説明

ロール状商品選定支援用展示ラック

【課題】 ロール状に巻かれたカーペット等の商品を展示するにあたり、展示商品の入れ換えや、新しい商品の展示も簡単に行えて、購買者等が商品選定をする際に幅広い範囲で選定できるような展示ラックを提供する。
【解決手段】 バックアップ台2に取り付けられる平板状の支持台3の上下方向に所定間隔置きに複数本の水平スリット溝4を貫通状態で設け、各水平スリット溝4のうち、上段の水平スリット溝4の下端縁部と、その下段の水平スリット溝4の上端縁部との間に、透明樹脂フィルムを半円弧状に湾曲させた円弧状土台5を前面側に突出して形成し、商品のサンプル材Sの端部を水平スリット溝4に差し込み、中間部を円弧状土台5の前面に添わせた状態で展示できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばカーペットや床用クッション材やテーブルクロス等のロール状に巻かれて収納される商品を選定する際の支援用展示ラックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばカーペットや床用クッション材やテーブルクロス等の商品は、ロール状に巻かれて販売店などに納品されるのが通常であり、販売店では、ロール状商品Rを図5に示すような陳列ラック51の挿通棒52に挿通させて陳列しておくことにより、購買者の商品選定の手助けとなるようにしている。
【0003】
一方、上記のような陳列ラック51の場合、前後2列にしか挿通棒52を取付けることができず、ロール状商品Rの種類が多い場合などにはラック51自体の数を増やす必要が生じ、また、後側の商品を確認するにはラック51の裏側に回り込む必要が生じるため、ラック本体に対して傾斜棚受けを前後方向に斜めに取付けるような技術(例えば、特許文献1参照。)も提案されている。そしてこの技術では、手前側を低く、奥行側を高くしておくことにより奥の商品も一目で見渡せるようにしている。
【特許文献1】登録実用新案第3061162号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来の技術では、いずれもロール状商品そのものを陳列しているため、多数の商品を展示しようとするとスペースを必要とし、しかも、展示商品の種類を入れ換える際など、重いロール状商品を取り扱うため手間と労力がかかり、購買者等の商品選定の幅が制約されがちであった。
一方、カーペット等は施された模様や柄などを判断するにはある程度のサイズが必要であり、また、手触り性や肌触り性なども購買者等の商品選定の重要な要素であるため、例えば30cm角程度の小さなサンプルや、写真等だけではイメージが掴みにくく、できれば、従来のようなロール状の形態に近い状態で陳列できれば好ましかった。
【0005】
そこで本発明は、ロール状商品を展示するにあたり、従来のロール状に近い形態で展示できるようにし、また、展示商品の入れ換えや、新しい商品の展示も簡単に行えて、購買者等が商品選定をする際に幅広い範囲で選定できるような展示ラックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため本発明は、縦向き姿勢の平板状の支持台に対し、上下方向に所定間隔置きに複数本の水平スリット溝を貫通状態で設け、上下に隣接する水平スリット溝のうち、上段の水平スリット溝の下端縁部とその下方の水平スリット溝の上端縁部との間に、前面が略半円形状に湾曲する円弧状土台を前面側に突出する形態で設け、また、前記水平スリット溝には、商品のサンプル材の端部を差込み可能にした。
【0007】
そして、商品から所定サイズのサンプル材を切りだし、上端側の一部を上段の水平スリット溝に差し込み、下端側の一部を下段の水平スリット溝に差し込むと同時に、中間部を円弧状土台の前面に添わせることにより、ロール状商品が陳列されているような感じを模擬して商品選定の手助けをする。
この際、展示商品を入れ換えるときは、サンプル材を取り換えるだけの作業であるため簡単で時間がかからず、数多くの商品サンプルを手軽に展示することができる。
このため、多数のラックを準備する必要がなくなり、省スペース化が可能であるが、この際、縦向き姿勢の平板状の支持台は、床に載置できるようにしても良く、または上から吊下げるようにしても良い。
なお、円弧状土台としては、可撓性シート等を湾曲させて形成するようにすれば、軽量化が図られて好適である。
【発明の効果】
【0008】
縦向き姿勢の平板状の支持台に対し、上下方向に所定間隔置きに複数本の水平スリット溝を貫通状態で設け、上段の水平スリット溝の下端縁部と下段の水平スリット溝の上端縁部の間に、前面が略半円形状に湾曲する円弧状土台を前面側に突出して設け、各水平スリット溝に、商品のサンプル材の端部を差込み可能にすることで、ロール状商品が陳列されているような印象を与えることができ、しかも、新しい商品の展示や、サンプル材の取り換えなども極めて簡単で容易であるため、購買者等の商品選択の幅を広げるよう手助けすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の実施の形態について添付した図面に基づき説明する。
ここで、図1は本発明に係る展示ラックの一例を示す斜視図、図2は同側面図、図3は同正面図、図4は展示状態の説明図である。
【0010】
本発明に係る展示ラック1は、例えばカーペットや床用クッション材やテーブルクロス等の平素はロール状に巻かれて取り扱われる商品を展示するものとして構成され、ロール状を模擬した立体的形態で展示できるようにされると同時に、展示商品の入れ換えや、新しい商品の展示も簡単に行えて、購買者等が商品選定をする際に幅広い範囲から選定するのを手助けできるようにされている。
【0011】
すなわち、図1乃至図3に示すように、本展示ラック1は、バックアップ台2に対して斜め姿勢で取付けられる平板状の支持台3を備えており、この支持台3には、上下方向に複数本(本実施例では四本)の水平スリット溝4が貫通状態で設けられている。
【0012】
そして、各水平スリット溝4の間には、上段の水平スリット溝4の下端縁部から下段の水平スリット溝4の上端縁部にかけて、例えば厚み125μm程度の透明の樹脂フィルムを半円形状に湾曲させた円弧状土台5が前面側に突出して設けられており、この円弧状土台5の湾曲率は、概ねロール状に巻かれる商品のロール径程度に合わせるとともに、横幅は、概ね水平スリット溝4の横幅に合わせている。
【0013】
また、前記水平スリット溝4は、商品のサンプル材Sを差込むことができるようにされており、特に水平スリット溝4の溝幅は、少なくとも2枚のサンプル材Sを重ねた厚みより大きめにしている。
【0014】
以上のような展示ラック1において、まず、各種商品のサンプル材Sを用意する。このサンプル材Sは、円弧状土台5の前面の円弧状長さより長めとし、幅は水平スリット溝4の幅以内とし、図4に示すように、サンプル材Sの上端部を上段の水平スリット溝4に差込み、下端部を下段の水平スリット溝4に差込み、中間部を円弧状土台5の前面に添わせる。
【0015】
そして、実施例の場合は上下三段に種類の異なる商品のサンプル材Sをセットすることにより、三種類のロール状を模擬した商品が展示されるようにしている。
そしてロール状を模擬したサンプル材Sは、一般的にその柄や模様等を判断するに十分なサイズであり、また、手触り等の感触も確認できるため、商品選定の手助けを行うのに十分である。
【0016】
また、以上のような展示ラック1において、展示されている商品以外の商品を展示したい場合は、サンプル材Sを取り換えるだけで良いため、手間や時間をかけないで簡単に行うことができ、購買者等の商品選定の幅を広げることができる。
また、展示スペースの大型化を招かない。
【0017】
なお、以上のような展示ラック1による商品展示は、最終購買者に対する展示だけのみならず、例えば製造元から中間業者等に卸すときのバイヤー等に展示する場合にも適用することができ、このようなバイヤーに卸す際の商品展示はロール状商品を直接陳列するのが従来一般の慣行であるため、本展示ラック1は非常に便利である。
【0018】
また、上記の実施例では、支持台3をバックアップ台2に取付けて床上に載置するようにしているが、支持台3の上部等を天井等から吊下げるようにすることも可能であり、一層省スペース化を図ることができる。
【0019】
なお、本発明は以上のような実施形態に限定されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載した事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を奏するものは本発明の技術的範囲に属する。
例えば、水平スリット溝4の数は任意であり、また、円弧状土台5はフィルム材料に限られず、例えば、発泡材料等を半円筒形等にしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0020】
サンプル材を使用してロール状を模擬した形態で展示することにより、各種商品の展示が簡単になり、購買者等の商品選定の幅を広げるよう手助けすることができる。この際、展示スペースの大型化が避けられる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る展示ラックの一例を示す斜視図
【図2】同側面図
【図3】同正面図
【図4】展示状態の説明図
【図5】従来の陳列ラックの説明図
【符号の説明】
【0022】
1…展示ラック、3…支持台、4…水平スリット溝、5…円弧状土台。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦向き姿勢の平板状の支持台に対し、上下方向に所定間隔置きに複数本の水平スリット溝が貫通状態で設けられ、上下に隣接する水平スリット溝のうち、上段の水平スリット溝の下端縁部とその下方の水平スリット溝の上端縁部との間には、前面が略半円形状に湾曲する円弧状土台が前面側に突出する形態で設けられ、また、前記水平スリット溝には、商品のサンプル材の端部が差込み可能にされることを特徴とするロール状商品選定支援用展示ラック。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−20744(P2006−20744A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−200112(P2004−200112)
【出願日】平成16年7月7日(2004.7.7)
【出願人】(000000077)アキレス株式会社 (402)