説明

ローラ組立体を備える搬送装置

【課題】ローラを回転可能に支持するローラ支持体および回動体を有するローラ組立体の軽量化により、組立性やメンテナンス性を向上させることができ、しかもローラ組立体の回動応答性を向上させることができる搬送装置を提供する。
【解決手段】仕分装置は、ローラ120とローラ支持体130および回動体140から構成されるローラ支持台A1とを有する複数のローラ組立体Aと、ローラ120を水平軸線Lh回りに回転させる回転駆動機構と、回動体140を介してローラ120を垂直軸線Lv回りに回動させる回動駆動機構と、ローラ組立体Aが組み付けられる保持フレーム191,192とを備える。ローラ支持体130のローラ軸131および該ローラ軸131を支持する支持体本体132と、回動体140の関節軸141および該関節軸141を支持する回動体本体142とが、樹脂で形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水平軸線回りに回転可能であるとともに垂直軸線回りに回動可能な搬送用ローラを有するローラ組立体を備え、該ローラの回動により物品の搬送方向を転向可能な搬送装置に関する。そして、前記搬送装置は、例えば、物品の搬送方向を転向することにより物品を仕分ける仕分装置である。
【背景技術】
【0002】
搬送装置が、搬送用のローラを有するローラ組立体と、ローラを回転駆動する回転駆動機構と、ローラを回動させる回動駆動機構とを備え、ローラ組立体が、前記ローラのほかに、ローラを水平軸線回りに回転可能に支持するローラ支持体と、ローラ支持体を支持するとともに垂直軸線回りに回動可能な回動体とを有するものは知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3349084号公報(段落0024−0032、図4、図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ローラ組立体を構成するローラ支持体および回動体がいずれも金属製である場合には、ローラ組立体の重量が大きいために、ローラ組立体を回動可能に支持する保持部材に対するローラ組立体の組付け性や取外し性が低下して、搬送装置の組立性やメンテナンス性が低下するという問題や、回動駆動機構により駆動されて回動するローラの回動応答性を低下させる原因になるという問題があった。そのため、ローラの所要の回動応答性を確保しようとする場合には、回動駆動機構のエネルギ消費の増加や大型化を招来することがあった。
【0005】
また、ローラ組立体が有するローラ軸などの各軸がボルトや止め輪により組み付けられるのでは、各軸の組付けや取外しに手間がかかるために、ローラ組立体の組立性やメンテナンス性が低下して、やはり搬送装置の組立性やメンテナンス性が低下するという問題があった。
【0006】
さらに、回動体を保持部材に回動可能に支持するために、回動体の回動支持軸が、軸受を保持する軸受ホルダを介して支持されるのでは、回動支持軸を支持するための専用の部材である軸受ホルダが必要なこと、また回動支持軸が長くなることがあって、回動体、ひいてはローラ組立体の重量増および垂直軸線方向での大型化を招来するという問題があった。
【0007】
本発明は、前述した課題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、ローラを回転可能に支持するローラ支持体および回動体を有するローラ組立体の軽量化により、組立性やメンテナンス性を向上させることができ、しかもローラ組立体の回動応答性を向上させることができる搬送装置を提供することである。
そして、本発明の他の目的は、さらに、ローラ軸および関節軸を有するローラ組立体の組立性およびメンテナンス性を向上させることができる搬送装置を提供することである。
そして、本発明の他の目的は、さらに、ローラ組立体のローラ軸および関節軸が同一の軸部品であることで、コストを削減することができる搬送装置を提供することである。
本発明の他の目的は、さらに、ローラ組立体を垂直軸線方向で小型化することにより、垂直軸線方向で小型化することができる搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
まず、請求項1に係る発明は、回転することにより物品を搬送する搬送用ローラと前記ローラを水平軸線回りに回転可能に支持するローラ支持体と前記ローラ支持体を支持するとともに垂直軸線回りに回動可能な回動体とを有する複数のローラ組立体と、前記ローラを前記水平軸線回りに回転させる回転駆動機構と、前記回動体を前記垂直軸線回りに回動させる回動駆動機構と、前記ローラ組立体が組み付けられる保持部材とを備え、前記ローラおよび前記ローラ支持体が前記回動体とともに回動することにより前記ローラによる搬送方向が転向される搬送装置において、前記ローラ支持体および前記回動体が樹脂により形成されていることにより、前述した課題を解決したものである。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の構成に加えて、前記ローラ支持体が、前記ローラを前記ローラ支持体に対して回転可能とするためのローラ軸と、前記ローラ軸を支持する支持体本体とを有し、前記回動体が、前記ローラ支持体を前記回動体に対して揺動可能とするための関節軸と、前記関節軸を支持する回動体本体とを有し、前記支持体本体、前記ローラ軸、前記回動体本体および前記関節軸が、前記樹脂で形成され、前記ローラ軸が前記支持体本体に、前記関節軸が前記支持体本体または前記回動体本体に、それぞれスナップ結合により組み付けられていることにより、前述した課題を解決したものである。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明の構成に加えて、前記ローラ軸および前記関節軸のそれぞれが、前記ローラ軸および前記関節軸に共用の軸部品であることにより、前述した課題を解決したものである。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれか1つに係る発明の構成に加えて、前記回動体が、前記保持部材に設けられた挿通孔に挿通されて前記保持部材に回動可能に支持される回動支持軸を有し、前記回動支持軸のほぼ全体が、前記保持部材内に収容されていることにより、前述した課題を解決したものである。
【0012】
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明の構成に加えて、前記回動支持軸が前記保持部材にスナップ結合により結合されていることにより、前述した課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0013】
そこで、本発明の搬送装置は、回転することにより物品を搬送する搬送用ローラとローラを水平軸線回りに回転可能に支持するローラ支持体とローラ支持体を支持するとともに垂直軸線回りに回動可能な回動体とを有する複数のローラ組立体と、ローラを水平軸線回りに回転させる回転駆動機構と、回動体を垂直軸線回りに回動させる回動駆動機構と、ローラ組立体が組み付けられる保持部材とを備え、ローラおよびローラ支持体が回動体とともに回動することによりローラによる搬送方向が転向されることにより、回動駆動機構が回動体およびローラ支持体を介してローラを回動させることで、ローラにより搬送される物品の搬送方向を転向することができるばかりでなく、以下のような本発明に特有の効果を奏する。
【0014】
すなわち、請求項1に係る本発明の搬送装置によれば、ローラ支持体および回動体が樹脂により形成されていることにより、回動駆動機構により駆動されて回動する回動体と該回動体とともに回動するローラ支持体とが軽量化されるので、軽量化によりローラ組立体の組付けおよび取外しが容易になるため、搬送装置の組立性およびメンテナンス性を向上させることができ、しかも回動体およびローラ支持体とともに回動するローラにおける、物品の搬送方向を転向するための回動応答性を向上させることができる。
【0015】
請求項2に係る本発明の搬送装置によれば、請求項1に係る発明が奏する効果に加えて、次の効果が奏される。
ローラ支持体が、ローラをローラ支持体に対して回転可能とするためのローラ軸と、ローラ軸を支持する支持体本体とを有し、回動体が、ローラ支持体を回動体に対して揺動可能とするための関節軸と、関節軸を支持する回動体本体とを有し、支持体本体、ローラ軸、回動体本体および関節軸が、前記樹脂で形成されていることにより、ローラ組立体において回動中心線である垂直軸線から遠方まで延びている構成部品であるローラ軸、支持体本体、関節軸および回動体本体がいずれも樹脂で形成されることで軽量化されるので、ローラ組立体において垂直軸線回りの慣性モーメントが減少し、ローラの回動応答性を向上させることができる。
そのうえ、ローラ軸が支持体本体に、関節軸が支持体本体または回動体本体に、それぞれスナップ結合により組み付けられていることにより、ローラ組立体におけるローラ軸および関節軸の組付けが、樹脂同士の部材であることを利用したスナップ結合により行われるので、ローラ軸および関節軸の組付け性および取外し性が向上して、ローラ組立体、ひいては搬送装置の組立性およびメンテナンス性を向上させることができる。
【0016】
請求項3に係る本発明の搬送装置によれば、請求項2に係る発明が奏する効果に加えて、次の効果が奏される。
ローラ軸および関節軸のそれぞれが、ローラ軸および関節軸に共用の軸部品であることにより、ローラ軸および関節軸が同一の軸部品であるので、ローラ軸および関節軸が別個の軸部品である場合に比べて、ローラ組立体のコストが削減されることで搬送装置のコストを削減することができ、しかもローラ組立体の組立性およびメンテナンス性を向上させることができる。
【0017】
請求項4に係る本発明の搬送装置によれば、請求項1から請求項3のいずれか1つに係る発明が奏する効果に加えて、次の効果が奏される。
回動体が、保持部材に設けられた挿通孔に挿通されて保持部材に回動可能に支持される回動支持軸を有し、回動支持軸のほぼ全体が、保持部材内に収容されていることにより、ローラ組立体の回動支持軸は保持部材自体により回動可能に支持されるので、ローラ組立体が組み付けられる保持部材が回動支持軸を回動可能に支持する軸受ホルダを兼ねるので、回動支持軸を支持するための専用の軸受ホルダが不要になるため、および回動支持軸のほぼ全体が保持部材内に収容されるため、回動支持軸の軸長の短縮化が可能になり、ローラ組立体を軽量化すること、および垂直軸線方向で小型化することができ、ひいては搬送装置を垂直軸線方向で小型化することができる。
【0018】
請求項5に係る本発明の搬送装置によれば、請求項4に係る発明が奏する効果に加えて、次の効果が奏される。
回動支持軸が保持部材にスナップ結合により結合されていることにより、保持部材に対するローラ組立体の組付けおよび取外しが容易になるので、搬送装置の組立性およびメンテナンス性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例である仕分装置を備える物品搬送システムの要部平面図。
【図2】図1の仕分装置のII矢視での要部の図。
【図3】図1の仕分装置のIII矢視での要部の図。
【図4】図1の仕分装置のローラユニットの平面図。
【図5】図4のV−V線断面図。
【図6】図4のVI−VI線断面図。
【図7】図6のVII−VII線断面図。
【図8】図6のVIII矢視でのローラ組立体の図。
【図9】図7のIX−IX線断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の搬送装置は、回転することにより物品を搬送する搬送用ローラと前記ローラを水平軸線回りに回転可能に支持するローラ支持体と前記ローラ支持体を支持するとともに垂直軸線回りに回動可能な回動体とを有する複数のローラ組立体と、前記ローラを前記水平軸線回りに回転させる回転駆動機構と、前記回動体を前記垂直軸線回りに回動させる回動駆動機構と、前記ローラ組立体が組み付けられる保持部材とを備え、前記ローラおよび前記ローラ支持体が前記回動体とともに回動することにより前記ローラによる搬送方向が転向され、前記ローラ支持体および前記回動体が樹脂により形成されていることで、ローラを回転可能に支持するローラ支持体および回動体を有するローラ組立体の軽量化により、組立性やメンテナンス性を向上させることができ、しかもローラ組立体の回動応答性を向上させることができるであるものであれば、その具体的な態様はいかなるものであっても構わない。
【0021】
例えば、搬送装置は、仕分装置以外に、搬送される物品の種類や形状に対応して搬送路上で搬送方向を転向可能な搬送装置であってもよい。
ローラは、転動体であればよく、円筒状もの以外に、球体状のものを含む。
回転駆動機構および回動駆動機構の少なくとも一方は、例えば電動モータを有し、ローラ組立体毎に設けられてもよい。
【実施例】
【0022】
以下、本発明の実施例を、図1〜図9を参照して説明する。
図1を参照すると、本発明の実施例である搬送装置としての仕分装置100を備える物品搬送システム1は、物品10(例えば、結束された新聞束などの結束された物品、または、梱包された物品)を搬送する複数である第1所定数のローラ組立体A(図2,図5参照)を備える仕分装置100と、該仕分装置100に物品10を搬入するための搬入用搬送装置2(例えば、ローラコンベア)と、仕分装置100により搬送された物品10を搬出するための搬出用搬送装置3(例えば、ローラコンベア)とを備える。
【0023】
搬出用搬送装置3は、仕分装置100により、基本搬送方向21に搬送された物品10を搬出するための基本搬出用搬送装置3aと、基本搬送方向21に対して交差する搬送方向である分岐搬送方向22に搬送された物品10を搬出するための分岐搬出用搬送装置3bとを有する。
そして、搬入用搬送装置2から仕分装置100に搬入された物品10は、垂直軸線Lv(図6参照)回りに回動可能な各ローラ組立体Aのローラ120の回動位置P(図4参照)に応じて搬送方向を転向可能な仕分装置100により搬送されて、両搬出用搬送装置3a,3bのいずれかに振り分けられて搬出される。
【0024】
ここで、基本搬送方向21(以下、「搬送方向21」という。)は、仕分装置100において、ローラ120が、垂直軸線Lv(図6参照)回りの回動位置Pとして後述する基準位置P0(図4参照)を占めるときの物品10の搬送方向20であり、搬入用搬送装置2および基本搬出用搬送装置3aでの搬送方向と同じ方向である。
搬送方向20が搬送方向21から転向された分岐搬送方向22は、ローラ120が回動位置Pとして後述する第1転向位置P1(図4参照)を占めるときの搬送方向である。
【0025】
なお、分岐搬出用搬送装置3bは、仕分装置100における搬送路101の幅方向24で、搬送路101の一方向側に配置される代わりに、図1に二点鎖線で示されるように、搬送路101の他方向側に配置されてもよく、この場合には、分岐搬送方向23に物品を搬送するためにローラ120は回動位置Pとして後述する第2転向位置P2(図4参照)を占める。
また、分岐搬出用搬送装置3bは、幅方向24で搬送路101の両側に配置されてもよい。
【0026】
図1〜図4を参照すると、仕分装置100は、その設置部としての床5に設置される機台110と、物品10が搬送される搬送路101を形成するとともに搬送方向21および搬送路101の幅方向24に配列された前記第1所定数のローラ120と、各ローラ120を水平軸線Lh(図6参照)回りに回転可能に支持するとともに垂直軸線Lv(図6参照)回りに回動可能な前記第1所定数のローラ支持台A1と、幅方向24に並んだ複数のローラ120を回転駆動する複数の、本実施例では5つの回転駆動体としてのラインシャフト171を有する回転駆動機構170と、ローラ支持台A1を介して複数である第2所定数のローラ120を一斉に垂直軸線Lv回りに回動させるための複数の、本実施例では5つの回動駆動機構150と、機台110に着脱可能に組み付けられるユニット支持体190と、各ローラ120とともに搬送路101を形成するカバー180(図2,図3では二点鎖線で示されている。)と、カバー180を機台110に保持するためのカバー保持部185とを備える。
回転することにより物品10を搬送するローラ120と、ローラ支持台A1とは、ローラ組立体Aを構成する。
【0027】
ここで、ローラ120の回動中心線である垂直軸線Lv((図6参照)は、ローラ組立体Aの回動支持軸146(図6参照)により規定され、上下方向(この実施例では、垂直軸線Lvに平行な垂直軸線方向でもある。)にほぼ平行である。また、本実施例では、搬送方向21と幅方向24とがほぼ直交する。
なお、「ほぼ」との表現は、「ほぼ」との修飾語がない場合を含むとともに、「ほぼ」との修飾語がない場合とは厳密には一致しないものの、「ほぼ」との修飾語がない場合と比べて作用効果に関して有意の差異がない範囲を意味する。
【0028】
図1〜図3を参照すると、機台110には、ローラ組立体A、回転駆動機構170、回動駆動機構150、ユニット支持体190およびカバー180が組み付けられる。
機台110は、4つの脚部111〜114(図1参照)と、幅方向24に離隔している1対の機台フレーム115,116とを備える。
仕分装置100が備えるすべてのローラ120は、搬送方向21に間隔を置いて配列された複数である列数、本実施例では10列のローラ列Rを形成する。幅方向24での列である各ローラ列Rは、幅方向24に等しい間隔を置いて配列された複数のローラ120から構成される。
【0029】
併せて、図4,図5を参照すると、1以上の所定列数、本実施例では複数としての2つのローラ列Rである第1ローラ列R1および第2ローラ列R2は、仕分装置100が備える1以上のユニット数、本実施例では複数である5つのローラユニットU1〜U5(図1,図3参照)の各ローラユニットUにおけるユニット用ローラ列Ruを構成する。
【0030】
図6,図7を参照すると、ラインシャフト171により摩擦駆動されて回転する各ローラ120は、ラインシャフト171との接触面である外周面を形成する外周部121がゴム材料で形成されている。
各ローラ120を上方から覆うカバー180には、円形のローラ突出用孔181(図1も参照)が設けられる。外周部121の一部は、カバー180上で搬送される物品10に接触するように、ローラ突出用孔181を貫通してカバー180から上方に突出している。
そして、図1に示されるように、仕分装置100において、物品10は、回転する複数のローラ120に順次支持されて、ローラ120との間で作用する摩擦力により、搬送方向21または分岐搬送方向22に搬送される。
【0031】
図2〜図5を参照すると、各ローラユニットUは、ユニットローラ群Gと、ユニットローラ群Gに属する第2所定数のローラ120をそれぞれ支持するための前記第2所定数のローラ支持台A1と、該ローラ支持台A1を回動可能に支持するユニット支持体190と、ユニットローラ群Gの各ローラ120を回転駆動するユニット用回転駆動体としての1つのラインシャフト171と、ユニットローラ群Gの各ローラ120をローラ支持台A1を介して垂直軸線Lv(図6参照)回りに回動させるために各ローラ支持台A1を回動させるユニット用回動駆動機構としての1つの回動駆動機構150とを有する。
各ローラユニットUにおいて、前記第2所定数のローラ組立体A、ラインシャフト171および回動駆動機構150は、ユニット支持体190に組み付けられている。
各ローラユニットUは、同一の構造を有する。
【0032】
以下、ローラユニットUについて、さらに説明する。
図4〜図7を主に参照し、図2,図3を適宜参照すると、1対の機台フレーム115,116に着脱可能に結合されるユニット支持体190は、ローラ組立体Aが組み付けられる保持部材としての、搬送方向21に間隔をおいて配置される複数の、本実施例では1対の第1,第2保持フレーム191,192と、幅方向24にほぼ平行に延びている第1,第2保持フレーム191,192を互いに連結する連結部193と、ラインシャフト171を回転可能に支持する1対の軸受部194とを有する。
【0033】
ユニット支持体190は、組み付けられたローラ組立体Aを回動可能に支持する各保持フレーム191,192が、1対の機台フレーム115,116に結合具としてのボルトB1により着脱可能に結合されることにより、両機台フレーム115,116に着脱可能に固定される。これにより、各保持フレーム191,192は、1対の機台フレーム115,116を連結する補強フレームとしても機能するので、ローラユニットUのユニット支持体190を利用して、1対の機台フレーム115,116の剛性、ひいては機台110(図1,図2参照)の剛性を高めることができる。
各保持フレーム191,192は棒状の部材であり、幅方向24に直交する平面での保持フレーム191,192の断面形状は、幅方向24での任意の位置でほぼ一定で、かつ矩形(図3,図6参照)である。
【0034】
本実施例では複数としての3つの連結部193は、それぞれ結合手段としてのボルトB2により各保持フレーム191,192と結合される。
両軸受部194は、それぞれ、機台フレーム115,116の各端部同士に跨る状態で、結合手段としてのボルトB3により結合される。
各軸受部194は、各保持フレーム191,192の各端部同士に着脱可能に結合される基部195と、ラインシャフト171を回転可能に支持する軸受(図示されず)を保持するとともに基部195に着脱可能に結合される軸受ホルダ196とを有する。
【0035】
次に、ローラ組立体Aについて説明する。
図6〜図8を参照すると、ローラユニットUの各ローラ組立体Aは、各ローラ列R1,R2毎に、基本的に同一の構造であり、ローラ120と、ローラ120を水平軸線Lh回りに回転可能に支持するローラ支持体130と、ローラ支持体130を支持するとともに垂直軸線Lv回りに回動可能な回動体140と、ローラ120をラインシャフト171に押し付ける付勢力をローラ120に付与する付勢部材としての付勢ばねSとを有する。
1つのローラユニットUのすべてのローラ組立体Aは、第1,第2保持フレーム191,192に振り分けられて回動可能に支持される。
【0036】
ローラ120は、外周部121と、ローラ支持体130に回転可能に支持されるコア部122とを有する。コア部122は、外周部121により径方向外方から被覆されている外周コア部123と後述する軸受137が装着される内周コア部124と、複数の補強用の径方向リブ125とを有する。
径方向で外周コア部123と内周コア部124との間には、円筒状の環状空間がコア部122の4つの径方向リブ125により周方向に仕切られて形成される部分円筒状の複数の内部空間126が、軸受137よりも径方向外方に形成される。内部空間126は、ローラ120の最大外径dの1/6以上の径方向幅W1を有する最大幅部分126aが、水平軸線方向で、該水平軸線方向でのローラ120の幅である横幅W2の1/2以上の範囲に形成されている。なお、別の例として、径方向リブ125がなく、内部空間126が1つの環状空間であってもよい。
このように、ローラ120は、コア部122に内部空間126が形成されたシェル構造を有することにより、内部空間126が形成されていない場合に比べて、軽量化されている。
なお、特に断らない限り、径方向および周方向は、それぞれ水平軸線Lhを中心とする径方向および周方向である。また、水平軸線方向は水平軸線Lhに平行な方向である。
【0037】
ローラ支持体130は、ローラ120をローラ支持体130に対して回転可能に支持するローラ軸131と、該ローラ軸131を支持する1対の支持壁133,134を有する支持体本体132と、径方向でローラ軸131と内周コア部124との間に保持される軸受である1対の軸受137とを有する。
【0038】
支持体本体132は、1対の板状のローラ軸用支持壁133,134と、該1対の支持壁133,134を連結する板状の連結壁135とを有する。各支持壁133,134は、水平軸線方向に貫通するローラ軸131が挿通される挿通孔を形成するとともに該ローラ軸131を支持するローラ軸支持部133a,134aと、水平軸線方向に貫通する関節軸141が挿通される挿通孔を形成するとともに該関節軸141を支持する関節軸支持部133b,134bとを有する。
【0039】
各支持壁133,134の外側の側面(図6には、1つの支持壁133の側面133eが示されている。)には、支持壁133,134の剛性を高めるために、樹脂で形成される支持壁133,134の成形時に金型により形成される複数の直線状の補強用リブ136が交差して設けられている。
連結壁135は、垂直軸線Lvと交わる位置で、ローラ120(したがって、ローラ軸131)と後述する関節軸141との間に配置されて、周方向で関節軸141の外径よりも大きい範囲に渡って連続して設けられている(図6参照)。
【0040】
回動体140は、ローラ支持体130を回動体140に対して揺動可能とするための関節軸141と、該関節軸141を支持する回動体本体142と、保持フレーム191,192に設けられた挿通孔198に挿通されて保持フレーム191,192自体に回動可能に回動支持軸146と、各保持フレーム191,192に直接保持される軸受としてのブッシュ149とを有する。
【0041】
回動体本体142は、水平軸線方向で1対の支持壁133,134の間に配置されている1対の板状の関節軸用支持壁143,144と、該1対の支持壁143,144を連結する板状の連結壁である底壁145とを有する。各支持壁143,144は、水平軸線方向に貫通する関節軸141が挿通される挿通孔を形成するとともに該関節軸141を支持する関節軸支持部143b,144bを有する。各関節軸支持部143b,144bは、各支持壁143,144にインサートされた部材により構成される。
また、底壁145は、後述する連結体163a,163bが枢着される回動アーム145aを有する。
【0042】
関節軸141は、ローラ支持体130の支持壁133,134および回動体140の支持壁143,144を貫通するとともにそれら支持壁133,134;143,144に支持されて、ローラ支持体130と該ローラ支持体130を介してローラ120とを、水平軸線Lhに平行な揺動軸線Ls回りに揺動可能に支持する。
【0043】
ローラ軸131および関節軸141のそれぞれは、ローラ軸131および関節軸141に共用の軸部品Tである。この軸部品Tは、中心部に軸方向(ローラ軸131および関節軸141における水平軸線方向でもある。)に延びている円柱状の中空部T3が設けられた軸であり、フランジT1と抜止め部T2とを両端部として有する。また、軸部品Tは、中空部T3が設けられていることにより、軽量化されている。この中空部T3は、本実施例では有底の孔であるが、軸部品Tを軸方向に貫通する貫通孔であってもよい。
【0044】
ローラ軸131および関節軸141において、当接部としてのフランジT1は、各軸131,141の水平軸線方向での移動を阻止するために、ローラ支持体130の1つの支持壁134と当接可能である。
また、フランジT1は、支持壁134の支持部134a,134bが有する係合部としての凸部134dと各軸131,141の周方向で係合する回止め部T1dを、各軸131,141の周方向での一部に有する。回止め部T1dは、ローラ支持体130の1対の支持壁133,134に対するローラ軸131、および1対の支持壁133,134と回動体140の1対の支持壁143,144に対する関節軸141の回動を規制する軸側係合部としての凹部により構成される。
【0045】
ローラ軸131および関節軸141において、抜止め部T2は、ローラ支持体130においてフランジTが当接する支持壁134とは別の支持壁133と係合することにより、ローラ軸131が支持壁133,134から抜けること、および関節軸141が支持壁133,134;143,144から抜けることを防止する。
また、抜止め部T2は、支持壁133と係合可能な係合部としての、複数としての4つの係合片T2aにより構成される。これら係合片T2aは、軸部品Tの周方向に等しい間隔を置いて設けられている。
弾性変形により縮径および拡径する各係合片T2aは爪T2bを有する。各爪T2bは、各支持部133a,134a,133b,134b,143b,144bの挿通孔内で縮径可能であるとともに、ローラ組付体Aへのローラ軸131および関節軸141の組付完了状態で、各支持部133a,133b,143bの挿通孔の外部で該挿通孔の孔径よりも大きく拡開して支持壁133,143の各支持部133a,133b,143bと係合する。
【0046】
回動体140において、各支持壁143,144および底壁145とは別個の部材である回動支持軸146は、底壁145に埋設された円柱状の軸部品Fの、底壁145からの露出部により構成され、底壁145と一体化されている。回動支持軸146は、底壁145との連結されている高剛性部としての基軸部147と、ブッシュ149に摺接する基軸部147よりも剛性が低い低剛性部としての抜止め部148とを有する。
回動支持軸146は、基軸部147の全体が、鉛直軸線方向において、1対のブッシュ149の間に配置されるように、保持フレーム191,192に保持されている。
抜止め部148は、保持フレーム191,192からの回動支持軸146、したがって回動体140およびローラ組立体Aの抜止めを行う。
【0047】
回動支持軸146の先端部である抜止め部148は、保持フレーム191,192を貫通している回動支持軸146において挿通孔198から突出していて、基軸部147に結合手段としてのねじ結合により基軸部147に一体に結合されている。
抜止め部148は、保持フレーム191,192と係合可能な係合部としての1対の係合片148aと、回動支持軸146の周方向で1対の係合片148aの間に配置されている1つの突出片148cと、基軸部147の端部に設けられた結合部としてのねじ部である雌ねじ部147dにねじ込まれるねじ部である雄ねじ部148dとを有する。
弾性変形により縮径および拡径する各係合片148aは爪148bを有する。各爪148bは、挿通孔198内で縮径可能であるとともに、挿通孔198の外部で挿通孔198の孔径よりも大きく拡開して保持フレーム191,192と係合する。抜止め部148には、該抜止め部148を基軸部147にねじ込むための工具係合部としての六角孔148eが設けられている。
1対の突出片148cは、各係合片148aとともに、回動支持軸146を挿通孔198に挿入し易くするための案内機能を有する。
【0048】
このように、ローラ軸131、関節軸141および回動支持軸146の各抜止め部T2,148は、スナップフィット構造を有し、ローラ軸131および関節軸141はローラ支持体130の支持壁133にスナップ結合され、回動支持軸146はフレーム部材にスナップ結合されている。
【0049】
ローラ支持体130および回動体140は、合成樹脂である樹脂により形成されている。この樹脂は、強度が高い樹脂、例えば繊維強化樹脂(一例として、ポリオキシメチレンが使用された繊維強化樹脂)である。
より具体的には、ローラ支持体130の支持体本体132の全体と、ローラ軸131および関節軸141となる軸部品Tの全体のそれぞれは、樹脂により一体成形されている。
また、回動体140の回動体本体142は、金属または回動体本体142を形成している樹脂よりも高強度の樹脂により形成されている関節軸支持部143b,144bを除いたすべての部分において、樹脂により一体成形されている。
回動支持軸146の抜止め部148の全体は、樹脂により一体成形されている。一方、基軸部147は、金属、または回動体本体142を形成している樹脂よりも高強度の樹脂により形成されている。また、ブッシュ149は、金属または樹脂により形成される。
【0050】
したがって、回動体140の全体が樹脂により形成されていてもよい。そして、ローラ軸131、関節軸141および回動支持軸146は、係合片148aの弾性変形を利用したスナップ結合により簡単に取り付けられる。
また、ローラ支持体130および回動体140において、樹脂により形成されている別個の部材は、同一種類の樹脂により形成されてもよいし、異なる種類の樹脂により形成されてもよい。
【0051】
そして、ローラ組立体Aにおいて、回動中心線である垂直軸線Lvから、回動支持軸146に比べて遠方まで延びている構成部品であるローラ軸131、支持体本体132、関節軸141および回動体本体142は、いずれも樹脂で形成されることで軽量化されるので、ローラ軸131、支持体本体132、関節軸141および回動体本体142が金属製である場合に比べて、ローラ組立体Aにおいて垂直軸線Lv回りの慣性モーメントが減少する。
【0052】
付勢ばねSは、関節軸141に巻き付けられた状態で連結壁135と底壁145との間に配置され、ローラ120がラインシャフト171と常時接触する状態を保つように、ローラ支持体130を介してローラ120を付勢する。
付勢ばねSは、ローラ120が基準位置P0(図4参照)を占めるときの水平軸線Lhに平行な方向での中央部S1で、ローラ支持体130および回動体140143の一方、本実施例では回動体140を付勢し、幅方向24での両端部S2で、ローラ支持体130および回動体140の他方、本実施例ではローラ支持体130を付勢する。これにより、ローラ支持体130および回動体140のそれぞれに作用する付勢力を、水平軸線Lhに平行な方向(または、幅方向24)で均等化することができるので、摩耗などの経時変化に起因してローラ支持枠141が幅方向24に傾斜することを抑制でき、ひいてはローラ120が幅方向24に傾斜することを抑制できる。この結果、いずれの回動位置Pにおいても、ラインシャフト171によりローラ120を効率よく回転させることができる。
【0053】
ローラ支持体130の連結壁135には、付勢ばねSの各端部S2を収容するとともに水平軸線方向への移動を規制する1対の収容溝135s(図2も参照)が設けられている。この収容溝135sにより付勢ばねSが所定位置に保持されるので、付勢ばねSによる前記付勢力の変動が抑制されて、ラインシャフト171に対するローラ120の付勢状態が安定化して、ローラ120の回転変動が抑制されるため、ローラ120による物品の搬送性能を向上させることができる。
【0054】
回動支持軸146は、その基軸部147において、各保持フレーム191,192にブッシュ149を介して、各保持フレーム191,192に対して垂直軸線Lv回りに回動可能に支持される。このように、回動支持軸146は、各保持フレーム191,192に設けられた挿通孔198内に挿入されて装着されたブッシュ149に挿入されていることにより、各保持フレーム191,192自体が軸受ホルダとして機能する。
【0055】
したがって、回動支持軸146を支持するための専用の部材(例えば、機台110に固定される部材から上方に突出して設けられる筒状の軸受ホルダ(例えば、特許文献1の軸受筒))が不要になり、しかも回動支持軸146のほぼ全体は、保持フレーム191,192に収容されて、機台110に固定された各保持フレーム191,192と上下方向で同じ位置にあることから、回動体140の関節軸141およびローラ支持体130、ひいてはローラ120を、上下方向で、各保持フレーム191,192に近接させて配置することができる。さらに、図6に示されるように、上下方向で、ローラ120の最大外径dの2倍の範囲内に、上下方向でのローラ120の全体および第1,第2保持フレーム191,192の上下方向での全体が配置される。
これらの構成により、上下方向でローラ120および第1,第2保持フレーム191,192をコンパクトに配置することができるので、上下方向でのローラユニットUの小型化、ひいては上下方向での仕分装置100の小型化が可能になる。
【0056】
図2〜図5を参照すると、各ローラユニットUにおいて、ローラ組立体Aを、したがってローラ120を、垂直軸線Lv回りに回動させる回動駆動機構150は、アクチュエータとしてのエアシリンダ151と、該エアシリンダ151と各ローラ組立体Aのローラ支持台A1における回動アーム145aとを連結する連結機構160とを備える。
各保持フレーム191,192に固定されているエアシリンダ151は、タンデム式シリンダ機構であり、シリンダ152内に摺動可能に収容された1対のピストン(図示されず)にそれぞれ結合されている1対の作動ロッド153,154とを有する。
【0057】
第1作動ロッド153は、第1,第2保持フレーム191,192に揺動可能に支持された揺動アーム162に枢着され、第2作動ロッド154は、第1,第2保持フレーム191,192に固定された取付部158に枢着されている。
シリンダ152に設けられる圧力室(図示されず)には、所定の作動圧を有する作動流体としての空気が、制御装置(図示されず)が制御する制御弁(図示されず)により制御されて、導管(図示されず)を通じて給排される。
【0058】
図4,図5を参照すると、連結機構160は、各保持フレーム191,192を貫通して該保持フレーム191,192に揺動可能に支持される連結軸161と、該連結軸161に一体に結合されている揺動アーム162を構成する1対の揺動アーム162a,162bと、回動アーム145aが枢着されている連結体163としての1対の連結体163a,163b(図6も参照)と、1対の揺動アーム162a,162bと1対の連結体163a,163bとをそれぞれ連結する中継リンク164としての1対の中継リンク164a,164b(図6も参照)とを有する。1対の作動ロッド153,154は、揺動アーム162a(図6参照)に枢着されて、両揺動アーム162a,162bを連結軸161とともに一体に揺動させる。
【0059】
図4に示されるように、回動駆動機構150により駆動されて垂直軸線Lv(図6参照)回りに回動する各ローラ120、したがってローラ群Rは、その回動位置Pとして、ローラ群Rが搬送方向21に物品10を搬送するときの基準位置P0と、ローラ群Rが基準位置P0から回動して分岐搬送方向22,23(図1参照)に物品10を搬出するときの1以上の、本実施例では複数としての2つ転向位置P1,P2とを占める。
より具体的には、第1,第2作動ロッド153,154の伸張および収縮に応じて、各ローラ120、したがってローラ群Rは、その回動位置Pとして、基準位置P0(図4に実線で示される。)、基準位置P0から一方の回動方向(図4では右回りの回動方向である。)に回動した第1転向位置P1(図4に一点鎖線で示される。)、および、基準位置P0から前記一方の回動方向とは反対の回動方向(図4では左回りの回動方向である。)に回動した第2転向位置P2(図4に二点鎖線で示される。)を占める。
なお、図4では、図面の繁雑化を避けるため、1つのローラ120について、各転向位置P1,P2が示されている。
【0060】
図2,図3を参照すると、回転駆動機構170は、ラインシャフト171と、該ラインシャフト171を回転駆動する駆動機構172とを有する。駆動機構172は、機台110に取り付けられて前記制御装置により制御される駆動源としての電動モータ173と、該電動モータ173の動力を各ラインシャフト171に伝達する動力伝達機構であるベルト175を有する巻掛け伝動機構174とを備える。
電動モータ173は、仕分装置100の各ラインシャフト171を一斉に同じ回転方向に回転駆動する。
【0061】
図1〜図4を参照すると、各保持フレーム191,192および機台フレーム115,116の上方でカバー180を保持するためのカバー保持部185は、各機台フレーム115,116の真上に、搬送方向21に間隔を置いて複数ずつ配置される。また、カバー180は、図示されない固定手段(例えば、係合部材またはねじ)により基台に着脱可能に固定される。
【0062】
次に、前述のように構成された実施例の作用および効果について説明する。
仕分装置100は、ローラ120と、ローラ支持体130および回動体140から構成されるローラ支持台A1とを有する複数のローラ組立体Aと、ローラ120を水平軸線Lh回りに回転させる回転駆動機構170と、回動体140を垂直軸線Lv回りに回動させる回動駆動機構150と、ローラ組立体Aが組み付けられる保持フレーム191,192とを備え、ローラ120およびローラ支持体130が回動体140とともに回動することによりローラ120による搬送方向が転向されることにより、回動駆動機構150が回動体140およびローラ支持体130を介してローラ120を回動させることで、ローラ120により搬送される物品の搬送方向を転向することができる。
【0063】
ローラ支持台A1において、ローラ支持体130および回動体140が樹脂により形成されていることにより、回動駆動機構150により駆動されて回動する回動体140と該回動体140とともに回動するローラ支持体130とが軽量化されるので、この軽量化によりローラ組立体Aの組付けおよび取外しが容易になるため、仕分装置100の組立性およびメンテナンス性を向上させることができ、しかも回動体140およびローラ支持体130とともに回動するローラ120における、物品の搬送方向20を転向するための回動応答性を向上させることができる。
さらに、ローラ120には、コア部122,123,124に内部空間126が形成されていることにより、空間が形成されていない場合に比べて、ローラ120が軽量化されているので、ローラ組立体Aが一層軽量化されて、軽量化による仕分装置100の組立性およびメンテナンス性とローラ120の回動応答性とを一層向上させることができる。
また、ローラ組立体Aが軽量化されることにより、回動駆動機構150でのローラ120を回動させるための駆動エネルギの消費を低減し、ひいては仕分装置100のエネルギ消費を低減することができ、また回動駆動機構150の小型化が可能になる。
【0064】
ローラ支持体130が、ローラ軸131と該ローラ軸131を支持する支持体本体132とを有し、回動体140が、関節軸141と該関節軸141を支持する回動体本体142とを有し、支持体本体132、ローラ軸131、回動体本体142および関節軸141が、樹脂で形成されていることにより、ローラ組立体Aにおいて回動中心線である垂直軸線Lvから遠方まで延びている構成部品であるローラ軸131、支持体本体132、関節軸141および回動体本体142がいずれも樹脂で形成されることで軽量化されるので、ローラ組立体Aにおいて垂直軸線Lv回りの慣性モーメントが減少し、ローラ120の回動応答性を向上させることができる。
【0065】
また、ローラ軸131が支持体本体132に、関節軸141が支持体本体132または回動体本体142に、それぞれスナップ結合により組み付けられていることにより、ローラ組立体Aにおけるローラ軸131および関節軸141の組付けが、樹脂同士の部材であることを利用したスナップ結合により行われるので、ローラ軸131および関節軸141の組付け性および取外し性が向上して、ローラ組立体A、ひいては仕分装置100の組立性およびメンテナンス性を向上させることができる。
【0066】
ローラ軸131および関節軸141のそれぞれが、ローラ軸131および関節軸141に共用の軸部品Tであることにより、ローラ軸131および関節軸141が同一の軸部品Tであるので、ローラ軸131および関節軸141が別個の軸部品である場合に比べて、ローラ組立体Aのコストが削減されることで仕分装置100のコストを削減することができ、しかもローラ組立体Aの組立性およびメンテナンス性を向上させることができる。
【0067】
回動体140が、保持フレーム191,192に設けられた挿通孔198に挿通されて保持フレーム191,192に回動可能に支持される回動支持軸146を有し、回動支持軸146のほぼ全体が、保持フレーム191,192内に収容されていることにより、ローラ組立体Aの回動支持軸146は保持フレーム191,192自体により回動可能に支持されるので、ローラ組立体Aが組み付けられる保持フレーム191,192が回動支持軸146を回動可能に支持する軸受ホルダを兼ねるので、回動支持軸146を支持するための専用の軸受ホルダが不要になるため、および回動支持軸146のほぼ全体が保持フレーム191,192内に収容されるため、回動支持軸146の軸長の短縮化が可能になり、ローラ組立体Aを軽量化すること、および上下方向で小型化することができ、ひいては仕分装置100を上下方向で小型化することができる。
【0068】
回動支持軸146が保持フレーム191,192にスナップ結合により結合されていることにより、保持フレーム191,192に対するローラ組立体Aの組付けおよび取外しが容易になるので、仕分装置100の組立性およびメンテナンス性を向上させることができる。
【0069】
ユニットローラ群G、ローラ支持台A1、ラインシャフト171、回動駆動機構150150およびユニット支持体190が1つのローラユニットUを構成し、該ローラユニットUは、ユニット支持体190が機台110に対して着脱されることにより、機台110に対して着脱可能であることにより、ユニットローラ群G、ローラ支持台A1、ラインシャフト171、回動駆動機構150を、ローラユニットU単位で、機台110に対して着脱できる。
この結果、機台110へのユニットローラ群G、ローラ支持台A1、ラインシャフト171、回動駆動機構150の組付けが容易化されるので、仕分装置100の組立性を向上させることができる。また、メンテナンス時には、機台110からのユニットローラ群G、ローラ支持台A1、ラインシャフト171、回動駆動機構150の取外しが容易化されるので、仕分装置100のメンテナンス性を向上させることができる。
さらに、ローラユニットU単位の交換により、ローラ120の配列形態の多様化が容易になる。また、ローラ120やローラ支持台A1などに不具合が発生した場合には、不具合の発生した部品を含むローラユニットUと正常なローラユニットUとの交換が容易であることにより、仕分装置100の稼働率の向上が可能になる。
【0070】
以下、前述した実施例の一部の構成を変更した実施例について、変更した構成に関して説明する。
ローラ軸131と関節軸141とは、異なる軸部品により構成されてもよい。また、回動体140の1対の支持壁143,144がローラ支持体130の1対の支持壁133,134の外側に配置されてもよく、この場合に、関節軸141は、1つの支持壁144にフランジT1が当接した状態で、各支持壁133,134,143,144を貫通して、1つの支持壁143にスナップ結合されることになる。
水平軸線Lhは、鉛直方向に直交する方向に平行でなくてもよく、垂直軸線Lvは、鉛直方向に平行でなくてもよい。
ローラ120のコア部122が、金属の代わりに樹脂で形成されることにより、ローラ組立体Aが一層軽量化される。
ローラ支持台A1が、回転駆動機構としての電動モータを搭載するものであってもよい。
【符号の説明】
【0071】
100・・・仕分装置
120・・・ローラ
130・・・ローラ支持体
131・・・ローラ軸
132・・・支持体本体
140・・・回動体
141・・・関節軸
142・・・回動体本体
146・・・回動支持軸
148・・・抜止め部
150・・・回動駆動機構
170・・・回転駆動機構
191,192・・・保持フレーム
A ・・・ローラ組立体
T ・・・軸部品
T2・・・抜止め部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転することにより物品を搬送する搬送用ローラと前記ローラを水平軸線回りに回転可能に支持するローラ支持体と前記ローラ支持体を支持するとともに垂直軸線回りに回動可能な回動体とを有する複数のローラ組立体と、前記ローラを前記水平軸線回りに回転させる回転駆動機構と、前記回動体を前記垂直軸線回りに回動させる回動駆動機構と、前記ローラ組立体が組み付けられる保持部材とを備え、前記ローラおよび前記ローラ支持体が前記回動体とともに回動することにより前記ローラによる搬送方向が転向される搬送装置において、
前記ローラ支持体および前記回動体が樹脂により形成されていることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記ローラ支持体が、前記ローラを前記ローラ支持体に対して回転可能とするためのローラ軸と、前記ローラ軸を支持する支持体本体とを有し、
前記回動体が、前記ローラ支持体を前記回動体に対して揺動可能とするための関節軸と、前記関節軸を支持する回動体本体とを有し、
前記支持体本体、前記ローラ軸、前記回動体本体および前記関節軸が、前記樹脂で形成され、
前記ローラ軸が前記支持体本体に、前記関節軸が前記支持体本体または前記回動体本体に、それぞれスナップ結合により組み付けられていることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記ローラ軸および前記関節軸のそれぞれが、前記ローラ軸および前記関節軸に共用の軸部品であることを特徴とする請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記回動体が、前記保持部材に設けられた挿通孔に挿通されて前記保持部材に回動可能に支持される回動支持軸を有し、
前記回動支持軸のほぼ全体が、前記保持部材内に収容されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の搬送装置。
【請求項5】
前記回動支持軸が前記保持部材にスナップ結合により結合されていることを特徴とする請求項4に記載の搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−250824(P2012−250824A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125638(P2011−125638)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(000003355)株式会社椿本チエイン (861)
【Fターム(参考)】