ロールペーパーホルダー
【課題】ロールペーパーを引き出して必要な長さで切り取る際、ロールペーパーホルダーの安定性が向上したロールペーパーホルダーを提供する。
【解決手段】このロールペーパーホルダー１は、底面部２と、底面部２の対向する横辺の前側の一辺に連設され、底面部２との接続部を軸として揺動可能な正面部３と、底面部２の対向する縦辺のそれぞれの一辺から立設される右側面部４及び左側面部５と、底面部２の対向する横辺の後側の一辺から底面部２に対し傾斜して立設され、右側面部４と左側面部５との間に接続される背面部６と、により、正面部３の揺動位置によって開閉可能な箱体を形成して成り、正面部３は、折り曲げ部分３ｃから先端部３ｂの間にペーパー誘導部分３ｂｃが設けられ、正面部３が閉じている状態においてペーパー誘導部分３ｂｃが背面部６の内面に対向するとともに、折り曲げ部分３ｂｃと背面部６との間にペーパー取り出し口Ｐｈが形成される。
【解決手段】このロールペーパーホルダー１は、底面部２と、底面部２の対向する横辺の前側の一辺に連設され、底面部２との接続部を軸として揺動可能な正面部３と、底面部２の対向する縦辺のそれぞれの一辺から立設される右側面部４及び左側面部５と、底面部２の対向する横辺の後側の一辺から底面部２に対し傾斜して立設され、右側面部４と左側面部５との間に接続される背面部６と、により、正面部３の揺動位置によって開閉可能な箱体を形成して成り、正面部３は、折り曲げ部分３ｃから先端部３ｂの間にペーパー誘導部分３ｂｃが設けられ、正面部３が閉じている状態においてペーパー誘導部分３ｂｃが背面部６の内面に対向するとともに、折り曲げ部分３ｂｃと背面部６との間にペーパー取り出し口Ｐｈが形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、卓上等で使用するのに好適なロールペーパーホルダー、特にロールペーパーがトイレットペーパーである場合に好適なロールペーパーホルダーに関する。
【背景技術】
【０００２】
長尺のペーパーをロール状に巻いたロールペーパーを、ロールペーパーホルダーに収容して必要な長さに切り取って使用するようにすると、ペーパーの保管に必要なスペースが小さいので非常に便利なものである。そして、ロールペーパーがトイレットペーパーである場合、トイレットペーパーが安価であるので家庭経済的にも好ましいものとなる。
【０００３】
そのため、トイレットペーパーを収容でき、卓上等で使い易い種々のロールペーパーホルダーが提案されている。例えば、特許文献１には、ロールペーパーを載せる載置部と、ロールペーパーを収納可能な大きさで、一側面にはロールペーパーの幅にほぼ等しい長さの長孔を開設してなる上部カバーと、を有して成るロールペーパーホルダーが記載されている。また、特許文献２には、前方が上下に開閉する片開きの上蓋と、前方より尻上りに背面に架かる片垂れの傾斜上げ底を有し、正面上端にカッター刃を形成した折りたたみ自在の箱体である組立式のロールペーパーホルダーが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】実用新案登録第３０３１６８６号公報
【特許文献２】特開平１１−２２５９０８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、特許文献１、２を含めた従来のロールペーパーホルダーは、使い易さなどの面で改善の余地がある。例えば、特許文献１、２のロールペーパーホルダーは、使用する際に、ロールペーパーの端部をつかんで引き出して必要な長さを切り取るのに、片手だけでの使用では、ロールペーパーホルダーが安定せずに扱いにくい場合が多い。
【０００６】
本発明は、係る事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、ロールペーパーの端部をつかんで引き出して必要な長さで切り取る際、ロールペーパーホルダーの安定性が向上し、片手でも扱い易いロールペーパーホルダーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記目的を達成するために、請求項１に記載のロールペーパーホルダーは、底面部と、前記底面部の対向する横辺の前側の一辺に連設され、該底面部との接続部を軸として揺動可能な正面部と、前記底面部の対向する縦辺の右側の一辺から立設される右側面部と、前記底面部の対向する縦辺の左側の一辺から立設される左側面部と、前記底面部の対向する横辺の後側の一辺から該底面部に対し傾斜して立設され、前記右側面部と前記左側面部との間にそれらに接続される背面部と、により、前記正面部の揺動位置によって開閉可能な箱体を形成して成り、前記正面部は、先端部の近傍を折り曲げることにより該折り曲げ部分から該先端部の間にペーパー誘導部分が設けられ、前記正面部が閉じている状態において該ペーパー誘導部分が前記背面部の内面に対向するとともに、該折り曲げ部分と前記背面部との間にペーパー取り出し口が形成されることを特徴とする。
【０００８】
請求項２に記載のロールペーパーホルダーは、請求項１に記載のロールペーパーホルダーにおいて、前記底面部と前記背面部は略四角形状であり、前記右側面部と左側面部は略三角形状であることを特徴とする。
【０００９】
請求項３に記載のロールペーパーホルダーは、請求項１又は２に記載のロールペーパーホルダーにおいて、前記正面部は、左右の側辺に凹所が形成されていることを特徴とする。
【００１０】
請求項４に記載のロールペーパーホルダーは、請求項１〜３のいずれか１項に記載のロールペーパーホルダーにおいて、前記正面部は、前記折り曲げ部分に孔が形成されていることを特徴とする。
【００１１】
請求項５に記載のロールペーパーホルダーは、請求項１〜４のいずれか１項に記載のロールペーパーホルダーにおいて、前記右側面部及び左側面部は、内方に突出する突出部分を有していることを特徴とする。
【００１２】
請求項６に記載のロールペーパーホルダーは、請求項１〜５のいずれか１項に記載のロールペーパーホルダーにおいて、前記背面部は、その上端に複数の山形の刃先が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【００１３】
本発明のロールペーパーホルダーによれば、内部に収容したロールペーパーの端部近傍はペーパー誘導部分と背面部の隙間を通って外部に露出しており、傾斜して立設された背面部の上端で、その傾斜方向に力を加えることによって切り取ることができるので、ロールペーパーの端部をつかんで引き出して必要な長さで切り取るのに、ロールペーパーホルダーの安定性が向上し、片手でも扱い易いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明の実施形態に係るロールペーパーホルダーを示すものであって、（ａ）が正面図、（ｂ）が平面図である。
【図２】同上のロールペーパーホルダーを示すものであって、（ａ）が右側面図、（ｂ）が背面図である。
【図３】同上のロールペーパーホルダーの斜視図である。
【図４】同上のロールペーパーホルダーの正面部を開いた状態を示すものであって、（ａ）が正面図、（ｂ）が平面図である。
【図５】同上のロールペーパーホルダーの正面部を開いた状態を示す右側面図である。
【図６】同上のロールペーパーホルダーの正面部を開きロールペーパーを入れたときの状態を示す斜視図である。
【図７】同上のロールペーパーホルダーのロールペーパーを収納している状態を示すもので、（ａ）が斜視図、（ｂ）が図１に示すＡ−Ａ線で切断した断面図である。
【図８】同上のロールペーパーホルダーを厚紙で製作するときの展開平面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
以下、本発明を実施するための好ましい形態を説明する。本発明の実施形態に係るロールペーパーホルダー１は、トイレットペーパーなどのロールペーパーＰを内部に収容し、卓上等で使用するためのものである。このロールペーパーホルダー１は、再生紙などの厚紙にて形成され、図１〜図５に示すように、底面部２、正面部３、右側面部４、左側面部５、背面部６から成る。
【００１６】
底面部２は、略四角形状をなしており、ロールペーパーホルダー１が卓上等に置かれたときにそれに当接する。
【００１７】
正面部３は、底面部２の対向する横辺の前側の一辺に連設され、底面部２との接続部３ａを軸として揺動可能となっている。また、正面部３は、先端部３ｂの近傍を折り曲げることにより該折り曲げ部分３ｃから先端部３ｂの間にペーパー誘導部分３ｂｃが設けられている。このペーパー誘導部分３ｂｃは、後に詳述する正面部３が閉じている状態において後述の背面部６の内面に対向している（図７（ｂ）参照）。
【００１８】
また、正面部３は、左右の側辺の中間付近に指を挿通させ得る程度の略半円状の凹所３ｄ、３ｄが形成されている。更に、正面部３は、折り曲げ部分３ｃの中央付近にも指を挿通させ得る程度の略半円状の孔３ｅ（図８で示す組立完成前の展開状態では略円形状）が形成されている。
【００１９】
右側面部４と左側面部５は、底面部２の対向する縦辺の右側と左側の各一辺から実質的に垂直に立設される。右側面部４と左側面部５はそれぞれ、正面視における上方端部近傍に、内方に突出する突出部分４ａ、５ａを有している。この突出部分４ａ、５ａは、平坦な一部に切れ込みが設けられ、その切れ込みの内側を内方に折り曲げることによって形成されている。また、右側面部４と左側面部５は、具体的には、略三角形状である。
【００２０】
背面部６は、底面部２の対向する横辺の後側の一辺から、底面部２に対し傾斜して立設され、右側面部４と左側面部５との間にそれらに接続される。背面部６は、その上端に複数の山形の刃先６ａａが形成されたペーパー切取部６ａを有している。また、背面部６は、具体的には、略四角形状である。
【００２１】
このようにして、ロールペーパーホルダー１は、正面部３の揺動位置によって開閉可能な箱体を形成して成る。次に、ロールペーパーホルダー１の使用方法について説明する。先ず、図４及び図５に示すように、正面部３を前下側に傾動させて（倒して）箱体の開状態とし、図６に示すように、ロールペーパーＰを収容する。そして、ロールペーパーＰの端部近傍を適当な長さ分を引き出して背面部６側に折り返しておき、正面部３を上側に傾動させ（立たせ）つつ上下方向に撓ませながら突出部分４ａ、５ａの下方を通して箱体の閉状態とする。その結果、折り曲げ部分３ｃと背面部６との間にペーパー取り出し口Ｐｈが形成される（図７（ｂ）参照）。そして、内部に収容したロールペーパーＰの端部近傍は、ペーパー誘導部分３ｂｃと背面部６の隙間、ペーパー取り出し口Ｐｈを通って外部に露出しており、外部に露出している部分は、ペーパー切取部６ａによって切り取ることができる。切り取った後のロールペーパーＰの新しい端部は、図７（ａ）及び（ｂ）に示すように、そのまま外部に露出した状態となる。そして、更にロールペーパーＰのペーパーが必要なときに、ロールペーパーＰの端部をつかんでその端部近傍をペーパー誘導部分３ｂｃと背面部６の隙間、ペーパー取り出し口Ｐｈを通して外部に引き出し、ペーパー切取部６ａによって必要な長さで切り取ることができる。
【００２２】
ここで、ロールペーパーＰの端部近傍は、傾斜して立設された背面部６の上端で、その傾斜方向に力を加えることによって切り取ることができるので、ロールペーパーホルダー１を他の手で保持せず片手だけを用いてもロールペーパーホルダー１の安定性が向上して扱い易い。従って、介護の場合など、他の手で作業しながら続けて多量のペーパーが必要になる場合などには非常に有用である。
【００２３】
また、ロールペーパーＰの端部近傍は、ペーパー誘導部分３ｂｃに接触して誘導されてから外部に出ている。ロールペーパーＰを収容したロールペーパーホルダー１を次の使用にそなえて卓上などの置いている状態では、物が当たったり振動を受けたりすることで内部のロールペーパーＰが移動又は回動してロールペーパーＰの端部がロールペーパーホルダー１の内部に引き入れられ易い状況にもなり得るが、ペーパー誘導部分３ｂｃとの摩擦により、ロールペーパーＰの端部がロールペーパーホルダー１の内部に引き入れられるのを抑制することができる。
【００２４】
また、正面部３の左右の端の凹所３ｄ、３ｄにより、正面部３を開閉するときに指を入れてつかみ易くなる。また、正面部３の折り曲げ部分３ｃの孔３ｅにより、万一、ロールペーパーＰの端部がロールペーパーホルダー１の内部に引き入れられたときに、孔３ｅに指を通して引き出すことができる。
【００２５】
また、右側面部４と左側面部５の突出部分４ａ、５ａは、ロールペーパーＰの端部近傍を外部に引き出す際に、正面部３が開状態になる（前下側に倒れる）のを防止することができる。また、突出部分４ａ、５ａを正面部３側の縁から距離を置いて形成することで、切り取った後に外部に露出しているロールペーパーＰの端部近傍がつかみ易く、かつ、右側面部４と左側面部５と背面部６のかげに隠れて目立ち難くすることができる（図７（ｂ）参照）。
【００２６】
次に、ロールペーパーホルダー１を製作方法について説明する。例えば、厚紙を図８に示すような形状に切り取り、そして、図中の破線で示す部分を折り曲げ、底面部２の対向する縦辺の右側と左側の各一辺の折り曲げ部分を介して連設したのりしろ部分２ａ、２ａを右側面部４と左側面部５に接着させる。このように、厚紙を用いると、安価で簡単にロールペーパーホルダー１を製作することができ、また、それゆえに、ある程度汚れた場合には比較的気を使わずに廃棄できるため、衛生的である。折り曲げ部分には、浅い溝を形成して折り曲げ易くしてもよいし、また、折り曲げた後には、テープ（透明テープなど）によって補強してもよい。なお、右側面部４と左側面部５は、図８等では、背面部６から折り曲げ部分を介して連設したものを示しているが、底面部２から折り曲げ部分を介して連設するようにしてもよい。この場合、のりしろ部分２ａ、２ａは背面部６から折り曲げ部分を介して連設する。
【００２７】
以上、本発明の実施形態に係るロールペーパーホルダー１について説明したが、本発明は、上述の実施形態に記載したものに限られることなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内でのさまざまな設計変更が可能である。例えば、厚紙のかわりに金属やプラスチックなどを用いることも可能である。また、底面部２、正面部３、右側面部４、左側面部５、背面部６はそれぞれ、デザイン性などのため、角を増やすことによって更なる多角形状にすることも可能である。また、正面部３における左右の凹所３ｄ、３ｄや折り曲げ部分３ｃの孔３ｅ、又は、右側面部４と左側面部５における突出部分４ａ、５ａは、上記の利点を考慮しない或いは他の構成で可能なようにするならば、省略することも可能である。また、背面部６におけるペーパー切取部６ａは、複数の山形の刃先６ａａを形成しなくとも十分にロールペーパーＰの端部近傍を切り取ることができるのならば、省略することも可能である。また、底面部２に孔を設けて、壁掛け可能なようにすることも可能である。また、ロールペーパーホルダー１は、多量に消費するトイレットペーパーに好適であるが、他のロールペーパー（例えば、キッチンペーパーなど）にも適用可能である。
【符号の説明】
【００２８】
１ ロールペーパーホルダー
２ 底面部
３ 正面部
３ａ 正面部の接続部
３ｂ 正面部の先端部
３ｃ 正面部の折り曲げ部分
３ｂｃ 正面部のペーパー誘導部分
３ｄ 正面部の凹所
３ｅ 正面部の孔
４ 右側面部
４ａ 右側面部の突出部分
５ 左側面部
５ａ 左側面部の突出部分
６ 背面部
６ａａ 背面部の刃先
Ｐｈ ペーパー取り出し口
Ｐ ロールペーパー
【技術分野】
【０００１】
本発明は、卓上等で使用するのに好適なロールペーパーホルダー、特にロールペーパーがトイレットペーパーである場合に好適なロールペーパーホルダーに関する。
【背景技術】
【０００２】
長尺のペーパーをロール状に巻いたロールペーパーを、ロールペーパーホルダーに収容して必要な長さに切り取って使用するようにすると、ペーパーの保管に必要なスペースが小さいので非常に便利なものである。そして、ロールペーパーがトイレットペーパーである場合、トイレットペーパーが安価であるので家庭経済的にも好ましいものとなる。
【０００３】
そのため、トイレットペーパーを収容でき、卓上等で使い易い種々のロールペーパーホルダーが提案されている。例えば、特許文献１には、ロールペーパーを載せる載置部と、ロールペーパーを収納可能な大きさで、一側面にはロールペーパーの幅にほぼ等しい長さの長孔を開設してなる上部カバーと、を有して成るロールペーパーホルダーが記載されている。また、特許文献２には、前方が上下に開閉する片開きの上蓋と、前方より尻上りに背面に架かる片垂れの傾斜上げ底を有し、正面上端にカッター刃を形成した折りたたみ自在の箱体である組立式のロールペーパーホルダーが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】実用新案登録第３０３１６８６号公報
【特許文献２】特開平１１−２２５９０８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、特許文献１、２を含めた従来のロールペーパーホルダーは、使い易さなどの面で改善の余地がある。例えば、特許文献１、２のロールペーパーホルダーは、使用する際に、ロールペーパーの端部をつかんで引き出して必要な長さを切り取るのに、片手だけでの使用では、ロールペーパーホルダーが安定せずに扱いにくい場合が多い。
【０００６】
本発明は、係る事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、ロールペーパーの端部をつかんで引き出して必要な長さで切り取る際、ロールペーパーホルダーの安定性が向上し、片手でも扱い易いロールペーパーホルダーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記目的を達成するために、請求項１に記載のロールペーパーホルダーは、底面部と、前記底面部の対向する横辺の前側の一辺に連設され、該底面部との接続部を軸として揺動可能な正面部と、前記底面部の対向する縦辺の右側の一辺から立設される右側面部と、前記底面部の対向する縦辺の左側の一辺から立設される左側面部と、前記底面部の対向する横辺の後側の一辺から該底面部に対し傾斜して立設され、前記右側面部と前記左側面部との間にそれらに接続される背面部と、により、前記正面部の揺動位置によって開閉可能な箱体を形成して成り、前記正面部は、先端部の近傍を折り曲げることにより該折り曲げ部分から該先端部の間にペーパー誘導部分が設けられ、前記正面部が閉じている状態において該ペーパー誘導部分が前記背面部の内面に対向するとともに、該折り曲げ部分と前記背面部との間にペーパー取り出し口が形成されることを特徴とする。
【０００８】
請求項２に記載のロールペーパーホルダーは、請求項１に記載のロールペーパーホルダーにおいて、前記底面部と前記背面部は略四角形状であり、前記右側面部と左側面部は略三角形状であることを特徴とする。
【０００９】
請求項３に記載のロールペーパーホルダーは、請求項１又は２に記載のロールペーパーホルダーにおいて、前記正面部は、左右の側辺に凹所が形成されていることを特徴とする。
【００１０】
請求項４に記載のロールペーパーホルダーは、請求項１〜３のいずれか１項に記載のロールペーパーホルダーにおいて、前記正面部は、前記折り曲げ部分に孔が形成されていることを特徴とする。
【００１１】
請求項５に記載のロールペーパーホルダーは、請求項１〜４のいずれか１項に記載のロールペーパーホルダーにおいて、前記右側面部及び左側面部は、内方に突出する突出部分を有していることを特徴とする。
【００１２】
請求項６に記載のロールペーパーホルダーは、請求項１〜５のいずれか１項に記載のロールペーパーホルダーにおいて、前記背面部は、その上端に複数の山形の刃先が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【００１３】
本発明のロールペーパーホルダーによれば、内部に収容したロールペーパーの端部近傍はペーパー誘導部分と背面部の隙間を通って外部に露出しており、傾斜して立設された背面部の上端で、その傾斜方向に力を加えることによって切り取ることができるので、ロールペーパーの端部をつかんで引き出して必要な長さで切り取るのに、ロールペーパーホルダーの安定性が向上し、片手でも扱い易いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明の実施形態に係るロールペーパーホルダーを示すものであって、（ａ）が正面図、（ｂ）が平面図である。
【図２】同上のロールペーパーホルダーを示すものであって、（ａ）が右側面図、（ｂ）が背面図である。
【図３】同上のロールペーパーホルダーの斜視図である。
【図４】同上のロールペーパーホルダーの正面部を開いた状態を示すものであって、（ａ）が正面図、（ｂ）が平面図である。
【図５】同上のロールペーパーホルダーの正面部を開いた状態を示す右側面図である。
【図６】同上のロールペーパーホルダーの正面部を開きロールペーパーを入れたときの状態を示す斜視図である。
【図７】同上のロールペーパーホルダーのロールペーパーを収納している状態を示すもので、（ａ）が斜視図、（ｂ）が図１に示すＡ−Ａ線で切断した断面図である。
【図８】同上のロールペーパーホルダーを厚紙で製作するときの展開平面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
以下、本発明を実施するための好ましい形態を説明する。本発明の実施形態に係るロールペーパーホルダー１は、トイレットペーパーなどのロールペーパーＰを内部に収容し、卓上等で使用するためのものである。このロールペーパーホルダー１は、再生紙などの厚紙にて形成され、図１〜図５に示すように、底面部２、正面部３、右側面部４、左側面部５、背面部６から成る。
【００１６】
底面部２は、略四角形状をなしており、ロールペーパーホルダー１が卓上等に置かれたときにそれに当接する。
【００１７】
正面部３は、底面部２の対向する横辺の前側の一辺に連設され、底面部２との接続部３ａを軸として揺動可能となっている。また、正面部３は、先端部３ｂの近傍を折り曲げることにより該折り曲げ部分３ｃから先端部３ｂの間にペーパー誘導部分３ｂｃが設けられている。このペーパー誘導部分３ｂｃは、後に詳述する正面部３が閉じている状態において後述の背面部６の内面に対向している（図７（ｂ）参照）。
【００１８】
また、正面部３は、左右の側辺の中間付近に指を挿通させ得る程度の略半円状の凹所３ｄ、３ｄが形成されている。更に、正面部３は、折り曲げ部分３ｃの中央付近にも指を挿通させ得る程度の略半円状の孔３ｅ（図８で示す組立完成前の展開状態では略円形状）が形成されている。
【００１９】
右側面部４と左側面部５は、底面部２の対向する縦辺の右側と左側の各一辺から実質的に垂直に立設される。右側面部４と左側面部５はそれぞれ、正面視における上方端部近傍に、内方に突出する突出部分４ａ、５ａを有している。この突出部分４ａ、５ａは、平坦な一部に切れ込みが設けられ、その切れ込みの内側を内方に折り曲げることによって形成されている。また、右側面部４と左側面部５は、具体的には、略三角形状である。
【００２０】
背面部６は、底面部２の対向する横辺の後側の一辺から、底面部２に対し傾斜して立設され、右側面部４と左側面部５との間にそれらに接続される。背面部６は、その上端に複数の山形の刃先６ａａが形成されたペーパー切取部６ａを有している。また、背面部６は、具体的には、略四角形状である。
【００２１】
このようにして、ロールペーパーホルダー１は、正面部３の揺動位置によって開閉可能な箱体を形成して成る。次に、ロールペーパーホルダー１の使用方法について説明する。先ず、図４及び図５に示すように、正面部３を前下側に傾動させて（倒して）箱体の開状態とし、図６に示すように、ロールペーパーＰを収容する。そして、ロールペーパーＰの端部近傍を適当な長さ分を引き出して背面部６側に折り返しておき、正面部３を上側に傾動させ（立たせ）つつ上下方向に撓ませながら突出部分４ａ、５ａの下方を通して箱体の閉状態とする。その結果、折り曲げ部分３ｃと背面部６との間にペーパー取り出し口Ｐｈが形成される（図７（ｂ）参照）。そして、内部に収容したロールペーパーＰの端部近傍は、ペーパー誘導部分３ｂｃと背面部６の隙間、ペーパー取り出し口Ｐｈを通って外部に露出しており、外部に露出している部分は、ペーパー切取部６ａによって切り取ることができる。切り取った後のロールペーパーＰの新しい端部は、図７（ａ）及び（ｂ）に示すように、そのまま外部に露出した状態となる。そして、更にロールペーパーＰのペーパーが必要なときに、ロールペーパーＰの端部をつかんでその端部近傍をペーパー誘導部分３ｂｃと背面部６の隙間、ペーパー取り出し口Ｐｈを通して外部に引き出し、ペーパー切取部６ａによって必要な長さで切り取ることができる。
【００２２】
ここで、ロールペーパーＰの端部近傍は、傾斜して立設された背面部６の上端で、その傾斜方向に力を加えることによって切り取ることができるので、ロールペーパーホルダー１を他の手で保持せず片手だけを用いてもロールペーパーホルダー１の安定性が向上して扱い易い。従って、介護の場合など、他の手で作業しながら続けて多量のペーパーが必要になる場合などには非常に有用である。
【００２３】
また、ロールペーパーＰの端部近傍は、ペーパー誘導部分３ｂｃに接触して誘導されてから外部に出ている。ロールペーパーＰを収容したロールペーパーホルダー１を次の使用にそなえて卓上などの置いている状態では、物が当たったり振動を受けたりすることで内部のロールペーパーＰが移動又は回動してロールペーパーＰの端部がロールペーパーホルダー１の内部に引き入れられ易い状況にもなり得るが、ペーパー誘導部分３ｂｃとの摩擦により、ロールペーパーＰの端部がロールペーパーホルダー１の内部に引き入れられるのを抑制することができる。
【００２４】
また、正面部３の左右の端の凹所３ｄ、３ｄにより、正面部３を開閉するときに指を入れてつかみ易くなる。また、正面部３の折り曲げ部分３ｃの孔３ｅにより、万一、ロールペーパーＰの端部がロールペーパーホルダー１の内部に引き入れられたときに、孔３ｅに指を通して引き出すことができる。
【００２５】
また、右側面部４と左側面部５の突出部分４ａ、５ａは、ロールペーパーＰの端部近傍を外部に引き出す際に、正面部３が開状態になる（前下側に倒れる）のを防止することができる。また、突出部分４ａ、５ａを正面部３側の縁から距離を置いて形成することで、切り取った後に外部に露出しているロールペーパーＰの端部近傍がつかみ易く、かつ、右側面部４と左側面部５と背面部６のかげに隠れて目立ち難くすることができる（図７（ｂ）参照）。
【００２６】
次に、ロールペーパーホルダー１を製作方法について説明する。例えば、厚紙を図８に示すような形状に切り取り、そして、図中の破線で示す部分を折り曲げ、底面部２の対向する縦辺の右側と左側の各一辺の折り曲げ部分を介して連設したのりしろ部分２ａ、２ａを右側面部４と左側面部５に接着させる。このように、厚紙を用いると、安価で簡単にロールペーパーホルダー１を製作することができ、また、それゆえに、ある程度汚れた場合には比較的気を使わずに廃棄できるため、衛生的である。折り曲げ部分には、浅い溝を形成して折り曲げ易くしてもよいし、また、折り曲げた後には、テープ（透明テープなど）によって補強してもよい。なお、右側面部４と左側面部５は、図８等では、背面部６から折り曲げ部分を介して連設したものを示しているが、底面部２から折り曲げ部分を介して連設するようにしてもよい。この場合、のりしろ部分２ａ、２ａは背面部６から折り曲げ部分を介して連設する。
【００２７】
以上、本発明の実施形態に係るロールペーパーホルダー１について説明したが、本発明は、上述の実施形態に記載したものに限られることなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内でのさまざまな設計変更が可能である。例えば、厚紙のかわりに金属やプラスチックなどを用いることも可能である。また、底面部２、正面部３、右側面部４、左側面部５、背面部６はそれぞれ、デザイン性などのため、角を増やすことによって更なる多角形状にすることも可能である。また、正面部３における左右の凹所３ｄ、３ｄや折り曲げ部分３ｃの孔３ｅ、又は、右側面部４と左側面部５における突出部分４ａ、５ａは、上記の利点を考慮しない或いは他の構成で可能なようにするならば、省略することも可能である。また、背面部６におけるペーパー切取部６ａは、複数の山形の刃先６ａａを形成しなくとも十分にロールペーパーＰの端部近傍を切り取ることができるのならば、省略することも可能である。また、底面部２に孔を設けて、壁掛け可能なようにすることも可能である。また、ロールペーパーホルダー１は、多量に消費するトイレットペーパーに好適であるが、他のロールペーパー（例えば、キッチンペーパーなど）にも適用可能である。
【符号の説明】
【００２８】
１ ロールペーパーホルダー
２ 底面部
３ 正面部
３ａ 正面部の接続部
３ｂ 正面部の先端部
３ｃ 正面部の折り曲げ部分
３ｂｃ 正面部のペーパー誘導部分
３ｄ 正面部の凹所
３ｅ 正面部の孔
４ 右側面部
４ａ 右側面部の突出部分
５ 左側面部
５ａ 左側面部の突出部分
６ 背面部
６ａａ 背面部の刃先
Ｐｈ ペーパー取り出し口
Ｐ ロールペーパー
【特許請求の範囲】
【請求項１】
底面部と、
前記底面部の対向する横辺の前側の一辺に連設され、該底面部との接続部を軸として揺動可能な正面部と、
前記底面部の対向する縦辺の右側の一辺から立設される右側面部と、
前記底面部の対向する縦辺の左側の一辺から立設される左側面部と、
前記底面部の対向する横辺の後側の一辺から該底面部に対し傾斜して立設され、前記右側面部と前記左側面部との間にそれらに接続される背面部と、
により、前記正面部の揺動位置によって開閉可能な箱体を形成して成り、
前記正面部は、先端部の近傍を折り曲げることにより該折り曲げ部分から該先端部の間にペーパー誘導部分が設けられ、前記正面部が閉じている状態において該ペーパー誘導部分が前記背面部の内面に対向するとともに、該折り曲げ部分と前記背面部との間にペーパー取り出し口が形成されることを特徴とするロールペーパーホルダー。
【請求項２】
請求項１に記載のロールペーパーホルダーにおいて、
前記底面部と前記背面部は略四角形状であり、
前記右側面部と左側面部は略三角形状であることを特徴とするロールペーパーホルダー。
【請求項３】
請求項１又は２に記載のロールペーパーホルダーにおいて、
前記正面部は、左右の側辺に凹所が形成されていることを特徴とするロールペーパーホルダー。
【請求項４】
請求項１〜３のいずれか１項に記載のロールペーパーホルダーにおいて、
前記正面部は、前記折り曲げ部分に孔が形成されていることを特徴とするロールペーパーホルダー。
【請求項５】
請求項１〜４のいずれか１項に記載のロールペーパーホルダーにおいて、
前記右側面部及び左側面部は、内方に突出する突出部分を有していることを特徴とするロールペーパーホルダー。
【請求項６】
請求項１〜５のいずれか１項に記載のロールペーパーホルダーにおいて、
前記背面部は、その上端に複数の山形の刃先が形成されていることを特徴とするロールペーパーホルダー。
【請求項１】
底面部と、
前記底面部の対向する横辺の前側の一辺に連設され、該底面部との接続部を軸として揺動可能な正面部と、
前記底面部の対向する縦辺の右側の一辺から立設される右側面部と、
前記底面部の対向する縦辺の左側の一辺から立設される左側面部と、
前記底面部の対向する横辺の後側の一辺から該底面部に対し傾斜して立設され、前記右側面部と前記左側面部との間にそれらに接続される背面部と、
により、前記正面部の揺動位置によって開閉可能な箱体を形成して成り、
前記正面部は、先端部の近傍を折り曲げることにより該折り曲げ部分から該先端部の間にペーパー誘導部分が設けられ、前記正面部が閉じている状態において該ペーパー誘導部分が前記背面部の内面に対向するとともに、該折り曲げ部分と前記背面部との間にペーパー取り出し口が形成されることを特徴とするロールペーパーホルダー。
【請求項２】
請求項１に記載のロールペーパーホルダーにおいて、
前記底面部と前記背面部は略四角形状であり、
前記右側面部と左側面部は略三角形状であることを特徴とするロールペーパーホルダー。
【請求項３】
請求項１又は２に記載のロールペーパーホルダーにおいて、
前記正面部は、左右の側辺に凹所が形成されていることを特徴とするロールペーパーホルダー。
【請求項４】
請求項１〜３のいずれか１項に記載のロールペーパーホルダーにおいて、
前記正面部は、前記折り曲げ部分に孔が形成されていることを特徴とするロールペーパーホルダー。
【請求項５】
請求項１〜４のいずれか１項に記載のロールペーパーホルダーにおいて、
前記右側面部及び左側面部は、内方に突出する突出部分を有していることを特徴とするロールペーパーホルダー。
【請求項６】
請求項１〜５のいずれか１項に記載のロールペーパーホルダーにおいて、
前記背面部は、その上端に複数の山形の刃先が形成されていることを特徴とするロールペーパーホルダー。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【公開番号】特開２０１２−１４７８８８（Ｐ２０１２−１４７８８８Ａ）
【公開日】平成２４年８月９日（２０１２．８．９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−７８７２（Ｐ２０１１−７８７２）
【出願日】平成２３年１月１８日（２０１１．１．１８）
【出願人】（５１１０１４３６７）
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年８月９日（２０１２．８．９）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年１月１８日（２０１１．１．１８）
【出願人】（５１１０１４３６７）
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]