説明

ロール紙送り出し装置、ロール紙送り出し方法、及びそのプログラム

【課題】ロール紙本体からロール紙を破損することなく確実に剥離して送り出すことのできるロール紙送り出し装置及び送り出し方法を提供する。
【解決手段】ロール紙本体101を駆動してロール紙を送出する駆動ローラ11と、ロール紙の先端部をロール紙本体101から剥離するセパレータ102と、駆動ローラ用の回転駆動手段14とを備え、前記回転駆動手段14に併設した駆動制御部20が回転駆動手段14および駆動ローラ11を介してロール紙本体101を用紙巻き取り方向へ一定量回転させる一次始動制御の実行後に停止制御を実行しその後にロール紙本体を用紙送り出し方向へ一定量回転制御する二次始動制御を実行する始動時回転制御機能と、二次始動制御による用紙送り出し方向への回転量を一次始動制御による用紙巻き取り方向への回転量よりも大きく設定する始動時回転量設定機能とを備えていること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール紙送り出し装置等に係り、特にロール状に巻回されたロール紙の先端部分をロール本体から剥離(分離)して送り出すロール紙送り出し装置、ロール紙送り出し方法、及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置では、ロール状に巻回されたロール紙を使用して所定の文字及び画像等を表示出力している場合が多い。
この場合、ロール紙は、その先端部がロール本体の装備箇所から各機器の画像形成出力部に向けて送り出されるが、静電気やロール紙の巻き癖等の影響で、或いは機器接地位置の環境変化等によって、時には当該ロール紙の先端部がロール本体に張りついて離れにくいという現象が生じる。
かかる事態が発生すると、ロール紙を良好に送り出すことができず、これがため、適切な画像をロール紙に形成できないだけでなく、ロール紙自体が損傷し、更に最悪の場合には、画像形成装置内でロール紙の紙詰まりが発生する。
【0003】
これに対して、ロール紙の送り出し時に生じ易い上記不都合を改善するため、従来より種々の提案がなされている(特許文献1乃至4)。
この内、特許文献1では、図8に示すように、ロール紙本体101に近接してセパレータ102が配設され、このセパレータ102の先端部102aがロール紙本体101の外周部に当接して配置され、駆動ローラ111を介してロール紙本体101をロール紙送出方向Aに回転駆動させることにより、ロール紙101Aの先端部分をロール本体101側から剥離するように構成されている。符号112は従動ローラを示す。この従動ローラ112と前述した駆動ローラ111とによりロール紙本体101を回転駆動可能に構成されている。
そして、ロール紙本体101が回転することで、当該ロール紙本体101のロール紙101Aと先端部分101aとの間にセパレータ102の先端部102aが楔状に差し込まれ、これにより、ロール紙101Aの先端部分101aがロール紙本体101から剥離されるようになっている。
【0004】
又、特許文献2では、ロール紙本体の外周部に搬送ベルトの一部を当接させて前記ロール紙本体を外周部でベルト駆動する構造となっている。そして、搬送ベルトを停止させた状態でロール紙本体をロール紙の送り出し方向に回転させ、これによって外周部のロール紙に弛みを強制的に発生させることで、ロール紙の先端部分をロール紙本体から剥離するように構成している。
そして、ロール紙本体からロール紙の先端部分が剥離された後、停止させた状態から搬送ベルトを駆動してロール紙をセパレータに供給し、これにより、ロール紙をその先端部から分離して送り出すという手法が採られている。
【0005】
更に、特許文献3では、ロール紙本体の外周部に対して、ロール紙の搬送方向と直交する方向に所定距離離間させて複数の駆動ローラを押圧させることにより、駆動ローラ間のロール紙の先端部分をロール紙本体から浮かせるように構成している。この状態でロール紙本体をロール紙の送り出し方向に回転させることにより、ロール紙本体とロール紙本体から浮いているロール紙の先端部分との間にセパレータが差し込まれるため、ロール紙本体からロール紙の先端部分が剥離される。
【0006】
又、特許文献4では、ロール紙本体の外周部にセパレータを当接させた状態とし、ロール紙本体をロール紙の送り出し方向及び巻き取り方向に回動させる動作を繰り返し、外周部のロール紙の先端部分を検出した後、その先端部分をセパレータに供給してロール紙本体から剥離するように構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−29650号
【特許文献2】特開平1−267240号
【特許文献3】特開2005−254722号
【特許文献4】特開平8−26536号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1では、ロール紙本体1が十分に巻き締められていないと、最外周部のロール紙101Aの一部が弛み、弛んだ部分に押し出されてセパレータ102の先端部102aがロール紙本体101から離間する事態が発生する(図8の状態)。この状態でロール紙本体101の回転を継続すると、繰り出されるロール紙101Aが更に弛んでしまうだけでなく、セパレータ102の先端部102aによってロール紙101Aが破損し、或いは蛇腹状に折れ曲がってしまう。
ロール紙101Aが破損したり、蛇腹状に折れ曲がってしまうと、ロール紙本体101を巻き締めた後、再度、剥離動作を繰り返したとしても、ロール紙101Aを画像形成出力部に供給することができない。この場合、ロール紙の破損した部分を除去した後、再度、剥離動作を行わなければならないため、操作者が余分な作業を強いられるだけでなく、ロール紙101Aもかなりの量が無駄になるという不都合がある。
【0009】
又、特許文献2及び特許文献3の場合、強制的にロール紙を変形させることで先端部分を剥離させているため、例えば、変形したロール紙の一部が搬送機構等に摺接することで損傷するという不都合がある。
【0010】
更に、特許文献4の場合、ロール紙の先端部分を確実に検出するために、ロール紙本体を正逆回転させているだけであり、必ずしも先端部分をロール紙本体から剥離することができるという保障はない。また、ロール紙本体を正逆回転させる際、ロール紙本体に弛みが発生し、その弛みが原因となって、ロール紙を破損させてしまう恐れもある。
[発明の目的]
【0011】
本発明は、上記関連技術の有する課題を解消するために成されたものであり、ロール紙本体からロール紙先端部を損傷することなく確実に剥離してロール紙を円滑に送り出すことのできるロール紙送り出し装置、ロール紙送り出し方法、およびそのプログラムを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明に係るロール紙送り出し装置は、記録紙がロール状に巻回されたロール紙本体をその外周部で回転駆動し前記記録紙を外部に送り出す駆動ローラと、前記ロール紙本体の用紙先端部を当該ロール紙本体から剥離して送り出すセパレータと、このセパレータによって前記ロール紙本体から剥離されたロール紙を外部に向けて送り出す一対のフィードローラと、前記駆動ローラを回転駆動する回転駆動手段と、これら各構成部分を保持する装置本体とを備え、前記回転駆動手段に、当該回転駆動手段の回転動作を可変制御する駆動制御部を併設して成るロール紙送り出し装置において、
【0013】
前記駆動制御部が、前記ロール紙送り出し時に作動し前記駆動手段および駆動ローラを介して前記ロール紙本体を回転制御して当該ロール紙本体を用紙巻き取り方向へ一定量回転させる一次始動制御の実行後に停止制御を実行しその後に当該ロール紙本体を用紙送り出し方向へ一定量回転制御する二次始動制御を実行する始動時回転制御機能(第1の回転制御機能)と、この始動時回転制御機能の実行に際しては前記二次始動制御による用紙送り出し方向への回転量を前記一次始動制御による用紙巻き取り方向への回転量よりも大きく設定する始動時回転量設定機能(第2の回転制御機能)とを備えていることを特徴とする。
【0014】
また、上記の目的を達成するため、本発明に係るロール紙送り出し方法は、記録紙が巻回されたロール紙本体が駆動ローラおよび従動ローラ上に搬入されるとこれを予め装備されたロール紙検出センサが検出してロール紙搬入検出信号を出力し(ロール紙本体検出工程)、このロール紙検出センサからの信号を受けて駆動制御部が作動して前記ロール紙本体を駆動し当該ロール紙本体に対する初期始動制御および始動時回転制御を予め設定された手順に従って順次実行し(ロール紙本体初動回転制御工程)、前記始動時回転制御の実行中に予め装備されたセパレータが前記ロール紙本体に巻回された記録紙の先端部を前記ロール紙本体から分離して外部へ送り出すように案内し(ロール紙先端分離工程)、前記ロール紙本体に対する前記駆動制御部による前記初期始動の制御内容を、前記駆動ローラ上にロール紙本体がセットされた場合に稼働して当該ロール紙本体を用紙巻き取り方向に一定量回転させる構成としたことを特徴とする。
【0015】
更に、上記の目的を達成するため、本発明に係るロール紙用送出動作制御プログラムは、記録紙がロール状に巻回されたロール紙本体をその外周部で回転駆動し前記記録紙を外部に送り出す駆動ローラと、前記ロール紙本体の用紙先端部を当該ロール紙本体から分離して送り出すセパレータと、このセパレータによって前記ロール紙本体から分離されたロール紙を外部に向けて送り出す一対のフィードローラと、前記駆動ローラを回転駆動する回転駆動手段と、これら各構成部分を保持する装置本体と、前記回転駆動手段の回転動作を可変制御する駆動制御部とを備えて成るロール紙送り出し装置にあって、
【0016】
前記ロール紙送り出し時に作動し前記駆動手段および駆動ローラを介して前記ロール紙本体を回転制御して当該ロール紙本体を用紙巻き取り方向へ一定量回転させる一次始動制御の実行後に停止制御を実行し、その後に当該ロール紙本体を用紙送り出し方向へ一定量回転制御する二次始動制御を実行する始動時回転制御機能、及びこの始動時回転制御機能の実行に際しては前記二次始動制御による用紙送り出し方向への回転量を前記一次始動制御による用紙巻き取り方向への回転量よりも大きく設定する始動時回転量設定機能、
を前記駆動制御部が備えているコンピュータに実行させるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は上述したように構成したので、これによると、ロール紙の送り出しに際してはロール紙本体を間欠的に正逆回転しつつ当該ロール紙の先端部を送り出すようにしたので、ロール紙先端部がロール紙本体から離れる前にロール紙が部分的にロール紙本体から離れて膨らんだ状態となるという不都合がなくなり、これがため、セパレータは常にロール紙本体に接した状態が維持されるので、巻き締められた状態のロール紙本体からロール紙の先端部分を確実に剥離させることができ、この結果、ロール紙本体に当接しているセパレータにより、ロール紙の先端部分を破損することなくロール紙本体から確実に分離して送り出すことができるという優れたロール紙送り出し装置、ロール紙送り出し方法、及びそのプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明にかかるロール紙送り出し装置の一実施形態を示す一部省略した正面図である。
【図2】図1のII−II線矢視方向の一部省略した断面図である。
【図3】図1に開示したロール紙送り出し装置に大径のロール紙本体をセットする場合の状態を示すの説明図である。
【図4】図1に開示したロール紙送り出し装置に装備された制御系を示すブロック図である。
【図5】図1に開示したロール紙送り出し装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】図1に開示したロール紙送り出し装置に大径のロール紙本体を設置した場合の状態を示すの説明図である。
【図7】図1に開示したロール紙送り出し装置に小径のロール紙本体を設置した場合の状態を示すの説明図である。
【図8】関連技術に係るロール紙送り出し装置の動作例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態を図1乃至図7に基づいて説明する。
ここで、前述した図8に示す関連技術と同一の構成部材については同一の符号を用いるものとする。
最初に、本実施形態におけるロール紙送り出し装置の基本的な構成について説明し、その後に具体的な内容について詳述する。
【0020】
(基本的な構成)
本実施形態におけるロール紙送り出し装置10は、図1乃至図7に示すように、記録紙101Aがロール状に巻回されたロール紙本体101をその外周部で回転駆動して当該記録紙101Aを外部に送り出す駆動ローラ11と、ロール紙本体101のロール紙先端部101aを当該ロール紙本体101から分離して送り出すセパレータ102と、このセパレータ102によってロール紙本体101からそのロール紙101Aの先端部101aが分離されたロール紙101Aを外部に向けて送り出す一対のフィードローラ13と、前述した駆動ローラ11を回転駆動する回転駆動手段としての駆動モータ14とを備えている。ここで、上記セパレータ102は、その先端部102aが図示しないバネに付勢されてロール紙本体101に常に当接した状態に設定されている。
【0021】
又、このロール紙送り出し装置10は、上述したこれら各構成部分を保持する装置本体(ケーシング)2と、この装置本体2に保持され上述したロール紙本体101の図1における左半分の空間領域を覆う半円筒状のロール紙用固定カバー31と、このロール紙用固定カバー31の反対側に配置され同じくロール紙本体101の図1における右半分の空間領域を覆う半円筒状のロール紙用開閉カバー32とを備えている。
【0022】
この内、上記半円筒状のロール紙用固定カバー31は、図1の左端部に配置された半円筒状の固定カバー本体31Aと、この固定カバー本体31Aの前記中心軸Lに直交する両側面部分をそれぞれ覆った状態に配置され固着されたカバー側板31B,31Cとにより構成され、且つその下端部が前述した装置本体2に一体的に固定され、これによって、装置本体2と共に本実施形態における装置全体の骨格を構成している。
【0023】
ここで、上述したロール紙本体101は、駆動ローラ11とこれに対応して配設された従動ローラ12とによって回転自在に保持されている。そして、この駆動ローラ11と従動ローラ12は、ロール紙用固定カバー31の前述したカバー側板31B,31Cに(詳しくはカバー側板31B,31Cの図1における下方部分に)、回転自在に保持されている。
【0024】
更に、前述したロール紙用開閉カバー32は、未使用のロール紙本体101がセットされた場合の中心軸と同一線上に位置する中心軸線Lを回転中心として、後述するように、ロール紙用固定カバー31に回転自在に保持されている。
【0025】
又、駆動モータ(回転駆動手段)14には、当該駆動モータの回転動作を可変制御する駆動制御部20が併設されている。
この駆動制御部20は、ロール紙本体101からのロール紙送り出し時に作動し駆動モータ(回転駆動手段)14および駆動ローラ11を介してロール紙本体101を回転制御し当該ロール紙本体101を用紙巻き取り方向へ一定量回転させる一次始動制御の実行後に停止制御を実行し、その後に当該ロール紙本体101を用紙送り出し方向へ一定量回転制御する二次始動制御を実行する始動時回転制御機能(第1の回転制御機能)を備えている。
【0026】
更に、この駆動制御部20は、この始動時回転制御機能の実行に際しては、二次始動制御による用紙送り出し方向への回転量を一次始動制御による用紙巻き取り方向への回転量よりも大きく設定する始動時回転量設定機能(第2の回転制御機能)を備えている。
【0027】
このため、この駆動制御部20の始動時回転制御機能(第1の回転制御機能)によって、ロール紙101Aの送り出しに際しては、ロール紙本体101が間欠的に正逆回転されつつ当該ロール紙101Aの先端部101aが送り出され、しかもその回転量を用紙送り出し方向への回転量を用紙巻き取り方向への回転量よりも大きく設定したので、ロール紙本体101を間欠的に正逆回転しつつロール紙先端部101aが徐々に送り出されることとなり、これがため、ロール紙先端部101aがロール紙本体101から離れる前にロール紙が部分的にロール紙本体101から離れて膨らんだ状態となるという不都合がなくなる。
【0028】
同時に、セパレータ102は常にロール紙本体101に接した状態が維持されるので、巻き締められた状態のロール紙本体101からロール紙101Aの先端部101aを常に剥離するようにして確実にロール紙本体101から分離させることができ、この結果、ロール紙本体101に当接しているセパレータ102を有効に機能させることができ、ロール紙本体101からロール紙101Aの先端部101aを破損することなく確実に分離して送り出すことが可能となる。
【0029】
ここで、駆動制御部20の始動時回転制御機能(第1の回転制御機能)による前述した駆動ローラ11に対する始動制御及び停止制御に際しては、ロール紙本体101の回転方向が用紙送り出し方向である二次始動制御の場合には、当該始動後に成される停止制御時の減速度の絶対値が、前記二次始動制御時の加速度の絶対値よりも予め小さく設定されている。
このため、用紙送り出し方向へのロール紙本体101の回転は、始動時は早く、又停止時はゆっくりと停止することから、全体的には穏やかな停止制御が実現され、これにより、送り出されるロール紙の弛みが有効に抑制される。
【0030】
又、駆動制御部20の始動時回転制御機能(第1の回転制御機能)による駆動ローラに対する始動制御及び停止制御に際しては、ロール紙本体101の回転方向が用紙巻き取り方向である一次始動制御の場合には、当該一次始動制御時の加速度の絶対値が、当該始動後に成される停止制御時の減速度の絶対値よりも予め小さく設定されている。
【0031】
このため、用紙用紙巻き取りが実行されている場合の始動加速に際しては、穏やかな加速制御が実現され、同時に停止制御時の減速度(負の加速度)を大きくしたので、巻き込み時のロール紙の摩擦等による損傷の発生を有効に抑制すると共に、停止時には急停止させることにより、次に成される送り出し制御への切替え制御の迅速化を可能としたものとなっている。同時に、始動時の上記ロール紙の先端分離動作を迅速になし得るようになっている。
【0032】
更に、駆動制御部20が、駆動ローラ11上にロール紙本体101が搬入された場合に、前述した始動時回転制御機能に優先して作動し当該ロール紙本体101を用紙巻き取り方向に一定量回転させる初期始動回転制御機能を備えている。
これにより、初期始動時に、停止中に弛んだロール紙本体101のロール紙101A(特にロール紙先端部101a)の弛みを確実に除去することができる。
【0033】
又、前述した装置本体(ケーシング)2とロール紙用固定カバー31との間には、図3に示すように、前述したロール紙本体101の存在を常時捕捉するロール紙本体検出センサ21が装備されている。そして、このロール紙本体検出センサ21によってロール紙本体101の搬入が検知された場合に、前述した駆動制御部20が前述した初期始動回転制御機能を稼働させるように構成されている。
【0034】
更に又、ロール紙本体101は、その下端部で、前述した駆動ローラ11とこの駆動ローラ11に対応して当該駆動ローラ11の図1における左側(ロール紙本体101の正転時における上流側)に配置された従動ローラ12とによって回転自在に保持されている。更に、この駆動ローラ11と従動ローラ12との間には、前述したセパレータ102の用紙分離用先端部102aが配設されている。この当該用紙分離用先端部102aが、前述したようにロール紙本体101に常時当接した状態に設定されている(図6参照)。
【0035】
又、前述した一対のフィードローラ13のロール紙送出側には、ロール紙本体101から送り出されるロール紙101Aを検知する前述したフィードセンサ22が装備されている。駆動制御部20は、このフィードセンサ22からの信号に基づいて作動し前述した始動時回転制御機能(第1の回転制御機能)の稼働状態を停止すると共に駆動モータ(駆動手段)14を介して駆動ローラ11に対する回転制御を通常のロール紙送り出し動作に切り替える制御動作切り替え機能を備えている。
【0036】
以下、これを更に詳述する。
〔具体的構成〕
本実施形態におけるロール紙用の用紙送り出し装置10は、例えば、ATM(Automatic Teller's Machine)や、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に組み込まれ、文字や画像を形成するためのロール紙を画像形成出力部に送り出す装置である。
【0037】
この用紙送り出し装置10には、図1及び図2に示すように、ロール紙を巻回してなるロール紙本体101を供給するホッパ装置4が併設されている。そして、用紙送り出し装置10は、このホッパ部4より供給されたロール紙本体101からロール紙の先端部分を剥離して画像形成出力部(図1の左方向に配置:図示せず)に送り出すように構成されている。
【0038】
ホッパ装置4は、予備のロール紙本体101を保持するホルダ4Aと、このホルダ4Aに保持されたロール紙本体101をロール紙送り出し装置10に送り出す送りレバー機構4Bとを備えている。この送りレバー機構4Bは、送りレバー用モータによりa方向に回動することで、ロール紙本体101をロール紙送り出し装置10に供給するように構成されている。
【0039】
ロール紙送り出し装置10は、前述したように、ロール紙本体101を保持する駆動ローラ11及び従動ローラ12と、この従動ローラ12と同軸上に装備されその用紙剥離用の先端部が各ローラ11,12の中間領域に配設されたセパレータ102と、このセパレータ102により分離されるロール紙101Aを外部に向けて送り出す一対のフィードローラ13とが、前述したロール紙用固定カバー31に回転自在に保持されている。
この内、ロール紙用固定カバー31は、その下端部側で装置本体(ケーシング)2に連結され保持されている。又、装置本体2には、前述した駆動モータ14およびその駆動制御部20が装備されている。
【0040】
ロール紙送り出し装置10は、前述したように、駆動ローラ11及び従動ローラ12を保持する装置本体(ケーシング)2と、この装置本体2に保持され上述したロール紙本体101の図1における左半分の空間領域を覆う半円筒状のロール紙用固定カバー31と、このロール紙用固定カバー31の反対側に配置され且つロール紙用固定カバー31に回転自在に保持されロール紙本体101の図1における右半分の空間領域を覆う半円筒状のロール紙用開閉カバー32とを備えている。
【0041】
半円筒状のロール紙用固定カバー31は、具体的には、図1に示すように右方が開放され水平に配置された半円筒状の固定カバー本体部31Aと、この固定カバー本体部31Aの水平方向の両端部を覆うようにして装備されたカバー側板31B,31Cとを含んで構成され、更に全体的には図1の縦断面形状が図2に示すように断面コ字状を成し、そして、図1の下端部側が前述したように装置本体(ケーシング)2に固着されている。これにより、このロール紙用固定カバー31は、装置本体(ケーシング)2と共に装置全体の枠体を構成している。
【0042】
又、前述した2個の駆動ローラ11の駆動支軸11Aは、ロール紙用固定カバー31のカバー側板31B,31Cの図1における下方位置に回転自在に保持されている。この駆動支軸11Aの配置位置を図2に示す。そして、この駆動支軸11Aの端部に、駆動ローラ11用の駆動モータ(駆動手段)14が図1,図2に示すように連結されている。
【0043】
符号12Aは、2個の駆動ローラ11に対応して設けられた2個の従動ローラ12を回転自在に保持するローラ支軸を示す。この従動ローラ12のローラ支軸12Aも、装置本体2に一体化されたロール紙用固定カバー31のカバー側板31B,31Cによって、図1における下方位置に前述した駆動支軸11Aと平行に保持されている。
【0044】
(ロール紙抑え機構について)
ロール紙用固定カバー31の図1における左端部には、当該左端部中央部を回動支点33aとして起伏回動するロール紙抑え機構33が装備されている。
このロール紙抑え機構33は、図1,図2に示すように細長い短冊状で且つ前述したロール紙用固定カバー31の外端部に沿って半円弧状に形成された2本のロール紙抑えアーム33B,33Cと、この各ロール紙抑えアーム33B,33Cを起伏回動自在に保持すると共に前述した回動支点33aを構成する支軸33Aとを備えている。
【0045】
更に、このロール紙抑え機構33は、前述した各ロール紙抑えアーム33B,33Cの回動端部に装備された被ガイドピン33e,33fと、この被ガイドピン33e,33fに対応して前述した半円筒状のロール紙用固定カバー31の固定側板31B,31Cに形成され前述した被ガイドピン33e,33fの上下動を案内する円弧状の案内溝31E,32Fとを備えて構成されている。
【0046】
そして、各ロール紙抑えアーム33B,33Cはその先端部がロール紙本体101の上端の外周面に常時当接した状態で当該ロール紙本体101上載置された状態で配設されている。このため、各ロール紙抑えアーム33B,33Cは、ロール紙本体101の直径の大きさに応動して上下動し、これによってロール紙本体101の上面部分で当該ロール紙本体101のロール紙を常に自重で抑え得るように装備されている。
【0047】
半円筒状のロール紙用開閉カバー32は、ロール紙本体101の図1における右半分の空間領域を覆う断面円弧状の開閉カバー本体32Aと、この開閉カバー本体32Aを前述したロール紙本体101の外面に沿って且つ前述したロール紙用固定カバー31の外面側に沿って回転可能に保持する側板アーム32B,32Cとを備えている。
【0048】
そして、この側板アーム32B,32Cの基幹部(回転中心側部分)が、前述したロール紙用固定カバー31の中心軸線L上に装備された支軸31Jを介して、当該ロール紙用固定カバー31に回転自在に保持されている。
これにより、この支軸31J部分を回転中心としてロール紙用開閉カバー32の全体が、ロール紙本体101および前述したロール紙用固定カバー31の外側周囲を、ロール紙本体101の搬入のタイミングに合わせて図3の矢印A,Bに示す方向に往復回動し、これによって、ロール紙本体101の搬入動作を許容し且つその搬入後の全体被覆を実行し得るようになっている。
【0049】
(開閉カバー駆動機構について)
図2において、符号36はロール紙用開閉カバー32の全体の開閉動作を付勢する開閉カバー駆動機構を示す。この開閉カバー駆動機構36は、図2に示すように、開閉カバー駆動モータ36Aと、この開閉カバー駆動モータ36Aに付勢されて作動し前述したロール紙用開閉カバー32を前述した支軸31Jを中心軸として回転駆動する駆動側ギヤー機構36Bとを備えている。
【0050】
この駆動側ギヤー機構36Bは、前述したロール紙用開閉カバー32の側板アーム31B,31Cの基幹部(回転中心側部分)に固着され前述した支軸31Jに回転自在に装備された開閉カバー側従動ギヤー36Bbと、この開閉カバー側従動ギヤー36Bbに前記開閉カバー駆動モータ36Aの回転力を伝える原動ギヤー36Baとにより構成されている。そして、この原動ギヤー36Baが、開閉カバー駆動モータ36Aの出力軸に固着装備されている。
【0051】
ここで、開閉カバー駆動モータ36Aは装置本体(ケーシング)2の側板に保持され、原動ギヤー36Baは開閉カバー駆動モータ36Aの駆動軸に固着装備されている(図2参照)。又、この開閉カバー駆動モータ36Aは、前述した駆動制御部20によってその回転動作が制御されるようになっている。この駆動制御部20による開閉カバー駆動モータ36Aの起動/停止のタイミングは、入力部20Aからの指令に基づいて駆動制御部20が判断し実行するように構成されている。
【0052】
(セパレータについて)
ロール紙101Aの先端部101aをロール紙本体101から剥離するセパレータ102は、図2に示すように前述した二つの従動ローラ12,12の両側に配置された三個の部分セパレータ102A,102B,102Cによって構成されている。
【0053】
この三個の部分セパレータ102A,102B,102Cは、前述したローラ支軸12Aに回転自在に保持され、その先端部102a,102b,102cがそれぞれ前述したように駆動ローラ11と従動ローラ12との間の空間に配設されている。ここで、部分セパレータ102A,102B,102Cの先端部102a,102b,102cは、その先端縁を結ぶ線分が前述したロール紙101Aの先端部101aに向かって全体的に円弧を描くように膨出した形状となっている。
【0054】
このため、ロール紙101Aの先端部101aのロール紙本体101からの剥離工程に入ると、先ず中央部の部分セパレータ102Bの先端縁が楔効果でロール紙101Aの先端部101aを剥離する状態に入り、その後に連続して両脇の二つの部分セパレータ102A,102Cの先端部102a,102cがの先端縁が楔効果でロール紙101Aの先端部101aを剥離する状態に入る。このため、ロール紙101Aの先端部101aに対するセパレータ102の剥離工程は全体的に円滑に順次実行される。
【0055】
(ガイドアーム及びその駆動機構について)
更に、前述したロール紙用開閉カバー32の図1における右下部分(ホッパ部4側)は、ロール紙本体101の搬入を円滑に且つ迅速に実行するため、開放された状態(ロール紙用開閉カバー32が切除された状態)となっている。そして、この開放領域には、ロール紙本体101の搬入を円滑に実行するための二本のガイドアーム37A,37Bが所定間隔を隔てて配設されている。
【0056】
この各ガイドアーム37A,37Bは、一端部がそれぞれ前述した駆動支軸11Aに起伏回動自在に保持され、他端部(図2の右方向端部)が前述した開放領域を塞ぐように延設され搬入したロール紙本体101を保持するように設定されている。
【0057】
このガイドアーム37A,37Bは、前述したロール紙用開閉カバー32の開閉動作に連動して起伏回動可能に構成されている。
又、図1において、符号38はガイドアーム駆動機構を示す。このガイドアーム駆動機構38は、開閉カバー駆動機構36に付勢されて作動する原動プーリ39Aを備えたベルト機構39と、このベルト機構39の従動プーリ39Bと同軸上に装備されたアーム側従動ギヤ機構40とにより構成されている。
【0058】
この内、ベルト機構39の原動プーリ39Aには当該原動プーリ39Aと同軸上に当該原動プーリ39Aと一体化されたプーリ側伝達ギヤー39aが装備されている。そして、このプーリ側伝達ギヤー39aが前述した開閉カバー側従動ギヤー36Bbに、噛合され、これによって、このプーリ側伝達ギヤー39aを介して前述した開閉カバー駆動機構36の回転力がベルト機構39に伝達されるようになっている。
【0059】
又、ベルト機構39の従動プーリ39Bは、前述した駆動支軸11Aの図1における右側方向の所定位置に図2に示すように配置されている。
そして、このベルト機構39の従動プーリ39Bの支軸39Bb上に2個の伝達ギヤー40A(40B)が前記ガイドアーム37A,37Bに対応して装備され、この伝達ギヤー40A(40B)の回転力がアイドルギヤー40C(40D)を介して駆動支軸11Aに回転自在に装備されたアーム側従動ギヤー40E,40F(図2参照)に伝達されるように構成されている。
更に、このアーム側従動ギヤー40E,40Fは、それぞれ前述した駆動支軸11Aに回転自在に装備されたガイドアーム37A,37Bに一体的に固着装備されている。
【0060】
これにより、前述した開閉カバー駆動機構36の駆動力がベルト機構39等を介してガイドアーム37A,37Bに伝達され、ロール紙用開閉カバー32の開閉動作に連動してガイドアーム37A,37Bが起伏回動し得るようになっている。そして、上記ベルト機構39の従動プーリ39Bと同軸上に2個の伝達ギヤー40A(40B)と、アイドルギヤー40C(40D)と、アーム側従動ギヤー40E,40Fとによって、前述したアーム側従動ギヤ機構40が構成されている。
【0061】
ここで、上述したベルト機構39およびこのベルト機構39により駆動されるアーム側従動ギヤ機構40は、何れもその支軸の両端部が前述した装置本体2の側板部分に保持され、これによって上述した連結状態を維持し得るようになっている。
【0062】
そして、本実施形態では図1に示すように、開閉カバー駆動機構36の動作(A方向:開く方向)に連動してガイドアーム駆動機構38が作動してガイドアーム37A,37Bを開く方向(B方向)へ回転制御する。これによって、前述したようにロール紙本体101が円滑に搬入されるようになっている。
【0063】
(フィードローラについて)
ロール紙本体101から剥離されたロール紙101Aの送り出し方向であるセパレータ102A〜102Cの下流側には、ロール紙本体101から剥離されたロール紙101Aを従動ローラ12,12と共働して図1の左方向に存在する(画像形成出力部に)搬送するフィードローラ13(13A,13B)が配設されている。このフィードローラ13は、フィードローラ用モータ13Mにより駆動される(図4)。
【0064】
ここで、駆動ローラ11,11からセパレータ102A〜102Cを介してフィードローラ13(13A,13B)に至る経路には、ロール紙本体101から剥離されたロール紙101Aを案内するガイド板51,52が配設されている。このガイド板51,52により、ロール紙送出通路60が構成されている。
【0065】
(動作制御)
図4に、用紙送り出し装置10の制御ブロック図を示す。
この図4において、用紙送り出し装置10は、各動作機構が駆動制御部20によって制御される。この駆動制御部20は、ホッパ装置4の送りレバー機構4Bを駆動する送りレバー用モータ5、開閉カバー駆動機構36の開閉カバー駆動モータ36A、駆動ローラ11用の駆動モータ(駆動手段)14、およびフィードローラ用モータ13Mを駆動制御する。
【0066】
これらの各モータ5,36A,14,および13Mは、入力部20Aを介して予め入力されROM20Bに格納されたプログラムとRAM20Cに格納された制御データとに基づいてその制御動作が実行されるようになっている。また、この駆動制御部20は、ホッパ装置4から装置本体2内に供給されるロール紙本体101を検出するロール紙本体検出センサ21及びロール紙本体101から剥離され送り出されたロール紙101Aの先端部分を検出するロール紙先端検出センサとしてのフィードセンサ22からの信号に基づいて作動し、対応する各部の動作を予め設定されたプログラムに従って制御する機能を備えている。
【0067】
ロール紙本体検出センサ21は、例えば図3に示すように透過式の光センサが使用されている。このセンサ21は、図1の左端部に位置するロール紙用固定カバー31上に配設された投光部21Aと、二本のガイドアーム37A,37B側に位置するロール紙用固定カバー31上に配設された受光部21Bとから構成される。
【0068】
また、フィードセンサ22は、フィードローラ13のロール用紙送り出し側に配置され且つロール用紙送出通路60を挟んで装備された投光部22Aと受光部22Bとにより構成されている。
そして、これらの各光センサ21,22の各投光部21A,22Aから出力される光ビームとしては、本実施形態ではロール紙を感光することのない波長の光、例えば赤外光が使用されている。
【0069】
尚、上記ロール紙先端検出センサ22に代えて、セパレータ102A〜102Cによって剥離されたロール紙が接触したときの圧力を検出する圧力センサをセパレータ102A〜102Cの先端部に装着しておき、この圧力センサを用いてロール紙の先端部分を検出するように構成してもよい。
【0070】
(全体動作)
次に、図4,図5に基づいて、上記ホッパ装置4および用紙送り出し装置10の全体の動作について説明する。
【0071】
先ず、駆動制御部20は、プログラムメモリ20Aに記憶された制御プログラムに従ってロール紙本体検出センサ21の投光部21Aを制御し、受光部21Bに向けて光ビームを発信させる。ロール紙本体101が搬入されてローラ11,12上に有る場合は、投光部21Aから出力された光ビームがロール紙本体101によって遮断されるため、受光部21Bは光ビームを受光することができない。この場合、駆動制御部20は、ロール紙本体101の存在を検出し(ステップS101)、ホッパ装置4の送りレバー用モータ5を停止制御する(ステップS102)。
【0072】
一方、受光部21Bが投光部21Aからのビームを受光した場合、駆動制御部20は、用紙送り出し装置10にロール紙本体101が無いものと判断し、開閉カバー駆動モータ36Aを制御して、ロール紙用開閉カバー32を図1の状態からA方向に回動させる。具体的には、開閉カバー駆動モータ36Aが駆動されると、その回転力が駆動側ギヤー機構36Bおよびガイドアーム駆動機構38に伝達される。このため、駆動側ギヤー機構36Bの一部を成す開閉カバー側従動ギヤー36Bbの回転動作と共に一体となってロール紙用開閉カバー32がA方向に回動する。
同時に、ガイドアーム駆動機構38が作動してガイドアーム37A,37Bを図1のC方向(ロール紙本体101の搬入路を開く方向)に回動させ、これによってホッパ装置14側に開口通路部が設定される(ステップS103)。
【0073】
また、ロール紙用開閉カバー32のA方向への回動に伴い、当該ロール紙用開閉カバー32の前記側板アーム32B,32Cが図示しない係止手段で前述したロール抑え機構33のロール抑えアーム33B,33Cに設けられたガイドピン34a,34bを係止してロール抑えアーム33B,33Cを立ち上がり方向に回動させ、前述したロール紙用固定カバー31の半円筒状の固定カバー本体部31Aの位置まで移動する(図3)。
【0074】
そして、ロール紙用開閉カバー32のA方向への回動およびガイドアーム37A,37Bを図1のC方向への回動によりロール紙本体101の搬入路が設定されると、駆動制御部20は、送りレバー用モータ4Cを制御し、ホッパ装置4の送りレバー4Bをa方向に回動させる。これにより、ホッパ装置4のホルダ4Aに保持されているロール紙本体101は、送りレバー4Bにより用紙送り出し装置10内へ供給される(ステップS104)。
【0075】
次に、駆動制御部20は、ロール紙本体検出センサ21を制御し、用紙送り出し装置10内にロール紙本体101が供給されたか否かを確認する。この場合、受光部21Bが投光部21Aからのビームを検出すると、駆動制御部20は、ロール紙本体101が用紙送り出し装置10に正しく供給されていないものと判断し(ステップS105)、ロール紙本体101の供給ミスに対する搬入し直しの指令を、外部へ発信する(ステップS106)。
【0076】
一方、駆動制御部20は、受光部21Bがビームを受光しない場合にはロール紙本体101が用紙送り出し装置10に正しく供給されたものと判断し、開閉カバー駆動モータ36Aを制御してロール紙用開閉カバー32を図3の状態からB方向に回動させ、図6の閉じた状態とする。
この場合、開閉カバー駆動モータ36Aによるロール紙用開閉カバー32のB方向への回動は、前述したA方向の回動とは逆方向となり、従って、前回の場合とは逆にガイドアーム駆動機構38を介してガイドアーム37A,37Bが逆のD方向に回動し、これにより、ホッパ装置4側の開口部が閉塞される(ステップS107)。
【0077】
この場合、ロール紙抑え機構33のロール紙抑えアーム33B,33Cは、ガイドピン33e、33fからロール紙用開閉カバー32の側板アーム32B,32Cが離間するため、自重によって支軸33Aを中心としてH方向に回動し、ロール紙本体101の外周部に当接し、ロール紙抑えアーム33B,33Cの自重によってロール紙本体101はその微動回転および記録紙の弛みが抑制される。
【0078】
用紙送り出し装置10内にロール紙本体12が供給されると、駆動制御部20は、駆動ローラ11用の駆動モータ14を制御し、ロール紙本体101からロール紙101Aの先端部101aを剥離して画像形成出力部側に送り出す処理を開始する。
【0079】
まず、記録紙であるロール紙101Aが巻回されたロール紙本体101が駆動ローラ11および従動ローラ12上に搬入されると、これを予め装備されたロール紙本体検出センサ21が検出してロール紙搬入検出信号を出力する(ロール紙本体検出工程)、
【0080】
次に、このロール紙本体検出センサ21からの信号を受けて駆動制御部20が作動し、前述したようにロール紙本体101を駆動して当該ロール紙本体101に対する初期始動制御および始動時回転制御を予め設定された手順に従って順次実行する(初期始動制御工程、始動時回転制御工程)。
【0081】
そして、この内の始動時回転制御工程の実行中に予め装備されたセパレータ102(102A〜102C)が前述したロール紙本体101に巻回されたロール紙101Aの先端部101aをロール紙本体101から分離して外部へ送り出すように案内する。
ここで、ロール紙本体101に対する駆動制御部20による前述した初期始動の制御内容は、駆動ローラ11上にロール紙本体101がセットされた場合に稼働して当該ロール紙本体101を用紙巻き取り方向に一定量回転させる構成とした。
【0082】
これにより、搬入工程等でロール紙本体101の先端部101a若しくはそれに連なるロール紙部分に生じた弛みはこのロール紙巻き取りを内容とする初期始動制御工程で確実に取り除かれる。
【0083】
更に、上記初期始動制御工程に続いて実行される駆動制御部20によるロール紙本体101の始動時回転制御工程は、以下の如く実行される。
【0084】
即ち、まず、ロール紙本体101を用紙巻き取り方向である逆回転方向へ一定量回転させる一次始動制御を実行し、その後に当該ロール紙本体101を停止制御し、しかる後、当該ロール紙本体101を用紙送り出し方向である正回転方向へ一定量回転駆動する二次始動制御を実行するようにした。そして、この場合、上記一次,二次の各始動制御に際しては、当該二次始動制御における正回転方向への回転量を、前記一次始動制御における逆回転方向への回転量よりも、予め大きく設定した。
【0085】
これにより、ロール紙101Aの先端部101aが周囲の部材に引っ掛かっている場合でも一次始動制御の逆転始動と二次始動制御の正転始動とが有効に機能してロール紙101Aの先端部101aを矯正しつつ円滑に外部出力することが可能となった。
【0086】
ここで、上述した駆動制御部20によるロール紙本体101に対する始動時回転制御に際しては、ロール紙本体101の回転方向が用紙送り出し方向である前記二次始動制御の場合には、当該始動後に成される停止制御時の減速度の絶対値を、前記二次始動制御時の加速度の絶対値よりも予め小さく設定し、これを駆動制御部20が実行する構成とした。これにより、正転から逆転に移る途中の停止工程では穏やかな停止制御を実現することができ、これにより用紙の弛みの発生を有効に排除しつつロール紙送り出しの正転状態をそのまま有効に維持することができる。
【0087】
一方、上述した駆動制御部20によるロール紙本体101に対する始動時回転制御に際しては、ロール紙本体101の回転方向が用紙巻き取り方向(逆転方向)である前記一次始動制御の場合には、当該一次始動制御時の加速度の絶対値を、当該始動後に成される停止制御時の減速度の絶対値よりも予め小さく設定し、これを駆動制御部20が実行する構成とした。
【0088】
これにより、逆転の開始に際してはゆっくりした逆転動作が開始される(穏やかな加速制御の実現)ことから、仮に弛みが発生していてもこれをゆっくりと巻き取ることにより先端部の弛みを有効に排除することが可能となる。
【0089】
上記動作手順を、更に具体的に説明する。
駆動制御部20は、駆動ローラ11用の駆動モータ14を制御し、駆動ローラ11,11の回転を図6の時計方向に小さい加速度で開始させる(ステップS108)。駆動ローラ11,11が時計方向に回転すると、駆動ローラ11,11に外周部が当接するロール紙本体101がロール紙101Aの巻き取り方向である図6のA方向に回転する。
次いで、駆動制御部20は、ロール紙本体101が巻き取り方向に一定量回転した後、駆動ローラ11,11の回転を回転開始のときの加速度よりも絶対値が大きい減速度で急速に減速させて停止させる(ステップS109)。
【0090】
この場合、ステップS108において、ロール紙本体101は、駆動ローラ11,11によって巻き取り方向に緩やかに回転を開始するため、ロール紙本体101に巻き緩みが生じることはない。また、ステップS109において、駆動ローラ11,11の回転が急速に停止したとき、ロール紙本体101が慣性力により巻き取り方向に回転を継続しようとするため、ロール紙本体101に摺接する駆動ローラ11,11によってロール紙本体101が巻き締められることになる。
【0091】
次いで、駆動制御部20は、再び駆動モータ14を制御し、駆動ローラ11,11の回転を図6の反時計方向に大きい加速度で開始させる(ステップS110)。駆動ローラ11,11が反時計方向に回転すると、ロール紙本体101がロール紙101Aの送り出し方向である図6のB方向に回転する。次いで、駆動制御部20は、ロール紙本体101が送り出し方向に一定量回転した後、駆動ローラ11,11の回転を回転開始のときの加速度よりも絶対値が小さい減速度で緩やかに減速させて停止させる(ステップS111)。
【0092】
この場合、ステップS110において、ロール紙本体101には、駆動ローラ11,11によって送り出し方向に急速に回転力が付与されるが、ロール紙本体101は慣性力により停止状態を維持しようとするため、外周部のロール紙101Aのロール紙本体101に対する密着状態が駆動ローラ11,11によって好適に解除される。また、ステップS111において、駆動ローラ11,11が緩やかに回転を停止するため、駆動ローラ11,11の停止時においてロール紙本体101に巻き緩みが生じることがない。
【0093】
ここで、ステップS110において、ロール紙本体101のロール紙101Aの送り出し方向に対する回転量を、ステップS108におけるロール紙本体101の巻き取り方向に対する回転量よりも大きく設定することにより、ステップS110の動作でロール紙101Aの先端部分101aがセパレータ102A〜102C側に移動する。
【0094】
ロール紙102の先端部分101aがセパレータ102A〜102Cのテーパ状の先端部に到達すると、当該先端部101aがロール紙本体101と外周部のロール紙101Aとの間に挿入され、ロール紙101Aがロール紙本体101から剥離される。この場合、ロール紙本体101は、ロール紙抑えアーム33B,33Cによってセパレータ102a〜102c側に押圧保持されていると共に、巻き緩みのない状態に調整されているため、セパレータ102A〜102Cの先端部がロール紙本体101に押圧され、ロール紙101Aがロール紙本体101から確実に剥離される。
【0095】
セパレータ102A〜102Cによりロール紙本体101から剥離されたロール紙101Aは、ロール紙ガイド板51,52によりガイドされた状態でフィードローラ13側に徐々に移動する。即ち、ロール紙本体101の送り出し方向に対する回転量が巻き取り方向に対する回転量よりも大きく設定されているため、ステップS108〜S111の動作を繰り返すことにより、ロール紙がフィードローラ78側に徐々に移動する。
【0096】
そして、ロール紙101Aの先端部分101aがフィードローラ13を通過してロール紙検出センサであるフィードセンサ22により検出されると(ステップS112)、駆動制御部20は、駆動モータ14をロール紙本体101の送り出し方向に連続的に回転させると共に、フィードローラ用モータ13Mを制御してフィードローラ13を回転させ、ロール紙101Aを図示しない画像形成出力部に搬送供給する(ステップS113)。
【0097】
ここで、上述した各動作におけるステップ又工程については、その制御にかかる実行内容をプログラム化し、これを前述した駆動制御部20が備えているコンピュータに実行させるように構成してもよい。
【0098】
以上のように、ロール紙本体101を巻き取り方向に所定量回転させる動作によって巻き弛みを除去した後、送り出し方向に所定量回転させてロール紙を剥離させる動作を繰り返すことにより、ロール紙101Aがロール紙本体101から浮き上がることがなく、セパレータ102A〜102Cによってロール紙101Aの先端部分101aをロール紙本体101から確実に剥離して画像形成出力部に送り出すことができる。
【0099】
また、ロール紙101Aのセパレータ102A〜102C側への一度の移動量を所定量以内に制限しているため、ロール紙101Aの先端部分101aがセパレータ102A〜102Cに当ったとしても、先端部分が損傷し或いは蛇腹状に折れ曲がってしまうことはない。従って、ロール紙101Aを無駄にすることなく、ロール紙101Aの剥離動作を繰り返すことで先端部分101aをロール紙本体101から有効に剥離することができる。
【0100】
尚、上述した実施形態では、ロール紙本体101の送り出し方向への一度の移動量を巻き取り方向への一度の移動量よりも大きく設定することにより、ロール紙本体101を送り出し方向に徐々に回転させ、ロール紙の先端部分をセパレータ102A〜102C側に移動させて剥離させているが、これに対して、ロール紙本体101の送り出し方向への一度の移動量を巻き取り方向への一度の移動量よりも小さく設定することで、ロール紙本体101を巻き取り方向に徐々に回転させ、ロール紙の先端部分をセパレータ102A〜102C側に移動させて剥離させるようにしてもよい。
【0101】
この場合、セパレータ102A〜102Cに装着した圧力センサ102Pがロール紙の先端部分を検出した後、ロール紙本体101を送り出し方向に連続的に回転制御することにより、ロール紙101Aを画像形成出力部に送り出すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0102】
ロール紙の需要が多い中で、始動時に発生する用紙のジャム化の発生がしばしば生じている。このため、ロール紙を使用している各種記録機器には、有効な手法として常用される可能性の高い手法と思われます。
【符号の説明】
【0103】
4 ホッパ装置
4B 送りレバー機構
10 用紙送り出し装置
11 駆動ローラ
12 従動ローラ
13 フィードローラ
13M フィードローラ用モータ
14 駆動モータ(回転駆動手段)
20 駆動制御部
21 ロール紙本体検出センサ(ロール紙検出センサ)
22 フィードセンサ
101 ロール紙本体
101A ロール紙(記録紙)
101a ロール紙先端部
102(102A,102B,102C) セパレータ
102a,102b,102c セパレータの先端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録紙がロール状に巻回されたロール紙本体をその外周部で回転駆動し前記記録紙を外部に送り出す駆動ローラと、前記ロール紙本体の用紙先端部を当該ロール紙本体から剥離して送り出すセパレータと、このセパレータによって前記ロール紙本体から剥離されたロール紙を外部に向けて送り出す一対のフィードローラと、前記駆動ローラを回転駆動する回転駆動手段と、これら各構成部分を保持する装置本体とを備え、
前記回転駆動手段に、当該回転駆動手段の回転動作を可変制御する駆動制御部を併設して成るロール紙送り出し装置において、
前記駆動制御部が、前記ロール紙送り出し時に作動し前記駆動手段および駆動ローラを介して前記ロール紙本体を回転制御して当該ロール紙本体を用紙巻き取り方向へ一定量回転させる一次始動制御の実行後に停止制御を実行しその後に当該ロール紙本体を用紙送り出し方向へ一定量回転制御する二次始動制御を実行する始動時回転制御機能と、この始動時回転制御機能の実行に際しては前記二次始動制御による用紙送り出し方向への回転量を前記一次始動制御による用紙巻き取り方向への回転量よりも大きく設定する始動時回転量設定機能とを備えていることを特徴としたロール紙送り出し装置。
【請求項2】
請求項1に記載のロール紙送り出し装置において、
前記駆動制御部の前記始動時回転制御機能は、前記ロール紙本体の回転方向が用紙送り出し方向である前記二次始動制御の場合には、当該始動後に成される停止制御時の減速度の絶対値を、前記二次始動制御時の加速度の絶対値よりも予め小さく設定制御する機能を備えていることを特徴としたロール紙送り出し装置。
【請求項3】
請求項2に記載のロール紙送り出し装置において、
前記駆動制御部における前記始動時回転制御機能は、前記ロール紙本体の回転方向が用紙巻き取り方向である前記一次始動制御の場合には、当該一次始動制御時の加速度の絶対値を、当該始動後に成される停止制御時の減速度の絶対値よりも予め小さく設定制御する機能を備えていることを特徴としたロール紙送り出し装置。
【請求項4】
請求項3に記載のロール紙送り出し装置において、
前記駆動制御部は、前記駆動ローラ上にロール紙本体が搬入された場合に前記始動時回転制御機能に優先して作動し当該ロール紙本体を用紙巻き取り方向に一定量回転させる初期始動回転制御機能を備えていることを特徴としたロール紙送り出し装置。
【請求項5】
請求項4に記載のロール紙送り出し装置において、
前記装置本体に、前記ロール紙本体の存在を常時捕捉するロール紙検出センサを装備すると共に、このロール紙検出センサによって前記ロール紙本体の搬入が検知された場合に、前記駆動制御部が前記初期始動回転制御機能を稼働させる構成としたことを特徴とするロール紙送り出し装置。
【請求項6】
請求項1に記載のロール紙送り出し装置において、
前記ロール紙本体を、その下端部で前記駆動ローラとこの駆動ローラに対応して当該駆動ローラの下流側に配置された従動ローラとによって保持する構成とし、
この駆動ローラと従動ローラとの間に、前記セパレータの用紙分離用先端部を配設すると共に、当該用紙分離用先端部を前記ロール紙本体に常時当接した状態に設定したことを特徴とするロール紙送り出し装置。
【請求項7】
請求項5に記載のロール紙送り出し装置において、
前記装置本体に前記ロール紙本体からロール紙が送り出された場合にこれを検知するフィードセンサを装備し、
前記駆動制御部は、前記フィードセンサからの信号に基づいて作動し前記始動時回転制御機能(第1の回転制御機能)の稼働を停止すると共に前記駆動手段を介して前記駆動ローラの回転制御を通常のロール紙送り出し動作に切り替える制御動作切り替え機能を備えていることを特徴としたロール紙送り出し装置。
【請求項8】
記録紙が巻回されたロール紙本体が駆動ローラおよび従動ローラ上に搬入されるとこれを予め装備されたロール紙検出センサが検出してロール紙搬入検出信号を出力し(ロール紙本体検出工程)、
このロール紙検出センサからの信号を受けて駆動制御部が作動して前記ロール紙本体を駆動し当該ロール紙本体に対する初期始動制御および始動時回転制御を予め設定された手順に従って順次実行し、
前記始動時回転制御の実行中に予め装備されたセパレータが前記ロール紙本体に巻回された記録紙の先端部を前記ロール紙本体から分離して外部へ送り出すように案内し、
前記ロール紙本体に対する前記駆動制御部による前記初期始動の制御内容を、前記駆動ローラ上にロール紙本体がセットされた場合に稼働して当該ロール紙本体を用紙巻き取り方向に一定量回転させる構成としたことを特徴とするロール紙送り出し方法。
【請求項9】
請求項8に記載のロール紙送り出し方法において、
前記駆動制御部による前記ロール紙本体の始動時回転制御における実行手順を、
前記ロール紙本体を用紙巻き取り方向である逆回転方向へ一定量回転させる一次始動制御を実行し、その後に当該ロール紙本体を停止制御し、しかる後、当該ロール紙本体を用紙送り出し方向である正回転方向へ一定量回転駆動する二次始動制御を実行するようにし、
前記一次,二次の各始動制御に際しては、前記二次始動制御における正回転方向への回転量を、予め前記二次始動制御における逆回転方向への回転量よりも予め大きく設定したことを特徴とするロール紙送り出し方法。
【請求項10】
請求項9に記載のロール紙送り出し方法において、
前記駆動制御部による前記ロール紙本体に対する始動時回転制御に際しては、前記ロール紙本体の回転方向が用紙送り出し方向である前記二次始動制御の場合には、当該始動後に成される停止制御時の減速度の絶対値を、前記二次始動制御時の加速度の絶対値よりも予め小さく設定し、
これを前記駆動制御部が実行する構成としたことを特徴とするロール紙送り出し方法。
【請求項11】
請求項9に記載のロール紙送り出し方法において、
前記駆動制御部による前記ロール紙本体に対する始動時回転制御に際しては、前記ロール紙本体の回転方向が用紙巻き取り方向である前記一次始動制御の場合には、当該一次始動制御時の加速度の絶対値を、当該始動後に成される停止制御時の減速度の絶対値よりも予め小さく設定し、
これを前記駆動制御部が実行する構成としたことを特徴とするロール紙送り出し方法。
【請求項12】
記録紙がロール状に巻回されたロール紙本体をその外周部で回転駆動し前記記録紙を外部に送り出す駆動ローラと、前記ロール紙本体の用紙先端部を当該ロール紙本体から分離して送り出すセパレータと、このセパレータによって前記ロール紙本体から分離されたロール紙を外部に向けて送り出す一対のフィードローラと、前記駆動ローラを回転駆動する回転駆動手段と、これら各構成部分を保持する装置本体と、前記回転駆動手段の回転動作を可変制御する駆動制御部とを備えて成るロール紙送り出し装置にあって、
前記ロール紙送り出し時に作動し前記駆動手段および駆動ローラを介して前記ロール紙本体を回転制御して当該ロール紙本体を用紙巻き取り方向へ一定量回転させる一次始動制御の実行後に停止制御を実行し、その後に当該ロール紙本体を用紙送り出し方向へ一定量回転制御する二次始動制御を実行する始動時回転制御機能、
及びこの始動時回転制御機能の実行に際しては前記二次始動制御による用紙送り出し方向への回転量を前記一次始動制御による用紙巻き取り方向への回転量よりも大きく設定する始動時回転量設定機能、
を前記駆動制御部が備えているコンピュータに実行させるようにしたことを特徴とするロール紙用送出動作制御プログラム。
【請求項13】
請求項12に記載のロール紙用先端分離送出動作制御プログラムにおいて、
前記駆動制御部による前記駆動ローラに対する始動制御及び停止制御に際しては、前記ロール紙本体の回転方向が用紙送り出し方向である前記二次始動制御の場合には、当該始動後に成される停止制御時の減速度の絶対値を、前記二次始動制御時の加速度の絶対値よりも予め小さく設定し、これを前記駆動制御部が備えているコンピュータに実行させるようにしたことを特徴とするロール紙用送出動作制御プログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のロール紙用送出動作制御プログラムにおいて、
前記駆動制御部による前記駆動ローラに対する始動制御及び停止制御に際しては、前記ロール紙本体の回転方向が用紙巻き取り方向である前記一次始動制御の場合には、当該一次始動制御時の加速度の絶対値を、当該始動後に成される停止制御時の減速度の絶対値よりも予め小さく設定しておくと共に、これを前記駆動制御部が備えているコンピュータに実行させるようにしたことを特徴とするロール紙用送出動作制御プログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のロール紙用送出動作制御プログラムにおいて、
前記駆動ローラ上にロール紙本体が搬入され設置された場合に作動して当該ロール紙本体を用紙巻き取り方向に一定量回転させる初期始動回転制御機能を設け、これを前記駆動制御部が備えているコンピュータに実行させるようにしたことを特徴とするロール紙用送出動作制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−215384(P2010−215384A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−66079(P2009−66079)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(000168285)エヌイーシーコンピュータテクノ株式会社 (572)
【Fターム(参考)】