説明

ワイヤレス機器間の通信方法およびシステム

ワイヤレス機器間のコマンド通信のシステムおよびテクニックが記載される。一実施形態では、周波数ホッピングプロトコルを用いてデータサンプルを通信する(連続グルコースモニタのような)データ収集機器およびモニタリング/制御機器は、非データインストラクションおよびアクノレッジの送信のための専用コマンド周波数を利用する。コマンド周波数がペア化または他のインストラクションが送信中であるかどうかを判定するため機器によって規則的に待ち受けされるコマンドモードが記載される。別の実施例では、通信が妨害または改竄されるとき、機器は、機器間のペア化されたリンクを再捕捉するためコマンド周波数の使用に戻る。コマンド周波数は、データ捕捉機器が低または非電力送信モードに入り、そして、コマンド周波数を介してフライトモードから離れるようにインストラクションされるまで、このモードに留まり、サンプリングされたデータを格納するフライトモードのためさらに使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2008年8月28日に出願された米国仮特許出願第61/092,717号に基づく優先権を主張し、この仮特許出願の開示内容全体がそのまま参照によって本明細書に組み込まれている。
【0002】
技術分野
本明細書中の実施形態は、医療機器の分野、より具体的には、モニタリング機器と受信機との間の通信に関する。
【背景技術】
【0003】
連続血糖モニタのような既存の医療モニタリング機器は、患者が定期的かつ連続的に健康状態を追跡することを可能にする。たとえば、患者の身体に接近して着用され、そして、皮膚を通してセンサが設けられている連続血糖モニタは、固定レートで血糖データをサンプリングし、患者が観察するためこのデータを報告/モニタリングシステムに提供することが可能である。データサンプリングの連続的な性質は、患者の状態についてのより良好で、より高い粒状性の理解、および、患者の状態が時間単位で、または、さらに分単位でどのように変化しているかを患者に提供する。
【0004】
一部の既存の機器では、より高い使い勝手の良さおよび快適さを患者に提供するため、2部品からなるモニタリングシステムが使用される。このシステムは、比較的小型のデータ収集機器を身体に接近して、そして、患者と接触させて設置することを可能にする。データ収集機器は、その後、このサンプリングされたデータを手持ち式機器のような別個のモニタリング機器にワイヤレス送信する。このモニタリング機器は、データ収集機器によって取得されたデータの容易な入手を実現し、そして、データ収集機器の動作を制御する能力をさらに提供してもよい。2台の機器の使用は、身体の不便な所に置かれているか、または、衣服の下にセットアップされている場合のようなデータ収集機器の直接的な操作より容易な使用を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】様々な実施形態により使用される構成要素を図示するブロック図である。
【図2】様々な実施形態により専用コマンド周波数を使用して動作する機器のためのプロセスを図示するフローチャートである。
【図3】様々な実施形態によりコマンドモードで動作する機器のためのプロセスを図示するフローチャートである。
【図4】様々な実施形態により機器間でリンクを再捕捉するためコマンドモードで動作する機器のためのプロセスを図示するフローチャートである。
【図5】様々な実施形態によりフライトモードで動作する機器のためのプロセスを図示するフローチャートである。
【図6】様々な実施形態によりデータ収集機器と通信するため機器をモニタリングするプロセスを図示するフローチャートである。
【図7】様々な実施形態を実施するため用いられるコンピューティング環境を図示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
実施形態は添付図面と併せて以下の詳細な説明によって容易に理解されるであろう。実施形態は、一例として、限定のためではなく、添付図面中の図に示されている。
【0007】
以下の詳細な説明では、説明の一部を形成し、そして、実施されてもよい実施形態が実例として示された添付図面を参照する。他の実施形態が利用されることがあり、そして、構造的または論理的変更が範囲から逸脱することなく行われてもよい、と理解されるべきである。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきでなく、そして、実施形態の範囲は、請求項に記載された事項およびこれらの均等物によって定められる。
【0008】
様々な動作は、順番に多数の別々の動作として、実施形態を理解するのに役立つことがある方法で説明されてもよいが、説明の順序は、これらの動作が順序依存性であることを意味すると解釈されるべきでない。
【0009】
説明は、上へ/下へ、後部/前部、および、上部/下部のような見え方に基づく説明を使用してもよい。このような説明は、検討を実現しやすくするため使用されるだけであり、そして、開示された実施形態の用途を限定することが意図されるのではない。
【0010】
用語「結合され」および「接続され」は、これらの派生語と共に、使用されてもよい。これらの用語は、互いに類義語として意図されていないことが理解されるべきである。それどころか、特定の実施形態では、「接続され」は、2つ以上の要素が直接的に物理的または電気的に接触した状態を示すため使用されてもよい。「結合され」は、2つ以上の要素が間接的に物理的または電気的に接触した状態であることを意味してもよい。しかし、「結合され」は、2つ以上の要素が互いに直接的に接触していない状態であることをさらに意味してもよいが、依然として、互いに協働または相互作用する。
【0011】
説明の目的のため、「A/B」という形式、または、「Aおよび/またはB」という形式をした言い回しは、(A)、(B)または(AおよびB)を意味する。説明の目的のため、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」は、(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(AおよびC)、(BおよびC)、または、(A、BおよびC)を意味する。説明の目的のため、「(A)B」という形式をした言い回しは、(B)または(AB)、すなわち、Aが随意的な要素であることを意味する。
【0012】
説明は、それぞれが1つ以上の同じまたは異なった複数の実施形態/複数の実施を指してもよい「実施形態」、「複数の実施形態」または「(複数の)実施」という用語を使用してもよい。さらに、複数の実施形態に関して使用されるような「を備える」、「を含む」、「を有する」などの用語は、類義語である。
【0013】
様々な実施形態では、ワイヤレス機器間のコマンド通信のための様々な実施形態、方法、装置およびシステムが提供される。例示的な実施形態では、コンピューティング機器は、開示された装置および/またはシステムの1つ以上の構成要素が与えられることがあり、そして、本明細書中に開示されているように、1つ以上の方法を実行するため利用されてもよい。
【0014】
本明細書中の実施形態は、2台のワイヤレス機器間の通信が周波数ホッピングを包含するシステムにおいて、非データインストラクションの送受信のための専用コマンド周波数の使用を行う。機器は、機器の獲得および相互のペア化のため専用周波数を利用する。機器は、モニタリング機器とデータ捕捉機器との間で送信されているコマンドを特定するため周波数における動作を定期的に待ち受けるプロトコルにさらに依存する。
【0015】
これらの機器は、データ捕捉機器がこの無線周波数エンジンの電力を低下させるか、または、無線周波数エンジンをオフに遮断するフライトモードでの動作のため専用周波数をさらに利用する。これは、規制がユーザの航空機が飛行している間に無線周波数で送信する電子装置の使用を禁止または制限する航空機旅行中、特に、民間航空機上の特殊な使用である。データ捕捉機器は、その後、専用コマンドチャンネルをチェックすることによりフライトモードを終了するインストラクションを待ち受けることができる。さらに、通信が妨害されるとき、または、いくつかの他の理由のため、データ捕捉機器がある時間に亘るこのデータ捕捉機器のデータ送信のアクノレッジを受信したとき、データ捕捉機器は、クワイエット・モードに入ることが可能である。このモードでは、機器は、この機器のサンプリングされたデータを格納し、モニタリング機器からの再ペア化インストラクションを待ち受ける。
【0016】
I. システム
図1は、モジュール、構成要素、および、データ捕捉機器とモニタリング機器との間の通信のブロック図を図示する。図示された実施例では、データ捕捉機器は、自動校正およびモニタリングユニット120(ACMU)と通信するグルコース・センサ組立体100(GSA)である。図1は、本明細書中に記載された通信テクニックを使用するシステムのこれらの特殊な実施例を図示するが、代替的な実施形態では、通信テクニックは他の媒体機器、または、非医療ワイヤレス機器間で使用されてもよい。
【0017】
GSA100は、2個の部品、すなわち、使い捨てセンサ組立体105(DSA)および再使用可能センサ組立体110(RSA)を含む。DSA105は、患者の健康データの測定を行い、この場合、DSAは、患者の皮膚の中、または、患者の身体の内部に設置されたセンサを通じて血糖レベルを直接的に測定する。それ自体は必ずしも患者の身体と密接に接触していなくてもよいRSA110は、その後、DSA105によって供給されたデータサンプルを取得し、必要に応じてこれらのサンプルを記録および/または送信するのに役立つ。このため、RSA110は、RSAの一般的な動作を実行するプロセッサおよびプログラミングを含有するデジタルエンジン130と、その他に、GSA100とACMU120との間で無線周波数通信を取り扱うRSA無線周波数エンジン140とを含む。一実施形態では、RSA RFエンジン140は、他の実施形態が代替的なプロセッサを利用するかもしれないが、Texas Instruments CC2510が組み合わされたRF送受信機およびマイクロコントローラ・チップを含む。
【0018】
ACMU120は、GSA100からデータを受信し、モニタリングすると共に、制御コマンドをGSA100に供給する機器である。GSA100のRSA110の部分と同様に、ACMU120は、デジタルエンジン150と無線周波数エンジン160とを含む。RSA110の場合と同様に、デジタルエンジン150は、ACMU120に高水準動作を提供し、同時にACMU RFエンジン160は、RSA110との通信を行う。ACMUは、ACMUの動作と共に関連したRSAの動作を制御するユーザインターフェイス165をさらに含む。
【0019】
図1に図示するように、RSA RFエンジン140およびACMU RFエンジン160は、種々の周波数を介して通信する。一般的な実施形態では、2台のRFエンジンは、それぞれのデジタルエンジンからの指示の下で、周波数ホッピングプロトコルを利用する。このプロトコルでは、RFエンジンは、規則的な間隔で、RFエンジンの送信および受信の両方の通信のための所定のデータ送信無線周波数の系列(または「チャンネル」)170の中を進む。RFエンジンが互いに比較的同期している限り、RFエンジンは、チャンネルが変化しているにもかかわらず、チャンネルを介して通信することができる。図1は、3個のチャンネルの実施例を図示するが、これは、図示の目的のため行われ、本明細書中のテクニックに使用されるチャンネルの個数または選択肢を制限するように読み取られるべきでない。一実施形態では、周波数の系列170は、周波数帯域2400MHzないし2480MHzから選択されてもよいが、他の実施形態では、他の周波数選択が使用されてもよい。
【0020】
図1は、データ送信周波数170とは別個であるコマンド周波数180をさらに図示する。一般的にデータ送信周波数の系列170の中に入らないように選択されたこの周波数は、専用チャネル上で通信するためRSA110およびACMU120によって使用される。特に、このコマンドチャネルは、ACMU120からRSA110への非データインストラクションまたはコマンドの伝送と共にRSAからのアクノレッジのため使用される。一実施形態では、このコマンド周波数は2474MHzであるが、他の周波数も同様に使用されてもよい。
【0021】
これは、機器が非データ通信のための専用コマンド周波数を利用してもよいので、すべての通信のため周波数ホッピング系列からのチャネルだけを利用するテクニックに優る利点を提供する。しかし、従来型のデータサンプル伝送のため周波数ホッピングを利用する利点は、維持される。
【0022】
II. 通信テクニック
図2は、2台のワイヤレス機器間の通信のための専用コマンド周波数を利用する例示的なテクニック200のフローチャートを図示する。図2のプロセスは、他の機器と通信するためRSA110またはACMU120のいずれかによって実行されてもよい。実例を示すために、図2のプロセスがRSA110を参照して説明される。このプロセスは、RSA110がデータ送信周波数170のうちの1つでデータを送信するブロック210で開始する。次に、判定ブロック215で、RSA110は、コマンドインストラクションを待ち受ける必要があるかどうかを判定する。代替的に、図2のプロセスがACMU120によって実行される場合、ACMUは、ブロック215で、コマンドインストラクションを発行する必要があるかどうかを判定する。コマンドインストラクションの必要性がない場合、ブロック220で、RSA110は、周波数の系列170から次のデータ送信周波数を選択し、その後、ブロック210でデータを継続して送信する。このルーピングプロセスは、RSA110およびACMU120の両方によって実行されるとき、前述された周波数ホッピングテクニックを達成する。
【0023】
RSA110は、しかし、判定ブロック215でコマンドインストラクションの必要性があると判定する。以下の実施例に記載されているように、この判定は、RSAがリセットされたため、または、まさにRSAが限定された時間に亘ってACMUからのコマンドを定期的に待ち受けているため、長時間に亘ってACMUからアクノレッジが受信されなかったことにより行われてもよい。代替的に、RSA110によって判定が行われなくてもよいが、むしろ、割り込みまたは他のトリガが、RSA110は何らかのインストラクション/コマンドを取得するためにコマンド周波数へ切り換わるべきであることをRSA110に指示してもよい。理由がどうであろうと、このプロセスは、次に、RSA110が専用コマンド周波数で待ち受け、送信するブロック230に続く。一実施形態では、このブロックは、データ送信周波数のうちの1つでの待ち受けおよび送信から専用コマンドチャンネルでの待ち受けおよび送信へ切り換えることをRFエンジン140にインストラクションするデジタルエンジン130によって実行される。付加的に、専用コマンドチャンネルでの通信に費やされる時間は、RFエンジンが切り換わるようにインストラクションされた通信および/またはシナリオの性質に依存して、およそ10ミリ秒程度から数十分まで変化してもよい。
【0024】
最終的に、専用コマンド周波数での通信後に、プロセスは、RSA110が、RSA RFエンジン140によって使用される周波数を再び切り換えることにより、系列170内の第1のデータ送信周波数へ戻るブロック240に続く。プロセスは、次に、データが送信されるブロック210へ戻り、プロセス全体を繰り返す。
【0025】
III. コマンド周波数の使用例
図3は、コマンドモードで動作する例示的なテクニック300のフローチャートを図示する。同様に、実例の目的のため、図3のプロセスがRSA110を参照して説明される。プロセスは、RSA110がコマンドモードで動作するように指示されるブロック310で開始する。一般的に、RSAは、電源投入時、または、リセットされたとき、ペア化される相手方であるACMUを見つけるため、コマンドモードを利用してもよい。次に、ブロック320で、RSAは、RSAがコマンド周波数で待ち受けていた最後から、プリセットされた時間が経過したことを判定する。このステップは、たとえば、電源投入時またはリセット時に省かれてもよい。一実施形態では、RSA110は、60秒毎に1回ずつ専用コマンド周波数で待ち受けるように構成されている。RSAは、コマンドチャンネルを待ち受ける60秒毎の範囲内で時間をランダムに選択するようにさらに構成されてもよい。このように、RSAは60秒毎に定期的に待ち受けるとしても、別の近隣のRSAと同時にインストラクションを待ち受け中、したがって、応答中である可能性は低い。このテクニックは、2台の近隣のRSAが両方共にコマンドモードにある場合、これらの2台の近隣のRSA間の干渉の可能性を低減する。
【0026】
コマンドチャンネルで待ち受けるべき時点であるという判定後、ブロック330で、RSA110は、コマンド周波数での動作に切り換わる。前述の通り、このブロックは、RSA RFエンジンに切り換わるようにインストラクションすることを包含する。次に、ブロック340で、RSAは、コマンド周波数でインストラクションを待ち受ける。コマンドチャンネルでの待ち受けが定期的に行われる簡単な場合、RSAは、短時間に亘って、たとえば、10ミリ秒の間、コマンドチャンネルだけで待ち受けてもよい。さらに短い時間に亘って、しかし、規則的な間隔でオープンにすることにより、ACMUは、コマンドをRSAに送信することが必要である場合、RSAが待ち受けることを信頼することができる。よって、一実施形態では、RSAがコマンドモードにあるとき、RSAがACMUのコマンドを受信したときにACMUがRSAからアクノレッジを受信する間に、ACMUは、RSAがACMUのコマンドを受信した時点がわからない。ACMUは、したがって、(前述の実施例では、60秒のような)RSAによって使用されたプリセット時間のうちの少なくとも1つの間にACMUが発生する各コマンドを繰り返す。よって、ACMUがACMUのコマンドを繰り返す間のいくつかのポイントで、範囲内のRSAは、待ち受け、そして、コマンドを受信できるべきである。プロセスは、その後、RSAがデータチャンネルに切り換え復帰するブロック350に続く。プロセスは、その後、RSAがインストラクションを待ち受けるべき次の時点まで待機するブロック320を繰り返す。一実施形態では、(図示されない)、RSAがセットされた時間(たとえば、30分間)内にACMUからコマンドを受信しない場合、RSAは、コマンドモードでの動作を中止し、そして、場合により、バッテリ資源を節約するため、低電力モードに入る。
【0027】
実施形態では、ACMUは、このACMUとRSAとの間のペア化を実施するために2個のコマンド、すなわち、問い合わせ、および、ペアを発行してもよい。前述されている通り、ACMUは、このACMUが通信しているか、または、ペア化しようとしている(複数の)RSAによってコマンドが聴取されるように、60秒のような時間に毎回繰り返してもよい。問い合わせコマンドは、RSAがコマンドを聴取したとき、このRSAを特定するアクノレッジパケットを送信するように各RSAにインストラクションする。このように、応答を待機し、受信した後、ACMUは、その後、ユーザがペア化のため選択するためにGSAのリストを発生(そして表示)してもよい。問い合わせコマンド後に使用されるか、または、単独で使用されてもよいペアコマンドは、特定のRSAの識別情報を収容しているパケットとして送信され、ACMUとペア化するようにRSAにインストラクションする。ACMUは、ACMUが特定した特定のRSAから応答を受信した後、その後、RSAとペア化されたことを知り、RSAから送信されたデータサンプルを受信し始めることが可能である。
【0028】
代替的に、ACMUからの捕捉を制御するよりむしろ、RSAは、RSAを特定するデータパケットを繰り返し的に送出してもよく、一方、ACMUは、これらのパケットを受信するためコマンドモードで動作する。ACMUは、その後、ペア化すべきGSAを選択することができるユーザが利用可能なGSAをリストにしてもよい。ペア化は、その後、既知のテクニックによって進めてもよい。
【0029】
図4は、クワイエット・データ・モードで動作するRSAのための例示的なテクニック400を図示するフローチャートである。図4のプロセスは、深刻な干渉またはACMUの利用困難性のようなACMUがRSAによって送信されたデータサンプルに応答できなかったシナリオで実行されるこのプロセスは、RSA110がサンプル・データ・モードにおいて動作するブロック410で開始する。前述の通り、このモード中で、RSAは、RSAのデータをACMUに送信しながら、周波数ホッピングを利用してもよい。次に、ブロック420で、RSAは、RSAが送信したデータパケットのアクノレッジを受信したときから、プリセット時間が経過したことを判定する。一実施例としての、一実施形態では、この時間は90分でもよい。この時間の後、アクノレッジがACMUによって受信されていない場合、RSAは、サンプル・クワイエット・データ・モードに切り換わる。
【0030】
サンプル・クワイエット・データ・モードは、通信がACMUによって適切に受信されていないと仮定されるときに利用される。よって、本モードでは、RSAは、データサンプルを送出するのではなく、格納し、そして、コマンド周波数でインストラクションを定期的に待ち受ける。ブロック440で、その後、RSAは、DSA105から受信されたままデータを格納する。次に、ブロック450で、RSAは、コマンド周波数でインストラクションを待ち受ける。前述されたコマンドモードの場合とちょうど同じように、RSAは、短い時間だけに亘って、規則的な間隔で待ち受けてもよい。したがって、一実施形態では、RSAは、60秒毎に1回ずつ10ミリ秒の間にコマンド周波数を待ち受ける。さらに別の実施形態では、ブロック450で、RSAは、ACMUを再捕捉するコマンドをコマンド周波数上で待ち受ける。このプロセスは、その後、ブロック440を繰り返し、RSAがサンプル・クワイエット・データ・モードを出て、そのポイントで、プロセスが終了する(図示せず)ためのコマンドを受信するまで、より多くのデータサンプルが格納される。
【0031】
代替的な実施形態では、前述されたサンプル・クワイエット・データ・モードにおけるバリエーションは、RSAからのアクノレッジされていないデータ送信の回数に基づいて同様に使用されてもよい。この場合、RSAは、データパケットのアクノレッジを受信しなかった後、データパケットをACMUへ再送信し、応答を待機してもよい。2回のリトライ後、アクノレッジが受信されない場合、RSAは、コマンドがACMUから送信中であるかどうかを判定するため、コマンド周波数で待ち受ける10ミリ秒の間に直ちにサンプル・データ・クワイエット・モードに入る。
【0032】
図5は、フライトモードで動作するRSAのための例示的なテクニック500を図示するフローチャートである。フライトモードは、従来型の送信電力が航空システムと干渉することが心配されるとき、システムが飛行中に航空機内で使用されているときに一般的に選択される。削減された電力、または、送信電力が全くないときに動作することにより、フライトモードは、GSA100が飛行中に継続して血糖レベルをサンプリングし、そして、RSA110の直接的な操作を必要とすることなく飛行の終わりに正確に再ペア化することを可能にする。このプロセスは、RSAがフライトモードで動作するためのコマンドを受信するブロック510で開始する。これは、RSAの直接的な起動を通じさせてもよいが、たとえば、RSAの相対的なアクセス困難性に起因するACMUからのコマンドの受信より望ましくない。このようなコマンドは、コマンドモード中にRSAへ送信されることがあり、または、RSAから送信されたデータパケットの受信後のアクノレッジに含まれてもよい。
【0033】
このプロセスは、RSAがこのRSAの送信電力を低下させることをこのRSAのRFエンジンにインストラクションするブロック520へ続く。一実施形態では、RFエンジンは、RTCA/DO−160Eセクション21カテゴリMに指定されている医療機器のような、アクノレッジされた医療用パーソナル医療機器のためのFAA規制に適合するため送信電力を低下させるようにインストラクションされる。ACMUは、パケットをアクノレッジするためACMUの送信電力を同様に低下させる。
【0034】
次に、ブロック540で、RSAは、たとえば、コマンド周波数で、フライトモードを終了するインストラクションを待ち受ける。別の実施形態では、RSAが低いが、非零の電力で送信するように構成されているとき、RSAは、アクノレッジパケットの中にACMUによって埋め込まれたフライトモードを終了させるインストラクションを待ち受けてもよい。このプロセスは、その後、RSAがフライトモードを終了させるインストラクションを受信したかどうかを判定するブロック545へ続く。受信しなかった場合、このプロセスは、より少ない電力でデータ送信が送信されるブロック530で繰り返す。その代わりに、終了させるインストラクションが受信された場合、このプロセスは、その後、フライトモードを終了させる。
【0035】
図示されない別の実施形態では、RSAは、このRSAの送信電力を完全に零まで低下させる。本実施形態では、ブロック530でフライトモード中にデータを送信する代わりに、RSAは、代わって、フライトモードの区間に亘ってデータサンプルを内部メモリに格納する。その後、ブロック540で、RSAは、フライトモードの区間に亘ってインストラクションを定期的に待ち受ける。前述の通り、このインストラクションは、RSAがインストラクションを受信し、処理し、そして、アクノレッジするまで、ACMUによって、ある時間に亘って繰り返されてもよい。
【0036】
図6は、専用コマンド周波数を介してRSAと通信するACMUのための例示的なプロセス600を図示するフローチャートである。このプロセスは、ACMUがRSAの制御は望ましいと判定するブロック610で開始する。たとえば、ACMUは、ユーザインターフェイス165を介してユーザコマンドを受信してもよく、または、通信が2台の機器間で失敗したため再ペア化コマンドが送信されるべきであると判定してもよい。
【0037】
次に、ブロック620で、ACMUは、専用コマンド周波数180でコマンドをRSAに送信する。前述の通り、一実施形態では、ACMUは、コマンドが送信された最初の時点でRSAが待ち受けていることを仮定できないので、所定の時間に亘ってコマンドを繰り返し的に送信し、たとえば、ACMUは、60秒に亘って繰り返し的にインストラクションを送信してもよいので、60秒の間の少なくとも1つのポイントで、RSAは待ち受けている。次に、ブロック630および640で、ACMUは、RSAからの応答を待機し、そして、アクノレッジを受信する。別の実施形態では、アクノレッジは送信されなくてもよいが、代わりに、ACMUは、インストラクションが十分に長い時間に亘って送信されているので、インストラクションが受信されたことを仮定する。このプロセスはその後に終了する。
【0038】
IV. コンピューティング環境
図7は、前述の実施形態のうちのいくつかが実施される適当なコンピューティング環境700の汎用実施例を図示する。このコンピューティング環境700は、テクニックおよびツールがパーソナルコンピュータ、コンシューマ・エレクトロニクス機器などのような多種多様の多目的または特殊目的コンピューティング環境において実施されるので、使用または機能の範囲に関して、いかなる制限を示唆することも意図されることもない。
【0039】
図7を参照すると、コンピューティング環境700は、少なくとも1台のCPU 710と、関連したメモリ720とを含む。図7では、この最も基本的な構成730は、破線の範囲内に含まれている。プロセッシングユニット710は、コンピュータ実行可能なインストラクションを実行し、現実のプロセッサでもよく、または、仮想プロセッサでもよい。マルチ・プロセッシング・システムでは、多数のプロセッシングユニット(図示せず)は、プロセッシング能力を増加させるためコンピュータ実行可能なインストラクションを実行する。メモリ720は、揮発性メモリ(たとえば、レジスタ、キャッシュ、RAM)でもよく、不揮発性メモリ(たとえば、ROM、フラッシュメモリなど)でもよく、または、これらの両方のどのような組み合わせでもよい。メモリ720は、本明細書中に記載された通信技術イノベーションのうちの1つ以上を実施するソフトウェア780を格納する。
【0040】
コンピューティング環境は、付加的な特徴を有してもよい。たとえば、コンピューティング環境700は、ストレージ740と、1台以上の入力機器750と、1台以上の出力機器760と、1つ以上の通信コネクション770とを含む。バス、コントローラ、または、ネットワークのような相互接続メカニズム(図示せず)は、コンピューティング環境700の構成要素を相互接続する。オペレーティング・システム・ソフトウェア(図示せず)は、コンピューティング環境700内で実行する他のソフトウェアにオペレーティング環境を提供してもよく、そして、コンピューティング環境700の構成要素のアクティビティをコーディネートさせる。
【0041】
ストレージ740は、着脱式でも非着脱式でもよく、磁気ディスク、CD−ROM、DVD、フラッシュドライブ、固体ドライブ、または、情報を格納するため使用することができ、かつ、コンピューティング環境700内でアクセス可能であるいずれかの他のメカニズムでもよい。ストレージ740は、ソフトウェア780のためのインストラクションを格納する。
【0042】
(複数の)入力機器750は、キーボード、マウス、ペン、もしくは、トラックボールのような接触入力機器、音声入力機器、スキャニング機器、指もしくはスタイラス使用可能タッチバッド、または、入力をコンピューティング環境700に提供する別の機器でもよい。(複数の)出力機器760は、ディスプレイ(たとえば、LCD、OLED、もしくはCRTモニタ、ディスプレイ画面など)、プリンタ、スピーカ、CDライタもしくはDVDライタ、または、コンピューティング環境700からの出力を提供する別の機器でもよい。
【0043】
(複数の)通信コネクション770は、通信媒体を介して別のコンピューティングエンティティへの通信を可能にする。通信媒体は、コンピュータ実行可能インストラクション、オーディオもしくはビデオ入力あるいは出力、または、被変調データ信号内の他のデータのような情報を伝達する。被変調データ信号は、信号内の情報を符号化するような形で設定または変更された信号の特徴のうちの1つ以上を有する信号である。一実施例として、限定されることなく、通信媒体は、電気担体、光担体、RF担体、赤外線担体、音響担体、または、他の担体を用いて実施されるワイヤードまたはワイヤレステクニックを含む。
【0044】
テクニックおよびツールは、コンピュータ読み取り可能な媒体の一般的な状況で説明することができる。コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピューティング環境内でアクセスすることができる利用可能ないずれの媒体であってもよい。一実施例として、限定されることなく、コンピューティング環境700に関して、コンピュータ読み取り可能な媒体は、メモリ720と、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体740(たとえば、CD、DVD、ディスケット、フラッシュドライブ、着脱式ハードドライブ、ハード・ドライブ・アレイ、および、固体ドライブ)と、前述のいずれかの組み合わせとを含む。
【0045】
テクニックおよびツールは、プログラムモジュールに含まれ、コンピューティング環境において、ターゲットの現実のプロセッサまたは仮想プロセッサ実行されるコンピュータ実行可能なインストラクションのようなコンピュータ実行可能なインストラクションの一般的な状況で説明することができる。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、または、特定の抽象的データ型を実施するルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造などを含む。プログラムモジュールの機能は、種々の実施形態において、必要に応じて、プログラムモジュール間で合成または分離されてもよい。プログラムモジュールのためのコンピュータ実行可能なインストラクションは、局所または分散コンピューティング環境内で実行されてもよい。
【0046】
プレゼンテーションの目的のために、詳細な説明は、コンピューティング環境内のコンピュータ演算を記述するために「判定」、「計算」および「カテゴライズ」のような用語を使用する。これらの用語は、コンピュータによって実行される演算の高水準抽象化であり、人間によって実行される行動と混同されるべきでない。これらの用語に対応する実際のコンピュータ演算は、実施形態に依存して変化する。
【0047】
ある一定の実施形態は、本明細書中に図示され、説明されているが、同じ目的を達成するため計算された多種多様の代替的および/または等価的な実施形態または実施は、範囲から逸脱することなく図示され、説明された実施形態と置き換えてもよいことが当業者によって認められるであろう。当業者は、実施形態が非常に多種多様の方式で実施されることを容易に認めるであろう。本願は、本明細書中で検討された実施形態のいずれかの適合または変形を対象にするように意図されている。したがって、実施形態が請求項および請求項の等価物だけによって制限されることは明白に意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ捕捉機器と制御機器との間で通信を確立する方法であって、
所定の個数のデータ送信無線周波数のうちの1つで実行される、前記データ捕捉機器から前記制御機器へ1つ以上のデータパケット送信するステップと、
非データインストラクションが前記データ捕捉機器によって受信されるべきことを判定した時点で、前記データ送信無線周波数以外であるコマンド無線周波数で前記非データインストラクションを待ち受けるステップと、
前記コマンド無線周波数で前記制御機器へ通信するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記非データインストラクションが受信されるべきとの判定は、前記データ捕捉機器が前記コマンド無線周波数で前記非データインストラクションを最後に待ち受けたときから所定の時間が経過したことを判定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
コマンド無線周波数で前記非データインストラクションを待ち受けるステップは、前記所定の個数のデータ送信無線周波数のうちの1つでの待ち受けに戻る前に所定の時間を待ち受けるステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記非データインストラクションが受信されるべきとの判定は、所定の個数のデータパケットが前記制御機器によってアクノレッジされなかったことを判定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
所定の個数のデータパケットが前記制御機器によってアクノレッジされなかったことを判定するステップの後に、捕捉コマンドが前記コマンド無線周波数によって受信されるまで、データを記録および格納することによりクワイエット・モードで動作するステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記非データインストラクションが受信されるべきとの前記判定は、フライトモードで動作するインストラクションを受信するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記データ捕捉機器が、フライトモードにある間に、データパケットを送信する送信電力を飛行中にFAA規制と適合するレベルまで削減するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記データ捕捉機器が、フライトモードにある間に、送信電力を零まで削減するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記データ捕捉機器は連続グルコースモニタである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
制御機器からデータ送信無線周波数の所定の系列を介してデータを送信するように構成されているデータ捕捉機器を制御する方法であって、
1つ以上のインストラクションが前記データ捕捉機器へ送信されるべきことを判定するステップと、
前記データ送信無線周波数の前記所定の系列の中に入らないコマンド周波数で前記1つ以上のインストラクションを前記データ捕捉機器へ送信するステップと、
前記コマンド周波数で前記データ捕捉機器からアクノレッジを受信するステップと、
を含む方法。
【請求項11】
前記1つ以上のインストラクションが前記データ捕捉機器へ送信されるべきことを判定するステップは、前記データ捕捉機器がフライトモードで動作すべきであるとの指示を受信するステップを含み、
前記1つ以上のインストラクションは、前記データ捕捉機器がフライトモードで動作するためのコマンドを含み、
飛行中伝送のため適した低電力で送信された前記データ捕捉機器からのアクノレッジを受信するステップを含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記1つ以上のインストラクションが前記データ捕捉機器へ送信されるべきことを判定するステップは、前記データ捕捉機器が前記制御機器と再ペア化されるべきことを判定するステップを含み、
前記1つ以上のインストラクションは再ペア化インストラクションを含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記データ捕捉機器が前記制御機器と再ペア化されるべきことを判定するステップは、データが前記データ捕捉機器からもはや受信されないことを判定するステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
コマンド周波数で前記1つ以上のインストラクションを前記データ捕捉機器へ送信するステップは、所定の時間に亘って前記1つ以上のインストラクションの送信を繰り返すステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記データ捕捉機器は連続グルコースモニタである、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
医療用モニタリング機器において、データ送信中にデータ送信チャンネルの組を使用してコマンドチャンネルで通信するように、周波数ホッピングモードで動作する無線周波数エンジンを適合させる方法であって、
前記無線周波数エンジンによって通信されるべきデータパケットまたはデータパケットアクノレッジ以外のコマンドパケットを判定するステップと、
前記データ送信チャンネルの組の中のチャンネル以外の所定のコマンドチャンネルを介してコマンドパケットを送信することを前記無線周波数エンジンにインストラクションするステップと、
を含む方法。
【請求項17】
前記無線周波数エンジンによって通信されるべきデータパケットまたはデータパケットアクノレッジ以外のコマンドを判定するステップは、前記医療用モニタリング機器がリセットされ、前記コマンドパケットがデータ捕捉機器と受信機器との間の再ペア化要求を特定するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記医療用モニタリング機器は前記受信機器であり、前記コマンドパケットは前記データ捕捉機器からの情報を要求するインストラクションである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記医療用モニタリング機器は前記データ捕捉機器であり、前記コマンドパケットは、前記データ捕捉機器を特定する、前記受信機器からのペア化問い合わせへの応答である、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記データ捕捉機器は連続グルコースモニタである、請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−501607(P2012−501607A)
【公表日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−525211(P2011−525211)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際出願番号】PCT/US2009/055241
【国際公開番号】WO2010/025289
【国際公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(507379500)アイセンス コーポレーション (12)
【Fターム(参考)】