説明

ロール紙装着機構

【課題】ロール紙からの用紙の繰出し不良の発生をなくし、印字に支障をきたすことがないようにすると共に印字した用紙を規定の長さに確実にカットできるようにする。
【解決手段】サイドフレーム3、4間へのロール紙8、9のセット後、ストッパーアーム24の前部がサイドフレーム4に接する位置に戻ることでストッパーアーム24の先部上下に形成したストッパー部がサイドフレーム4に形成した逃げ孔からサイドフレーム4の内側に入り込んで繰出し位置側にセットされているロール紙8に待機位置側のロール紙9が当たらないようにロール紙9に接触して押えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のロール紙を径方向に並べてサイドフレーム間に収納して装着するロール紙装着機構に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、顧客の操作により取引を行う現金自動取引装置は、取引終了時に明細票印字部によりレシートの取引内容を印字して顧客に発行するが、このような現金自動取引装置では、所定の長尺用紙をロール状に巻き付けられたロール紙を装着し、このロール紙から用紙を繰出して規定の長さにカットすることによりレシートとして明細票印字部に搬送するようにしている。
このような現金自動取引装置に用いられる従来のロール紙装着機構として、複数のロール紙を互いに接触しないように径方向に並べてサイドフレーム間に装着保持し、繰出し部側のロール紙を使い切ると後続のロール紙を繰出し部側に送って印字に使用するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−10330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術においては、外部から加えられる衝撃等によって繰り出し部側のロール紙の後方に装着されているロール紙の位置がずれて繰出し部側のロール紙に当接することがあり、このような場合、用紙の繰出し不良を生じ、その結果、印字に支障をきたし、用紙を規定の長さにカットすることも困難になるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明は、対向するサイドフレーム間に少なくとも2巻のロール紙を径方向に並べて収納すると共に、そのうちの1巻は繰出し位置に、他のロール紙は繰出し位置後方の待機位置に装着し、前記繰出し位置に装着されたロール紙から用紙を繰出して処理部に搬送するロール紙装着機構において、一方のサイドフレームの外側に沿って配置したストッパーアームの先部がそのサイドフレームに対して先部が接離可能となるように該ストッパーアームの後部を前記一方のサイドフレームに回動可能に支持すると共に該ストッパーアームの先端上下にストッパー部を前記一方のサイドフレーム側に突出させて形成し、前記一方のサイドフレームに前記上下のストッパー部が出入可能とした逃げ孔を設けて、前記上下のストッパー部をそれぞれ前記逃げ孔から前記一方のサイドフレームの内側に進入させることで、前記待機位置に装着されたロール紙を前記上下のストッパー部で抑えて繰出し位置に装着されたロール紙側に移動しないようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
このようにした本発明は、ストッパー部が逃げ孔からサイドフレームの内側に入り込んで繰出し位置側にセットされているロール紙に待機位置側のロール紙が当接しないように待機位置側を押えるため、ロール紙装着機構に外部から衝撃等が加えられても、繰出し位置側のロール紙の後方に装着されているロール紙の位置がずれて繰出し位置側のロール紙に当接することがなく、その結果、用紙の繰出し不良の発生をなくすことができることになり、印字に支障をきたすことがなくなると共に印字した用紙を規定の長さに確実にカットすることができるという効果が得られる。
【0008】
また、装置の異常動作や装置事故が発生してロール紙を除去することが必要な場合、ストッパーアームを押すことでストッパーアームの位置を動かすことによりストッパー部が逃げ孔から抜けてストッパーは解除され、オペレータ操作によって、ロール紙を除去することができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1を示す平面図
【図2】正面図
【図3】斜視図
【図4】実施例を用いる現金自動取引装置の説明図
【図5】現金自動取引装置のブロック図
【図6】逃げ孔が分割していない場合の動作の平面説明図
【図7】逃げ孔が分割していない場合の動作の側面説明図
【図8】逃げ孔が分割していない場合のロール紙が傾いた場合の動作の説明図
【図9】動作の斜視説明図
【図10】実施例2を示す平面図
【図11】正面図
【図12】斜視図
【図13】手動動作の平面説明図
【図14】手動動作の正面説明図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明による実施例を説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は実施例1を示す平面図、図2は正面図、図3は斜視図、図4は現金自動取引装置の外観説明図、図5は現金自動取引装置の構成を示すブロック図である。
【0012】
図5において、1は現金自動取引装置(以下、ATMという。)であり、レシートに取引内容の印字処理を行う明細票印字部10の他に、ATM全体を制御する制御部11、通信回線への通信部12、取引に必要なデータや制御部11が実行する制御のプログラムを格納する記憶部13、タッチパネルを有する顧客操作部14、カード取扱部15、通帳取扱部16、取引を行った際にジャーナル用紙に取引結果を印字するジャーナルプリンタ部17、紙幣入出金部18、硬貨入出金部19等を有する。
【0013】
ATM1の正面には、図4に示す如く、顧客操作部14、カード取扱部15のカード挿入排出口15a、通帳取扱部16の通帳挿入排出口16a、紙幣入出金部18の紙幣入出金口18a、硬貨入出金部19の硬貨入出金口19a等が設けられている。
【0014】
前記明細票印字部10には、図1〜図3に示す如く、実施例のロール紙装着機構が設けられ、このロール紙装着機構の対向する2枚のサイドフレーム3、4間に複数(図では2巻)の感熱紙等によるロール紙8、9が径方向にほぼ水平に並べてセット(装着)できる構造になっている。ロール紙8、9は長尺の感熱紙等をロール状に巻き付けたものであり、ロール紙8がセットされた繰出し位置の下部には、ロール紙8を回転させながら搬送する搬送ベルト20とこの搬送ベルト20によりロール紙8から繰出される感熱紙等の先端8aを剥離するための剥離爪31が設けてある。
【0015】
また、明細票印字部10は、感熱紙に熱印字する印字ヘッド(本実施例ではサーマルヘッド)6と、この印字ヘッド6に対向配置したプラテンローラ22と、前記剥離爪31により剥離されたロール紙8の先端8aを印字ヘッド6とプラテンローラ22の間に導くようにガイドする搬送ガイド5を有し、さらに、印字後の感熱紙を規定の長さにカットするカッター7が、感熱紙搬送方向における印字ヘッド6の下流側に設けてあり、このカッター7でカットされた印字後の感熱紙はレシートとして図示しないレシート排出口から顧客に発行されるようになっている。
【0016】
なお、搬送ベルト20は、ギア等による駆動伝達機構を介してパルスモータ21により駆動され、プラテンローラ22はギア等による駆動伝達機構を介してパルスモータ23により駆動される。
【0017】
一方、ロール紙装着機構には、サイドフレーム3、4間にセットされた1巻目のロール紙8と2巻目のロール紙9をそれぞれ検知するためのセンサS2、センサS3がそれぞれ配置されている。このロール紙8、ロール紙9をそれぞれ検知するためのセンサS2、センサS3はロール紙のセット数に応じて配置される。配置されたセンサS2、センサS3は制御部11に接続され、センサS2、センサS3の出力変化によってロール紙8およびロール紙9の有/無をそれぞれ検知する。
【0018】
また、一方のサイドフレーム4の外側に沿ってストッパーアーム24が設けてある。このストッパーアーム24は、先部がサイドフレーム4に対して接離可能となるように後部がサイドフレーム4に回動可能に支持されていて、モータ25によりギア、リンク等の駆動伝達機構を介して図1に示す矢印A方向に動くようになっている。
【0019】
そして、ストッパーアーム24の先部上下には分割してサイドフレーム4に向けてストッパー部24a、24bを突出形成し、サイドフレーム4のロール紙8、9間に位置する箇所にはストッパー部24a、24bがサイドフレーム4の内側に出入可能となる逃げ孔4a、4bが上下に分割して設けてある。
【0020】
ストッパーアーム24に形成された上下2個所のストッパー部24a、24bは逃げ孔4a、4bからサイドフレーム4の内側に入り込んだ状態ではサイドフレーム3、4間にセットされたロール紙8とロール紙9の間に位置し、後部側のロール紙9に接触して前部側の繰出し位置側にセットされているロール紙8にロール紙9が転がって当接するのを阻止している。
【0021】
センサS2の出力に基づいて制御部11がロール紙8がないと判断したとき、モータ25によりストッパーアーム24は図1に2点鎖線で示した位置24Aまで移動してストッパー部24a、24bが逃げ孔4a、4bから抜け、これによりロール紙9はストッパー部24a、24bから解放されて1巻目のロール紙8のセット位置つまり繰出し位置まで移動することができるようになっている。なお、ロール紙9は繰出し位置に移動できるようにロール紙を保持するアーム30上にセットされる。
【0022】
以下に上記構成の作用を説明する。
【0023】
ATM1を運用するにあたり、まず、ロール紙8、ロール紙9を明細票印字部10に設けられたロール紙装着機構のサイドフレーム3、4間にセットする。
セットされたロール紙8は繰出し位置に設けられた搬送ベルト20上に載り、ロール紙9は待機位置に設けられたアーム30上に載る。
【0024】
ロール紙8、9をセットした後、ロール紙8の先端8aを印字ヘッド6まで到達させるためにパルスモータ21により搬送ベルト20を駆動し、パルスモータ23によりプラテン22を回転させる。いずれのパルスモータ21、23もロール紙8が図2に示す矢印C方向に回転するように回転させる。
【0025】
ロール紙8が回転しながらその先端8aが剥離爪31に到達すると、先端8aはロール紙8から剥離される。剥離された後もパルスモータ21、23は回転し続けることでロール紙8から感熱紙が繰り出され、その先端8aが、印字ヘッド6とプラテン22に挟まれると印字ヘッド6によって感熱紙に取引内容が印字される。印字が終了すると、感熱紙は一定長さだけ送られてカッター7でカットされた後、レシートとして図示しないレシート排出口から顧客に発行される。
【0026】
このようなレシートの発行が繰り返され、センサS2の出力に基づいて制御部11がロール紙8がないと判断したとき、モータ25によってストッパー24はストッパー24Aの位置まで動く。これによって、ロール紙9は1巻目のロール紙8がセットされていた繰出し位置まで移動することができる。ロール紙9は図示しないモータにより図示しない駆動機構を介してアーム30を回転させることによって待機位置から繰出し位置まで移動させる。
【0027】
ところで、本実施例において、ロール紙8、9をロール紙装着機構のサイドフレーム3、4間にセットする際、モータ25によりストッパーアーム24は2点鎖線で示す位置24Aの位置まで動いて前部がサイドフレーム4から離れることでストッパー部24a、24bが逃げ孔4a、4bから抜け、ロール紙8、9のセット後、モータ25の逆転により前部がサイドフレーム4に接する位置に戻ることでストッパー部24a、24bが逃げ孔4a、4bからサイドフレーム4の内側に入り込んで繰出し位置側にセットされているロール紙8に後部の待機位置のロール紙9が当接しないようにロール紙9に接触して押える。
【0028】
そのため、ロール紙装着機構等に外部から衝撃等が加えられても、待機位置に装着されているロール紙9の位置がずれて繰出し側のロール紙8に接触することがなく、その結果、感熱紙の繰出し不良の発生をなくすことができ、印字に支障をきたすことがなくなると共に繰出し量に狂いを生じさせることがなくレシートとなる感熱紙を規定の長さに確実にカットすることができるという効果が得られる。
【0029】
また、ストッパーアーム24には前部上下に分割してストッパー部24a、24bが形成され、これに対応してサイドフレーム4の該当箇所には逃げ孔4a、4bを分割して設けてある。
【0030】
ところが、図7に示す如く、ストッパー24の前部に一つの縦長のストッパー部24dを形成すると、サイドフレーム4に設ける逃げ孔4cも縦に長い一つの長孔となり、そのために、ロール紙9を繰出し位置側に移動させる際、図6に示す如くロール紙9が傾いて移動したりすると、図8に示す如く逃げ孔4cにロール紙9が引っかかることになる。
【0031】
そこで、上記実施例の如く、ストッパー24のストッパー部24a、ストッパー部24bを上下に分割して形成することにより、サイドフレーム4の逃げ孔4a、逃げ孔4bも分割して形成することができ、それによってロール紙9を待機位置から繰出し位置側に移動させる際に、ロール紙9が傾いても逃げ孔4a、4bにひっかかるようなことがなく、ロール紙9を繰出し位置側にスムーズに移動させることが可能になり、装置故障による稼働停止を招くようなことがなくなる。
【0032】
また、ATM1を運用するにあたっては、ロール紙8をサイドフレーム3、4間にセットし、このロール紙8のセット後、ロール紙8の先端8aが印字ヘッド6とプラテン22に挟まれると印字ヘッド6によって印字される。
このようなATM1の運用中において、ロール紙8の残量を目視確認する場合、視認性が重要である。
【0033】
前記ストッパーアーム24は、ストッパー部24a、ストッパー24b部を上下に分割して形成しないと、ストッパーアーム24がロール紙8全体を隠す形状となり、矢印D方向からのロール紙8の視認性が悪い。そこで、ストッパーアーム24は、ストッパー部24a、ストッパー24b部を上下に分割して形成することにより、図9に示す如く矢印D方向からのロール紙8の視認性を良好にして残量確認の運用性を向上させることができる。
【実施例2】
【0034】
図10は実施例2を示す平面図、図11は正面図、図12は斜視図であり、ATM1において、ロール紙装着機構は、前記の如く、明細票印字部10は、ロール紙8、9のセット位置を決める2枚のサイドフレーム3、4、ロール紙8から先端8aを剥離するための剥離爪31、ロール紙8から剥離した先端8aを搬送する搬送ベルト20、ロール紙9を載せるアーム30およびストッパーアーム24等を備える。
【0035】
明細票印字部10は、搬送ガイド5、ロール紙8、9から繰出される感熱紙に印字するための印字ヘッド6、印字ヘッドに対向配置したプラテンローラ22、印字後の感熱紙を規定の長さに切断してレシートとするためのカッター7および図示しないレシート排出口等を備えている。
【0036】
前記ロール紙8を搬送するための搬送ベルト20は、ギア等による駆動伝達機構を介してパルスモータ21により駆動される。
前記印字ヘッド6は、図5に示す如く、制御部11により制御されてプラテンローラ22と印字ヘッド6間に送られてくる感熱紙に印字する。このとき、対向配置したプラテンローラ22はギア等による駆動伝達機構を介してパルスモータ23により駆動される。
【0037】
カッター7は制御部11により制御され、印字された感熱紙を規定の長さに切断する。
【0038】
ロール紙装着機構にはサイドフレーム3、4間にセットされた1巻目のロール紙8と2巻目のロール紙9をそれぞれ検知するためのセンサS2、センサS3がそれぞれ配置されている。このロール紙8、ロール紙9等を検知するセンサS2、センサS3はロール紙のセット数に応じて配置される。配置されたセンサS2、センサS3は制御部11に接続され、センサS2、センサS3の出力変化によってロール紙8、ロール紙9の有/無をそれぞれ検知する。
【0039】
サイドフレーム4にはストッパーアーム24が回転可能に支持されており、このストッパーアーム24の前部上下に形成したストッパー部24a、24bが、サイドフレーム4に設けた逃げ孔4a、4bからサイドフレーム4の内側に入り込んで繰出し位置側にセットされているロール紙8に後部側のロール紙9が当接しないように、ロール紙9に接触して押えるようになっている。さらに、ストッパーアーム24の回転支持部より後方には曲折後部24eがサイドフレーム3、4間に入り込むように設けてある。
また、モータ25がギア29および図示しない駆動伝達機構を介してアーム30を駆動するものとしている。
【0040】
このような構成において、センサS2の出力に基づいて制御部11がロール紙8がないと判断したとき、モータ25を駆動してギア26および図示しないリンク等の駆動伝達機構によりシャフト27を図11に示す如く矢印B方向に回転させ、図13に示す如く、シャフト27に固定されたリンク28がストッパーアーム24の回転支持部より後方に設けてある曲折後部24eに接触して矢印E方向に押すことで、ストッパーアーム24を矢印A方向に回転させて2点鎖線で示す位置24Aまで移動させることによりストッパー部24a、24bを逃げ孔4a、4bからサイドフレーム4の外側に退避させる。
【0041】
上記動作に加え、本実施例では、前記モータ25の駆動により、図14に示す如く、ギアやリンク等による図示しない駆動伝達機構を介して支点30aを回転中心としたロール紙を保持するアーム30を回動させて(起こして)ロール紙9を1巻目セット位置まで移動させる。このようにモータ25によってストッパーアーム24およびアーム30の両方を連動駆動してロール紙9を確実に移動させる。
【0042】
以上の実施例2によると、前記実施例1と同様にストッパーアーム24のストッパー部24a、24bが繰り出し位置側にセットされているロール紙8に後部側のロール紙9が当接しないように、ロール紙9に接触して押えるために、ロール紙装着機構等に外部から衝撃等が加えられても、待機位置に装着されているロール紙9の位置がずれて繰出し側のロール紙8に接触することがなく、その結果、感熱紙の繰出し不良の発生をなくすことができ、印字に支障をきたすことがなくなると共にレシートとなる感熱紙を規定の長さに確実にカットすることができるという効果が得られる。
【0043】
また、ロール紙9を待機位置に保持するストッパーアーム24の駆動とロール紙9を待機位置から繰出し位置に移動させるアーム30を同一駆動源としたモータ25で駆動するようにしているため、ロール紙装着機構を小型化することができ、装置内への実装スペースを小さくすることができ装置内への組み付けが容易となるという効果がある。
【0044】
また、ATMにおいては、装置の異常動作や装置事故が発生してロール紙8を除去することが必要な場合がある。その場合、ロール紙8は後方の待機位置に移動させて除去するため、ストッパーアーム24を2点鎖線で示す位置24Aまで退避させる必要がある。このような場合、図13、図14に示す如く、リンク28を手動によってストッパーアーム24の曲折後部24eに接触させ、矢印F方向に押すことでストッパーアーム24の位置を24Aに動かすことによりストッパー部24a、24bが逃げ孔4a、4bから抜くことができるため、オペレータ操作によりロール紙8を待機位置に移動して除去することが可能となる。
【0045】
このように、本実施例は、ロール紙9の移動を防止するためのストッパーアームの移動を手動によって行うことができるようにしたことにより、装置の異常動作や装置事故時でもロール紙除去をオペレータが任意に行うことができるという効果もある。
【0046】
なお、上記各実施例ではATMに実装されるロール紙装着機構について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、各種定期券や乗車券あるいは各種イベント等の入場券等を発券する発券装置のロール紙装着機構としても適用可能である。
【0047】
また、使用するロール紙は感熱紙に限らず、各種の券に利用される用紙(磁気ストライプを有する用紙も含む。)を適用対象とすることができ、さらに、ロール紙から繰出される用紙に対して処理を行う処理部は取引明細を印字する印字部に限らず、インクやトナー等を用いる印字部あるいは磁気データの書き込みを行う磁気記録部の処理部であってもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 現金自動取引装置
3、4 サイドフレーム
4a、4b 逃げ孔
5 搬送ガイド
6 印字ヘッド
7 カッター
8、9 ロール紙
8a ロール紙の先端
10 明細票印字部
11 制御部
12 通信部
13 記憶部
14 顧客操作部
15 カード取扱部
16 通帳取扱部
17 ジャーナルプリンタ部
18 紙幣入出金部
19 硬貨入出金部
20 搬送ベルト
21 パルスモータ
22 プラテンローラ
23 パルスモータ
24 ストッパーアーム
24a、24b ストッパー部
24e 曲折後部
25 モータ
26 ギア
27 シャフト
28 リンク
29 ギア
30 アーム
31 剥離爪
S1、S2、S3 センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向するサイドフレーム間に少なくとも2巻のロール紙を径方向に並べて収納すると共に、そのうちの1巻は繰出し位置に、他のロール紙は繰出し位置後方の待機位置に装着し、前記繰出し位置に装着されたロール紙から用紙を繰出して処理部に搬送するロール紙装着機構において、
一方のサイドフレームの外側に沿って配置したストッパーアームの先部がそのサイドフレームに対して先部が接離可能となるように該ストッパーアームの後部を前記一方のサイドフレームに回動可能に支持すると共に該ストッパーアームの先部にストッパー部を前記一方のサイドフレーム側に突出させて形成し、前記一方のサイドフレームに前記ストッパー部が出入可能とする逃げ孔を設けて、前記ストッパー部をそれぞれ前記逃げ孔から前記一方のサイドフレームの内側に進入させることで、前記待機位置に装着されたロール紙を前記ストッパー部で抑えて繰出し位置に装着されたロール紙側に移動しないようにしたことを特徴とするロール紙装着機構。
【請求項2】
請求項1において、前記待機位置にロール紙を載せるアームを設け、
前記ストッパーアームおよび前記ロール紙を載せるアームをそれぞれの駆動伝達機構により同一駆動源に連結し、
該駆動源により前記ストッパーアームの上下のストッパー部が前記一方のサイドフレームの逃げ孔から前記サイドフレームの外側に退避するように前記ストッパーアームの回動と、前記待機位置のロール紙を繰出し位置に移動させるアームの回動とを連動可能にしたことを特徴とするロール紙装着機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−285245(P2010−285245A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−139668(P2009−139668)
【出願日】平成21年6月10日(2009.6.10)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591089556)株式会社 沖情報システムズ (276)
【Fターム(参考)】