説明

ワイドチャンネル無線通信のための装置、方法、及び記憶媒体

【課題】デバイスが同時に複数の20MHzチャンネルを使用して、他のネットワークデバイスと通信を行う方法を提供する。
【解決手段】第1無線通信デバイスは、少なくとも1つの受信機を介して、第2無線通信デバイスから、第1無線通信デバイスが次の送信で使用可能な割り当てられた複数のチャンネルを規定する情報を含む第1通信を受信し、割り当てられた複数のチャンネルのから、第1送信のために、特定の複数のチャンネルを選択し、選択された複数のチャンネルをビットマップで示し、少なくとも1つの送信機を介して、第1送信でビットマップを送信する

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
従来のネットワークでは、デバイスは、互いに複数のチャンネル上で通信を行い、複数のチャンネルそれぞれが、規定されたチャンネル幅を有する。例えば、ある規格では、一連の複数のチャンネルが規定されており、それぞれ次に隣接するチャンネルから20MHzの間隔で中心周波数を有する。各チャンネルの規定帯域幅は、およそ20MHzであり、デバイス間の無線通信に利用可能である。後の規格で規定されたチャンネル帯域幅は、40MHzとなっている。後方互換性を保つために、40MHzのチャンネル幅はそれぞれ、2つの隣接する20MHzを組み合わせて構成されている。20MHzプライマリチャンネル及び次に(又は前に)隣接するチャンネルを示すだけでよい場合に、40MHzを割り当てるというのは、ネットワーク管理者にとっては比較的簡単なことである。しかしながら、最近の提案では、チャンネル帯域を拡張して、80MHz、160MHz又は40MHzよりも大きい20MHzの倍数のその他のチャンネル幅を提供しようとしている。また、指示される複数の20MHzのチャンネルの中には、他の20MHzのチャンネルと隣接していない場合も存在する。このシナリオの場合、従来の20MHzのチャンネルを複数割り当てて、40MHzよりも大きいチャンネル帯域を達成するという方法は、適切でない。
【0002】
本発明の実施形態は、以下の詳細な説明、及び本発明の実施形態を描いた添付の図面を参照することにより理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【図1】本発明の一実施形態に係る無線ネットワークを示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る、何れのナローチャンネルを組み合わせてワイドチャンネルを構成するかを示す情報要素(IE)を示した図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る送信の一部を示した図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る送信の一部を示した図である。
【図5A】本発明の一実施形態に係る、割り当てられたナローチャンネルのうちの何れを、現在の送信に使用すべきかを示すビットマップのフォーマットを示した図である。
【図5B】本発明の一実施形態に係る、割り当てられたナローチャンネルのうちの何れを、現在の送信に使用すべきかを示すビットマップのフォーマットを示した図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る、割り当てられた複数のナローチャンネルのうちの何れを、現在の送信に使用すべきかを示すビットマップのフォーマットの別の例を示した図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る、図6に示したビットマップの変形型を示した図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る、現在の送信において何れのチャンネルを使用すべきかを示すビットマップの別のフォーマットを示した図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る、図8のビットマップをより詳細に示した図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る、現在の送信において何れのチャンネルを使用すべきかを示すビットマップの別のフォーマットを示した図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る、次の通信のためのチャンネル割り当て及び選択を行う方法を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0004】
以下の説明では、数多くの詳細事項が記載される。しかしながら、これらの詳細事項がなくとも、本発明の実施形態を実施可能であることは明らかである。また、また、本明細書の記載の理解を不明瞭にしない目的から、周知の回路、構造及び技術の詳細な説明を省略している。
【0005】
また、"一実施形態"、"ある実施形態"、"例示的実施形態"、"様々な実施形態"等の言葉は、少なくとも本発明の実施形態が、実施形態に関連した特定の特徴、構造又は特性を含むことを示唆するが、必ずしも全ての実施形態が、これら特定の特徴、構造及び特性を含むことを意味しない。また、ある実施形態は、他の実施形態で記載された特徴の全てを有していてもよいし、全く有していなくてもよい。
【0006】
以下に記載の説明及び特許請求の範囲において、"連結(coupled)"及び"接続(connected)"という言葉、並びにこれらの派生語が使用されることがある。この2つの言葉は、同義語として使用されているのではない。特定の実施形態において、"接続"は、2つ又は2つ以上の要素が物理的に又は電気的に直接互いに接触していることを指すのに使用されている。一方、"連結"は、2つ以上の要素が、互いに協動又は相互作用していることを指すのに使用され、これら2つ以上の要素の間に物理的又は電気的要素が介在している場合も介在していない場合も含む。
【0007】
また、特許請求の範囲において、共通の要素に使用される序数詞"第1の"、"第2の"、"第3の"等は、特に記載がない限り、単に同類の要素の異なる例を示しているに過ぎず、当該要素の時間的な若しくは空間的な順序、又は序列等における順番を示しているわけではない。
【0008】
本発明の様々な実施形態が、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及びこれらの組み合わせにより実装可能である。 また、本発明は、コンピュータ可読媒体に含まれる命令として実装可能であり、当該命令は、明細書に記載のオペレーションを実行可能にする一つ以上のプロセッサによって、読み出され、実行される。コンピュータ可読メディアとしては、1つ以上のコンピュータが可読な形式で情報を蓄積するあらゆる装置が含まれる。そのようなコンピュータ可読媒体としては、これらに限定されないが、例えば、リード・オンリー・メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光学式記憶媒体、フラッシュメモリ装置等の有形の記憶媒体が含まれる。
【0009】
"無線(wireless)"という言葉は、非固体媒体を通して変調電磁放射を利用することによりデータ通信を行う回路、デバイス、システム、方法、手法、通信チャンネル等を表現するのに使用されている場合がある。この"無線"という言葉は、関連するデバイスが、電線を含んでいないということを暗に意味しているわけではない。無論、ある実施形態では、有していない場合もある。無線デバイスは、少なくとも1つのアンテナ、少なくとも1つの無線機、少なくとも1つのメモリ及び少なくとも1つのプロセッサを含んで構成されていてもよく、無線機は、データを表す信号をアンテナを通じて送信し、データを表す信号をアンテナを通じて受信する一方、プロセッサは、送信すべきデータ及び受信されたデータを処理してもよい。また、プロセッサは、送信又は受信されない他のデータを処理してもよい。
【0010】
本明細書で使用されている"ネットワークコントローラ"(NC)という言葉は、ネットワークにおける他のデバイスにより行われる無線通信を少なくとも一部、スケジュールする及び制御するデバイスを含むことを意図している。ネットワークコントローラは、また、基地局(BS)、アクセスポイント(AP)、中央ポイント(CP)、又はネットワークコントローラの機能を表現するのに必要なその他の用語としても、表現される。
【0011】
また、本明細書で使用されている"携帯デバイス"(MD)という言葉は、ネットワークコントローラにより無線通信の一部が少なくともスケジュールされる及び制御されるデバイスを含むことを意図している。携帯デバイスは、モバイルノード、STA、加入者局(SS)、ユーザー機器(UE)、又は携帯デバイスの機能を表現するのに必要なその他の用語としても、表現される。携帯デバイスは、多くの場合、通信を行っている間に移動するものであるが、必ず移動が必要であるということではない。
【0012】
また、本明細書で使用されている"ナロー(narrow:狭い)"チャンネルという言葉は、周波数スペクトルにおいて、予め規定された帯域を有したチャンネルでの無線通信を意味しており、反対に、"ワイド(wide:広い)"チャンネルという言葉は、これら複数のナローチャンネルの幾つかによって占有される周波数スペクトル部分の組み合わせを有するチャンネルを意味する。幾つかの実施形態では、これら複数のナローチャンネルは、必ずしも隣接している必要はない。すなわち、ワイドチャンネルに含まれる2つのナローチャンネルは、そのワイドチャンネルに含まれていない1以上のナローチャンネルによって互いに分離されていてもよい。説明を簡単にするため、以下の説明で頻出するナローチャンネルは、基本的には、20MHzの帯域を有するものとして記載されており、ワイドチャンネルは、基本的には、20MHzを整数倍した帯域を有するものとして記載されているが、別の実施形態では、20MHz以外の帯域を有するナローチャンネルを使用してもよい。また、本明細書で使用されている、"利用可能な"チャンネルとは、ネットワーク内で使用が許可されているチャンネルを意味する。許可されるチャンネルは、工業規格によって規定され、例えば、ネットワークにおける複数のデバイスによって集合的に使用するために、ネットワークコントローラによって定められる。本明細書で使用されている"割り当てられた"チャンネルという言葉は、特定の携帯デバイス(MD)が使用するためにネットワークコントローラ(NC)が規定した利用可能なチャンネルを意味し、NCにより時折、変更されてもよい。
【0013】
複数のナローチャンネルを組み合わせてワイドチャンネルを規定可能な無線通信ネットワークにおいて、本発明の様々な実施形態は、NCが、次のワイドチャンネル通信でMDが使用すべき複数のナローチャンネルをMDに示すことを可能にする。また、示したチャンネルのうち何れが次の通信において実際に使用されているかを特定する方法も実現する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る無線ネットワークを示している。ネットワーク100において、ネットワークコントローラ(NC)110が、それぞれアンテナ115及び125を通じて、無線で携帯デバイス120と通信を行っている様子が示されている。図示されているアンテナ115及び125は、使用されている技術に応じて、それぞれ単一のアンテナ又は複数のアンテナであってもよい。ネットワーク100には、1つの携帯デバイス(MD)125のみが示されているが、典型的なネットワークは、特定の期間の間にNCと通信する複数のMDを有する。
【0015】
図2は、本発明の一実施形態に係る、何れのナローチャンネルが組み合わせてワイドチャンネルを構成するかを示す情報要素(IE)を示した図である。IEEE802.11の類の様々な規格では、情報要素は、データストリームにおいて新しい情報が提供される柔軟な方法として使用されており、新たな種類の情報が組み込まれる度に基本的な通信プロトコルを書き換える必要がない。幾つかの実施形態において、IEは、MACフレーム本体に位置するが、他の実施形態では、別の場所に位置させてもよい。この特定のIEは、NCからMDへのより大きな送信に含めることもでき、次のワイドチャンネル通信でMDが使用すべき複数のナローチャンネルをMDに示す。図2は、IEにおける複数のフィールドの特定の配列を示しているが、他の配列を使用してもよい。幾つかの実施形態では、MDは、次のワイドチャンネル通信において、示された複数のナローチャンネルのうちの全てを使用するか、又はその一部を使用するか選択してもよい。
【0016】
IEは、IEが何れの種類であるかを示す(この例の場合、ワイドチャンネルにおいて何れのナローチャンネルを使用するかを示すIE)標準的なエレメント(Element)IDフィールドから始まり、次に続くビットストリームのどれだけの長さの部分がIE部分であるかを示す長さフィールドが続く。そして、非プライマリチャンネルが幾つ、このIEによって指示されるかが、次のフィールドで示される(図2では、3つ指示されている)。プライマリチャンネルとは、他のナローチャンネルが未知の時点に、デバイスが使用するナローチャンネルであり、ワイドチャンネル通信及びナローチャンネル通信の両方で使用可能である。したがって、非プライマリチャンネルは、残りの複数のナローチャンネルであり、プライマリチャンネルと組み合わせられて、IEが規定するワイドチャンネルを構成する。幾つかの実施形態では、プライマリチャンネルは、単独で又は非プライマリチャンネルと組み合わせて、通信で常に使用されてもよい。プライマリチャンネルは、本明細書の記載範囲外である手段を通じて特定され、予め規定されているものであってもよい。
【0017】
図示したIEの残りの部分は、複数の非プライマリチャンネルを特定する複数のチャンネル番号フィールドであり、それぞれ、規定された1つの特定の非プライマリチャンネルが示されている。IEは、規格クラスを示すフィールドをさらに含んでもよい。図示された例では、各チャンネル番号フィールドに対して、先に示され関連付けられる規格クラスフィールドが存在するが、他の実施形態ではこの限りではない(例えば、1つの規格クラスを、示される全てのナローチャンネルに使用してもよく、この場合、規格クラスを規定するフィールドは、1つでよい)。特に、規格クラスが、ナローチャンネルの帯域幅を規定してもよい。この構成は、全ての利用可能なナローチャンネル間で、ナローチャンネルの帯域幅が異なっている環境下では、特に有用である。図示した例では、IEは、プライマリチャンネルに関する情報を含まない(すでに既知のため)が、他の実施形態では、プライマリチャンネルに関する情報を含んでもよい。他の実施形態では、IEは、ここに示されていないその他の情報を含んでもよい。
【0018】
図3は、本発明の一実施形態に係る送信の一部を示した図である。説明のため、1つ目の通信では、4番目のプライマリチャンネルと組み合わせてワイドチャンネルで通信可能な3つの非プライマリナローチャンネルが特定されたとする。これら4つの20MHzのチャンネルは、4つの行で示されている。単純化のため、これらのナローチャンネルは連続していると仮定しているが、図を理解するためにこの仮定が必ずしも必要であるわけではない。
【0019】
図3に示すフォーマットは、大きな送信のプリアンブル部分であってもよい。送信の初めの時点では、受信デバイスは、送信デバイスが、どのナローチャンネルを使用する予定か知らない状態である。プリアンブルの受信を確実にするため、送信デバイスは、最初の数フィールドを、4つのナローチャンネル(プライマリチャンネルを含む)それぞれで、並列に送信してもよい。このようにすることにより、受信デバイスがどのナローチャンネルを監視していたとしても、これらのフィールドを正確に受信することができる。また、複数のナローチャンネルのうちの1つが干渉を受けてしまった場合、歪められてしまった場合、又は信号強度が弱められてしまった場合であっても、バックアップ信号を提供することができる。
【0020】
最初の2つのフィールドは、ショート・トレーニング・フィールド(STF)及びロング・トレーニング・フィールド(LTF)であり、受信デバイスが正確に信号を受信し同期するために必要なフィールドである。次の2つのフィールド(SIG)は、残りの送信がどのように指示されチャンネルを使用するかに関する情報を提供する。この例では、次に続く信号が、80MHzのワイドチャンネルに変調される予定であることが示されている。この新しい80MHzワイドチャンネルでも、トレーニングが繰り替えされる。示されたワイドチャンネルが、残りのパケット、フレーム、又はその他の通信に適用される単位についても引き続き使用されてもよい。図示されたフィールドで使用されている接頭文字のLはレガシープロトコルを、VHTは、高スループット(Very High Throughput)プロトコルを表しており、両方のプロトコルにより、古いレガシーデバイス及び新しい高速大量処理が可能なデバイスの両方に対応可能としている。しかしながら、システムの能力に応じて、図示されたプロコルとは異なるプロトコルが使用される場合もある。
【0021】
図4は、本発明の他の実施形態に係る送信の一部を示した図である。図3と図4の最も大きな違いは、送信デバイスが、割り当てられた4つのナローチャンネルのうち、2つのみを使用することを選択した点であり、この2つのナローチャンネルで通信を行う40MHzのワイドチャンネルを形成している。ここでは、プライマリチャンネル"P"(この例では、2番目のナローチャンネル)が、使用すると選択された2つのナローチャンネルに含まれている。
【0022】
図5A及び図5Bは、本発明の一実施形態に係る、割り当てられたナローチャンネルのうちの何れが、現在の送信に使用されるかを示すビットマップのフォーマットを示している。幾つかの実施形態では、ビットマップは、プリアンブルのVHT−SIGフィールド(例えば、図3及び図4に示すような)に位置するが、他の実施形態では、別の場所に位置していてもよい。NCが(例えば、図2に示したIEを使用して)、MDがワイドチャンネル送信においてどのナローチャンネルを使用するかを指定した後、MDは、このビットマップフォーマットを使用して、割り当てられた複数のチャンネルのうち、何れを現在の送信に使用するかを指定してもよい。同様に、NCとMDが情報を交換し、NCが、予め割り当てられた複数のチャンネルのうち何れを使用して、現在のMDへの送信を行うかを指定してもよい。
【0023】
複数のチャンネルの全てが連続しており、プライマリチャンネルが最も高い(又は最も低い)ナローチャンネルであると分かっている場合には、図5A及び図5Bのフォーマットは、どのナローチャンネルが組み合わせられて、ワイドチャンネルを形成するのかを示すコンパクトな方法を提供する。幅20MHzのナローチャンネルが示されているが、他のチャンネル幅を使用してもよい。
【0024】
ネットワークにおける最大のワイドチャンネル幅が80MHzである場合には、図5Aに示すように、送信デバイスによって使用されるチャンネルが20、40、60又は80MHzをカバーするか否かを指定するのに必要なビット数は、2つで足りる。このフォーマットでは、連続したチャンネルのみが指定されるので、プライマリチャンネル及び連続した非プライマリチャンネルの数を知るだけで、どのチャンネルかを規定することができる。図5Bに示すように、これを100、120、140又は160MHzにまで拡張するには、3ビットで十分である。さらなるビットを使用して、同様に、より広いワイドチャンネルに拡張してもよい。
【0025】
図6は、本発明の一実施形態に係る、割り当てられた複数のナローチャンネルのうちの何れを、現在の送信で使用すべきかを示すビットマップフォーマットの別の例を示した図である。このフォーマットでは、マップにおける各ビットは、特定のナローチャンネルを表す。例えば、ビットが1である場合、関連付けられたチャンネルが選択され、ビットの値が0である場合は、チャンネルが選択されていないことを示す(無論、反対の構成も考えられる)。この例では、24個のビットが、24個のナローチャンネルを表しており、各チャンネルには、36から165まで、4刻みの番号が付けられている。このようにチャンネルに番号を付す方法は、業界標準であるIEEE802.11の幾つかのバージョンでは、広く知られている。しかしながら、その他のビット番号及び他のチャンネル番号付け方法を、このフォーマットで使用してもよい。連続したチャンネルを必要条件としないことから、このフォーマットは非常に柔軟であり、スペクトルにおける全てのチャンネル(割り当てられていないものも含めて)を表現することができる。しかしながら、ある環境下では、各プリアンブル部において多くのビットを使用することが許容されない場合もある。
【0026】
図7は、本発明の一実施形態に係る、図6に示したビットマップの変形型を示したものである。図6と図7の違いは、図6では、各ビットが、現在の規格及び業界標準の下で許可されている複数のチャンネルのうちの1つと関連付けられているのに対し、図7では、各ビットは、NCによって予め割り当てられた複数のチャンネルのうちの1つと関連付けられている。例えば、図2に示した割り当てられた複数のチャンネルを使用した場合、図7の第1番目のビットは、図2のIEに示されている第1番目のチャンネル(チャンネル44)と関連付けられる。図7の第2番目のビット及び第3番目のビットは、IEに示されている第2番目のチャンネル及び第3番目のチャンネル(チャンネル149とチャンネル157)とそれぞれ関連付けられる。このように構成することにより、24ビットのビットマップを、3ビットのビットマップに低減することができ、プリンブルに占める割合を下げることができ、且つ、割り当てられたチャンネルの最大数を規定することも可能である。図5A及び図5Bのフォーマットとは異なり、図7のフォーマットは、複数チャンネルが連続している必要がない。
【0027】
初期の業界標準では、予め規定されたナローチャンネルが、20MHzの幅を有し、これら20MHzのチャンネルを組み合わせてオンザフライでワイドチャンネルを構築していた。しかしながら、40MHzの幅を有するチャンネルの使用が増え、隣接する20MHzチャンネルの特定のペアが、40MHzチャンネルとして予め規定されるようになってきた。例えば、40MHzチャンネルは、36/40、44/48、52/56、60/64、100/104、108/112、116/120、124/128、132/136、149/153、157/161といった、隣接する2つの20MHzチャンネルの組み合わせで構成されると、業界標準で予め規定されていてもよい。ある規格クラスでは、ナローチャンネルが40MHzの幅を有し、20MHzプライマリチャンネルの次に又は前に隣接しているかを規定してもよく、通信自体でこれらの規定を行うのではなく、図2のIEを、これらの情報を示すのに使用してもよい。この場合、予め規定される40MHzチャンネルそれぞれを、ビットマップにおける1つのビットで特定することが可能である。また、この場合、図5A、5B、6及び7に示したビットマップを、20MHzチャンネルそれぞれを40MHzチャンネルで置き換える、及び/又は20MHz帯域幅をそれぞれ40MHz帯域幅で置き換えることで、変更してもよい。
【0028】
あるネットワーク定義では、利用可能なチャンネルを複数のセグメントに分割し、各セグメントにおける選択されたチャンネルを個別に示してもよい。選択されたナローチャンネルは、20MHz、40MHz又はその他の幅といったように、予め定められた幅を有していてもよい。例えば、予め規定された20MHzチャンネル36、40、44及び48をセグメント1に配置し、チャンネル149、153、157及び161をセグメント2に配置してもよい。選択は、(図6及び図7のような)ビット−チャンネル対応関係、又は(図5A及び図5Bのような)全ビット値−全バンド幅対応関係で行ってもよい。無論、他の実施形態では、基本的なコンセプトの範囲内において、3つ以上のセグメント、及び/又は1つのセグメントにつき3つ以上のビットを使用してもよい。
【0029】
図8は、本発明の一実施形態に係る、現在の送信において何れのチャンネルが使用されるべきかを示すビットマップの別のフォーマットを示したものである。この例では、4ビットの入力値のうち、最初の2ビットが、セグメント1に選択されたチャンネルを示し、残りの2ビットが、セグメント2に選択されたチャンネルを示している。図8に示すように、最初の2ビットが、「00」の場合は、プライマリチャンネルのみを選択するようにしてもよく、「10」のの場合は、セグメント1におけるチャンネルの下位の40MHz(プライマリチャンネルを含む)を選択するようにしてもよく、「11」の場合は、セグメント1におけるチャンネルの80MHzの全てを選択するようにしてもよい。同様に、残りの2ビットが、「00」の場合は、セグメント2におけるチャンネルを全く選択せず、「01」の場合には、チャンネルの上位の40MHzを選択するようにしてもよく、「10」の場合は、チャンネルの下位の40MHzを選択してもよく、「11」の場合は、セグメント2におけるチャンネルの上位及び下位の40MHzの両方を選択して、合計80MHzを選択してもよい。この例では、ビットの「1」が、隣接する2つの20MHzチャンネルからなる40MHzのチャンネルを選択することを表している。
【0030】
図9は、本発明の一実施形態に係る、図8のビットマップをより詳細に示した図である。この例において、チャンネル36は、プライマリ20MHzチャンネルであり、チャンネル40、44及び48は、セグメント1における非プライマリ20MHzチャンネルを表し、チャンネル149、153、157及び161は、セグメント2における非プライマリ20MHzチャンネルを表している。図8に示したように、ビット「1」の場合は、隣接する2つの20MHzチャンネルの組み合わせ(36/40、44/48、149/153又は157/161)で40MHzを選択し、「0000」の場合は、20MHzプライマリチャンネルのみを選択する。
【0031】
図10は、本発明の一実施形態に係る、現在の送信においてどのチャンネルが使用されるべきかを示すビットマップの別のフォーマットを示したものである。上述したビットマップの入力値のほとんどが、次の2つの方法のうちのどちらか一方にしたがって、規定されている。(1)各ビットを、それぞれ特定のナローチャンネルに対応させる。(2)複数ビットの値を、連続したナローチャンネルのグループで構成される集合帯域幅に対応させる。別の方法では、ビットマップにおける複数ビット数の値を、非連続的であってあらゆる帯域幅を有する複数のチャンネルの、予め規定された特定の組み合わせに対応させてもよい。この場合、チャンネル及びチャンネル幅が予め規定されており、ビットマップによって規定する必要がないため、これらの因子の様々な組み合わせを、少ない数のビットの組み合わせによって表現することができる非常に柔軟性に優れた方法である。
【0032】
図10は、例を示している。例示された実施形態では、3つの単純なビット値で、チャンネルの8つの異なる組み合わせを表すことができる。これらのチャンネルは、様々な帯域幅を有し、異なるセグメントに配置され、連続又は非連続であってもよい。このような実施形態では、特定のビットと特定のチャンネルとの間の対応関係が予め規定されておらず、特定の値によって利用可能なチャンネルを幾つ表すことができるかという点について本質的な制限が存在しない。
【0033】
別の例として、各ビットが、予め定められた複数チャンネルの異なる組み合わせを表すようにしてもよく、複数のビット「1」を含む値は、2以上の予め定められた組み合わせからなるより大きな組み合わせを示すことになる。
【0034】
図11は、本発明の一実施形態に係る、次の通信のためのチャンネル割り当て及び選択を行う方法を示したフローチャートである。フローチャート1100には、互いに通信を行うNC及びMD両方の活動が示されている。1110において、NCは、次の通信で使用されると考えられる利用可能な複数のナローチャンネルのうち、特定の幾つかを割り当てるための情報を含むメッセージを送信してもよい。幾つかの実施形態では、このメッセージは、ビーコンであってもよいし、プローブ応答又は周辺レポートであってもよく、他の実施形態では異なる形式であってもよい。また、幾つかの実施形態において、この情報は、情報要素(IE)内に含まれていてもよく、IEは、様々な業界標準(例えば、IEEE802.11)において規定される。
【0035】
1115において、MDがメッセージを受信すると、MDは、次の通信で使用される割り当てられたチャンネルのリストを記録してもよい。NCへの送信準備ができると、1120において、MDは送信を構成し、1125において、MDが、割り当てられたチャンネルのうちから、この送信に使用するチャンネルを選択する。この選択は、様々な因子に基づいて行うことができるが、ここでは、詳細に記載しない。1130において、MDは、この送信に含めるべき要素についてのビットマップを生成し、このビットマップは、送信に選択されたチャンネルを示してもよい。幾つかの実施形態では、ビットマップは、送信のプリアンブル部におけるSIGフィールドに位置していてもよい。1135において、MDは、NCにメッセージを送信し、1140において、NCがこのメッセージを受信する。
【0036】
NCが、MDとの通信において、同じ割り当てられたチャンネルのリストを使用すると選択した場合は、MDが1120−1135で行ったのと同様なプロセスを、NCも1145−1160において実行する。1150において、NCは、MDが1125において選択したものと同じ又は異なるチャンネルを選択してもよい。NCが同じリストを選択し続ける限り、1115−1160において、同じ割り当てられたチャンネルのリストについて、上記の通信プロセスが継続される。しかしながら、NCが、割り当てられたチャンネルのリストを変更することを選択した場合は、1110に戻り、好適と考えられるメッセージの形態で情報を含む新たなリストをMDに送信する。
【0037】
ある実施形態では、NCは、NCが次のMDへの送信で使用するものとは異なる、割り当てられたチャンネルのリストをMDに送信してもよい(すなわち、NCからMDへの送信に使用されるリストは、MDからNCへの送信で使用されたリストとは異なる)。ある実施形態では、割り当てられたチャンネルのリストを、ピアツーピア通信が許されるような環境においては、MDと別のMDとの間の直接通信のために使用してもよい。
【0038】
上述の説明は、例示することを目的としており、限定することを意図していない。様々な改良が、当業者にとって明らかである。これらの改良も、本発明の様々な実施形態に含まれることを意図しており、本発明の実施形態は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサ、メモリ、及び少なくとも1つの受信機と少なくとも1つの送信機とを含む無線機を有する第1無線通信デバイスを備え、
前記第1無線通信デバイスは、
前記少なくとも1つの受信機を介して、第2無線通信デバイスから、前記第1無線通信デバイスが次の送信で使用可能な割り当てられた複数のチャンネルを規定する情報を含む第1通信を受信し、
前記割り当てられた複数のチャンネルのから、第1送信のために、特定の複数のチャンネルを選択し、
選択された複数のチャンネルをビットマップで示し、
前記少なくとも1つの送信機を介して、前記第1送信で前記ビットマップを送信する装置。
【請求項2】
前記第1送信のプリアンブル部分を、前記割り当てられた複数のチャンネルの全てで送信し、前記第1送信の本体は、前記選択された複数のチャンネルでのみ送信する請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記選択された複数のチャンネルは、連続した複数のチャンネルであって、前記ビットマップは、前記選択されたチャンネルの数を示す請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ビットマップは、前記割り当てられた複数のチャンネルのそれぞれと関連付けられた別個のビットを有し、前記ビットのそれぞれのステートは、関連付けられた前記割り当てられたチャンネルが、選択されたチャンネルであるかを示す請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ビットマップにおける複数ビットの集合からなる組み合わせのそれぞれは、選択された複数のチャンネルの予め定められた組み合わせを示す請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記ビットマップは、前記第1送信のプリアンブル部分に含まれる請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記情報は、前記第1通信における情報要素に含まれる請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記情報要素は、規格クラスを規定する少なくとも1つのフィールドを含む請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記情報要素は、チャンネル番号をそれぞれ規定する複数のチャンネル番号フィールド、及び規格クラスをそれぞれ規定する複数の規格クラスフィールドを含み、前記複数の規格クラスフィールドの各々は、特定の1つのチャンネル番号フィールドと関連付けられている請求項7に記載の装置。
【請求項10】
第1無線通信デバイスにより、第2無線通信デバイスから、次の送信において前記第1無線通信デバイスが使用可能な割り当てられた複数のチャンネルを規定する情報を含む第1通信を受信する段階と、
前記割り当てられた複数のチャンネルから、第1送信のために、特定の複数のチャンネルを選択する段階と、
選択された複数のチャンネルを、ビットマップで示す段階と、
前記第1送信で前記ビットマップを送信する段階とを備える方法。
【請求項11】
前記情報は、前記第1通信における情報要素に含まれる請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記情報要素は、チャンネル番号をそれぞれ規定する複数のチャンネル番号フィールド、及び規格クラスをそれぞれ規定する複数の規格クラスフィールドを含み、前記複数の規格クラスフィールドの各々は、特定の1つのチャンネル番号フィールドと関連付けられている請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1送信のプリアンブル部分は、前記割り当てられた複数のチャンネルの全てで送信され、前記第1送信の本体は、前記割り当てられた複数のチャンネルのうちの前記特定の複数のチャンネルでのみ送信される請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記選択された複数のチャンネルは、連続した複数のチャンネルであって、前記ビットマップは、前記選択されたチャンネルの数を示す請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記ビットマップは、前記割り当てられた複数のチャンネルのそれぞれと関連付けられた別個のビットを有し、前記ビットのそれぞれのステートは、関連付けられた前記割り当てられたチャンネルが、前記選択されたチャンネルであるかを示す請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記ビットマップにおける複数ビットの集合からなる組み合わせのそれぞれは、前記選択された複数のチャンネルの予め定められた組み合わせを示す請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記ビットマップは、前記第1送信のプリアンブル部分に含まれる請求項10に記載の方法。
【請求項18】
命令を含む有形のコンピュータ可読記憶媒体を備える物品であって、前記命令が1以上のプロセッサによって実行された場合に、
第1無線通信デバイスにより、第2無線通信デバイスから、次の送信において前記第1無線通信デバイスが使用可能な割り当てられた複数のチャンネルを規定する情報を含む第1通信を受信し、
前記割り当てられた複数のチャンネルから、第1送信のために、特定の複数のチャンネルを選択し、
選択された複数のチャンネルを、ビットマップで示し、及び
前記第1送信で前記ビットマップを送信するオペレーションが実行される物品。
【請求項19】
前記情報は、前記第1通信における情報要素に含まれる請求項18に記載の物品。
【請求項20】
前記情報要素は、規格クラスを規定する少なくとも1つのフィールドを含む請求項19に記載の物品。
【請求項21】
前記情報要素は、チャンネル番号をそれぞれ規定する複数のチャンネル番号フィールド、及び規格クラスをそれぞれ規定する複数の規格クラスフィールドを含み、前記複数の規格クラスフィールドの各々は、特定の1つのチャンネル番号フィールドと関連付けられている請求項19に記載の物品。
【請求項22】
前記選択された複数のチャンネルは、連続した複数のチャンネルであって、前記ビットマップは、前記選択されたチャンネルの数を示す請求項18に記載の物品。
【請求項23】
前記ビットマップは、前記割り当てられた複数のチャンネルのそれぞれと関連付けられた別個のビットを有し、前記ビットのそれぞれのステートは、関連付けられた前記割り当てられたチャンネルが、前記選択されたチャンネルであるかを示す請求項18に記載の物品。
【請求項24】
前記ビットマップにおける複数ビットの集合からなる組み合わせのそれぞれは、前記選択された複数のチャンネルの予め定められた組み合わせを示す請求項18に記載の物品。
【請求項25】
前記第1送信を送信するオペレーションは、前記ビットマップを前記第1送信のプリアンブル部分で送信する段階を含む請求項18に記載の物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−66223(P2013−66223A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−264391(P2012−264391)
【出願日】平成24年12月3日(2012.12.3)
【分割の表示】特願2011−24207(P2011−24207)の分割
【原出願日】平成23年2月7日(2011.2.7)
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)
【Fターム(参考)】