説明

ワイピングクロス

【課題】油、水などの拭取り性、捕塵力が高く、産業用途にも使用可能な発塵性の少ないワイピングクロスを得る。
【解決手段】単糸繊度0.0001以上、0.1dtex未満であるマルチフィラメントAと、単糸繊度が0.1〜10dtexであり、かつ沸水収縮率がマルチフィラメントAの10〜60%であるマルチフィラメントBからなる混繊糸を使用したワイピングクロス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い吸水性を有し、発塵の少ない、ふき取り性に優れたソフトな風合いのワイピングクロスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ワイピングクロスは、清掃用布帛、眼鏡やレンズ拭きなどの用途に使用されてきた。そして、その多くは、吸水性良好な繊維素材として木綿繊維などの天然繊維や、布帛内の繊維表面積を大きくすることにより、吸着力が高まることを期待した極細繊維が使用されてきた。今日、ワイピングクロスはICや半導体の製造工場やクリーンルームなど、産業分野でも幅広く展開している。産業分野用のワイピングクロスには、今までの油、水などの拭取り性、捕塵力はもちろんのこと、発塵しないことが要求される。
【0003】
しかし、例えば特許文献1(特開昭61−228821号公報)に記載されているように、天然繊維を布帛の表面に多量に位置するようなワイピングクロスは、拭き取り対象物の表面に毛羽が落ち、発塵するという問題点がある。また、例えば特許文献2(特開昭63−211364号公報)に記載されているように、0.2dtex以下の超極細糸と0.5〜10dtexの繊維からなる糸を主体とした高密度な交絡織編物では、超極細糸がワイピングクロスの表面部に出るために発塵するといった問題点があった。
【特許文献1】特開昭61−228821号公報
【特許文献2】特開昭63−211364号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の問題点を克服し、油、水などの拭取り性、捕塵力が高く、産業用途にも使用可能な発塵性の少ないワイピングクロスを提供することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、単糸繊度0.0001dtex以上、0.1dtex未満であるマルチフィラメントAと、単糸繊度が0.1〜10dtexであり、かつ沸水収縮率がマルチフィラメントAの10〜60%であるマルチフィラメントBからなる混繊糸を使用することを特徴とするワイピングクロスである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、油、水などの拭取り性、捕塵力が高く、産業用途にも使用可能な発塵性の少ないワイピングクロスが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に本発明について詳細に説明する。
従来、ワイピングクロスの多くは、布帛内の繊維表面積を大きくすることにより、吸着力が高まることを期待した極細繊維が使用されてきた。極細繊維を用いたワイピングクロスの特徴としては、繊維間隙の毛細管現象により吸水性や吸油性が高まること、また、極細繊維特有のシャープ・マルチシェービング効果、インナートラップ効果が期待できることがある。一方で、繊維が細いために単糸切れし、発塵するという問題点がある。
【0008】
本発明は、極細繊維の特徴を活かし、発塵を防ぐことを目的として、沸水収縮率の大きいマルチフィラメントAが芯部に、マルチフィラメントBが鞘部に位置する芯鞘型2層構造糸からなるワイピングクロスとした点が特徴である。拭取った汚れが鞘の繊維の間に吸収された後、シャープ・マルチシェービング効果により鞘部から芯部へ汚れが押し上げられ、芯部の極細繊維の毛細管現象やインナートラップ効果より、吸水性が高まり、拭取り性が高くなる。本発明は、油、水などの拭取り性が高く、捕塵力に優れた、産業用途にも使用可能な発塵性の少ないワイピングクロスを提供することが可能となる。
【0009】
ここで、本発明におけるシャープ・マルチシェービング効果とは、表面積が大きいことと一定面積における繊維数の多さを利用した効果である。対象物への繊維接触回数が遥かに多くなることにより極細繊維が脂膜をそぎとり、上部の超極細繊維群へと押し上げる。太い繊維で拭くと、繊維の移動により繊維の全体に溜まった脂が再び繊維の下へ巻き込まれ、除去機能が劣る。また、インナートラップ効果とは、超極細繊維間の空間(ミクロポケット)を利用した効果である。対象物を拭き取る時、繊維群は指でプレスされた状態にあり脂は吸い込まれていくが、プレス状態を開放したとき、織物の内部の繊維密度が高いと脂は内部へと移動する。移動後の表面は脂が少なく、次のふき取り効果を高める。
【0010】
本発明のワイピングクロスの内層部に位置するマルチフィラメントAの単糸繊度は、0.0001dtex以上、0.1dtex未満であり、0.001〜0.01dtexの範囲のものが好ましい。さらに詳しくは、0.004〜0.009dtexの範囲のものがより好ましい。単糸繊度が0.1dtex以上であると、吸水性や拭取り性などワイピングクロスの性能に支障をきたす。一方、単糸繊度が0.0001dtex未満では、フィラメントのシルクファクターが小さくなるため、ワイピングクロスの耐久性に問題が生じる。
【0011】
なお、マルチフィラメントAの出発材料となる極細繊維化前のマルチフィラメント(以下「マルチフィラメントA’」ともいう)は、通常、総繊度が10〜50dtex、好ましくは20〜40dtex、フィラメント数が5〜40フィラメント、好ましくは6〜30フィラメントである。
【0012】
一方、ワイピングクロスの表層部に位置するマルチフィラメントBは、単糸繊度が0.1〜10dtexであることが必要である。好ましくは、0.4〜4dtexの範囲である。単糸繊度が0.1dtexよりも小さくなればなるほど、発塵する。一方、10dtexを超えると、ワイピングクロス性能が低下する。
【0013】
また、マルチフィラメントBの沸水収縮率は、マルチフィラメントAのそれの10〜60%であることが重要である。好ましくは、40〜60%の範囲である。60%を超えると、芯鞘型2層構造糸を形成しにくくなり、マルチフィラメントAがワイピングクロスの外層部に現れて、拭取り時に発塵する可能性が高くなる。一方、10%未満では、風合いが硬くなり、商品としてよくない。
ここで、マルチフィラメントBの沸水収縮率をマルチフィラメントAの沸水収縮率の10〜60%にするには、フィラメントAを延伸する際に、熱セット温度をコントロールすればよい。
【0014】
なお、マルチフィラメントBは、通常、総繊度が0.1〜10dtex、好ましくは0.4〜4dtex、フィラメント数が12〜168フィラメント、好ましくは24〜144フィラメントである。
【0015】
また、上記のマルチフィラメントAは、好ましくは海島型複合繊維の海部を溶解した後の島成分からなる極細繊維であることを特徴とする。上記海島型複合繊維において、島数は多いほうが海溶解後の島成分からなる繊維が細くなり、超極細繊維特有のシャープ・マルチシェービング効果、インナートラップ効果が期待できるので、100〜1,000島あることが重要である。100島未満では、島比率が小さい場合に極細繊維としての効果が期待できない。一方、1,000島を超えると、紡糸口金の製造コストが高くなるだけでなく、加工精度自体も低下しやすくなる。好ましくは、500〜1,000島である。
【0016】
海ポリマーの島ポリマーに対する溶解速度の比率は、30〜5,000倍であることが好ましい。より好ましくは、100〜4,000倍である。30倍未満の場合には、繊維断面表層部の分離した島成分の一部が溶解されて、繊維断面中央部にある海成分まで溶解されないという問題が起こり易くなる。これにより、島成分の太さ斑が発生し、品位に問題が低下する傾向にある。一方、5,000倍を超えると、減量斑による色むらが生じるため、商品の品質が悪くなる傾向にある。
【0017】
かかる海島型複合繊維を構成するポリマーとして、海成分ポリマーは、島成分との溶剤溶解速度差が30倍以上であれば、いかなる繊維形成性ポリマーであってもよく、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエチレンなどいずれのポリマーでも良い。例えば、アルカリ水溶液減量性ポリマーの場合は、ポリ乳酸、ポリエチレングリコール系共重合ポリエステル、5−ナトリウムスルホン酸イソフタル酸の共重合ポリエステルが最適である。また、ナイロン6はギ酸に溶解し、ポリスチレンはトルエンなど有機溶剤に溶解する。ここでアルカリ水溶液とは、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム水溶液などを言う。
【0018】
一方、島成分ポリマーについても、いかなる繊維形成性ポリマーであってもよく、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエチレンなどいずれのポリマーでも良い。さらに、島成分は、丸断面に限らず、異形断面であってもよい。
【0019】
海成分の比率は、島−島間の海成分の厚みを薄くするため、また緻密なワイピングクロスを作るために、重量比で40〜5%が好ましい。より好ましくは10〜30%の範囲である。40%を超えると、海成分の厚みが厚くなり海島の分離に好ましくない、また緻密なワイピングクロスができない。一方、5%未満では、ポリマー量が少なすぎて、多数の島間に均一に分配することが困難である。
【0020】
次に、以上に説明した混繊糸を製造するための好ましい方法について説明する。
未延伸のマルチフィラメントA’を従来公知の延伸方法により延伸する。ここで、延伸中の糸が受ける温度は、加熱体の種類に応じて、熱処理時間などを調整することにより設定できるので、該調整ができれば、接触タイプだけではなく非接触式タイプの加熱体も使用できる。
延伸熱処理を終えたマルチフィラメントA’を、常法により製造された単糸繊度が0.1dtex以上であるマルチフィラメントBと混繊する。混繊方法は従来公知の方法を採用すればよい。例えば、延伸熱処理されたマルチフィラメントA’とマルチフィラメントBととを引き揃えて、1.0〜1.5%のオーバーフィードにて、インターレースノズルに供給して撹乱交絡して混繊糸を製造する。
【0021】
混繊糸は、通常、撚糸工程で撚糸された後、製編織され、アルカリ減量工程を経て、染色加工される。上記アルカリ減量工程で、混繊糸を構成するマルチフィラメントA’が極細化されて極細繊維であるマルチフィラメントAになるとともに、熱履歴により該混繊糸は沸水収縮率の大きいマルチフィラメントAが芯部に、マルチフィラメントBが鞘部に位置する芯鞘型2層構造糸となる。より詳しくは、芯部が単糸繊度0.0001以上、0.1dtex未満であるマルチフィラメントAから構成され、鞘部に単糸繊度が0.1〜10dtexであるマルチフィラメントBからなる芯鞘型2層構造糸が構成される。
【0022】
ワイピングクロスの表層部に現れるフィラメントBは、丸断面でも異形断面でも良い。異形断面で鋭角であるほど、ワイピング効果が優れている。
また、ワイピングクロスとしてはいかなる織組織であってもよく、平織組織、朱子織組織、これらの二重織、あるいは変化組織のものなど、すべての織りが含まれる。編物としては、丸編、経編いずれの編組織であってもよい。
【0023】
本発明のワイピングクロスを構成する以上のマルチフィラメントAとマルチフィラメントBとの重量比率(アルカリ減量後)は、20:80〜80:20、好ましくは30:70〜70:30である。マルチフィラメントAの重量比率が20重量%未満では、ワイピング性能の向上は期待できない。一方、80重量%を超えると、マルチフィラメントAの割合がBに比べて高すぎるために、織物がくたくたになってしまう。
【実施例】
【0024】
以下、実施例によって、本発明をさらに詳細に説明する。織物は以下のとおりに作成した。また、測定方法は以下のとおりで実施した。
【0025】
(1)減量速度測定
海・島ポリマーの各々0.3φ−0.6L×24Hの口金にて1,000〜2,000m/分の紡糸速度で糸を巻き取りし、さらに残留伸度が30〜60%の範囲になるように延伸して、75de/24filのマルチフィラメントを作成した。これを各溶剤にて溶解しようとする温度で浴比100にて溶解時間と溶解量から、減量速度を算出した。
【0026】
(2)沸水収縮率
試料を枠周1.125mの検尺器を使用し、捲き回数が10回の小かせを作成し、20〜50gの重りをかけて、初期かせ長L0(cm)を測定した。重りをはずし、98℃の温水中に30分間浸漬後、取り出して自然乾燥させた。乾燥後、再度、重りをかけて収縮後かせ長L1(cm)を測定した。上記L0、L1を下記式に代入して、沸水収縮率BWS(%)を算出した。
BWS(%)=[(L0−L1)/L0]×100
(3)伸度
定速伸長形で測定し、伸度は破断時の伸度(%)で表す。
【0027】
(4)ワイピング性能の評価方法
ガラス板に人工脂質を付着させ、荷重(125g/3.9cm)を載せたワイピングクロスで拭取った。拭取り後のガラス板について5名のモニターにより官能評価を行った。モニターはガラス板を見た時の状態を次の基準により評価し、20点以上のものは○、20点以下のものは×と判定した。
5点:ガラス板に汚れがあったことは全く感じられず、非常にきれいである。
4点:ガラス板に汚れがあったことは感じられず、きれいである。
3点:ガラス板に汚れがあったかもしれないが、まあきれいである。
2点:ガラス板によごれがあったであろうと推測されるほど少し汚い。
1点:ガラス板によごれがあったであろうと確信できるほど汚い。
【0028】
(5)発塵性の評価方法
ワイピング性能の評価方法に用いた重りにワイピングクロスを同じように固定し、人工資質を付着させていないガラス板をワイピングクロスで拭取った。拭取り後のガラス板について5名のモニターにより官能評価を行った。モニターはガラス板を見た時の状態を次の基準により評価し、○とした人が4人以上の場合は○、4人以下の場合は×と判定した。
○:繊維でガラスが汚れておらず、良好である。
×:繊維でガラスが汚れており、不良である。
【0029】
実施例1
下記の糸を用いて混繊糸を作成した。
マルチフィラメントA’については、まず、海成分が5−ナトリウムスルホイソフタル酸2モル%と数平均分子量4,000のポリエチレングリコール3重量%を共重合したポリエチレンテレフタレート、島成分がポリエチレンテレフタレートである未延伸海島型複合繊維(島数1,000、溶解速度比;島:海=1:50、島:海(重量比)=70:30)を延伸して得た海島型複合繊維であり、40dtex、24フィラメント、沸水収縮率12%のフィラメントである。
マルチフィラメントBは、ポリエチレンテレフタレートよりなる36dtex、36フィラメント、沸水収縮率6%のマルチフィラメントである。
両糸(マルチフィラメントA’の糸パッケージ1とマルチフィラメントBの糸パッケージ2)を図1に示す製造工程に掛け、まずコットローラー3でひき揃え、該コットローラー3と加熱された加熱ローラー5との間で、インターレースノズル4を用いて混繊し、さらに、上記加熱ローラー5と引き取りローラー7の間で比接触式加熱ヒーター6を用いて巻き取りボビン8に巻き取り、混繊糸を得た。
得られた混繊糸を、規格は経、緯ともに87羽×3本/Kで経糸に100の撚りをかけて平織りした。得られた織物を濃度3.5重量%、浴温度98℃の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して海成分を除去し、乾燥し、織物表層部に単糸繊度1.0dtexのマルチフィラメントB、繊維内層部に単糸繊度0.001dtexのマルチフィラメントAがある混繊糸からなる織物を得た。この製品の特性判定を以下の表1に示した。
【0030】
実施例2
マルチフィラメントA’については、まず、海成分がナイロン6、島成分がポリエチレンテレフタレートである未延伸海島型複合繊維(島数500、溶解速度比;ナイロン6のみ溶解、島:海(重量比)=70:30)を延伸して得た海島型複合繊維であり、30dtex、6フィラメント、沸水収縮率10%のフィラメントである。
マルチフィラメントBは、ポリエチレンテレフタレートよりなる30dtex、144フィラメント、沸水収縮率4%のマルチフィラメントである。
両糸を図1に示す製造工程に掛け、まずコットローラーでひき揃え、該コットローラーと加熱された加熱ローラーとの間で、インターレースノズルを用いて混繊し、さらに、上記加熱ローラーと引き取りローラーの間で比接触式加熱ヒーターを用いて混繊糸を得た。
得られた混繊糸を、規格は経、緯ともに87羽×3本/Kで、経糸に100の撚りをかけて平織りした。得られた織物をギ酸中に浸漬して海成分を除去し、乾燥し、単糸繊度0.007dtexと0.2dtexからなる混繊糸の織物を得た。この織物を沸水に浸漬させて、織物表層部に単糸繊度0.2dtexのマルチフィラメントB、繊維内層部に単糸繊度0.007dtexのマルチフィラメントAがある混繊糸からなる織物を得た。この製品の特性判定を以下の表1に示した。
【0031】
比較例1
実施例1において、マルチフィラメントA’として、を海成分が5−ナトリウムスルホイソフタル酸2モル%と数平均分子量4,000のポリエチレングリコール3重量%を共重合したポリエチレンテレフタレート、島成分がポリエチレンテレフタレートの海島型複合繊維(島数25、溶解速度比;島:海=1:50、島:海(重量比)=70:30)よりなる300dtex、6フィラメント、沸水収縮率12%のマルチフィラメントを用い、他は同条件で織物を作成した。織物表層部に単糸繊度1.0dtex、繊維内層部に単糸繊度1.4dtexのマルチフィラメントがある混繊糸からなる織物を得た。この織物を用いて油汚れ、水滴のある台をふいたところ、汚れや水滴が少量残っており、ワイピング性能は不良であった。この製品の特性判定を以下の表1に示した。
【0032】
比較例2
実施例2において、フィラメントA’に海成分がナイロン6、島成分がポリエチレンテレフタレートの海島型複合繊維(島数300、島:海(重量比)=70:30)よりなる30dtex、24フィラメント、沸水収縮率4%のマルチフィラメントを用い、後は同条件で織物を作成した。得た織物の表層部に単糸繊度0.007dtexのマルチフィラメントが現れていた。この織物を用いて油汚れ、水滴のある台をふいたところ、汚れや水滴は全く残っておらず、ワイピング性能は良好であったが、繊維が多少台に残っており織物から発塵していることが確認された。この製品の特性判定を以下の表1に示した。
【0033】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明のワイピングクロスは、油、水などの拭取り性、捕塵力が高く、発塵性が少ないので、家庭用清掃用布帛や、眼鏡やレンズ拭き、さらには産業用途にも使用可能であり、例えばICや半導体の製造工場やクリーンルームなどで用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に用いられる混繊糸を製造するための工程概略図である。
【符号の説明】
【0036】
1:マルチフィラメントAの糸パッケージ
2:マルチフィラメントBの糸パッケージ
3:コットローラー
4:インターレースノズル
5:加熱ローラー
6:比接触式加熱ヒーター
7:引き取りローラー
8:巻き取りボビン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単糸繊度0.0001以上、0.1dtex未満であるマルチフィラメントAと、単糸繊度が0.1〜10dtexであり、かつ沸水収縮率がマルチフィラメントAの10〜60%であるマルチフィラメントBからなる混繊糸を使用することを特徴とするワイピングクロス。
【請求項2】
マルチフィラメントAが海島型複合繊維の海部を溶解した後の島成分からなる極細繊維である請求項1記載のワイピングクロス。
【請求項3】
海島型複合繊維の島数が100〜1,000で、島ポリマーに対する海ポリマーの溶解速度が30〜5,000倍である請求項2記載のワイピングクロス。
【請求項4】
海島型複合繊維の海成分と島成分の重量比率が40:60〜5:95である請求項2または3記載のワイピングクロス。
【請求項5】
マルチフィラメントAとマルチフィラメントBとの重量比率が20:80〜80:20である請求項1〜4いずれかに記載のワイピングクロス。

【図1】
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【公開番号】特開2006−336118(P2006−336118A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−158681(P2005−158681)
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【出願人】(302011711)帝人ファイバー株式会社 (1,101)
【Fターム(参考)】