説明

ロールスクリーン装置

【課題】発電機として利用しやすいロールスクリーン装置を提供する。
【解決手段】ロールスクリーン装置1は、太陽電池モジュール20が配設されたスクリーン10が全て巻取パイプ30から引き出されている全開状態になったときに、接続機構40を介して一対の主出力端子のそれぞれと太陽電池モジュールの対応する極性の出力端子とを電気的に接続することで電力供給対象機器に電力を供給し、スクリーン10が全開状態ではなくなったときに、少なくとも一方の主出力端子・出力端子間の電気的接続を切断する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールが配設されているスクリーンを備えたロールスクリーン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は、太陽光がありさえすれば発電が可能な、CO2などの温室効果ガスを発生
しないクリーンなエネルギー源である。そして、ロールスクリーン装置は、窓等から屋内に日光が入り込まないようにするために窓際に配置される装置であるため、ロールスクリーン装置にて遮蔽する日光を有効利用するために、ロールスクリーン装置のスクリーン部分に太陽電池を取り付けること(例えば、特許文献1、2参照。)が提案されている。
【0003】
しかしながら、実際に発電機として利用しやすいロールスクリーン装置は未だ開発されていないのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−42142号公報
【特許文献2】登録実用新案第3143588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の課題は、発電機として利用しやすいロールスクリーン装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発電機として利用しやすいロールスクリーン装置を実現すべく、鋭意、研究を行った所、発明者らは、太陽電池モジュール付スクリーンの引き出し量に依らず出力を取り出せるロールスクリーン装置には、『巻取パイプに巻き取られている太陽電池モジュールが発熱・劣化してしまう。』、『ロールスクリーン装置をn台直列に接続した系をm個用意し、各系をパワーコンディショナーに接続した場合、1部のロールスクリーン装置の出力が低くなっただけで、パワーコンディショナーが最大出力値を探せないことがある。』等の問題があることを見出した。
【0007】
本発明の『巻取パイプと、巻取パイプを回転可能に支持する支持部材と、支持部材に対して固定された正負一対の主出力端子と、一方の面上に太陽電池モジュールが配設されたスクリーンであって、巻取パイプへの巻き取り及び巻取パイプからの巻き解きが可能なように、その一端が巻取パイプに連結されたスクリーンと、スクリーンの状態が、太陽電池モジュールが配設されている部分が全て巻取パイプから引き出されている全開状態になったときに、一対の主出力端子のそれぞれと太陽電池モジュールの対応する極性の出力端子とを電気的に接続し、スクリーンの状態が全開状態ではなくなったときに、少なくとも一方の主出力端子・出力端子間の電気的接続を切断する接続手段とを備える』ロールスクリーン装置は、上記のような知見に基き完成するに到ったものである。
【0008】
すなわち、本発明のロールスクリーン装置は、太陽電池モジュールが配設されているスクリーンが全て引き出されている場合にのみ、主出力端子に、太陽電池モジュールの出力が現れる構成を有している。従って、このロールスクリーン装置は、上記のような問題が発生しない分、発電機として利用しやすい装置となっていることになる。
【0009】
本発明のロールスクリーン装置は、接続手段として、『巻取パイプの一方の端部の側面に設けられた、巻取パイプの長さ方向に延びた回転軸と、回転軸を中心に回動可能な、太陽電池モジュールの対応する極性の出力端子とそれぞれ電気的に接続された正負一対の入力側電極が取り付けられている第1部材と、それぞれ、対応する極性の主出力端子と電気的に接続された、所定位置に位置している回転軸を中心に第1部材を回転させると第1部材の対応する極性の入力側電極と接触することになる位置に配置された正負一対の出力側電極と、巻取パイプの他方の端部側に向かって第1部材から延びた、巻取パイプに巻き取られたスクリーンと巻取パイプとの間に挟まれることにより、巻取パイプに所定量以上のスクリーンが巻き込まれている場合における第1部材の姿勢を、一対の入力側電極が巻取パイプの側面近傍に位置する姿勢に規制する姿勢規制部材と、姿勢制御用部材がスクリーンと巻取パイプとの間に挟まれていない状態で回転軸が所定位置に位置した場合における第1部材に、一対の入力側電極と一対の出力側電極とが接触する姿勢を取らせるための姿勢制御部材とを備える』装置として実現しておくことも好ましい。何故ならば、そのような構成を採用しておけば、ロールスクリーン装置を安価に製造できることになるからである。
【0010】
また、本発明のロールスクリーン装置に上記構成を採用する場合には、入力側電極・出力側電極間の接触状態をより良好なものとするために、『一対の出力側電極を保持した第2部材、第1部材の一方の部材に磁石が取り付けられており、他方の部材の当該磁石と対向することになる箇所に強磁性体部材が取り付けられている』ようにしておくことが出来る
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、発電機として利用しやすいロールスクリーン装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係るロールスクリーン装置の外観図である。
【図2】図2は、実施形態に係るロールスクリーン装置が備えるスクリーンの説明図である。
【図3】図3は、実施形態に係るロールスクリーン装置に採用できるスクリーンの構成の説明図である。
【図4】図4は、実施形態に係るロールスクリーン装置に採用できるスクリーンの構成の説明図である。
【図5】図5は、実施形態に係るロールスクリーン装置の、接続機構を中心とした外観図である。
【図6】図6は、接続機構内の主出力端子部の外観図である。
【図7】図7は、実施形態に係るロールスクリーン装置の右側面図である。
【図8】図8は、実施形態に係るロールスクリーン装置における可動部の回答可能範囲の説明図である。
【図9】図9は、スクリーンの引き出し時(巻き解き時)における接続機構の動作の説明図である。
【図10】図10は、スクリーンの巻き取り時における接続機構の動作の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1に、本発明の一実施形態に係るロールスクリーン装置1の、室内側から見た外観を
示す。
【0015】
図示してあるように、本実施形態に係るロールスクリーン装置1は、スクリーン10、巻取パイプ30、支持部35、接続機構40等を備えた、ビーズ・コード36を操作することによりスクリーン10を出し入れする装置である。
【0016】
このロールスクリーン装置1の、スクリーン10及び接続機構40を除いた部分は、既存のハンドドライブ方式のロールスクリーン装置と本質的には同じものである。そのため、以下では、スクリーン10及び接続機構40の構成を中心に、ロールスクリーン装置1の構成を説明することにする。
【0017】
図2に模式的に示したように、スクリーン10は、2つの太陽電池モジュール20a、20bを並列接続した太陽電池モジュール20をスクリーン基材25上に配設した部材である。
【0018】
このスクリーン10は、スクリーン基材25上に太陽電池モジュールが配設された、或る程度の可撓性を有する部材でありさえすれば良い。なお、本明細書において、太陽電池モジュールとは、1対の出力端子から出力が取り出せるように、複数の太陽電池セルを直列/直並列に接続したもののことである。従って、図3に示したように、スクリーン10として、スクリーン基材25、太陽電池モジュール20(各図における複数の太陽電池セル11)、耐候性保護フィルム12、封止材13a、封止材13b、バックシート14、シール材15、スクリーン基材25からなるものを使用することが出来る。また、図4に示したように、スクリーン10として、紫外線カットフィルム16をさらに備えたものを使用することも出来る。
【0019】
図1に示してあるように、スクリーン10の上端は、巻取パイプ30への巻き取り及び巻取パイプ30からの巻き解きが可能なように巻取パイプ30に連結されている。また、スクリーン10の下端には、スクリーン10に適度の張力を加えることによりスクリーン10を平坦化するためのボトムバー38が取り付けられている。
【0020】
ボトムバー38は、スクリーン10の張力を調整可能なように、重量を調節できることが好ましい。重量を調節する方法としては、特に限定はないが、例えば、ボトムバー38自体の重量を変更したり、ボトムバー38に重りを収納する部位を設けておき、重り収納部位の重りの重量を調節する方法が挙げられる。
【0021】
巻取パイプ30は、スクリーン10を巻き取るためのパイプ状部材である。この巻取パイプ30の外径は、(1)スクリーン10の長さ、(2)巻取パイプ30の外径が小さ過ぎると、スクリーン10の巻き取り時にスクリーン10が損傷しやすくなること、(3)巻取パイプ30の外径が大きすぎると、巻取パイプ30の重量および体積が増すため施工性が悪くなること、等を考慮して定めるべきものである。例えば、スクリーン10の長さが2m程度である場合、通常、外径が60mm〜80mm程度の巻取パイプ30を用いれば、スクリーン10が損傷し難く、施工性も良いロールスクリーン装置1を得ることができる。なお、巻取パイプ30の構成材料は何であっても構わないが、軽量なアルミニウムが好適である。
【0022】
支持部35は、複数の部材を組み合わせることによって構成された、巻取パイプ30を回転可能に支持する部材である。ロールスクリーン装置1の窓への取り付け時には、この支持部35が、窓枠内/窓枠外に、直接或いは他部材を介して固定される。
【0023】
次に、図5乃至図8を用いて、接続機構40の構成を説明する。なお、以下の説明にお
いて、上、下、左、右、前、後とは、それぞれ、図5における上、下、左、右、前、後のことである。
【0024】
図5に示してあるように、接続機構40は、巻取パイプ30の右側の端部の側面に設けられた、巻取パイプ30の長さ方向に延びた回転軸41、回転軸41を中心に回動可能な可動部42、支持部35に対して固定された主出力端子部45を備えている。
【0025】
図6に示してあるように、主出力端子部45の前面側には、正負一対の出力側電極46と永久磁石52とが取り付けられている。
【0026】
また、図7に示してあるように、主出力端子部45の後面側には、それぞれ、対応する極性の出力側電極46と電線55により接続された正負一対の主出力端子47が取り付けられている。なお、この図7は、支持部35の右端側の部材がないものと仮定した場合におけるロールスクリーン装置1の右側面図である。また、図7は、主出力端子部45については、支持部35の右端側の部材がないものと仮定しても見えることにならない境界も実線で示したものとなっている。
【0027】
可動部42(図5)は、太陽電池モジュール20の対応する極性の出力端子とそれぞれ電気的に接続されている1対の入力側電極43が取り付けられている部材である。なお、この可動部42の各入力側電極43と太陽電池モジュール20の出力端子間の接続は、巻取パイプ30上に固定された端子箱39を介して行われている。
【0028】
可動部42の形状及び可動部42の各入力側電極43の取り付け位置は、スクリーン10を全て引き出した状態で可動部42を回転軸41を中心に回転させることにより、各入力側電極43と対応する極性の出力側電極46とを接触させることが出来るように(図7参照)、定められている。換言すれば、接続機構40の各出力側電極46の位置は、所定位置に位置している回転軸41を中心に可動部42を回転させることにより、可動部42の各入力側電極43と対応する極性の出力側電極46とを接触させることが出来るように定められている。
【0029】
可動部42の、入力側電極43と出力側電極46とが接触した際に主出力端子部45に取り付けられている磁石52と対向する部分には、強磁性体部材51が取り付けられている。また、可動部42には、可動部42の回動可能範囲を図8に示した範囲に制限するためのスペーサ48が取り付けられている。
【0030】
さらに、可動部42には、板状部材(本実施形態では、比較的に薄い金属板)である姿勢規制部材49が、ロールスクリーン装置1の中央側へ突出させた形で取り付けられている。この姿勢規制部材49の長さ(ロールスクリーン装置1の中央側への突出量)は、
巻取パイプ30によるスクリーン10の巻き取り時に、姿勢規制部材49の先端部分が、巻取パイプ30に巻き取られたスクリーン10と巻取パイプ30との間に挟まれることになるように、定められている。
【0031】
要するに、接続機構40は、スクリーン10の引き出し時には、図9(A)〜(E)に示したように、巻取パイプ30が回転するにつれ可動部42が立ち上がっていき、その結果として、可動部42の先端側に設けられている各入力側電極43が各出力側電極46と接触する構成を有している。
【0032】
ただし、実際に使用できるロールスクリーン装置1を得るためには、この可動部42の動作が、スクリーン10の最後の部分が引き出されるときだけに行われるようにしておく必要がある。そのために設けられている部材が、姿勢規制部材49である。
【0033】
具体的には、接続機構40は、スクリーン10が完全に引き出されると(図7)、可動部42の各入力側電極43と主出力端子部45の各出力側電極46とが接触する構成を有している。また、接続機構40は、或る程度の力(永久磁石52から強磁性体部材51を引き剥がせる力+巻取パイプ30の回転を開始させるための力)を加えることにより、完全に引き出されているスクリーン10の巻き取りを開始すると、可動部42の各入力側電極43が主出力端子部45の各出力側電極46から離れる構成を有している。ここでスクリーン10が完全に引き出されているとは、太陽電池モジュール20の面積として70%以上が引き出されていることである。好ましくは、80%以上、さらに好ましくは、90%以上である。
【0034】
そして、主出力端子部45から離れた可動部42は、図10(A)、(B)に示したように、巻取パイプ30が約180度回転するまでの間は、巻取パイプ30の側面に対してほぼ直立した状態をとる。その後、可動部42は、図10(C)に示したように、重力により傾き始めるので、姿勢規制部材49が巻取パイプ30の表面に近づいていくことになる。そして、姿勢規制部材49の先端部分は、スクリーン10の、これから巻取パイプ30に巻き取られる部分と巻取パイプ30との間に位置している。そのため、巻取パイプ30へのスクリーン10の巻き取り長さが、図10(D)に示した状態(姿勢規制部材49の先端部分が、巻取パイプ30に巻き取られたスクリーン10によって巻取パイプ30に押し付けられている状態)が形成される最小長さ以上である場合には、巻取パイプ30をどちら方向に回転させても、可動部42が立ち上がることはない。
【0035】
従って、接続機構40は、スクリーン10の最後の部分の引き出し時にのみに可動部42が立ち上がって入力側電極43・出力側電極46間(太陽電池モジュール20の出力端子・主出力端子47間)を接続する機構となっていることになる。そして、スクリーン10が全開状態にある場合にのみ、主出力端子47に、太陽電池モジュール20の出力が現れれば、上記した問題は発生しない。従って、本実施形態に係るロールスクリーン装置1は、その分、発電機として利用しやすい装置となっていると言うことが出来る。
【0036】
本発明のロールスクリーン装置1においては、太陽電池モジュールの設置面積を可能な限り大きくすることが、発電効率の点から好ましい。太陽電池モジュールの設置面積を可能な限り大きくする方法は、特に限定はないが、スクリーン10に対して太陽電池モジュールを可能なかぎり大きく設置する方法や、スクリーン10の端部からロールスクリーン装置1の端部の長さを短くする方法が挙げられる。スクリーン10の端部からロールスクリーン装置1の端部の長さを短くするには、接続機構40を小さくする方法が挙げられる。スクリーン10の端部からロールスクリーン装置1の端部の長さは、80mm以下が好ましく、さらに好ましくは60mm以下、より好ましくは40mm以下、特に好ましくは30mm以下である。スクリーン10の端部からロールスクリーン装置1の端部の長さを短くすることで、発電領域の確保だけではなく、ロールスクリーン装置1を複数設置した場合、各ロールスクリーン装置の間隔を狭めることができ、遮光性を高めることが出来る。
【0037】
最後に、スクリーン10の製造に使用できる材料例、スクリーン10の製造方法例を説明する。
【0038】
[太陽電池セル11]
太陽電池セル11は、或る程度の可撓性を有する(曲げ応力が繰り返しかかっても壊れにくい)ものであれば良い。従って、太陽電池セル11として、アモルファスシリコン系太陽電池セル、有機太陽電池セル、化合物半導体系太陽電池セルなどを用いることができる。
【0039】
アモルファスシリコン系太陽電池セルは、厚さ1μm程度の薄膜でも太陽光を十分に吸収できる長所を有する。また、アモルファスシリコンは、曲げに対する耐性が高い非結晶質の材料である。そのため、太陽電池セル11として、アモルファスシリコン系太陽電池セルを採用しておけば、巻取パイプ30への巻き取りによる太陽電池セル11の破壊/性能劣化等が生じにくい、薄くて軽量なスクリーン10を実現することができる。
【0040】
また、太陽電池セル11として有機太陽電池セルを用いることもできる。ここで、有機太陽電池セルとは、光吸収層(光電変換層)に有機半導体が用いられた太陽電池セルのことである。なお、有機太陽電池セルの構成要素として使用できる有機半導体としては、例えば、ナフタレン(或いはペリレン)テトラカルボン酸ジイミド、フラーレン(C60)およびその誘導体等が知られている。また、例えば、ポリチオフェン、ポリフルオレン、ポリチエニレンビニレン、ポリアセチレン、ポリアニリン等の共役高分子;アルキル置換されたオリゴチオフェン等の高分子半導体も知られている。
【0041】
また、太陽電池セル11として化合物半導体系太陽電池セルを用いることもできる。化合物半導体系太陽電池セルのうちでも、高い光電変換効率が得られるI−III−VI2族半導
体系(カルコパイライト系)太陽電池セルが好ましく、特にI族元素としてCuを用いたCu−III−VI2族半導体系太陽電池セルが好ましい。ここで、Cu−III−VI2族半導体系太陽電池セルとは、構成材料としてCu−III−VI2族半導体を有する太陽電池セルのことである。Cu−III−VI2族半導体とは、CuとIII族元素とVI族元素が1:1:2の割合
で含まれる化合物からなる半導体のことである。このCu−III−VI2族半導体としては、CuInSe2、CuGaSe2、Cu(In1-xGax)Se2、CuInS2、CuGaS2、Cu(In1-xGax)S2、CuInTe2、CuGaTe2、Cu(In1-xGax)Te2を例示できる。
【0042】
太陽電池セル11として使用する化合物半導体系太陽電池セルの構成材料は、これらの2種以上の混合物であってもよい。なお、化合物半導体系太陽電池セルとしては、CIS系太陽電池セル及びCIGS系太陽電池セルが特に好ましい。ここで、CIS系太陽電池セルとは、構成材料としてCIS系半導体を有する太陽電池セルのことであり、CIS系半導体とは、CuIn(Se1-yy2〔0≦y≦1〕のことである。すなわち、CIS
系半導体とは、CuInSe2、CuInS2、又はこれらが混合状態にあるもののことである。
【0043】
また、CIGS系太陽電池セルとは、構成材料としてCIGS系半導体を有する太陽電池セルのことであり、CIGS系半導体とは、Cu(In1-xGax)(Se1-yy2
0<x<1、0≦y≦1〕のことである。なお、Cu(In1-xGax)Se2は、通常、
CuInSe2とCuGaSe2との混晶となっている。また、xの範囲は、通常は0より大きく、好ましくは0.05より大きく、より好ましくは0.1より大きく、また、通常0.8未満、好ましくは0.5未満、より好ましくは0.4未満である。
【0044】
[耐候性保護フィルム12]
耐候性保護フィルム12は、天候変化から太陽電池セル11を保護するためのフィルムである。太陽電池セル11の構成要素のなかには、温度変化、湿度変化、自然光、風雨による侵食などにより劣化するものがある。そのため、耐候性保護フィルム12で太陽電池セル11を覆うことにより、太陽電池セル11等を天候変化などから保護することにより、発電能力が劣化しないようにしておくことが望ましい。
【0045】
耐候性保護フィルム12は、スクリーン10の最表層に位置するため、耐候性、耐熱性、透明性、撥水性、耐汚染性、機械強度などの、スクリーン10(太陽電池セル11)の
表面被覆材として好適な性能を備え、しかもそれを屋外暴露において長期間維持する性質を有することが好ましい。
【0046】
スクリーン10は、コンパクトに巻き取れるものであることが好ましい。従って、耐候性保護フィルム12は薄いものが好ましい。通常10μm以上、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上であり、また、通常200μm以下、好ましくは180μm以下、より好ましくは150μm以下、さらに好ましくは100μm以下である。耐候性保護フィルム12を薄くすると柔軟性が高まるため巻き取り易くなる。ただし、耐候性保護フィルム12が薄過ぎるのは好ましくない。何故ならば、耐候性保護フィルム12が薄過ぎると、耐候性が確保されないことになるからである。
【0047】
また、耐候性保護フィルム12は、太陽電池セル11の光吸収を妨げないという観点から、可視光を透過させるものが好ましい。例えば、耐候性保護フィルム12の可視光(波長360〜830nm)の光の透過率は、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、特に好ましくは95%である。
【0048】
さらに、スクリーン10は光を受けて熱せられることが多いため、耐候性保護フィルム12も熱に対する耐性を有することが好ましい。この観点から、耐候性保護フィルム12の構成材料の融点は、通常100℃以上、好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上であり、また、通常350℃以下、好ましくは320℃以下、より好ましくは300℃以下である。融点を高くすることでスクリーン10の使用時に耐候性保護フィルム12が融解・劣化する可能性を低減できる。
【0049】
耐候性保護フィルム12を構成する材料は、天候変化から太陽電池セル11を保護することができるものであれば任意である。
【0050】
また、耐候性層に、紫外線遮断、熱線遮断、防汚性、防曇性、耐擦性、導電性、反射防止、防眩性、光拡散、光散乱、波長変換性等の機能を付与してもよい。特に、スクリーン10は太陽光からの強い紫外線にさらされるので、耐候性層に、紫外線遮断機能を持たせてもよい。紫外線遮断機能を有する層を塗工製膜等により耐候性層上に積層したり、紫外線遮断機能を発現する材料を溶解・分散させるなどして耐候性層に含有させることにより、紫外線遮断機能を耐候性層に付与できる。
【0051】
なお、耐候性保護フィルム12は1種の材料で形成されていてもよく、2種以上の材料で形成されていても良い。また、耐候性保護フィルム12は単層フィルムにより形成されていても良いが、2層以上のフィルムを備えた積層フィルムであってもよい。
【0052】
また、耐候性保護フィルム12には、他のフィルムとの接着性の改良のために、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を行なってもよい。
【0053】
耐候性保護フィルム12は、スクリーン10においてできるだけ外側に設けることが好ましい。スクリーン10の構成部材のうちより多くのものを保護できるようにするためである。したがって耐候性保護フィルム12はスクリーン10の最表面に設けておくことが好ましい。
【0054】
さらに、巻取った状態でスクリーン基材25の太陽電池セル11が設けられていない側(室内側)の面と耐候性保護フィルム12の表面側とが、接着する可能性を無くするために、耐候性保護フィルム12の表面にエンボス加工を施してもよい。また、このスクリーン10表面のエンボス加工は、スクリーン10を、外から見てまぶしくないものとするためにも、有効である。
【0055】
[封止材13a]
封止材13aは、太陽電池セル11を補強するフィルムである。太陽電池セル11は薄いため通常は強度が弱く、ひいてはスクリーン10の強度が弱くなる傾向があるが、封止材13aにより強度を高く維持することが可能である。
【0056】
スクリーン10をコンパクトに巻き取れるようにするために、封止材13aは薄いものが好ましい。通常50μm以上、好ましくは100μm以上、より好ましくは150μm以上であり、また、通常500μm以下、好ましくは450μm以下、より好ましくは400μm以下である。薄くすることで柔軟性が高まり巻取り易くなるが、薄すぎると強度が確保されないことになり好ましくない。
【0057】
また、封止材13aは、スクリーン10の強度保持の観点から強度が高いことが好ましい。具体的強度については、封止材13a以外の耐候性保護フィルム12やバックシート14の強度とも関係することになり一概には規定しにくいが、封止材13aは、スクリーン10を、巻取パイプ30に巻き取ったり、伸ばしたりしても、スクリーン10の各部で剥離や変形を生じないような接着性と強度を有していることが望ましい。
【0058】
また、封止材13aは、太陽電池セル11の光吸収を妨げない観点から可視光を透過させるものが好ましい。例えば、封止材13aの可視光(波長360〜830nm)の光の透過率は、通常60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上、更に好ましくは80%以上、中でも好ましくは85%以上、とりわけ好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上、その中でも特に好ましくは97%以上である。太陽光をより多く電気エネルギーに変換するためである。
【0059】
さらに、スクリーン10は光を受けて熱せられることが多いため、封止材13aも熱に対する耐性を有することが好ましい。この観点から、封止材13aの構成材料の融点は、通常100℃以上、好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上であり、また、通常350℃以下、好ましくは320℃以下、より好ましくは300℃以下である。融点を高くすることでロールスクリーン装置1の使用時に封止材13aが融解・劣化する可能性を低減できる。
【0060】
[封止材13b]
封止材13bは、上述した封止材13aと同様のフィルムであり、配設位置が異なる他は封止材13aと同様のものを同様に用いることができる。厚みも封止材13aと同様である。また、太陽電池セル11よりも背面側の構成部材は必ずしも可視光を透過させる必要が無いため、封止材13bとしては、可視光を透過させないものを用いることもできる。
【0061】
[バックシート14]
スクリーン10をコンパクトに巻き取り可能なものとするために、バックシート14は薄いのが好ましい。通常10μm以上、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上であり、また、通常200μm以下、好ましくは180μm以下、より好ましくは150μm以下である。薄くすることで柔軟性が高まる傾向になり巻取り易くなるが、薄すぎると耐候性が確保されないことになり好ましくない。
【0062】
バックシート14は、上述した耐候性保護フィルム12と同様のフィルムであり、配設位置が異なる他は耐候性保護フィルム12と同様のものを同様に用いることができる。また、太陽電池セル11よりも背面側の構成部材は必ずしも可視光を透過させる必要が無いため、可視光を透過させないものを用いることもできる。このため、バックシート14と
しては、以下に説明するものを用いることもできる。
【0063】
例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリルースチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリルーブタジエンースチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂、その他等の各種の樹脂のシートを使用することができる。
【0064】
これらの樹脂のシートの中でも、フッ素系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂のシートを使用することが好ましい。フッ素系樹脂の具体例を挙げるとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、4−フッ化エチレン−パークロロアルコキシ共重合体(PFA)、4−フッ化エチレン−6−フッ化プロピレン共重合体(FEP)、2−エチレン−4−フッ化エチレン共重合体(ETFE)、ポリ3−フッ化塩化エチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びポリフッ化ビニル(PVF)等が挙げられる。なお、これらは1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
【0065】
[シール材15]
上述した耐候性保護フィルム12、封止材13a、13b、及びバックシート14の縁部をシールするために、シール材15を用いても良い。スクリーン10は光を受けて熱せされることが多いため、シール材15も熱に対する耐性を有することが好ましい。この観点から、シール材15の構成材料の融点は、通常100℃以上、好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上であり、また、通常250℃以下、好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下である。融点が低すぎると太陽電池モジュール20の使用時にシール材15が融解する可能性がある。
【0066】
シール材15を構成する材料としては、例えば、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、アクリル系樹脂等のポリマーが挙げられる。なお、シール材15は1種の材料で形成されていてもよく、2種以上の材料で形成されていても良い。
【0067】
シール材15は、スクリーン10の耐候性保護フィルム12とバックシート14以外の各フィルムをシールできる位置に設ける。これによりシール材15で囲まれた空間を密閉し、この空間内に湿気及び酸素が侵入しないようにすることができる。
【0068】
このシール材15は、さまざまな方法により形成することが出来る。例えば、シール材15の構成材料を、耐候性保護フィルム12とバックシート14との間に注入することにより形成できる。
【0069】
[スクリーン基材25]
スクリーン10をコンパクトに巻き取れるものとするために、スクリーン基材25は薄いものが良い。通常0.1mm以上、好ましくは0.15mm以上、より好ましくは0.2mm以上であり、また、通常2mm以下、好ましくは1.5mm以下、より好ましくは1mm以下である。薄くすることで柔軟性が高まる傾向になり巻取り易くなるが、薄すぎると強度が確保されないことになり好ましくない。
【0070】
スクリーン基材25の材質は、ポリプロピレンやポリエステル製のような樹脂から作成されるものの他、和紙、綿や麻のような天然素材でもよい。またポリエステルと綿の混紡でもよい。スクリーン基材25は遮光性の高いものでもよく、また低いもの(いわゆる透け感のあるもの)でも良い。またスクリーン基材25は遮熱性のあるものでもよい。
【0071】
スクリーン基材25の色は特に何色でも良いが、白、ベージュ、ブラウン、ブルー、グリーン等が意匠性から好適に用いられる。また意匠性を上げるために、特に室内側に所望の模様を施しても良い。さらに、巻き取った状態で、スクリーン基材25の太陽電池セル11が設けられていない側(室内側)の面と耐候性保護フィルム12の表面側とが、接着する可能性を無くするために、スクリーン基材25の室内側の表面にエンボス加工を施しておくことも出来る。
【0072】
[紫外線カットフィルム16]
紫外線カットフィルム16は紫外線の透過を防止するフィルムである。スクリーン10の構成部品のなかには紫外線により劣化するものがあるため、紫外線カットフィルム16を用いても良い。
【0073】
スクリーン10には、巻き取った状態でコンパクトであることが望まれるので、紫外線カットフィルム16は薄いのが好ましい。通常5μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上であり、また、通常200μm以下、好ましくは180μm以下、より好ましくは150μm以下である。厚みを厚くすることで紫外線の吸収が高まる傾向にあるが、厚くしすぎるとコンパクト性を確保できなくなる。
【0074】
紫外線カットフィルム16に要求される紫外線の透過抑制能力の程度は、紫外線(例えば、波長300nm)の透過率が50%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましく、特に好ましくは10%以下である。
【0075】
また、紫外線カットフィルム16は、太陽電池セル11の光吸収を妨げない観点から可視光を透過させるものが好ましい。例えば、可視光(波長360〜830nm)の光の透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、特に好ましくは95%である。
【0076】
さらに、スクリーン10は光を受けて熱せられることが多いため、紫外線カットフィルム16も熱に対する耐性を有することが好ましい。この観点から、紫外線カットフィルム16の構成材料の融点は、通常100℃以上、好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上であり、また、通常350℃以下、好ましくは320℃以下、より好ましくは300℃以下である。融点が低すぎると太陽電池モジュール20の使用時に紫外線カットフィルム16が融解する可能性がある。
【0077】
また、紫外線カットフィルム16は、柔軟性が高く、隣接するフィルムとの接着性が良好であり、水蒸気や酸素をカットしうるものが好ましい。
【0078】
紫外線カットフィルム16を構成する材料は、紫外線の強度を弱めることができるものであれば任意である。その材料の例を挙げると、エポキシ系、アクリル系、ウレタン系、エステル系の樹脂に紫外線吸収剤を配合して成膜したフィルムなどが挙げられる。
【0079】
紫外線吸収剤としては、例えば、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾル系、シアノアクリレート系のものを用いることができる。中でもベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系が好ましい。この例としては、ベンゾフェノン系やベンゾトリアゾール系の種々の芳香族系有機化合物などが挙げられる。紫外線吸収剤は1種の化合物で形成さ
れていてもよく、2種以上の化合物で形成されていても良い。また、紫外線吸収剤を樹脂中に分散あるいは溶解させた層を基材フィルム上に形成したフィルムを用いても良い。或いは紫外線吸収層を基材フィルム上に形成したフィルムを用いることもできる。このようなフィルムは、例えば、紫外線吸収剤を含む塗布液を基材フィルム上に塗布し、乾燥させることで作製できる。
【0080】
基材フィルムの材質は特に限定されないが、耐熱性、柔軟性のバランスが良好なフィルムが得られる点で、例えばポリエステルが挙げられる。
【0081】
なお、紫外線カットフィルム16は単層フィルムにより形成されていても良いが、2層以上のフィルムからなる積層フィルムであってもよい。
【0082】
[スクリーン10の製造方法]
スクリーン10のスクリーン基材25以外の部分(以下、太陽電池部と表記する)は、さまざまな方法により製造することが出来る。例えば、図3に示したタイプの太陽電池部は、耐候性保護フィルム12とバックシート14との間に、複数の太陽電池セル11を直列または並列接続したものを、封止材13a、13bと共に一般的な真空ラミネート装置でラミネートすることにより製造することができる。また、図4に示したタイプの太陽電池部は、上記のようなラミネート時に、紫外線カットフィルム16を同時にラミネートすることや、幾つかのフィルムを別途ラミネートすることにより製造することが出来る。
【0083】
この際、加熱温度は通常130℃以上、好ましくは140℃以上であり、通常180℃以下、好ましくは170℃以下である。また、加熱時間は通常10分以上、好ましくは20分以上であり、通常100分以下、好ましくは90分以下である。圧力は通常0.001MPa以上、好ましくは0.01MPa以上であり、通常0.2MPa以下、好ましくは0.1MPa以下である。圧力をこの範囲とすることで封止を確実に行い、かつ、端部からの封止材13a,13bがはみ出しや過加圧による膜厚低減を抑え、寸法安定性を確保しうる。
【0084】
スクリーン基材25・太陽電池部間の固定方法としては、接着材を用いる方法と、縫い付ける方法が挙げられる。
【0085】
巻取った状態でスクリーン基材25の薄膜太陽電池が装着されていない側(室内側)の面と耐候性保護フィルム12の表面側とが、接着する可能性を無くするため、スクリーン基材25の室内側の表面にエンボス加工を施してもよい。
【0086】
《変形形態》
上記したロールスクリーン装置1は、各種の変形を行えるものである。例えば、接続機構40の代わりに、スリップリング、ロータリエンコーダー等からなる同機能の機構(回路)をロールスクリーン装置1に搭載しておくことも出来る。また、接続機構40の代わりに、スクリーン10が全部引き出されるとほぼ一回転するロータリスイッチ、スリップリング等からなる同機能の機構をロールスクリーン装置1に搭載しておくことも出来る。
【0087】
ただし、そのような機構は、上記した接続機構40よりも製造コストがかかるものである。そのため、ロールスクリーン装置1を安価に製造するという観点からは、上記した接続機構40を採用しておくことが望ましい。
【0088】
また、接続機構40から、永久磁石52及び強磁性体部材51を取り除いておくことも出来る。ただし、永久磁石52及び強磁性体部材51を取り除いた場合、入力側電極43・出力側電極46間の電気的な接触状態が悪化する恐れがある。そのため、永久磁石52
及び強磁性体部材51を備えた接続機構40を採用しておくことが好ましい。
【符号の説明】
【0089】
1 ロールスクリーン装置
10 スクリーン
11 太陽電池セル
12 耐候性保護フィルム
13a、13b 封止材
14 バックシート
15 シール材
16 紫外線カットフィルム
20、20a、20b 太陽電池モジュール
25 スクリーン基材
30 巻取パイプ
35 支持部
36 ビーズ・コード
38 ボトムバー
39 端子箱
40 接続機構
41 回転軸
42 可動部
43 入力側電極
45 主出力端子部
46 出力側電極
47 主出力端子
48 スペーサ
49 姿勢規制部材
51 強磁性体部材
52 永久磁石

【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻取パイプと、
前記巻取パイプを回転可能に支持する支持部材と、
前記支持部材に対して固定された正負一対の主出力端子と、
一方の面上に太陽電池モジュールが配設されたスクリーンであって、前記巻取パイプへの巻き取り及び前記巻取パイプからの巻き解きが可能なように、その一端が前記巻取パイプに連結されたスクリーンと、
前記スクリーンの状態が、前記太陽電池モジュールが配設されている部分が全て前記巻取パイプから引き出されている全開状態になったときに、前記一対の主出力端子のそれぞれと前記太陽電池モジュールの対応する極性の出力端子とを電気的に接続し、前記スクリーンの状態が前記全開状態ではなくなったときに、少なくとも一方の主出力端子・出力端子間の電気的接続を切断する接続手段と、
を備えることを特徴とするロールスクリーン装置。
【請求項2】
前記接続手段として、
前記巻取パイプの一方の端部の側面に設けられた、前記巻取パイプの長さ方向に延びた回転軸と、
前記回転軸を中心に回動可能な、前記太陽電池モジュールの対応する極性の出力端子とそれぞれ電気的に接続された正負一対の入力側電極が取り付けられている第1部材と、
それぞれ、対応する極性の主出力端子と電気的に接続された、所定位置に位置している前記回転軸を中心に前記第1部材を回転させると前記第1部材の対応する極性の入力側電極と接触することになる位置に配置された正負一対の出力側電極と、
前記巻取パイプの他方の端部側に向かって前記第1部材から延びた、前記巻取パイプに巻き取られた前記スクリーンと前記巻取パイプとの間に挟まれることにより、前記巻取パイプに所定量以上の前記スクリーンが巻き込まれている場合における前記第1部材の姿勢を、前記一対の入力側電極が前記巻取パイプの側面近傍に位置する姿勢に規制する姿勢規制部材と、
前記姿勢制御用部材が前記スクリーンと前記巻取パイプとの間に挟まれていない状態で前記回転軸が前記所定位置に位置した場合における前記第1部材に、前記一対の入力側電極と前記一対の出力側電極とが接触する姿勢を取らせるための姿勢制御部材と、
を備える
ことを特徴とする請求項1に記載のロールスクリーン装置。
【請求項3】
前記一対の出力側電極を保持した第2部材、前記第1部材の一方の部材に磁石が取り付けられており、他方の部材の当該磁石と対向することになる箇所に強磁性体部材が取り付けられている
ことを特徴とする請求項2に記載のロールスクリーン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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