説明

ロールオン容器の製造方法

【課題】量産工程で発生したボールと中栓の寸法のバラツキによって生ずるロールオン容器の塗布量のバラツキを、ロールオン容器の製造工程においてボール表面と中栓内周面との隙間を所定の間隔に調整することにより解消し、塗布量を一定にすることを可能とするロールオン容器の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】ボール2を回転自在に嵌合保持する中栓3を容器口部に備えるロールオン容器の製造方法であって、ボール2を中栓3の口元先端部10に嵌入し、中栓3を構成する合成樹脂の軟化点より高い温度の雰囲気中で中栓3の口元先端部10の口内径を嵌入したボール2の当接した部分の径に拡張安定化し、その後ボール2を中栓3に完全に押し込みボール2を中栓3に嵌合させることによりボール2を中栓3に組み付けることを特徴とするロールオン容器の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボールを回転自在に嵌合保持する中栓を容器口部に配置し、化粧料等の内容物をボール表面に分配して所望の部位に塗布するロールオン容器の製造方法であって、特にロールオン容器のボールの中栓への組み付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ボールを回転自在に嵌合保持する中栓を容器口部に配置し、内容物をボール表面に分配して所望部位に塗布するロールオン容器は、手を汚さず化粧品や医薬品等の内容物を簡便に塗布することができる容器として広く用いられている。ロールオン容器を使用する際には、ボールを塗布部位となる皮膚に接触させつつ、容器本体を上方に持ち上げ、内容物をボールに接触させるとともに、ボールを皮膚上で転がすことによって、ボール表面に内容物を分配する。
【0003】
このように、内容物はボールと中栓内周面との隙間を通って皮膚上に塗布されるが、ボールと中栓内周面との隙間は、ボールの転がり摩擦を小さくするために、容器側は広くし、中栓の口元先端部側は狭くしている。したがって、内容物の塗布量は、ボールと中栓口元先端部との隙間によってほぼ決まるものであり、ボールと中栓口元先端部との隙間は、内容物を十分流通しながら、容器からの垂れ落ちがないよう慎重に設計する必要がある。
【0004】
しかしながら、実際にはボールと中栓を量産する際、成型にバラツキが生じるため、ボールを中栓に組み付けた場合、ボールと中栓口元先端部との隙間のバラツキは大きいものとなる。そして、このような量産による寸法のバラツキは、内容物が出にくかったり、あるいは出過ぎてしまうなどの使用性の不具合だけでなく、隙間が大きい場合には内容物が垂れ落ちたり、流れ出すなどの問題につながる可能性がある。
【0005】
ロールオン容器による内容物の塗布量は、内容物に増粘剤等を配合することにより粘度を調整し、内容物の流れやすさを変えることである程度調整することが可能ではあるが、上記のような量産によって発生する個々の製品での塗布量のバラツキについては対応することが困難であった。
【0006】
【特許文献1】特開2004−222860号公報
【特許文献2】特開2002−240847号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、量産工程で発生するボールと中栓の寸法のバラツキによって生ずるロールオン容器の塗布量のバラツキを、ロールオン容器の製造工程においてボールと中栓口元先端部との隙間を所定の間隔に調整することにより解消し、塗布量を一定にすることを可能とするロールオン容器の製造方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために本発明者が検討を行った結果、ボールを中栓の口元先端部に仮嵌合し、この状態で中栓を構成する合成樹脂の軟化点より高い温度の雰囲気中で保持し、中栓の先端をボールの大きさに合わせて拡張し、安定化した後、ボールを中栓にさらに押し込み、ボールを中栓に完全に嵌合して組み付けることにより、ボールと中栓口元先端部との隙間を一定にすることでき、これにより中栓とボールとのバラツキにより生じるロールオン容器の塗布量をバラツキを解消し、塗布量を一定にすることができることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、ボールを回転自在に嵌合保持する中栓を容器口部に備えるロールオン容器の製造方法であって、ボールを中栓の口元先端部に嵌入し、中栓を構成する合成樹脂の軟化点より高い温度の雰囲気中で中栓の口元先端部の口内径を嵌入したボールの当接した部分の径に拡張安定化し、その後ボールを中栓に押し込み、ボールを中栓に完全に嵌合させることによりボールを中栓に組み付けることを特徴とするロールオン容器の製造方法である。
【0010】
さらに本発明は、前記ボールを合成樹脂で構成し、該ボールを中栓の口元先端部に嵌入し、ボールを構成する合成樹脂の軟化点と中栓を構成する合成樹脂の軟化点との間の温度の雰囲気中で中栓の口元先端部の口内径を嵌入したボールの当接した部分の径に拡張安定化し、その後ボールを中栓に押し込み、ボールを中栓に完全に嵌合させることによりボールを中栓に組み付けることを特徴とするロールオン容器の製造方法である。
【0011】
さらに本発明は、前記中栓を構成する合成樹脂が、低密度ポリエチレンであることを特徴とするロールオン容器の製造方法である。
【0012】
さらに本発明は、前記ボールを構成する合成樹脂が、ポリプロピレンであることを特徴とするロールオン容器の製造方法である。
【0013】
さらに本発明は、前記中栓を構成する低密度ポリエチレンの軟化点が75〜90℃であることを特徴とするロールオン容器の製造方法である。
【0014】
さらに本発明は、前記ボールを構成するポリプロピレンの軟化点が95〜130℃であることを特徴とするロールオン容器の製造方法である。
【0015】
さらに本発明は、中栓を構成する合成樹脂の軟化点より高い温度の雰囲気中で中栓の口元先端部の口内径を嵌入したボールの当接した部分の径に拡張安定化し、冷却した後、ボールを中栓に押し込み、ボールを中栓に完全に嵌合させることによりボールを中栓に組み付けることを特徴とするロールオン容器の製造方法である。
【0016】
また本発明は、前記のロールオン容器の製造方法により製造したことを特徴とするロールオン容器である。
【発明の効果】
【0017】
本発明のロールオン容器の製造方法によれば、中栓の口元先端部がボールの大きさに合わせて拡張され、ボールと中栓口元先端部との隙間を所定の間隔に調整されるために、ボールと中栓の成型バラツキによって生ずる塗布量のバラツキが解消され、塗布量が一定のロールオン容器を製造することができる。
【0018】
また塗布量を多くする必要がある場合にも、ボールと中栓のバラツキを解消しつつ、ボールと中栓口元先端部との隙間を所定の間隔に簡便に広げ、塗布量を安定して多くすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】ロールオン容器の斜視(一部断面)図
【図2】ロールオン容器の断面図
【図3】ロールオン容器のボールと中栓の拡大断面図
【図4】A−A線断面図
【図5】本発明にかかるロールオン容器の製造方法を示す図
【発明を実施するための形態】
【0020】
図2は、ロールオン容器の断面図を示す。容器本体(1)の口部に中栓(3)を配置する。中栓(3)は内周面(7)においてボールを回転自在に保持する。
【0021】
ロールオン容器を使用する際には、ボール(2)を塗布部位となる皮膚に接触させつつ、容器本体(1)を上方に持ち上げ、容器本体(1)に収容した内容物を流路(8)を通してボール(2)に接触させるとともに、ボール(2)を皮膚上で転がすことによって、ボール表面に内容物を分配し、ボール表面と中栓内周面との隙間を通して、皮膚上に塗布するようにする。
【0022】
ボール(2)の直径は、ロールオン容器として所望する部位に塗布する際に適した大きさにするよう設計する。一度に塗布する幅はボールの大きさによるところ、人体の皮膚に塗布する場合の塗布面の幅を考慮し、ボール(2)の直径は5〜40mmが好ましく、さらに7〜35mmが好ましい。
【0023】
容器本体(1)に収容した内容物をボール(2)の回転方向によらずボール表面に均一に接触させるため、中栓の流路(8)の断面は通常円形とするが、容器の形状等に対応して種々の形状とすることは可能であり、円形、楕円形、及びこれらに類似する形状を基本形状とするものであればよく、これに限定されるものではない。
【0024】
使用後は、キャップ(4)を容器本体(1)に螺合し装着する。キャップ(4)内面には、押下リブ(6)を垂設しており、キャップ(4)を容器本体(1)に螺合すると、ボール(2)は押下リブ(6)によってシール段部(5)に圧着され、流路(8)は閉鎖される。これにより、容器本体(1)内の内容物を、外気との接触から遮断し、品質を保持することができる(図2)。
【0025】
図4は、A−A線における断面図を示す。Rは中栓(3)の口元先端部(10)の口内半径、rはボール(2)の断面の半径を示す。一般に、中栓(3)及びボール(2)を合成樹脂を使用し射出成型することにより得る場合には、量産によるバラツキは、Rが約±0.05mm、rが約±0.05mmである。中栓(3)とボール(2)との隙間(9)は、ボール(2)がスムーズに回転し、内容物を送り出すために、少なくとも0.05mmを確保する必要がある。したがって、成型のバラツキにより、口内半径Rが最も小さい中栓と、断面半径rが最も大きい回転ボールを組み合わせた場合にも、隙間(9)が0.05mmを保てるよう、隙間(9)を0.15mmとして設計するが、逆に最も小さいボールと最も大きい中栓が組み合わされた場合には、隙間(9)は0.25mmとなる。
【0026】
このように隙間(9)のバラツキは大きいため、個々のロールオン容器において、塗布量のバラツキは大きいものとなる。
【0027】
本発明のロールオン容器の製造方法は、ボール(2)と中栓(3)の量産でのバラツキによって生じる不安定な塗布量の問題を、ロールオン容器の製造工程によって解消せんとするものである。
【0028】
図5は、本発明にかかるロールオン容器の製造方法を示す概略図である。ボール(2)を中栓(3)の口元先端部(10)に嵌入し(工程(a))、仮嵌合の状態とする(工程(b))。この状態で、中栓を構成する合成樹脂の軟化点より高い温度の雰囲気中で保持する(工程(c))。合成樹脂の軟化点より高い温度の雰囲気中で保持することにより、中栓の口元先端部(10)はセットされる個々のボールの大きさまで拡張し安定化される。つぎに、軟化点より低い温度まで冷却した後、ボールを中栓にさらに押し込み(工程(d))、ボールを中栓に完全に嵌合する(工程(e))。最後に、ボールと中栓のセット品を内容物を充填した容器に嵌合し(工程(e))、完成品とする(工程(f))。このような工程を経ることによって、中栓の口元先端部(10)は、個々のボールの大きさに合わせて拡張されるため、ボールと中栓との隙間は一定にすることができ、ボールと中栓の量産での寸法のバラツキを解消することが可能となる。以下、各工程について詳しく説明する。
【0029】
工程(a)は、ボール(2)を中栓(3)の口元先端部(10)に嵌入する工程である。ボール(2)の材質は、特に限定されるものではないが、一般的には、合成樹脂、金属、あるいはセラミック等の無機化合物を用いることができる。一方、中栓(3)の材質は、ボールの大きさに合わせて拡張する必要があるため、合成樹脂を用いる。中栓に用いる合成樹脂は、特に限定されるものではないが、軟化点が比較的低い合成樹脂であれば、中栓をボールの大きさに合わせて拡張する工程(工程(c))を効率的に行うことができるため、例えば、低密度ポリエチレン(軟化点:75〜90℃)を用いることが好ましい。
【0030】
工程(b)は、ボール(2)を中栓(3)の口元先端部(10)に嵌入し仮嵌合の状態とする工程である。拡張した中栓とボールとの隙間の間隔をバラツキなく、一定にするため、治具等を使用してボールと中栓の位置を一定にすることが好ましい。また、ボールと中栓の位置関係により、完成品の塗布量を調整することができる。すなわち、ボールの押し込み度合いによって、中栓の口元先端部(10)と当接するボールの幅が変化し、中栓の口元先端部の拡張度合いを調節することができる。例えば、ボールを半分押し込む位置で固定するとすれば、ボールの直径に該当する部分が中栓の口元先端部に位置するため、中栓の先端を最も大きく押し広げることとなり、完成品において塗布量を最も多くすることができる。
【0031】
尚、上記のようにボールの直径に該当する部分が中栓の口元先端部に位置するように固定した場合には、中栓の口元先端部は最も大きく拡張した状態となり、完成品でのボールの抜け落ちが懸念されるが、軟化点より低い温度に冷却した際、中栓を構成する合成樹脂の内部構造が拡張前の状態に若干復元し、中栓の口元先端部は僅かに収縮するためボールが脱落するなどの問題はない。また、収縮の程度は同じ条件であれば、同程度であるため塗布量にバラツキが生じることはない。
【0032】
工程(c)は、ボール(2)を中栓(3)の口元先端部(10)に嵌入し、仮嵌合の状態で、中栓を構成する合成樹脂の軟化点より高い温度の雰囲気中で保持する工程(熱処理工程)である。合成樹脂の軟化点より高い温度とすることで、中栓の先端をボールの大きさに拡張し安定化させることができる。また、ボール材質を合成樹脂とした場合には、ボールと中栓の軟化点の間の温度雰囲気中で保持することが好ましい。このような温度では、ボールの軟化点より低温であるためボールの変形を防止しながら、中栓の口元先端部を拡張することができる。また、ボールの材質として合成樹脂を用いる場合には、中栓の合成樹脂の軟化点より高いものであれば特に限定するものではないが、一般的に容器の材料として使用されるポリプロピレン(軟化点:95〜130℃)を使用することが好ましい。
【0033】
仮嵌合の状態(仮嵌合品)を所定の温度に保持する時間は、中栓の材質や形状に応じて中栓の拡張を安定して行うために必要な時間として適宜設定すべきである。保持時間が短すぎると中栓が十分に拡張変形しない可能性があり、一方、保持時間が長すぎると中栓を拡張し安定化させる上での弊害は少ないが、3分より長く保持しても中栓を拡張し変形する効果に変わりはなく、あまり長く保持すると作業効率に弊害が生じる可能性があるため、保持時間は通常約1〜3分とすることが好ましい。
【0034】
仮嵌合品の熱処理は温度が一定に保てるものであれば、特に手段を限定するものではないが、温風を吹き付けるか、熱水に浸漬するなどの一般的な手段を用いることが好ましい。
【0035】
工程(d)は、ボール(2)を中栓(3)にさらに押し込む工程である。軟化点より低い温度まで冷却した後、ボール押し込むことが好ましい。軟化点より低い温度まで冷却することにより、拡張した中栓の口元先端部の形状を保持することができためである。冷却は、空冷、水冷、あるいは氷冷等により行うことができる。
【0036】
工程(e)は、ボール(2)を中栓(3)に完全に嵌合する工程である。中栓の口元先端部(10)は、個々のボールの大きさに合わせて、所定の大きさだけ拡張されるため、ボールと中栓口元先端部との隙間は一定となる。これにより個々のロールオン容器における塗布量のバラツキを解消することができる。
【0037】
工程(f)は、ボールと中栓のセット品(嵌合品)を内容物を充填した容器に嵌合する工程である。セット品と容器とを嵌合する方法は特に限定するものではないが、一般には、合成樹脂の伸縮性を利用して圧入して固定するか、アンダーカットを設けて固定する。
【0038】
工程(g)は、本発明のロールオン容器の製造方法を経て完成した状態を示す。尚、従来の製造工程は、工程(a)、工程(e)、工程(f)、及び工程(g)からなるもので、工程(b)乃至工程(d)の仮嵌合状態での熱処理工程を含まないものである。
【0039】
本発明にかかるロールオン容器の製造方法は、中栓の口元先端部をボールの大きさに合わせて拡張し安定化させるため、中栓の直径は大きくなり、全体的に内容物が出やすい傾向にあるが、内容物に増粘剤等を配合し、粘度を高めるなどの方法により塗布量を調整することが可能である。
【0040】
また、一般にロールオン容器のボールと中栓内周面との隙間は、ボールの転がり摩擦を小さくするために、容器側は広くし、中栓の口元先端部側は狭くしている。このため、内容物の塗布量は、ボールと中栓の口元先端部との隙間によってほぼ決まるものであり、本発明にかかるロールオン容器の製造方法は、この部分の隙間を調整するものであり、内容物の塗布量を一定にする効果は大きい。
【実施例】
【0041】
以下、本発明の製造方法により製造したロールオン容器ついて評価した結果を実施例として説明する。
【0042】
「評価試験」
下記のテスト品についてボールと中栓口元先端部との隙間を計測した。
テスト品1乃至6は、本発明にかかる製造方法(上記の工程(a)乃至(g))により製造した容器である。
ボールの材質は、ポリプロピレン(軟化点:約84℃)とし、中栓の材質は、低密度ポリエチレン(軟化点:約115℃)とした。
熱処理工程では、ポリプロピレンの軟化点と低密度ポリエチレンの軟化点の間の温度に相当する90℃の熱水に仮嵌合品を1〜40分間浸漬し(工程(c))、その後、氷水に浸漬して冷却し、ボールを中栓にさらに押し込んだ(工程(d))。
また、テスト品7乃至9は、従来の製造方法(上記の工程(a)、(e)、(f)、及び(g))により製造した容器である。
【0043】
【表1】

【0044】
表1に示すとおり、テスト品1乃至6(実施例1乃至6)では、ボールの直径は18.67〜18.92mmであり、ボールの半径として約0.13mmのバラツキがあるにもかかわらず、熱処理工程を経ることにより、中栓の口元先端部とボールとの隙間(R-r)は、0.41〜0.48mmであり、隙間(R-r)のバラツキは0.07mmに小さくすることができた。これは、中栓の口元先端部をボールの大きさに合わせて拡張し安定化させた効果によるものである。
【0045】
一方、テスト品7乃至9(比較例1乃至3)では、ボールの直径は18.72〜18.92mmであり、ボールの半径として約0.1mmのバラツキがある。そして、中栓口元先端部とボールとの隙間(R-r)は、0.05〜0.19mmであり、隙間(R-r)のバラツキは約0.14mmとさらに大きいものである。これは、ボール大きさのバラツキに、中栓の口元先端部のバラツキが加わったことによるものである。
【符号の説明】
【0046】
1 容器本体
2 ボール
3 中栓
4 キャップ
5 シール段部
6 押下リブ
7 内周面
8 流路
9 ボールと中栓口元先端部との隙間
10 口元先端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボールを回転自在に嵌合保持する中栓を容器口部に備えるロールオン容器の製造方法であって、ボールを中栓の口元先端部に嵌入し、中栓を構成する合成樹脂の軟化点より高い温度の雰囲気中で中栓の口元先端部の口内径を嵌入したボールの当接した部分の径に拡張安定化し、その後ボールを中栓に押し込み、ボールを中栓に完全に嵌合させることによりボールを中栓に組み付けることを特徴とするロールオン容器の製造方法。
【請求項2】
ボールを合成樹脂で構成し、該ボールを中栓の口元先端部に嵌入し、ボールを構成する合成樹脂の軟化点と中栓を構成する合成樹脂の軟化点との間の温度の雰囲気中で中栓の口元先端部の口内径を嵌入したボールの当接した部分の径に拡張安定化し、その後ボールを中栓に押し込み、ボールを中栓に完全に嵌合させることによりボールを中栓に組み付けることを特徴とする請求項1記載のロールオン容器の製造方法。
【請求項3】
中栓を構成する合成樹脂が、低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項1又は2記載のロールオン容器の製造方法。
【請求項4】
ボールを構成する合成樹脂が、ポリプロピレンであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のロールオン容器の製造方法。
【請求項5】
中栓を構成する低密度ポリエチレンの軟化点が75〜90℃であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のロールオン容器の製造方法。
【請求項6】
ボールを構成するポリプロピレンの軟化点が95〜130℃であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のロールオン容器の製造方法。
【請求項7】
中栓を構成する合成樹脂の軟化点より高い温度の雰囲気中で中栓の口元先端部の口内径を嵌入したボールの当接した部分の径に拡張安定化し、冷却した後、ボールを中栓に押し込み、ボールを中栓に完全に嵌合させることによりボールを中栓に組み付けることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のロールオン容器の製造方法。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載のロールオン容器の製造方法により製造したことを特徴とするロールオン容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−91791(P2012−91791A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−237948(P2010−237948)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(000001959)株式会社 資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】