周面は、従動側FSに向かって縮径するテーパをなす支持面6とされている。また、駆動側支持凸部5の駆動側DSに位置する左端、すなわち、駆動側基体部4との接続部分の外径寸法は、ローラRの駆動側DSに位置する左端面に形成された取付穴R1の内径寸法より大径とされており、駆動側支持凸部5の従動側FSに位置する右端の外径寸法は、取付穴R1の内径寸法より小径とされている。
【0025】
したがって、駆動側支持部材2の支持面6の軸方向のいずれかの位置、詳しくは支持面6の外径寸法が駆動側DSに位置する取付穴R1の開口端の内径寸法と同一寸法となる位置を、ローラRの駆動側DSの取付穴R1の開口端にローラRの軸方向の外側から当接させてローラRの左端部を支持することができるように形成されている。
【0026】
前記駆動側支持凸部5の従動側FSに位置する右端には、円柱状に形成されたガイド部7が従動側FSに向かって突設されている。このガイド部7の外径寸法は、駆動側支持凸部5の従動側FSに位置する先端の外径寸法と同一に形成されており、ガイド部7にはローラRの駆動側DSの取付穴R1を容易に挿入できるようになっている。このガイド部7は、支持面6で取付穴R1の開口端を支持する際に、支持面6への取付穴R1の取付時の案内機能および脱落防止機能を発揮するようになっている。よって、ガイド部7の外周面と取付穴R1との間の隙間は大きいものであってよい。
【0027】
なお、ガイド部7の外周面と取付穴R1との間の隙間を大きく形成することにより、ローラRの着脱時においてローラRを駆動側支持凸部5の軸方向に沿って平行に操作する距離を従来より極めて短くできるので、作業性の向上を図ることができる。
【0028】
前記駆動側基体部4の従動側FSに位置する右端面の駆動側支持凸部5より径方向外側に位置する外周側には、円柱状に形成された伝動用凸部8が駆動側支持凸部5の軸方向と平行に延在するように形成されており、この伝動用凸部8の先端部は、ローラRの駆動側DSに位置する左端面に形成された伝動用凹部R2が容易に挿入できるようになっている。
【0029】
前記伝動用凸部8および伝動用凹部R2により、本実施形態のローラRを回転駆動させるために、駆動側支持部材2から出力される駆動力をローラRに伝動させる伝動手段が構成されている。
【0030】
勿論、伝動手段としては、駆動側基体部4に伝動用凹部R2を設け、ローラRの左端面に伝動用凸部8を設けてもよい。また、駆動側支持部材2およびローラRの一方に凸部、他方に凹部を設けて、凸部と凹部とを回転時に係止させて回り止めとする構成としてもよい。
【0031】
前記従動側支持部材3は、回転支持体9を有している。この回転支持体9は、図1左側に示す駆動側DSに位置する左端側が小径とされた截頭円錐状の従動側支持凸部10を有しており、この従動側支持凸部10の外周面は、駆動側DSに向かって縮径するテーパをなす支持面11とされている。また、従動側支持凸部10の駆動側DSに位置する左端の外径寸法は、ローラRの従動側FSに位置する右端面に形成された取付穴R1の内径寸法より小径とされており、従動側支持凸部10の従動側FSに位置する右端の外径寸法は、取付穴R1の内径寸法より大径とされている。
【0032】
したがって、従動側支持部材3の支持面6の軸方向のいずれかの位置、詳しくは支持面11の外径寸法が従動側FSに位置する取付穴R1の開口端の内径寸法と同一寸法となる位置を、ローラRの従動側FSの取付穴R1の開口端にローラRの軸方向の外側から当接させてローラRの右端部を支持することができるように形成されている。
【0033】
前記従動側支持凸部10の右端には、円柱状の軸受取付部12が図1の右方に向かって一体に延出形成されており、この軸受取付部12の右端面の軸心部には、軸受取付穴13が凹設されている。そして、軸受取付穴13には、ころがり軸受14が挿入されて取着されている。
【0034】
すなわち、回転支持体9は、駆動側支持部材2と対向する駆動側DSに位置する左端に駆動側DSに向かって縮径するテーパをなす支持面11が形成されており、右端にころがり軸受14が挿入されて取着される軸受取付穴13が設けられている。
【0035】
前記ころがり軸受14、詳しくはころがり軸受14の内輪には、支持軸15の左端が挿入されて取着されている。この支持軸15は、回転支持体9を駆動側支持部材2に対して進退させるためのものであり、円柱状に形成された本体部16と、この本体部16の左先端部に形成された本体部16より小径で長さの短い軸受取付部17とを有している。そして、支持軸15の左端に形成された軸受取付部17がころがり軸受14の内孔に挿入されている。
【0036】
したがって、回転支持体9は、支持軸15の左端部においてころがり軸受14により回転自在に支持されている。
【0037】
なお、ころがり軸受としては、深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受、自動調心玉軸受、円筒ころ軸受、針状ころ軸受、円すいころ軸受、自動調心ころ軸受、スラスト玉軸受、スラスト自動調心ころ軸受などの各種のものから設計コンセプトなどの必要に応じて選択使用することができる。
【0038】
前記支持軸15は、本体部16の図1の左右方向に示す軸方向(長手方向)における回転支持体9の配設側に位置する左端部近傍と、図1の右側に示す右端部近傍との2箇所において支持部材としての支持フレーム18に形成されている2箇所の支持孔19に挿入されている。この両支持孔19は、間隔をおいて相互に対向するようにして同軸上に配置されており、両支持孔19には軸受としてのすべり軸受20がそれぞれ取着されている。そして、支持軸15は、両支持孔19に取着されたすべり軸受20により回転自在かつ軸方向に沿って移動自在となるように支持フレーム18に支持されている。なお、支持フレーム18は図示しないメインフレームに取着されているのが一般的である。
【0039】
前記支持軸15の本体部16の両支持孔19の間に位置する部分の外周には、支持軸15を常時駆動側支持部材2に向かって付勢するための圧縮コイルばね21が配設されている。この圧縮コイルばね21の左端は、両支持孔19の間に位置する支持軸15の本体部16の中間部分における外周面に取着された止め輪22の右端面に当接されており、圧縮コイルばね21の右端は、両支持孔19のうちの図1右側に示す支持孔19が形成されている支持フレーム18の左端面に当接されている。
【0040】
なお、圧縮コイルばね21の右端は、前述した従来のローラ支持構造101と同様に、軸方向に移動自在に挿入された環状体(図2の符号115)を介して支持フレーム18の左端面に当接させてもよい。
【0041】
前記支持軸15の本体部16の右端面の軸心部には、操作手段としての操作体23のねじ部24が螺着されている。この操作体23は、本体部16の外径寸法より大径の胴部25と、この胴部25の右端面に形成された胴部25の外径寸法より大径の操作部26とを有しており、人手により操作部26を摘んで圧縮コイルばね21の付勢力に抗して図1の太矢印にて示す右方向に操作することにより、支持軸15、ひいては従動側支持部材3を図1の左右方向に示す軸方向に沿って右方向に強制的に移動させることができるように形成されている。これにより、駆動側支持部材2に対して従動側支持部材3を離間させて、駆動側支持部材2と従動側支持部材3との相互間に、両支持面6、11により支持しているローラRの取り外しに必要な空間を確保することができるようになっている。
【0042】
また、操作部26を右方向へ操作した後に、右方向への操作力(右方向へ移動させて移動させた位置で停止させている操作力を含む)解除することにより、支持軸15、ひいては従動側支持部材3を、圧縮コイルばね21の付勢力により図1の左方向、すなわち、駆動側支持部材2に接近する方向に自動的に移動させることができるようになっている。これにより、両支持面6、11の相互間でローラRの開口端を挟持して支持することができるようになっている。
【0043】
前記圧縮コイルばね21は、操作部26を図1の太矢印にて示す右方へ操作した際に、駆動側支持部材2の従動側FSに位置する端面と、従動側支持部材3の駆動側DSに位置する端面との間隔LをローラRの軸方向の長さRLより長くできるように形成されている。勿論、圧縮コイルばね21は、操作部26を操作しない状態においては、ローラRを支持しない場合、駆動側支持部材2の従動側FSに位置する端面と、従動側支持部材3の駆動側DSに位置する端面との間隔LをローラRの軸方向の長さRLより短くなるように形成されている。
【0044】
したがって、本実施形態の従動側支持部材3は、一端に支持面6が形成され、他端に軸受取付穴13が形成された回転支持体9と、回転支持体9の軸受取付穴13に取着されたころがり軸受14と、ころがり軸受14に一端が取着され、軸方向に沿って移動自在とされた支持軸15と、支持軸15を常時駆動側支持部材2に向かって付勢するために、支持軸15に配設された圧縮コイルばね21とを有する構成とされている。
【0045】
なお、ローラRとしては、軸心部に軸方向に沿って貫通した取付孔を具備する筒状に形成されているものであってもよい。この場合、ローラRの内孔が取付孔とされ、駆動側DSの取付孔の開口端が駆動側支持部材2の支持面6により支持され、従動側FSの取付孔の開口端が従動側支持部材3の支持面11により支持されることになる。
【0046】
また、ローラRの回転方向としては、設計コンセプトなどの必要に応じて、一方向としたり、正回転方向および逆回転方向の2方向から選択する構成としたりすることができる。
【0047】
その他の構成については、公知のローラ支持構造と同様とされているので、その詳しい説明については省略する。
【0048】
つぎに、前述した構成からなる本実施形態の作用について説明する。
【0049】
本実施形態のローラ支持構造1によれば、駆動側支持部材2および従動側支持部材3のそれぞれに形成されているテーパをなす支持面6、11の相互間でローラRの両端部に設けられた取付穴R1あるいは取付孔の開口端を挟持して支持することができるように形成されているから、ローラRの着脱を繰り返しても取付穴R1あるいは取付孔が摩耗しないので、ローラRが偏心して回転駆動するのを確実かつ容易に防止することができる。
【0050】
また、本実施形態のローラ支持構造1によれば、ローラRの着脱を繰り返しても取付穴R1あるいは取付孔が摩耗しないので、ローラRの寿命が長くなり、ローラRの交換までの時間を長くすることができる。
【0051】
また、本実施形態のローラ支持構造1によれば、ローラRの両端部に設けられた取付穴R1あるいは取付孔の開口端をテーパをなす支持面6、11の相互間で挟持する構成とされているので、支持面6、11の相互間でローラRの開口端を挟持した際に、ローラRの軸心が駆動側支持部材2の支持面6が形成されている駆動側支持凸部5の軸心と、従動側支持部材3の支持面11が形成されている回転支持体9の軸心とを結ぶ線上に位置するように自動調心することができる。その結果、ローラRが偏心して回転駆動するのを確実かつ容易に防止することができる。このことは、従来の摩耗により偏心して回転駆動するローラRを廃棄せずにそのまま再利用できるという副次的な効果を奏する。
【0052】
また、本実施形態のローラ支持構造1によれば、従動側支持部材3がローラRの回転をころがり軸受14で受ける構成とされているので、圧縮コイルばね21の付勢力でローラRを押圧している回転支持体9の支持面11と、この支持面11が当接されている従動側FSの取付穴R1の開口端との間で摩擦抵抗が発生せず、ローラRの回転を円滑にすることができる。
【0053】
また、本実施形態のローラ支持構造1によれば、両支持面6、11の相互間でローラRの両端部に設けられた取付穴R1あるいは取付孔の開口端を挟持して支持する構成とされているから、ローラRの着脱時における従動側支持部材3の移動距離を従来より短くすることができる。その結果、ローラRの着脱作業性の向上を図ることができる。
【0054】
したがって、本実施形態のローラ支持構造1によれば、ローラRの着脱を繰り返しても支持面11および/またはローラRの取付穴R1あるいは取付孔が摩耗しないので、ローラRが偏心して回転駆動するのを確実かつ容易に防止することができる。
【0055】
また、本実施形態のローラ支持構造1によれば、駆動側支持部材2の駆動側支持凸部5に形成された伝動用凸部8に、ローラRの駆動側DSに位置する左端面に形成された伝動用凹部R2を挿入することにより、駆動側支持部材2の回転駆動力をローラRに確実かつ容易に伝動することができる。
【0056】
また、本実施形態のローラ支持構造1によれば、操作体23を操作することにより、支持軸15、ひいては従動側支持部材3を駆動側支持部材2に対して進退させることが容易かつ確実にできるので、ローラRの着脱をワンタッチで容易に行うことができる。
【0057】
すなわち、本実施形態のローラ支持構造1によれば、支持軸15をその軸方向に沿って移動させる操作が容易であるとともに、ローラRの着脱も容易かつ確実に行うことができる。
【0058】
本発明のローラ支持構造は、クリーニングローラ、粘着ローラ、搬送ローラなどの着脱を実用とする各種のローラに用いることができる。
【0059】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明に係るローラ支持構造の実施形態の要部を示す概略正面図
【図2】従来のローラ支持構造の一例の要部を示す概略正面図
【符号の説明】
【0061】
1 ローラ支持構造
2 駆動側支持部材
3 従動側支持部材
5 駆動側支持凸部
6、11 支持面
8 伝動用凸部
9 回転支持体
10 従動側支持凸部
13 軸受取付穴
14 ころがり軸受
15 支持軸
18 支持フレーム
21 圧縮コイルばね
R ローラ
R1 取付穴
R2 伝動用凹部
DS 駆動側
FS 従動側

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源からの駆動力を受けて回転駆動される駆動側支持部材と、前記駆動側支持部材と対向配置されるとともに回転自在かつ軸方向に沿って移動自在とされた従動側支持部材との間でローラを回転駆動可能に支持するローラ支持構造において、
前記駆動側支持部材および前記従動側支持部材のそれぞれにテーパをなす支持面が相互に対向するように形成されており、
前記両支持面の相互間で前記ローラの両端部に設けられた取付穴あるいは取付孔の開口端を挟持して支持することができるように形成されていることを特徴とするローラ支持構造。
【請求項2】
前記従動側支持部材が、
一端に前記支持面が形成され、他端に軸受取付穴が形成された回転支持体と、
前記回転支持体の軸受取付穴に取着されたころがり軸受と、
前記ころがり軸受に一端が取着され、軸方向に沿って移動自在とされた支持軸と、
前記支持軸を常時前記駆動側支持部材に向かって付勢するために、前記支持軸に配設された圧縮コイルばねとを有している請求項1に記載のローラ支持構造。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−137765(P2008−137765A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−324680(P2006−324680)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(000103747)オプトレックス株式会社 (843)
【出願人】(000167783)広島オプト株式会社 (95)
【Fターム(参考)】