説明

ロールツーロール印刷方式を用いたRF印刷整流器

本発明は、伝導性インクを用いてロールツーロール印刷方法によって製造された印刷アンテナと、前記伝導性インクを用いて前記ロールツーロール印刷方法によって製造された印刷ダイオードと、前記伝導性インクを用いて前記ロールツーロール印刷方法によって製造された印刷キャパシタとを含み、前記印刷アンテナによって交流が入力され、前記印刷ダイオードおよび前記印刷キャパシタによって直流が出力されることを特徴とする、ロールツーロール印刷方式を用いたRF印刷整流器を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールツーロール印刷方式を用いたRF(Radio Frequency)印刷整流器およびその製造方法に係り、さらに詳しくは、伝導性インク、半導体インク、誘電体インクおよび導体インクを用いてロールツーロール印刷方式によって製造された印刷整流器およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、デジタルカメラ、DVD、PDP、LCDなどのデジタル家電製品の市場が成長するにつれて、半導体およびその他の精密電子部品の製造工程および装置に対する要求も大きく変化している。IC、電子部品およびディスプレイの市場に加えて、ドナーアクセプタ型の有機太陽電池、酸化チタン、酸化亜鉛などを含む色素増感太陽電池(dye-sensitized solar cells)、および燃料電池などのエネルギー分野においても、新製品の実用化を迎えているので、生産工程の単純化と工程費用を減らすための研究が行われている。
【0003】
印刷電子デバイス技術は、既存の電子製品を生産する方式とは異なり、新聞や雑誌、ポスターなどの印刷物の製作に使用してきた印刷技術を電子部品の製造に適用する技術である。印刷電子デバイス技術を用いてRFIDタグを製作する技術が開発されている。
【0004】
従来の手動型RFIDタグは、リーダー機から供給されるRF電力を、誘導性結合方式を採用したアンテナを用いて交流電圧を誘起し、誘起された交流電圧をシリコンベースの整流器とキャパシタを用いて直流電圧に変換することにより、タグ動作に必要な電力を供給する。このようなアンテナと整流器との組み合わせを「レクテナ(Rectenna)」と呼ぶ。
【0005】
13.56MHz帯域のRFIDに用いられるHF(High
Frequency)アンテナは、主に銅箔をエッチングして製造されており、結晶型シリコンをベースとした整流器は、シリコンダイオードおよびキャパシタから構成され、低周波からUHF(Ultra High Frequency)領域に至るまでの高いDC転換率を示しており、大部分の手動型RFIDタグのエネルギー供給源として用いられている。
【0006】
ところが、このようなシリコンと無機酸化物をベースとした整流器は、超低価の印刷RFIDタグの製造に使用するには工程上互換性が劣るという問題点があって、100%印刷技術を用いて製造された印刷整流器が要求されている。

【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、上述した従来の技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、ロールツーロール印刷方法で製造され、13.56MHzの交流を介して10V以上の直流を供給することが可能なRF印刷整流器を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、前記RF印刷整流器の製造に必須的な印刷ダイオードおよび印刷キャパシタの製造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、前記RF印刷ダイオードの製造に用いられる伝導体インク、半導体インク、誘電体インクおよび導体インクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のある観点によれば、伝導性インクを用いてロールツーロール印刷方法によって製造された印刷アンテナと、前記伝導性インクを用いて前記ロールツーロール印刷方法によって製造された印刷ダイオードと、前記伝導性インクを用いて前記ロールツーロール印刷方法によって製造された印刷キャパシタとを含み、前記印刷アンテナによって交流が入力され、前記印刷ダイオードおよび前記印刷キャパシタによって直流が出力されることを特徴とする、ロールツーロール印刷方式を用いたRF印刷整流器を提供する。
【0010】
前記伝導性インクは銀ナノインクを含み、前記銀ナノインクは銀含量が10〜70wt%であり、前記銀ナノインクの粘度は300〜1000cP(centi-Poise)であることを特徴とする。
前記印刷ダイオードは、前記伝導性インクの他に、半導体ナノ線と高分子物質を攪拌して製造された半導体インク、および仕事関数の差異によって前記半導体インクとの整流性接触を形成することが可能な低い仕事関数の導体インクを用いて製造されることを特徴とする。
【0011】
前記半導体ナノ線は、ZnOナノ線、GaAsナノ線、InAsナノ線、およびSiナノ線のいずれか一つを含むことを特徴とする。
前記ZnOナノ線は、Znアセテート、Coアセテート、およびトリオクチルアミンを200〜500℃の温度と1〜400atmの圧力で合成して製造されることを特徴とする。
【0012】
前記GaAsナノ線は、窒素で充填された空間でAs(SiMe;、Biナノ結晶、トルエン、オレイン酸、トリオクチルアミン、およびGaClを合成して製造されることを特徴とする。
前記InAsナノ線は、窒素で充填された空間でAs(SiMe
;、Biナノ結晶、トルエン、オレイン酸、トリオクチルアミン、およびInClを合成して製造されることを特徴とする。
【0013】
前記Siナノ線は、モノフェニルシラン(Monophenylsilane)およびドデカンチオール(dodecanthiol)でコートされた金ナノ粒子を合成して製造されることを特徴とする。
前記高分子物質は、ポリアニリン、PEDOT、ポリピロール、MEH−PPV、およびP3HTのいずれか一つを含むことを特徴とする。
【0014】
前記導体インクは、インクに製造可能なAg−Cs、Ag−Al、Ag−Mg、およびAg−Ca合金のいずれか一つを含むことを特徴とする。
前記印刷キャパシタは、前記伝導性インクの他に、無機物と高分子物質を攪拌して製造された誘電体インクを用いて製造されることを特徴とする。
【0015】
前記高分子物質は、アクリレート系、エポキシ系、およびフェノール系高分子物質のいずれか一つを含むことを特徴とする。
前記無機物は、TiO、SiO、Al、Nb、BaTiO、Si、およびTaのいずれか一つを含むことを特徴とする。
【0016】
また、上記目的を達成するために、本発明の他の観点によれば、ロールツーロール印刷方式を用いたRF印刷整流器の製造方法において、前記製造方法は、伝導性インクを用いてロールツーロール印刷方法によって印刷アンテナを製造する段階と、前記伝導性インクを用いて前記ロールツーロール印刷方法によって複数の印刷ダイオードを製造する段階と、前記伝導性インクを用いて前記ロールツーロール印刷方法によって複数の印刷キャパシタを製造する段階と、前記伝導性インクを用いて前記印刷アンテナ、前記複数の印刷ダイオードおよび前記複数の印刷キャパシタを連結する配線を印刷する段階とを含み、前記RF印刷整流器は、前記印刷アンテナによって交流が入力され、前記印刷ダイオードおよび前記印刷キャパシタによって直流が出力されるように製造されることを特徴とする、ロールツーロール印刷方式を用いたRF印刷整流器の製造方法を提供する。
【0017】
前記複数の印刷ダイオードを製造する段階は、前記伝導性インクを用いて前記ロールツーロール印刷方法によって下部電極を印刷する段階と、前記下部電極上に、半導体ナノ線と高分子物質を攪拌して製造された半導体インクを用いて半導体層を印刷する段階と、前記半導体層上に、仕事関数の差異によって前記半導体インクとの整流性接触を形成することが可能な低い仕事関数の導体インクを用いて上部電極を印刷する段階とを含むことを特徴とする。
【0018】
前記複数の印刷キャパシタを製造する段階は、前記伝導性インクを用いて前記ロールツーロール印刷方法によって下部電極を印刷する段階と、前記下部電極上に、無機物と高分子物質を攪拌して製造された誘電体インクを印刷する段階と、前記誘電体インク上に、前記伝導性インクを用いて前記ロールツーロール印刷方法によって上部電極を印刷する段階とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るRF印刷整流器は、ローツーロール印刷工程および100%印刷工程を用いて製造されることにより、HF帯域で直流10V以上を安定的に整流することができ、工程費用が低いうえ、工程効率が非常に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施例に係るRF印刷整流器の倍電圧回路図である。
【図2】本発明の一実施例に係るHF帯域の印刷アンテナを示す図である。
【図3】本発明の一実施例に係る酸化亜鉛ナノ線のSEM測定結果を示す図である。
【図4】本発明の一実施例に係る倍電圧回路図である。
【図5】本発明の一実施例に係る酸化亜鉛ナノ線のXRD分析結果を示す図である。
【図6】本発明の一実施例に係るロールツーロール工程を用いて印刷したHF帯域(13.56MHz)の第1アンテナを示す図である。
【図7】本発明の一実施例に係るロールツーロール工程を用いて印刷したHF帯域(13.56MHz)の第2アンテナを示す図である。
【図8】本発明の一実施例に係る印刷ダイオードの電圧−電流グラフである。
【図9】本発明の一実施例に係る印刷ダイオードの直流整流特性を示すグラフである。
【図10】本発明の一実施例に係るRF印刷整流器の直流整流特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明で使用される用語は、現在広く用いられる一般な用語を選択したが、特定の場合は出願人が任意に選定した用語もあり、この場合、該当する発明の詳細な説明部分においてその意味を記載したので、単純な用語の名称ではなく、用語が持つ意味で本発明を把握しなければならない。
【0022】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面を参照して説明するが、本発明の特徴および範囲はこれらの実施例に限定されない。
本発明において、ロールツーロール印刷方法とは、銅張積層板(FCCL)を裁断せず、そのまま回転ロールに巻いて使用する印刷方法を意味する。
【0023】
本発明において、ロールツーロールプリンター用伝導性インクとは、アンテナおよび電極部分に使用される銀ナノインクを含み、銀ナノゲルを用いて製造される。前記銀ナノインクにおける銀の含量は、10〜70wt%であり、好ましくは20〜50wt%である。前記銀ナノインクの粘度は、300〜1000cPであり、好ましくは400〜500cPである。銀ナノゲルの場合は、韓国特許出願第10−2007−0079897号で製造された銀ナノゲルを用いて伝導性インクを製造したものである。RFIDタグのアンテナ性能を実現するために、伝導性インクは、0.8〜15mΩ/□/milの伝導性を有し、好ましくは0.8〜5mΩ/□/milの伝導性を有する。
【0024】
本発明において、印刷アンテナとは、図2に示すように、銀ナノインクを原料物質として用い、ロールツーロールグラビア印刷工程を用いて製造した100%印刷アンテナを意味し、13.56MHzのRFIDタグに交流電力を供給するための用途で用いられる。
【0025】
本発明において、半導体ナノ線とは、図3に示すように、Si、Ga、As、In、Znなどの半導体の前駆体を用いて高温高圧で製造された無機物半導体ナノ線を意味し、ドーピング物質としてはCo、B、Al、P、Ag、In、Gaを含む。
【0026】
本発明において、半導体インクとは、Si、ZnO、GaAS、またはInAsナノ線と高分子物質としてのポリアニリン、PEDOT、ポリピロール、MEH−PPV、P3HTを意味する。
【0027】
本発明において、誘電体インクとは、無機物と高分子のハイブリッド形態のインクであって、誘電率が10以上でなければならず、印刷の際に基板との接着力、広がり性などに優れなければならない。絶縁インクに用いられる高分子の組成としては、ポリイミド、ポリメタメチルアクリレート、エポキシ、ポリエステル、ポリビニルフェノール、フェノキシなどのアクリレート系、エポキシ系、フェノール系がある。また、無機物の組成としては、TiO、SiO、Al、Nb、BaTiO、Si、Taなどがある。
【0028】
本発明において、低い仕事関数の導体インクとは、半導体物質との仕事関数の差異によって半導体インクとの整流性接触を形成することが可能な物質であり、1次電極印刷のための銀より低い仕事関数を持つ導体を意味し、インクに製造可能なAg−Cs、Ag−Al、Ag−Mg、Ag−Ca合金などの導体インクの種類を意味する。
【0029】
本発明において、印刷ダイオード201、202、203とは、ロールツーロール印刷用に製作された銀ナノインクを用いてプラスチックフィルム上に下部電極を印刷し、銀電極上にロールツーロール印刷方法またはパッド印刷方法を用いて半導体インクを印刷し、その上にロールツーロール印刷方法またはパッド印刷方法を用いて上部電極として低い仕事関数の金属インクを印刷して製作された素子を意味する。製造されたダイオードは、整流比が10〜10であり、HF領域で20Vの交流入力電圧状態で5V以上の整流が可能である。
【0030】
本発明において、印刷キャパシタ301、302、303とは、銀ナノインクを用いてロールツーロール印刷方法で下部電極を印刷した後、銀電極上に誘電体インクを印刷し、しかる後に、さらに銀ナノインクを用いて電極を印刷して製造された100%印刷キャパシタを意味する。製造されたキャパシタは、面積に応じてキャパシタンスが変化するが、一般に0.01nF〜10nFである。製造されたキャパシタの単位面積当たりキャパシタンスは一般に0.1〜100nF/cmである。
【0031】
本発明において、RF印刷回路とは、倍電圧回路として用いられる印刷整流器であって、図1に示すように、少なくとも一つの印刷アンテナ100、複数の印刷ダイオード201、202、203および複数の印刷キャパシタ301、302、303を含み(例えば、3つのダイオードおよび3つのキャパシタ)、配線は銀ナノインクを印刷して製造する。本発明に係る印刷整流器は図4に示した倍電圧回路のように製造できるが、本発明は前記倍電圧回路に限定されない。前記RF印刷整流器はHF帯域で20Vの交流入力電圧状態で直流10V以上を得ることができる。
以下、本発明を下記の実施例を参照してより詳細に説明する。

【実施例1】
【0032】
Znアセテート(2.66mol)とCoアセテート(0.30mol)を反応器に仕込み、トリオクチルアミン(25mL)を添加した後、反応温度を310℃で30分間超臨界状態で攪拌し、反応が終了すると、反応器の壁面に緑色で塗布される。この緑色で塗布された物質が、コバルトでドープされた酸化亜鉛ナン線である。塗布された緑色酸化亜鉛ナノ線にエタノールを添加して分散させ、遠心分離機を用いて、溶媒と、最終合成された、コバルトでドープされた酸化亜鉛ナノ線とを分離する。図3は合成された酸化亜鉛ナノ線の走査電子顕微鏡写真である。
【0033】
図5は酸化亜鉛ナノ線のX線回折分析結果を示す。分離された、コバルトでドープされた酸化亜鉛ナノ線は、パウダー形態であり、コバルトでドープされた酸化亜鉛ナノ線と、伝導性高分子として知られているポリアニリンを1:5の比率で攪拌してインクとして製作する。

【実施例2】
【0034】
窒素の下でAs(SiMeとGaClがトリオクチルアミン(TOA)に溶けているBiナノ結晶を準備した後、Bi(III)2−エチルヘキサノエートをジオクチルエーテルとトリオクチルホスフィン(TOP)に溶かし、しかる後に、NaBHをエチレンジアミンに溶かして添加すると、溶けない溶媒によってBiナノ結晶が析出する。
【0035】
ナノ線成長のためにAs(SiMe8.6μL、Biナノ結晶1.7mg、トルエン300μL、オレイン酸24μL、トリオクチルアミン850μLの反応物を、窒素で充填されたグローブボックス内でGaCl14.3mg、ミリスチン酸5.6mg、TOA2.5mLが溶けている熱い溶液(340℃)に添加した後、攪拌する。溶媒の温度が40℃に降温するが、さらに340℃に昇温して5分間さらに攪拌してGaAsナノ線が成長すると、反応が終了する。

【実施例3】
【0036】
InCl18mg、As(SiMe8.6μL、Biナノ結晶1.7mg、トルエン300μL、オレイン酸24μL、およびトリオクチルアミン(TOA)850μLを、窒素入りのグローブボックス内でTOA2.5mLにミリスチン酸5.6mgを溶かした熱い溶液(340℃)に添加した後、攪拌する。反応物の添加後に溶媒の温度が40℃に降温するが、さらに温度を340℃に昇温して5分間さらに攪拌してInAsナノ線が成長すると、反応が終了する。

【実施例4】
【0037】
グローブボックス内でモノフェニルシラン(272mM)をベンゼンに溶解させた後、ドデカンチオールでコートされた金ナノ粒子(1mg/mL)を添加する。この際、金とシリコンの比率は1:1000である。まず、超臨界の圧力を3.4MPaに維持した状態で製造された溶液を0.5mL/minの速度で反応器に10mL添加した後、超臨界温度を460℃まで加熱すると、圧力は6.9MPaまで増加する。この際、反応を終了し、反応器の温度と圧力が室温と待機状態になると、反応器にクロロホルムを添加して分散させた後、シリコンナノ線を得る。

【実施例5】
【0038】
N−メチル−2−ピロリドンにドープされていないポリアニリンを溶解させた溶液(3mL)にCs(CHCOO)(0.1g)、フェニルヒドラジン(0.2mL)および銀ナノゲル(1g)を添加した後、分散させてインクとして製作する。製作されたインクは、2〜50mΩ/□/milの伝導性を有し、前記ロールツーロールプリンター用伝導性インクに比べて低い仕事関数を持つ。

【実施例6】
【0039】
前記ロールツーロールプリンター用伝導性インクを用いてグラビア印刷によって図6および図7の相異なるパターンでロールツーロールアンテナを製作し、その特性を分析した。その結果は下記の表1に示す。

【表1】

【実施例7】
【0040】
ロールツーロールプリンター用伝導性インクを用いてグラビア印刷機によってPETフィルム上に電極を100〜2mmで印刷し、さらに実施例1で製造したZnO半導体インクを用いて80〜1mmで半導体層を印刷した後、80℃〜150℃で10分〜1時間焼結し、しかる後に、さらに低い仕事関数の導体インクで80〜1mmで電極を印刷して印刷ダイオードを製造する。
【0041】
製造された印刷ダイオードは、半導体特性分析器で測定し、図8に示すように整流比が10〜10であり、図9に示すように非常に安定的にHF帯域で直流3〜6Vに整流することができる。

【実施例8】
【0042】
伝導性インクを用いて100〜1mmの大きさで電極をロールツーロールグラビア印刷工程によって印刷した後、誘電体インクをグラビア印刷によって90〜1mmの大きさで電極を印刷することにより、キャパシタンス0.01nF〜10nFのキャパシタを印刷方法で製造することができる。

【実施例9】
【0043】
実施例3、実施例4、実施例5の印刷アンテナ、印刷ダイオード、印刷キャパシタを図1のRF印刷整流器回路のようにPETフィルム上に印刷し、銀ナノインクを用いて配線を印刷して製作されたRF印刷整流器(図4に示した倍電圧回路)を製作する。図10に示すように、前記RF印刷整流器(倍電圧回路)はHF帯域の交流20Vを10V以上の直流に整流することができる。

【産業上の利用可能性】
【0044】
以上、本発明の好適な実施例について説明の目的で開示したが、当業者であれば、添付した特許請求の範囲に開示された本発明の精神と範囲から逸脱することなく、様々な変形、追加または置換を加え得ることを理解するであろう。
したがって、本発明の範囲は、上述した実施例に限定されず、添付した特許請求の範囲およびこれら特許請求の範囲と均等な全ての技術的思想を含む。

【符号の説明】
【0045】
100:印刷アンテナ
201、202、203:印刷ダイオード
301、302、303:印刷キャパシタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝導性インクを用いてロールツーロール印刷方法によって製造された印刷アンテナと、
前記伝導性インクを用いて前記ロールツーロール印刷方法によって製造された印刷ダイオードと、
前記伝導性インクを用いて前記ロールツーロール印刷方法によって製造された印刷キャパシタとを含み、
前記印刷アンテナによって交流が入力され、前記印刷ダイオードおよび前記印刷キャパシタによって直流が出力されることを特徴とする、ロールツーロール印刷方式を用いたRF印刷整流器。
【請求項2】
前記伝導性インクは銀ナノインクを含み、前記銀ナノインクは銀含量が10〜70wt%であり、前記銀ナノインクの粘度は300〜1000cP(centi-Poise)であることを特徴とする、請求項1に記載のロールツーロール印刷方式を用いたRF印刷整流器。
【請求項3】
前記印刷ダイオードは、前記伝導性インクの他に、半導体ナノ線と高分子物質を攪拌して製造された半導体インク、および仕事関数の差異によって前記半導体インクとの整流性接触を形成することが可能な低い仕事関数の導体インクを用いて製造されることを特徴とする、請求項1に記載のロールツーロール印刷方式を用いたRF印刷整流器。
【請求項4】
前記半導体ナノ線は、ZnOナノ線、GaAsナノ線、InAsナノ線、およびSiナノ線のいずれか一つを含むことを特徴とする、請求項3に記載のロールツーロール印刷方式を用いたRF印刷整流器。
【請求項5】
前記ZnOナノ線は、Znアセテート、Coアセテート、およびトリオクチルアミンを200〜500℃の温度と1〜400atmの圧力で合成して製造されることを特徴とする、請求項4に記載のロールツーロール印刷方式を用いたRF印刷整流器。
【請求項6】
前記GaAsナノ線は、窒素で充填された空間でAs(SiMe;、Biナノ結晶、トルエン、オレイン酸、トリオクチルアミン、およびGaClを合成して製造されることを特徴とする、請求項4に記載のロールツーロール印刷方式を用いたRF印刷整流器。
【請求項7】
前記InAsナノ線は、窒素で充填された空間でAs(SiMe;、Biナノ結晶、トルエン、オレイン酸、トリオクチルアミン、およびInClを合成して製造されることを特徴とする、請求項4に記載のロールツーロール印刷方式を用いたRF印刷整流器。
【請求項8】
前記Siナノ線は、モノフェニルシランおよびドデカンチオールでコートされた金ナノ粒子を合成して製造されることを特徴とする、請求項4に記載のロールツーロール印刷方式を用いたRF印刷整流器。
【請求項9】
前記高分子物質は、ポリアニリン、PEDOT、ポリピロール、MEH−PPV、およびP3HTのいずれか一つを含むことを特徴とする、請求項3に記載のロールツーロール印刷方式を用いたRF印刷整流器。
【請求項10】
前記導体インクは、インクに製造可能なAg−Cs、Ag−Al、Ag−Mg、およびAg−Ca合金のいずれか一つを含むことを特徴とする、請求項3に記載のロールツーロール印刷方式を用いたRF印刷整流器。
【請求項11】
前記印刷キャパシタは、前記伝導性インクの他に、無機物と高分子物質を攪拌して製造された誘電体インクを用いて製造されることを特徴とする、請求項1に記載のロールツーロール印刷方式を用いたRF印刷整流器。
【請求項12】
前記高分子物質は、アクリレート系、エポキシ系、およびフェノール系高分子物質のいずれか一つを含むことを特徴とする、請求項11に記載のロールツーロール印刷方式を用いたRF印刷整流器。
【請求項13】
前記無機物は、TiO、SiO、Al、Nb、BaTiO、Si、およびTaのいずれか一つを含むことを特徴とする、請求項11に記載のロールツーロール印刷方式を用いたRF印刷整流器。
【請求項14】
ロールツーロール印刷方式を用いたRF印刷整流器の製造方法において、
前記製造方法は、
伝導性インクを用いてロールツーロール印刷方法によって印刷アンテナを製造する段階と、
前記伝導性インクを用いて前記ロールツーロール印刷方法によって複数の印刷ダイオードを製造する段階と、
前記伝導性インクを用いて前記ロールツーロール印刷方法によって複数の印刷キャパシタを製造する段階と、
前記伝導性インクを用いて前記印刷アンテナ、前記複数の印刷ダイオードおよび前記複数の印刷キャパシタを連結する配線を印刷する段階とを含み、
前記RF印刷整流器は、前記印刷アンテナによって交流が入力され、前記印刷ダイオードおよび前記印刷キャパシタによって直流が出力されるように製造されることを特徴とする、ロールツーロール印刷方式を用いたRF印刷整流器の製造方法。
【請求項15】
前記複数の印刷ダイオードを製造する段階は、
前記伝導性インクを用いて前記ロールツーロール印刷方法によって下部電極を印刷する段階と、
前記下部電極上に、半導体ナノ線と高分子物質を攪拌して製造された半導体インクを用いて半導体層を印刷する段階と、
前記半導体層上に、仕事関数の差異によって前記半導体インクとの整流性接触を形成することが可能な低い仕事関数の導体インクを用いて上部電極を印刷する段階とを含むことを特徴とする、請求項14に記載のロールツーロール印刷方式を用いたRF印刷整流器の製造方法。
【請求項16】
前記複数の印刷キャパシタを製造する段階は、
前記伝導性インクを用いて前記ロールツーロール印刷方法によって下部電極を印刷する段階と、
前記下部電極上に、無機物と高分子物質を攪拌して製造された誘電体インクを印刷する段階と、
前記誘電体インク上に、前記伝導性インクを用いて前記ロールツーロール印刷方法によって上部電極を印刷する段階とを含むことを特徴とする、請求項14に記載のロールツーロール印刷方式を用いたRF印刷整流器の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2011−520171(P2011−520171A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−502843(P2011−502843)
【出願日】平成20年11月5日(2008.11.5)
【国際出願番号】PCT/KR2008/006509
【国際公開番号】WO2009/123385
【国際公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(510264017)パル カンパニ− リミテッド (1)
【Fターム(参考)】