説明

ロールペーパーホルダ

【課題】ロールペーパーを切断した後に、確実にロールペーパーの端部に摘み代を形成させることができるロールペーパーホルダを提供する。
【解決手段】ロールペーパー27を収容する容器部2と、容器部2のロールペーパー導出部近傍に,このロールペーパー導出部を覆うように第1の軸7に軸支されるペーパー切断機構8とを有し、ペーパー切断機構8は、第1の軸7に傾動可能に枢設される支持板19と、この支持板19の下端部に第1の枢軸20を介し,容器部2側に一部重複する部分を備えて傾動可能に支持板19に連結される傾動板22とを備え、容器部2は、ロールペーパー導出部の下方近傍に,傾動板22の上端部22aを掛止可能に形成されるストッパー25を備え、ロールペーパー27は、容器部2のロールペーパー導出部を経て,容器部2の外側面とペーパー切断機構8の間を通過するように導出されるロールペーパーホルダ1Aとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールペーパーホルダに関し、特にロールペーパーを切断した後に、確実にロールペーパーの端部に摘み代を形成させることができるロールペーパーホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロールペーパーホルダは、主にロールペーパーの軸を貫通して支える軸と、この軸の両端を支持する腕部と、ほこり除けを兼ねた蓋状のペーパー切断部からなるものがロールペーパーホルダとして一般に流通している。
ところが、このような普及品のロールペーパーホルダはシンプルで安価な反面、ロールペーパーの一部がむき出しになっているために、ほこりが付き易く不衛生であり、しかも、所望量のロールペーパーを引き出した後に切断する際に、その作業を片手で行うことができず、一方の手でペーパー切断部をその上面側から押さえつけて、他方の手でロールペーパーを引きちぎる必要があり不便であるという課題があった。
また、ロールペーパーを引きちぎった後、次にロールペーパーを引き出す際の摘まみ代がないために、ロールペーパーを新たに引き出す際には、ロールペーパーの端部を送り出してやる必要があり、その作業も煩わしかった。
さらに、勢い余ってロールペーパーを引出しすぎることによる無駄使いが多く、不経済であるという課題もあった。
上述のような課題に対処するためロールペーパーに関する発明や考案がいくつか開示されている。
【0003】
特許文献1には「巻紙容器」という名称で、紙切断機能を有する壁懸式の巻紙容器に関する発明が開示されている。
特許文献1に開示される巻紙容器は、台板に設置した承匣の上片には、蝶番式に開閉し得る天蓋を設けると共に、該承匣の下方は、自由に開口し、その開口部内には、斜状なる底辺を有する案内板を設け、而して、該案内板の底辺部と承匣下辺狭搾部とが形成する底部乃至は、該承匣内に、任意の巻紙を軸架装嵌することなく、自由な状態で、収容し、更に、前記開口部内には、その上端を枢止垂下した刃物と平行して、その下端部が、稍前記刃物の下端部よりも突出せしめたところの保護板の中間部より少し上方を、刃物の枢点よりは相当下方へ枢止せしめて成ることを特徴とするものである。
上述の特許文献1に開示される巻紙容器によれば、巻紙を切断した後、保護板14の復帰によって垂下し、巻紙の端部は保護板14により押し下げられた分だけ余剰に鉛直下方に垂れ下がるので、次回の巻紙の端部の摘まみだしと引出しを容易にすることができる。
【0004】
特許文献2には「トイレットペーパーホルダ」という名称で、トイレットペーパーホルダに関する考案が開示されている。
特許文献2に開示される考案は、ペーパーを挟んで支持部材と移動可能なカッター部材を設け、カッター部材を移動したときカッター部材のカッター部と異なる端部と、支持部材とでペーパーを挟持できるような形状にカッター部材を形成したことを特徴とするものである。
上記構成の特許文献2に開示される考案によれば、ペーパーを切断する際に、ペーパーがカッター部材のカッター部と異なる端部と支持部材とにより挟持されて動かない状態で切断することができるので、片手でもって容易に所定の個所でペーパーを切断することができるという効果を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公昭35−1992号公報
【特許文献2】実開平3−39489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示される発明の場合、特許文献1中の図1,2に示すように、巻紙容器内に、刃物12及び保護板14の作動空間を確保する必要があり、巻紙容器が鉛直方向に縦長になり大型化して好ましくないという課題があった。
また、特許文献1に開示される巻紙容器に巻紙をセットする際に、巻き癖がついてカールした巻紙の端部を、保護板14と案内板9の間を通過させなければならず、しかも、この作業を直接目視できない位置において行わなくてはならないので極めて煩雑であった。
さらに、特許文献1に開示される紙巻容器では、巻紙の切断時に、保護板14の端部に巻紙が係止されるだけなので、巻紙の引き上げ角度によっては上手く巻紙を切断することができず、不必要な巻紙を引き出してしまう場合もあり好ましくなかった。
【0007】
特許文献2に開示される考案の場合、ロールペーパーをセットする際に、支持材7とカッター部材の間に、巻き癖が付いてカールしたペーパーの端部を挿通させなければならず煩雑であった。
【0008】
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものでありその目的は、ロールペーパーの片手による切断を可能にするとともに、ロールペーパーを切断する度に適度な長さの摘まみ代を形成することができ、かつ、コンパクトでロールペーパーの装着が容易なロールペーパーホルダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため請求項1記載の発明であるロールペーパーホルダは、ロールペーパーを収容する容器部と、容器部のロールペーパー導出部近傍に,このロールペーパー導出部を覆うように第1の軸に軸支されるペーパー切断機構とを有し、ペーパー切断機構は、第1の軸に傾動可能に枢設される支持板と、この支持板の下端部に第1の枢軸を介し,容器部側に一部重複する部分を備えて傾動可能に支持板に連結される傾動板とを備え、容器部は、ロールペーパー導出部の下方近傍に,傾動板の上端部を掛止可能に形成されるストッパーを備え、ロールペーパーは、容器部のロールペーパー導出部を経て,容器部の外側面とペーパー切断機構の間を通過するように導出され、ロールペーパーの鉛直斜め上方への引き上げに伴い,支持板が,第1の軸を基軸に傾動すると共に,傾動板は,第1の枢軸を基軸に傾動して傾動板の一部重複する部分に存在する上端部がストッパーに係止され,傾動板の上端部とストッパーによってロールペーパーが挟持されてロールペーパーの送出しが停止され、ロールペーパーが,傾動板の下端部で切断された後に、支持板及び傾動板が自重によってロールペーパー導出部を覆うように復帰することで、切断後のロールペーパーの端部に摘み代を形成させることを特徴とするものである。
上記構成の発明において、容器部はロールペーパーをその中空部内に収容して保持するという作用を有する。また、ペーパー切断機構は、容器部から導出されたロールペーパーを、切断するとともに,その端部に適切な長さの摘まみ代を形成させるという作用を有する。
また、第1の軸は、ペーパー切断機構を構成する支持板を,第1の軸基軸に回動可能に支持するという作用を有する。さらに、第1の枢軸は、支持板の下端部において、傾動板を第1の枢軸を基軸に傾動可能に軸支するという作用を有する。
そして、容器部のロールペーパー導出部の下方近傍に設けられるストッパーは、傾動板が傾動した際に、その上端部側を受け止め、その際、ストッパーと傾動板の上端部によりロールペーパーを挟持してその引出しを停止させるという作用を有する。また、傾動板は、上述のようにストッパーと協同してロールペーパーの引出しを停止するとともに、その下端部においてロールペーパーを切断するという作用を有する。
つまり、請求項1記載の発明では、ロールペーパーの切断を行うペーパー切断機構が、支持板と傾動板の2つの部材により構成され、支持板に第1の枢軸を介して傾動板が接続されているので、ロールペーパーを引き出した際に、引き出されたロールペーパーの上面で傾動板が押し上げられて容器部側に傾動板が傾動するとともに、この傾動板はストッパーに引っかかってその傾動を停止する。この時、ロールペーパーは、ロールペーパー導出部から容器部の側面を経由してストッパーに到達し、さらに、ストッパーから傾動板の平面部を伝って切断部である傾動板の下端部に到達する。この場合、傾動板が全く傾動しない場合に比べてロールペーパーがやや長く引き出される。
また、第1の枢軸を基軸に傾動した傾動板と,ストッパーによりロールペーパーの引出し片が挟持されてその引出しが停止されて、この状態でロールペーパーが切断される。つまり、請求項1記載の発明では、引き出したロールペーパーを「係止」ではなく「挟持」により確実に引出し動作を停止して保定するという作用を有する。
その後、自重により傾動板及び支持板が復帰することで、支持板と傾動板の傾動状態はともに解除され、傾動板が傾動した際にやや多めに引き出されたロールペーパーが摘まみ代を形成する。
よって、請求項1記載の発明は、ロールペーパーを切断する際に、不必要にロールペーパーが引き出されるのを抑制するとともに、切断後に適切な長さの摘まみ代を確実に形成させるという作用を有する。
【0010】
請求項2記載の発明であるロールペーパーホルダは、請求項1記載のロールペーパーホルダであって、容器部は、ロールペーパー導出部を備える前方容器部と、この前方容器部の底において第2の枢軸を介して枢設される後方容器部とからなり、前方容器部は、第2の軸に軸支される係止部と係合し、後方容器と係止部とはアームロッドを介して連結され、第1の軸は、その端部に軸を基軸に回動してアームロッドを押下げる押下げアームを備え、ペーパー切断機構を,第1の軸を基軸に鉛直上方に傾動させることで押下げアームが傾動してアームロッドが押下げられ、このアームロッドの押下げ動作に伴い,係止部と前方容器部との係合が解除されて、前方容器部が自重により第2の枢軸を基軸に傾動して開動作することを特徴とするものである。
上記構成の発明において、前方容器部と後方容器部は、請求項1記載の発明における容器部として作用する。また、第2の枢軸は、後方容器部の底において前方容器部を傾動可能に支持するという作用を有する。さらに、請求項2記載の発明におけるペーパー切断機構及びストッパーは、請求項1記載の発明におけるペーパー切断機構及びストッパーと同じ作用を有する。
また、第2の軸は、係止部を第2の軸を基軸に傾動可能に支持するという作用を有する。そして、この係合部は、前方容器部と係合することで、第2の容器部を係止してその傾動を妨げるという作用を有する。さらに、アームロッドは、後方容器部と係止部を間接的に連結するという作用を有する。
また、第1の端部に設けられる押下げアームは、ペーパー切断機構の傾動に伴って傾動して、アームロッドの端部を鉛直下方に押し下げるという作用を有する。
他方、後方容器部と,アームロッドと,第2の軸と、係止部は、この順番でつながっているので、アームロッドの端部が押下げアームにより押下げられることで、第2の軸が回動し、第2の軸の回動に伴って係止部が傾動し、係止部の傾動により係止部と前方容器部の係止構造が解除される。この結果、前方容器部が自重により第2の枢軸を基軸に傾動して、前方容器部と後方容器部からなる容器部内にロールペーパーをセット可能にするという作用を有する。
【0011】
請求項3記載の発明であるロールペーパーホルダは、請求項2に記載のロールペーパーホルダであって、押下げアームの第1の軸に固定されない側の端部は、移動ローラを備え、移動ローラは、アームロッド上を回転しながら移動することを特徴とするものである。
上記構成の発明は、請求項2記載の発明と同じ作用に加えて、押下げアームの第2の軸に固定されない側の端部に設けられる移動ローラは、回転しながらアームロッド上を移動するという作用を有する。
これにより、押下げアームによるアームロッドの押下げ動作をスムースにするという作用を有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1記載のロールペーパーホルダによれば、ロールペーパーホルダ自体をコンパクトにしながら、ロールペーパーを切断する毎に、適切な長さの摘まみ代を形成させることができる。
この場合、ロールペーパーの引出し作業を行う度に、ロールペーパーに手を触れてその巻き取り軸方向に回転させて,ロールペーパーの端部を探す必要がなくなる。この結果、所望量のロールペーパーを取り出す作業を迅速に行うことができるとともに、未使用のロールペーパーを衛生的に保つことができる。
また、ロールペーパーの引出し片を片手で切断することができる。
さらに、請求項1記載の発明においては、ロールペーパーの切断する際に、容器部に設けられるストッパーと、傾動板の上端部で、ロールペーパーをしっかりと挟持して保定することができるので、切断時に不必要なロールペーパーを意図せず引き出してしまうこともないため、ロールペーパーの無駄使いを防止することもできる。
加えて、ロールペーパーの切断機構を容器部の水平方向に隣接させることができるので、特許文献1や特許文献2に開示される場合に比べて、ロールペーパーホルダの大きさをコンパクトにすることができる。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の発明と同じ効果に加えて、ロールペーパーを収容する容器部の開閉操作を、第1の軸を基軸にペーパー切断機構を傾動させる操作により行うことができる。この場合、開いた容器部の中空部内にロールペーパーを投入するとともに,その端部近傍をロールペーパー導出部に掛けて,端部を容器部の外に(前方容器部の外に)垂下させ、その後、前方容器部を傾動させて前方容器部と後方容器部が互いに対向するように閉じることで、容器部へのロールペーパーのセットを完了することができる。
この場合、従来技術(特許文献1や特許文献2)の場合のように、作業者が目視できない位置においてロールペーパーの端部をロールペーパーホルダの部品の隙間に挿通させる作業を行う必要がないので、ロールペーパーの装着作用を迅速かつ簡易にすることができる。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明と同じ効果に加えて、押下げアームによりアームロッドを押下げる際に、移動ローラがアームロッド上を走行するので、アームロッドの押下げ動作をスムースにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例1に係るロールペーパーホルダの概念図である。
【図2】本発明の実施例1に係るロールペーパーホルダの部品図である。
【図3】本発明の実施例1に係るロールペーパーホルダの断面図である。
【図4】本発明の実施例1に係るロールペーパーホルダの作動の様子を示す断面図である。
【図5】本発明の実施例1に係るロールペーパーホルダの作動の様子を示す断面図である。
【図6】本発明の実施例1に係るロールペーパーホルダの作動の様子を示す断面図である。
【図7】本発明の実施例1に係るロールペーパーホルダの作動の様子を示す断面図である。
【図8】本発明の実施例1に係るロールペーパーホルダの作動の様子を示す断面図である。
【図9】本発明の実施例1に係るロールペーパーホルダの作動の様子を示す断面図である。
【図10】本発明の実施例1に係るロールペーパーホルダの作動の様子を示す断面図である。
【図11】本発明の実施例2に係るロールペーパーホルダの概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態に係るロールペーパーホルダについて実施例1及び実施例2を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0017】
本発明の実施例1に係るロールペーパーホルダについて図1乃至図10を参照しながら詳細に説明する。(主に請求項2,3に対応)
まず、実施例1に係るロールペーパーホルダ1Aの概要について図1乃至図3を参照しながら詳細に説明する。
図1は実施例1に係るロールペーパーホルダの概念図であり,図2は本発明の実施例1に係るロールペーパーホルダの部品図である。また、図3は本発明の実施例1に係るロールペーパーホルダの断面図である。なお、図3は図1中の符号A−A線による矢視断面図である。
図1,2に示すように、実施例1に係るロールペーパーホルダ1Aは、主にロールペーパー27を収容するための中空部3を有する前方容器部2a,後方容器部2bからなる容器部2と、この容器部2のロールペーパー導出部23を経て容器部2の外に導出されたロールペーパー27の引出し片を切断するためのペーパー切断機構8により構成されている。
また、実施例1に係るロールペーパーホルダ1Aにおいて容器部2を構成する前方容器部2aと後方容器部2bは、第2の枢軸4を有するヒンジ5を介して連結されており、前方容器部2aが第2の枢軸4(ヒンジ5)を介して連結され(後述の図3を参照)、第2の枢軸4を基軸に傾動する構造になっている。そして、前方容器部2aは自重により傾動して開くので、前方容器部2aを閉じた状態にしておくために、係止具11が前方容器部2a上に配設され、前方容器部2aの上端部に形成される係止爪18と,係止具11の係止アーム11aとを係合させて、前方容器部2aと後方容器部2bとを閉じた状態にしている。
【0018】
さらに、係止具11は、係止アーム11aにおいてペーパー保定用ローラ10を保持すると共に、係止具11の鉛直上方に配設される第2の軸9に固設されて、第2の軸9の回動に伴って係止具11及び係止アーム11aが傾動して、係止アーム11aと,前方容器部2aの係止状態が解除される仕組みになっている。
また、第2の軸9は、容器部2を左右両側面側から挟むように配設される側板6a,6bに支持されており(図1参照)、第2の軸9は容器部2が配される側板6aを貫通して側板6a上に突出し、側板6a上に突出する第2の軸9の端部は、連結部17を介してアームロッド13に接続され、連結部17を介してアームロッド13からの動力が伝達されて第2の軸9がその周方向に回動する仕組みになっている。
なお、連結部17は,例えば、動力伝達板17aと動力伝達板17bが連結ピン17dにより相互に傾動可能に連結されたものであり、連結部17の動力伝達板17a側の端部は、アームロッド13に連結ピン17cを介してやはり相互に傾動可能に取り付けられ、他方、連結部17の動力伝達板17b側の端部は側板6aを貫通して突出する第2の軸9に固設されている。そして、このような構成により、アームロッド13の傾動に伴って、その動力が連結部17を介して第2の軸9に伝達され、第2の軸9がその周方向に回動する。
【0019】
このアームロッド13は、側板6aの前方容器部2aが配設されない側の側面上に回動軸12を介して回動軸12を基軸に傾動可能に取り付けられ、さらに、アームロッド13の一の端部13a(後方容器部2bが配置される側の端部)と、側板6a上に突設される掛止部34をつなぐように、例えば、つるまきバネやゴム等からなる弾性体14が掛着されて、アームロッド13の一の端部13aを鉛直下方側に押し下げるよう付勢している。
この時、側板6aは後方容器部2bの側面にネジや接着剤等により一体に取り付けられているので、アームロッド13の一の端部13aは実質的には後方容器部2bに接続されていると言える。
すなわち、実施例1に係るロールペーパーホルダ1Aにおいては、容器部2を構成する前方容器部2aと後方容器部2bとは、それぞれの底部が第2の枢軸4を介して連結されており(後述の図3を参照)このままでは、前方容器部2aが自重により傾動して開いてしまい閉じた状態にはならないため、前方容器部2aの上端において係止爪18と係合構造を形成する係止具11(係止アーム11a)を、アームロッド13を介して間接的に後方容器部2bに接続して、前方容器部2aと後方容器部2bと閉じた状態にしている。
【0020】
また、実施例1に係るロールペーパーホルダ1Aにおいては、容器部2から導出されるロールペーパー27の引出し片を切断するためのペーパー切断機構8が、前方容器部2aのロールペーパー導出部23側に配置されており、このペーパー切断機構8は、ロールペーパー27の切断のみでなく、容器部2を構成する前方容器部2aの開動作させるための構成も備えている。
【0021】
ここで、図1乃至3を参照しながら、ペーパー切断機構8について詳細に説明する。
実施例1に係るロールペーパーホルダ1Aのペーパー切断機構8は、平板状で,かつ,ロールペーパー27の幅よりも大きい支持板19の上端部側に第1の軸7が直接又は間接的に固設され、支持板19の下端部には、第1の枢軸20(ヒンジ21)を介して第1の枢軸20を基軸に傾動する傾動板22を備えたものである。また、支持板19と傾動板22とは、これらが垂下した状態で支持板19と一部重複する部分を備えている。なお、ペーパー切断機構8によりロールペーパー27の導出片が切断される仕組みについては後述する。
さらに、ペーパー切断機構8の第1の軸7は、前方容器部2aのロールペーパー導出部23の近傍に、前方容器部2aとは非接触に配設される。このとき、第1の軸7は、容器部2の左右側面側に配設される側板6a,6bにより支持され、第1の軸7の側板6a側の端部は、側板6aを貫通して,側板6a上に突出している。
【0022】
ここで、前方容器部2a、後方容器部2b及び側板6a,6bの関係について説明を加える。
先にも述べたように、前方容器部2aと後方容器部2bとはそれぞれの底部が第2の枢軸4を介して接続され、後方容器部2bと側板6a,側板6bとはネジや接着剤等により一体に固定されている。従って、側板6a,6bに挟まれる後方容器部2bを動かすことはできないが、後方容器部2bに第2の枢軸4を介し連結される前方容器部2aは、側板6a,6bが存在していても、第2の枢軸4を基軸に傾動させることができる。
なお、本実施の形態においては、後方容器部2bと側板6a,6bを別々の構成として備える場合を例に挙げて説明しているが、容器部2及び側板6a,6bの形態は、図1乃至10に記載されるものに限定される必要はなく、後方容器部2bの両側面を前方容器部2a側にせり出した形態とし、前方容器部2aをせり出した後方容器部2bの両側面の内々寸法よりも小さい幅を有するように構成して、この前方容器部2aを第2の枢軸4を介して後方容器部2bに接続してもよい。この場合、第2の軸9及び第1の軸7は、後方容器部2bからせり出した側面で支持されることになる。
【0023】
再び、ペーパー切断機構8の説明に戻るが、ペーパー切断機構8において側板6aから突出する第1の軸7の端部には、押下げアーム16が第1の軸7の外側面に突出しながら固設され、この押下げアーム16は第1の軸7の回動に伴って傾動する。
つまり、ペーパー切断機構8の支持板19の傾動に伴って、第1の軸7の端部に設けられる押下げアーム16が傾動する。
そして、この押下げアーム16が傾動してアームロッド13の他の端部13bに接触し、さらに、アームロッド13の一の端部13aに接続される弾性体14の弾性力に抗って押下げアーム16を鉛直下方側に向かうように傾動させ続けると、アームロッド13の他の端部13bが押下げアーム16により押し下げられる。すなわち、アームロッド13の他の端部13bが回動軸12を基軸に鉛直下方側に傾動する。このとき、アームロッド13に生じる動力が連結部17を介して第2の軸9に伝達され、第2の軸9が回動し、第2の軸9の回動に伴って係止具11及び,それと一体の係止アーム11aが,第2の軸9を基軸に跳ね上がるように傾動することにより、係止アーム11aと前方容器部2aの係止構造が解除され、前方容器部2aが自重により第2の枢軸4を基軸に傾動して、前方容器部2aが開いた状態となる。
なお、前方容器部2aを開いた状態にする手順については後段において図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
再び、押下げアーム16とアームロッド13の説明に戻るが、押下げアーム16の第1の軸7に接続されない側の端部を滑らかな曲面にしておくことで、押下げアーム16によるアームロッド13の押下げ動作をスムースにすることができる(図1を参照)。
また、押下げアーム16が傾動してアームロッド13に接触した際に、押下げアーム16を係止させるための凹部13cを形成しておいてもよい(図1を参照)。この凹部13cは、ペーパー切断機構8を用いてロールペーパー27を切断する際に利用することができる。その詳細については後述する。
さらに、押下げアーム16の第1の軸7に接続されない側の端部に、移動ローラ16aを備えてもよい。この場合、押下げアーム16によりアームロッド13の動力伝達板17bを押し下げる際の、押下げアーム16の移動をスムースにすることができる(図1を参照)。
【0025】
そして、実施例1に係るロールペーパーホルダ1Aにおいては、前方容器部2aのロールペーパー導出部23の近傍に、ロールペーパー27を受けて容器部2の外に送り出すための第2のローラ24を設け、係止具11の係止アーム11aに保持されるペーパー保定用ローラ10と共に容器部2から導出されるロールペーパー27を軽く挟持できるよう構成してもよい(図2を参照)。
この場合、ロールペーパー27の引出し時にペーパー保定用ローラ10及びロールペーパー27により負荷がかかるので、不必要なロールペーパー27の引出しを防止することができる。なお、ペーパー保定用ローラ10及び第2のローラ24は必ずしも設けなくともよい。
また、前方容器部2aの側面上にはロールペーパー導出部23と平行にストッパー25が設けられ、ペーパー切断機構8の傾動板22が第1の枢軸20を基軸に傾動した際に、傾動板22の前方容器部2aをストッパー25で受けて係止させる構造になっている(図2を参照)。なお、このストッパー25にクッション材26を設けてもよい。
ストッパー25は、ロールペーパー27の切断時に傾動板22と協同して、ロールペーパー27の引出しを停止させるものであるが、クッション材26を備えることで、ロールペーパー27の滑りを防止して上記機能をより効果的に発揮させることができる。なお、ストッパー25の機能の詳細についても後述する。
【0026】
さらに、実施例1に係るロールペーパーホルダ1Aでは、アームロッド13を弾性体14で付勢している際に、アームロッド13を略水平に維持しておくために、側板6a上のアームロッド13の軌道上に制動ピン15を突設してもよい(図1を参照)。この制動ピン15を設けておくことで、アームロッド13に押下げアーム16が作用しない状態において、アームロッド13の時計回りと反対向きの回動が妨げられて、連結部17を介して第2の軸9に動力が伝達されるのを抑制することができる。そして、この結果、ペーパー保定用ローラ10と第2のローラ24により、ロールペーパー27の引出し時にロールペーパー27にたるみが生じない程度に挟持しつつ、円滑なロールペーパー27の引出しを妨げない程度に、ロールペーパー27を保持することができる。
【0027】
続いて、図3乃至5を参照しながら、実施例1に係るロールペーパーホルダ1Aによりロールペーパー27を切断する手順について詳細に説明する。
図4,5はいずれも本発明の実施例1に係るロールペーパーホルダの作動の様子を示す断面図である。なお、図1乃至図3に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図3に示すように、ロールペーパー27を引き出す前の状態においては、自重により鉛直下方向に垂下したペーパー切断機構8の傾動板22の下端部22bからロールペーパー27の端部が少し飛び出た状態で容器部2から導出されており、摘み代28が形成された状態になっている(ステップS10)。
【0028】
そして、先のステップS10の状態から、使用者がこの摘み代28を指先で摘まんでロールペーパー27を鉛直斜め下方向側に引き出すと、図4に示すように、傾動板22がロールペーパー27の上面により押し上げられて第1の枢軸20を基軸に傾動し、さらに、傾動板22が押し上げられることで支持板19も押し上げられる(第1の軸7を基軸にはね上げられる)(ステップS11)。
このステップS11において、ロールペーパー導出部23から導出されるロールペーパー27には、ペーパー保定用ローラ10及び第2のローラ24との接触に加えて、傾動板22との接触によっても負荷が加えられるので、ロールペーパー27を勢い余って必要以上に引出してしまう恐れがなく、必要量だけ無駄なく引き出すことができる。
【0029】
このステップS11の後、ロールペーパー27を切断するには、図4に示す状態から、図5に示すように、鉛直斜め下方向に引いていたロールペーパー27の引出し片を、今度は、鉛直上方に引き上げることで、傾動板22が第1の枢軸20を基軸に下端部22bが跳ね上がるように傾動し、この動作に伴って、傾動板22の上端部22aがストッパー25に係止されて、引出し中のロールペーパー27片がストッパー25と傾動板22の上端部22aとの間で挟持されて、ロールペーパー27の引出しが一旦停止される(ステップS12)。
このステップS12において、傾動板22の傾動に伴って、それに接続される支持板19も第1の軸7を基軸に傾動し、この第1の軸7の回動に伴って、第1の軸7の側板6a側の端部に固設される押下げアーム16が傾動してアームロッド13上に形成される凹部13cに押下げアーム16の先端が一時的に嵌合して、支持板19の傾動が妨げられる。これにより、ロールペーパー27を引き上げる力は、傾動板22の傾動にのみ用いられることになり、この結果、傾動板22の上端部22aをストッパー25に確実に係止させることができる。
【0030】
さらに、先のステップS12の後に、図5に示す状態からロールペーパー27の引出し片を、傾動板22の後方容器部2bに係止させながら折り返すように鉛直上方に引き上げることで、傾動板22の下端部22bにおいてロールペーパー27を切断することができる(ステップS13)。
なお、傾動板22の下端部22bの容器部2側の角部に細かい鋸歯状の凹凸を設けてロールペーパー27の切断を容易にしてもよい。
このステップS13においては、図5に示すように、容器部2からロールペーパー導出部23を経て(第2のローラ24上を経て)導出されたロールペーパー27は、前方容器部2aの外側面に沿ってストッパー25まで垂下した後、傾動板22の上端部22aにおいて方向転換して傾動板22の前方容器部2a側に配置される面を経て傾動板22の下端部22bに到達し、この下端部22bの角部において切断されることになる。
【0031】
そして、ロールペーパー導出部23(第2のローラ24上)からストッパー25及び傾動板22の上端部22aを経由して、傾動板22の下端部22bまでの道のりは、先の図3に示すような、自重によりペーパー切断機構8が垂下した状態における、ロールペーパー導出部23(第2のローラ24上)から傾動板22の下端部22bまでの道のりよりも長いので、切断後に自重で垂下したロールペーパー27の切断端には必ず摘み代28が形成されることになる。
【0032】
このように、実施例1に係るロールペーパーホルダ1Aによれば、容器部2とストッパー25とペーパー切断機構8の構成の組み合わせにより、ロールペーパー27を切断する度にその切断端に摘み代28を形成することができるので、次に使う人がロールペーパー27の切断端を探すために、ロールペーパー27に触れる必要がなくて便利な上、ロールペーパー27を衛生的に保つことができる。
また、実施例1に係るロールペーパーホルダ1Aによれば、片手でロールペーパー27の引出し片を切断することができて便利である。
【0033】
次に、図6乃至10を参照しながら、ロールペーパーホルダ1Aの容器部2を開いてロールペーパー27をセットする手順について説明する。
図6乃至10はいずれも本発明の実施例1に係るロールペーパーホルダの作動の様子を示す断面図である。なお、図1乃至図5に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図6は、容器部2内にロールペーパー27が収容されていない状態を示す断面図である。この状態において容器部2は閉じている(ステップS20)。
このステップS20の状態から、容器部2を開けるには、まず、図7に示すように、ペーパー切断機構8の支持板19を第1の軸7を基軸に,その下端部を跳ね上げるように傾動させて、第1の軸7に設けられる押下げアーム16の端部を(移動ローラ16aを)アームロッド13に形成される凹部13cに接触させる(一時的に嵌合させる)(ステップS21)。
【0034】
そして、図7に示すステップS21の状態から、さらに鉛直上方側に支持板19を傾動させると、図8に示すように、アームロッド13の凹部13cに接触した(一時的に嵌合されていた)押下げアーム16が弾性体14の弾性力に抗ってアームロッド13の他の端部13bを押下げる。
この動作により、図8に示すように、アームロッド13と第2の軸9とをつなぐ連結部17が伸長し、動力伝達板17bの傾動に伴って、第2の軸9が回動し、第2の軸9に固設される係止具11が第2の軸9を基軸に,ロールペーパー導出部23側の鉛直上方に跳ね上がる。
この結果、前方容器部2aの上端に形成される係止爪18と,係止具11に一体に設けられる係止アーム11aとの係止状態が解除され(ステップS22)、図9に示すように、前方容器部2aが自重により第2の枢軸4を基軸に傾動して、容器部2が開いた状態となる(ステップS23)。
【0035】
そして、図9に示す状態になった後、容器部2の中空部3にロールペーパー27をセットすればよい。より具体的には、図10に示すように、後方容器部2bの中空部3にロールペーパー27の本体部分を収容し、ロールペーパー27本体から延びる引出し片を後方容器部2bの底面側に配しながら前方容器部2aのロールペーパー導出部23(第2のローラ24)に引っ掛けてその端部を鉛直下側に垂下させる(ステップS24)。
なお、このステップS24の状態から、先のステップS21までの動作を順番に後戻りすることで、先の図3に示す状態にすることができる。
【0036】
このような実施例1に係るロールペーパーホルダ1Aによれば、前方容器部2aと係止具11とアームロッド13及び押下げアーム16を備えたペーパー切断機構8からなる容器部2の開閉機構を備えることで、ロールペーパーホルダ1Aへのロールペーパー27のセットを容易にすることができる。
すなわち、従来技術(特許文献1,2)の場合のように、人が目視できない場所や、狭い場所にロールペーパー27の引出し片を挿通させる必要がないので、体の不自由な人や高齢者であっても容易にかつ迅速にロールペーパーホルダ1Aにロールペーパー27をセットすることができる。
【実施例2】
【0037】
本発明の実施例2に係るロールペーパーホルダについて図11を参照しながら詳細に説明する(主に請求項1に対応)。
図11は、本発明の実施例2に係るロールペーパーホルダの概念図である。なお、図1乃至図10に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例2に係るロールペーパーホルダ1Bは、実施例1に係るロールペーパーホルダ1Aの前方容器部2aと後方容器部2bを一体とした容器部2と、ペーパー切断機構8とからなるシンプルな形態のロールペーパーホルダである。
より具体的には、実施例2に係るロールペーパーホルダ1Bは、中空部3を有する箱状の容器部2の上部開口29に、ロールペーパー導出部23を備え、このロールペーパー導出部23を覆うように第1の軸30に軸支されるペーパー切断機構8を備えるものである。
また、先の実施例1においてペーパー切断機構8を支持する第1の軸7は、側板6a,6bにより支持していたが(図1を参照)、実施例2に係るロールペーパーホルダ1Bは、側板を備えないので、例えば、図11に示すように、ペーパー切断機構8を支持する第1の軸30を、容器部2の上部開口29を被覆する蓋部31の端部に傾動可能に取り付けてもよい。この場合、蓋部31の第1の軸30が設けられない側の端部は、第3の枢軸33を介して(ヒンジ32により),容器部2のロールペーパー導出部23に対向する面に傾動可能に取り付けられている。
【0038】
上述のような、実施例2に係るロールペーパーホルダ1Bへのロールペーパーのセットは、ペーパー切断機構8が接続された蓋部31を第3の枢軸33を基軸に鉛直上方に跳ね上げるように傾動させて、蓋部31を開け、容器部2の中空部3内にロールペーパー27の本体部を収容するとともに,ロールペーパー27の引出し片を容器部2の底部側に配しながら、ロールペーパー導出部23(第2のローラ24)を介して容器部2の外に垂下させた後、第3の枢軸33を基軸に蓋部31を逆傾動させて容器部2の上部開口29に覆設すればよい。
なお、実施例2に係るロールペーパーホルダ1Bにおいてロールペーパーの引出し片が切断される手順については、実施例1の場合と同じであるため、ここではその詳細な説明については省略する。
【0039】
このような実施例2に係るロールペーパーホルダ1Bによれば、片手によるロールペーパーの導出片の切断が可能になる。また、ロールペーパーを切断した際に、容器部2側に復帰した傾動板22の下端部22bからロールペーパーの端部を導出させて、次回に使用する際の摘まみ代を形成させることができる。
この場合、ロールペーパーの引出しを容易にするとともに、ロールペーパーの端部を探すためにロールペーパー本体に直接手で触れる必要がないので、ロールペーパーを衛生的に保つことができる。さらに、容器部2へのロールペーパー27のセットも容易である。
【0040】
また、実施例2に係るロールペーパーホルダ1Bにおいては、第1の軸30の少なくとも一方の端部にその外周面上に突出させた、実施例1と同様の形態の押下げアーム16を設け、さらに、押下げアーム16が配置される側の容器部2の側面に、第1の軸30の回動に伴って傾動する押下げアーム16の動きを停止させるためのストッパーとなる止め具35を設けてもよい。
この場合、ロールペーパーの引出し片の切断時に、ペーパー切断機構8の支持板19が傾動すると、それに伴う第1の軸30の回動に伴って押下げアーム16も傾動する。そして、この押下げアーム16が止め具35に当たって、その動きが妨げられ、これにより支持板19の傾動が停止される。この結果、実施例1の場合と同様に、ロールペーパーの引出し片を鉛直上方に引き上げることによって生じる力は、傾動板22を傾動させるためのみに用いられることになるので、ストッパー25と傾動板22とによるロールペーパーの挟持を容易かつ確実にすることができる。
なお、先の実施例1における押下げアーム16は、アームロッド13の押し下げにも用いられるので、この部材の名称を「押下げアーム」としているが、実施例2に係る押下げアーム16は、実施例1に係る押下げアーム16と同様の形態ではあるものの、その目的はもっぱら第1の軸30に固設される支持板19が必要以上に傾動するのを妨げて,傾動板22の傾動をスムースにするためである。従って、実施例2に係る押下げアーム16の第1の軸30に接続されない側の端部に移動用ローラを設ける必要は特にない。
【産業上の利用可能性】
【0041】
以上説明したように、本発明は、ロールペーパーを切断した後に、確実にロールペーパーの端部に摘み代を形成させることができるロールペーパーホルダに関するものであり、サニタリー用品及びキッチン用品、あるいは、ロール状のペーパーを使用する分野において利用可能である。
【符号の説明】
【0042】
1A,1B…ロールペーパーホルダ 2…容器部 2a…前方容器部 2b…後方容器部 3…中空部 4…第2の枢軸 5…ヒンジ 6a,6b…側板 7…第1の軸 8…ペーペー切断機構 9…第2の軸 10…ペーパー保定用ローラ 11…係止具 11a…係止アーム 12…回動軸 13…アームロッド 13a…一の端部 13b…他の端部 13c…凹部 14…弾性体 15…制動ピン 16…押下げアーム 16a…移動ローラ 17…連結部 17a…動力伝達板 17b…動力伝達板 17c…連結ピン 17d…連結ピン 18…係止爪 19…支持板 20…第1の枢軸 21…ヒンジ 22…傾動板 22a…上端部 22b…下端部 23…ロールペーパー導出部 24…第2のローラ 25…ストッパー 26…クッション材 27…ロールペーパー 28…摘み代 29…上部開口 30…第1の軸 31…蓋部 32…ヒンジ 33…第3の枢軸 34…掛止部 35…止め具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロールペーパーを収容する容器部と、
前記容器部のロールペーパー導出部近傍に,このロールペーパー導出部を覆うように第1の軸に軸支されるペーパー切断機構とを有し、
前記ペーパー切断機構は、前記第1の軸に傾動可能に枢設される支持板と、この支持板の下端部に第1の枢軸を介し,前記容器部側に一部重複する部分を備えて傾動可能に前記支持板に連結される傾動板とを備え、
前記容器部は、前記ロールペーパー導出部の下方近傍に,前記傾動板の上端部を掛止可能に形成されるストッパーを備え、
前記ロールペーパーは、前記容器部の前記ロールペーパー導出部を経て,前記容器部の外側面と前記ペーパー切断機構の間を通過するように導出され、
前記ロールペーパーの鉛直斜め上方への引き上げに伴い,前記支持板が,前記第1の軸を基軸に傾動すると共に,前記傾動板は,前記第1の枢軸を基軸に傾動して前記傾動板の前記一部重複する部分に存在する上端部が前記ストッパーに係止され,前記傾動板の上端部と前記ストッパーによって前記ロールペーパーが挟持されて前記ロールペーパーの送出しが停止され、
前記ロールペーパーが,前記傾動板の下端部で切断された後に、前記支持板及び前記傾動板が自重によって前記ロールペーパー導出部を覆うように復帰することで、切断後の前記ロールペーパーの端部に摘み代を形成させることを特徴とするロールペーパーホルダ。
【請求項2】
前記容器部は、前記ロールペーパー導出部を備える前方容器部と、この前方容器部の底において第2の枢軸を介して枢設される後方容器部とからなり、
前記前方容器部は、第2の軸に軸支される係止部と係合し、
前記後方容器と前記係止部とはアームロッドを介して連結され、
前記第1の軸は、その端部に前記軸を基軸に回動して前記アームロッドを押下げる押下げアームを備え、
前記ペーパー切断機構を,前記第1の軸を基軸に鉛直上方に傾動させることで前記押下げアームが傾動して前記アームロッドが押下げられ、
このアームロッドの押下げ動作に伴い,前記係止部と前記前方容器部との係合が解除されて、前記前方容器部が自重により前記第2の枢軸を基軸に傾動して開動作することを特徴とする請求項1記載のロールペーパーホルダ。
【請求項3】
前記押下げアームの前記第1の軸に固定されない側の端部は、移動ローラを備え、
前記移動ローラは、前記アームロッド上を回転しながら移動することを特徴とする請求項2に記載のロールペーパーホルダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−139455(P2012−139455A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−726(P2011−726)
【出願日】平成23年1月5日(2011.1.5)
【特許番号】特許第4768884号(P4768884)
【特許公報発行日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(511005561)
【Fターム(参考)】