ロール状ブラシの製造装置及びロール状ブラシの製造方法
【課題】毛羽の長さが段階的に異なるブラシ部を有するロール状ブラシを効率よく製造することができるロール状ブラシの製造装置及びロール状ブラシの製造方法を提供する。
【解決手段】切断位置調整装置25は、支軸12の軸線S1方向に沿って毛羽の長さが段階的に異なるブラシ部13を有するロール状ブラシの製造装置であり、毛羽を切断するシャーリング装置24と支軸12との間に配置されるとともに、ブラシ部13の一部を選択的に覆蓋可能なカバー部材35を備える。
【解決手段】切断位置調整装置25は、支軸12の軸線S1方向に沿って毛羽の長さが段階的に異なるブラシ部13を有するロール状ブラシの製造装置であり、毛羽を切断するシャーリング装置24と支軸12との間に配置されるとともに、ブラシ部13の一部を選択的に覆蓋可能なカバー部材35を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール状ブラシの製造装置及びロール状ブラシの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紙幣等のシートの搬送や摺接による清掃を行うために、支軸の周囲に多数の毛羽が放射状に立設されたブラシ部を有するロール状ブラシが用いられていた(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1のロール状ブラシ(クリーニングブラシ)は、摺擦力を調整するために、支軸の軸線方向における毛羽の長さを段階的に変化させることで、ブラシ部に段差が形成されていた。そして、このような段差を有するブラシ部を形成するために、軸線方向に沿って部分的にスパイラル状の刃部が設けられたシャーリングローラを用いて、毛羽の先端を選択的に切断するシャーリング加工を行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−318018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1のようなシャーリング加工を行う場合、ブラシ部の段差位置が異なるロール状ブラシを製造するためには、その都度シャーリングローラを作り直す必要があった。そのため、ロール状ブラシの製造コストが嵩んでしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、毛羽の長さが段階的に異なるブラシ部を有するロール状ブラシを効率よく製造することができるロール状ブラシの製造装置及びロール状ブラシの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、支軸の軸線方向に沿って毛羽の長さが段階的に異なるブラシ部を有するロール状ブラシの製造装置であって、前記毛羽を切断する切断手段と前記支軸との間に配置されるとともに、前記ブラシ部の一部を選択的に覆蓋可能なカバー部材を備えることを要旨とする。
【0008】
上記構成によれば、切断手段と支軸との間に配置されたカバー部材によってブラシ部を選択的に覆蓋することで、カバー部材によって覆蓋されていない毛羽を選択的に切断することができる。したがって、カバー部材の形状や配置を変化させることで、毛羽の長さが段階的に異なるブラシ部を有するロール状ブラシを効率よく製造することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記カバー部材は、樹脂材料からなるシート状部材であることを要旨とする。
上記構成によれば、カバー部材は樹脂材料からなるシート状部材であるので、加工が容易でコストパフォーマンスに優れる。そしてその加工性から、ブラシ部の段差の位置をミリレベルで設定することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記カバー部材は、前記ブラシ部の先端側を選択的に露出させるための開口部を有することを要旨とする。
【0011】
上記構成によれば、カバー部材はブラシ部の先端側を選択的に露出させるための開口部を有するので、開口部の位置や大きさを変化させることで、毛羽の長さを短くする部分を任意に配置することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の発明において、前記支軸を支持可能であるとともに、前記切断手段に接近又は離間する方向に移動可能に構成された支持部材を更に備えることを要旨とする。
【0013】
上記構成によれば、支軸を支持可能であるとともに、切断手段に接近又は離間する方向に移動可能に構成された支持部材を備えるので、支持部材を移動させることによって支軸と切断手段との離間距離を容易に調整し、切断する毛羽の長さを任意に変化させることができる。
【0014】
上記の目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、支軸の軸線方向に沿って毛羽の長さが段階的に異なるブラシ部を有するロール状ブラシの製造方法であって、前記毛羽を切断する切断手段と前記支軸との間に、前記ブラシ部の一部を選択的に覆蓋可能なカバー部材を配置して、該カバー部材によって覆蓋されていない前記ブラシ部の毛羽を前記切断手段で切断することを要旨とする。
【0015】
上記構成によれば、毛羽を切断する切断手段と支軸との間に、ブラシ部の一部を選択的に覆蓋可能なカバー部材を配置することで、カバー部材によって覆蓋されていない毛羽を切断手段で選択的に切断することができる。したがって、カバー部材の形状や配置を変化させることで、毛羽の長さが段階的に異なるブラシ部を有するロール状ブラシを効率よく製造することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、毛羽の長さが段階的に異なるブラシ部を有するロール状ブラシを効率よく製造することができるロール状ブラシの製造装置及びロール状ブラシの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】毛羽の長さが段階的に異なるブラシ部を有するロール状ブラシの正面図。
【図2】毛羽の長さが一律なブラシ部を有するロール状ブラシの正面図
【図3】図2のロール状ブラシを構成するブラシ材の斜視図。
【図4】図2のロール状ブラシの製造方法を説明するための正面図。
【図5】シャーリング装置及び加工位置調整装置の構成を示す側面図。
【図6】シャーリング装置の構成を示す正面図。
【図7】加工位置調整装置の構成を示す正面図。
【図8】第1のシャーリング加工が施されたロール状ブラシの正面図。
【図9】紙幣搬送用のロール状ブラシを説明するための正面図。
【図10】図9の側面図。
【図11】毛羽の長さが複数段階に異なるブラシ部を有するロール状ブラシの正面図。
【図12】毛羽の長さが複数段階に異なるブラシ部を有するロール状ブラシの正面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明のロール状ブラシの製造装置及び製造方法について、図1〜図12に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明の製造装置及び製造方法で製造されるロール状ブラシ11は、金属製の丸棒よりなる支軸12と、毛羽の長さが段階的に異なるブラシ部13(13A,13B)とを備える。なお、ブラシ部13Aとブラシ部13Bを構成する毛羽は何れも直毛状で、ブラシ部13Aとブラシ部13Bとの間には段差が形成されている。
【0019】
そして、このブラシ部13に段差を有するロール状ブラシ11は、図2に示す毛羽の長さが一律でブラシ部13(13C)に段差のないロール状ブラシ11Aをシャーリング加工することで得られる。したがって、始めにブラシ部13に段差のないロール状ブラシ11Aの製造について説明し、その後にシャーリング加工について説明する。
【0020】
まず、ブラシ部13に段差のないロール状ブラシ11Aは、以下のように製造される。始めに、図3に示すように、帯状の織布よりなる基布20にブラシ糸を例えばパイル織りで織り込むことにより、基布20の表面から延びる複数の直毛状の毛羽21を形成する。
【0021】
続いて、基布20の裏面側に合成樹脂製のコーティング剤を塗布してコーティング層22を形成することで、帯状のブラシ材23を製造する。なお、コーティング層22は、コーティング剤が基布20の糸間に含浸して硬化することにより、基布20のほつれを抑制するとともに、毛羽21と基布20とを接合する役割を担っている。
【0022】
次に、この帯状のブラシ材23を、図4に示すように表面に接着剤が塗布された支軸12に螺旋状をなすように巻回しつつ接合する。これにより、ブラシ材23が巻き回された部分が段差のないブラシ部13Cを構成するロール状ブラシ11Aが得られる。なお、ブラシ部13Cの軸線S1方向に沿う長さは、ブラシ材23の巻き数を増減することで任意に調整することができるし、毛羽21の長さはブラシ糸の長さを変化させることで任意に調整することができる。
【0023】
次に、ブラシ部13に段差を形成するためのシャーリング加工について説明する。
図5に示すように、シャーリング加工は毛羽21を切断する切断手段としてのシャーリング装置24と、ロール状ブラシの製造装置としての切断位置調整装置25とを用いて行われる。
【0024】
図6に示すように、シャーリング装置24は、回転軸31を中心に回転可能に設けられた略円柱状をなすスパイラル刃32と、回転軸31の軸線S2方向に延びるように設けられた固定刃33とを備えている。シャーリング装置24においては、スパイラル刃32の回転に伴って、スパイラル刃32と固定刃33との間に配置された毛羽21がせん断作用により切断されるようになっている。
【0025】
一方、切断位置調整装置25は、ロール状ブラシ11Aの支軸12をその軸線S1方向と回転軸31の軸線S2方向とが平行をなすように回転可能に支持する支持部材34と、樹脂材料からなるシート状部材であるカバー部材35とを備える。支持部材34は、シャーリング装置24に対して接近及び離間する方向に移動可能に構成されている。
【0026】
カバー部材35はシャーリング装置24と支持部材34に支持された支軸12との間に配置され、図7に示すようにブラシ部13の一部を選択的に覆蓋可能な覆蓋部36と、ブラシ部13の先端側を選択的に露出させるための開口部37とを有する。開口部37は毛羽21を短く切断する部分に対応して設けられ、軸線S1方向における幅Wdや配置、数などは任意に変更することができる。
【0027】
なお、カバー部材35は樹脂材料から構成されて加工が容易であるので、開口部37の幅Wdや隣接する開口部37との間隔は1mm程度まで小さくすることができる。すなわち、ブラシ部13の段差の位置や間隔は、ミリレベルで設定することができる。そして、開口部37のサイズや配置の異なるカバー部材35を用いて複数回のシャーリング加工を行うことで、毛羽21の長さが複数段階に異なるブラシ部13を形成することができる。
【0028】
また、カバー部材35は表面が滑らかで可撓性を備えていることが好ましい。そうすれば、回転するスパイラル刃32と接触しても、スパイラル刃32が滑ったりカバー部材35が撓んだりすることで互いの損傷を抑制することができるためである。
【0029】
次に、シャーリング加工の具体的な工程について説明する。
まず、シャーリング加工に先だって、ロール状ブラシ11Aの毛羽21を蒸気と遠心力で起毛させる。そして、毛羽21が起毛されたロール状ブラシ11Aの支軸12を支持部材34に取り付けるとともに、カバー部材35を切断位置調整装置25に取り付ける。
【0030】
次に、カバー部材35の開口部37から露出した毛羽21の先端部分がスパイラル刃32と固定刃33の間に配置されるように、支持部材34の位置を調整する。すなわち、カバー部材35の開口部37の配置によって切断される毛羽21が決定され、支持部材34の位置によって毛羽21の切断長さが決定される。
【0031】
そして、ロール状ブラシ11Aの支軸12とスパイラル刃32の回転軸31とを異なる回転速度で回転させることで、スパイラル刃32と固定刃33によるせん断作用により開口部37から露出した毛羽21の先端側が切断される。なお、本実施形態においては、カバー部材35を用いた第1のシャーリング加工でブラシ部13Aを形成した後、カバー部材35を用いない第2のシャーリング加工でブラシ部13Bを形成する。
【0032】
すなわち、3つの開口部37が設けられたカバー部材35を用いて第1のシャーリング加工を行うと、図8に示すように、毛羽21が切断されないまま保持されたブラシ部13Cと、先端が短く切断されたブラシ部13Aとが交互に並んで段差を形成する態様となる。
【0033】
続いて、カバー部材35を切断位置調整装置25から取り外すとともに、支持部材34をシャーリング装置24から離間する方向に移動させ、図8の点線位置で毛羽21の先端側を切断すべく第2のシャーリング加工を施す。すると、ブラシ部13Cの先端部が切断されて、長さが整えられた直毛状のブラシ部13Bが形成される。これにより、図1に示すロール状ブラシ11が完成する。なお、第2のシャーリング加工は省略することも可能であるが、実施することにより、毛羽21の長さを正確に規定することができる。
【0034】
このように製造されたロール状ブラシ11は、例えば図9及び図10に示すような紙幣搬送用のローラーとして好適に用いることができる。すなわち、紙幣を搬送する際には、紙送りに必要なブラシ部13Bのみを露出させるため、開口40aを有するカバーリング部材40でブラシ部13Aを覆うようになっている。こうした用途において、本実施形態の切断位置調整装置25を用いれば、支持部材34の位置を変化させることでブラシ部13A,13Bの毛羽21の長さを容易に調整し、カバー部材35の開口部37の配置や大きさを変化させることで段差の位置を任意に設定することができる。
【0035】
同様に、開口部37の配置や数が異なる複数のカバー部材35を用いて、支持部材34の位置を複数段階に変化させつつシャーリング加工を行えば、図11や図12に示すように、ブラシ部13の段差を任意の位置及びサイズに形成することができる。
【0036】
具体的には、図11に示すロール状ブラシ110は、毛羽21の長さが段階的に異なる直毛状のブラシ部13(13D,13E, 13F, 13G)を有している。そして、ブラシ部13D,13E, 13Fは、それぞれ幅Wdの異なる1つの開口部37を有するカバー部材35を用いて順次第1〜第3のシャーリング加工を施すことで形成することができる。また、ブラシ部13Gはカバー部材35を用いない第4のシャーリング加工で形成することができる。
【0037】
すなわち、ロール状ブラシ110は、開口部37の幅Wdが異なる3つのカバー部材35を用いて、4段階のシャーリング加工を行うことで製造される。なお、ブラシ部13Eはブラシ部13Dと隣接する2つの開口部37を有するカバー部材35を用いた第2のシャーリング加工で形成することもできる。また、ブラシ部13Fはブラシ部13Eと隣接する2つの開口部37を有するカバー部材35を用いた第3のシャーリング加工で形成することもできる。
【0038】
また、図12に示すロール状ブラシ210は、毛羽21の長さが段階的に異なるブラシ部13(13H,13I, 13J)を有している。そして、ブラシ部13Hは4つの開口部37を有するカバー部材35を用いた第1のシャーリング加工で形成することができる。また、ブラシ部13Iは2つの開口部37を有するカバー部材35を用いた第2のシャーリング加工で形成することができる。また、ブラシ部13Jはカバー部材35を用いない第3のシャーリング加工で形成することができる。すなわち、ロール状ブラシ210は、開口部37の位置及び数の異なる2つのカバー部材35を用いて、3段階のシャーリング加工を行うことで製造される。
【0039】
このように、切断位置調整装置25を用いれば、カバー部材35の開口部37の位置や数を変更することでブラシ部13の段差の位置を任意に設定することができる。また、開口部37の幅Wdを変更することで、切断するブラシ部13の幅をミリレベルで任意に設定することができる。更に、支持部材34の位置を変更することで、切断する毛羽21の長さを任意に設定することができる。したがって、ブラシ部13に任意の段差を有するロール状ブラシ11を効率よく製造することができる。
【0040】
上記説明した実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)シャーリング装置24と支軸12との間に配置されたカバー部材35によってブラシ部13を選択的に覆蓋することで、カバー部材35によって覆蓋されていない毛羽21を選択的に切断することができる。したがって、カバー部材35の形状や配置を変化させることで、毛羽21の長さが段階的に異なるブラシ部13を有するロール状ブラシを効率よく製造することができる。
【0041】
(2)カバー部材35は樹脂材料からなるシート状部材であるので、加工が容易でコストパフォーマンスに優れる。そしてその加工性から、ブラシ部13の段差の位置をミリレベルで設定することができる。
【0042】
(3)カバー部材35はブラシ部13の先端を選択的に露出させるための開口部37を有するので、開口部37の位置や大きさを変化させることで、毛羽21の長さを短くする部分を任意に配置することができる。
【0043】
(4)支軸12を支持可能であるとともに、シャーリング装置24に接近又は離間する方向に移動可能に構成された支持部材34を備えるので、支持部材34を移動させることによって支軸12とシャーリング装置24との離間距離を容易に調整し、切断する毛羽21の長さを任意に変化させることができる。
【0044】
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・ロール状ブラシ11Aのブラシ部13Cは、毛羽21の先端側がループ状のループブラシとしてもよい。そして、カバー部材35を用いた第1のシャーリング加工でブラシ部13Aを形成し、第2のシャーリング加工を省略することで、毛羽21の先端がループ状のブラシ部13Cと毛羽21の先端が直毛状のブラシ部13Aとが交互に並んで段差を形成するブラシ部13を効率的に製造することができる。こうした毛羽21の先端側がループ状のブラシ部13Cによれば、毛羽21と接触する被接触体への負荷が低減されるとともに、毛羽21の磨耗を抑制することができる。
【0045】
・カバー部材35は開口部37を備えず、覆蓋部36を備えるカバー部材35を軸線S1方向に所定の間隔で複数配置することで、ブラシ部13の先端側を選択的に露出させるようにしてもよい。この場合には、カバー部材35を軸線S1方向に移動可能に構成することで、カバー部材35を取り替えることなく、切断する毛羽21の位置を容易に変更することができる。
【0046】
例えば、図11に示すロール状ブラシ110は、2つのカバー部材35でブラシ部13の軸線S1方向における両端部分を覆うことで、中央付近に露出する毛羽21を選択的に切断することができる。そして、2つのカバー部材35の離間距離を段階的に変化させることで、ブラシ部13D,13E, 13F, 13Gをそれぞれ形成することができる。
【0047】
・支持部材34を固定し、シャーリング装置24が支持部材34に近接又は離間する方向に移動するようにしてもよい。
・カバー部材35は樹脂材料からなるものに限らない。
【0048】
・カバー部材35は平面的なシート状部材に限らず、例えばカバーリング部材40のような箱形状の部材を採用してもよい。
・カバー部材35を用いないでブラシ部13Cの先端を全体的に切断することでブラシ部13B,13G,13Jを形成した後、カバー部材35を用いて更に毛足の短いブラシ部13A,13D〜13F,13H,13Iを形成するようにしてもよい。
【0049】
・シャーリング装置24と切断位置調整装置25とでロール状ブラシの製造装置を構成するようにしてもよい。
・ロール状ブラシ11の段差は軸線S1方向に沿って非対称となるようにしてもよい。
【0050】
・ロール状ブラシ11は紙幣搬送に用いるものに限らず、電子写真方式のプリンターや複写機などの記録装置に使用される帯電ブラシやクリーニングブラシ、潤滑剤を塗布する塗布ブラシなど、任意の用途に適応することができる。
【符号の説明】
【0051】
S1…軸線、11,110,210…ロール状ブラシ、12…支軸、13,13A〜13J…ブラシ部、21…毛羽、24…切断手段としてのシャーリング装置、25…ロール状ブラシの製造装置としての切断位置調整装置、34…支持部材、35…カバー部材、37…開口部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール状ブラシの製造装置及びロール状ブラシの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紙幣等のシートの搬送や摺接による清掃を行うために、支軸の周囲に多数の毛羽が放射状に立設されたブラシ部を有するロール状ブラシが用いられていた(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1のロール状ブラシ(クリーニングブラシ)は、摺擦力を調整するために、支軸の軸線方向における毛羽の長さを段階的に変化させることで、ブラシ部に段差が形成されていた。そして、このような段差を有するブラシ部を形成するために、軸線方向に沿って部分的にスパイラル状の刃部が設けられたシャーリングローラを用いて、毛羽の先端を選択的に切断するシャーリング加工を行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−318018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1のようなシャーリング加工を行う場合、ブラシ部の段差位置が異なるロール状ブラシを製造するためには、その都度シャーリングローラを作り直す必要があった。そのため、ロール状ブラシの製造コストが嵩んでしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、毛羽の長さが段階的に異なるブラシ部を有するロール状ブラシを効率よく製造することができるロール状ブラシの製造装置及びロール状ブラシの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、支軸の軸線方向に沿って毛羽の長さが段階的に異なるブラシ部を有するロール状ブラシの製造装置であって、前記毛羽を切断する切断手段と前記支軸との間に配置されるとともに、前記ブラシ部の一部を選択的に覆蓋可能なカバー部材を備えることを要旨とする。
【0008】
上記構成によれば、切断手段と支軸との間に配置されたカバー部材によってブラシ部を選択的に覆蓋することで、カバー部材によって覆蓋されていない毛羽を選択的に切断することができる。したがって、カバー部材の形状や配置を変化させることで、毛羽の長さが段階的に異なるブラシ部を有するロール状ブラシを効率よく製造することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記カバー部材は、樹脂材料からなるシート状部材であることを要旨とする。
上記構成によれば、カバー部材は樹脂材料からなるシート状部材であるので、加工が容易でコストパフォーマンスに優れる。そしてその加工性から、ブラシ部の段差の位置をミリレベルで設定することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記カバー部材は、前記ブラシ部の先端側を選択的に露出させるための開口部を有することを要旨とする。
【0011】
上記構成によれば、カバー部材はブラシ部の先端側を選択的に露出させるための開口部を有するので、開口部の位置や大きさを変化させることで、毛羽の長さを短くする部分を任意に配置することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の発明において、前記支軸を支持可能であるとともに、前記切断手段に接近又は離間する方向に移動可能に構成された支持部材を更に備えることを要旨とする。
【0013】
上記構成によれば、支軸を支持可能であるとともに、切断手段に接近又は離間する方向に移動可能に構成された支持部材を備えるので、支持部材を移動させることによって支軸と切断手段との離間距離を容易に調整し、切断する毛羽の長さを任意に変化させることができる。
【0014】
上記の目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、支軸の軸線方向に沿って毛羽の長さが段階的に異なるブラシ部を有するロール状ブラシの製造方法であって、前記毛羽を切断する切断手段と前記支軸との間に、前記ブラシ部の一部を選択的に覆蓋可能なカバー部材を配置して、該カバー部材によって覆蓋されていない前記ブラシ部の毛羽を前記切断手段で切断することを要旨とする。
【0015】
上記構成によれば、毛羽を切断する切断手段と支軸との間に、ブラシ部の一部を選択的に覆蓋可能なカバー部材を配置することで、カバー部材によって覆蓋されていない毛羽を切断手段で選択的に切断することができる。したがって、カバー部材の形状や配置を変化させることで、毛羽の長さが段階的に異なるブラシ部を有するロール状ブラシを効率よく製造することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、毛羽の長さが段階的に異なるブラシ部を有するロール状ブラシを効率よく製造することができるロール状ブラシの製造装置及びロール状ブラシの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】毛羽の長さが段階的に異なるブラシ部を有するロール状ブラシの正面図。
【図2】毛羽の長さが一律なブラシ部を有するロール状ブラシの正面図
【図3】図2のロール状ブラシを構成するブラシ材の斜視図。
【図4】図2のロール状ブラシの製造方法を説明するための正面図。
【図5】シャーリング装置及び加工位置調整装置の構成を示す側面図。
【図6】シャーリング装置の構成を示す正面図。
【図7】加工位置調整装置の構成を示す正面図。
【図8】第1のシャーリング加工が施されたロール状ブラシの正面図。
【図9】紙幣搬送用のロール状ブラシを説明するための正面図。
【図10】図9の側面図。
【図11】毛羽の長さが複数段階に異なるブラシ部を有するロール状ブラシの正面図。
【図12】毛羽の長さが複数段階に異なるブラシ部を有するロール状ブラシの正面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明のロール状ブラシの製造装置及び製造方法について、図1〜図12に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明の製造装置及び製造方法で製造されるロール状ブラシ11は、金属製の丸棒よりなる支軸12と、毛羽の長さが段階的に異なるブラシ部13(13A,13B)とを備える。なお、ブラシ部13Aとブラシ部13Bを構成する毛羽は何れも直毛状で、ブラシ部13Aとブラシ部13Bとの間には段差が形成されている。
【0019】
そして、このブラシ部13に段差を有するロール状ブラシ11は、図2に示す毛羽の長さが一律でブラシ部13(13C)に段差のないロール状ブラシ11Aをシャーリング加工することで得られる。したがって、始めにブラシ部13に段差のないロール状ブラシ11Aの製造について説明し、その後にシャーリング加工について説明する。
【0020】
まず、ブラシ部13に段差のないロール状ブラシ11Aは、以下のように製造される。始めに、図3に示すように、帯状の織布よりなる基布20にブラシ糸を例えばパイル織りで織り込むことにより、基布20の表面から延びる複数の直毛状の毛羽21を形成する。
【0021】
続いて、基布20の裏面側に合成樹脂製のコーティング剤を塗布してコーティング層22を形成することで、帯状のブラシ材23を製造する。なお、コーティング層22は、コーティング剤が基布20の糸間に含浸して硬化することにより、基布20のほつれを抑制するとともに、毛羽21と基布20とを接合する役割を担っている。
【0022】
次に、この帯状のブラシ材23を、図4に示すように表面に接着剤が塗布された支軸12に螺旋状をなすように巻回しつつ接合する。これにより、ブラシ材23が巻き回された部分が段差のないブラシ部13Cを構成するロール状ブラシ11Aが得られる。なお、ブラシ部13Cの軸線S1方向に沿う長さは、ブラシ材23の巻き数を増減することで任意に調整することができるし、毛羽21の長さはブラシ糸の長さを変化させることで任意に調整することができる。
【0023】
次に、ブラシ部13に段差を形成するためのシャーリング加工について説明する。
図5に示すように、シャーリング加工は毛羽21を切断する切断手段としてのシャーリング装置24と、ロール状ブラシの製造装置としての切断位置調整装置25とを用いて行われる。
【0024】
図6に示すように、シャーリング装置24は、回転軸31を中心に回転可能に設けられた略円柱状をなすスパイラル刃32と、回転軸31の軸線S2方向に延びるように設けられた固定刃33とを備えている。シャーリング装置24においては、スパイラル刃32の回転に伴って、スパイラル刃32と固定刃33との間に配置された毛羽21がせん断作用により切断されるようになっている。
【0025】
一方、切断位置調整装置25は、ロール状ブラシ11Aの支軸12をその軸線S1方向と回転軸31の軸線S2方向とが平行をなすように回転可能に支持する支持部材34と、樹脂材料からなるシート状部材であるカバー部材35とを備える。支持部材34は、シャーリング装置24に対して接近及び離間する方向に移動可能に構成されている。
【0026】
カバー部材35はシャーリング装置24と支持部材34に支持された支軸12との間に配置され、図7に示すようにブラシ部13の一部を選択的に覆蓋可能な覆蓋部36と、ブラシ部13の先端側を選択的に露出させるための開口部37とを有する。開口部37は毛羽21を短く切断する部分に対応して設けられ、軸線S1方向における幅Wdや配置、数などは任意に変更することができる。
【0027】
なお、カバー部材35は樹脂材料から構成されて加工が容易であるので、開口部37の幅Wdや隣接する開口部37との間隔は1mm程度まで小さくすることができる。すなわち、ブラシ部13の段差の位置や間隔は、ミリレベルで設定することができる。そして、開口部37のサイズや配置の異なるカバー部材35を用いて複数回のシャーリング加工を行うことで、毛羽21の長さが複数段階に異なるブラシ部13を形成することができる。
【0028】
また、カバー部材35は表面が滑らかで可撓性を備えていることが好ましい。そうすれば、回転するスパイラル刃32と接触しても、スパイラル刃32が滑ったりカバー部材35が撓んだりすることで互いの損傷を抑制することができるためである。
【0029】
次に、シャーリング加工の具体的な工程について説明する。
まず、シャーリング加工に先だって、ロール状ブラシ11Aの毛羽21を蒸気と遠心力で起毛させる。そして、毛羽21が起毛されたロール状ブラシ11Aの支軸12を支持部材34に取り付けるとともに、カバー部材35を切断位置調整装置25に取り付ける。
【0030】
次に、カバー部材35の開口部37から露出した毛羽21の先端部分がスパイラル刃32と固定刃33の間に配置されるように、支持部材34の位置を調整する。すなわち、カバー部材35の開口部37の配置によって切断される毛羽21が決定され、支持部材34の位置によって毛羽21の切断長さが決定される。
【0031】
そして、ロール状ブラシ11Aの支軸12とスパイラル刃32の回転軸31とを異なる回転速度で回転させることで、スパイラル刃32と固定刃33によるせん断作用により開口部37から露出した毛羽21の先端側が切断される。なお、本実施形態においては、カバー部材35を用いた第1のシャーリング加工でブラシ部13Aを形成した後、カバー部材35を用いない第2のシャーリング加工でブラシ部13Bを形成する。
【0032】
すなわち、3つの開口部37が設けられたカバー部材35を用いて第1のシャーリング加工を行うと、図8に示すように、毛羽21が切断されないまま保持されたブラシ部13Cと、先端が短く切断されたブラシ部13Aとが交互に並んで段差を形成する態様となる。
【0033】
続いて、カバー部材35を切断位置調整装置25から取り外すとともに、支持部材34をシャーリング装置24から離間する方向に移動させ、図8の点線位置で毛羽21の先端側を切断すべく第2のシャーリング加工を施す。すると、ブラシ部13Cの先端部が切断されて、長さが整えられた直毛状のブラシ部13Bが形成される。これにより、図1に示すロール状ブラシ11が完成する。なお、第2のシャーリング加工は省略することも可能であるが、実施することにより、毛羽21の長さを正確に規定することができる。
【0034】
このように製造されたロール状ブラシ11は、例えば図9及び図10に示すような紙幣搬送用のローラーとして好適に用いることができる。すなわち、紙幣を搬送する際には、紙送りに必要なブラシ部13Bのみを露出させるため、開口40aを有するカバーリング部材40でブラシ部13Aを覆うようになっている。こうした用途において、本実施形態の切断位置調整装置25を用いれば、支持部材34の位置を変化させることでブラシ部13A,13Bの毛羽21の長さを容易に調整し、カバー部材35の開口部37の配置や大きさを変化させることで段差の位置を任意に設定することができる。
【0035】
同様に、開口部37の配置や数が異なる複数のカバー部材35を用いて、支持部材34の位置を複数段階に変化させつつシャーリング加工を行えば、図11や図12に示すように、ブラシ部13の段差を任意の位置及びサイズに形成することができる。
【0036】
具体的には、図11に示すロール状ブラシ110は、毛羽21の長さが段階的に異なる直毛状のブラシ部13(13D,13E, 13F, 13G)を有している。そして、ブラシ部13D,13E, 13Fは、それぞれ幅Wdの異なる1つの開口部37を有するカバー部材35を用いて順次第1〜第3のシャーリング加工を施すことで形成することができる。また、ブラシ部13Gはカバー部材35を用いない第4のシャーリング加工で形成することができる。
【0037】
すなわち、ロール状ブラシ110は、開口部37の幅Wdが異なる3つのカバー部材35を用いて、4段階のシャーリング加工を行うことで製造される。なお、ブラシ部13Eはブラシ部13Dと隣接する2つの開口部37を有するカバー部材35を用いた第2のシャーリング加工で形成することもできる。また、ブラシ部13Fはブラシ部13Eと隣接する2つの開口部37を有するカバー部材35を用いた第3のシャーリング加工で形成することもできる。
【0038】
また、図12に示すロール状ブラシ210は、毛羽21の長さが段階的に異なるブラシ部13(13H,13I, 13J)を有している。そして、ブラシ部13Hは4つの開口部37を有するカバー部材35を用いた第1のシャーリング加工で形成することができる。また、ブラシ部13Iは2つの開口部37を有するカバー部材35を用いた第2のシャーリング加工で形成することができる。また、ブラシ部13Jはカバー部材35を用いない第3のシャーリング加工で形成することができる。すなわち、ロール状ブラシ210は、開口部37の位置及び数の異なる2つのカバー部材35を用いて、3段階のシャーリング加工を行うことで製造される。
【0039】
このように、切断位置調整装置25を用いれば、カバー部材35の開口部37の位置や数を変更することでブラシ部13の段差の位置を任意に設定することができる。また、開口部37の幅Wdを変更することで、切断するブラシ部13の幅をミリレベルで任意に設定することができる。更に、支持部材34の位置を変更することで、切断する毛羽21の長さを任意に設定することができる。したがって、ブラシ部13に任意の段差を有するロール状ブラシ11を効率よく製造することができる。
【0040】
上記説明した実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)シャーリング装置24と支軸12との間に配置されたカバー部材35によってブラシ部13を選択的に覆蓋することで、カバー部材35によって覆蓋されていない毛羽21を選択的に切断することができる。したがって、カバー部材35の形状や配置を変化させることで、毛羽21の長さが段階的に異なるブラシ部13を有するロール状ブラシを効率よく製造することができる。
【0041】
(2)カバー部材35は樹脂材料からなるシート状部材であるので、加工が容易でコストパフォーマンスに優れる。そしてその加工性から、ブラシ部13の段差の位置をミリレベルで設定することができる。
【0042】
(3)カバー部材35はブラシ部13の先端を選択的に露出させるための開口部37を有するので、開口部37の位置や大きさを変化させることで、毛羽21の長さを短くする部分を任意に配置することができる。
【0043】
(4)支軸12を支持可能であるとともに、シャーリング装置24に接近又は離間する方向に移動可能に構成された支持部材34を備えるので、支持部材34を移動させることによって支軸12とシャーリング装置24との離間距離を容易に調整し、切断する毛羽21の長さを任意に変化させることができる。
【0044】
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・ロール状ブラシ11Aのブラシ部13Cは、毛羽21の先端側がループ状のループブラシとしてもよい。そして、カバー部材35を用いた第1のシャーリング加工でブラシ部13Aを形成し、第2のシャーリング加工を省略することで、毛羽21の先端がループ状のブラシ部13Cと毛羽21の先端が直毛状のブラシ部13Aとが交互に並んで段差を形成するブラシ部13を効率的に製造することができる。こうした毛羽21の先端側がループ状のブラシ部13Cによれば、毛羽21と接触する被接触体への負荷が低減されるとともに、毛羽21の磨耗を抑制することができる。
【0045】
・カバー部材35は開口部37を備えず、覆蓋部36を備えるカバー部材35を軸線S1方向に所定の間隔で複数配置することで、ブラシ部13の先端側を選択的に露出させるようにしてもよい。この場合には、カバー部材35を軸線S1方向に移動可能に構成することで、カバー部材35を取り替えることなく、切断する毛羽21の位置を容易に変更することができる。
【0046】
例えば、図11に示すロール状ブラシ110は、2つのカバー部材35でブラシ部13の軸線S1方向における両端部分を覆うことで、中央付近に露出する毛羽21を選択的に切断することができる。そして、2つのカバー部材35の離間距離を段階的に変化させることで、ブラシ部13D,13E, 13F, 13Gをそれぞれ形成することができる。
【0047】
・支持部材34を固定し、シャーリング装置24が支持部材34に近接又は離間する方向に移動するようにしてもよい。
・カバー部材35は樹脂材料からなるものに限らない。
【0048】
・カバー部材35は平面的なシート状部材に限らず、例えばカバーリング部材40のような箱形状の部材を採用してもよい。
・カバー部材35を用いないでブラシ部13Cの先端を全体的に切断することでブラシ部13B,13G,13Jを形成した後、カバー部材35を用いて更に毛足の短いブラシ部13A,13D〜13F,13H,13Iを形成するようにしてもよい。
【0049】
・シャーリング装置24と切断位置調整装置25とでロール状ブラシの製造装置を構成するようにしてもよい。
・ロール状ブラシ11の段差は軸線S1方向に沿って非対称となるようにしてもよい。
【0050】
・ロール状ブラシ11は紙幣搬送に用いるものに限らず、電子写真方式のプリンターや複写機などの記録装置に使用される帯電ブラシやクリーニングブラシ、潤滑剤を塗布する塗布ブラシなど、任意の用途に適応することができる。
【符号の説明】
【0051】
S1…軸線、11,110,210…ロール状ブラシ、12…支軸、13,13A〜13J…ブラシ部、21…毛羽、24…切断手段としてのシャーリング装置、25…ロール状ブラシの製造装置としての切断位置調整装置、34…支持部材、35…カバー部材、37…開口部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支軸の軸線方向に沿って毛羽の長さが段階的に異なるブラシ部を有するロール状ブラシの製造装置であって、
前記毛羽を切断する切断手段と前記支軸との間に配置されるとともに、前記ブラシ部の一部を選択的に覆蓋可能なカバー部材を備えることを特徴とするロール状ブラシの製造装置。
【請求項2】
前記カバー部材は、樹脂材料からなるシート状部材であることを特徴とする請求項1に記載のロール状ブラシの製造装置。
【請求項3】
前記カバー部材は、前記ブラシ部の先端側を選択的に露出させるための開口部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のロール状ブラシの製造装置。
【請求項4】
前記支軸を支持可能であるとともに、前記切断手段に接近又は離間する方向に移動可能に構成された支持部材を更に備えることを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載のロール状ブラシの製造装置。
【請求項5】
支軸の軸線方向に沿って毛羽の長さが段階的に異なるブラシ部を有するロール状ブラシの製造方法であって、
前記毛羽を切断する切断手段と前記支軸との間に、前記ブラシ部の一部を選択的に覆蓋可能なカバー部材を配置して、該カバー部材によって覆蓋されていない前記毛羽を前記切断手段で切断することを特徴とするロール状ブラシの製造方法。
【請求項1】
支軸の軸線方向に沿って毛羽の長さが段階的に異なるブラシ部を有するロール状ブラシの製造装置であって、
前記毛羽を切断する切断手段と前記支軸との間に配置されるとともに、前記ブラシ部の一部を選択的に覆蓋可能なカバー部材を備えることを特徴とするロール状ブラシの製造装置。
【請求項2】
前記カバー部材は、樹脂材料からなるシート状部材であることを特徴とする請求項1に記載のロール状ブラシの製造装置。
【請求項3】
前記カバー部材は、前記ブラシ部の先端側を選択的に露出させるための開口部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のロール状ブラシの製造装置。
【請求項4】
前記支軸を支持可能であるとともに、前記切断手段に接近又は離間する方向に移動可能に構成された支持部材を更に備えることを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載のロール状ブラシの製造装置。
【請求項5】
支軸の軸線方向に沿って毛羽の長さが段階的に異なるブラシ部を有するロール状ブラシの製造方法であって、
前記毛羽を切断する切断手段と前記支軸との間に、前記ブラシ部の一部を選択的に覆蓋可能なカバー部材を配置して、該カバー部材によって覆蓋されていない前記毛羽を前記切断手段で切断することを特徴とするロール状ブラシの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−45442(P2011−45442A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−194712(P2009−194712)
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【出願人】(596024426)槌屋ティスコ株式会社 (47)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【出願人】(596024426)槌屋ティスコ株式会社 (47)
【Fターム(参考)】
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