説明

ワイヤレス給電装置およびワイヤレス給電システムならびに電力信号の送信方法

【課題】電力信号を広いダイナミックレンジで制御する。
【解決手段】共振アンテナ30は、直列に設けられた、電力信号S1を送出するための送信コイルLおよび共振用キャパシタCを含む。直流電源32は、第1電源ラインLVDDと第2電源ラインLVSSの間に直流電圧VDCを印加する。Hブリッジ回路34は、第1電源ラインLVDDと第2電源ラインLVSSの間に設けられる。制御部36は、第1スイッチSW1と第2スイッチSW2のペアを、送信周波数fTXにてスイッチングする。また第3スイッチSW3と第4スイッチSW4のペアを、送信周波数fTXにてスイッチングする。制御部36は、送信すべき電力信号S1の強度に応じて、位相差Δφを調節する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレス給電技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話端末やノート型コンピュータなどの電子機器、あるいは電気自動車に対する給電技術として、ワイヤレス(非接触)電力伝送が着目されている。ワイヤレス電力伝送は、主に電磁誘導型、電波受信型、電場・磁場共鳴型、の3つに分類される。
【0003】
電磁誘導型は短距離(数cm以内)において利用され、数百kHz以下の帯域で数百Wの電力を伝送することができる。電力の利用効率は60〜98%程度となっている。数m以上の比較的長い距離に給電する場合、電波受信型が利用される。電波受信型では、中波〜マイクロ波の帯域で数W以下の電力を伝送することができるが、電力の利用効率は低い。数m程度の中距離を、比較的高い効率で給電する手法として、電場・磁場共鳴型が着目されている(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】A. Karalis, J.D. Joannopoulos, M. Soljacic、「Efficient wireless non-radiative mid-range energy transfer」、ANNALS of PHYSICS Vol. 323, pp.34-48, 2008, Jan.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図1は、ワイヤレス給電システムの一例を示す図である。ワイヤレス給電システム100rは、ワイヤレス給電装置200rおよびワイヤレス受電装置300rを備える。ワイヤレス給電装置200rは、送信コイルL、共振用キャパシタCおよび交流電源10を備える。交流電源10は、送信周波数fTXを有する電気信号S2を発生する。共振用キャパシタCおよび送信コイルLは共振回路を構成しており、その共振周波数は、電気信号S2の周波数fTXにチューニングされている。送信コイルLからは、電力信号S1が送出される。
【0006】
ワイヤレス受電装置300rは、受信コイルL、共振用キャパシタCおよび負荷回路20を備える。共振用キャパシタC、受信コイルLおよび負荷回路20は共振回路を構成しており、その共振周波数は、電力信号S1の周波数fTXにチューニングされる。
【0007】
ワイヤレス給電装置200rとワイヤレス受電装置300rの距離や向きなどの位置関係に応じて、送信コイルLと受信コイルLの結合度は時々刻々と変化する。したがって交流電源10は、ワイヤレス給電装置200rとワイヤレス受電装置300rの位置関係に応じて、電力信号S1の信号強度をダイナミックに変化させる必要がある。
【0008】
たとえば交流電源10が、電気信号S2として送信周波数fTXの駆動電圧を生成する場合、駆動電圧の振幅を位置関係に応じて10倍以上のダイナミックレンジで変化させる必要がある。一般的なDC/DCコンバータやDC/ACコンバータ(インバータ)の出力電圧の振幅制御のダイナミックレンジはせいぜい数倍であり、ワイヤレス給電装置200rでの利用は困難である。
【0009】
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、電力信号を広いダイナミックレンジで制御可能なワイヤレス給電装置の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のある態様は、電界、磁界、電磁界のいずれかを含む送信周波数を有する電力信号を送信するワイヤレス給電装置に関する。ワイヤレス給電装置は、直列に設けられた電力信号を送出するための送信コイルおよび共振用キャパシタを含む共振アンテナと、第1電源ラインと第2電源ラインの間に直流電圧を印加する直流電源と、第1電源ラインと共振アンテナの一端の間に設けられた第1スイッチと、第2電源ラインと共振アンテナの一端の間に設けられた第2スイッチと、第1電源ラインと共振アンテナの他端の間に設けられた第3スイッチと、第2電源ラインと共振アンテナの他端の間に設けられた第4スイッチと、を含むHブリッジ回路と、第1スイッチと第2スイッチのペアを、送信周波数にて、第1の位相でスイッチングするとともに、第3スイッチと第4スイッチのペアを、送信周波数にて、第2の位相でスイッチングし、かつ、送信すべき電力信号の強度に応じて、第1の位相と第2の位相の差を調節する制御部と、を備える。
【0011】
本発明の別の態様もまた、ワイヤレス給電装置である。このワイヤレス給電装置は、直列に設けられた電力信号を送出するための送信コイルおよび共振用キャパシタを含む共振アンテナと、共振アンテナの一端に、第1の位相でハイレベル電圧とローレベル電圧との間を送信周波数でスイッチングする第1矩形電圧を印加する第1電源と、共振アンテナの他端に、第2の位相でハイレベル電圧とローレベル電圧との間を送信周波数でスイッチングする第2矩形電圧を印加する第2電源と、送信すべき電力信号の強度に応じて、第1の位相と第2の位相の差を調節する制御部と、を備える。
【0012】
これらの態様によると、第1の位相と第2の位相の差を制御することにより、共振アンテナに供給するエネルギーを広いダイナミックレンジで制御することができ、その結果、電力信号を、広いダイナミックレンジで制御できる。
【0013】
本発明の別の態様は、電界、磁界、電磁界のいずれかを含む電力信号を送信する上述のいずれかの態様のワイヤレス給電装置と、電力信号を受信するワイヤレス受電装置と、を備える。
【0014】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0015】
本発明のある態様によれば、電力信号を広いダイナミックレンジで制御可能できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】ワイヤレス給電システムの一例を示す図である。
【図2】実施の形態に係るワイヤレス給電装置の構成を示す回路図である。
【図3】図2のワイヤレス給電装置の動作を示すシミュレーション波形図である。
【図4】図4(a)、(b)は、コイル電流Iのスペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0018】
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0019】
図2は、実施の形態に係るワイヤレス給電装置200の構成を示す回路図である。
ワイヤレス給電装置200は、図示しないワイヤレス受電装置とともにワイヤレス給電システムを形成する。ワイヤレス給電装置200は、ワイヤレス受電装置に対して、送信周波数fTXの電力信号S1を送出する。電力信号S1は、電波になっていない電磁波の近傍界(電界、磁界、あるいは電磁界)である。
【0020】
ワイヤレス給電装置200は、共振アンテナ30、直流電源32、Hブリッジ回路34、制御部36を備える。
共振アンテナ30は、直列に設けられた、電力信号S1を送出するための送信コイルLおよび共振用キャパシタCを含む。抵抗Rは、配線や送信コイルL、共振用キャパシタCの直流抵抗成分を示す。
【0021】
直流電源32は、第1電源ラインLVDDと第2電源ラインLVSSの間に直流電圧VDCを印加する。以下、第1電源ラインLVDDの電位を第1電源電圧VDD、第2電源ラインLVSSの電位を第2電源電圧VSSと称する。
【0022】
Hブリッジ回路34は、第1電源ラインLVDDと第2電源ラインLVSSの間に設けられ、その2つの出力端子は、共振アンテナ30と接続される。Hブリッジ回路34は、第1スイッチSW1〜第4スイッチSW4を含む。第1スイッチSW1は、第1電源ラインLVDDと共振アンテナ30の一端P1の間に設けられ、第2スイッチSW2は、第2電源ラインLVSSと共振アンテナ30の一端P1の間に設けられる。第3スイッチSW3は、第1電源ラインLVDDと共振アンテナ30の他端P2の間に設けられ、第4スイッチSW4は、第2電源ラインLVSSと共振アンテナ30の他端P2の間に設けられる。第1スイッチSW1〜第4スイッチSW4は、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などのトランジスタを用いて構成することができる。
【0023】
制御部36は、Hブリッジ回路34の第1スイッチSW1〜第4スイッチSW4をスイッチングすることにより、共振アンテナ30の両端間P1−P2に、電気信号(以下、駆動電圧ともいう)S2を供給する。
【0024】
制御部36は、第1スイッチSW1と第2スイッチSW2のペアを、送信周波数fTXにて、第1の位相φ1でスイッチングする。その結果、共振アンテナ30の一端P1には、第1電源電圧VDDと第2電源電圧VSSが、送信周波数fTXでスイッチングする第1矩形電圧V1が印加される。第1スイッチSW1と第2スイッチSW2のオン時間は等しく、したがって、第1矩形電圧V1は、半周期において、第1電源電圧VDDをとり、残りの半周期において、第2電源電圧VSSをとる。
【0025】
また制御部36は、第3スイッチSW3と第4スイッチSW4のペアを、送信周波数fTXにて、第2の位相φ2でスイッチングする。共振アンテナ30の他端P2には、第1電源電圧VDDと第2電源電圧VSSが、送信周波数fTXでスイッチングする第2矩形電圧V2が印加される。第3スイッチSW3と第4スイッチSW4のオン時間は等しく、したがって、第2矩形電圧V2は、半周期において、第1電源電圧VDDをとり、残りの半周期において、第2電源電圧VSSをとる。
【0026】
制御部36は、送信すべき電力信号S1の強度に応じて、第1の位相φ1と第2の位相φ2の差Δφを調節する。
【0027】
以上がワイヤレス給電装置200の構成である。続いてその動作を説明する。図3は、図2のワイヤレス給電装置200の動作を示すシミュレーション波形図である。
【0028】
第1スイッチSW1〜第4スイッチSW4の波形は、ハイレベルがオン、ローレベルがオフに対応する。またVDD=3V、VSS=0Vである。第1矩形電圧V1は、第1の位相φ1でスイッチングし、第2矩形電圧V2は、第2の位相φ2でスイッチングする。
【0029】
共振アンテナ30の両端間に印加される駆動電圧S2は、−VDDをとる第1期間T1、0Vをとる第2期間T2、+VDDをとる第3期間T3、0Vをとる第4期間T4を、順に繰り返す。駆動電圧S2の周波数は、送信周波数fTXであり、その周期は1/fTXである。第2期間T2および第4期間T4は、位相差Δφ=φ1−φ2に応じている。
【0030】
駆動電圧S2が共振アンテナ30に印加されると、共振アンテナ30には電流Iが流れる。共振アンテナ30の共振周波数fRESが送信周波数fTXにチューニングされているとき、電流Iは送信周波数fTXを有する正弦波となり、送信コイルLからは電流Iに応じた強度の電力信号S1が送信される。
【0031】
ワイヤレス給電装置200によれば、位相差Δφに応じて、電流Iの振幅を制御でき、その結果、電力信号S1の強度を制御できる。この理由を定性的に説明する。
【0032】
矩形電圧V1、V2は、基本波と奇数次の高調波の重ねあわせで表されるが、共振アンテナ30のインピーダンスは、共振周波数すなわち基本波fTX以外の帯域において十分に高いため、高調波は電流Iおよび電気信号S2にほとんど寄与せず、したがって無視することができる。
【0033】
基本波のみに着目するとき、矩形電圧V1、V2は式(1)、(2)で表される。ただし、φ1=0、φ2=Δφとしている。
V1=sin(2πfTX) …(1)
V2=sin(2πfTX+Δφ) …(2)
【0034】
したがって駆動電圧S2は、式(3)で近似される。
S2=V1−V2=sin(2πfTX)−sin(2πfTX+Δφ) …(3)
【0035】
三角関数の和積の公式から、式(4)を得る。
S2=2・cos(2πfTX+Δφ/2)・sin(Δφ/2)
=A・cos(2πfTX+Δφ/2) …(4)
ただし、A=2×sin(Δφ/2)
【0036】
すなわち、Δφを変化させることにより、駆動電圧S2の電圧振幅Aを制御することができ、ひいては電力信号S1の強度を制御することができる。sin(Δφ/2)の項は、位相差Δφに応じて、0から1までの値をとることができ、位相差Δφを高精度で制御すれば、理論的には無限大のダイナミックレンジを実現することができる。
スイッチング周期1/fTXは、μsのオーダーであるのに対して、時間差Δφは、数十nsあるいはさらに細かい精度で制御することができる。したがって現実的にも、電気信号S2の強度を、非常に広いダイナミックレンジを実現することができる。
【0037】
比較のために、実施の形態のように位相差Δφを制御せずに、いわゆるPWM(Pulse Width Modulation)制御によって、各スイッチを送信周波数fTXでスイッチングしつつ、各スイッチのオン時間(デューティ比)を調節する比較技術について考察する。この場合、デューティ比が変化すると、駆動電圧S2の波形は、正負で非対称となる。その結果、PWM制御では、電気信号S2に寄与しない高調波のエネルギーが大きくなる。
【0038】
かかる比較技術に対して、実施の形態に係るワイヤレス給電装置200では、位相差Δφにかかわらずに、駆動電圧S2の波形が、正負対称であるという特徴を有する。つまりワイヤレス給電装置200によれば、比較技術に比べて高調波成分のエネルギーを低減できる。
【0039】
図4(a)、(b)は、コイル電流Iのスペクトルを示す図である。図4(b)は、PWM制御を行ったときのスペクトルを示す。駆動電圧S2のデューティ比に応じて、基本波fTXの成分の振幅を変化させることができる。
図4(a)は、位相差Δφの制御を行った場合のスペクトルを示す。位相差Δφを、22.5°、45°、90°、180°のように変化させると、PWM制御と同様に、基本波fTX(1MHz)の振幅を変化させることができる。さらに、偶数次の高調波が抑制されていることがわかる。
【0040】
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセス、それらの組み合わせには、さまざまな変形例が存在しうる。以下、こうした変形例について説明する。
【0041】
図2のワイヤレス給電装置200は、以下のように把握することができる。
第1スイッチSW1および第2スイッチSW2は、共振アンテナ30の一端P1に、第1の位相φ1でハイレベル電圧VDDとローレベル電圧VSSとの間を、送信周波数fTXでスイッチングする第1矩形電圧V1を印加する第1電源(ハーフブリッジ回路)である。
また、第3スイッチSW3および第4スイッチSW4は、共振アンテナ30の他端P2に、第2の位相φ2でハイレベル電圧VDDとローレベル電圧VSSとの間を送信周波数fTXでスイッチングする第2矩形電圧V2を印加する第2電源(ハーフブリッジ回路)である。制御部36は、送信すべき電力信号S1の強度に応じて、第1の位相φ1と第2の位相φ2の差Δφを調節する。
【0042】
当業者であれば、第1電源および第2電源を、図2とは異なるトポロジーでも構成しうることが理解でき、こうした変形例も本発明の範囲に含まれる。たとえば第1電源および第2電源は、いわゆるインバータ(論理反転回路)を含んでもよい。
【0043】
図2のワイヤレス給電装置200において、直流電源32をDC/DCコンバータで構成し、直流電圧VDCを調節可能とすることにより、電気信号S2の強度のダイナミックレンジをさらに広げることができる。
【0044】
実施の形態にもとづき本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
【符号の説明】
【0045】
100…ワイヤレス給電システム、200…ワイヤレス給電装置、300…ワイヤレス受電装置、10…交流電源、LVDD…第1電源ライン、LVSS…第2電源ライン、SW1…第1スイッチ、SW2…第2スイッチ、SW3…第3スイッチ、SW4…第4スイッチ、30…共振アンテナ、32…直流電源、34…Hブリッジ回路、36…制御部、VDD…第1電源電圧、VSS…第2電源電圧、40…第1電源、42…第2電源、L…送信コイル、C…共振用キャパシタ、S1…電力信号、S2…電気信号、V1…第1矩形電圧、V2…第2矩形電圧。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電界、磁界、電磁界のいずれかを含む送信周波数を有する電力信号を送信するワイヤレス給電装置であって、
前記電力信号を送出するための送信コイルを含む共振アンテナと、
第1電源ラインと第2電源ラインの間に直流電圧を印加する直流電源と、
前記第1電源ラインと前記共振アンテナの一端の間に設けられた第1スイッチと、前記第2電源ラインと前記共振アンテナの一端の間に設けられた第2スイッチと、前記第1電源ラインと前記共振アンテナの他端の間に設けられた第3スイッチと、前記第2電源ラインと前記共振アンテナの他端の間に設けられた第4スイッチと、を含むHブリッジ回路と、
前記第1スイッチと前記第2スイッチのペアを、前記送信周波数にて、第1の位相でスイッチングするとともに、前記第3スイッチと前記第4スイッチのペアを、前記送信周波数にて、第2の位相でスイッチングし、かつ、送信すべき前記電力信号の強度に応じて、第1の位相と第2の位相の差を調節する制御部と、
を備えることを特徴とするワイヤレス給電装置。
【請求項2】
電界、磁界、電磁界のいずれかを含む送信周波数を有する電力信号を送信するワイヤレス給電装置であって、
前記電力信号を送出するための送信コイルを含む共振アンテナと、
前記共振アンテナの一端に、第1の位相でハイレベル電圧とローレベル電圧との間を前記送信周波数でスイッチングする第1矩形電圧を印加する第1電源と、
前記共振アンテナの他端に、第2の位相でハイレベル電圧とローレベル電圧との間を前記送信周波数でスイッチングする第2矩形電圧を印加する第2電源と、
送信すべき前記電力信号の強度に応じて、第1の位相と第2の位相の差を調節する制御部と、
を備えることを特徴とするワイヤレス給電装置。
【請求項3】
前記第1電源、前記第2電源はそれぞれ、ハーフブリッジ回路を含むことを特徴とする請求項2に記載のワイヤレス給電装置。
【請求項4】
電界、磁界、電磁界のいずれかを含む電力信号を送信する請求項1から3のいずれかに記載のワイヤレス給電装置と、
前記電力信号を受信するワイヤレス受電装置と、
を備えることを特徴とするワイヤレス給電システム。
【請求項5】
送信コイル含む共振アンテナから、電界、磁界、電磁界のいずれかを含む送信周波数を有する電力信号を送信する方法であって、
第1電源ラインと第2電源ラインの間に直流電圧を印加するステップと、
前記第1電源ラインと前記共振アンテナの一端の間に設けられた第1スイッチと、前記第2電源ラインと前記共振アンテナの一端の間に設けられた第2スイッチと、前記第1電源ラインと前記共振アンテナの他端の間に設けられた第3スイッチと、前記第2電源ラインと前記共振アンテナの他端の間に設けられた第4スイッチと、を含むHブリッジ回路を制御するステップと、
を備え、
前記制御するステップは、
前記第1スイッチと前記第2スイッチのペアを、前記送信周波数にて、第1の位相でスイッチングするとともに、前記第3スイッチと前記第4スイッチのペアを、前記送信周波数にて、第2の位相でスイッチングし、かつ、送信すべき前記電力信号の強度に応じて、第1の位相と第2の位相の差を調節することを特徴とする方法。
【請求項6】
送信コイルを含む共振アンテナから、電界、磁界、電磁界のいずれかを含む送信周波数を有する電力信号を送信する方法であって、
前記共振アンテナの一端に、第1の位相でハイレベル電圧とローレベル電圧との間を前記送信周波数でスイッチングする第1矩形電圧を印加するステップと、
前記共振アンテナの他端に、第2の位相でハイレベル電圧とローレベル電圧との間を前記送信周波数でスイッチングする第2矩形電圧を印加するステップと、
送信すべき前記電力信号の強度に応じて、第1の位相と第2の位相の差を調節するステップと、
を備える方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−106490(P2013−106490A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250513(P2011−250513)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(390005175)株式会社アドバンテスト (1,005)