説明

ワイヤレス電力伝送における適応インピーダンス同調

例示的な実施形態はワイヤレス電力を対象とする。ワイヤレス電力受信機は、共振周波数において動作する送信アンテナによって生成される結合モード領域中で近距離場放射と結合するための受信アンテナを含む。受信アンテナは、近距離場放射に結合されたときにRF信号を生成し、整流器が、そのRF信号をDC入力信号に変換する。DC入力信号に結合された直流(DC)-DC変換器がDC出力信号を生成する。パルス変調器が、DC入力信号の電圧と、DC入力信号の電流と、DC出力信号の電圧と、DC出力信号の電流とのうちの少なくとも1つに応答してパルス幅変調信号のデューティサイクルを変更することによって、ワイヤレス電力受信機のDCインピーダンスを調整するために、DC-DC変換器へのパルス幅変調信号を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
米国特許法第119条に基づく優先権の主張
【0002】
本出願は、2009年3月20日に出願された「WIRELESS POWER IMPEDANCE CONTROL」と題する米国仮出願第61/162,157号および2009年5月7日に出願された「DC-BASED ADAPTIVE TUNING」と題する米国仮出願第61/176,468号の米国特許法第119条(e)項に基づく優先権を主張する。
【背景技術】
【0003】
本発明は、一般にワイヤレス電力伝達に関し、より詳細には、ワイヤレス電力伝達を改善するために受信機デバイスにおいてインピーダンスを適応的に同調させることに関係するデバイス、システム、および方法に関する。
【0004】
一般に、ワイヤレス電子デバイスなどの各バッテリー電源式デバイスは、それ自体の充電器と、通常は交流(AC)電源コンセントである、電源とを必要とする。そのようなワイヤード構成は、多くのデバイスが充電を必要とするとき、収拾がつかなくなる。
【0005】
送信機と、充電すべき電子デバイスに結合された受信機との間で無線またはワイヤレス電力伝送を使用する手法が開発されている。そのような手法は概して2つのカテゴリに入る。1つは、送信アンテナと充電すべきデバイス上の受信アンテナとの間の平面波放射(遠距離場放射とも呼ばれる)の結合に基づく。受信アンテナは、バッテリーを充電するために放射電力を収集し、それを整流する。アンテナは、一般に、結合効率を改善するために共振長のものである。この手法には、電力結合がアンテナ間の距離とともに急速に低下するという欠点があり、したがって(たとえば、1〜2メートルよりも短い)妥当な距離にわたる充電が困難になる。さらに、送信システムは平面波を放射するので、フィルタ処理によって適切に制御されない場合、偶発的な放射が他のシステムを妨害することがある。
【0006】
ワイヤレスエネルギー伝送技法に対する他の手法は、たとえば、「充電」マットまたは表面中に埋め込まれた送信アンテナと、充電すべき電子デバイス中に埋め込まれた受信アンテナ(および整流回路)との間の誘導結合に基づく。この手法には、送信アンテナと受信アンテナとの間の間隔が極めて近接している(たとえば、数ミリメートル内)必要があるという欠点がある。この手法は、同じエリア中の複数のデバイスを同時に充電する機能を有するが、このエリアは一般に極めて小さく、ユーザがデバイスを特定のエリアに正確に配置する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ワイヤレス電力伝達システムでは、電力のワイヤレス伝送の最中に損失が発生するために、効率が重要である。ワイヤレス電力伝送はしばしばワイヤード伝達よりも効率が低いので、ワイヤレス電力伝達環境では、効率は一層大きい問題である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、1つまたは複数のワイヤレス充電デバイスに電力を供給しようと試みるとき、受信アンテナに結合された受信機デバイスへの電力送出を最適化または場合によっては調整するために、送信アンテナと受信アンテナとの間の結合の変化に適応するための方法および装置が必要である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ワイヤレス電力伝達システムの簡略ブロック図である。
【図2】ワイヤレス電力伝達システムの簡略図である。
【図3】本発明の例示的な実施形態において使用するためのループアンテナの概略図である。
【図4】本発明の例示的な一実施形態による送信機の簡略ブロック図である。
【図5】本発明の例示的な一実施形態による受信機の簡略ブロック図である。
【図6】送信回路と受信回路との間の結合と、調整可能なDC負荷とを示す、それらの回路の概略図である。
【図7A】受信機デバイスにおけるDCインピーダンスの変化に応答して結合コイルペアの入力インピーダンスの変化を示すスミスチャートである。
【図7B】受信機デバイスにおけるDCインピーダンスの変化に応答して結合コイルペアの入力インピーダンスの変化を示すスミスチャートである。
【図8A】受信機デバイスにおけるDCインピーダンスの変化に応答して結合コイルペア間の改善された結合を示す振幅プロットである。
【図8B】受信機デバイスにおけるDCインピーダンスの変化に応答して結合コイルペア間の改善された結合を示す振幅プロットである。
【図9A】受信機デバイスにおけるDCインピーダンスを調整するための例示的な実施形態を示す、受信機デバイスの簡略図である。
【図9B】受信機デバイスにおけるDCインピーダンスを調整するための例示的な実施形態を示す、受信機デバイスの簡略図である。
【図10A】パルス幅変調変換器を使用して受信機デバイスにおけるDCインピーダンスを調整するための例示的な実施形態を示す、受信機デバイスの簡略図である。
【図10B】パルス幅変調変換器を使用して受信機デバイスにおけるDCインピーダンスを調整するための例示的な実施形態を示す、受信機デバイスの簡略図である。
【図10C】パルス幅変調変換器を使用して受信機デバイスにおけるDCインピーダンスを調整するための例示的な実施形態を示す、受信機デバイスの簡略図である。
【図10D】パルス幅変調変換器を使用して受信機デバイスにおけるDCインピーダンスを調整するための例示的な実施形態を示す、受信機デバイスの簡略図である。
【図11】受信機デバイスにおけるDCインピーダンスを調整するときに使用され得る様々な入力パラメータおよび出力パラメータである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
「例示的」という単語は、本明細書では「例、事例、または例示の働きをすること」を意味するために使用する。本明細書で「例示的」と記載されたいかなる実施形態も、必ずしも他の実施形態よりも好ましいまたは有利であると解釈すべきではない。
【0011】
添付の図面とともに以下に示す発明を実施するための形態は、本発明の例示的な実施形態を説明するものであり、本発明が実施され得る唯一の実施形態を表すものではない。この説明全体にわたって使用する「例示的」という用語は、「例、事例、または例示の働きをすること」を意味し、必ずしも他の例示的な実施形態よりも好ましいまたは有利であると解釈すべきではない。発明を実施するための形態は、本発明の例示的な実施形態の完全な理解を与える目的で具体的な詳細を含む。本発明の例示的な実施形態はこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることが当業者には明らかであろう。いくつかの例では、本明細書で提示する例示的な実施形態の新規性を不明瞭にしないように、よく知られている構造およびデバイスをブロック図の形態で示す。
【0012】
「ワイヤレス電力」という単語は、本明細書では、電界、磁界、電磁界に関連する任意の形態のエネルギー、または場合によっては物理電磁導体を使用せずに送信機から受信機に送信される任意の形態のエネルギーを意味するために使用する。
【0013】
図1に、本発明の様々な例示的な実施形態による、ワイヤレス送信または充電システム100を示す。エネルギー伝達を行うための放射界106を発生させるために入力電力102が送信機104に供給される。受信機108は、放射界106に結合し、出力電力110に結合されたデバイス(図示せず)が蓄積または消費するための出力電力110を発生する。送信機104と受信機108の両方は距離112だけ分離されている。1つの例示的な実施形態では、送信機104および受信機108は相互共振関係に従って構成され、受信機108の共振周波数と送信機104の共振周波数とが極めて近接している場合、送信機104と受信機108との間の伝送損失は、受信機108が放射界106の「近距離場」に位置するときに最小になる。
【0014】
送信機104は、エネルギー送信のための手段を与えるための送信アンテナ114をさらに含み、受信機108は、エネルギー受信のための手段を与えるための受信アンテナ118をさらに含む。送信アンテナおよび受信アンテナは、それに関連する適用例およびデバイスに従ってサイズ決定される。上述のように、エネルギーの大部分を電磁波で遠距離場に伝搬するのではなく、送信アンテナの近距離場におけるエネルギーの大部分を受信アンテナに結合することによって効率的なエネルギー伝達が行われる。近距離場にある場合、送信アンテナ114と受信アンテナ118との間に結合モードが展開され得る。この近距離結合が行われ得るアンテナ114および118の周りのエリアを、本明細書では結合モード領域と呼ぶ。
【0015】
図2に、ワイヤレス電力伝達システムの簡略図を示す。送信機104は、発振器122と、電力増幅器124と、フィルタおよび整合回路126とを含む。発振器は、調整信号123に応答して調整され得る所望の周波数を発生するように構成される。発振器信号は、制御信号125に応答する増幅量で電力増幅器124によって増幅され得る。フィルタおよび整合回路126は、高調波または他の不要な周波数をフィルタ除去し、送信機104のインピーダンスを送信アンテナ114に整合させるために含まれ得る。
【0016】
受信機108は、図2に示すバッテリー136を充電するため、または受信機に結合されたデバイス(図示せず)に電力供給するために、整合回路132と、DC電力出力を発生するための整流器およびスイッチング回路134とを含み得る。整合回路132は、受信機108のインピーダンスを受信アンテナ118に整合させるために含まれ得る。受信機108と送信機104は、別個の通信チャネル119(たとえば、Bluetooth(登録商標)、zigbee、セルラーなど)上で通信し得る。
【0017】
図3に示すように、例示的な実施形態において使用されるアンテナは、本明細書では「磁気」アンテナと呼ぶこともある「ループ」アンテナ150として構成され得る。ループアンテナは、空芯またはフェライトコアなどの物理コアを含むように構成され得る。空芯ループアンテナは、コアの近傍に配置された外来物理デバイスに対してより耐性があり得る。さらに、空芯ループアンテナでは、コアエリア内に他の構成要素を配置することができる。さらに、空芯ループは、送信アンテナ114(図2)の結合モード領域がより強力であり得る送信アンテナ114(図2)の平面内での受信アンテナ118(図2)の配置をより容易に可能にし得る。
【0018】
上述のように、送信機104と受信機108との間のエネルギーの効率的な伝達は、送信機104と受信機108との間の整合されたまたはほぼ整合された共振中に行われる。しかしながら、送信機104と受信機108との間の共振が整合されていないときでも、エネルギーは、より低い効率で伝達され得る。エネルギーの伝達は、送信アンテナからのエネルギーを自由空間に伝搬するのではなく、送信アンテナの近距離場からのエネルギーを、この近距離場が確立される近傍に常駐する受信アンテナに結合することによって行われる。
【0019】
ループまたは磁気アンテナの共振周波数はインダクタンスおよびキャパシタンスに基づく。ループアンテナにおけるインダクタンスは、一般に、単にループによって生成されるインダクタンスであり、キャパシタンスは、一般に、所望の共振周波数で共振構造を生成するためにループアンテナのインダクタンスに追加される。非限定的な例として、共振信号156を発生する共振回路を生成するために、キャパシタ152およびキャパシタ154がアンテナに追加され得る。したがって、直径がより大きいループアンテナでは、ループの直径またはインダクタンスが増加するにつれて、共振を誘起するために必要なキャパシタンスの大きさは減少する。さらに、ループまたは磁気アンテナの直径が増加するにつれて、近距離場の効率的なエネルギー伝達エリアは増加する。もちろん、他の共振回路が可能である。別の非限定的な例として、ループアンテナの2つの終端間にキャパシタが並列に配置され得る。さらに、当業者なら、送信アンテナの場合、共振信号156はループアンテナ150への入力であり得ることを認識されよう。
【0020】
本発明の例示的な実施形態は、互いの近距離場にある2つのアンテナ間の電力を結合することを含む。上述のように、近距離場は、電磁界が存在するが、アンテナから離れて伝搬または放射しないことがある、アンテナの周りのエリアである。それらは、一般に、アンテナの物理体積に近い体積に限定される。本発明の例示的な実施形態では、電気タイプアンテナ(たとえば、小さいダイポール)の電気近距離場に比較して磁気タイプアンテナの磁気近距離場振幅のほうが大きくなる傾向があるので、単巻きおよび多巻きループアンテナなどの磁気タイプアンテナを送信(Tx)アンテナシステムと受信(Rx)アンテナシステムの両方に使用する。これによりペア間の結合を潜在的により強くすることができる。さらに、「電気」アンテナ(たとえば、ダイポールおよびモノポール)または磁気アンテナと電気アンテナとの組合せをも企図する。
【0021】
Txアンテナは、上述した遠距離場および誘導手法によって可能になる距離よりもかなり大きい距離で小さい受信アンテナへの良好な結合(たとえば、>-4dB)を達成するのに十分に低い周波数および十分大きいアンテナサイズで動作させられ得る。送信アンテナが正しくサイズ決定された場合、ホストデバイス上の受信アンテナが励振送信ループアンテナの結合モード領域(すなわち、近距離場)内に配置されたとき、高い結合レベル(たとえば、-1〜-4dB)を達成することができる。
【0022】
図4は、本発明の例示的な一実施形態による送信機200の簡略ブロック図である。送信機200は、送信回路202と送信アンテナ204とを含む。一般に、送信回路202は、発振信号を供給することによって送信アンテナ204にRF電力を供給し、その結果、送信アンテナ204の周りに近距離場エネルギーが発生する。例として、送信機200は、13.56MHz ISM帯域で動作し得る。
【0023】
例示的な送信回路202は、送信回路202のインピーダンス(たとえば、50オーム)を送信アンテナ204に整合させるための固定のインピーダンス整合回路206と、受信機108(図1)に結合されたデバイスの自己ジャミングを防ぐレベルまで高調波放出を低減するように構成された低域フィルタ(LPF)208とを含む。整合回路のための他の例示的な実施形態は、インダクタとトランスフォーマとを含み得る。低域フィルタのための他の例示的な実施形態は、限定はしないが、他の周波数をパスしながら特定の周波数を減衰させるノッチフィルタを含む様々なフィルタトポロジーを含み得、また、アンテナへの出力電力または電力増幅器によるDC電流ドローなど、測定可能な送信メトリクスに基づいて変化させられ得る適応型インピーダンス整合を含み得る。送信回路202は、発振器212によって判断されたRF信号を駆動するように構成された電力増幅器210(本明細書では信号発生器とも呼ぶ)をさらに含む。送信回路は、個別デバイスまたは回路からなるか、あるいは代わりに、一体型アセンブリからなり得る。送信アンテナ204からの例示的なRF電力出力は2.5〜8.0ワットのオーダーであり得る。
【0024】
送信回路202は、特定の受信機に対する送信位相(またはデューティサイクル)中に発振器212を使用可能にし、発振器の周波数を調整し、出力電力レベルを調整し、取り付けられた受信機を通して隣接デバイスと対話するための通信プロトコルを実装するための、コントローラ214をさらに含む。コントローラ214はまた、結合モード領域に配置された受信機に起因する結合モード領域中の変化による、送信アンテナ204におけるインピーダンス変化を判断するためものである。
【0025】
送信回路202は、送信アンテナ204によって発生された近距離場の近傍におけるアクティブ受信機の存在または不在を検出するための負荷感知回路216をさらに含み得る。例として、負荷感知回路216は、送信アンテナ204によって発生された近距離場の近傍におけるアクティブ受信機の存在または不在によって影響を及ぼされる、電力増幅器210に流れる電流を監視する。電力増幅器210に対する負荷の変化の検出は、アクティブ受信機と通信するためのエネルギーを送信するために発振器212を使用可能にすべきかどうかを判断する際に使用するために、コントローラ214によって監視される。
【0026】
送信アンテナ204は、抵抗損を低く保つように選択された厚さ、幅および金属タイプをもつアンテナストリップとして実装され得る。従来の実装形態では、送信アンテナ204は、一般に、テーブル、マット、ランプまたは他のより可搬性が低い構成など、より大きい構造物との関連付けのために構成され得る。したがって、送信アンテナ204は、一般に、実際的な寸法にするための「巻き」を必要としない。送信アンテナ204の例示的な一実装形態は、「電気的に小形」(すなわち、波長の分数)であり得、共振周波数を定義するためにキャパシタを使用することによって、より低い使用可能な周波数で共振するように同調させられ得る。送信アンテナ204の直径が、または方形ループの場合は、辺の長さが、受信アンテナに対してより大きい(たとえば、0.50メートル)ことがある例示的な適用例では、送信アンテナ204は、送信アンテナを所望の周波数において共振させるために妥当なキャパシタンスを得るために必ずしも多数の巻きを必要としない。
【0027】
送信機200は、送信機200に関連付けられ得る受信機デバイスの所在およびステータスに関する情報を収集し、追跡し得る。したがって、送信機回路202は、(本明細書ではプロセッサとも呼ぶ)コントローラ214に接続された、存在検出器280、密閉検出器290、またはそれらの組合せを含み得る。コントローラ214は、存在検出器280および密閉検出器290からの存在信号に応答して、増幅器210によって送出される電力の量を調整し得る。送信機は、たとえば、建築物中に存在する従来のAC電力を変換するためのAC-DC変換器(図示せず)、従来のDC電源を送信機200に適した電圧に変換するためのDC-DC変換器(図示せず)など、いくつかの電源を通して電力を受信するか、または従来のDC電源(図示せず)から直接電力を受信し得る。
【0028】
非限定的な例として、存在検出器280は、送信機のカバレージエリアに挿入された充電すべきデバイスの初期存在を感知するために利用される動き検出器であり得る。検出後、送信機はオンになり得、デバイスによって受信されたRF電力が、所定の方法で受信機デバイス上のスイッチをトグルするために使用され得、その結果、送信機の駆動点インピーダンスが変化する。
【0029】
別の非限定的な例として、存在検出器280は、たとえば、赤外検出、動き検出、または他の好適な手段によって人間を検出することが可能な検出器であり得る。いくつかの例示的な実施形態では、送信アンテナが特定の周波数において送信し得る電力の量を制限する規制があることがある。場合によっては、これらの規制は、電磁放射から人間を保護するためのものである。しかしながら、送信アンテナが、たとえば、ガレージ、工業の現場、作業場など人間によって占有されないか、または人間によってめったに占有されないエリアに配置された環境があり得る。これらの環境に人間がいない場合、送信アンテナの電力出力を、通常の電力制限規制を上回って増加させることが許されることがある。言い換えれば、コントローラ214は、人間存在に応答して送信アンテナ204の電力出力を規制レベル以下に調整し、人間が送信アンテナ204の電磁界からの規制距離の外側にいるとき、送信アンテナ204の電力出力を、規制レベルを上回るレベルに調整し得る。さらに、存在検出器280は、送信アンテナの領域に配置された物体を検出することが可能な検出器であり得る。これは、ワイヤレス電力を受信するものでなく、磁界によって損傷を与えられ得る物体が送信アンテナの近くに配置されたとき、電力出力を低減または停止するのに有用であり得る。
【0030】
非限定的な例として、(本明細書では密閉区画検出器または密閉空間検出器と呼ぶこともある)密閉検出器290は、エンクロージャが閉じられた状態または開いた状態にあるときを判断するための感知スイッチなどのデバイスであり得る。送信機が、密閉状態にあるエンクロージャ中にあるとき、その送信機の電力レベルは増加させられ得る。
【0031】
例示的な実施形態では、送信機200が無期限にオンのままにならない方法が使用され得る。この場合、送信機200は、ユーザが判断した時間量の後に遮断するようにプログラムされ得る。この機能は、送信機200、特に電力増幅器210が、その周囲内のワイヤレスデバイスが完全に充電された後、長く運転することを防ぐ。このイベントは、中継器または受信コイルのいずれかから送信された、デバイスが完全に充電されたという信号を回路が検出することができないことに起因することがある。送信機200の周囲内に別のデバイスが配置された場合、送信機200が自動的に停止するのを防ぐために、送信機200の自動遮断機能は、その周囲内で動きが検出されない設定された期間の後にのみアクティブにされ得る。ユーザは、非アクティビティ時間間隔を判断し、必要に応じてそれを変更することが可能であり得る。非限定的な例として、その時間間隔は、デバイスが最初に十分に放電されているという仮定の下に、特定タイプのワイヤレスデバイスを完全に充電するために必要とされる時間間隔よりも長いことがある。
【0032】
図5は、本発明の例示的な一実施形態による受信機300の簡略ブロック図である。受信機300は、受信回路302と受信アンテナ304とを含む。受信機300は、さらに、デバイス350に受信電力を与えるためにデバイス350に結合する。受信機300は、デバイス350の外部にあるものとして示されているが、デバイス350に一体化され得ることに留意されたい。一般に、エネルギーは、受信アンテナ304にワイヤレスに伝搬され、次いで、受信回路302を通してデバイス350に結合される。
【0033】
受信アンテナ304は、送信アンテナ204(図4)と同じ周波数、または同じ周波数の近くで共振するように同調させられる。受信アンテナ304は、送信アンテナ204と同様に寸法決定され得、または関連するデバイス350の寸法に基づいて別様にサイズ決定され得る。例として、デバイス350は、送信アンテナ204の直径または長さよりも小さい直径寸法または長さ寸法を有するポータブル電子デバイスであり得る。そのような例では、受信アンテナ304は、同調キャパシタ(図示せず)のキャパシタンス値を低減し、受信アンテナのインピーダンスを増加させるために、多巻きアンテナとして実装され得る。例として、受信アンテナ304は、アンテナ直径を最大にし、受信アンテナのループ巻き(すなわち、巻線)の数および巻線間キャパシタンスを低減するために、デバイス350の実質的な周囲の周りに配置され得る。
【0034】
受信回路302は、受信アンテナ304に対するインピーダンス整合を行う。受信回路302は、受信したRFエネルギー源を、デバイス350が使用するための充電電力に変換するための電力変換回路306を含む。電力変換回路306は、RF-DC変換器308を含み、DC-DC変換器310をも含み得る。RF-DC変換器308は、受信アンテナ304において受信されたRFエネルギー信号を非交流電力に整流し、DC-DC変換器310は、整流されたRFエネルギー信号を、デバイス350に適合するエネルギーポテンシャル(たとえば、電圧)に変換する。部分および完全整流器、調整器、ブリッジ、ダブラー、ならびに線形およびスイッチングコンバータを含む、様々なRF-DC変換器が企図される。
【0035】
受信回路302は、受信アンテナ304を電力変換回路306に接続するため、または代替的に電力変換回路306を切断するためのスイッチング回路312をさらに含み得る。電力変換回路306から受信アンテナ304を切断することは、デバイス350の充電を中断するだけでなく、送信機200(図2)から「見た」「負荷」を変化させ、これは、送信機から受信機を「クローキングする」ために使用され得る。
【0036】
上記で開示したように、送信機200は、送信機電力増幅器210に供給されたバイアス電流の変動を検出する負荷感知回路216を含む。したがって、送信機200は、受信機が送信機の近距離場に存在するときを判断するための機構を有する。
【0037】
複数の受信機300が送信機の近距離場に存在するとき、他の受信機がより効率的に送信機に結合することができるように、1つまたは複数の受信機の装荷および除荷を時間多重化することが望ましいことがある。受信機はまた、他の近くの受信機への結合を解消するため、または近くの送信機に対する装荷を低減するためにクローキングされ得る。受信機のこの「除荷」は、本明細書では「クローキング」とも呼ばれる。さらに、受信機300によって制御され、送信機200によって検出される除荷と装荷との間のこのスイッチングは、以下でより十分に説明するように受信機300から送信機200への通信機構を与える。さらに、受信機300から送信機200へのメッセージの送信を可能にするプロトコルがスイッチングに関連付けられ得る。例として、スイッチング速度は100μ秒のオーダーであり得る。
【0038】
例示的な一実施形態では、送信機と受信機との間の通信は、従来の双方向通信ではなく、デバイス感知および充電制御機構を指す。言い換えれば、送信機は、近距離場においてエネルギーが利用可能であるかどうかを調整するために送信信号のオン/オフキーイングを使用する。受信機は、エネルギーのこれらの変化を送信機からのメッセージと解釈する。受信機側から、受信機は、近距離場からどのくらいの電力が受容されているかを調整するために受信アンテナの同調および離調を使用する。送信機は、近距離場から使用される電力のこの差異を検出し、これらの変化を受信機からのメッセージと解釈することができる。
【0039】
受信回路302は、送信機から受信機への情報シグナリングに対応し得る、受信したエネルギー変動を識別するために使用される、シグナリング検出器およびビーコン回路314をさらに含み得る。さらに、シグナリングおよびビーコン回路314はまた、低減されたRF信号エネルギー(すなわち、ビーコン信号)の送信を検出するために使用され得、また、ワイヤレス充電のための受信回路302を構成するために、低減されたRF信号エネルギーを整流して、受信回路302内の無電力供給回路または電力消耗回路のいずれかをアウェイクするための公称電力にするために使用され得る。
【0040】
受信回路302は、本明細書で説明するスイッチング回路312の制御を含む、本明細書で説明する受信機300のプロセスを調整するためのプロセッサ316をさらに含む。受信機300のクローキングは、デバイス350に充電電力を供給する外部ワイヤード充電ソース(たとえば、ウォール/USB電力)の検出を含む他のイベントの発生時にも行われ得る。プロセッサ316は、受信機のクローキングを制御することに加えて、ビーコン状態を判断し、送信機から送信されたメッセージを抽出するためにビーコン回路314を監視し得る。プロセッサ316はまた、パフォーマンスの改善ためにDC-DC変換器310を調整し得る。
【0041】
いくつかの例示的な実施形態では、受信回路320は、たとえば、所望の電力レベル、最大電力レベル、所望の電流レベル、最大電流レベル、所望の電圧レベル、および最大電圧レベルの形態で電力要件を送信機にシグナリングし得る。これらのレベルと、送信機から受信された電力の実際の量とに基づいて、プロセッサ316は、DC-DC変換器310の出力を調節するために、電流レベルの調整、電圧レベルの調整、またはそれらの組合せの形態でDC-DC変換器310の動作を調整し得る。
【0042】
本発明の例示的な実施形態は、送信アンテナと受信アンテナとの間の結合効果の変化を補償することができる方法で受信機デバイスの受信アンテナを終端する負荷インピーダンスの調整を可能にする回路および調整機構を対象とする。
【0043】
負荷インピーダンスを調整するための現在の解決策は、RF構成要素の使用に基づく。これらは、切替え可能固定コンデンサおよびインダクタと、電圧可変キャパシタ(たとえば、強誘電体、微小電子機械システム(MEMS)、およびバラクタダイオード)とに基づくチューナーを含む。切替え可能固定コンデンサおよびインダクタ手法は、オーム損が大きすぎて充電システムに実用できないことがある。強誘電体デバイスおよびMEM電圧可変キャパシタに基づく可変チューナーは、この時点で商業的に存立可能でないことがある。バラクタダイオードに基づくチューナーは、ワイヤレス電力適用例において予期されるRF電力を扱うことができないことがある。
【0044】
上記で説明したように、ワイヤレス充電システムは、一般に、充電すべき、または場合によっては電力を供給すべき受信機デバイス中に埋め込まれた1つまたは複数の受信アンテナ(すなわち、受信結合コイル)にRFエネルギーを送信する、送信アンテナ(すなわち、送信結合コイル)を含む。受信エネルギーは、整流され、調整され、デバイスのバッテリーまたは他の動作回路に送出される。これらのアンテナは、低周波数で動作され、電力を放射するのではなく磁気的に結合するために電気的に小形であるのが典型的である。
【0045】
2つのコイルが共振するとき、すなわち、両方が一方のアンテナから他方のアンテナに電力を伝達するために使用される周波数に同調させられるとき、これらの小形アンテナは、より良い結合効率を達成し得る。残念ながら、効率的な電力伝達はワイヤレス電力伝達方式の重要な一態様ではあるが、小形の共振結合アンテナを使用することの副産物は、得られる帯域幅が時々極めて小さくなり、アンテナが離調しやすくなり、アンテナの効率が劇的に損なわれることである。小形の疎結合共振アンテナを使用することの別の問題は、受信アンテナが(たとえば、充電パッド上の異なる場所で)送信アンテナに対して動き回されるにつれて、または充電すべき複数のデバイスが充電パッド上で互いに極近傍内に配置されたとき、2つのアンテナ間の相互結合が変動することになることである。これらの配置変化は、送信コイルと受信コイルとの間の結合を変動させ、送信アンテナから見たインピーダンスの変動を生じることになり、その結果、充電システム中の送信アンテナと受信アンテナとの間の電力伝達があまり効率的でなくなる。これらの問題の多くは、受信アンテナに与えられるRF負荷抵抗を変化させることによって修正され得るか、または少なくとも大幅に低減され得る。
【0046】
送信増幅器から見たインピーダンスの変化に影響を及ぼすためにRF負荷抵抗を変動する際に、ソースから見たこのインピーダンスは、送信アンテナおよび受信アンテナにおいて使用される整合回路に応じて、抵抗的に、反応的に、またはそれらの組合せで変動することができることがよく知られている。システムの効率を最大化するためには、実数値(すなわち、抵抗値)のみを変動し、この入力インピーダンスの反応値をできる限り一定に保持することが最良である。反応性変化を補償することは可能であるが、これはシステム全体の複雑さを大幅に増加させ得る。抵抗性負荷変動の任意の範囲にわたる最大電力伝達という目的を満たすことができる1つの整合回路があることを示すことができる。その整合回路は、電力を伝達するために使用される共振送信および受信アンテナの拡張にすぎない、同調(共振)トランスフォーマであり得る。以下の説明では、この形態の整合回路の使用を仮定する。
【0047】
図6に、送信回路と受信回路との間の結合と、調整可能なDC負荷450とを示す、それらの回路の概略図を示す。図6に示すように、充電システム405は、送信機電子回路が1次コイル432(すなわち、送信アンテナ)に接続され、受信機側の整流器/調整器電子回路が2次コイル434(すなわち、受信アンテナ)に接続された、結合コイルトランスフォーマモデル430によって特徴づけられ得る。
【0048】
ドライバ410は、たとえば、約13.56MHzなど、所望の共振周波数において発振信号を生成する。一例として、このドライバ410、図6に示すようにクラスEドライバとして構成され得る。低域整合回路420は、ドライバ410から結合コイルトランスフォーマモデル430の送信アンテナ432への信号をフィルタ処理し、インピーダンス整合する。
【0049】
エネルギーは、近距離場放射を通して結合コイルトランスフォーマモデル430の受信アンテナ434に伝達される。受信アンテナ434に結合された発振信号は、受信アンテナ434のACインピーダンス整合を行い、発振信号を実質的DC信号に整流するために、インピーダンス整合および整流器回路440に結合される。DC-DC変換器450は、整流器440からのDC信号を受信機デバイス(図示せず)上の回路によって使用可能なDC出力に変換する。DC-DC変換器450はまた、整流器440から見たDCインピーダンスを調整するように構成され、DC-DC変換器450は、整流器440への入力の全体的なACインピーダンスを調整する。その結果、DC-DC変換器450の入力におけるDCインピーダンスの変化は、受信アンテナ434のインピーダンスへのより良い整合、および受信アンテナ434と送信アンテナ432との間のより良い相互結合を作成することができる。
【0050】
トランスフォーマモデル430の自己インダクタンス(LtxおよびLrx)、相互インダクタンス(m)、および損失抵抗は、アンテナペアの測定またはシミュレートされた結合特性から導出され得る。
【0051】
相互インダクタンス(m)、ならびにそれぞれ送信アンテナおよび受信アンテナの抵抗損R1およびR2が与えられれば、電力伝達効率を最大化する、受信アンテナにとっての最適負荷があることを示すことができる。この最適負荷は、次式のように定義され得る。Reff=R1*[1+(omega*m)2/(R1*R2)]5
【0052】
一般に、Reffは、1〜20オームの範囲内にあり得る。DC負荷制御の使用によって、上記で説明した理由により相互インダクタンス(m)が変動するので、受信コイル434から見たRF負荷は、その最も効率的な値に設定され得る。
【0053】
RF負荷を制御することの別の効用は、負荷の変動を使用して、受信機デバイスに送出される電力を制御することができることである。これは、ある程度の効率を犠牲にし得るが、様々な充電状態にあるワイヤレスデバイスの混合をサービスするときに、利用可能な電力の最大使用を可能にする。
【0054】
RF負荷を制御することのさらに別の効用は、負荷の変動を使用して、伝達関数の帯域幅を広げることができることであり、結果は、ワイヤレス充電増幅器に典型的な、極低インピーダンスまたは反応性インピーダンスの送信電力増幅器410と、送信アンテナ432との間の整合ネットワーク420に依存する。入力整合回路が、TXアンテナ432に相互結合された第3の同調インダクタンス(図示せず)を含む場合、この帯域幅調整は、相互インダクタンス(m)と負荷との大きい変動にわたって最良に機能し得る。この場合、電力増幅器が超低ソースインピーダンスを有する場合、帯域幅は、RF負荷抵抗の増加とともに直線的に増加することになる。
【0055】
FCC許可信号帯域幅は極めて小さいので、既存のワイヤレス充電システムは帯域幅について無関心に見える。上述のように、帯域幅を広げるために負荷を変化させることは、効率をその最大値からいくぶん低減し得るが、これは、帯域幅の増加が必要とされ得るときに機能的充電システムを維持するのに有用であり得る。高効率が必要とされるワイヤレス充電において実質的に望ましいオプションではないが、この帯域幅拡大効果は、効率の重要性がはるかに低い短距離通信システムにおいて適用され得る。
【0056】
送信アンテナ432に相互結合された低インダクタンスの使用は、より一般的な受動整合に勝る著しいシステム利点を与える。この入力直列同調DC-DC変換器450は第2のインピーダンス反転を生じ、第1のインピーダンス反転は送信アンテナ432と受信アンテナ434との間に生じる。したがって、負荷インピーダンスが増加すると、入力インピーダンスが増加する。これにより、受信機の負荷インピーダンスを上げるだけで、負荷が送信機から受信機を「クローキングする」ことが可能になる。この効果は、入力コンダクタンスを負荷コンダクタンスの線形関数にすることとして言い換えられ得る。
【0057】
このクローキング機能がない場合、受信機からの負荷は、図5を参照しながら上記で説明した要素312などの機構を使用して、クローキングするために短絡を与えなければならなくなる。したがって、受信機デバイスのない充電パッドは、開回路ではなく高度に同調された短絡回路のように見えることになる。さらに、複数のクローキングされていない負荷が存在するとき、送信アンテナ432の総入力コンダクタンスは、受信アンテナ434の個々のコンダクタンスの和となり、電力は、それらの相対値に従って分配されることになる。
【0058】
同調入力トランスフォーマ整合のさらに別の利点は、得られた入出力アドミタンスが中心(共振)周波数において実であり、周波数に関して「フラット」トップであることである。したがって、回路パラメータの1次変動は、電力伝達プロセスにほとんど影響を及ぼさない。
【0059】
図7Aおよび図7Bに、受信機デバイスにおけるDCインピーダンスの変化に応答する(誘導整合は追加されない)結合コイルペアの入力インピーダンスの変化を示すスミスチャートを示す。図7Aおよび図7Bにおいて、暗い円510および520はそれぞれ定抵抗円を示す。
【0060】
図7Aおよび図6を参照すると、DC-DC変換器450への入力におけるDCインピーダンスRdcが約10.2オームである場合、送信アンテナ432における複素入力インピーダンスは約50オームになり、リアクタンスは非常に小さくなる。図7Bおよび図6を参照すると、DC-DC変換器450への入力におけるDCインピーダンスRdcが約80オームである場合、送信アンテナ432における複素入力インピーダンスは50オームよりもはるかに小さくなり、リアクタンスは非常に小さくなる。
【0061】
図8Aおよび図8Bに、受信機デバイスにおけるDCインピーダンスの変化に応答する結合コイルペア間の改善された結合を示す振幅プロット(それぞれ、530および540)を示す。図8Aでは、13.56MHzの中心周波数における振幅は、約-4.886dBである。DC-DC変換器450(図6)への入力インピーダンスを調整した後、13.56MHzの中心周波数における振幅は約-3.225dBに改善され、受信アンテナと送信アンテナとの間のより良い結合が生じ、その結果、より多くの電力が受信アンテナに伝達されるようになる。
【0062】
図9Aおよび図9Bに、受信機デバイスにおけるDCインピーダンスを調整するための例示的な実施形態を示す、受信機デバイスの簡略図を示す。図9Aと図9Bの両方において、受信アンテナ304は、キャパシタC1およびC2を含む例示的なインピーダンス整合回路320を給電する。インピーダンス整合回路320からの出力は、(一例として)RF周波数をDC電圧に変換するための、ダイオードD1およびD2とキャパシタC3とを含む単純整流器330に給電する。もちろん、多くの他のインピーダンス整合回路320および整流器330が本発明の実施形態の範囲内に入るとして企図される。DC-DC変換器350は、整流器からのDC入力信号340を、受信機デバイス(図示せず)が使用するのに好適なDC出力信号370に変換する。
【0063】
図9Aに、ワイヤレス電力伝送システムにおける最適電力点インピーダンスを維持するための単純な装置を示す。コンパレータ348は、DC入力信号340を、所与の予想される電力について、送信機から見たインピーダンスが、DC出力信号370に結合される最大電力量をもたらすように選択された電圧基準345と比較する。コンパレータ348の出力361は、DC-DC変換器350がその入力DCインピーダンスを増加または減少させるべきかどうかを示す信号とともにDC-DC変換器350に給電する。スイッチングDC-DC変換器350を使用する実施形態では、コンパレータのこの出力361は、以下で説明するように、入力DCインピーダンスを調整するパルス幅変調(PWM)信号に変換され得る。この入力電圧フィードバック回路は、電圧が増加するにつれてPWMパルス幅を増加させ、それによってインピーダンスと電圧とを減少させることによって、入力DCインピーダンスを調整する。
【0064】
図9Bに、ワイヤレス電力伝送システムにおける最適電力点インピーダンスを維持するためのわずかにより複雑な装置を示す。図9Bでは、電流センサ344が含まれ得、また、DC入力信号340における電圧または電流が任意の所与の時間にプロセッサ360によってサンプリングされるかどうかを切り替えるために、マルチプレクサ346が使用され得る。このシステムでは、DC入力信号340の電圧(Vr)と電流(Ir)とが測定され、DC-DC変換器350へのPWM信号362が、事前に許可された範囲にわたって変動され得る。プロセッサ360は、最良DC入力インピーダンスの指示である最大電力(すなわち、電流×電圧)を生じる、PWM信号362のパルス幅を判断することができる。この判断されたパルス幅は、DC出力信号370に最適電力量を伝達する動作のために使用され得る。このサンプリングおよび調整プロセスは、変化する結合比、送信電力または送信インピーダンスを追跡することが望まれるたびに繰り返され得る。
【0065】
上述のように、有限出力抵抗またはインピーダンスをもつソースから最大外部電力を得るために、受信機の抵抗またはインピーダンスは、ソースのそれと同じでなければならない。多くの場合、限られたRF電源を最大限に利用するために、受信される電力を最大化するためにワイヤレス電力システムを動作させることが望ましい。
【0066】
この最大化された電力伝達は、常に最大効率と同じであるとは限らない。多くの場合、システムの効率を増加させるために、等しいよりも高いインピーダンスまたは抵抗で負荷を動作させることが有利なことがある。しかし、いずれの場合も、受信機における特定のインピーダンスの維持が、送信機と受信機との間で伝達される電力量を調整するのに有用であり得る。
【0067】
単純なワイヤレス電力システムでは、入力インピーダンスの制御がないことがあり得、出力負荷(しばしばバッテリーまたはワイヤレスデバイス)がシステムのインピーダンスの唯一のドライバであり得る。これは、準最適送信機/受信機インピーダンス整合と、結果として生じる電力伝達、効率、またはそれらの組合せの損失をもたらす。
【0068】
DCインピーダンスは(電圧/電流)によって定義される。したがって、所与の電流および所望のインピーダンスにおいて、所望の電圧=(電流*所望のインピーダンス)が存在する。PWM変換器を用いて、この所望の電圧(したがって所望のインピーダンス)は、入力電圧を(電流*所望のインピーダンス)項と比較し、パルス幅を上または下に調整してその項を維持する、フィードバック項を与えることによって達成され得る。
【0069】
図10A〜図10Dに、パルス幅変調変換器を使用して受信機デバイスにおけるDCインピーダンスを調整するための例示的な実施形態を示す、受信機デバイスの簡略図を示す。図10A〜図10Dでは、共通要素は、インピーダンス整合回路320に給電する受信アンテナ304を含む。インピーダンス整合回路320からの出力は、単にダイオードD3として示された単純整流器に給電する。もちろん、多くの他のインピーダンス整合回路320および整流器が、本発明の実施形態の範囲内に入るとして企図される。DC-DC変換器350は、整流器からのDC入力信号340を、受信機デバイス(図示せず)が使用するのに好適なDC出力信号370に変換する。プロセッサ360は、DC入力信号340、DC出力信号270、またはそれらの組合せのパラメータをサンプリングし、DC-DC変換器350のためのPWM信号362を生成する。DC-DC変換器350はスイッチモードコンバータであり、PWM信号362は、ダイオードD4と、インダクタL1と、キャパシタC4とを含むフィルタリング回路を周期的に充電するためにスイッチS1を制御する。当業者なら、DC-DC変換器350を、DC入力信号340上の電圧をDC出力信号370上のより低い電圧に変換するバックコンバータとして認識されよう。図示されていないが、当業者なら、スイッチモードDC-DC変換器350が、DC入力信号340上の電圧よりも高い電圧をもつDC出力信号370を生成するためにブーストコンバータとしても実装され得ることも認識されよう。
【0070】
たいていの場合、ワイヤレス電力受信機の出力電圧を調整するための要件が最も重要になるであろう。たとえば、バッテリー充電の場合、最大出力電流または最大出力電圧を超えないことがしばしば重要になる。これは、しばしば、出力電圧制御項がPWM信号362のパルス幅のための制御ルールを左右することになることを意味する。
【0071】
しかしながら、多くの場合、バッテリーは、その最大レートを下回るレートで電力を許容していることになる。一例として、その定格容量よりも小さいレートでリチウムイオンバッテリーを充電する間、電圧は最大バッテリー電圧を下回ることになり、電流は、ワイヤレス電力システムから利用可能な最大電力によって制限され得る。これらの事例の間、2次インピーダンス制御項は、DCインピーダンスを制御するためにPWM信号のパルス幅を調整する際に支配的になることになる。
【0072】
本開示の例示的な実施形態は、受信機中の定常状態DC抵抗を効果的にシミュレートするために、スイッチモードDC-DC変換器350中でフィードバック項を使用することによってDCインピーダンス制御を行う。言い換えれば、DCインピーダンスは、所与のDCインピーダンスをシミュレートするために、スイッチモードDC-DC変換器350へのPWM信号362の周波数またはデューティサイクルを調節することによって制御される。
【0073】
システムのためのフィードバックは、プロセッサ360によってDC入力信号340、DC出力信号370またはそれらの組合せの1つまたは複数の特性をサンプリングすることによって作成される。次いで、プロセッサ360は、このサンプリングされた情報を、場合によってはDC-DC変換器350の予想される電力伝達および効率などの他の情報とともに使用してPWM信号362を調整し、これによりDC入力信号とDC出力信号とを調整してフィードバックループを閉じる。
【0074】
図10A〜図10Dとして示す4つの異なる例示的な実施形態を参照しながら、何がサンプリングされ、PWM信号のパラメータがどのように生成されるのかについての個別差について説明する。
【0075】
図10Aでは、プロセッサ360は、DC入力信号340の電圧と、DC入力信号340の電流と、DC出力信号370の電圧と、DC出力信号370の電流とをサンプリングする。
【0076】
いくつかの実施形態では、電圧センサ342が、DC入力信号340とプロセッサ360との間で使用され得る。同様に、電圧センサ372が、DC出力信号370とプロセッサ360との間で使用され得る。他の実施形態では、電圧センサ342および372が必要とされないことがあり、プロセッサ460が、DC入力信号340およびDC出力信号370上の電圧を直接サンプリングし得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、電流センサ344が、DC入力信号340とプロセッサ360との間で使用され得る。同様に、電流センサ374が、DC出力信号370とプロセッサ360との間で使用され得る。他の実施形態では、電流センサ344および374が必要とされないことがあり、プロセッサ360が、DC入力信号340およびDC出力信号370上の電流を直接サンプリングし得る。
【0078】
DC入力信号340とDC出力信号370の両方の電流および電圧測定値を用いて、プロセッサ360は、電力変換システムのために必要とされるすべてのパラメータを判断することができる。DC入力信号340上の電力inは電圧in×電流inとして判断され得る。DC出力信号370上の電力outは電圧out×電流outとして判断され得る。DC-DC変換器350の効率は電力outと電力inとの差として判断され得る。DC入力信号340のDCインピーダンスは電圧in/電流inとして判断され得る。
【0079】
プロセッサ360は、その時点における電力出力を判断するために、入力のすべてを周期的に(たとえば、1秒または他の好適な期間ごとに1回)サンプリングすることができる。それに応答して、プロセッサ360はPWM信号362のデューティサイクルを変更することができ、これはDC入力信号340のDCインピーダンスを変更する。たとえば、PWM信号362上のパルス幅が狭いと、入力電圧は比較的高く留まり、入力電流は比較的低く留まることができ、これはDC入力信号340のためのより高いDCインピーダンスをもたらす。逆に、PWM信号362上のパルス幅を広くすると、DC入力信号340からより多くの電流を引き出すことができ、DC入力信号340のためのより低い入力電圧とより低いDCインピーダンスとを生じる。
【0080】
この周期的サンプリングおよび調整は、DC入力信号340のための最適DCインピーダンス、したがって、DC出力信号370のための最適電力を見つけることができるフィードバックループを作成する。これらの値を見つけることの詳細について、図11を参照しながら以下で説明する。
【0081】
図10Bでは、プロセッサ360は、DC入力信号340の電圧と、DC出力信号370の電圧と、DC出力信号370の電流とをサンプリングする。図10Aに関して上記で説明したように、電圧センサ342と、電圧センサ372と、電流センサ374とが、実施形態に応じて、それらのそれぞれの信号とプロセッサ360との間に含められ得る。
【0082】
図10Aの場合と同様に、図10Bでは、DC出力信号370上の電力outは電圧out×電流outとして判断され得る。多くの場合、DC-DC変換器350の効率が既知であり、所望の動作範囲にわたって比較的一定となる。したがって、プロセッサ360は、電力outと、DC-DC変換器350のための電流動作点における効率の推定値とに基づいて、DC入力信号340上の電力inを推定することができる。推定された電力inと、測定された電圧inを用いて、DC入力信号340のDCインピーダンスが判断され得る。もう一度、この周期的サンプリングおよび調整は、DC入力信号340のための最適DCインピーダンス、したがって、DC出力信号370のための最適電力を見つけることができるフィードバックループを作成する。
【0083】
図10Cでは、プロセッサ360は、DC入力信号340の電圧とDC入力信号340の電流とをサンプリングする。図10Aに関して上記で説明したように、電圧センサ342と電流センサ344とは、実施形態に応じてDC入力信号340とプロセッサ360との間に含められ得る。
【0084】
図10Cでは、DC入力信号340の電流inは電圧in×電流inとして判断され得、DC入力信号340のDCインピーダンスは電圧in/電流inとして判断され得る。図10Bの場合と同様に、図10Cでは、DC-DC変換器350の効率が既知であり、所望の動作範囲にわたって比較的一定となる。したがって、プロセッサ360は、電力inと、DC-DC変換器350のための電流動作点における効率の推定値とに基づいて、DC出力信号370上の電力outを推定することができる。もう一度、この周期的サンプリングおよび調整は、DC入力信号340のための最適DCインピーダンス、したがって、DC出力信号370のための最適電力を見つけることができるフィードバックループを作成する。
【0085】
図10Dでは、プロセッサ360は、DC入力信号340の電圧のみをサンプリングする。図10Aに関して上記で説明したように、電圧センサ342は、実施形態に応じてDC入力信号340とプロセッサ360との間に含められ得る。
【0086】
図10Dでは、どのくらいの電力が受信アンテナおよび整流器を通して受信され、DC入力信号上で送出されることが予想されるのかに関する所定の推定値が生成され得る。この所定の推定値を使用して、DC入力信号340のDCインピーダンスが、電圧inに対して判断され得る。図10Bの場合と同様に、図10Cでは、DC-DC変換器350の効率が既知であり、所望の動作範囲にわたって比較的一定となる。したがって、プロセッサ360は、所定の電力in推定値と、DC-DC変換器350のための電流動作点における効率の推定値とに基づいて、DC出力信号370上の電力outを推定することができる。もう一度、この周期的サンプリングおよび調整は、DC入力信号340のための最適DCインピーダンス、したがって、DC出力信号370のための最適電力を見つけることができるフィードバックループを作成する。
【0087】
所定の電力推定値は、受信機デバイスにプログラムされる固定値であるか、または、送信される電力のうちのどのくらいがその特定の受信機デバイスに結合されることになるのかを判断するための手段を有し得る、送信機デバイスから受信機デバイスに通信され得る。
【0088】
図11に、受信機デバイスにおけるDCインピーダンスを調整するときに使用され得る様々な入力パラメータおよび出力パラメータを示す。このグラフは、特定のソースインピーダンスを有するが、負荷抵抗が広範囲にわたって変動することが可能であるシステムを表す。この負荷抵抗は、図6のDC-DC変換器450の可変抵抗器として表される。代替的に、負荷抵抗は、図9A〜図10Dに示すDC-DC変換器350に対するDC入力信号340のDCインピーダンスによって表され得る。
【0089】
図11では、50オームのソースインピーダンスが、1:1のソース負荷結合をもつ信号によって駆動される。ライン620は、負荷抵抗を通る電流を示す。負荷インピーダンスが増加するにつれて、オームの法則により電流が減少することに注意されたい。ライン610は、負荷抵抗の両端間の電圧を示す。負荷インピーダンスが増加するにつれて、電圧も抵抗分割式ごとに増加することに注意されたい。
【0090】
負荷抵抗の電流および電圧についてのこれら2つのデータセットは、ライン640によって示されるように、負荷抵抗の両端間の電力を与える。電力は、ある負荷インピーダンスにおいてピークに達することに留意されたい。この場合(1:1の負荷結合)、この最大電力点は、負荷インピーダンスがソースインピーダンスに等しいか、またはそれに近いときに生じる。結合が異なる場合、ピーク電力点もシフトされ得る。
【0091】
ライン650は、出力インピーダンスと反比例関係にある(100のうちの)PWM設定を表す。これは、たいていのバックコンバータによって示される関数である。わかるように、負荷抵抗によって受信された電力を最大化する1の理想的なPWM設定がある。本明細書で説明する例示的な実施形態に関して使用されるワイヤレス電力インピーダンス制御方式は、この理想的なPWM設定を発見し、維持しようと試みる。
【0092】
もちろん、上述のように、最適電力伝達が常に必要であるとは限らない。図6および図9A〜図10Dにおいて上記で説明した本発明の実施形態を使用して、DC入力信号340のDCインピーダンス、したがって、受信アンテナのACインピーダンスは、DC出力信号370上で送出される電力量を制限するために、最適電力伝達から効果的に離調され得る。電力のこの制限は、受信機デバイスがDC-DC変換器350から送出可能な最大電力を許容することができない場合に有用であり得る。この電力低減ニーズのいくつかの非限定的な例は、受信機デバイス中のバッテリーがフル充電に近づいているとき、またはDC-DC変換器350がバッテリーのための定格容量よりも多い電力を送出することができるときであり得る。
【0093】
情報および信号は多種多様な技術および技法のいずれかを使用して表され得ることを、当業者は理解されよう。たとえば、上記の説明全体にわたって言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界または磁性粒子、光場または光学粒子、あるいはそれらの任意の組合せによって表され得る。
【0094】
さらに、本明細書で開示した例示的な実施形態に関連して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実装され得ることを、当業者は諒解されよう。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップを、上記では概してそれらの機能に関して説明した。そのような機能をハードウェアとして実装するか、ソフトウェアとして実装するかは、特定の適用例および全体的なシステムに課せられた設計制約に依存する。当業者は、説明した機能を特定の適用例ごとに様々な方法で実装し得るが、そのような実装の決定は、本発明の例示的な実施形態の範囲からの逸脱を生じるものと解釈すべきではない。
【0095】
本明細書で開示した例示的な実施形態に関して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、あるいは本明細書で説明した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装または実行され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実装され得る。
【0096】
本明細書で開示した例示的な実施形態に関して説明した方法またはアルゴリズムのステップは、直接ハードウェアで実施されるか、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで実施されるか、またはその2つの組合せで実施され得る。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読取り専用メモリ(ROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、または当技術分野で知られている任意の他の形態の記憶媒体中に常駐し得る。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。代替として、記憶媒体はプロセッサに一体化することができる。プロセッサおよび記憶媒体はASIC中に常駐し得る。ASICはユーザ端末中に常駐し得る。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末中に個別構成要素として常駐し得る。
【0097】
1つまたは複数の例示的な実施形態では、説明した機能はハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。ソフトウェアで実装する場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶されるか、あるいはコンピュータ可読媒体を介して送信され得る。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を可能にする任意の媒体を含む、コンピュータ記憶媒体とコンピュータ通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく、例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMまたは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、あるいは命令またはデータ構造の形態の所望のプログラムコードを搬送または記憶するために使用され得、コンピュータによってアクセスされ得る、任意の他の媒体を含むことができる。また、いかなる接続もコンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用されるディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)およびブルーレイディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザで光学的に再生する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含めるべきである。
【0098】
開示した例示的な実施形態の前述の説明は、当業者が本発明を製作または使用できるようにするために提供したものである。これらの例示的な実施形態の様々な修正は当業者には容易に明らかとなり、本明細書で定義した一般原理は、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく他の実施形態に適用され得る。したがって、本発明は、本明細書に示す実施形態に限定されるものではなく、本明細書で開示する原理および新規の特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【符号の説明】
【0099】
100 ワイヤレス送信または充電システム
102 入力電力
104 送信機
106 放射界
108 受信機
110 出力電力
112 距離
114 送信アンテナ
114 アンテナ
118 受信アンテナ
118 アンテナ
119 通信チャネル
122 発振器
123 調整信号
124 電力増幅器
125 制御信号
126 フィルタおよび整合回路
132 整合回路
134 整流器およびスイッチング回路
136 バッテリー
150 ループアンテナ
152 キャパシタ
154 キャパシタ
156 共振信号
200 送信機
202 送信回路
202 送信機回路
204 送信アンテナ
206 インピーダンス整合回路
208 低域フィルタ(LPF)
210 電力増幅器
210 増幅器
212 発振器
214 コントローラ
216 負荷感知回路
270 メモリ
280 存在検出器
290 密閉検出器
300 受信機
302 受信回路
304 受信アンテナ
304 アンテナ
306 電力変換回路
308 RF-DC変換器
310 DC-DC変換器
312 スイッチング回路
314 ビーコン検出器
316 プロセッサ
320 インピーダンス整合回路
330 単純整流器
330 整流器
340 DC入力信号
342 電圧センサ
344 電流センサ
345 電圧基準
346 マルチプレクサ
348 コンパレータ
350 デバイス
350 DC-DC変換器
350 スイッチモードDC-DC変換器
360 プロセッサ
361 出力
362 PWM信号
370 DC出力信号
372 電圧センサ
374 電流センサ
405 充電システム
410 ドライバ
410 送信電力増幅器
420 整合ネットワーク
430 結合コイルトランスフォーマモデル
430 トランスフォーマモデル
432 1次コイル
432 送信アンテナ
432 TXアンテナ
434 2次コイル
434 受信アンテナ
434 受信コイル
440 インピーダンス整合および整流器回路
440 整流器
450 DC負荷
450 DC-DC変換器
450 入力直列同調DC-DC変換器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス電力受信機であって、
結合モード領域中で近距離場放射と結合するために、受信アンテナに動作可能に結合するための整流器であって、RF信号をDC入力信号に変換するための整流器と、
前記DC入力信号とパルス幅変調信号とに応答してDC出力信号を生成するために、前記DC入力信号と前記パルス幅変調信号とに動作可能に結合された直流(DC)-DC変換器と、
前記DC入力信号の電圧に応答して前記DC-DC変換器への前記パルス幅変調信号のデューティサイクルを変更することによって前記ワイヤレス電力受信機のACインピーダンスを調整するために、前記パルス幅変調信号に動作可能に結合されたパルス変調器と
を含む、ワイヤレス電力受信機。
【請求項2】
前記DC-DC変換器が、前記DC入力信号の前記電圧に応答して前記DC出力信号の電力出力をさらに調整する、請求項1に記載のワイヤレス電力受信機。
【請求項3】
前記パルス変調器が、前記DC入力信号の電流に応答して前記DC-DC変換器への前記パルス幅変調信号をさらに変更する、請求項1に記載のワイヤレス電力受信機。
【請求項4】
前記パルス変調器が、前記DC出力信号の電圧と前記DC出力信号の電流とのうちの少なくとも1つに応答して前記DC-DC変換器への前記パルス幅変調信号をさらに変更する、請求項1に記載のワイヤレス電力受信機。
【請求項5】
前記パルス変調器が、前記DC入力信号を電圧基準信号と比較して前記比較に応答して前記パルス幅変調信号を生成するために、前記DC入力信号と前記電圧基準信号とに動作可能に結合されたコンパレータをさらに含む、請求項1に記載のワイヤレス電力受信機。
【請求項6】
前記パルス変調器が、前記DC入力信号に動作可能に結合されたプロセッサをさらに含み、前記プロセッサがさらに、
前記DC入力信号の前記電圧をサンプリングし、
前記DC入力信号の前記サンプリングされた電圧に応答して前記ワイヤレス電力受信機の前記ACインピーダンスを調整することによって前記DC出力信号上の電力出力を実質的に最大化するために、前記パルス幅変調信号の前記デューティサイクルを調整する
請求項1に記載のワイヤレス電力受信機。
【請求項7】
前記プロセッサがさらに、
前記DC入力信号の電流と、前記DC出力信号の電圧と、前記DC出力信号の電流とのうちの少なくとも1つをサンプリングし、
前記DC入力信号の前記サンプリングされた電流、前記DC出力信号の前記サンプリングされた電圧、前記DC出力信号の前記サンプリングされた電流、またはそれらの組合せ応答して前記ワイヤレス電力受信機の前記ACインピーダンスを調整することによって前記DC出力信号上の前記電力出力を実質的に最大化するために、前記パルス幅変調信号の前記デューティサイクルをさらに調整する
請求項6に記載のワイヤレス電力受信機。
【請求項8】
前記DC入力信号に動作可能に結合され、前記DC入力信号の電流に応答して入力電流感知信号を生成するための入力電流センサをさらに含み、
前記プロセッサが、前記入力電流感知信号に動作可能に結合され、さらに
前記入力電流感知信号をサンプリングし、
前記サンプリングされた入力電流感知信号に応答して前記ワイヤレス電力受信機の前記ACインピーダンスを調整することによって前記DC出力信号上の前記電力出力を実質的に最大化するために、前記パルス幅変調信号の前記デューティサイクルをさらに調整する
請求項6に記載のワイヤレス電力受信機。
【請求項9】
前記DC出力信号の電流に応答して出力電流感知信号を生成するために、前記DC出力信号に動作可能に結合された出力電流センサをさらに含み、
前記プロセッサが、前記出力電流感知信号に動作可能に結合され、さらに
前記出力電流感知信号をサンプリングし、
前記DC出力信号の前記電圧をサンプリングし、
前記DC出力信号前記サンプリングされた電圧と前記サンプリングされた出力電流感知信号とに応答して前記ワイヤレス電力受信機の前記ACインピーダンスを調整することによって前記DC出力信号上の前記電力出力を実質的に最大化するために、前記パルス幅変調信号をさらに調整する
請求項6に記載のワイヤレス電力受信機。
【請求項10】
前記パルス変調器が、前記DC入力信号に動作可能に結合されたプロセッサをさらに含み、前記プロセッサが、
前記DC入力信号の前記電圧をサンプリングし、
前記DC入力信号の前記サンプリングされた電圧に応答して前記ワイヤレス電力受信機の前記ACインピーダンスを調整することによって前記DC出力信号に動作可能に結合された受信機デバイスにとって最適ではないが許容できる電力レベルに前記DC出力信号上の電力出力を低減するために、前記パルス幅変調信号の前記デューティサイクルを調整する
請求項1に記載のワイヤレス電力受信機。
【請求項11】
前記DC-DC変換器が、前記DC入力信号に動作可能に結合されたバックコンバータまたはブーストコンバータと、前記DC出力信号と前記パルス幅変調信号とをさらに含み、前記DC-DC変換器が、
前記DC入力信号上の入力インピーダンスを調整し、
前記パルス幅変調信号の前記デューティサイクルに応答して前記DC入力信号に対する前記DC出力信号の電圧を調整する、
請求項1に記載のワイヤレス電力受信機。
【請求項12】
ワイヤレス電力受信機のためのRF信号を生成するために、結合モード領域中で近距離場放射を結合するステップと、
前記RF信号をDC入力信号に整流するステップと、
DC-DC変換器を使用して前記DC入力信号をDC出力信号に変換するステップと、
前記DC入力信号の電圧に応答して前記DC-DC変換器からの前記DC出力信号の電力出力を調整することによって前記ワイヤレス電力受信機のACインピーダンスを変更するステップと
を含む方法。
【請求項13】
前記ワイヤレス電力受信機の前記ACインピーダンスを変更する前記ステップが、前記DC入力信号の前記電圧と前記DC入力信号の電流とに応答して前記DC-DC変換器からの前記DC出力信号の前記電力出力を調整するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ワイヤレス電力受信機の前記ACインピーダンスを変更する前記ステップが、前記DC入力信号の前記電圧と、前記DC出力信号の電圧と、前記DC出力信号の電流とに応答して前記DC-DC変換器からの前記DC出力信号の前記電力出力を調整するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記ワイヤレス電力受信機の前記ACインピーダンスを変更する前記ステップが、前記DC入力信号の前記電圧と、前記DC入力信号の電流と、前記DC出力信号の電圧と、前記DC出力信号の電流とに応答して前記DC-DC変換器からの前記DC出力信号の前記電力出力を調整するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記ワイヤレス電力受信機の前記ACインピーダンスを変更する前記ステップの量を判断するために、前記DC入力信号を電圧基準信号と比較するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記DC-DC変換器を使用して前記DC入力信号を前記DC出力信号に変換する前記ステップが、バックコンバータまたはブーストコンバータを使用して実行され、
前記DC入力信号の前記電圧をサンプリングするステップと、
前記DC入力信号の前記サンプリングされた電圧に応答して最大電力出力を判断するステップと、
前記DC出力信号の前記電力出力を実質的に最大化するために、前記DC-DC変換器へのパルス幅変調信号を調整するステップと
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記DC-DC変換器を使用して前記DC入力信号を前記DC出力信号に変換する前記ステップが、バックコンバータまたはブーストコンバータを使用して実行され、
前記DC入力信号の前記電圧をサンプリングするステップと、
前記DC入力信号の前記サンプリングされた電圧に応答して最大電力出力を判断するステップと、
前記DC出力信号に動作可能に結合された受信機デバイスにとって最適ではないが許容できる電力レベルに前記DC出力信号上の電力出力を低減するために、前記DC-DC変換器へのパルス幅変調信号を調整するステップと
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記DC入力信号の電流と、前記DC出力信号の電圧と、前記DC出力信号の電流とのうちの少なくとも1つをサンプリングするステップをさらに含み、
前記最大電力を判断する前記ステップが、前記DC入力信号の前記サンプリングされた電圧と、前記DC入力信号の前記サンプリングされた電流と、前記DC出力信号の前記サンプリングされた電圧と、前記DC出力信号の前記サンプリングされた電流とのうちの1つまたは複数に応答する、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
ワイヤレス電力受信機であって、
RF信号を生成するために、結合モード領域中で近距離場放射を結合するための手段と、
前記RF信号をDC入力信号に整流するための手段と、
DC-DC変換器を使用して前記DC入力信号をDC出力信号に変換するための手段と、
前記DC入力信号の電圧に応答して前記DC-DC変換器からの前記DC出力信号の電力出力を調整するための手段を含む、前記ワイヤレス電力受信機のACインピーダンスを変更するための手段と
を含むワイヤレス電力受信機。
【請求項21】
前記ワイヤレス電力受信機の前記ACインピーダンスを変更するための前記手段が、前記DC入力信号の前記電圧と前記DC入力信号の電流とに応答して前記DC-DC変換器からの前記DC出力信号の前記電力出力を調整するための手段をさらに含む、請求項20に記載のワイヤレス電力受信機。
【請求項22】
前記ワイヤレス電力受信機の前記ACインピーダンスを変更するための前記手段が、前記DC入力信号の前記電圧と、前記DC出力信号の電圧と、前記DC出力信号の電流とに応答して前記DC-DC変換器からの前記DC出力信号の前記電力出力を調整するための手段をさらに含む、請求項20に記載のワイヤレス電力受信機。
【請求項23】
前記ワイヤレス電力受信機の前記ACインピーダンスを変更するための前記手段が、前記DC入力信号の前記電圧と、前記DC入力信号の電流と、前記DC出力信号の電圧と、前記DC出力信号の電流とに応答して前記DC-DC変換器からの前記DC出力信号の前記電力出力を調整するための手段をさらに含む、請求項20に記載のワイヤレス電力受信機。
【請求項24】
前記ワイヤレス電力受信機の前記ACインピーダンスを変更するための前記手段の量を判断するために、前記DC入力信号を電圧基準信号と比較するための手段をさらに含む、請求項20に記載のワイヤレス電力受信機。
【請求項25】
前記DC-DC変換器を使用して前記DC入力信号を前記DC出力信号に変換するための前記手段が、バックコンバータ手段またはブーストコンバータ手段を使用して実行され、
前記DC入力信号の前記電圧をサンプリングするための手段と、
前記DC入力信号の前記サンプリングされた電圧に応答して最大電力出力を判断するための手段と、
前記DC出力信号の前記電力出力を実質的に最大化するために、前記DC入力信号を前記DC出力信号に変換するための前記手段へのパルス幅変調信号を調整するための手段と
をさらに含む、請求項20に記載のワイヤレス電力受信機。
【請求項26】
前記ACインピーダンスを変更するための前記手段と、サンプリングするための前記手段と、前記最大電力出力を判断するための前記手段と、前記パルス幅変調信号を調整するための前記手段とが、すべてプロセッサ手段内に含まれる、請求項25に記載のワイヤレス電力受信機。
【請求項27】
前記DC-DC変換器を使用して前記DC入力信号を前記DC出力信号に変換するための前記手段が、バックコンバータ手段またはブーストコンバータ手段を使用して実行され、
前記DC入力信号の前記電圧をサンプリングするための手段と、
前記DC出力信号に動作可能に結合された受信機デバイスにとって最適ではないが許容できる電力レベルに前記DC出力信号上の前記電力出力を低減するために、前記DC入力信号を前記DC出力信号に変換するための前記手段へのパルス幅変調信号を調整するための手段と
をさらに含む、請求項20に記載のワイヤレス電力受信機。
【請求項28】
前記DC入力信号の電流と、前記DC出力信号の電圧と、前記DC出力信号の電流とのうちの少なくとも1つをサンプリングするための手段をさらに含み、
前記最大電力を判断するための前記手段が、前記DC入力信号の前記サンプリングされた電圧と、前記DC入力信号の前記サンプリングされた電流と、前記DC出力信号の前記サンプリングされた電圧と、前記DC出力信号の前記サンプリングされた電流とのうちの少なくとも1つに応答する、請求項20に記載のワイヤレス電力受信機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−521737(P2012−521737A)
【公表日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−501032(P2012−501032)
【出願日】平成22年3月22日(2010.3.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/028189
【国際公開番号】WO2010/108191
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(507364838)クアルコム,インコーポレイテッド (446)
【Fターム(参考)】