説明

ワイヤレス通信ネットワークで通信する方法

本発明は、ワイヤレス通信ネットワーク(206)で通信するための方法を提供し、ワイヤレス通信ネットワークは、複数の基地局(102、104)および少なくとも1つのモバイル通信ユニット(100)を含み、モバイル通信ユニットは、送受信コンポーネント(300)、第1のドップラー補償コンポーネント(108)、および測定コンポーネント(110)を含み、第1のドップラー補償コンポーネントは、複数の基地局のうちの1つの基地局と送受信コンポーネントとの間で交換される信号(1、2、7、11、12、13)のドップラー・シフトを補償するように適合されている。高速で移動するユーザ装置に対して、2つの基地局間でのハンドオーバ手順が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレス通信ネットワークで通信する方法に関し、より具体的には、ワイヤレス通信ネットワークにおいて高速に移動するユーザ装置と通信する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル通信の現在の標準、特に3GPP Long Term Evolution(LTE)では、ワイヤレス通信は、毎時約350kmのユーザ装置の速度まで対応可能である。
【0003】
特に、ハンドオーバ機構は、たとえば、飛行機または列車の中など、毎時350kmより高速に移動しているユーザ装置には適切に作動しない。LTE標準によると、そのように移動速度が速いユーザ装置のハンドオーバは、ある基地局の1つのセルから、同じ基地局によってサービスが提供される他のセルに対してのみ実行することができる。第1の基地局によってサービスが提供される第1のセルから、第2の基地局によってサービスが提供される第2のセルへのハンドオーバは、そのように移動速度が速いユーザ装置では可能ではない。
【0004】
K.Dimouらは、「Handover within 3GPP LTE:Design Principles and Performance」(2009年09月23日)において、3GPP LTEでのハンドオーバ手順のパフォーマンスについて、HOの失敗率および全体的な手順の遅延の点から調査している。セルごとに異なるユーザ装置(UE)速度、セル半径、およびトラフィック負荷を用いて、典型的な都市の伝搬環境内におけるシステム・レベルのシミュレーションが開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】K.Dimou、「Handover within 3GPP LTE:Design Principles and Performance」、2009年09月23日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、ワイヤレス通信ネットワークで通信するための改善された方法を提供することである。この目的は、独立請求項1による方法によって達成される。発明の実施形態は、従属請求項に記載している。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ワイヤレス通信ネットワークにおいて通信する方法を提供し、ワイヤレス通信ネットワークは、複数の基地局および少なくとも1つのモバイル通信ユニットを含む。モバイル通信ユニットは、たとえば、飛行機または列車の搭載ユニットでもよい。モバイル通信ユニットは、複数の基地局と通信するように適合されている。モバイル通信ユニットは、ユーザ装置と通信するようにさらに適合可能である。ユーザ装置は、たとえば、携帯電話、ポータブル・コンピュータ、PDA、または他のモバイル通信デバイスでもよい。
【0008】
モバイル通信ユニットは、送受信コンポーネント、第1のドップラー補償コンポーネント、および測定コンポーネントを含む。第1のドップラー補償コンポーネントは、複数の基地局のうちの1つの基地局と送受信コンポーネントとの間で交換される信号のドップラー・シフトを補償するように適合されている。
【0009】
第1のステップでは、データは、送受信コンポーネントと複数の基地局のうちの第1の基地局との間で交換される。ハンドオーバの場合には、この第1の基地局もソース基地局と称される。第1のドップラー補償コンポーネントは、第1のドップラー補償値を使用することによって、データを運ぶ信号のドップラー・シフトを補償する。ドップラー補償は、モバイル通信ユニットの移動速度のために必要である。
【0010】
ドップラー・シフトは、モバイル通信ユニットの速度、およびデータを運ぶ信号の方向に依存する。
【0011】
第2のステップでは、測定は、送受信コンポーネントから測定コンポーネントに第1の信号を送信することによって開始される。
【0012】
第1の信号に応答して、測定コンポーネントは、送受信コンポーネントに第2の信号を送信する。第2の信号は、複数の基地局のうちの少なくとも1つの第2の基地局に関係する測定値を示す。ハンドオーバ手順の場合には、少なくとも1つの第2の基地局の1つもターゲット基地局と称される。
【0013】
次に、測定報告が、送受信コンポーネントから第1の基地局に送信される。測定報告は、測定コンポーネントによって実行される測定の測定値を含む。
【0014】
続いて、第1の基地局は、少なくとも1つの第2の基地局のターゲット基地局へのハンドオーバ手順が、第1の基地局によって開始されるかどうかを決定する。このステップは、LTE標準によるハンドオーバ決定に似た形で実行される。したがって、送受信コンポーネントから第1の基地局に送信される測定報告はLTE標準に従う。
【0015】
第1の基地局が、ターゲット基地局へのハンドオーバ手順を実行することを決定した場合、第3の信号は、第1の基地局から送受信コンポーネントに送信される。第3の信号は、ハンドオーバ手順の開始を示す。このステップもLTE標準に従って実行される。第1の基地局または少なくとも1つの第2の基地局によって実行される各ステップは、LTE標準に準拠していることに注意されたい。したがって、LTE標準に従ってハンドオーバ手順を実行するように適合された基地局は、また、本発明に従ってハンドオーバ手順を実行するようにも自ずから適合される。
【0016】
第3の信号を受信した後、送受信コンポーネントは測定コンポーネントに第4の信号を送信する。第4の信号はターゲット基地局を示す。このステップおよび続く2つの方法のステップは、第1の基地局が、ターゲット基地局へのハンドオーバ手順を実行することを決定した場合のみ実行されることに注意されたい。したがって、第4の信号を受信したことによって、測定コンポーネントは、ソース基地局からターゲット基地局への開始されたハンドオーバ手順について認識している。
【0017】
次に、測定コンポーネントは、第1のドップラー補償コンポーネントに第5の信号を送信する。第5の信号は、第1のドップラー補償値を第2のドップラー補償値に変更することを示す。第2のドップラー補償値は、送受信コンポーネントとターゲット基地局との間で交換される信号のドップラー・シフトを補償するのに適するようになっている。毎時350kmを超える速度で高速移動しているモバイル通信ユニットの場合には、第2のドップラー補償値は、第1のドップラー補償値とは大きく異なる。
【0018】
本発明のこの実施形態の最後のステップとして、ハンドオーバ手順は、第1の基地局がハンドオーバ手順を実行することを決定した場合に、ソース基地局からターゲット基地局に実行される。
【0019】
本発明の実施形態によれば、測定コンポーネントは、モバイル通信ユニットの位置データ、モバイル通信ユニットの移動方向および速度、複数の基地局の位置データ、および/または複数の基地局のアンテナの輻射方向に基づいて測定報告の測定値を計算する。これは、測定コンポーネントは、モバイル通信ユニットと複数の基地局との間で交換されている信号の信号強度および/または信号品質を実際に測定しないことを意味する。実際に、これらの実施形態では、測定コンポーネントは、モバイル通信ユニットと複数の基地局との間で交換される信号の信号強度および/または信号電力を推定する。測定値が実際には測定されず、推定されるだけなので、そのような測定を偽の測定と呼ぶことができる。この場合、信号は、少なくとも1つの第2の基地局とモバイル通信ユニットとの間で交換されない。
【0020】
位置データは、たとえば、GPSなど衛星航法システムによって取得することができる。飛行機においは、通常、衛星航法システムはすでに存在し、モバイル通信ユニットに位置データを提供するために、本発明の実施形態によるモバイル通信ユニットに接続する必要があるだけである。
【0021】
これが有利である理由は、ハンドオーバ手順を実行するかべきかどうかを決定するために、モバイル通信ユニットと複数の基地局との間で交換される信号を実際には測定する必要がないことである。他の利点は、送受信コンポーネントから第1の基地局に送信される測定報告は、LTE標準に準拠しているため、第1の基地局は、実際の測定が実行されなかったことを認識しないことである。モバイル通信ユニットと複数の基地局のうちの少なくとも1つの第2の基地局との間の通信が必要ないため、送受信コンポーネントと少なくとも1つの第2の基地局との間で交換される信号のドップラー・シフトを補償する必要もない。したがって、測定コンポーネントの偽の測定を使用することによって、毎時350kmを超える移動速度のモバイル通信ユニットについて、ハンドオーバをソース基地局からターゲット基地局に実行することができる。
【0022】
送受信コンポーネントと少なくとも1つの第2の基地局との間で交換される信号品質および信号強度を実際に測定することは、ドップラー・シフト補償値の差が大きいため、毎時350kmを超える速度のモバイル通信ユニットについては、LTE標準では不可能である。本発明の実施形態は、毎時800〜1200kmの間の速度で移動しているモバイル通信ユニットにおいて特に有利である。この速度範囲において、モバイル通信ユニットがソース基地局からターゲット基地局に直接移動する場合、ドップラー・シフト補償値は、たとえば、ソース基地局に対してマイナス2kHzであり、ターゲット基地局に対してプラス2kHzである。したがって、本発明の実施形態は、飛行機のモバイル通信ユニットが地上の基地局によってサービスを提供されている、直接的な空対地(DA2G)システムにおいて特に有利であり、地上の基地局は、LTE標準に準拠するモバイル通信ネットワークの一般的な基地局である。
【0023】
ドップラー・シフト補償値の推定は、信号のパイロット・シンボルに基づいて実行できないため、一般的なモバイル通信ユニットは、送受信コンポーネントと少なくとも1つの第2の基地局との間で交換される信号に対して測定を実行することができない。
【0024】
本発明の実施形態によれば、測定コンポーネントは、予期されたタイミング・アドバンス(timing advance)、および/または送受信コンポーネントと少なくとも1つの第2の基地局との間で交換される信号の予期された経路損失、および/または送受信コンポーネントと少なくとも1つの第2の基地局との間で交換される信号の予期された信号対雑音比、またはこれらの組み合わせに基づいて測定値を計算する。これが意味するのは、測定報告の測定値は、モバイル通信ユニットおよび複数の基地局の位置データ、自由空間伝搬経路損失(FSPL)公式を用いて、たとえば予期された経路損失を計算することによるモバイル通信ユニットの移動方向および速度に基づいて計算されるということである。
FSPL(dB)=20log10(d)+20log10(f)+32.45
ここで、dはkm単位で測定した距離であり、fはMHz単位で測定された周波数である。
【0025】
本発明の実施形態によれば、測定コンポーネントは、受信コンポーネントおよび第2のドップラー補償コンポーネントを含む。受信コンポーネントは、少なくとも1つの第2の基地局から少なくとも1つの信号を受信する。測定コンポーネントは、少なくとも1つの第2の基地局からの少なくとも1つの信号の信号強度および信号品質を測定する。測定報告は、少なくとも1つの信号の信号強度および信号品質を含む。
【0026】
これが意味するのは、測定コンポーネントは、少なくとも1つの信号の信号強度および信号品質を実際に測定するということである。したがって、第2のドップラー補償コンポーネントは、送受信コンポーネントと少なくとも1つの第2の基地局との間で送信される信号のドップラー・シフトを補償するために必要である。第2のドップラー補償コンポーネントが必要なのは、ドップラー・シフトの差が大きいため、少なくとも1つの第2の基地局から受信される信号のドップラー・シフトを補償している間は、第1のドップラー補償コンポーネントは、第1の基地局から受信される信号のドップラー・シフトを補償できないからである。
【0027】
他の態様では、本発明は、送受信コンポーネント、第1のドップラー補償コンポーネント、および測定コンポーネントを含むモバイル通信ユニットに関する。ドップラー補償コンポーネントは、第1のドップラー補償値を使用することによって、基地局から受信される信号のドップラー・シフトを補償するように適合されている。測定コンポーネントは、送受信コンポーネントから信号を受信するための第1の信号受信手段を含む。送受信コンポーネントは、測定コンポーネントから信号を受信するための第2の信号受信手段を含み、ドップラー補償コンポーネントは、測定コンポーネントから信号を受信するための第3の信号受信手段を含む。送受信コンポーネントは、送受信コンポーネントとソース基地局との間でデータを交換するためのデータ送信手段およびデータ受信手段をさらに含む。送受信コンポーネントは、送受信コンポーネントから測定コンポーネントに第1の信号を送信することによって測定を開始するための第1の信号送信手段をさらに含む。測定コンポーネントは、測定コンポーネントから送受信コンポーネントに第2の信号を送信するための第2の信号送信手段を含む。第2の信号は、少なくとも1つの第2の基地局に関係する測定値を示す。送受信コンポーネントは、送受信コンポーネントからソース基地局に測定報告を送信するための測定報告送信手段を含む。測定報告は測定値を含む。送受信コンポーネントは、送受信コンポーネントから測定コンポーネントに第4の信号を送信するための第3の信号送信手段をさらに含む。第4の信号はターゲット基地局を示す。測定コンポーネントは、測定コンポーネントから第1のドップラー補償コンポーネントに第5の信号を送信するための第4の信号送信手段をさらに含む。第5の信号は、第1のドップラー補償値を第2のドップラー補償値に変更することを示す。第2のドップラー補償値は、送受信コンポーネントとターゲット基地局との間で交換される信号のドップラー・シフトを補償するのに適するようになっている。したがって、そのようなモバイル通信ユニットは本発明の実施形態に従って方法を実行するように適合されている。
【0028】
本発明の実施形態によれば、モバイル通信ユニットは、データ・ストレージをさらに含む。データベースはデータ・ストレージに格納される。データベースは、複数の基地局の位置データおよび/または複数の基地局のアンテナの複数の輻射方向を含む。測定コンポーネントは、ロケーション・システムから位置データを受信するための位置データ受信手段を含む。モバイル通信ユニットは、位置データおよび複数の基地局の位置データ、ならびに/または複数の基地局のアンテナの複数の輻射方向に基づいて、測定報告の測定値を計算するための第1の計算手段をさらに含む。
【0029】
データ・ストレージのデータベースから、測定コンポーネントは、複数の基地局の位置データおよび/または複数の基地局のアンテナの複数の輻射方向を読み込むことができる。ロケーション・システムは、一般的な飛行機にすでに存在するため、位置データ受信手段は、このロケーション・システムから位置データを受信することができる。次に、第1の計算手段は、データベースに格納されているデータおよび位置データを使用して、偽の測定報告の測定値を計算する。
【0030】
本発明の実施形態によれば、測定コンポーネントは、受信コンポーネントおよび第2のドップラー補償コンポーネントをさらに含む。第2のドップラー補償コンポーネントは、受信コンポーネントによって受信される信号のドップラー・シフトを補償するように適合されている。受信コンポーネントは、少なくとも1つの第2の基地局から少なくとも1つの信号を受信するための第5の信号受信手段を含む。測定コンポーネントは、少なくとも1つの第2の基地局から少なくとも1つの信号の信号強度および信号品質を測定するための測定手段を含む。測定報告は、少なくとも1つの第2の信号の信号強度および信号品質を含む。
【0031】
他の態様では、本発明は、本発明の実施形態によるモバイル通信ユニットおよび複数の基地局を含むモバイル通信システムに関する。
【0032】
さらに他の態様では、本発明は、モバイル通信ユニットによって実行されたときに、ワイヤレス通信ネットワークの複数の基地局と通信するための方法をモバイル通信ユニットに実行させる指示を含むコンピュータ可読記憶媒体に関する。
【0033】
この方法は、送受信コンポーネントと複数の基地局のうちのソース基地局との間でデータを交換することを含む。モバイル通信ユニットの第1のドップラー補償コンポーネントは、第1のドップラー補償値を使用することによって、データを運ぶ信号のドップラー・シフトを補償する。測定は、送受信コンポーネントから測定コンポーネントに第1の信号を送信することによって開始される。第2の信号が、測定コンポーネントから送受信コンポーネントに送信される。第2の信号は、複数の基地局のうちの少なくとも1つの第2の基地局に関係する測定値を示す。測定報告が、送受信コンポーネントからソース基地局に送信される。測定報告は測定値を含む。第3の信号が、送受信コンポーネントによってソース基地局から受信される。第3の信号は、ターゲット基地局へのハンドオーバ手順の開始を示す。その後、第4の信号が、送受信コンポーネントから測定コンポーネントに送信される。第4の信号は、ターゲット基地局を示す。続いて、第5の信号が、測定コンポーネントから第1のドップラー補償コンポーネントに送信される。第5の信号は、第1のドップラー補償値を第2のドップラー補償値に変更することを示す。第2のドップラー補償値は、送受信コンポーネントとターゲット基地局との間で交換されるドップラー・シフト信号を補償するのに適するようになっている。最後に、ソース基地局からターゲット基地局へのハンドオーバ手順が実行される。
【0034】
以下に、例示のみを目的として、図を参照して本発明の好ましい実施形態について記述する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】ソース基地局からターゲット基地局へのハンドオーバ手順を概略的に示す図である。
【図2】モバイル通信ユニットの概略図である。
【図3】モバイル通信ユニットのブロック図である。
【図4】ワイヤレス通信ネットワークで通信するための方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
これらの図において、同じ番号の要素は同一の要素であるか、同じ機能を実行する。機能が同一である場合は、すでに記述した要素は、後の図で必ずしも記述しない。
【0037】
図1は、ソース基地局102からターゲット基地局104に対して、本発明の実施形態によるモバイル通信ユニット100によって実行されたハンドオーバ手順についての概略図である。モバイル通信ユニット100は、標準的なLTE準拠部106、ドップラー補償コンポーネント108、および測定コンポーネント110を含む。第1のステップでは、ソース基地局102は、LTE標準に定義されているように、モバイル通信ユニット100のLTE準拠部106に測定制御信号を送信する。次に、LTE準拠部106は、測定コンポーネント110に偽の測定制御信号Aを送信する。偽の測定制御信号Aは、ステップBにおいて、測定コンポーネント110に偽の測定報告を作成させる。続いて、偽の測定報告Cが、測定コンポーネント110からLTE準拠部106に送信される。次に、LTE準拠部106は、偽の測定報告に基づいて測定報告をソース基地局102に送信する。ソース基地局102と、ターゲット基地局104と、モバイル通信ユニット100のLTE準拠部106との間の通信は、LTE標準に準拠するので、基地局102および104は、一般的なLTEネットワークの一般的な基地局に関して変更の対象とならないことに注意されたい。
【0038】
ステップ3で、ソース基地局102は、ハンドオーバ手順を実行するべきかどうかを決定する。ハンドオーバ手順を実行すべきである場合、基地局102はターゲット基地局104にハンドオーバ要求4を送信する。次に、ターゲット基地局104は受付制御5を実行し、ソース基地局102にハンドオーバ要求受領通知信号6を送信する。その後、ハンドオーバ命令7は、モバイル通信ユニット100のLTE準拠部106に送信される。次に、モバイル通信ユニット100のLTE準拠部106は、測定コンポーネント110にドップラー更新命令Dを送信し、次いで、測定コンポーネント110は、ドップラー補償コンポーネント108に、第1の値から第2の値にドップラー補償値を変えさせる。第2の値は、モバイル通信ユニット100とターゲット基地局104との間の通信に適するようになっている。
【0039】
ドップラー補償値を第2のドップラー補償値に変更したことによって、LTE準拠部106は、ターゲット基地局104と通信することができる。モバイル通信ユニット100のドップラーの更新処理と並行して、ソース基地局102は、ステップ8でターゲット基地局104へのパケット転送を開始して、ステップ9でモバイル通信ユニット100の状態をターゲット基地局104に転送した。ターゲット基地局104は、ステップ10でソース基地局102からのパケットをバッファに格納しており、次いで、ステップ11でモバイル通信ユニット100と同期化する。ターゲット基地局104とモバイル通信100のLTE準拠部106との間の通信と同様に、ソース基地局とターゲット基地局との間の通信は、LTE標準に準拠することに注意されたい。その後、ステップ12およびステップ13において、タイミング・アドバンスは、ステップ12でモバイル通信ユニット100のLTE準拠部106に送信され、ならびにアップリンクが、割り当てられる。ステップ13で、ハンドオーバは、モバイル通信ユニット100のLTE準拠部106によって確認される。ハンドオーバは、LTE標準に従ってソース基地局102とターゲット基地局104との間でモバイル通信ユニット100と対話することなく完了する。
【0040】
図2は、モバイル通信ユニット100の概略図である。モバイル通信ユニット100は、たとえば、直接的な空対地通信(DA2G)のために飛行機に配置することができる。モバイル通信ユニット100は、標準的なLTE部200、DA2G固有部202、およびDA2G制御ユニット204を含む。標準的なLTE部202は、信号処理、ユーザプレーン処理(user plane processing)、および制御プレーン処理(control plane processing)など、標準的なLTE処理ステップを実行する。
【0041】
DA2G制御ユニット204は、モビリティ・クライアント(mobility client)212、EnBデータベース214、およびオンボード・ルーター216を含む。オンボード・ルーターは、標準的なLTE部202からIPユーザおよび制御トラフィック信号を受信するように適合されている。オンボード・ルーター216は、標準的なLTE部202から受信したIPユーザ・トラフィックをモバイル通信ユニット100に接続されたユーザ218に転送する。標準的なLTE部202から受信したIP制御トラフィック信号は、オンボード・ルーター216によってモビリティ・クライアント212に転送される。IP制御トラフィック信号は、たとえば、データベース214の更新を含む。
【0042】
モビリティ・クライアント212は、ロケーション・システム222から位置データ220を受信するように適合されている。モビリティ・クライアント212は、また、測定コンポーネントとも称される。
【0043】
DA2G固有部200は、モバイル通信ネットワーク206から受信する信号、およびモバイル通信ネットワーク206に送信される信号のドップラー補償を実行する。モバイル通信ネットワーク206とモバイル通信ユニット100との間のすべての通信は、ドップラー補償のためにDA2G固有部200を通過する必要がある。これはフォワード・リンク信号208およびリバース・リンク信号210に適用され、フォワード・リンク信号208は、モバイル通信ネットワーク206からモバイル通信ユニット100、より具体的には、モバイル通信ユニット100の標準的なLTE部202に向けられる。リバース・リンク信号210は、モバイル通信ユニット100からモバイル通信ネットワーク206に、より具体的には、モバイル通信ユニット100の標準的なLTE部202から向けられる。高速に移動する飛行機による、たとえば、そのようなモバイル通信ユニット100との通信は、DA2G固有部200で実行するドップラー補償のおかげでのみ可能になる。
【0044】
モバイル通信ネットワーク206は、モバイル通信ユニット100に測定制御信号を送信することによって、モバイル通信ユニット100からの測定報告を要求することができる。測定制御信号は、単一の要求された測定報告または測定報告の定期的な送信を示すことができる。受信した測定制御信号は、ドップラー・シフト補償の後に、DA2G固有部200によって標準的なLTE部202に転送される。次に、標準的なLTE部202は、DA2G制御ユニット204に偽の測定制御信号を送信する。
【0045】
標準的なLTE部202から偽の測定制御信号を受信した後、モビリティ・クライアント212は、データベース214に格納されたデータに基づいて偽の測定を実行する。データベース214には、アンテナ方向および/またはセルサイズ、ならびにセルのセクタ化(cell sectorization)に加えて、モバイル通信ネットワーク206の基地局の位置が格納されている。
【0046】
モビリティ・クライアント212は、データベース214に格納されているモバイル通信ネットワーク206の基地局に関するデータ、およびロケーション・システム222から受信した位置データ220に基づいて偽の測定を実行する。したがって、モビリティ・クライアントは、モバイル通信ユニット100の場所および移動速度、ならびにモバイル通信ネットワーク206の複数の基地局の位置および輻射方向を認識している。次に、モビリティ・クライアント212は、たとえば、自由経路損失公式(free path loss formula)またはタイミング・アドバンスを計算するための公式を使用することによって、モバイル通信ユニット100の周りに位置している各基地局の偽の測定値を計算する。
【0047】
偽の測定値を計算した後、モビリティ・クライアント212は、偽の測定値を含む標準的なLTE部202に偽の測定報告を送信する。標準的なLTE部202は、一般的なLTE準拠の測定報告としてDA2G固有部200にこの偽の測定報告を転送し、次に、DA2G固有部200は、モバイル通信ネットワーク206の基地局に測定報告を転送する。
【0048】
ハンドオーバ命令が標準的なLTE部202によって受信されると、標準的なLTE部202は、DA2G制御ユニット204のモビリティ・クライアント212にハンドオーバ命令を転送する。モビリティ・クライアント212は、モバイル通信ユニット100の位置および移動速度、ならびにハンドオーバ手順のターゲット基地局の位置を認識しているため、モビリティ・クライアント212は、新しいドップラー補償値を計算し、新しいドップラー補償値は、ハンドオーバ命令のターゲット基地局との通信に適するようになっている。次に、モビリティ・クライアント212は、ドップラー補償制御信号を用いてDA2G固有部200に、この新しいドップラー補償値を送信する。次に、DA2G固有部200は、ハンドオーバ命令のターゲット基地局との通信のために、この新しいドップラー補償値を使用する。
【0049】
図3は、送受信コンポーネント300、第1のドップラー補償コンポーネント108、および測定コンポーネント110を含むモバイル通信ユニット100のブロック図である。
【0050】
第1のドップラー補償コンポーネント108は、第1のドップラー補償値を使用することによって、基地局から受信する信号のドップラー・シフトを補償するように適合されている。測定コンポーネント110は、送受信コンポーネント300から信号を受信するための第1の信号受信手段302を含む。送受信コンポーネント300は、測定コンポーネント110から信号を受信するための第2の信号受信手段304を含む。ドップラー補償コンポーネント108は、測定コンポーネント110から信号を受信するための第3の信号受信手段305を含む。
【0051】
送受信コンポーネント300は、送受信コンポーネントとソース基地局(図示せず)との間でデータを交換するためのデータ送信手段306およびデータ受信手段308を含む。送受信コンポーネント300は、送受信コンポーネントから測定コンポーネントに第1の信号を送信することによって測定を開始するための第1の信号送信手段310をさらに含む。測定コンポーネント110は、測定コンポーネント110から送受信コンポーネントに第2の信号を送信するための第2の信号送信手段312を含み、第2の信号は、少なくとも1つの基地局に関係する測定値を示す。
【0052】
モバイル通信ユニット100は、データベース214を含むデータ・ストレージ314をさらに含む。
【0053】
図4は、本発明の実施形態による方法の流れ図である。方法は、次のステップを含む。
【0054】
ステップS1において、データが、送受信コンポーネントと複数の基地局のうちの第1の基地局との間で交換され、第1のドップラー補償コンポーネントは、第1のドップラー補償値を使用することによって、データを運ぶ信号のドップラー・シフトを補償する。
【0055】
ステップS2において、測定が、送受信コンポーネント300から測定コンポーネント110に第1の信号を送信することによって開始される。ステップS3において、第2の信号が、測定コンポーネント110から送受信コンポーネント300に送信され、これは複数の基地局のうちの少なくとも1つの第2の基地局に関係する測定値を示す。
【0056】
ステップS4において、測定報告が、送受信コンポーネント300から第1の基地局に送信され、測定報告は、測定の測定値を含む。ステップS5において、第1の基地局から少なくとも1つの第2の基地局のターゲット基地局へのハンドオーバ手順が、第1の基地局によって開始されるかどうかが決定される。
【0057】
ステップS6において、第3の信号が、第1の基地局から送受信コンポーネント300に送信され、これはハンドオーバ手順の開始を示す。ステップS7において、第4の信号が、送受信コンポーネント300から測定コンポーネント110に送信され、第4の信号は、ターゲット基地局を示す。
【0058】
ステップS8において、第5の信号が、測定コンポーネント110から第1のドップラー補償コンポーネント108に送信され、第5の信号は、第1のドップラー補償値を第2のドップラー補償値に変更することを示す。最後に、S9において、ソース基地局からターゲット基地局へのハンドオーバ手順が実行される。
【0059】
ソース基地局がハンドオーバ手順を実行することを決定した場合のみ、ステップS6〜S9は実行されることに注意されたい。
【符号の説明】
【0060】
100 モバイル通信ユニット
102 ソース基地局
104 ターゲット基地局
106 LTE準拠部
108 ドップラー補償コンポーネント
110 測定コンポーネント
200 LTE部
202 DA2G固有部
204 DA2G制御ユニット
206 モバイル通信ネットワーク
208 フォワード・リンク信号
210 リバース・リンク信号
212 モビリティ・クライアント
214 データベース
216 オンボード・ルーター
218 ユーザ
220 位置データ
222 ロケーション・システム
300 送受信コンポーネント
302 信号受信手段
304 信号受信手段
305 信号受信手段
306 データ送信手段
308 データ受信手段
310 信号送信手段
312 信号送信手段
314 データ・ストレージ
1 測定制御信号
2 測定報告信号
3 ハンドオーバ決定
4 ハンドオーバ要求信号
5 受付制御
6 ハンドオーバ要求受領通知信号
7 ハンドオーバ命令信号
8 ターゲットにパケット転送を開始
9 状態転送
10 ソースからのパケットをバッファに格納
11 同期
12 アップロード割り当ておよびタイミング・アドバンス
13 ハンドオーバ確認信号
A 偽の測定制御信号
B 一般的な偽の測定報告
C 偽の測定報告信号
D ドップラー更新命令信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信ネットワーク(206)で通信する方法であって、前記ワイヤレス通信ネットワークは、複数の基地局(102、104)および少なくとも1つのモバイル通信ユニット(100)を含み、前記モバイル通信ユニットは、LTE標準で許可される制限を超えた速度で移動しており、前記モバイル通信ユニットは、送受信コンポーネント(300)、第1のドップラー補償コンポーネント(108)、および測定コンポーネント(110)を含み、前記第1のドップラー補償コンポーネントは、前記複数の基地局のうちの1つの基地局と前記送受信コンポーネントとの間で交換される信号(1、2、7、11、12、13)のドップラー・シフトを補償するように適合されている、方法において、
−前記送受信コンポーネントと前記複数の基地局のうちの第1の基地局(102)との間でデータを交換するステップ(S1)であって、前記第1のドップラー補償コンポーネントは、第1のドップラー補償値を使用することによってデータを運ぶ信号のドップラー・シフトを補償する、ステップと、
−前記送受信コンポーネントから前記測定コンポーネントに第1の信号(A)を送信することによって測定を開始するステップ(S2)と、
−前記測定コンポーネントから前記送受信コンポーネントに第2の信号(C)を送信するステップ(S3)であって、前記第2の信号は、前記複数の基地局のうちの少なくとも1つの第2の基地局(104)に関係する測定値を示す、ステップと、
−前記送受信コンポーネントから前記第1の基地局に測定報告を送信するステップ(S4)であって、前記測定報告は前記測定の前記測定値を含む、ステップと、
−前記第1の基地局から前記少なくとも1つの第2の基地局のターゲット基地局(104)へのハンドオーバ手順が、前記第1の基地局によって開始されるかどうかを決定するステップ(S5)と、
−前記第1の基地局から前記送受信コンポーネントに第3の信号(7)を送信するステップ(S6)であって、前記第1の基地局が、前記ターゲット基地局への前記ハンドオーバ手順を実行すること決定した場合、前記第3の信号は前記ハンドオーバ手順の開始を示す、ステップと、
−前記送受信コンポーネントから前記測定コンポーネントに第4の信号(D)を送信するステップ(S7)であって、前記第1の基地局が、前記ターゲット基地局への前記ハンドオーバ手順を実行することを決定した場合、前記第4の信号は前記ターゲット基地局を示す、ステップと、
−前記測定コンポーネントから前記第1のドップラー補償コンポーネントに第5の信号を送信するステップ(S8)であって、前記第5の信号は、前記第1のドップラー補償値を第2のドップラー補償値に変更することを示し、前記第1の基地局が、前記ターゲット基地局への前記ハンドオーバ手順を実行することを決定した場合、前記第2のドップラー補償値は、前記送受信コンポーネントと前記ターゲット基地局との間で交換される信号のドップラー・シフトを補償するのに適するようになっている、ステップと、
−前記第1の基地局が、前記ターゲット基地局へのハンドオーバ手順を実行することを決定した場合、ハンドオーバ手順を実行する、ステップ(S9)と
を含む方法。
【請求項2】
前記測定コンポーネントは、前記モバイル通信ユニットの位置データ(220)に基づく前記測定報告の前記測定値、前記モバイル通信ユニットの移動方向および速度、前記複数の基地局の位置データ、および/または前記複数の基地局のアンテナの輻射方向を計算する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記測定コンポーネントは、予期されたタイミング・アドバンス、および/または前記送受信コンポーネントと前記少なくとも1つの第2の基地局との間で交換される信号の予期された経路損失、および/または前記送受信コンポーネントと前記少なくとも1つの第2の基地局との間で交換される信号の予期された信号対雑音比、またはこれらの組み合わせに基づいて前記測定値を計算する請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記測定コンポーネントは、受信コンポーネントおよび第2のドップラー補償コンポーネントを含み、前記受信コンポーネントは、前記少なくとも1つの第2の基地局から少なくとも1つの信号を受信し、前記測定コンポーネントは、前記少なくとも1つの第2の基地局から前記少なくとも1つの信号の信号強度および信号品質を測定し、前記測定報告は、前記少なくとも1つの信号の信号強度および信号品質を含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
送受信コンポーネント(300)、第1のドップラー補償コンポーネント(108)、および測定コンポーネント(110)を含むモバイル通信ユニット(100)であって、前記第1のドップラー補償コンポーネントは、第1のドップラー補償値を使用することによって、基地局から受信される信号のドップラー・シフトを補償するように適合され、前記測定コンポーネントは、前記送受信コンポーネントから信号を受信するための第1の信号受信手段(302)を含み、前記送受信コンポーネントは、前記測定コンポーネントから信号を受信するための第2の信号受信手段(304)を含み、前記ドップラー補償コンポーネントは、前記測定コンポーネントから信号を受信するための第3の信号受信手段(305)を含み、前記モバイル通信ユニットは、LTE標準で許可される制限を超える速度で移動するように適合されている、モバイル通信ユニットにおいて、
−前記送受信コンポーネントは、前記送受信コンポーネントとソース基地局との間でデータを交換するためのデータ送信手段(306)およびデータ受信手段(308)を含み、
−前記送受信コンポーネントは、前記送受信コンポーネントから前記測定コンポーネントに第1の信号を送信することによって測定を開始するための第1の信号送信手段(310)をさらに含み、
−前記測定コンポーネントは、前記測定コンポーネントから前記送受信コンポーネントに第2の信号を送信するための第2の信号送信手段(312)を含み、前記第2の信号は、少なくとも1つの第2の基地局に関係する測定値を示し、
−前記送受信コンポーネントは、前記送受信コンポーネントから前記ソース基地局に測定報告を送信するための測定報告送信手段(306)を含み、前記測定報告は、前記測定値を含み、
−前記送受信コンポーネントは、前記送受信コンポーネントから前記測定コンポーネントに第4の信号を送信するための第3の信号送信手段(310)をさらに含み、前記第4の信号は、ターゲット基地局を示し、
−前記測定コンポーネントは、前記測定コンポーネントから前記第1のドップラー補償コンポーネントに第5の信号を送信するための第4の信号送信手段(312)を含み、前記第5の信号は、前記第1のドップラー補償値を第2のドップラー補償値に変更することを示し、前記第2のドップラー補償値は、前記送受信コンポーネントとターゲット基地局との間で交換される信号のドップラー・シフトを補償するのに適するようになっている、
モバイル通信ユニット。
【請求項6】
前記モバイル通信ユニットは、データ・ストレージ、前記データ・ストレージに格納されるデータベースをさらに含み、前記データベースは、前記複数の基地局の位置データおよび/または前記複数の基地局のアンテナの複数の輻射方向を含み、前記測定コンポーネントは、ロケーション・システムから位置データを受信するための位置データ受信手段と、前記位置データおよび前記複数の基地局の位置データ、ならびに/または前記複数の基地局のアンテナの複数の輻射方向に基づいて、前記測定報告の測定値を計算するための第1の計算手段とを含む請求項5に記載のモバイル通信ユニット。
【請求項7】
前記測定コンポーネントは、受信コンポーネントおよび第2のドップラー補償コンポーネントをさらに含み、前記第2のドップラー補償コンポーネントは、前記受信コンポーネントによって受信される信号のドップラー・シフトを補償するように適合され、前記受信コンポーネントは、少なくとも1つの第2の基地局から少なくとも1つの信号を受信するための第5の信号受信手段を含み、前記測定コンポーネントは、前記少なくとも1つの第2の基地局から前記少なくとも1つの信号の信号強度および信号品質を測定するための測定手段を含み、前記測定報告は、前記少なくとも1つの第2の信号の信号強度および信号品質を含む請求項5に記載のモバイル通信ユニット。
【請求項8】
請求項5乃至7のいずれか1項に記載のモバイル通信ユニットおよび複数の基地局を含むモバイル通信システム。
【請求項9】
モバイル通信ユニット(100)によって実行されたときに、ワイヤレス通信ネットワークの複数の基地局(102、104)と通信するための方法を前記モバイル通信ユニットに実行させる指示を含むコンピュータ可読記憶媒体(314)であって、前記モバイル通信ユニットは、LTE標準で許可される制限を超える速度で移動するように適合され、前記方法は、
−前記送受信コンポーネントと前記複数の基地局のうちのソース基地局との間でデータを交換するステップであって、前記第1のドップラー補償コンポーネントは、第1のドップラー補償値を使用することによってデータを運ぶ信号のドップラー・シフトを補償する、ステップと、
−前記送受信コンポーネントから前記測定コンポーネントに第1の信号を送信することによって測定を開始するステップと、
−前記測定コンポーネントから前記送受信コンポーネントに第2の信号を送信するステップであって、前記第2の信号は、前記複数の基地局のうちの少なくとも1つの第2の基地局に関係する測定値を示す、ステップと、
−前記送受信コンポーネントから前記ソース基地局に測定報告を送信するステップであって、前記測定報告は前記測定値を含む、ステップと、
−前記送受信コンポーネントによって前記ソース基地局から第3の信号を受信するステップであって、前記第3の信号はターゲット基地局へのハンドオーバ手順の開始を示す、ステップと、
−前記送受信コンポーネントから前記測定コンポーネントに第4の信号を送信するステップであって、前記第4の信号は前記ターゲット基地局を示す、ステップと、
−前記測定コンポーネントから前記第1のドップラー補償コンポーネントに第5の信号を送信するステップであって、前記第5の信号は、前記第1のドップラー補償値を第2のドップラー補償値に変更することを示し、前記第2のドップラー補償値は、前記送受信コンポーネントと前記ターゲット基地局との間で交換される信号のドップラー・シフトを補償するのに適するようになっている、ステップと、
−前記ソース基地局から前記ターゲット基地局へのハンドオーバ手順を実行するステップと
を含む、コンピュータ可読記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−520145(P2013−520145A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−556422(P2012−556422)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【国際出願番号】PCT/EP2011/050988
【国際公開番号】WO2011/098346
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(391030332)アルカテル−ルーセント (1,149)
【Fターム(参考)】