説明

ローラ部材、並びに、当該ローラ部材を用いる画像形成ユニット及び画像形成装置

【課題】ローラ部材が小径化されることにより、中央部の接触圧と端部の接触圧との差が増大するため、円滑に回転しない場合があった。
【解決手段】円筒状に形成され、支持部材108,109によって回転可能に支持されるローラ部材100であって、回転の中心となる芯材101と、芯材の軸方向の外周を覆うように形成された弾性部材102と、芯材の軸方向中央部の外周を覆うように、芯材と弾性部材との間に挿入された中空材103とを有しており、中空材は、軸方向の長さが、弾性部材の軸方向の長さよりも短く形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸方向における略中央となる部分(以下、「中央部」と称する)の接触圧と軸方向における端となる部分(以下、「端部」と称する)の接触圧との差を低減するローラ部材、並びに、当該ローラ部材を用いる画像形成ユニット及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真プロセスによって画像を形成する画像形成装置は、画像形成ユニットが脱着可能に設けられている。画像形成ユニットは、転写媒体に転写する画像を形成するユニットである。なお、「転写媒体」とは、画像形成ユニットに内蔵された感光体ドラムの表面に形成された現像剤像であるトナー像が転写される媒体を意味しており、印刷用紙及び転写ベルトを指している。画像形成ユニットは、一般に、トナー貯蔵容器、トナー供給ローラ、感光体ドラム、帯電ローラ、現像ローラ、クリーニングブレード等の構成要素が一体化されている。ただし、画像形成ユニットの中には、トナー貯蔵容器が着脱可能に設けられたものもある。
【0003】
トナー貯蔵容器は、現像剤であるトナーを貯蔵する容器である。トナー貯蔵容器は、一般に、感光体ドラムの斜め上方の位置に設けられている。
トナー供給ローラ(以下、「供給ローラ」と称する)は、トナー貯蔵容器に貯蔵されたトナーを現像ローラに供給する構成要素である。供給ローラは、トナー貯蔵容器の下方に、現像ローラと当接するように設けられている。
感光体ドラムは、像担持体として機能する構成要素である。感光体ドラムの周囲には、帯電ローラ、現像ローラ、及びクリーニングブレードが、感光体ドラムと当接するように、設けられている。また、感光体ドラムの周囲には、露光ヘッドが設けられている。この露光ヘッドは、感光体ドラムの表面を選択的に露光する露光部として機能する構成要素である。露光ヘッドは、帯電ローラと現像ローラとの間に、設けられている。
【0004】
帯電ローラは、感光体ドラムの表面を一様に帯電させる帯電部として機能する構成要素である。
現像ローラは、トナーを感光体ドラムに付着させて、感光体ドラムの表面に形成された静電潜像を顕像化する現像部として機能する構成要素である。
クリーニングブレードは、感光体ドラムに付着したトナーを除去する構成要素である。
【0005】
画像形成装置は、画像形成時に、帯電ローラによって、感光体ドラムの表面を一様に帯電させた後、露光ヘッドによって、画像情報に応じて、一様に帯電させられた感光体ドラムの表面の感光層を選択的に露光する。このとき、感光体ドラムの感光層のうち、露光された部分は帯電電荷が除去され、露光されなかった部分は帯電電荷が残存して静電潜像となる。一方、画像形成装置は、トナー貯蔵容器に貯蔵された現像剤であるトナーを現像ローラに供給する。これにより、現像ローラは、表面にトナーが付着した現像剤担持体となる。画像形成装置は、現像ローラの表面に付着したトナーを、感光体ドラムの表面に形成された静電潜像に付着させる。これにより、画像形成装置は、感光体ドラムの表面に現像剤像であるトナー像を形成する。
【0006】
この後、画像形成装置は、転写機構によって、感光体ドラムの表面に形成されたトナー像を、印刷媒体に転写し、さらに、定着機構によって、印刷媒体を加熱及び加圧して、印刷媒体に転写されたトナー像を溶融させて、トナー像を印刷媒体に定着させる。また、画像形成装置は、クリーニングブレードによって、感光体ドラムの表面に残存するトナーを除去する。
【0007】
ところで、画像形成装置は、多数のローラ部材が用いられている。
ローラ部材は、一般に、金属シャフトと弾性部材とを有する構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
金属シャフトは、回転の中心となる芯材として機能する。以下、金属シャフトを「芯材」と称する。
一方、弾性部材は、当接する他の部材との間に発生する接触圧を緩衝する弾性層として機能する。以下、弾性部材を「弾性層」と称する。弾性層は、芯材の外周を覆うように形成されている。弾性層は、例えば、ウレタンゴム、NBR(Acrylonitrile−butadiene Rubber;アクリロニトリル・ブタジエン・ゴム)、EPDM(Ethylene−propylene diene monomer;エチレン・プロピレン・ゴム)、シリコーンゴム等の材料によって構成されている。弾性層は、その弾性により、当接する他の部材が食い込む。
【0008】
このようなローラ部材は、画像形成装置の中では、例えば、画像形成ユニットの現像ローラ、帯電ローラ及び供給ローラ、転写機構の転写ローラ、定着機構の定着ローラ及びその定着ローラに対向して設けられたローラ(以下、「対向ローラ」と称する)、その他に用いられている。
【0009】
これらのローラ部材(以下、「従来のローラ部材」と称する)は、近年の画像形成ユニットや画像形成装置の小型化及び軽量化により、小径化する傾向にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2005−148470
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、小径化された従来のローラ部材は、以下に説明するように、中央部の接触圧と端部の接触圧との差が増大するため、円滑に回転しない場合がある、という課題があった。なお、「中央部の接触圧」とは、ローラ部材の中央部において、ローラ部材と当接する他の部材との間に発生する接触圧を意味している。また、「端部の接触圧」とは、ローラ部材の端部において、ローラ部材と当接する他の部材との間に発生する接触圧を意味している。
【0012】
具体的には、近年、画像形成ユニットや画像形成装置は、小型化及び軽量化が求められている。そのため、画像形成ユニットや画像形成装置に用いられているローラ部材は、小径化する傾向にある。
しかしながら、ローラ部材は、小径化すると、剛性が低くなる。そのため、小径化されたローラ部材は、当接する他の部材が弾性層に食い込むと、これにより、中央部が大きく撓む。その結果、小径化されたローラ部材は、中央部の接触圧が低下し、これにより、中央部の接触圧と端部の接触圧との差が増大していた。ローラ部材は、中央部の接触圧と端部の接触圧との差が増大すると、回転が歪む。そのため、ローラ部材は、円滑に回転しない場合があった。
【0013】
また、このような小径化された従来のローラ部材を用いる画像形成ユニットや画像形成装置では、以下に説明するように、印字品位の低下や印刷媒体の搬送不良等の、様々な好ましくない現象が生じる、という課題があった。
【0014】
例えば、現像ローラが小径化された従来のローラ部材によって構成されている場合に、この現像ローラは、剛性が低いため、当接する感光体ドラムが弾性層に食い込む。これにより、この現像ローラは、中央部が大きく撓む。その結果、この現像ローラは、中央部の接触圧と端部の接触圧との差が増大して、回転が歪むため、感光体ドラムへの現像剤(トナー)の供給が不均一になる場合があった。
この場合に、感光体ドラムの表面に形成された現像剤像(トナー像)は、濃度の不均一な画素(ムラ)が発生するため、印字品位が低下していた。
【0015】
なお、このムラの発生を回避するために、現像ローラの中央部の接触圧が高くなるように、現像ローラと感光体ドラムとの間の付勢力を強めに設定することが、行われている。しかしながら、この設定では、現像ローラの端部の接触圧(当接する感光体ドラムへ与える接触圧)が過大になり、トナーが現像ローラの表面にこびり付く場合があった。
この場合にも、感光体ドラムの表面に形成されたトナー像は、ムラが発生するため、印字品位が低下していた。
【0016】
また、例えば、転写機構の転写ローラが小径化された従来のローラ部材によって構成されている場合に、この転写ローラは、剛性が低いため、当接する転写ベルトが弾性層に食い込む。これにより、この転写ローラは、中央部が大きく撓む。その結果、この転写ローラは、中央部の接触圧と端部の接触圧との差が増大して、回転が歪むため、感光体ドラムから、印刷媒体や転写ベルト等の転写媒体へのトナー像の転写が不均一になる場合があった。
この場合に、転写媒体に転写されたトナー像は、ムラが発生するため、印字品位が低下していた。
【0017】
また、例えば、定着機構の定着ローラ及び対向ローラの一方又は双方が小径化された従来のローラ部材によって構成されている場合に、定着ローラ及び対向ローラは、剛性が低いため、硬い方の部材が軟らかい方の部材の弾性層に食い込む。これにより、定着ローラ及び対向ローラの軟らかい方の部材は、中央部が大きく撓む。その結果、軟らかい方の部材は、中央部の接触圧と端部の接触圧との差が増大して、回転が歪むため、印刷媒体との接触圧が不均一になる場合があった。
これにより、印刷媒体の搬送不良が発生するときがあった。
【0018】
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、(1)中央部の接触圧と端部の接触圧との差を低減するローラ部材を提供すること、(2)このローラ部材を用いることにより、印字品位の低下を回避する画像形成ユニットを提供すること、(3)このローラ部材を用いることにより、印字品位の低下や印刷媒体の搬送不良の発生等を回避する画像形成装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記目的を達成するため、第1発明は、円筒状に形成され、支持部材によって回転可能に支持されるローラ部材であって、回転の中心となる芯材と、前記芯材の軸方向の外周を覆うように形成された弾性部材と、前記芯材の軸方向中央部の外周を覆うように、前記芯材と前記弾性部材との間に挿入された中空材とを有しており、前記中空材は、軸方向の長さが、前記弾性部材の軸方向の長さよりも短く形成されている構成とする。
このローラ部材は、中空材が、ローラ部材の中央部(軸方向における略中央となる部分)の剛性を補強する補強部材として機能する。
【0020】
また、第2発明は、現像剤を担持する現像剤担持体と、当該現像剤担持体から現像剤が供給されることにより、表面に現像剤像が形成される像担持体とを備え、当該現像剤担持体及び当該像担持体を支持部材によって回転可能に支持する画像形成ユニットであって、前記現像剤担持体は、第1発明のローラ部材によって形成されている構成とする。
【0021】
また、第3発明は、電子写真プロセスによって画像を印刷媒体に形成する画像形成装置であって、第1発明のローラ部材を、現像ローラ、転写ローラ、定着ローラ、及び、当該定着ローラと対向する対向ローラのいずれか1乃至複数に用いる構成とする。
【発明の効果】
【0022】
第1発明によれば、中空材によってローラ部材の中央部の剛性が補強されるため、中央部の接触圧と端部の接触圧との差を低減するローラ部材を提供することができる。また、第2発明によれば、このローラ部材を用いることにより、印字品位の低下を回避する画像形成ユニットを提供することができる。さらに、第3発明によれば、このローラ部材を用いることにより、印字品位の低下や印刷媒体の搬送不良の発生等を回避する画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施形態1に係るローラ部材の構成を示す図(1)である。
【図2】実施形態1に係るローラ部材の構成を示す図(2)である。
【図3】実施形態1に係るローラ部材を用いる画像形成装置の構成を示す図である。
【図4】実施形態1に係るローラ部材を用いる画像形成ユニットの構成を示す図である。
【図5】実施形態1に係るローラ部材の特性を示す図である。
【図6】実施形態2に係るローラ部材の構成を示す図である。
【図7】実施形態2に係るローラ部材の特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0025】
[実施形態1]
<ローラ部材の構成>
以下、図1及び図2を参照して、本実施形態1に係るローラ部材の構成につき説明する。図1及び図2は、それぞれ、本実施形態1に係るローラ部材の構成を示す図である。図1は、斜め方向から見たローラ部材の断面構成を示しており、図2は、正面方向から見たローラ部材の断面構成を示している。
【0026】
図1及び図2に示すように、本実施形態1に係るローラ部材100は、金属シャフト101と弾性層102と中空材103とを有する構成となっている。
【0027】
金属シャフト101は、回転の中心となる芯材として機能する。以下、金属シャフトを「芯材101」と称する。
【0028】
弾性層102は、弾性部材によって構成されており、当接する他の部材との接触圧を緩衝する。弾性層102は、芯材101の外周を覆うように形成されている。弾性層102は、例えば、ウレタンゴム、NBR(Acrylonitrile−butadiene Rubber;アクリロニトリル・ブタジエン・ゴム)、EPDM(Ethylene−propylene diene monomer;エチレン・プロピレン・ゴム)、シリコーンゴム等の材料によって構成されている。弾性層102は、その弾性により、当接する他の部材が食い込む。また、弾性層102は、軸方向の外径Drが均一に形成されている。すなわち、弾性層102は、円柱状に形成されている。したがって、弾性層102の厚さは、端部の方が中空材103の厚さ分だけ中央部よりも厚く形成されている。
【0029】
中空材103は、中空のパイプであり、ローラ部材100の中央部(軸方向における略中央となる部分)の剛性を補強する補強部材として機能する。中空材103は、芯材101と弾性層102との間で、芯材101の中央部の外周を覆うように形成されている。すなわち、中空材103は、内径が芯材101と当接し、外径が弾性層102と当接するように、ローラ部材100の中央部に形成されている。また、中空材103は、軸方向の長さが、弾性層102の軸方向の長さよりも短く形成されている。
【0030】
ローラ部材100は、芯材101の外径をDsとし、中空材103の外径をDpとし、弾性層102の外径をDrとすると、Ds<Dp<Drという関係を満たす。
また、ローラ部材100は、中空材103の軸方向長さをLpとし、弾性層102の軸方向長さをLrとすると、Lp<Lrという関係を満たす。
【0031】
ローラ部材100は、以下のようにして形成される。
すなわち、まず、中空材103が、芯材101の端部から、芯材101に嵌め込まれる。中空材103が芯材101の中央部に配置されると、次に、弾性層102が、芯材101及び中空材103を覆うように、型成型によって、形成される。なお、弾性層102は、均一な外径寸法Drとなるように、表面が加工される。このようにして、ローラ部材100は、形成される。
【0032】
このようなローラ部材100は、画像形成装置1(図3参照)の中では、例えば、画像形成ユニット11の現像ローラ31、帯電ローラ32及びトナー供給ローラ(以下、「供給ローラ」と称する)33、転写機構の転写ローラ24、定着ユニット20の定着ローラ25及びその定着ローラ25に対向して設けられたローラ(以下、「対向ローラ」と称する)26、その他に、用いることができる。
【0033】
なお、ローラ部材100は、例えば現像ローラ31(図3参照)として用いられる場合に、芯材101が導電性を有し、弾性層102が半導電性を有するように構成されていることが好ましい。また、ローラ部材100は、この場合に、現像ローラ31と感光体ドラム13とが離間しないように、当接する感光体ドラム13が弾性層102に所定の設定量だけ食い込む。
【0034】
<画像形成装置の構成>
以下、図3を参照して、本実施形態1に係るローラ部材を用いる画像形成装置の構成につき説明する。図3は、本実施形態1に係るローラ部材を用いる画像形成装置の構成を示す図である。ここでは、画像形成装置の一例として、黒(K),黄(Y),マゼンタ(M),シアン(C)の4色の電子写真方式のカラープリンタを例にして説明する。
【0035】
図3に示すように、画像形成装置1は、印刷媒体16の搬送経路に沿って、媒体トレイ15、分離ローラ17、搬送ローラ18、転写ベルト19を備えている。
【0036】
媒体トレイ15は、印刷媒体16を収納する構成要素である。
分離ローラ17は、媒体トレイ15内から印刷媒体16を1枚ずつ分離して繰り出す構成要素である。
搬送ローラ18は、印刷媒体16を搬送する構成要素である。搬送ローラ18は、媒体トレイ15から繰り出された印刷媒体16を後記する黒色の画像形成ユニット11Kまで搬送する。
転写ベルト19は、走行することにより、印刷媒体16を黒色の画像形成ユニット11Kから定着ユニット20まで搬送する構成要素である。転写ベルト19は、導電性の材料によって無端状に形成されており、2つ(又は、それ以上)のローラ部材によって張架されている。転写ベルト19は、カラーバランスの調整時に、各色の画像の濃度を検出するためのテストパターンが転写される。
【0037】
転写ベルト19の上には、画像形成ユニット11及び露光ヘッド14が設けられている。
画像形成ユニット11は、印刷媒体16や転写ベルト19等の転写媒体に転写する画像を形成するユニットである。画像形成ユニット11は、画像形成装置1に対して脱着可能に設けられている。
【0038】
画像形成ユニット11は、現像剤であるトナーの各色に対応して、複数設けられている。図示例では、画像形成ユニット11は、黒(K)、黄(Y)、マゼンタ(M)、及び、シアン(C)の各色に対応して、4つ設けられている。以下、各色に対応する構成要素を区別する場合に、対応する色を表す「K」、「Y」、「M」、又は、「C」を、構成要素を表す符号に付加して説明する。
【0039】
4つの画像形成ユニット11K,11Y,11M,11Cは、所定の間隔で、上流から下流に順に配置されている。したがって、図示例では、画像形成装置1は、タンデム型のプリンタとなっている。
また、4つの画像形成ユニット11K,11Y,11M,11Cは、それぞれ、後記する感光体ドラム13が転写ベルト19と当接するように、配置されている。したがって、図示例では、画像形成装置1は、感光体ドラム13の表面に形成されたトナー像を転写媒体に直接転写する直接印刷方式のプリンタとなっている。
画像形成ユニット11の具体的な構成については、後記する。
【0040】
露光ヘッド14は、画像形成ユニット11の後記する感光体ドラム13の表面を選択的に露光する露光部として機能する構成要素である。露光ヘッド14は、多数のLEDが配置された発光素子アレイ又はレーザ光源等によって構成されている。露光ヘッド14は、画像情報に応じて光を感光体ドラム13の表面に照射することによって、感光体ドラム13の表面に静電潜像を形成する。露光ヘッド14は、感光体ドラム13と対向するように、設けられる。したがって、図示例では、露光ヘッド14は、黒(K)、黄(Y)、マゼンタ(M)、及び、シアン(C)の各色の感光体ドラム13K,13Y,13M,13Cに対向して、4つ設けられている。
【0041】
また、転写ベルト19の内周には、転写ローラ24が設けられている。
転写ローラ24は、画像形成ユニット11の後記する感光体ドラム13の表面に形成されたトナー像を転写媒体に転写する構成要素である。転写ローラ24は、転写ベルト19を介して、感光体ドラム13と対向するように、設けられる。したがって、図示例では、転写ローラ24は、黒(K)、黄(Y)、マゼンタ(M)、及び、シアン(C)の各色の感光体ドラム13K,13Y,13M,13Cに対向して、4つ設けられている。
【0042】
転写ローラ24は、感光体ドラム13とともに、転写媒体を挟み込み、図示せぬ電圧印加部からトナー像と逆の極性の転写電圧が印加されることによって、感光体ドラム13上に形成されたトナー像を転写媒体に転写させる。
【0043】
また、転写ベルト19の下流側には、定着ユニット20が設けられている。
定着ユニット20は、印刷媒体16を加熱及び加圧して、印刷媒体16に転写されたトナー像を溶融させて、トナー像を印刷媒体16に定着させる定着処理を行うユニットである。
【0044】
定着ユニット20は、定着ローラ25、及び対向ローラ26を有している。
定着ローラ25は、トナー像を加熱する構成要素である。定着ローラ25は、内部又は周囲に図示せぬ定着熱発生手段を有している。
対向ローラ26は、定着ローラ25との間で印刷媒体16を挟み込む構成要素である。対向ローラ26は、定着ローラ25と対向して設けられている。
定着ローラ25及び対向ローラ26の一方又は双方は、図示せぬ付勢手段によって、互いが密着するように、付勢されている。
定着ローラ25及び対向ローラ26は、印刷媒体16を挟み込み、印刷媒体16を加熱しながら加圧することによって、印刷媒体16に転写されたトナー像を溶融させて、トナー像を印刷媒体16に定着させる。
【0045】
定着ユニット20の下流側には、排出ローラ21,22、及びスタッカ23が設けられている。
排出ローラ21は、定着ユニット20によって定着処理された印刷媒体16を、定着ユニット20から下流へ向けて搬送する構成要素である。
排出ローラ22は、排出ローラ21によって搬送された印刷媒体16を、さらに、スタッカ23に向けて搬送する構成要素である。
スタッカ23は、定着処理された印刷媒体16を集積する構成要素である。スタッカ23は、通常、画像形成装置1の外部に設けられている。
【0046】
<画像形成ユニットの構成>
以下、図4を参照して、本実施形態1に係るローラ部材を用いる画像形成ユニットの構成につき説明する。図4は、本実施形態1に係るローラ部材を用いる画像形成ユニットの構成を示す図である。
【0047】
各画像形成ユニット11は、内部に異なる色のトナーを収容する以外は、同様の構成となっている。
図4に示すように、各画像形成ユニット11は、それぞれ、トナー貯蔵容器30、トナー供給ローラ33、感光体ドラム13、帯電ローラ32、現像ローラ31、クリーニングブレード39等を有している。
【0048】
トナー貯蔵容器30は、現像剤であるトナー35を貯蔵する容器である。トナー貯蔵容器30は、一般に、感光体ドラム13の斜め上方の位置に設けられている。
【0049】
トナー供給ローラ(以下、「供給ローラ」と称する)33は、トナー貯蔵容器30に貯蔵されたトナー35を現像ローラ31に供給する構成要素である。供給ローラ33は、トナー貯蔵容器30の下方に、現像ローラ31と当接するように設けられている。
【0050】
感光体ドラム13は、像担持体として機能する構成要素である。感光体ドラム13は、アルミニウム等の導電材料からなる基体と有機感光体からなる感光層とによって構成されている。
感光体ドラム13の周囲には、帯電ローラ32、現像ローラ31、及びクリーニングブレード39が、感光体ドラム13と当接するように、設けられている。
【0051】
帯電ローラ32は、感光体ドラム13の表面を一様に帯電させる帯電部として機能する構成要素である。感光体ドラム13は、この帯電ローラ32によって、表面が一様に帯電させられる。帯電ローラ32は、図示せぬ電圧印加部から帯電電圧が印加されることによって、感光体ドラム13を帯電させる。
【0052】
なお、帯電ローラ32と現像ローラ31との間には、露光ヘッド14が設けられている。露光ヘッド14は、画像情報に応じて、一様に帯電させられた帯電ローラ32の表面の感光層(図示せず)に光を照射して、感光体ドラム13の表面を選択的に露光する。これにより、露光ヘッド14は、感光体ドラム13の表面に静電潜像を形成する。
【0053】
現像ローラ31は、トナー35を感光体ドラム13に付着させて、感光体ドラム13の表面に形成された静電潜像を顕像化する現像部として機能する構成要素である。現像ローラ31は、図示せぬ電圧印加部から現像電圧が印加されることによって、トナーを静電潜像に付着させて、トナー像を形成する。これにより、静電潜像は、可視化される。
【0054】
クリーニングブレード39は、感光体ドラム13に付着したトナー35を除去する構成要素である。クリーニングブレード39は、端部が感光体ドラム13と当接し、感光体ドラム13に付着したトナー35を掻き取る。クリーニングブレード39の周囲には、廃トナー搬送部材40が設けられている。廃トナー搬送部材40は、クリーニングブレード39によって掻き取られたトナー(以下、「廃トナー」と称する)を画像形成ユニット11の外部に搬送する構成要素である。
【0055】
なお、トナー貯蔵容器30の内部には、撹拌搬送部材50が設けられており、さらに、トナー貯蔵容器30の下部には、トナーホッパー37、撹拌部材38、及び現像ブレード34が設けられている。
撹拌搬送部材50は、トナー貯蔵容器30に貯蔵されたトナー35を撹拌してトナー35の凝集を防止するとともに、トナー35をトナー貯蔵容器30の供給口36からトナーホッパー37に供給する構成要素である。
トナーホッパー37は、供給口36から供給されるトナー35を一時貯蔵する貯蔵部である。
撹拌部材38は、トナーホッパー37に貯蔵されたトナー35を撹拌してトナー35の凝集を防止する構成要素である。
現像ブレード34は、現像ローラ31に供給されたトナー35を薄層状に形成する構成要素である。現像ブレード34は、現像ローラ31と当接するように、設けられている。
【0056】
<画像形成装置及び画像形成ユニットの動作>
画像形成装置1及び画像形成ユニット11は、以下のように動作する。
【0057】
図3に示す画像形成装置1は、図示せぬ外部装置から印字の指令を受信すると、分離ローラ17によって媒体トレイ15から印刷媒体16を分離させ、搬送ローラ18によって転写ベルト19まで搬送する。このとき、画像形成装置1は、図示せぬ制御部が制御信号を各画像形成ユニット11に出力する。
【0058】
画像形成ユニット11は、任意のタイミングで、図示せぬ駆動源によって撹拌搬送部材50をR50の方向に回転させる。これによって、画像形成ユニット11は、トナー貯蔵容器30に貯蔵されたトナー35を撹拌してトナー35の凝集を防止するとともに、トナー貯蔵容器30に貯蔵されたトナー35を、供給口36からトナーホッパー37に供給する。これにより、トナー35が、トナーホッパー37に一時貯蔵される。そして、画像形成ユニット11は、任意のタイミングで、図示せぬ駆動源によって撹拌部材38を任意の方向に回転させる。これによって、画像形成ユニット11は、トナーホッパー37に一時貯蔵されたトナー35を撹拌してトナー35の凝集を防止する。
【0059】
各画像形成ユニット11は、画像形成装置1の図示せぬ制御部から制御信号が入力されると、これに応答して、図示せぬ駆動源によって供給ローラ33をR33の方向に回転させるとともに、図示せぬ駆動源によって現像ローラ31をR31の方向に回転させて、トナーホッパー37に一時貯蔵されたトナー35を現像ローラ31に供給する。これにより、現像ローラ31は、表面にトナー35が付着した現像剤担持体となる。なお、現像ローラ31に供給されたトナー35は、現像ブレード34によって薄層状に形成されるとともに、帯電させられる。
【0060】
また、画像形成ユニット11は、図示せぬ駆動源によって感光体ドラム13をR13の方向に回転させながら、帯電ローラ32によって感光体ドラム13の表面を一様に帯電させ、さらに、画像情報に応じて、露光ヘッド14によって一様に帯電させられた感光体ドラム13の表面の感光層を選択的に露光する。このとき、感光体ドラム13の感光層のうち、露光された部分は、帯電電荷が除去されて、電位が0V付近まで低下する。一方、感光体ドラム13の感光層のうち、露光されなかった部分は、帯電電荷が残存して静電潜像となる。
【0061】
この後、画像形成ユニット11は、現像ローラ31の表面に付着したトナー35を、感光体ドラム13の表面に形成された静電潜像に付着させる。すなわち、画像形成ユニット11は、感光体ドラム13をさらにR31の方向に回転させて、現像ローラ31と感光体ドラム13の表面に形成された静電潜像とを接触させ、現像ローラ31の表面に付着したトナー35を静電潜像の上に移動させる。これにより、画像形成ユニット11は、感光体ドラム13の表面にトナー像を形成する。
【0062】
この後、画像形成装置1は、転写ローラ24(図3参照)によって、感光体ドラム13の表面に形成されたトナー像を転写媒体に転写させる。なお、画像形成装置1は、トナー像を印刷媒体16に転写させた場合に、定着ユニット20によって、トナー像を印刷媒体16に定着させたのち、排出ローラ21,22によって、印刷媒体16をスタッカ23まで搬送してスタッカ23上に集積する。また、画像形成装置1は、トナー像を転写ベルト19に転写させた場合に、図示せぬ濃度検出機構によって濃度を検出した後、図示せぬクリーニング機構によってトナー像を転写ベルト19から除去する。
【0063】
画像形成ユニット11は、感光体ドラム13の表面に形成されたトナー像が転写媒体に転写されると、クリーニングブレード39によって、感光体ドラム13の表面に残存しているトナー35を掻き取り、廃トナー搬送部材40によって、廃トナーを画像形成ユニット11の外部に排出する。
【0064】
<ローラ部材の特性>
ローラ部材100は、小径化すると、剛性が低くなる。そのため、小径化されたローラ部材100は、当接する他の部材が弾性層102(図1参照)に食い込むと、これにより、中央部(軸方向における略中央となる部分)が撓む。
例えば、図3及び図4に示す現像ローラ31は、感光体ドラム13よりも軟らかい。そのため、現像ローラ31は、感光体ドラム13が食い込み、これによって、中央部が撓む。また、例えば、図3及び図4に示す供給ローラ33は、現像ローラ31よりも軟らかい。そのため、供給ローラ33は、現像ローラ31が食い込み、これによって、中央部が撓む。
【0065】
しかしながら、ローラ部材100は、中空材103(図1参照)によって、中央部の剛性が補強されている。そのため、ローラ部材100は、中央部における撓みが、例えば特許文献1に開示されているような、中空材103が設けられていない従来のローラ部材よりも、低減されている。
【0066】
以下、図5を参照して、本実施形態1に係るローラ部材100の特性につき説明する。ここでは、ローラ部材100が現像ローラ31として用いられている場合を例にして説明する。図5は、本実施形態1に係るローラ部材の特性を示す図である。
【0067】
なお、本実施形態1では、現像ローラ31として用いられているローラ部材100は、芯材101と中空材103とが、同じ金属材料によって構成されている。ここでは、芯材101と中空材103とは、例えば、ステンレス鋼(SUS304)によって構成されているものとして説明する。
【0068】
図5(a)は、現像ローラ31として用いられているローラ部材100に、撓みが発生している状態を模式的に示している。
【0069】
図5(a)に示すように、現像ローラ31として用いられているローラ部材100(以下、単に「ローラ部材100」と称する)及び感光体ドラム13は、画像形成ユニット11(図3及び図4参照)の筐体を構成する側面プレート108,109を支持部材とし、互いが平行になるように、この側面プレート108,109に取り付けられる。
【0070】
具体的には、側面プレート108,109は、それぞれ、ローラ部材100の回転の中心となる芯材101及び感光体ドラム13の回転の中心となるドラムシャフト107を支持するように、ローラ部材100及び感光体ドラム13の軸方向における両端部に設けられている。
【0071】
側面プレート108,109は、それぞれ、互いの対向する面に、溝108a,109aが設けられている。溝108a,109aは、ローラ部材100の芯材101が挿入される構成要素である。溝108a,109aの内部には、コイルスプリング110が設けられている。コイルスプリング110は、ローラ部材100の芯材101が溝108a,109aに挿入されると、ローラ部材100の芯材101と当接し、付勢力Fでローラ部材100を感光体ドラム13側に付勢する。また、コイルスプリング110は、ローラ部材100が溝108a,109aに沿って摺動可能でかつ回転自在な状態となるように、ローラ部材100を支持する。
【0072】
また、側面プレート108,109には、感光体ドラム13の回転の中心となるドラムシャフト107が嵌め込まれる円形の孔が形成されている。側面プレート108,109は、感光体ドラム13のドラムシャフト107がこの孔に嵌め込まれると、感光体ドラム13を回転自在に支持する。
【0073】
ローラ部材100の弾性層102と感光体ドラム13とは、ローラ部材100がコイルスプリング110によって感光体ドラム13側に付勢されているため、当接する。
このとき、ローラ部材100は、感光体ドラム13よりも軟らかいため、感光体ドラム13による食い込み102aが発生する。これによって、ローラ部材100は、中央部が撓む。
【0074】
なお、ここでは、食い込み102aは、ローラ部材100がコイルスプリング110からの付勢力Fによって感光体ドラム13側に付勢されることによって、発生するものとして説明している。しかしながら、食い込み102aは、例えば、ローラ部材100の芯材101が嵌め込まれる孔と感光体ドラム13のドラムシャフト107が嵌め込まれる孔とを、双方の孔の距離がローラ部材100の外径の半径と感光体ドラム13の外径の半径との合計値よりも小さくなるように、側面プレート108a,109aに設け、ローラ部材100の芯材101と感光体ドラム13のドラムシャフト107とをこれらの孔に嵌め込むことによっても、発生させることができる。
【0075】
図5(b)は、横軸を軸方向位置Lとし、縦軸を接触圧Pとして、ローラ部材100の軸方向における接触圧の分布を示している。
【0076】
図5(b)中、グラフ線200aは、現像ローラ31として、従来のローラ部材(すなわち、特許文献1に開示されているような、中空材103(図1及び図5(a)参照)が設けられていないローラ部材)を用い、かつ、この従来のローラ部材を所定の付勢力F(図5(a)参照)で付勢した場合の、軸方向における接触圧の変化を示している。
【0077】
また、グラフ線201aは、現像ローラ31として、本実施形態1に係るローラ部材100を用い、かつ、このローラ部材100を所定の付勢力Fで付勢した場合の、軸方向における接触圧の変化を示している。
【0078】
また、グラフ線201bは、現像ローラ31として、本実施形態1に係るローラ部材100を用い、かつ、このローラ部材100を所定の付勢力Fよりも弱い付勢力f(図示せず)で付勢した場合の、軸方向における接触圧の変化を示している。
【0079】
現像ローラ31は、コイルスプリング110(図5(a)参照)の付勢力によって、感光体ドラム13との間に接触圧が発生し、これによって、感光体ドラム13が弾性層102に食い込む。
【0080】
このとき、グラフ線200aとして示すように、現像ローラ31として従来のローラ部材を用いた場合に、現像ローラ31は、感光体ドラム13が弾性層102に食い込むと、中央部の剛性が低いため、中央部が大きく撓む。そのため、この場合に、現像ローラ31は、中央部の接触圧と端部の接触圧との間に、大きな差が発生する。
【0081】
しかしながら、グラフ線201aとして示すように、現像ローラ31として本実施形態1に係るローラ部材100を用いた場合に、現像ローラ31は、感光体ドラム13が弾性層102に食い込んでも、中央部の剛性が従来のローラ部材よりも高いため、現像ローラ31として従来のローラ部材を用いた場合よりも、中央部が小さくしか撓まない。そのため、この場合に、現像ローラ31は、中央部の接触圧と端部の接触圧との間に、小さな差しか発生しない。
したがって、現像ローラ31は、現像ローラ31として本実施形態1に係るローラ部材100を用いた場合の方が現像ローラ31として従来のローラ部材を用いた場合よりも、中央部の接触圧と端部の接触圧との差が低減される。
【0082】
このような本実施形態1に係るローラ部材100は、中央部の剛性が従来のローラ部材よりも高い。そのため、ローラ部材100は、中央部の接触圧と端部の接触圧との差を従来のローラ部材よりも低減することができる。
【0083】
また、ローラ部材100は、中央部の撓みが少ないため、付勢力F(図5(a)参照)を小さく抑えても、当接する部材(ここでは、感光体ドラム13)に対して、十分な接触圧を与えることができる。そのため、グラフ線201bとして示すように、ローラ部材100は、コイルスプリング110が所定の付勢力Fよりも弱い付勢力f(図示せず)でローラ部材100を付勢した場合であっても、コイルスプリング110が所定の付勢力Fで従来のローラ部材を付勢した場合よりも、中央部の接触圧を高くすることができる。
【0084】
このようなローラ部材100は、付勢力Fを小さく抑えることができるため、端部の接触圧が低減される。ローラ部材100は、端部の接触圧が低減されると、全体的な接触圧も低減され、その結果、回転負荷トルクが低減される。これにより、ローラ部材100は、円滑な回転が可能になる。また、ローラ部材100は、トナー35へのダメージの低減等を図ることができ、これにより、トナー35の現像ローラ31へのこびり付きを回避することができる。その結果、ローラ部材100は、印字品位を向上させることができる。
【0085】
なお、ローラ部材100は、従来のローラ部材よりも、部品の数が増えている。しかしながら、ローラ部材100は、以下に説明するように、従来のローラ部材よりもコストを低く抑えることができる。
例えば、従来のローラ部材でローラ部材100と同様の効果を得るために、従来のローラ部材の芯材の端部を小径化することが、想定される。しかしながら、この場合に、芯材の端部を小径化するための手間がかかる。そのため、従来のローラ部材は、ローラ部材100よりも、コストが高くなる。したがって、ローラ部材100は、従来のローラ部材よりも部品の数が増えているものの、従来のローラ部材よりもコストを低く抑えることができる。
【0086】
以上の通り、本実施形態1に係るローラ部材100によれば、小径化された場合であっても、中央部の接触圧と端部の接触圧との差を低減することができる。
このようなローラ部材100によれば、回転の歪みを低減若しくは解消すること、円滑な回転を実現すること、及び、全体的な接触圧の均一化を図ることができる。
【0087】
さらに、ローラ部材100によれば、コイルスプリング110による付勢力Fを従来のローラ部材よりも小さく抑えることができるため、端部の接触圧が低減される。そのため、ローラ部材100によれば、円滑な回転が可能になる。また、ローラ部材100によれば、トナー35へのダメージの低減等を図ることができ、トナー35の現像ローラ31へのこびり付きを回避することができる。その結果、ローラ部材100によれば、印字品位を向上させることができる。
【0088】
また、画像形成装置1又は画像形成ユニット11によれば、ローラ部材100を現像ローラ31として用いた場合に、感光体ドラム13へのトナー35の供給が不均一になること、すなわち、感光体ドラム13の表面に形成されたトナー像にムラが発生することを抑制することができる。これにより、印字品位の低下を回避すること、すなわち、印字品位を向上させることができる。
【0089】
また、画像形成装置1によれば、ローラ部材100を転写ローラ24として用いた場合に、感光体ドラム13から、印刷媒体16や転写ベルト19等の転写媒体へのトナー像の転写が不均一になること、すなわち、転写媒体に転写されたトナー像にムラが発生することを抑制することができる。これにより、印字品位の低下を回避することができる。
【0090】
また、画像形成装置1によれば、ローラ部材100を、搬送系のローラ(例えば、定着ローラ25及び対向ローラ26の一方又は双方、分離ローラ17、搬送ローラ18、排出ローラ21,22等)として用いた場合に、ローラ部材100と印刷媒体16との間に、十分な接触圧を発生することができるとともに、その接触圧が不均一になることを抑制することができる。これにより、印刷媒体の搬送不良の発生を回避することができる。
【0091】
[実施形態2]
従来のローラ部材は、環境温度が低下すると、弾性層の材料硬度が上昇するとともに、弾性層が収縮する。同様に、実施形態1のローラ部材100も、環境温度が低下すると、弾性層102の材料硬度が上昇するとともに、弾性層102が収縮する。そのため、従来のローラ部材及び実施形態1のローラ部材100は、環境温度が低下すると、中央部の接触圧が著しく低下する。
そこで、本実施形態2は、環境温度が低下した場合であっても、中央部の接触圧の低下を低減するローラ部材を提供することを目的とする。
【0092】
<ローラ部材の構成>
以下、図6を参照して、本実施形態2に係るローラ部材の構成につき説明する。図6は、本実施形態2に係るローラ部材の構成を示す図である。図6(a)は、正面方向から見た本実施形態2に係るローラ部材100aの断面構成を示しており、図6(b)は、環境温度が低下した結果、ローラ部材100aの弾性層102が収縮した状態を示している。
【0093】
図6(a)に示すように、本実施形態2に係るローラ部材100aは、実施形態1に係るローラ部材100と同様の構成となっている。ただし、ローラ部材100aは、中空材103aの熱膨張率(線膨張係数)をαpとし、芯材101の熱膨張率をαsとすると、αp<αsという関係を満たすように、中空材103aと芯材101とが異なる材料によって構成されている。
【0094】
具体的には、実施形態1に係るローラ部材100は、中空材103と芯材101とが同じ金属材料であるステンレス鋼(SUS304)によって構成されている。そのため、ローラ部材100は、中空材103の熱膨張率が芯材101の熱膨張率と同じになっている。
【0095】
これに対して、本実施形態2に係るローラ部材100aは、αp<αsという関係を満たすように、すなわち、中空材103aの熱膨張率αpが芯材101の熱膨張率αsよりも小さくなるという関係を満たすように、中空材103aと芯材101とが異なる金属材料によって構成されている。
このような関係を満たす金属材料の組み合わせとしては、例えば、チタン合金とステンレス鋼(SUS304)との組み合わせがある。
【0096】
したがって、本実施形態2に係るローラ部材100aは、例えば、中空材103aがチタン合金によって構成され、芯材101がステンレス鋼(SUS304)によって構成されている。ただし、中空材103aと芯材101とは、この組み合わせに限らず、αp<αsという関係を満たす金属材料の組み合わせであれば、他の組み合わせにすることも可能である。
【0097】
なお、ローラ部材100aの弾性層102は、実施形態1と同様に、例えば、ウレタンゴム、NBR(Acrylonitrile−butadiene Rubber;アクリロニトリル・ブタジエン・ゴム)、EPDM(Ethylene−propylene diene monomer;エチレン・プロピレン・ゴム)、シリコーンゴム等の材料によって構成される。
【0098】
図6(b)に示すように、ローラ部材100aは、環境温度が低下することにより、特に弾性層102が大きく収縮する。
弾性層102の厚さは、端部の方が中央部よりも厚い。そのため、弾性層102の収縮量は、端部の方が中央部よりも大きくなる。その結果、弾性層102の形状は、テーパ状、すなわち、端部の外径が中央部の外径よりも小さな形状となる。したがって、弾性層102の形状は、端部の外径をDreとし、中央部の外径をDrcとすると、Dre<Drcという関係となる。
【0099】
なお、ローラ部材100aの形状は、芯材101の外径をDsとし、中空材103aの外径をDpとすると、Ds<Dp<Dre<Drcという関係及びDs<Dre<Dp<Drcという関係のいずれか一方となる。
また、ローラ部材100aの形状は、中空材103aの軸方向長さをLpとし、弾性層102の軸方向長さをLrとすると、Lp<Lrという関係となる。
【0100】
<ローラ部材の作用>
実施形態1に係るローラ部材100は、中空材103の熱膨張率が芯材101の熱膨張率と同じになっている。そのため、ローラ部材100は、環境温度が低下した場合に、中空材103と芯材101とが同じ率で収縮する。
これに対して、本実施形態2に係るローラ部材100aは、中空材103aの熱膨張率αpが芯材101の熱膨張率αsよりも小さい。そのため、ローラ部材100aは、環境温度が低下した場合に、中空材103aが芯材101よりも小さな率でしか収縮しない。
【0101】
そのため、ローラ部材100aは、中央部の収縮量が実施形態1に係るローラ部材100よりも少なくなる。
したがって、ローラ部材100aは、低温時における中央部の接触圧の低下を実施形態1に係るローラ部材100よりも低減することができる。
【0102】
<ローラ部材の特性>
以下、図7を参照して、本実施形態2に係るローラ部材100aの特性につき説明する。ここでは、ローラ部材100aが現像ローラ31として用いられている場合を例にして説明する。図7は、本実施形態2に係るローラ部材の特性を示す図である。
【0103】
図7は、横軸を軸方向位置Lとし、縦軸を接触圧Pとして、従来のローラ部材、実施形態1のローラ部材100、及び本実施形態2のローラ部材100aの軸方向における接触圧の分布を示している。
【0104】
図7中、グラフ線200Aは、ある温度T1(以下、「高温T1(図示せず)」と称する)において、現像ローラ31として従来のローラ部材を用い、かつ、この従来のローラ部材を所定の付勢力F(図5(a)参照)で付勢した場合の、軸方向における接触圧の変化を示している。
【0105】
また、グラフ線200Bは、高温T1よりも低い温度T2(以下、「低温T2(図示せず)」と称する)において、現像ローラ31として従来のローラ部材を用い、かつ、この従来のローラ部材を所定の付勢力Fで付勢した場合の、軸方向における接触圧の変化を示している。
【0106】
また、グラフ線201Aは、高温T1において、現像ローラ31として実施形態1に係るローラ部材100を用い、かつ、このローラ部材100を所定の付勢力Fで付勢した場合の、軸方向における接触圧の変化を示している。
【0107】
また、グラフ線201Bは、低温T2において、現像ローラ31として実施形態1に係るローラ部材100を用い、かつ、このローラ部材100を所定の付勢力Fで付勢した場合の、軸方向における接触圧の変化を示している。
【0108】
また、グラフ線202Aは、高温T1において、現像ローラ31として本実施形態2に係るローラ部材100aを用い、かつ、このローラ部材100aを所定の付勢力Fで付勢した場合の、軸方向における接触圧の変化を示している。
【0109】
また、グラフ線202Bは、低温T2において、現像ローラ31として本実施形態2に係るローラ部材100aを用い、かつ、このローラ部材100aを所定の付勢力Fで付勢した場合の、軸方向における接触圧の変化を示している。
【0110】
また、グラフ線202Cは、低温T2において、現像ローラ31として本実施形態2に係るローラ部材100aを用い、かつ、このローラ部材100aを所定の付勢力Fよりも弱い付勢力f(図示せず)で付勢した場合の、軸方向における接触圧の変化を示している。
【0111】
現像ローラ31として従来のローラ部材を用い、かつ、この従来のローラ部材を所定の付勢力Fで付勢した場合に、高温T1における従来のローラ部材の接触圧は、グラフ線200Aとして示すように、変化する。
【0112】
従来のローラ部材は、環境温度が高温T1から低温T2に低下すると、特に弾性層が大きく収縮する。そのため、この場合に、低温T2における従来のローラ部材の接触圧は、グラフ線200Bとして示すように、変化する。したがって、従来のローラ部材の接触圧は、環境温度が低下すると、中央部の接触圧が大きく低下する。
【0113】
このような従来のローラ部材は、当接する部材(ここでは、感光体ドラム13(図3及び図4参照))に対して、十分な接触圧を与えることができない。
【0114】
ここで、現像ローラ31の剛性を高めるために、現像ローラ31として実施形態1に係るローラ部材100を用い、かつ、このローラ部材100を所定の付勢力Fで付勢するものとする。この場合に、高温T1におけるローラ部材100の接触圧は、グラフ線201Aとして示すように、変化する。また、この場合に、低温T2におけるローラ部材100の接触圧は、グラフ線201Bとして示すように、変化する。すなわち、ローラ部材100の接触圧は、環境温度が低下すると、中央部の接触圧が、従来のローラ部材の場合よりは高いものの、比較的大きく低下する。
【0115】
このようなローラ部材100は、当接する部材(ここでは、感光体ドラム13(図3及び図4参照))に対して、十分な接触圧を与えることができないときがある。
したがって、現像ローラ31は、中空材103(図1及び図2参照)によって剛性を高めても、環境温度が低下した場合に、中央部の接触圧が不足するときがある。
【0116】
そこで、低温T2における現像ローラ31の剛性を高めるために、現像ローラ31として本実施形態2に係るローラ部材100aを用い、かつ、このローラ部材100aを所定の付勢力Fで付勢するものとする。この場合に、高温T1におけるローラ部材100aの接触圧は、グラフ線202Aとして示すように、変化する。また、この場合に、低温T2におけるローラ部材100aの接触圧は、グラフ線202Bとして示すように、変化する。すなわち、ローラ部材100aの接触圧は、環境温度が低下すると、中央部の接触圧が実施形態1に係るローラ部材100の場合よりも高くなる。
したがって、現像ローラ31は、現像ローラ31としてローラ部材100aを用いることにより、低温T2における中央部の接触圧の低下が低減される。
【0117】
このようなローラ部材100aは、環境温度が低下しても、中央部の接触圧を十分に得ることができるとともに、中央部の接触圧と端部の接触圧との差を縮小することができる。
そのため、ローラ部材100aは、環境温度が低下しても、当接する部材(ここでは、感光体ドラム13(図3及び図4参照))に対して、十分な接触圧を与えることができる。
【0118】
なお、このようなローラ部材100aは、実施形態1に係るローラ部材100と同様に、付勢力F(図5(a)参照)を小さく抑えても、当接する部材(ここでは、感光体ドラム13)に対して、十分な接触圧を与えることができる。そのため、グラフ線202Cとして示すように、ローラ部材100aは、コイルスプリング110が所定の付勢力Fよりも弱い付勢力f(図示せず)でローラ部材100aを付勢した場合であっても、コイルスプリング110が所定の付勢力Fで従来のローラ部材を付勢した場合よりも、中央部の接触圧を高くすることができる。
【0119】
ローラ部材100aの接触圧は、具体的には、以下のようになる。
例えば、実施形態1に係るローラ部材100が、芯材101及び中空材103aの双方の材料をステンレス鋼(SUS304)とし、弾性層102の材料をウレタンゴムとし、芯材101の外径Dsを8mmとし、中空材103aの外径Dpを10mmとし、弾性層102の外径Drを14mmとして、構成されているものとする。ローラ部材100は、環境温度が30℃低下すると、弾性層102の中央部と端部との外径差Drc−Dreが約40μmとなる。
一方、例えば、本実施形態2に係るローラ部材100aが、芯材101の材料をステンレス鋼(SUS304)とし、中空材103aの材料をチタン合金とし、ローラ部材100aと同様に構成されているものとする。ローラ部材100aは、環境温度が30℃低下すると、弾性層102の中央部の収縮量が小さいため、弾性層102の中央部と端部との外径差Drc−Dreが約80μmとなる。したがって、ローラ部材100aは、弾性層102の中央部と端部との間に、実施形態1に係るローラ部材100よりも約2倍の外径差を確保することができる。
【0120】
ここで、高温T1時における現像ローラ31と当接する部材(ここでは、感光体ドラム13(図3及び図4参照))との食い込み102aが、例えば、約100μm前後に設定されているものとする。
【0121】
前記した構成において、低温T2時における食い込み102aは、以下の式(1)に示すように、現像ローラ31が本実施形態2に係るローラ部材100aによって構成されている場合(すなわち、中空材103aがチタン合金で構成されている場合)の方が、現像ローラ31が実施形態1に係るローラ部材100によって構成されている場合よりも、増加する。
【0122】
低温T2時における食い込み102aの増加率
=(ローラ部材100aにおける外径差の半分の値−ローラ部材100における外径差の半分の値)/高温T1時における食い込み102aの設定値×100
=(80/2−40/2)/100×100
=20(%) …式(1)
【0123】
したがって、前記した構成において、ローラ部材100aは、実施形態1に係るローラ部材100よりも、低温T2時における食い込み102aを20%増加させることができ、これによって、中央部の接触圧を上昇させることが可能となる。
【0124】
なお、ローラ部材100aは、環境温度を高くすると、Dre<Drcという関係、すなわち、弾性層102の端部の外径Dreが中央部の外径Drcよりも小さいという関係とは、逆の関係になる場合がある。しかしながら、この場合であっても、ローラ部材100aは、弾性層102の材料硬度が低下するため、これによって、中央部の接触圧と端部の接触圧との差が吸収される。そのため、ローラ部材100aは、円滑に回転する。
【0125】
以上の通り、実施形態2に係るローラ部材100aによれば、実施形態1に係るローラ部材100と同様に、小径化された場合であっても、中央部の接触圧と端部の接触圧との差を低減することができる。
このようなローラ部材100aによれば、実施形態1に係るローラ部材100と同様に、回転の歪みを低減若しくは解消することができ、円滑な回転を実現することができる。また、ローラ部材100によれば、全体的な接触圧の均一化を図ることができる。
【0126】
さらに、ローラ部材100aによれば、実施形態1に係るローラ部材100と同様に、コイルスプリング110による付勢力Fを従来のローラ部材よりも小さく抑えることができるため、端部の接触圧が低減される。そのため、ローラ部材100aによれば、円滑な回転が可能になる。また、ローラ部材100aによれば、トナー35へのダメージの低減等を図ることができ、トナー35の現像ローラ31へのこびり付きを回避することができる。その結果、ローラ部材100aによれば、印字品位を向上させることができる。
【0127】
しかも、ローラ部材100aによれば、環境温度が低下した場合であっても、実施形態1に係るローラ部材100に比べて、中央部の接触圧の低下を低減することができる。そのため、ローラ部材100aによれば、弾性層102の材料硬度が上昇する低温時でも、全体的な接触圧の均一化を図ることができる。
【0128】
本発明は、前記した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や変形を行うことができる。
【0129】
例えば、本発明は、プリンタに限らず、複写機、FAX、MFP等の画像形成装置に用いることができる。なお、「MFP」とは、Multi Function Peripheral(又はProduct)の略称で、プリンタにファクシミリ機能やスキャナ機能、コピー機能等を付加した装置である。
【0130】
また、前記した実施形態では、本発明に係るローラ部材は、画像形成ユニット11の現像ローラ31に用いられている。しかしながら、本発明に係るローラ部材は、転写機構、定着機構、印刷媒体の搬送機構、トナーを転写媒体から除去するクリーニング機構等の様々な機構のローラに用いることができる。
【符号の説明】
【0131】
1 画像形成装置
11(11K,11Y,11M,11C) 画像形成ユニット
13(13K,13Y,13M,13C) 感光体ドラム
14(14K,14Y,14M,14C) 露光ヘッド
15 媒体トレイ
16 印刷媒体
17 分離ローラ
18 搬送ローラ
19 転写ベルト
20 定着ユニット
21,22 排出ローラ
23 スタッカ
24 転写ローラ
25 定着ローラ
26 対向ローラ
30(30K,30Y,30M,30C) トナー貯蔵容器
31(31K,31Y,31M,31C),31a 現像ローラ
32(32K,32Y,32M,32C) 帯電ローラ
33(33K,33Y,33M,33C) トナー供給ローラ
34(34K,34Y,34M,34C) 現像ブレード
35 トナー
36 供給口
37 トナーホッパー
38 撹拌部材
39 クリーニングブレード
40 廃トナー搬送部材
50 撹拌搬送部材
100 ローラ部材
101 金属シャフト(芯材)
102 弾性部材(弾性層)
102a 食い込み
103,103a 中空材(補強部材)
107 ドラムシャフト
108,109 側面プレート(支持部材)
108a,109a 溝
110 コイルスプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状に形成され、支持部材によって回転可能に支持されるローラ部材において、
回転の中心となる芯材と、
前記芯材の軸方向の外周を覆うように形成された弾性部材と、
前記芯材の軸方向中央部の外周を覆うように、前記芯材と前記弾性部材との間に挿入された中空材とを有しており、
前記中空材は、軸方向の長さが、前記弾性部材の軸方向の長さよりも短く形成されている
ことを特徴とするローラ部材。
【請求項2】
請求項1に記載のローラ部材において、
前記弾性部材は、軸方向の外径が均一になるように、軸方向中央部と両端部とで異なる厚さに形成されている
ことを特徴とするローラ部材。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のローラ部材において、
前記中空材は、熱膨張率が前記芯材と異なる材料によって構成されている
ことを特徴とするローラ部材。
【請求項4】
請求項3に記載のローラ部材において、
前記中空材は、熱膨張率が前記芯材よりも小さい材料によって構成されている
ことを特徴とするローラ部材。
【請求項5】
現像剤を担持する現像剤担持体と、当該現像剤担持体から現像剤が供給されることにより、表面に現像剤像が形成される像担持体とを備え、当該現像剤担持体及び当該像担持体を支持部材によって回転可能に支持する画像形成ユニットにおいて、
前記現像剤担持体は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のローラ部材によって形成されている
ことを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項6】
電子写真プロセスによって画像を印刷媒体に形成する画像形成装置において、
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のローラ部材を、現像剤を感光体ドラムに供給する現像ローラに用いることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
電子写真プロセスによって画像を印刷媒体に形成する画像形成装置において、
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のローラ部材を、現像剤を感光体ドラムから印刷媒体に転写させる転写ローラに用いることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
電子写真プロセスによって画像を印刷媒体に形成する画像形成装置において、
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のローラ部材を、現像剤を加熱させて印刷媒体に定着させる定着ローラ、及び、当該定着ローラと対向して設けられかつ当該定着ローラとの間で当該印刷媒体を挟み込む対向ローラのいずれか一方又は双方に用いることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−95361(P2011−95361A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−247389(P2009−247389)
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】