説明

ワイパアーム

【課題】重量及びコストの増加を抑制しつつ、ワイパの反転時に発生する反転音を低減させる。
【解決手段】本発明のワイパアーム10は、ピボット軸に一体回動可能に固定されるアームヘッド12と、リテーナ16及びアームピース18を有して構成されたアーム部材14とを備えている。アーム部材14には、リテーナ16とアームピース18との境界部28に断面急変部30が形成されていることに加え、断面急変部30と基端側との長手方向中間部に脆弱部としての切欠部32が形成されている。この構成によれば、切欠部32の追加によってアーム部材14全体の振動モードを変えて、このアーム部材14の固有振動数を低くすることができる。これにより、車両本体との共振によるワイパの反転音の増幅を抑制することができる。また、リテーナ16に切欠部32を追加した構成であるので、ワイパアーム10の重量及びコストの増加を抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイパアームに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ウォッシャノズル付きワイパアームが開示されている。このウォッシャノズル付きワイパアームでは、アームピースの基端側がリテーナの長手方向中間部にまで延長されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平6−33763号公報(図1,図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の特許文献1に記載の例のように、アームピースの基端側がリテーナの長手方向中間部にまで延長されていると、ワイパアーム全体の剛性が向上するので、ワイパの反転時に発生する反転音を低減することが可能と考えられる。
【0005】
しかしながら、上述のように、アームピースの基端側がリテーナの長手方向中間部にまで延長されていると、ワイパアームの重量及びコストが増加する。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、重量及びコストの増加を抑制しつつ、ワイパの反転時に発生する反転音を低減させることができるワイパアームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、請求項1に記載のワイパアームは、車体に回動可能に支持されたピボット軸に一体回動可能に固定されるアームヘッドと、前記アームヘッドに連結されたリテーナ、及び、前記リテーナの先端側に設けられてワイパブレードを支持するアームピースを有して構成されたアーム部材と、前記アーム部材における前記リテーナと前記アームピースとの境界部に形成された断面急変部と、前記リテーナにおける前記断面急変部と基端側との長手方向中間部に形成された脆弱部と、を備えている。
【0008】
請求項1に記載のワイパアームによれば、アーム部材におけるリテーナとアームピースとの境界部に形成された断面急変部に加えて、リテーナにおける断面急変部と基端側との長手方向中間部に脆弱部が形成されている。従って、脆弱部の追加によってアーム部材の振動モードを変えて、このアーム部材の固有振動数を低くすることができる。これにより、車両本体との共振によるワイパの反転音の増幅を抑制することができる。
【0009】
また、請求項1に記載のワイパアームによれば、リテーナに脆弱部を追加した構成であるので、重量及びコストの増加を抑制することができる。
【0010】
このように、請求項1に記載のワイパアームによれば、重量及びコストの増加を抑制しつつ、ワイパの反転時に発生する反転音を低減させることができる。
【0011】
請求項2に記載のワイパアームは、請求項1に記載のワイパアームにおいて、前記リテーナにおける前記断面急変部と前記脆弱部との間に設けられ、前記リテーナの剛性を向上させる剛性向上部をさらに備えている。
【0012】
請求項2に記載のワイパアームによれば、リテーナにおける断面急変部と脆弱部との間は剛性向上部によって剛性が向上されているので、この断面急変部及び脆弱部の間と脆弱部との剛性変化をより大きくすることができる。これにより、脆弱部が追加されたことによるワイパの反転音の増幅抑制効果をより一層高めることができる。
【0013】
請求項3に記載のワイパアームは、請求項1又は請求項2に記載のワイパアームにおいて、前記脆弱部が払拭面の法線方向の曲げに対して脆弱性を有する構成とされている。
【0014】
請求項3に記載のワイパアームによれば、脆弱部は、払拭面の法線方向の曲げに対して脆弱性を有している。従って、ワイパの回動方向には従来と同様にアーム部材の曲げ剛性を確保することができ、また、脆弱部の追加によって払拭面の法線方向におけるアーム部材の振動モードを変えて、このアーム部材の固有振動数を低くすることができる。
【0015】
請求項4に記載のワイパアームは、請求項3に記載のワイパアームにおいて、前記リテーナが前記払拭面と対向して配置される天壁と前記天壁の幅方向両側に形成された一対の側壁とを有し、前記脆弱部が前記側壁に前記払拭面側に開口するように形成された切欠部とされた構成とされている。
【0016】
請求項4に記載のワイパアームによれば、脆弱部は、リテーナの側壁に払拭面側に開口するように形成された切欠部とされている。これにより、脆弱部が払拭面の法線方向の曲げに対して脆弱性を有するようにでき、この脆弱部の追加によってアーム部材の振動モードを変えて、このアーム部材の固有振動数を低くすることができる。
【0017】
請求項5に記載のワイパアームは、請求項3に記載のワイパアームにおいて、前記リテーナが前記払拭面と対向して配置される天壁と前記天壁の幅方向両側に形成された一対の側壁とを有し、前記脆弱部が前記天壁の幅方向に延在されると共に前記天壁に凹状に形成された凹部とされた構成とされている。
【0018】
請求項5に記載のワイパアームによれば、脆弱部は、リテーナの天壁の幅方向に延在されると共に天壁に凹状に形成された凹部とされている。これにより、脆弱部が払拭面の法線方向の曲げに対して脆弱性を有するようにでき、この脆弱部の追加によってアーム部材の振動モードを変えて、このアーム部材の固有振動数を低くすることができる。
【0019】
請求項6に記載のワイパアームは、請求項2に記載のワイパアームにおいて、前記アームピースが前記リテーナと別体に構成され、前記剛性向上部が前記アームピースの基端側から前記脆弱部に向けて延出された延出部とされ、前記延出部が前記リテーナと結合された構成とされている。
【0020】
請求項6に記載のワイパアームによれば、剛性向上部としての延出部によってリテーナにおける断面急変部と脆弱部との間の剛性を向上させることができる。
【0021】
請求項7に記載のワイパアームは、請求項2に記載のワイパアームにおいて、前記リテーナが前記払拭面と対向して配置される天壁と、前記天壁の幅方向両側に形成された一対の側壁とを有し、前記剛性向上部が前記天壁及び前記一対の側壁の少なくとも二つを連結する連結部とされた構成とされている。
【0022】
請求項7に記載のワイパアームによれば、剛性向上部としての連結部によってリテーナにおける断面急変部と脆弱部との間の剛性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0023】
以上詳述したように、本発明によれば、ワイパアームの重量及びコストの増加を抑制しつつ、ワイパの反転時に発生する反転音を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態に係るワイパアームの斜視図である。
【図2】図1に示されるワイパアームの要部底面図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】図2の4−4線断面図である。
【図5】図1に示されるワイパアームについて各測定位置と断面二次モーメントとの関係を示す図である。
【図6】図1に示されるワイパアームについて各測定位置と加速度との関係すなわちワイパアームの振動モードを示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るワイパアームと比較例に係るワイパアームとを比較した図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るワイパアームの変形例を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るワイパアームの変形例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態に係るワイパアームの変形例を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態に係るワイパアームの変形例を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態に係るワイパアームの変形例を示す図である。
【図13】本発明の一実施形態に係るワイパアームの変形例を示す図である。
【図14】本発明の一実施形態に係るワイパアームの変形例を示す図である。
【図15】本発明の一実施形態に係るワイパアームの変形例を示す図である。
【図16】本発明の一実施形態に係るワイパアームの変形例を示す図である。
【図17】図15の変形例に係るワイパアームの作用効果を説明する図である。
【図18】比較例に係るワイパアームの斜視図である。
【図19】図18に示されるワイパアームについて各測定位置と断面二次モーメントとの関係を示す図である。
【図20】図18に示されるワイパアームについて各測定位置と加速度との関係すなわちワイパアームの振動モードを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
【0026】
図1に示されるように、ワイパアーム10は、アームヘッド12と、アーム部材14とを有して構成されている。
【0027】
アームヘッド12は、車体に回動可能に支持されたピボット軸(不図示)に一体回動可能に固定される。
【0028】
アーム部材14は、アームヘッド12に回動可能に連結されたリテーナ16と、リテーナ16と別体に構成されたアームピース18とを有して構成されている。
【0029】
リテーナ16は、図2,図4に示されるように、払拭面20と対向して配置される天壁22と、天壁22の幅方向両側に形成された一対の側壁24とを有して構成されている。
【0030】
一対の側壁24の先端側には、図2,図3に示されるように、一対の把持片26が形成されている。また、この一対の把持片26は、内側に折り曲げられており、この一対の把持片26によってアームピース18の基端側が把持されている。
【0031】
そして、このワイパアーム10では、アームピース18の先端側にワイパブレード(不図示)が支持され、ワイパアーム10が回動されることにより、ワイパブレードが払拭面を払拭する構成とされている。
【0032】
また、図2に示されるように、アーム部材14におけるリテーナ16とアームピース18との境界部28において、リテーナ16における一対の側壁24と一対の把持片26との間の部分は、断面急変部30とされている。つまり、図3,図4に示されるように、この断面急変部30を境にアーム部材14の断面は急変されている。
【0033】
さらに、図1に示されるように、リテーナ16における断面急変部30と基端側との長手方向中間部には、払拭面側に開口するように脆弱部としての切欠部32が側壁24に形成されている。そして、側壁24に切欠部32が形成されることにより、リテーナ16が払拭面の法線方向の曲げに対して脆弱性を有している。
【0034】
なお、図1に示されるように、アーム部材14の長手方向に測定位置1〜5を設定し、この測定位置1〜5における各断面二次モーメントを算出した結果が図5に示されている。この図に示されるように、測定位置2及び測定位置4では、断面二次モーメントが局所的に減少している。なお、測定位置2は、断面急変部30の位置であり、測定位置4は、切欠部32の位置である。
【0035】
また、このワイパアーム10では、切欠部32の形成された部分の方が断面急変部30の形成された部分よりも断面二次モーメントが小さく設定されている。つまり、切欠部32の形成された部分が最も剛性の低い部分とされている。
【0036】
次に、本発明の一実施形態の作用及び効果について説明する。
【0037】
先ず、本発明の一実施形態の作用及び効果をより明確にするために、比較例について説明する。図18に示される比較例に係るワイパアーム110は、上述の本発明の一実施形態に係るワイパアーム10に対して切欠部32が省かれた構成とされている。
【0038】
ここで、図18に示される測定位置1〜5における各断面二次モーメントを算出した結果が図19に示されている。この測定位置1〜5は、上述の本発明の一実施形態における場合と同一である。この図に示されるように、断面急変部30の位置である測定位置2では、断面二次モーメントが局所的に減少している。
【0039】
図20には、測定位置1〜5に払拭面の法線方向への加速度を検出する加速度検出器を設置し、ワイパアーム110を回動させてワイパブレードで実際に払拭面を払拭させた場合の各測定位置における加速度を測定した結果が示されている。この図に示されるように、ワイパアーム110は、測定位置2付近つまり断面急変部30付近が振動の腹となる振動モードで振動する。また、このとき、車両本体の固有振動数と重なるので、車両本体との共振によってワイパの反転音が増幅される。
【0040】
これに対し、本発明の一実施形態に係るワイパアーム10によれば、アーム部材14におけるリテーナ16とアームピース18との境界部28に形成された断面急変部30に加えて、リテーナ16における断面急変部30と基端側との長手方向中間部に切欠部32が形成されている。
【0041】
従って、この切欠部32の追加によってアーム部材14全体の振動モードを変えて、このアーム部材14の固有振動数を低くすることができる。つまり、図6に示されるように、ワイパアーム10における払拭面の法線方向の振動モードを振動の腹が無くなるように変化させることができる。これにより、車両本体との共振によるワイパの反転音の増幅を抑制することができる。なお、図6に示される測定結果は、図20に示される測定結果と同一条件で測定したものである。
【0042】
また、本発明の一実施形態に係るワイパアーム10によれば、リテーナ16に切欠部32を追加した構成であるので、重量及びコストの増加を抑制することができる。
【0043】
このように、本発明の一実施形態に係るワイパアーム10によれば、重量及びコストの増加を抑制しつつ、ワイパの反転時に発生する反転音を低減させることができる。
【0044】
また、本発明の一実施形態に係るワイパアーム10によれば、切欠部32は、払拭面の法線方向の曲げに対して脆弱性を有している。従って、ワイパの回動方向には従来と同様にアーム部材14の曲げ剛性を確保することができ、また、払拭面の法線方向にはアーム部材14の曲げ剛性を低下させることができる。
【0045】
ここで、図7には、本発明の一実施形態に係るワイパアーム10と、比較例に係るワイパアーム110とについて、ワイパが反転されるときに生ずる振動の周波数と音圧レベルとの関係が示されている。この図において、グラフG1は、本発明の一実施形態に係るワイパアーム10について示しており、グラフG2は、比較例に係るワイパアーム110について示している。
【0046】
この図に示されるように、本発明の一実施形態に係るワイパアーム10によれば、比較例に係るワイパアーム110に比して、おおむね各周波数において、音圧レベルを低減させることができる。
【0047】
次に、本発明の一実施形態の変形例について説明する。
【0048】
上記実施形態では、リテーナ16に脆弱部として切欠部32が形成されていたが、図8に示されるように、天壁22の幅方向に延在される凹状の凹部34が脆弱部として天壁22に形成されていても良い。
【0049】
また、凹部34は、図8に示されるように、一対の側壁24に開放されても良く、また、図9に示されるように、天壁22の幅方向の途中で終端されても良い。
【0050】
また、上記実施形態において、切欠部32は、側面視にて三角形状に形成されていたが、図10に示されるように、側面視にて矩形状に形成されていても良い。
【0051】
また、図11に示されるように、側壁24に脆弱部として穴部36が形成されていても良い。
【0052】
以上のように構成されていると、リテーナ16が払拭面の法線方向の曲げに対して脆弱性を有することができる。
【0053】
また、リテーナ16は、ワイパの回動方向の曲げに対する脆弱性を有する構成とされていても良い。
【0054】
すなわち、例えば、図12に示されるように、リテーナ16の長手方向中間部が長手方向両側部に対して幅が狭くなるように脆弱部としてのくびれ部38がリテーナ16に形成されていても良い。また、図13に示されるように、側壁24の高さに延在される凹状の凹部40が脆弱部として側壁24に形成されていても良い。
【0055】
このように構成されていても、くびれ部38や凹部40の追加によってアーム部材14全体の振動モードを変えて、このアーム部材14の固有振動数を低くすることができる(つまり、図5に示される測定結果と同様に、ワイパアーム10における回動方向の振動モードを振動の腹が無くなるように変化させることができる)。これにより、車両本体との共振によるワイパの反転音の増幅を抑制することができる。
【0056】
また、上記実施形態において、リテーナ16とアームピース18とは、別体に構成されていたが、図14に示されるように、一体に構成されていても良い。なお、この場合には、リテーナ16とアームピース18との境界部28、つまり、一対の側壁24の先端部が位置する部分が断面急変部30とされる。
【0057】
また、上記実施形態において、例えば、重量及びコストの増加を最小限に抑えることができる場合には、ワイパアーム10は、次のように構成されていても良い。
【0058】
すなわち、図15に示される変形例では、アームピース18の基端側から脆弱部としての凹部34に向けて剛性向上部としての延出部42が延出されている。この延出部42は、その延出端側においてリテーナ16とスポット溶接部43によって結合されている。そして、この変形例では、この延出部42によってリテーナ16における断面急変部30と凹部34との間の剛性が向上されている。
【0059】
このような構成によれば、リテーナ16における断面急変部30と凹部34との間は延出部42によって剛性が向上されているので、この断面急変部30及び凹部34の間と凹部34との剛性変化をより大きくすることができる。これにより、凹部34が追加されたことによるワイパの反転音の増幅抑制効果をより一層高めることができる。
【0060】
また、図16に示される変形例では、リテーナ16における断面急変部30と凹部34との間に剛性向上部としての連結部44が複数設けられている。この複数の連結部44は、リテーナ16の長手方向に並んで配置されており、それぞれ一対の側壁24を連結すると共に、天壁22と連結されている。そして、この変形例では、この連結部44によってリテーナ16における断面急変部30と凹部34との間の剛性が向上されている。
【0061】
このような構成によっても、リテーナ16における断面急変部30と凹部34との間は複数の連結部44によって剛性が向上されているので、この断面急変部30及び凹部34の間と凹部34との剛性変化をより大きくすることができる。これにより、凹部34が追加されたことによるワイパの反転音の増幅抑制効果をより一層高めることができる。
【0062】
また、一対の側壁24及び天壁22が連結部44によって連結されることにより、リテーナ16のねじり剛性が向上するので、ワイパのびびり性能の改善効果を得ることができる。
【0063】
なお、この変形例において、リテーナ16は、例えば、樹脂によって形成されていると好適である。
【0064】
また、この変形例では、凹部34に対する基端側に、一対の側壁24を連結する連結部46が設けられているが、この連結部46は、例えば、アームヘッド12によってリテーナ16の基端側の剛性が確保されていれば、無くても良い。
【0065】
また、この変形例において、例えば、リテーナ16における断面急変部30と凹部34との間の剛性を確保できる場合、連結部44は、一対の側壁24を連結し、一対の側壁24と天壁22とを連結しない構成とされていても良く、また、各側壁24と天壁22とを連結し、一対の側壁24を連結しない構成とされていても良い。
【0066】
ここで、図17には、図15に示される変形例と図1に示される本発明の一実施形態とについて、各測定位置と振動幅との関係すなわちワイパアームの振動モードが示されている。この図において、グラフG3は、図15に示される比較例について示しており、グラフG4は、図1に示される本発明の一実施形態について示している。
【0067】
この図から明らかなように、図15に示される変形例によれば、図1に示される本発明の一実施形態に対し、振動モードにおいて振動幅の大きな範囲が広がり、アーム部材14の振動周波数が小さくなる。このため、車両本体との共振周波数に対するアーム部材14の振動周波数のずれが大きくなり、ワイパの反転音の増幅抑制効果をより一層高めることができる。
【0068】
以上、本発明の一実施形態及びその変形例について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0069】
10 ワイパアーム
12 アームヘッド
14 アーム部材
16 リテーナ
18 アームピース
22 天壁
24 側壁
28 境界部
30 断面急変部
32 切欠部(脆弱部)
34 凹部(脆弱部)
36 穴部(脆弱部)
38 くびれ部(脆弱部)
40 凹部(脆弱部)
42 延出部(剛性向上部)
44 連結部(剛性向上部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に回動可能に支持されたピボット軸に一体回動可能に固定されるアームヘッドと、
前記アームヘッドに連結されたリテーナ、及び、前記リテーナの先端側に設けられてワイパブレードを支持するアームピースを有して構成されたアーム部材と、
前記アーム部材における前記リテーナと前記アームピースとの境界部に形成された断面急変部と、
前記リテーナにおける前記断面急変部と基端側との長手方向中間部に形成された脆弱部と、
を備えたワイパアーム。
【請求項2】
前記リテーナにおける前記断面急変部と前記脆弱部との間に設けられ、前記リテーナの剛性を向上させる剛性向上部を備えた、
請求項1に記載のワイパアーム。
【請求項3】
前記脆弱部は、払拭面の法線方向の曲げに対して脆弱性を有する、
請求項1又は請求項2に記載のワイパアーム。
【請求項4】
前記リテーナは、前記払拭面と対向して配置される天壁と、前記天壁の幅方向両側に形成された一対の側壁とを有し、
前記脆弱部は、前記側壁に前記払拭面側に開口するように形成された切欠部とされている、
請求項3に記載のワイパアーム。
【請求項5】
前記リテーナは、前記払拭面と対向して配置される天壁と、前記天壁の幅方向両側に形成された一対の側壁とを有し、
前記脆弱部は、前記天壁の幅方向に延在されると共に前記天壁に凹状に形成された凹部とされている、
請求項3に記載のワイパアーム。
【請求項6】
前記アームピースは、前記リテーナと別体に構成され、
前記剛性向上部は、前記アームピースの基端側から前記脆弱部に向けて延出された延出部とされ、
前記延出部は、前記リテーナと結合されている、
請求項2に記載のワイパアーム。
【請求項7】
前記リテーナは、前記払拭面と対向して配置される天壁と、前記天壁の幅方向両側に形成された一対の側壁とを有し、
前記剛性向上部は、前記天壁及び前記一対の側壁の少なくとも二つを連結する連結部とされている、
請求項2に記載のワイパアーム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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