ワイヤジャッキング装置
【課題】ワイヤが上方に引き抜かれてしまうことを阻止するワイヤジャッキング装置を提供する。
【解決手段】垂直方向に伸びるワイヤに沿って配される上部および下部ワイヤグリッピング装置と油圧ジャッキとからなり、油圧ジャッキが下部ワイヤグリッピング装置のアンカーベースプレートと上部ワイヤグリッピング装置のアンカーベースプレートとの間に取り付けられているワイヤジャッキング装置において、シーケンスバルブ25は、上部ワイヤグリッピング装置側のシーケンスバルブ25aと下部ワイヤグリッピング装置側のシーケンスバルブ25bとからなり、上部および下部ワイヤグリップが共に完全に閉じてからでないと、上部および下部ワイヤグリップの何れか一方が開かないように上部および下部クランピングシリンダ6a、6bを制御する。
【解決手段】垂直方向に伸びるワイヤに沿って配される上部および下部ワイヤグリッピング装置と油圧ジャッキとからなり、油圧ジャッキが下部ワイヤグリッピング装置のアンカーベースプレートと上部ワイヤグリッピング装置のアンカーベースプレートとの間に取り付けられているワイヤジャッキング装置において、シーケンスバルブ25は、上部ワイヤグリッピング装置側のシーケンスバルブ25aと下部ワイヤグリッピング装置側のシーケンスバルブ25bとからなり、上部および下部ワイヤグリップが共に完全に閉じてからでないと、上部および下部ワイヤグリップの何れか一方が開かないように上部および下部クランピングシリンダ6a、6bを制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ワイヤジャッキング装置、特に、ワイヤに作用する引き抜き荷重によりワイヤが引き抜かれてしまうことを確実に防止することができるワイヤジャッキング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、重量物の吊り上げ、吊り下ろしを行うワイヤジャッキング装置として、特許文献1(特許第2828430号公報)に開示されるものがある。以下、このワイヤジャッキング装置を従来ワイヤジャッキング装置といい、図面を参照しながら説明する。
【0003】
図9は、従来ワイヤジャッキング装置を構成するワイヤグリッピング装置を示す一部省略断面図、図10(a)、(b)は、プレッシャープレートを示す図であり、(a)は、平面図であり、(b)は、(a)のC−C断面図、図11は、ワイヤグリップを示す斜視図、図12(a)、(b)は、ワイヤグリップの作動態様を示す図であり、(a)は、ワイヤグリップが閉の状態を示す断面図、(b)は、ワイヤグリップが開の状態を示す断面図、図13(a)、(b)は、アンカーブロックを示す図であり、(a)は、平面図、(b)は、(a)のA−A断面図、図14(a)、(b)は、リリースプレートを示す図であり、(a)は、平面図、(b)は、(a)のB−B断面図、図15(a)、(b)は、アンカーベースプレートを示す図であり、(a)は、平面図、(b)は、(a)のD−D断面図、図16は、従来ワイヤジャッキング装置を示す断面図である。
【0004】
先ず、ワイヤグリッピング装置について説明する。
【0005】
図9において、1は、ワイヤグリッピング装置、2は、プレッシャープレート、3は、アンカーブロック、4は、リリースプレート、5は、アンカーベースプレート、6は、クランピングシリンダ、7は、ワイヤグリップ、8は、連結棒、9は、スペーサブロックである。
【0006】
プレッシャープレート2、アンカーブロック3、リリースプレート4、アンカーベースプレート5は、垂直方向に複数条のPC鋼より線からなるワイヤ10(図9には、その中の一条を示している。)を貫通させる複数個のワイヤ貫通孔2a、3a、4a、5aを有している。
【0007】
クランピングシリンダ6は、アンカーブロック3にシリンダ11側が固定され、リリースプレート4にピストン12側が固定されている。ピストン12には、クランピングシリンダ用スプリング13が取り付けられている。クランピングシリンダ用スプリング13は、以下の機能を有している。
【0008】
クランピングシリンダ6は、この例では、3個設置されていて、これらのシリンダーを同期して操作することにより、リリースプレート4をプレッシャープレート2と共に均一に昇降させるが、クランピングシリンダ用スプリング13を設けることにより、特に、下降操作がより確実に行える。
【0009】
ワイヤグリップ7は、アンカーブロック3のテ−パ状ワイヤ貫通孔3a内に上方から嵌まり込む。ワイヤグリップ7の頭部とプレッシャープレート2のワイヤ貫通孔2aとの間には、ワイヤ10を貫通させた状態でスプリング座17を介してワイヤグリップ押し込み用スプリング14が取り付けられ、ワイヤグリップ押し込み用スプリング14によってワイヤグリップ7がアンカーブロック3側に押し付けられるようになっている。ワイヤグリップ押し込み用スプリング14は、以下の機能を有している。
【0010】
ワイヤグリップ押し込み用スプリング14の弾性力により全てのワイヤグリップ7がアンカーブロック3のワイヤ貫通孔3a内に均等に入り込むので、全てのワイヤ10を常に均一に把持することができ、この結果、全てのワイヤ10に均一に引張力が作用する。ワイヤグリップ押し込み用スプリング14を設けないと、特定のワイヤグリップ7が先にワイヤ貫通孔3a内に入り込んだ場合、先にワイヤ貫通孔3a内に入り込んだワイヤグリップ7により把持されたワイヤ10に引っ張り荷重が集中して、ワイヤ10が切断するおそれがある。
【0011】
連結棒8は、アンカーブロック3の貫通孔3bを貫通し、プレッシャープレート2とリリースプレート4とを連結している。これによって、プレッシャープレート2とリリースプレート4とが一体的に上下移動する。
【0012】
スペーサブロック9は、リリースプレート4の貫通孔4bを貫通し、アンカーブロック3とアンカーベースプレート5とを間隔をあけて連結している。これによって、クランピングシリンダ6のピストン12の伸縮に伴って、リリースプレート4とプレッシャープレート2とが一体的に上下移動する。
【0013】
15は、油圧ジャッキであり、アンカーベースプレート5に取り付けられている。油圧ジャッキ15は、後述する従来ワイヤジャッキング装置に用いられる。
【0014】
23は、プレッシャープレート2の上方に、支柱24により取り付けられたワイヤガイドである。
【0015】
次に、図10から図15を参照しながら、プレッシャープレート2、ワイヤグリップ7、アンカーブロック3、リリースプレート4、アンカーベースプレート5についてさらに説明する。
【0016】
図10(a)、(b)に示すように、プレッシャープレート2は、円盤状で、ワイヤ貫通孔2aが中心部に1個とそれを囲む一点鎖線で示す同心円上の位置に6個設けられている。プレッシャープレート2のワイヤ貫通孔2aの下端部の径口は広がっていて、この部分にワイヤ10の周囲に取り付けられたワイヤグリップ押し込み用スプリング14の上端部が入り込むようになっている。
【0017】
プレッシャープレート2には、ワイヤ貫通孔2aの外側の同心円上に3本の連結棒8をボルト・ナットによって固定するための貫通孔2dが形成されている。プレッシャープレート2には、この上方に取り付けられるワイヤガイド23をアンカーブロック3に支持する支柱24を貫通させる貫通孔(ここでは3個)2cが形成されている。
【0018】
図11に示すように、ワイヤグリップ7は、3個のジョウ7Aとジョウ7Aの上部周方向に設けた溝7Bに嵌込んだゴム製のOリング16とから構成されている。Oリング16は、3個のジョウ7Aが使用時に極端に偏らないように機能を有している。
【0019】
ワイヤグリップ7は、上広テーパ状に形成され、中心部には、ワイヤ10が貫通する貫通孔7cが形成されている。貫通孔7cの壁は、ワイヤ10を把持し易いようにネジ7dが形成されている。
【0020】
図12(a)に示すように、ワイヤグリップ7は、プレッシャープレート2を押し下げることによって、アンカーブロック3のテ−パ状ワイヤ貫通孔3aに上方から完全に嵌まり込んで閉の状態になり、ワイヤ10を完全に把持する。この状態で、ワイヤグリップ7の下部は、アンカーブロック3のワイヤ貫通孔3aから突出する。
【0021】
一方、図12(b)に示すように、リリースプレート4を引き上げると、リリースプレート4がワイヤ貫通孔3aから突出しているワイヤグリップ7の下部が持ち上げられる結果、ワイヤグリップ7とワイヤ貫通孔3aとの間に隙間を生じて、ワイヤグリップ7が開の状態になり、ワイヤ10の把持が解除される。
【0022】
このように、リリースプレート4にピストン12側が固定されたクランピングシリンダ6を駆動させて、連結棒8により連結されたプレッシャープレート2とリリースプレート4とを一体的に上下に移動させ、その上下移動によってプレッシャープレート2およびリリースプレート4に強制的な機能を発揮させて、ワイヤグリップ7の開閉が行われる。
【0023】
図13(a)、(b)に示すように、アンカーブロック3は、プレッシャープレート2のワイヤ貫通孔2aに対応した中心位置に1個の貫通孔3aが形成され、他の6個の貫通孔3aが一点鎖線で示す同心円上に形成されている。貫通孔3aは、上広テーパを呈し、ワイヤグリップ7が上方から嵌まり込むようになっている。
【0024】
貫通孔3aの外側の同心円上には、連結棒8を貫通させる貫通孔3bが3個設けられている。また、アンカーブロック3の平面は、円形形状部分を基盤としてその周面の3方に突出させた矩形形状部分を有し、3個のクランピングシリンダ6の取り付けを容易にしている。矩形形状部分の位置には、下面にスペーサブロック9を固定するボルト・ナットを挿入する貫通孔3cが形成されている。また、矩形形状の位置には、クランピングシリンダ6を支持するサポートブロック3fを固定するボルト孔3dが形成されている。
【0025】
図14(a)、(b)に示すように、リリースプレート4は、プレッシャープレート2、アンカーブロック3のワイヤ貫通孔2a、3aに対応した中心位置に1個の貫通孔4aが形成され、他の6個の貫通孔4aが一点鎖線で示す同心円上に形成されている。また、アンカーブロック3を貫通する連結棒8のボルト孔4cと、クランピングシリンダ6のピストン12側を固定するボルトのボルト孔4dが形成されている。また、リリースプレート4には、アンカーブロック3に上端が固定されたスペーサブロック9を貫通させる貫通孔4bが3個設けられている。
【0026】
図15(a)、(b)に示すように、アンカーベースプレート5は、プレッシャープレート2、アンカーブロック3、リリースプレート4の貫通孔2a、3a、4aに対応した中心位置に1個の貫通孔5aが形成され、他の6個の貫通孔5aが一点鎖線で示す同心円上に形成されている。また、アンカーベースプレート5には、アンカーブロック3の下面に上端が固定され、リリースプレート4を貫通したスペーサブロック9の下端を固定するボルトのボルト孔5bが3個設けられている。さらに、アンカーベースプレート5には、油圧ジャッキ15を固定するためのボルトのボルト孔5cが形成されている。
【0027】
次に、上述したワイヤグリッピング装置から構成される従来ワイヤジャッキング装置について説明する。
【0028】
図16に示すように、従来ワイヤジャッキング装置は、上述したワイヤグリッピング装置1と同様な上部ワイヤグリッピング装置1aと下部ワイヤグリッピング装置1bとをワイヤ10に沿って上下に間隔をあけて設けたものから構成されている。下部ワイヤグリッピング装置1bの下部アンカーベースプレート5Bは、油圧ジャッキ15のシリンダ21側に固定され、上部ワイヤグリッピング装置1aの上部アンカーベースプレート5Aは、油圧ジャッキ15のピストン20側に固定されている。油圧ジャッキ15は、対称位置に3個設置され、油圧系統により同期して駆動される。
【0029】
上述したように、上部および下部ワイヤグリッピング装置1a、1bの各々のプレッシャープレート2とリリースプレート4とは、アンカーブロック3を貫通した複数本の連結棒8により一体的に上下動するので、上部クランピングシリンダ6aまたは下部クランピングシリンダ6bにより、プレッシャープレート2とリリースプレート4とを同時に上下動させて、上部ワイヤグリッピング装置1aの上部ワイヤグリップ7aまたは下部ワイヤグリッピング装置1bの下部ワイヤグリップ7bとを強制的にアンカーブロック3の貫通孔3aに対して緩めたり、貫通孔3aに嵌め込んだりすることによって、すなわち、開閉することによって、各ワイヤ10の把持または解放を同時に行うことができる。そして、この操作を上部および下部ワイヤグリッピング装置1a、1bについて交互に行い、ワイヤ10を把持した上部ワイヤグリッピング装置1aを油圧ジャッキ15により昇降させれば、ワイヤ10の先端に連結した重量物22の吊り上げ、吊り下ろしが行える。
【0030】
すなわち、例えば、重量物22の吊り上げは、以下のようにして行われる。
【0031】
上部ワイヤグリッピング装置1aの上部ワイヤグリップ7aを上部クランピングシリンダ6aによりアンカーブロック3の貫通孔3aに嵌め込んで上部ワイヤグリップ7aによりをワイヤ10を把持し、下部ワイヤグリッピング装置1bの下部ワイヤグリップ7bを下部クランピングシリンダ6bにより緩めた状態で、上部ワイヤグリッピング装置1aを油圧ジャッキ15により上昇させる。これにより重量物22は、油圧ジャッキ15の1ストローク分、上昇する。
【0032】
今度は、下部ワイヤグリッピング装置1bの下部ワイヤグリップ7bを下部クランピングシリンダ6bによりアンカーブロック3の貫通孔3aに嵌め込んで、下部ワイヤグリップ7bによりをワイヤ10を把持し、次いで、上部ワイヤグリップ7aを緩め、上部ワイヤグリッピング装置1aを油圧ジャッキ15により下降させる。
【0033】
この操作を繰り返し行うことにより重量物22を間歇的に吊り上げることができる。重量物22を吊り下ろす場合も同様である。
【0034】
なお、重量物22の吊り上げによって、上部ワイヤグリッピング装置1aの上方からはワイヤ10が吊り上げ高さに応じて繰り出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0035】
【特許文献1】特許第2828430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0036】
上述のように、従来ワイヤジャッキング装置によれば、重量物22の吊り上げ、吊り下ろしが確実に行えるが、以下のような問題があった。
【0037】
例えば、重量物22がワイヤ10に連結されていない場合には、上部ワイヤグリッピング装置1aから繰り出されたワイヤ10自身の重量によって、ワイヤ10がワイヤジャッキング装置から抜け出るおそれがあった。すなわち、図12(a)の状態において、ワイヤ10にワイヤグリップ押し込み用スプリング14の弾性力を超える上方への引き抜き力が作用すると、アンカーブロック3のワイヤ貫通孔3a内のワイヤグリップ7が緩んで、ワイヤ10の上方への抜け出しを阻止する把持力がなくなりワイヤ10がワイヤジャッキング装置から上方に引き抜かれてしまうおそれがあった。
【0038】
従って、この発明の目的は、従来ワイヤジャッキング装置において、ワイヤ10にワイヤグリップ押し込み用スプリング14の弾性力を超える上方への引き抜き力が作用した場合に、ワイヤ10がワイヤジャッキング装置から上方に引き抜かれてしまうことを確実に阻止することができるワイヤジャッキング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0039】
この発明は、上記目的を達成するためになされたものであって、下記を特徴とする。
【0040】
請求項1に記載の発明は、垂直に張られたワイヤに沿って配される上部ワイヤグリッピング装置および下部ワイヤグリッピング装置と油圧ジャッキとからなり、前記上部および下部ワイヤグリッピング装置の各々は、前記ワイヤを貫通させるワイヤ貫通孔が形成された、それぞれ間隔をあけて配されたプレッシャープレート、アンカーブロック、リリースプレート、アンカーベースプレートと、前記アンカーブロックに対してシリンダ側が固定され、前記リリースプレートに対してピストン側が固定されたクランピングシリンダと、前記クランピングシリンダを作動させる油圧回路と、前記アンカーブロックの前記ワイヤ貫通孔に嵌め込まれ、前記プレッシャープレートの前記ワイヤ貫通孔の下端部にワイヤグリップ押し込み用スプリングを介して当接される、前記クランピングシリンダにより開閉されるワイヤグリップと、前記プレッシャープレートと前記リリースプレートとの間に、前記アンカーブロックを貫通して固定された連結棒と、前記アンカーブロックと前記アンカーベースプレートとの間に、前記リリースプレートを貫通して固定されたスペーサブロックとを備え、前記油圧ジャッキが前記下部ワイヤ用グリッピング装置の前記アンカーベースプレートと前記上部ワイヤ用グリッピング装置の前記アンカーベースプレートとの間に取り付けられているワイヤジャッキング装置において、前記油圧回路は、シーケンスバルブを有し、前記シーケンスバルブは、前記上部ワイヤグリッピング装置側のシーケンスバルブと前記下部ワイヤグリッピング装置側のシーケンスバルブとからなり、前記上部および下部ワイヤグリッピング装置の何れか一方のワイヤグリップが閉じているときに、他方のワイヤグリッピング装置のクランピングシリンダに油を供給して、前記他方のワイヤグリッピング装置のワイヤグリップを閉じ、前記他方のワイヤグリッピング装置のクランピングシリンダへの油圧が前記一方のワイヤグリッピング装置側のシーケンスバルブのパイロット圧を超えた場合に、前記一方のワイヤグリッピング装置のクランピングシリンダから油を抜いて、前記一方のワイヤグリッピング装置のワイヤグリップを開くことに特徴を有するものである。
【0041】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のワイヤジャッキング装置において、前記上部ワイヤグリッピング装置側のシーケンスバルブおよび前記下部ワイヤグリッピング装置側のシーケンスバルブは、何れも、チェックバルブ付きシーケンスバルブからなっていることに特徴を有するものである。
【発明の効果】
【0042】
この発明によれば、従来ワイヤジャッキング装置において、ワイヤにワイヤグリップ押し込み用スプリングの弾性力を超える上方への引き抜き力が作用した場合に、ワイヤがワイヤジャッキング装置から上方に引き抜かれてしまうことを確実に阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】この発明におけるシーケンスバルブ部分の油圧回路図であり、シーケンスバルブにより上部ワイヤグリップが開状態となり、下部ワイヤグリップが閉状態となった図である。
【図2】図1の場合における上部および下部ワイヤグリップの開閉状態を示す図である。
【図3】この発明におけるシーケンスバルブ部分の油圧回路図であり、シーケンスバルブにより、下部ワイヤグリップが閉状態となり、上部ワイヤグリップが初期閉状態となった図である。
【図4】図3の場合における上部および下部ワイヤグリップの開閉状態を示す図である。
【図5】この発明におけるシーケンスバルブ部分の油圧回路図であり、シーケンスバルブにより、上部ワイヤグリップおよび下部ワイヤグリップを共に閉状態となった図である。
【図6】図5の場合における上部および下部ワイヤグリップの開閉状態を示す図である。
【図7】この発明におけるシーケンスバルブ部分を示す油圧回路図であり、シーケンスバルブにより、上部ワイヤグリップが閉状態となり、下部ワイヤグリップが開状態となった図である。
【図8】図7の場合における上部および下部ワイヤグリップの開閉状態を示す図である。
【図9】従来ワイヤジャッキング装置を構成するワイヤグリッピング装置を示す一部省略断面図である。
【図10】プレッシャープレートを示す図であり、(a)は、平面図であり、(b)は、(a)のC−C断面図である。
【図11】ワイヤグリップを示す斜視図である。
【図12】ワイヤグリップの作動態様を示す図であり、(a)は、ワイヤグリップが閉の状態を示す断面図、(b)は、ワイヤグリップが開の状態を示す断面図である。
【図13】アンカーブロックを示す図であり、(a)は、平面図、(b)は、(a)のA−A断面図である。
【図14】リリースプレートを示す図であり、(a)は、平面図、(b)は、(a)のB−B断面図である。
【図15】アンカーベースプレートを示す図であり、(a)は、平面図、(b)は、(a)のD−D断面図である。
【図16】従来ワイヤジャッキング装置を示す一部省略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
この発明のワイヤジャッキング装置の一実施態様を、図面を参照しながら説明する。
【0045】
この発明のワイヤジャッキング装置は、上述した従来ワイヤジャッキング装置におけるクランピングシリンダを作動させる油圧回路を改良したものであり、従来ワイヤジャッキング装置におけると同一番号は、同一物を示す。
【0046】
図1、図3、図5および図7は、この発明におけるシーケンスバルブ部分を示す油圧回路図であり、図2、図4、図6および図8は、上部および下部ワイヤグリップの開閉状態を示す図である。図2、図4、図6および図8において、2は、プレッシャープレート、3は、アンカーブロック、4は、リリースプレート、7aは、上部ワイヤグリップ、7bは、下部ワイヤグリップ、10は、ワイヤを示す。
【0047】
この油圧回路は、図1、図3、図5および図7中、一点鎖線で囲まれるシーケンスバルブ25を有している。
【0048】
図1、図3、図5および図7に示すように、シーケンスバルブ25は、上部ワイヤグリッピング装置1a側のシーケンスバルブ25aと下部ワイヤグリッピング装置1b側のシーケンスバルブ25bとからなっている。シーケンスバルブ25a、25bには、それぞれチェックバルブ26a、26bが取り付けられている。
【0049】
シーケンスバルブ25は、図16に示すように、上部および下部ワイヤグリッピング装置1a、1bの上部および下部ワイヤグリップ7a、7bが共に閉じてからでないと、上部および下部ワイヤグリッピング装置1a、1bの何れか一方のワイヤグリップ7aまたは7bが開かないように、上部および下部クランピングシリンダ6a、6bを作動させる機能を有している。
【0050】
このように、上部および下部ワイヤグリップ7a、7bが共に完全に閉じてからでないと、上部および下部ワイヤグリップ7a、7bの何れか一方が開かないようにすることによって、ワイヤ10にワイヤグリップ押し込み用スプリング14の弾性力を超える上方への引き抜き力が作用した場合に、ワイヤ10がワイヤジャッキング装置から上方に引き抜かれてしまうことを確実に阻止することができる。
【0051】
この発明のワイヤジャッキング装置における上部および下部クランピングシリンダ6a、6bの作動をさらに説明する。
【0052】
図1、図3、図5および図7において、6aは、上述した従来ワイヤジャッキング装置の上部ワイヤグリッピング装置における上部クランピングシリンダ、6bは、上述した従来ワイヤジャッキング装置の下部ワイヤグリッピング装置における下部クランピングシリンダである。上部および下部クランピングシリンダ6a、6bは、それぞれ2個、設けられているが、2個に限定されない。
【0053】
図1は、上部ワイヤグリップ7aが開き、下部ワイヤグリップ7bが閉じている状態を示す。すなわち、図2に示すように、上部ワイヤグリッピング装置のリリースプレート4が上昇して、上部ワイヤグリップ7aが開き、下部ワイヤグリッピング装置のプレッシャープレート2が下降して、下部ワイヤグリップ7bが閉じている。
【0054】
次に、図3に示すように、Dポートから油を送ると、油は、上部ワイヤグリッピング装置側のシーケンスバルブ25aのチェックバルブ26aを経由して、上部クランピングシリンダ6aに送られ、上部クランピングシリンダ6aの加圧ポートを加圧する。これにより、上部クランピングシリンダ6aが伸びて、上部ワイヤグリップ7aが初期閉状態になる。すなわち、図4に示すように、下部ワイヤグリップ7bが閉じたままで、上部ワイヤグリッピング装置のプレッシャープレート2が下降して、上部ワイヤグリップ7aが初期閉状態になる。
【0055】
次に、図5に示すように、上部クランピングシリンダ6aがストロークエンドまで伸びて、上部ワイヤグリップ7aが完全に閉じると、下部クランピングシリンダ6bの戻りポートが加圧される。ただし、下部クランピングシリンダ6bは、不動である。すなわち、図6に示すように、上部および下部ワイヤグリップ7a、7bが、共に閉じている。
【0056】
このように、上部クランピングシリンダ6aがストロークエンドまで伸びて、Dポートからの油圧が下部ワイヤグリッピング装置側のシーケンスバルブ25bのパイロット圧を超えると、シーケンスバルブ25bが開いて、下部クランピングシリンダ6bが縮み、これによって、下部ワイヤグリップ7bが開く。下部クランピングシリンダ6bからの油は、Cポートから排出される。すなわち、図8に示すように、上部ワイヤグリップ7aが閉じたままで、下部ワイヤグリッピング装置のリリースプレート4が上昇して、下部ワイヤグリップ7bが開く。
【0057】
このように、上部および下部ワイヤグリップ7a、7bが共に完全に閉じてからでないと、上部および下部ワイヤグリップ7a、7bの何れか一方が開かないようにすることによって、ワイヤ10にワイヤグリップ押し込み用スプリング14の弾性力を超える上方への引き抜き力が作用した場合に、ワイヤ10がワイヤジャッキング装置から上方に引き抜かれてしまうことを確実に阻止することができる。
【符号の説明】
【0058】
1:ワイヤグリッピング装置
1a:上部ワイヤグリッピング装置
1b:下部ワイヤグリッピング装置
2:プレッシャープレート
3:アンカーブロック
4:リリースプレート
5:アンカーベースプレート
5A:上部アンカーベースプレート
5B:下部アンカーベースプレート
6:クランピングシリンダ
6a:上部クランピングシリンダ
6b:下部クランピングシリンダ
7:ワイヤグリップ
7a:上部ワイヤグリップ
7b:下部ワイヤグリップ
8:連結棒
9: スペーサブロック
10:ワイヤ
11:シリンダ
12:ピストン
13:クランピングシリンダ用スプリング
14:ワイヤグリップ押し込み用スプリング
15:油圧ジャッキ
16:Oリング
17:スプリング座
20:ピストン
21:シリンダ
22:重量物
23:ワイヤガイド
24:支柱
25:シーケンスバルブ
25a:上部ワイヤグリッピング装置側のシーケンスバルブ
25b:下部ワイヤグリッピング装置側のシーケンスバルブ
26:チェックバルブ
【技術分野】
【0001】
この発明は、ワイヤジャッキング装置、特に、ワイヤに作用する引き抜き荷重によりワイヤが引き抜かれてしまうことを確実に防止することができるワイヤジャッキング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、重量物の吊り上げ、吊り下ろしを行うワイヤジャッキング装置として、特許文献1(特許第2828430号公報)に開示されるものがある。以下、このワイヤジャッキング装置を従来ワイヤジャッキング装置といい、図面を参照しながら説明する。
【0003】
図9は、従来ワイヤジャッキング装置を構成するワイヤグリッピング装置を示す一部省略断面図、図10(a)、(b)は、プレッシャープレートを示す図であり、(a)は、平面図であり、(b)は、(a)のC−C断面図、図11は、ワイヤグリップを示す斜視図、図12(a)、(b)は、ワイヤグリップの作動態様を示す図であり、(a)は、ワイヤグリップが閉の状態を示す断面図、(b)は、ワイヤグリップが開の状態を示す断面図、図13(a)、(b)は、アンカーブロックを示す図であり、(a)は、平面図、(b)は、(a)のA−A断面図、図14(a)、(b)は、リリースプレートを示す図であり、(a)は、平面図、(b)は、(a)のB−B断面図、図15(a)、(b)は、アンカーベースプレートを示す図であり、(a)は、平面図、(b)は、(a)のD−D断面図、図16は、従来ワイヤジャッキング装置を示す断面図である。
【0004】
先ず、ワイヤグリッピング装置について説明する。
【0005】
図9において、1は、ワイヤグリッピング装置、2は、プレッシャープレート、3は、アンカーブロック、4は、リリースプレート、5は、アンカーベースプレート、6は、クランピングシリンダ、7は、ワイヤグリップ、8は、連結棒、9は、スペーサブロックである。
【0006】
プレッシャープレート2、アンカーブロック3、リリースプレート4、アンカーベースプレート5は、垂直方向に複数条のPC鋼より線からなるワイヤ10(図9には、その中の一条を示している。)を貫通させる複数個のワイヤ貫通孔2a、3a、4a、5aを有している。
【0007】
クランピングシリンダ6は、アンカーブロック3にシリンダ11側が固定され、リリースプレート4にピストン12側が固定されている。ピストン12には、クランピングシリンダ用スプリング13が取り付けられている。クランピングシリンダ用スプリング13は、以下の機能を有している。
【0008】
クランピングシリンダ6は、この例では、3個設置されていて、これらのシリンダーを同期して操作することにより、リリースプレート4をプレッシャープレート2と共に均一に昇降させるが、クランピングシリンダ用スプリング13を設けることにより、特に、下降操作がより確実に行える。
【0009】
ワイヤグリップ7は、アンカーブロック3のテ−パ状ワイヤ貫通孔3a内に上方から嵌まり込む。ワイヤグリップ7の頭部とプレッシャープレート2のワイヤ貫通孔2aとの間には、ワイヤ10を貫通させた状態でスプリング座17を介してワイヤグリップ押し込み用スプリング14が取り付けられ、ワイヤグリップ押し込み用スプリング14によってワイヤグリップ7がアンカーブロック3側に押し付けられるようになっている。ワイヤグリップ押し込み用スプリング14は、以下の機能を有している。
【0010】
ワイヤグリップ押し込み用スプリング14の弾性力により全てのワイヤグリップ7がアンカーブロック3のワイヤ貫通孔3a内に均等に入り込むので、全てのワイヤ10を常に均一に把持することができ、この結果、全てのワイヤ10に均一に引張力が作用する。ワイヤグリップ押し込み用スプリング14を設けないと、特定のワイヤグリップ7が先にワイヤ貫通孔3a内に入り込んだ場合、先にワイヤ貫通孔3a内に入り込んだワイヤグリップ7により把持されたワイヤ10に引っ張り荷重が集中して、ワイヤ10が切断するおそれがある。
【0011】
連結棒8は、アンカーブロック3の貫通孔3bを貫通し、プレッシャープレート2とリリースプレート4とを連結している。これによって、プレッシャープレート2とリリースプレート4とが一体的に上下移動する。
【0012】
スペーサブロック9は、リリースプレート4の貫通孔4bを貫通し、アンカーブロック3とアンカーベースプレート5とを間隔をあけて連結している。これによって、クランピングシリンダ6のピストン12の伸縮に伴って、リリースプレート4とプレッシャープレート2とが一体的に上下移動する。
【0013】
15は、油圧ジャッキであり、アンカーベースプレート5に取り付けられている。油圧ジャッキ15は、後述する従来ワイヤジャッキング装置に用いられる。
【0014】
23は、プレッシャープレート2の上方に、支柱24により取り付けられたワイヤガイドである。
【0015】
次に、図10から図15を参照しながら、プレッシャープレート2、ワイヤグリップ7、アンカーブロック3、リリースプレート4、アンカーベースプレート5についてさらに説明する。
【0016】
図10(a)、(b)に示すように、プレッシャープレート2は、円盤状で、ワイヤ貫通孔2aが中心部に1個とそれを囲む一点鎖線で示す同心円上の位置に6個設けられている。プレッシャープレート2のワイヤ貫通孔2aの下端部の径口は広がっていて、この部分にワイヤ10の周囲に取り付けられたワイヤグリップ押し込み用スプリング14の上端部が入り込むようになっている。
【0017】
プレッシャープレート2には、ワイヤ貫通孔2aの外側の同心円上に3本の連結棒8をボルト・ナットによって固定するための貫通孔2dが形成されている。プレッシャープレート2には、この上方に取り付けられるワイヤガイド23をアンカーブロック3に支持する支柱24を貫通させる貫通孔(ここでは3個)2cが形成されている。
【0018】
図11に示すように、ワイヤグリップ7は、3個のジョウ7Aとジョウ7Aの上部周方向に設けた溝7Bに嵌込んだゴム製のOリング16とから構成されている。Oリング16は、3個のジョウ7Aが使用時に極端に偏らないように機能を有している。
【0019】
ワイヤグリップ7は、上広テーパ状に形成され、中心部には、ワイヤ10が貫通する貫通孔7cが形成されている。貫通孔7cの壁は、ワイヤ10を把持し易いようにネジ7dが形成されている。
【0020】
図12(a)に示すように、ワイヤグリップ7は、プレッシャープレート2を押し下げることによって、アンカーブロック3のテ−パ状ワイヤ貫通孔3aに上方から完全に嵌まり込んで閉の状態になり、ワイヤ10を完全に把持する。この状態で、ワイヤグリップ7の下部は、アンカーブロック3のワイヤ貫通孔3aから突出する。
【0021】
一方、図12(b)に示すように、リリースプレート4を引き上げると、リリースプレート4がワイヤ貫通孔3aから突出しているワイヤグリップ7の下部が持ち上げられる結果、ワイヤグリップ7とワイヤ貫通孔3aとの間に隙間を生じて、ワイヤグリップ7が開の状態になり、ワイヤ10の把持が解除される。
【0022】
このように、リリースプレート4にピストン12側が固定されたクランピングシリンダ6を駆動させて、連結棒8により連結されたプレッシャープレート2とリリースプレート4とを一体的に上下に移動させ、その上下移動によってプレッシャープレート2およびリリースプレート4に強制的な機能を発揮させて、ワイヤグリップ7の開閉が行われる。
【0023】
図13(a)、(b)に示すように、アンカーブロック3は、プレッシャープレート2のワイヤ貫通孔2aに対応した中心位置に1個の貫通孔3aが形成され、他の6個の貫通孔3aが一点鎖線で示す同心円上に形成されている。貫通孔3aは、上広テーパを呈し、ワイヤグリップ7が上方から嵌まり込むようになっている。
【0024】
貫通孔3aの外側の同心円上には、連結棒8を貫通させる貫通孔3bが3個設けられている。また、アンカーブロック3の平面は、円形形状部分を基盤としてその周面の3方に突出させた矩形形状部分を有し、3個のクランピングシリンダ6の取り付けを容易にしている。矩形形状部分の位置には、下面にスペーサブロック9を固定するボルト・ナットを挿入する貫通孔3cが形成されている。また、矩形形状の位置には、クランピングシリンダ6を支持するサポートブロック3fを固定するボルト孔3dが形成されている。
【0025】
図14(a)、(b)に示すように、リリースプレート4は、プレッシャープレート2、アンカーブロック3のワイヤ貫通孔2a、3aに対応した中心位置に1個の貫通孔4aが形成され、他の6個の貫通孔4aが一点鎖線で示す同心円上に形成されている。また、アンカーブロック3を貫通する連結棒8のボルト孔4cと、クランピングシリンダ6のピストン12側を固定するボルトのボルト孔4dが形成されている。また、リリースプレート4には、アンカーブロック3に上端が固定されたスペーサブロック9を貫通させる貫通孔4bが3個設けられている。
【0026】
図15(a)、(b)に示すように、アンカーベースプレート5は、プレッシャープレート2、アンカーブロック3、リリースプレート4の貫通孔2a、3a、4aに対応した中心位置に1個の貫通孔5aが形成され、他の6個の貫通孔5aが一点鎖線で示す同心円上に形成されている。また、アンカーベースプレート5には、アンカーブロック3の下面に上端が固定され、リリースプレート4を貫通したスペーサブロック9の下端を固定するボルトのボルト孔5bが3個設けられている。さらに、アンカーベースプレート5には、油圧ジャッキ15を固定するためのボルトのボルト孔5cが形成されている。
【0027】
次に、上述したワイヤグリッピング装置から構成される従来ワイヤジャッキング装置について説明する。
【0028】
図16に示すように、従来ワイヤジャッキング装置は、上述したワイヤグリッピング装置1と同様な上部ワイヤグリッピング装置1aと下部ワイヤグリッピング装置1bとをワイヤ10に沿って上下に間隔をあけて設けたものから構成されている。下部ワイヤグリッピング装置1bの下部アンカーベースプレート5Bは、油圧ジャッキ15のシリンダ21側に固定され、上部ワイヤグリッピング装置1aの上部アンカーベースプレート5Aは、油圧ジャッキ15のピストン20側に固定されている。油圧ジャッキ15は、対称位置に3個設置され、油圧系統により同期して駆動される。
【0029】
上述したように、上部および下部ワイヤグリッピング装置1a、1bの各々のプレッシャープレート2とリリースプレート4とは、アンカーブロック3を貫通した複数本の連結棒8により一体的に上下動するので、上部クランピングシリンダ6aまたは下部クランピングシリンダ6bにより、プレッシャープレート2とリリースプレート4とを同時に上下動させて、上部ワイヤグリッピング装置1aの上部ワイヤグリップ7aまたは下部ワイヤグリッピング装置1bの下部ワイヤグリップ7bとを強制的にアンカーブロック3の貫通孔3aに対して緩めたり、貫通孔3aに嵌め込んだりすることによって、すなわち、開閉することによって、各ワイヤ10の把持または解放を同時に行うことができる。そして、この操作を上部および下部ワイヤグリッピング装置1a、1bについて交互に行い、ワイヤ10を把持した上部ワイヤグリッピング装置1aを油圧ジャッキ15により昇降させれば、ワイヤ10の先端に連結した重量物22の吊り上げ、吊り下ろしが行える。
【0030】
すなわち、例えば、重量物22の吊り上げは、以下のようにして行われる。
【0031】
上部ワイヤグリッピング装置1aの上部ワイヤグリップ7aを上部クランピングシリンダ6aによりアンカーブロック3の貫通孔3aに嵌め込んで上部ワイヤグリップ7aによりをワイヤ10を把持し、下部ワイヤグリッピング装置1bの下部ワイヤグリップ7bを下部クランピングシリンダ6bにより緩めた状態で、上部ワイヤグリッピング装置1aを油圧ジャッキ15により上昇させる。これにより重量物22は、油圧ジャッキ15の1ストローク分、上昇する。
【0032】
今度は、下部ワイヤグリッピング装置1bの下部ワイヤグリップ7bを下部クランピングシリンダ6bによりアンカーブロック3の貫通孔3aに嵌め込んで、下部ワイヤグリップ7bによりをワイヤ10を把持し、次いで、上部ワイヤグリップ7aを緩め、上部ワイヤグリッピング装置1aを油圧ジャッキ15により下降させる。
【0033】
この操作を繰り返し行うことにより重量物22を間歇的に吊り上げることができる。重量物22を吊り下ろす場合も同様である。
【0034】
なお、重量物22の吊り上げによって、上部ワイヤグリッピング装置1aの上方からはワイヤ10が吊り上げ高さに応じて繰り出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0035】
【特許文献1】特許第2828430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0036】
上述のように、従来ワイヤジャッキング装置によれば、重量物22の吊り上げ、吊り下ろしが確実に行えるが、以下のような問題があった。
【0037】
例えば、重量物22がワイヤ10に連結されていない場合には、上部ワイヤグリッピング装置1aから繰り出されたワイヤ10自身の重量によって、ワイヤ10がワイヤジャッキング装置から抜け出るおそれがあった。すなわち、図12(a)の状態において、ワイヤ10にワイヤグリップ押し込み用スプリング14の弾性力を超える上方への引き抜き力が作用すると、アンカーブロック3のワイヤ貫通孔3a内のワイヤグリップ7が緩んで、ワイヤ10の上方への抜け出しを阻止する把持力がなくなりワイヤ10がワイヤジャッキング装置から上方に引き抜かれてしまうおそれがあった。
【0038】
従って、この発明の目的は、従来ワイヤジャッキング装置において、ワイヤ10にワイヤグリップ押し込み用スプリング14の弾性力を超える上方への引き抜き力が作用した場合に、ワイヤ10がワイヤジャッキング装置から上方に引き抜かれてしまうことを確実に阻止することができるワイヤジャッキング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0039】
この発明は、上記目的を達成するためになされたものであって、下記を特徴とする。
【0040】
請求項1に記載の発明は、垂直に張られたワイヤに沿って配される上部ワイヤグリッピング装置および下部ワイヤグリッピング装置と油圧ジャッキとからなり、前記上部および下部ワイヤグリッピング装置の各々は、前記ワイヤを貫通させるワイヤ貫通孔が形成された、それぞれ間隔をあけて配されたプレッシャープレート、アンカーブロック、リリースプレート、アンカーベースプレートと、前記アンカーブロックに対してシリンダ側が固定され、前記リリースプレートに対してピストン側が固定されたクランピングシリンダと、前記クランピングシリンダを作動させる油圧回路と、前記アンカーブロックの前記ワイヤ貫通孔に嵌め込まれ、前記プレッシャープレートの前記ワイヤ貫通孔の下端部にワイヤグリップ押し込み用スプリングを介して当接される、前記クランピングシリンダにより開閉されるワイヤグリップと、前記プレッシャープレートと前記リリースプレートとの間に、前記アンカーブロックを貫通して固定された連結棒と、前記アンカーブロックと前記アンカーベースプレートとの間に、前記リリースプレートを貫通して固定されたスペーサブロックとを備え、前記油圧ジャッキが前記下部ワイヤ用グリッピング装置の前記アンカーベースプレートと前記上部ワイヤ用グリッピング装置の前記アンカーベースプレートとの間に取り付けられているワイヤジャッキング装置において、前記油圧回路は、シーケンスバルブを有し、前記シーケンスバルブは、前記上部ワイヤグリッピング装置側のシーケンスバルブと前記下部ワイヤグリッピング装置側のシーケンスバルブとからなり、前記上部および下部ワイヤグリッピング装置の何れか一方のワイヤグリップが閉じているときに、他方のワイヤグリッピング装置のクランピングシリンダに油を供給して、前記他方のワイヤグリッピング装置のワイヤグリップを閉じ、前記他方のワイヤグリッピング装置のクランピングシリンダへの油圧が前記一方のワイヤグリッピング装置側のシーケンスバルブのパイロット圧を超えた場合に、前記一方のワイヤグリッピング装置のクランピングシリンダから油を抜いて、前記一方のワイヤグリッピング装置のワイヤグリップを開くことに特徴を有するものである。
【0041】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のワイヤジャッキング装置において、前記上部ワイヤグリッピング装置側のシーケンスバルブおよび前記下部ワイヤグリッピング装置側のシーケンスバルブは、何れも、チェックバルブ付きシーケンスバルブからなっていることに特徴を有するものである。
【発明の効果】
【0042】
この発明によれば、従来ワイヤジャッキング装置において、ワイヤにワイヤグリップ押し込み用スプリングの弾性力を超える上方への引き抜き力が作用した場合に、ワイヤがワイヤジャッキング装置から上方に引き抜かれてしまうことを確実に阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】この発明におけるシーケンスバルブ部分の油圧回路図であり、シーケンスバルブにより上部ワイヤグリップが開状態となり、下部ワイヤグリップが閉状態となった図である。
【図2】図1の場合における上部および下部ワイヤグリップの開閉状態を示す図である。
【図3】この発明におけるシーケンスバルブ部分の油圧回路図であり、シーケンスバルブにより、下部ワイヤグリップが閉状態となり、上部ワイヤグリップが初期閉状態となった図である。
【図4】図3の場合における上部および下部ワイヤグリップの開閉状態を示す図である。
【図5】この発明におけるシーケンスバルブ部分の油圧回路図であり、シーケンスバルブにより、上部ワイヤグリップおよび下部ワイヤグリップを共に閉状態となった図である。
【図6】図5の場合における上部および下部ワイヤグリップの開閉状態を示す図である。
【図7】この発明におけるシーケンスバルブ部分を示す油圧回路図であり、シーケンスバルブにより、上部ワイヤグリップが閉状態となり、下部ワイヤグリップが開状態となった図である。
【図8】図7の場合における上部および下部ワイヤグリップの開閉状態を示す図である。
【図9】従来ワイヤジャッキング装置を構成するワイヤグリッピング装置を示す一部省略断面図である。
【図10】プレッシャープレートを示す図であり、(a)は、平面図であり、(b)は、(a)のC−C断面図である。
【図11】ワイヤグリップを示す斜視図である。
【図12】ワイヤグリップの作動態様を示す図であり、(a)は、ワイヤグリップが閉の状態を示す断面図、(b)は、ワイヤグリップが開の状態を示す断面図である。
【図13】アンカーブロックを示す図であり、(a)は、平面図、(b)は、(a)のA−A断面図である。
【図14】リリースプレートを示す図であり、(a)は、平面図、(b)は、(a)のB−B断面図である。
【図15】アンカーベースプレートを示す図であり、(a)は、平面図、(b)は、(a)のD−D断面図である。
【図16】従来ワイヤジャッキング装置を示す一部省略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
この発明のワイヤジャッキング装置の一実施態様を、図面を参照しながら説明する。
【0045】
この発明のワイヤジャッキング装置は、上述した従来ワイヤジャッキング装置におけるクランピングシリンダを作動させる油圧回路を改良したものであり、従来ワイヤジャッキング装置におけると同一番号は、同一物を示す。
【0046】
図1、図3、図5および図7は、この発明におけるシーケンスバルブ部分を示す油圧回路図であり、図2、図4、図6および図8は、上部および下部ワイヤグリップの開閉状態を示す図である。図2、図4、図6および図8において、2は、プレッシャープレート、3は、アンカーブロック、4は、リリースプレート、7aは、上部ワイヤグリップ、7bは、下部ワイヤグリップ、10は、ワイヤを示す。
【0047】
この油圧回路は、図1、図3、図5および図7中、一点鎖線で囲まれるシーケンスバルブ25を有している。
【0048】
図1、図3、図5および図7に示すように、シーケンスバルブ25は、上部ワイヤグリッピング装置1a側のシーケンスバルブ25aと下部ワイヤグリッピング装置1b側のシーケンスバルブ25bとからなっている。シーケンスバルブ25a、25bには、それぞれチェックバルブ26a、26bが取り付けられている。
【0049】
シーケンスバルブ25は、図16に示すように、上部および下部ワイヤグリッピング装置1a、1bの上部および下部ワイヤグリップ7a、7bが共に閉じてからでないと、上部および下部ワイヤグリッピング装置1a、1bの何れか一方のワイヤグリップ7aまたは7bが開かないように、上部および下部クランピングシリンダ6a、6bを作動させる機能を有している。
【0050】
このように、上部および下部ワイヤグリップ7a、7bが共に完全に閉じてからでないと、上部および下部ワイヤグリップ7a、7bの何れか一方が開かないようにすることによって、ワイヤ10にワイヤグリップ押し込み用スプリング14の弾性力を超える上方への引き抜き力が作用した場合に、ワイヤ10がワイヤジャッキング装置から上方に引き抜かれてしまうことを確実に阻止することができる。
【0051】
この発明のワイヤジャッキング装置における上部および下部クランピングシリンダ6a、6bの作動をさらに説明する。
【0052】
図1、図3、図5および図7において、6aは、上述した従来ワイヤジャッキング装置の上部ワイヤグリッピング装置における上部クランピングシリンダ、6bは、上述した従来ワイヤジャッキング装置の下部ワイヤグリッピング装置における下部クランピングシリンダである。上部および下部クランピングシリンダ6a、6bは、それぞれ2個、設けられているが、2個に限定されない。
【0053】
図1は、上部ワイヤグリップ7aが開き、下部ワイヤグリップ7bが閉じている状態を示す。すなわち、図2に示すように、上部ワイヤグリッピング装置のリリースプレート4が上昇して、上部ワイヤグリップ7aが開き、下部ワイヤグリッピング装置のプレッシャープレート2が下降して、下部ワイヤグリップ7bが閉じている。
【0054】
次に、図3に示すように、Dポートから油を送ると、油は、上部ワイヤグリッピング装置側のシーケンスバルブ25aのチェックバルブ26aを経由して、上部クランピングシリンダ6aに送られ、上部クランピングシリンダ6aの加圧ポートを加圧する。これにより、上部クランピングシリンダ6aが伸びて、上部ワイヤグリップ7aが初期閉状態になる。すなわち、図4に示すように、下部ワイヤグリップ7bが閉じたままで、上部ワイヤグリッピング装置のプレッシャープレート2が下降して、上部ワイヤグリップ7aが初期閉状態になる。
【0055】
次に、図5に示すように、上部クランピングシリンダ6aがストロークエンドまで伸びて、上部ワイヤグリップ7aが完全に閉じると、下部クランピングシリンダ6bの戻りポートが加圧される。ただし、下部クランピングシリンダ6bは、不動である。すなわち、図6に示すように、上部および下部ワイヤグリップ7a、7bが、共に閉じている。
【0056】
このように、上部クランピングシリンダ6aがストロークエンドまで伸びて、Dポートからの油圧が下部ワイヤグリッピング装置側のシーケンスバルブ25bのパイロット圧を超えると、シーケンスバルブ25bが開いて、下部クランピングシリンダ6bが縮み、これによって、下部ワイヤグリップ7bが開く。下部クランピングシリンダ6bからの油は、Cポートから排出される。すなわち、図8に示すように、上部ワイヤグリップ7aが閉じたままで、下部ワイヤグリッピング装置のリリースプレート4が上昇して、下部ワイヤグリップ7bが開く。
【0057】
このように、上部および下部ワイヤグリップ7a、7bが共に完全に閉じてからでないと、上部および下部ワイヤグリップ7a、7bの何れか一方が開かないようにすることによって、ワイヤ10にワイヤグリップ押し込み用スプリング14の弾性力を超える上方への引き抜き力が作用した場合に、ワイヤ10がワイヤジャッキング装置から上方に引き抜かれてしまうことを確実に阻止することができる。
【符号の説明】
【0058】
1:ワイヤグリッピング装置
1a:上部ワイヤグリッピング装置
1b:下部ワイヤグリッピング装置
2:プレッシャープレート
3:アンカーブロック
4:リリースプレート
5:アンカーベースプレート
5A:上部アンカーベースプレート
5B:下部アンカーベースプレート
6:クランピングシリンダ
6a:上部クランピングシリンダ
6b:下部クランピングシリンダ
7:ワイヤグリップ
7a:上部ワイヤグリップ
7b:下部ワイヤグリップ
8:連結棒
9: スペーサブロック
10:ワイヤ
11:シリンダ
12:ピストン
13:クランピングシリンダ用スプリング
14:ワイヤグリップ押し込み用スプリング
15:油圧ジャッキ
16:Oリング
17:スプリング座
20:ピストン
21:シリンダ
22:重量物
23:ワイヤガイド
24:支柱
25:シーケンスバルブ
25a:上部ワイヤグリッピング装置側のシーケンスバルブ
25b:下部ワイヤグリッピング装置側のシーケンスバルブ
26:チェックバルブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直に張られたワイヤに沿って配される上部ワイヤグリッピング装置および下部ワイヤグリッピング装置と油圧ジャッキとからなり、前記上部および下部ワイヤグリッピング装置の各々は、前記ワイヤを貫通させるワイヤ貫通孔が形成された、それぞれ間隔をあけて配されたプレッシャープレート、アンカーブロック、リリースプレート、アンカーベースプレートと、前記アンカーブロックに対してシリンダ側が固定され、前記リリースプレートに対してピストン側が固定されたクランピングシリンダと、前記クランピングシリンダを作動させる油圧回路と、前記アンカーブロックの前記ワイヤ貫通孔に嵌め込まれ、前記プレッシャープレートの前記ワイヤ貫通孔の下端部にワイヤグリップ押し込み用スプリングを介して当接される、前記クランピングシリンダにより開閉されるワイヤグリップと、前記プレッシャープレートと前記リリースプレートとの間に、前記アンカーブロックを貫通して固定された連結棒と、前記アンカーブロックと前記アンカーベースプレートとの間に、前記リリースプレートを貫通して固定されたスペーサブロックとを備え、前記油圧ジャッキが前記下部ワイヤ用グリッピング装置の前記アンカーベースプレートと前記上部ワイヤ用グリッピング装置の前記アンカーベースプレートとの間に取り付けられているワイヤジャッキング装置において、
前記油圧回路は、シーケンスバルブを有し、前記シーケンスバルブは、前記上部ワイヤグリッピング装置側のシーケンスバルブと前記下部ワイヤグリッピング装置側のシーケンスバルブとからなり、前記上部および下部ワイヤグリッピング装置の何れか一方のワイヤグリップが閉じているときに、他方のワイヤグリッピング装置のクランピングシリンダに油を供給して、前記他方のワイヤグリッピング装置のワイヤグリップを閉じ、前記他方のワイヤグリッピング装置のクランピングシリンダへの油圧が前記一方のワイヤグリッピング装置側のシーケンスバルブのパイロット圧を超えた場合に、前記一方のワイヤグリッピング装置のクランピングシリンダから油を抜いて、前記一方のワイヤグリッピング装置のワイヤグリップを開くことを特徴とするワイヤジャッキング装置。
【請求項2】
前記上部ワイヤグリッピング装置側のシーケンスバルブおよび前記下部ワイヤグリッピング装置側のシーケンスバルブは、何れも、チェックバルブ付きシーケンスバルブからなっていることを特徴とする、請求項1に記載のワイヤジャッキング装置。
【請求項1】
垂直に張られたワイヤに沿って配される上部ワイヤグリッピング装置および下部ワイヤグリッピング装置と油圧ジャッキとからなり、前記上部および下部ワイヤグリッピング装置の各々は、前記ワイヤを貫通させるワイヤ貫通孔が形成された、それぞれ間隔をあけて配されたプレッシャープレート、アンカーブロック、リリースプレート、アンカーベースプレートと、前記アンカーブロックに対してシリンダ側が固定され、前記リリースプレートに対してピストン側が固定されたクランピングシリンダと、前記クランピングシリンダを作動させる油圧回路と、前記アンカーブロックの前記ワイヤ貫通孔に嵌め込まれ、前記プレッシャープレートの前記ワイヤ貫通孔の下端部にワイヤグリップ押し込み用スプリングを介して当接される、前記クランピングシリンダにより開閉されるワイヤグリップと、前記プレッシャープレートと前記リリースプレートとの間に、前記アンカーブロックを貫通して固定された連結棒と、前記アンカーブロックと前記アンカーベースプレートとの間に、前記リリースプレートを貫通して固定されたスペーサブロックとを備え、前記油圧ジャッキが前記下部ワイヤ用グリッピング装置の前記アンカーベースプレートと前記上部ワイヤ用グリッピング装置の前記アンカーベースプレートとの間に取り付けられているワイヤジャッキング装置において、
前記油圧回路は、シーケンスバルブを有し、前記シーケンスバルブは、前記上部ワイヤグリッピング装置側のシーケンスバルブと前記下部ワイヤグリッピング装置側のシーケンスバルブとからなり、前記上部および下部ワイヤグリッピング装置の何れか一方のワイヤグリップが閉じているときに、他方のワイヤグリッピング装置のクランピングシリンダに油を供給して、前記他方のワイヤグリッピング装置のワイヤグリップを閉じ、前記他方のワイヤグリッピング装置のクランピングシリンダへの油圧が前記一方のワイヤグリッピング装置側のシーケンスバルブのパイロット圧を超えた場合に、前記一方のワイヤグリッピング装置のクランピングシリンダから油を抜いて、前記一方のワイヤグリッピング装置のワイヤグリップを開くことを特徴とするワイヤジャッキング装置。
【請求項2】
前記上部ワイヤグリッピング装置側のシーケンスバルブおよび前記下部ワイヤグリッピング装置側のシーケンスバルブは、何れも、チェックバルブ付きシーケンスバルブからなっていることを特徴とする、請求項1に記載のワイヤジャッキング装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−82055(P2012−82055A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−230007(P2010−230007)
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【出願人】(000204000)太平電業株式会社 (30)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【出願人】(000204000)太平電業株式会社 (30)
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