ロール紙の胴巻き包装方法
【課題】ロール紙の胴部を長尺状の包装材で簡易に覆うことができる胴巻き包装方法の提供。
【解決手段】回転ローラ２に支持された包装されるロール紙３に、包装材４を供給して胴巻きするもので、包装材４の巻き始め始端側の両端部をグリッパＧで挟持して回転するロール紙３の胴部に供給して、包装材４がロール紙３を少なくとも一周した後、グリッパＧで挟持した状態を解除し、その後切断された包装材４の巻き終りの終端側に相当する部分の幅方向に接着剤を塗布し、ロ−ル紙３を覆った包装材４に接着する。
【解決手段】回転ローラ２に支持された包装されるロール紙３に、包装材４を供給して胴巻きするもので、包装材４の巻き始め始端側の両端部をグリッパＧで挟持して回転するロール紙３の胴部に供給して、包装材４がロール紙３を少なくとも一周した後、グリッパＧで挟持した状態を解除し、その後切断された包装材４の巻き終りの終端側に相当する部分の幅方向に接着剤を塗布し、ロ−ル紙３を覆った包装材４に接着する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ロール紙の胴巻き包装方法に係り、特に、包装材の巻き始め始端側に接着剤を使用しないで、ロール紙の胴部を長尺状の包装材で簡易に覆うことができるロール紙の胴巻き包装方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、包装材をロール紙の胴部に巻き付けるロール紙の胴巻き包装方法にあっては、包装材の巻き始め始端側に接着剤を使用して、ロール紙の胴部を長尺状の包装材で覆うようにしている（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
しかしながら、包装材の巻き始め始端部に接着剤を使用すると、製品であるロール紙にも接着剤が付着するため、供給先で該部分を切断しなければならないばかりか、該部分のロール紙の利用をも図ることができないという問題点があった。
また、ロール紙を支持する回転ローラに包装材を供給する場合、回転ローラと回転ローラとの間には包装材を支持する部材がないため、これが要因となってロール紙の胴部を覆う包装材に「しわ」が生じるという問題点もあった。
【特許文献１】特許第３０９１１７０号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
本発明は、前記した従来の問題点を除去するようにしたロール紙の胴巻き包装方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
上記目的を達成するために、本発明のロール紙の胴巻き包装方法は、被包装のロール紙の胴部を長尺状の包装材で覆うロール紙の胴巻き包装方法において、回転ローラに支持された前記ロール紙に前記包装材を供給して前記ロール紙を包装するもので、前記ロール紙の胴部は前記回転ローラに支持され、前記包装材の巻き始め始端側の前記包装材の長手方向の両端部をグリッパで挟持した状態で前記包装材を回転する前記ロール紙の胴部に供給して、前記包装材がロール紙を少なくとも一周した後、前記包装材の長手方向の両端部をグリッパで挟持した状態を解除し、その後、前記ロール紙の胴部は、前記包装材で覆われ、切断された前記包装材の巻き終りの終端側に相当する部分の幅方向に、接着剤を塗布し、該接着剤を塗布した前記包装材を回転する前記ロ−ル紙に供給して、前記接着剤を介して前記終端側に相当する部分の前記包装材と前記ロ−ル紙に覆われた前記包装材が接着して、前記ロール紙の胴部を前記包装材で覆うものである。
【０００６】
また、請求項２記載のロール紙の胴巻き包装方法は、請求項１記載のロール紙の胴巻き包装方法において、包装材の長手方向の両端部を挟持するグリッパの速度と回転ローラの回転速度を同じにするものである。
【０００７】
また、請求項３記載のロール紙の胴巻き包装方法は、請求項１記載のロール紙の胴巻き包装方法において、包装材の長手方向の両端部をグリッパで挟持した状態を解除した後、回転ローラの回転速度を前記解除する前の回転ローラの回転速度より早くするものである。
【０００８】
また、請求項４記載のロール紙の胴巻き包装方法は、請求項１記載のロール紙の胴巻き包装方法において、回転ローラに支持されたロール紙に供給される長尺状の包装材は、材質の異なる包装材を２枚以上重ねて供給されるものである。
【発明の効果】
【０００９】
請求項１記載のロール紙の胴巻き包装方法によれば、ロール紙の胴部は回転ローラに支持され、包装材の巻き始め始端側の前記包装材の長手方向の両端部をグリッパで挟持した状態で前記包装材を回転する前記ロール紙の胴部に供給して、前記包装材がロール紙を少なくとも一周した後、前記包装材の長手方向の両端部をグリッパで挟持した状態を解除し、その後、前記ロール紙の胴部は、前記包装材で覆われるため、従来のように、包装材の巻き始め始端部を接着剤によらないため、該部分のロール紙を従来のように切断しないばかりか、該部分のロール紙をも利用することができ、また、包装材の長手方向の両端部をグリッパで挟持し、包装材を緊張した状態でロール紙に供給するため、包装材のしわの発生をも防止する等の効果を奏する。
【００１０】
また、請求項２記載のロール紙の胴巻き包装方法によれば、前述した請求項１記載の発明の効果に加え、包装材の長手方向の両端部を挟持するグリッパの速度と回転ローラの回転速度を同じにするため、グリッパの速度制御が容易となる。
【００１１】
また、請求項３記載のロール紙の胴巻き包装方法によれば、前述した請求項１記載の発明の効果に加え、包装材の長手方向の両端部を挟持するグリッパの速度を回転ローラの回転速度より早くできない場合、包装材の長手方向の両端部をグリッパで挟持した状態を解除した後、回転ローラの回転速度を前記解除する前の回転ローラの回転速度より早くすることにより、ロール紙の胴巻き包装を早くすることができる。
【００１２】
また、ロール紙の胴部に材質の異なる包装材を２種類以上、包装する場合、従来、先に一の包装材をロール紙の胴部に包装した後、次に一の包装材と異なる他の種類の包装材を別途包装していたが、請求項４記載のロール紙の胴巻き包装方法によれば、回転ローラに支持されたロール紙に供給される長尺状の包装材は、材質の異なる包装材を２枚以上重ね、該２枚以上重なった包装材をグリッパで挟持し、同時に包装するため、ロール紙を短時間に包装することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
本発明の一実施例であるロール紙の胴巻き包装方法を、図面を参照して説明する。
図１及び図２において、１はロール紙の包装装置で、ロール紙の包装装置１は、概略的に、回転ローラ２、２に支持された被包装のロール紙３の胴部を長尺状の包装材４（例えば、クラフト紙、ポリエチレンラミネート紙等）で覆ってロール紙３を包装するものである。
【００１４】
回転ローラ２、２に支持されるロール紙３は、ロール紙の包装装置１の側方に設けられたコンベヤー（図示せず）等の適宜手段により回転ローラ２、２に支持される包装位置に供給される。
【００１５】
包装材４がロール紙３に供給する途中には、順次、案内ローラ５、包装材４を所定長さに切断するカッター６、傾斜型コンベヤー７、包装材４を吸引して包装材４のしわを伸ばすサクションボックス８が設けられている。
【００１６】
傾斜型コンベヤー７の上方には、塗布装置１０（例えば、ホットメルト塗布装置）が設けられ、この塗布装置10には接着剤１１（例えば、溶融状態の一般的な紙系のホットメルト接着剤）が逐次供給され、包装材４の前端側ではなく、包装材４の後端側を塗布するようになっている。
【００１７】
次に、ロール紙の胴巻き包装方法について説明する。
コンベヤー（図示せず）等の適宜手段によりロール紙３が包装位置に供給されると、図示しない駆動手段により回転ローラ２、２が回転し、回転ローラ２、２の回転に伴いロール紙３も回転し、ロール紙３の両端部に、図３に示すように、ロボットグリッパ１００が位置している。
このロボットグリッパ１００は、支持部材１０１、１０１のアーム１０２、１０２に設けられたグリッパＧ、Ｇ、吸着部Ｂ、Ｂとを備えている。
グリッパＧ、Ｇは、包装材４の巻き始め始端側の包装材４の長手方向の両端部を挟持すると共に、グリッパＧ、Ｇを包装材４の長手方向を横断する方向、つまり、包装材４が緊張するように、引っ張るように作用させるもので（図６及び図７参照）、また、吸着部Ｂ、Ｂは、ロール紙の側面を覆う円形部材３０を、例えば、真空によって吸着するものである（図４及び図５参照）。
なお、円形部材３０は、ロール紙３の端部形状に合致した円形の段ボール製である。
【００１８】
包装材４は図示しない駆動手段により、案内ローラ５、傾斜型コンベヤー７、サクションボックス８を介して供給され、ロール紙３の手前で停止し、待機する。すると、包装材４の巻き始め始端側の包装材４の長手方向の両端部をロボットグリッパ１００のグリッパＧで挟持し［図６及び図８（ｂ）]、該挟持した状態で包装材４を回転するロール紙３の胴部に供給して、包装材４がロール紙３を一周した後、包装材４の長手方向の両端部をグリッパＧで挟持した状態を解除する［図７及び図８（ｃ）]。
つまり、包装材４がロール紙３を一周すると、従来のように接着剤によらないでも、ロール紙３の自重により包装材４の巻き始めの起点が形成されるため、包装材４がロール紙３を一周した後、包装材４の長手方向の両端部をグリッパＧで挟持した状態を解除しても、回転するロール紙３の胴部に包装材４を継続して供給しても、ロール紙３の胴部は、包装材４で覆われる。
なお、グリッパＧで包装材４を挟持し、該挟持した状態で包装材４を回転するロール紙３の胴部に供給する際、包装材４の長手方向の両端部を挟持するグリッパＧの速度と回転ローラ３の回転速度を同じにしているため、グリッパＧの速度の制御が容易となる。
また、包装材４がロール紙３を一周した後、包装材４の長手方向の両端部をグリッパＧで挟持した状態を解除するようにしたが、本願発明にあっては、これに限らず、包装材４がロール紙３を二周、三周等の適宜の位置で解除するようにしても良い。本願発明にあっては、包装材４がロール紙３を少なくとも一周した後、包装材４の長手方向の両端部をグリッパＧで挟持した状態を解除するようにすれば良い。
【００１９】
そして、長尺状の包装材４が、所定長さに達すると、カッター６により切断され、また、包装材４の巻き終りの終端側に相当する部分の幅方向に、塗布装置１０により接着剤１１が塗布されるから、接着剤を介して前記終端側に相当する部分の包装材４とロ−ル紙３に覆われた包装材４が接着して、ロール紙３の胴部を包装材４で覆うこととなる。
また、ロール紙３の胴部を長尺状の包装材４で覆う際、図９及び図１０に示すように、耳折部材３１により包装材４の両側を折り込んで内側当板３０を固定している。折り込みは、例えば、包装材４の長手方向の両端部をグリッパＧで挟持した状態を解除した後である。
【００２０】
なお、上述した実施例においては、包装材４の長手方向の両端部を挟持するグリッパＧの速度と回転ローラ２の回転速度を同期させるようにしたが、回転ローラ２の回転速度が遅い場合は問題はないが、回転ローラ２の回転速度が早くなると、包装材４の長手方向の両端部を挟持するグリッパＧの速度を早くすることができない場合がある。
かかる場合、包装材４の長手方向の両端部をグリッパＧで挟持した状態を解除した後、回転ローラ２の回転速度を前記解除する前の回転ローラ２の回転速度より早くすることにより、ロール紙３の胴巻き包装を早くすることができる。
例えば、グリッパＧで包装材４を引っ張る時のテンションをセンサ（図示せず）で検出し、このテンションの値が一定（又は指定された値）になるように、回転ローラ２の回転速度又はロボットグリッパ１００のグリッパＧの動作速度をコントロールしながら、包装材４を巻き付け始めるようにする。
そして、包装材４がロール紙３を、少なくとも一周した後は、包装材４の長手方向の両端部をグリッパＧで挟持した状態を解除した後は、回転ローラ２の回転速度を前記解除する前の回転ローラ２の回転速度より早くして、ロール紙３の胴巻き包装を早くするようにすることができる。
【００２１】
また、上述した実施例においては、回転ローラ２に支持されたロール紙３に供給される長尺状の包装材４は、単一であったが、本願発明にあってはこれに限らず、図示しないが、材質の異なる包装材を２枚以上重ね、該２枚以上重なった包装材をグリッパＧで挟持すると共に、前記２枚以上重なった包装材を緊張させて、ロール紙３に供給するようにしても良い。材質の異なる包装材は、例えば、上巻き紙は、剛性が高い包装紙（例えば、クラフト紙）、下巻き紙は、防水性に富む包装紙（例えば、ポリラミ紙）である。
【図面の簡単な説明】
【００２２】
【図１】図１は、本発明の一実施例を示すロール紙の胴巻き包装方法を実施するためのロール紙の包装装置を概略的に示す側面図である。
【図２】図２は、図１のロール紙の包装装置の概略的斜視図である。
【図３】図３は、図２のロボットグリッパの概略的斜視図である。
【図４】図４は、図２の吸着部で円形部材を吸着して、ロール紙の側面を円形部材で覆う過程を示す概略的斜視図である。
【図５】図５は、図２の吸着部でロール紙の側面を円形部材で覆い、包装材の長手方向の両端部を図２のロボットグリッパのグリッパで挟持する前を示す概略的斜視図である。
【図６】図６は、図２のグリッパでロール紙を挟持した状態を示す概略的斜視図である。
【図７】図７は、ロール紙の回転速度と同じ速度で図２のグリッパが回転している状態を示す概略的断面図である。
【図８】図８（ａ）は、図２のグリッパでロール紙を挟持する前の状態を示す概略的平面図であり、図８（ｂ）は、図２のグリッパでロール紙を挟持した状態を示す概略的平面図であり、図８（ｃ）は、図２のグリッパで挟持したロール紙を解除した状態を示す概略的平面図である。
【図９】図９は、耳折部材により包装材の両側を折り込む前の状態を示す概略的斜視図である。
【図１０】図１０は、耳折部材により包装材の両側を折り込む過程を示す概略的斜視図である。
【図１１】図１１は、図１のロール紙の包装装置によって、包装されたロール紙の概略的斜視図である。
【符号の説明】
【００２３】
２ 回転ローラ
３ ロール紙
４ 包装材
Ｇ グリッパ
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ロール紙の胴巻き包装方法に係り、特に、包装材の巻き始め始端側に接着剤を使用しないで、ロール紙の胴部を長尺状の包装材で簡易に覆うことができるロール紙の胴巻き包装方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、包装材をロール紙の胴部に巻き付けるロール紙の胴巻き包装方法にあっては、包装材の巻き始め始端側に接着剤を使用して、ロール紙の胴部を長尺状の包装材で覆うようにしている（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
しかしながら、包装材の巻き始め始端部に接着剤を使用すると、製品であるロール紙にも接着剤が付着するため、供給先で該部分を切断しなければならないばかりか、該部分のロール紙の利用をも図ることができないという問題点があった。
また、ロール紙を支持する回転ローラに包装材を供給する場合、回転ローラと回転ローラとの間には包装材を支持する部材がないため、これが要因となってロール紙の胴部を覆う包装材に「しわ」が生じるという問題点もあった。
【特許文献１】特許第３０９１１７０号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
本発明は、前記した従来の問題点を除去するようにしたロール紙の胴巻き包装方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
上記目的を達成するために、本発明のロール紙の胴巻き包装方法は、被包装のロール紙の胴部を長尺状の包装材で覆うロール紙の胴巻き包装方法において、回転ローラに支持された前記ロール紙に前記包装材を供給して前記ロール紙を包装するもので、前記ロール紙の胴部は前記回転ローラに支持され、前記包装材の巻き始め始端側の前記包装材の長手方向の両端部をグリッパで挟持した状態で前記包装材を回転する前記ロール紙の胴部に供給して、前記包装材がロール紙を少なくとも一周した後、前記包装材の長手方向の両端部をグリッパで挟持した状態を解除し、その後、前記ロール紙の胴部は、前記包装材で覆われ、切断された前記包装材の巻き終りの終端側に相当する部分の幅方向に、接着剤を塗布し、該接着剤を塗布した前記包装材を回転する前記ロ−ル紙に供給して、前記接着剤を介して前記終端側に相当する部分の前記包装材と前記ロ−ル紙に覆われた前記包装材が接着して、前記ロール紙の胴部を前記包装材で覆うものである。
【０００６】
また、請求項２記載のロール紙の胴巻き包装方法は、請求項１記載のロール紙の胴巻き包装方法において、包装材の長手方向の両端部を挟持するグリッパの速度と回転ローラの回転速度を同じにするものである。
【０００７】
また、請求項３記載のロール紙の胴巻き包装方法は、請求項１記載のロール紙の胴巻き包装方法において、包装材の長手方向の両端部をグリッパで挟持した状態を解除した後、回転ローラの回転速度を前記解除する前の回転ローラの回転速度より早くするものである。
【０００８】
また、請求項４記載のロール紙の胴巻き包装方法は、請求項１記載のロール紙の胴巻き包装方法において、回転ローラに支持されたロール紙に供給される長尺状の包装材は、材質の異なる包装材を２枚以上重ねて供給されるものである。
【発明の効果】
【０００９】
請求項１記載のロール紙の胴巻き包装方法によれば、ロール紙の胴部は回転ローラに支持され、包装材の巻き始め始端側の前記包装材の長手方向の両端部をグリッパで挟持した状態で前記包装材を回転する前記ロール紙の胴部に供給して、前記包装材がロール紙を少なくとも一周した後、前記包装材の長手方向の両端部をグリッパで挟持した状態を解除し、その後、前記ロール紙の胴部は、前記包装材で覆われるため、従来のように、包装材の巻き始め始端部を接着剤によらないため、該部分のロール紙を従来のように切断しないばかりか、該部分のロール紙をも利用することができ、また、包装材の長手方向の両端部をグリッパで挟持し、包装材を緊張した状態でロール紙に供給するため、包装材のしわの発生をも防止する等の効果を奏する。
【００１０】
また、請求項２記載のロール紙の胴巻き包装方法によれば、前述した請求項１記載の発明の効果に加え、包装材の長手方向の両端部を挟持するグリッパの速度と回転ローラの回転速度を同じにするため、グリッパの速度制御が容易となる。
【００１１】
また、請求項３記載のロール紙の胴巻き包装方法によれば、前述した請求項１記載の発明の効果に加え、包装材の長手方向の両端部を挟持するグリッパの速度を回転ローラの回転速度より早くできない場合、包装材の長手方向の両端部をグリッパで挟持した状態を解除した後、回転ローラの回転速度を前記解除する前の回転ローラの回転速度より早くすることにより、ロール紙の胴巻き包装を早くすることができる。
【００１２】
また、ロール紙の胴部に材質の異なる包装材を２種類以上、包装する場合、従来、先に一の包装材をロール紙の胴部に包装した後、次に一の包装材と異なる他の種類の包装材を別途包装していたが、請求項４記載のロール紙の胴巻き包装方法によれば、回転ローラに支持されたロール紙に供給される長尺状の包装材は、材質の異なる包装材を２枚以上重ね、該２枚以上重なった包装材をグリッパで挟持し、同時に包装するため、ロール紙を短時間に包装することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
本発明の一実施例であるロール紙の胴巻き包装方法を、図面を参照して説明する。
図１及び図２において、１はロール紙の包装装置で、ロール紙の包装装置１は、概略的に、回転ローラ２、２に支持された被包装のロール紙３の胴部を長尺状の包装材４（例えば、クラフト紙、ポリエチレンラミネート紙等）で覆ってロール紙３を包装するものである。
【００１４】
回転ローラ２、２に支持されるロール紙３は、ロール紙の包装装置１の側方に設けられたコンベヤー（図示せず）等の適宜手段により回転ローラ２、２に支持される包装位置に供給される。
【００１５】
包装材４がロール紙３に供給する途中には、順次、案内ローラ５、包装材４を所定長さに切断するカッター６、傾斜型コンベヤー７、包装材４を吸引して包装材４のしわを伸ばすサクションボックス８が設けられている。
【００１６】
傾斜型コンベヤー７の上方には、塗布装置１０（例えば、ホットメルト塗布装置）が設けられ、この塗布装置10には接着剤１１（例えば、溶融状態の一般的な紙系のホットメルト接着剤）が逐次供給され、包装材４の前端側ではなく、包装材４の後端側を塗布するようになっている。
【００１７】
次に、ロール紙の胴巻き包装方法について説明する。
コンベヤー（図示せず）等の適宜手段によりロール紙３が包装位置に供給されると、図示しない駆動手段により回転ローラ２、２が回転し、回転ローラ２、２の回転に伴いロール紙３も回転し、ロール紙３の両端部に、図３に示すように、ロボットグリッパ１００が位置している。
このロボットグリッパ１００は、支持部材１０１、１０１のアーム１０２、１０２に設けられたグリッパＧ、Ｇ、吸着部Ｂ、Ｂとを備えている。
グリッパＧ、Ｇは、包装材４の巻き始め始端側の包装材４の長手方向の両端部を挟持すると共に、グリッパＧ、Ｇを包装材４の長手方向を横断する方向、つまり、包装材４が緊張するように、引っ張るように作用させるもので（図６及び図７参照）、また、吸着部Ｂ、Ｂは、ロール紙の側面を覆う円形部材３０を、例えば、真空によって吸着するものである（図４及び図５参照）。
なお、円形部材３０は、ロール紙３の端部形状に合致した円形の段ボール製である。
【００１８】
包装材４は図示しない駆動手段により、案内ローラ５、傾斜型コンベヤー７、サクションボックス８を介して供給され、ロール紙３の手前で停止し、待機する。すると、包装材４の巻き始め始端側の包装材４の長手方向の両端部をロボットグリッパ１００のグリッパＧで挟持し［図６及び図８（ｂ）]、該挟持した状態で包装材４を回転するロール紙３の胴部に供給して、包装材４がロール紙３を一周した後、包装材４の長手方向の両端部をグリッパＧで挟持した状態を解除する［図７及び図８（ｃ）]。
つまり、包装材４がロール紙３を一周すると、従来のように接着剤によらないでも、ロール紙３の自重により包装材４の巻き始めの起点が形成されるため、包装材４がロール紙３を一周した後、包装材４の長手方向の両端部をグリッパＧで挟持した状態を解除しても、回転するロール紙３の胴部に包装材４を継続して供給しても、ロール紙３の胴部は、包装材４で覆われる。
なお、グリッパＧで包装材４を挟持し、該挟持した状態で包装材４を回転するロール紙３の胴部に供給する際、包装材４の長手方向の両端部を挟持するグリッパＧの速度と回転ローラ３の回転速度を同じにしているため、グリッパＧの速度の制御が容易となる。
また、包装材４がロール紙３を一周した後、包装材４の長手方向の両端部をグリッパＧで挟持した状態を解除するようにしたが、本願発明にあっては、これに限らず、包装材４がロール紙３を二周、三周等の適宜の位置で解除するようにしても良い。本願発明にあっては、包装材４がロール紙３を少なくとも一周した後、包装材４の長手方向の両端部をグリッパＧで挟持した状態を解除するようにすれば良い。
【００１９】
そして、長尺状の包装材４が、所定長さに達すると、カッター６により切断され、また、包装材４の巻き終りの終端側に相当する部分の幅方向に、塗布装置１０により接着剤１１が塗布されるから、接着剤を介して前記終端側に相当する部分の包装材４とロ−ル紙３に覆われた包装材４が接着して、ロール紙３の胴部を包装材４で覆うこととなる。
また、ロール紙３の胴部を長尺状の包装材４で覆う際、図９及び図１０に示すように、耳折部材３１により包装材４の両側を折り込んで内側当板３０を固定している。折り込みは、例えば、包装材４の長手方向の両端部をグリッパＧで挟持した状態を解除した後である。
【００２０】
なお、上述した実施例においては、包装材４の長手方向の両端部を挟持するグリッパＧの速度と回転ローラ２の回転速度を同期させるようにしたが、回転ローラ２の回転速度が遅い場合は問題はないが、回転ローラ２の回転速度が早くなると、包装材４の長手方向の両端部を挟持するグリッパＧの速度を早くすることができない場合がある。
かかる場合、包装材４の長手方向の両端部をグリッパＧで挟持した状態を解除した後、回転ローラ２の回転速度を前記解除する前の回転ローラ２の回転速度より早くすることにより、ロール紙３の胴巻き包装を早くすることができる。
例えば、グリッパＧで包装材４を引っ張る時のテンションをセンサ（図示せず）で検出し、このテンションの値が一定（又は指定された値）になるように、回転ローラ２の回転速度又はロボットグリッパ１００のグリッパＧの動作速度をコントロールしながら、包装材４を巻き付け始めるようにする。
そして、包装材４がロール紙３を、少なくとも一周した後は、包装材４の長手方向の両端部をグリッパＧで挟持した状態を解除した後は、回転ローラ２の回転速度を前記解除する前の回転ローラ２の回転速度より早くして、ロール紙３の胴巻き包装を早くするようにすることができる。
【００２１】
また、上述した実施例においては、回転ローラ２に支持されたロール紙３に供給される長尺状の包装材４は、単一であったが、本願発明にあってはこれに限らず、図示しないが、材質の異なる包装材を２枚以上重ね、該２枚以上重なった包装材をグリッパＧで挟持すると共に、前記２枚以上重なった包装材を緊張させて、ロール紙３に供給するようにしても良い。材質の異なる包装材は、例えば、上巻き紙は、剛性が高い包装紙（例えば、クラフト紙）、下巻き紙は、防水性に富む包装紙（例えば、ポリラミ紙）である。
【図面の簡単な説明】
【００２２】
【図１】図１は、本発明の一実施例を示すロール紙の胴巻き包装方法を実施するためのロール紙の包装装置を概略的に示す側面図である。
【図２】図２は、図１のロール紙の包装装置の概略的斜視図である。
【図３】図３は、図２のロボットグリッパの概略的斜視図である。
【図４】図４は、図２の吸着部で円形部材を吸着して、ロール紙の側面を円形部材で覆う過程を示す概略的斜視図である。
【図５】図５は、図２の吸着部でロール紙の側面を円形部材で覆い、包装材の長手方向の両端部を図２のロボットグリッパのグリッパで挟持する前を示す概略的斜視図である。
【図６】図６は、図２のグリッパでロール紙を挟持した状態を示す概略的斜視図である。
【図７】図７は、ロール紙の回転速度と同じ速度で図２のグリッパが回転している状態を示す概略的断面図である。
【図８】図８（ａ）は、図２のグリッパでロール紙を挟持する前の状態を示す概略的平面図であり、図８（ｂ）は、図２のグリッパでロール紙を挟持した状態を示す概略的平面図であり、図８（ｃ）は、図２のグリッパで挟持したロール紙を解除した状態を示す概略的平面図である。
【図９】図９は、耳折部材により包装材の両側を折り込む前の状態を示す概略的斜視図である。
【図１０】図１０は、耳折部材により包装材の両側を折り込む過程を示す概略的斜視図である。
【図１１】図１１は、図１のロール紙の包装装置によって、包装されたロール紙の概略的斜視図である。
【符号の説明】
【００２３】
２ 回転ローラ
３ ロール紙
４ 包装材
Ｇ グリッパ
【特許請求の範囲】
【請求項１】
被包装のロール紙の胴部を長尺状の包装材で覆うロール紙の胴巻き包装方法において、
回転ローラに支持された前記ロール紙に前記包装材を供給して前記ロール紙を包装するもので、
前記ロール紙の胴部は前記回転ローラに支持され、前記包装材の巻き始め始端側の前記包装材の長手方向の両端部をグリッパで挟持した状態で前記包装材を回転する前記ロール紙の胴部に供給して、前記包装材がロール紙を少なくとも一周した後、前記包装材の長手方向の両端部をグリッパで挟持した状態を解除し、その後、前記ロール紙の胴部は、前記包装材で覆われ、切断された前記包装材の巻き終りの終端側に相当する部分の幅方向に、接着剤を塗布し、該接着剤を塗布した前記包装材を回転する前記ロ−ル紙に供給して、前記接着剤を介して前記終端側に相当する部分の前記包装材と前記ロ−ル紙に覆われた前記包装材が接着して、前記ロール紙の胴部を前記包装材で覆うことを特徴とするロール紙の胴巻き包装方法。
【請求項２】
包装材の長手方向の両端部を挟持するグリッパの速度と回転ローラの回転速度を同じにすることを特徴とする請求項１記載のロール紙の胴巻き包装方法。
【請求項３】
包装材の長手方向の両端部をグリッパで挟持した状態を解除した後、回転ローラの回転速度を前記解除する前の回転ローラの回転速度より早くすることを特徴とする請求項１記載のロール紙の胴巻き包装方法。
【請求項４】
回転ローラに支持されたロール紙に供給される長尺状の包装材は、材質の異なる包装材を２枚以上重ねて供給されるものであることを特徴とする請求項１記載のロール紙の胴巻き包装方法。
【請求項１】
被包装のロール紙の胴部を長尺状の包装材で覆うロール紙の胴巻き包装方法において、
回転ローラに支持された前記ロール紙に前記包装材を供給して前記ロール紙を包装するもので、
前記ロール紙の胴部は前記回転ローラに支持され、前記包装材の巻き始め始端側の前記包装材の長手方向の両端部をグリッパで挟持した状態で前記包装材を回転する前記ロール紙の胴部に供給して、前記包装材がロール紙を少なくとも一周した後、前記包装材の長手方向の両端部をグリッパで挟持した状態を解除し、その後、前記ロール紙の胴部は、前記包装材で覆われ、切断された前記包装材の巻き終りの終端側に相当する部分の幅方向に、接着剤を塗布し、該接着剤を塗布した前記包装材を回転する前記ロ−ル紙に供給して、前記接着剤を介して前記終端側に相当する部分の前記包装材と前記ロ−ル紙に覆われた前記包装材が接着して、前記ロール紙の胴部を前記包装材で覆うことを特徴とするロール紙の胴巻き包装方法。
【請求項２】
包装材の長手方向の両端部を挟持するグリッパの速度と回転ローラの回転速度を同じにすることを特徴とする請求項１記載のロール紙の胴巻き包装方法。
【請求項３】
包装材の長手方向の両端部をグリッパで挟持した状態を解除した後、回転ローラの回転速度を前記解除する前の回転ローラの回転速度より早くすることを特徴とする請求項１記載のロール紙の胴巻き包装方法。
【請求項４】
回転ローラに支持されたロール紙に供給される長尺状の包装材は、材質の異なる包装材を２枚以上重ねて供給されるものであることを特徴とする請求項１記載のロール紙の胴巻き包装方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【公開番号】特開２００８−６２９８０（Ｐ２００８−６２９８０Ａ）
【公開日】平成２０年３月２１日（２００８．３．２１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−２４３９１０（Ｐ２００６−２４３９１０）
【出願日】平成１８年９月８日（２００６．９．８）
【出願人】（３９１０４５７５０）株式会社丸石製作所 (4)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年３月２１日（２００８．３．２１）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年９月８日（２００６．９．８）
【出願人】（３９１０４５７５０）株式会社丸石製作所 (4)
【Ｆターム（参考）】
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