説明

ローラ

【課題】 高い強度を有し、防塵、防水、防錆性を有するローラの提供。
【解決手段】 外管10は受座20のリブ204に支持され回転柱軸受30を介して心軸50と結合し、中央部分は中リブ付軸受52により支持され、該中リブ付軸受52が内管51により固定され、中央部分の長さにより強度に支障がでることがない。またローラ両側に受座20が防塵片40で緊密に嵌合されていて、心軸50にO形リング41が設けられて防塵、防水効果を達成している。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は一種のローラに関し、特に、組立が簡単で、重量を軽減でき、現在のプラスチックスチール製のものの強度不足を解消すべく、プラスチックスチールを材料として使用しながら、金属材料と同じ効果を有し、水、塩、湿気による侵食による錆の発生とそれによる故障を防止してあるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
伝統的な金属製のローラは腐触により故障しやすく、その修理は困難で、取り外しての交換もしにくかった。このため、プラスチックスチール製のものがそれに取って代わったが、高強度を達成できず、このため搭載重量が低い部分か或いは簡単な一般用品に使用されるにとどまっている。
【0003】
図1に示されるのは、伝統的な防塵、防水ローラの構造で、それは構造上、機能を果たしているとはいえ、技術上、製造上、実用的なものではなかった。その原因は、外管70と受座60の接合端それぞれに設けられた環状リブ61、71の設計にある。即ち、押出し成形作業で、該外管70の環状リブ71が押出し成形の後、冷却による収縮のために変形して受座60の環状リブ60と組合せ不能となりやすく、且つ寸法が大きくなるほどその変形量は大きくなった。しかし、もし環状リブの設計をなくせば、外管中央の支持点がなくなり、外力に耐えられずに変形、損壊しやすくなる。変形を防ぐために、外管70を射出成形により製造することも可能であるが、しかし、ローラの長さや寸法には各種規格があり、金型製造のためだけでもコストが非常に高くつき、そのために市場での競争力に影響が生じるほか、加工時間が長くかかることになり、実用的でなかった。ゆえに、強度があり、実際の製造に有利であり、市場競争力のある製品の提供に結びつく新たなローラの構造が求められていた。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、高負荷、高回転に耐えられる強度と、耐磨性を有し、伝統的な金属ローラに代わり使用可能で、錆を発生しにくい、一種のローラを提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の考案は、外管内に受座、回転柱軸受、防塵片、平面軸受、C形リング、O形リング、心軸、及び中リブ付軸受が設けられたローラにあって、 両外側にそれぞれ一つの上記受座が設けられ、該受座内に回転柱軸受と平面軸受が設けられ、その外側にC形リングとO形リングが設けられて防塵片で受座の端面に固定され、中央に一つ或いは複数の中リブ付軸受が設けられて内管で区画、固定されて、ローラの強度が増加され、該外管内周両側に凹溝が設けられて受座の凸縁が嵌め止めされ、該回転柱軸受に複数の環状の軸溝が設けられて回転軸が嵌め込まれ、受座と心軸間が円滑に回転可能とされ、該防塵片端面に複数の固定ピンが設けられて受座端面の凹孔内に挿入され、回転柱軸受及び平面軸受が外管内に設けられ、該中リブ付軸受及び受座のいずれにも環状にリブが設けられ、外管と心軸の間を支承して外管の強度が増され、該中リブ付軸受と心軸の間に一つの回転軸受が設けられて両者間の回転が順調に行えるようにしてあり、以上の構成からなるローラとしている。
【0006】
【考案の実施の形態】
図2は本考案の分解斜視図である。その中、ローラの外管10の内壁両端近くにはそれぞれ一つの環状溝101が設けられ、該環状溝101に受座20の凸縁201が嵌合されて外管10と受座20が連結されている。該受座20の凸縁201の内周に環状にリブ204が設けられて外管10を支持してその強度を増す。回転柱軸受30は受座20の内周に嵌め付けられ凸縁202で受座20内に固定され、該回転柱軸受30の軸溝301に回転軸31が嵌め込まれ、該回転軸31は軸溝内にゆるく組み合わされ、心軸50が回転或いは外管10が回転して受座20を駆動するとき、回転柱軸受30内の回転軸31の支持により回転し、回転軸31の外側に一つの平面軸受43が固定され、防塵片40の端面の固定ピン401が受座20の凹孔203内に挿入されて平面軸受43及び回転柱軸受30が受座20内に被覆され、該防塵片40内周に一つの凹溝402が設けられてC形リング42とOリング41が嵌め付けられ、灰塵と水の心軸50の隙間からの進入が防止されて、防塵、防水の機能を達成している。また受座20凸縁202内側に内管51が嵌合され、内管51の間に中リブ付軸受52が設けられ(図3参照)、該中リブ付軸受52にリブ520が設けられ、外管10中央部分を支持して強度を増加し、その内周にも一つの回転柱軸受53が設けられ、該回転柱軸受53の軸溝530に一つの回転軸54が設けられ、回転柱軸受53により中リブ付軸受52と心軸50の間の良好な回転が保持され、且つ長さにより複数の中リブ付軸受52が設けられる。こうして、侵触による錆を発生せず、防塵、防水のローラが任意の寸法に簡単に製造され、製造技術上のネックを突破し、並びに製造コストを下げ、実質的な産業上の利用価値を高める効果を達成することが可能となった。
【0007】
図3に示されるように、本考案の外管10は受座20のリブ204に支持され回転柱軸受30を介して心軸50と結合し、中央部分は中リブ付軸受52により支持され、該中リブ付軸受52が内管51により固定され、中央部分の長さにより強度に支障がでることがない。またローラ両側に受座20が防塵片40で緊密に嵌合されていて、心軸50にO形リング41が設けられて防塵、防水効果を達成している。
【0008】
【考案の効果】
本考案のローラは以下のような効果を有している。
1.軽量で運送に便利で、組立が簡単で迅速に行える。
2.水、塩、湿気の侵触により錆を発生しない。
3.ローラの長さを設計に応じて任意に変化させられ、しかもその強度に影響しない。
4.防塵片と密閉式設計により高い防塵効果を有する。
5.長期に水中で使用しても錆を発生しない。
6.メインテナンス不要で、それにかかるコストと時間を節約できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】周知のローラの断面図である。
【図2】本考案の分解斜視図である。
【図3】本考案の断面図である。
【符号の説明】
10、70 外管
101 凹溝
20、60 受座
201、202 凸縁
203 凹孔
204、520 リブ
30、53 回転柱軸受
301、530 軸溝
31、54 回転軸
40 防塵片
401 固定ピン
402 凹溝
41 O形リング
42 C形リング
43 平面軸受
50 心軸
51 内管
52 中リブ付軸受
61、71 リブ

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 外管内に受座、回転柱軸受、防塵片、平面軸受、C形リング、O形リング、心軸、及び中リブ付軸受が設けられたローラにあって、両外側にそれぞれ一つの上記受座が設けられ、該受座内に回転柱軸受と平面軸受が設けられ、その外側にC形リングとO形リングが設けられて防塵片で受座の端面に固定され、中央に一つ或いは複数の中リブ付軸受が設けられて内管で区画、固定されて、ローラの強度が増加され、該外管内周両側に凹溝が設けられて受座の凸縁が嵌め止めされ、該回転柱軸受に複数の環状の軸溝が設けられて回転軸が嵌め込まれ、受座と心軸間が円滑に回転可能とされ、該防塵片端面に複数の固定ピンが設けられて受座端面の凹孔内に挿入され、回転柱軸受及び平面軸受が外管内に設けられ、該中リブ付軸受及び受座のいずれにも環状にリブが設けられ、外管と心軸の間を支承して外管の強度が増され、該中リブ付軸受と心軸の間に一つの回転軸受が設けられて両者間の回転が順調に行えるようにしてあり、以上の構成からなるローラ。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【登録番号】第3047129号
【登録日】平成10年(1998)1月14日
【発行日】平成10年(1998)3月31日
【考案の名称】ローラ
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平9−8647
【出願日】平成9年(1997)9月12日
【出願人】(597137844)