説明

ワイヤロープ製造装置

【目的】充填材入りワイヤロープを,比較的高速に製造する。
【構成】筒形撚線機10およびかご形撚線機20が,縦列(タンデム)に配置されている。筒形撚線機10の回転軸14とかご形撚線機20の回転軸21が連結されている。筒形撚線機10の繰出しボビン12に6本の側ストランド3が,かご形撚線機20の繰出しボビン27に6本の充填材4がそれぞれ巻き回されている。外部から供給される心ロープ2の周囲に,6本の側ストランド3と,6本の充填材4とが交互に撚られて充填材入りワイヤロープ1が製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,ワイヤロープ製造装置,特に,心ロープの周囲に撚られた複数本の側ストランドの間のそれぞれに,樹脂製の線状体(樹脂製充填材,樹脂製セパレータ)が配列されたワイヤロープの製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤロープ,特にエレベータやクレーンなどに用いられるワイヤロープ(道索と呼ばれることもある)として,一般に心ロープの周囲に複数本の側ストランドを撚り合わせたものが用いられている。
【0003】
心ロープの周囲に複数本の側ストランドを撚合わせたワイヤロープでは,隣合う側ストランド同士が接触する。使用中に側ストランド同士が擦れ合って側ストランドが摩耗してしまうのを防止するために,側ストランド間に可撓性材料を適切に成型した充填材(樹脂製の線状体)を配置したワイヤロープが提案されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開昭57−121684号公報
【0004】
特許文献1では,ワイヤロープの製造にかご形(P形)撚線機が用いられている。かご形撚線機では,ストランド等(線状体)が巻き回されているボビン自体が,かご形撚線機の回転軸を中心にして大きな弧を描くようにして回転(公転)する。
【0005】
かご形撚線機は,上述のようにボビン自体が大きな弧を描くように公転するので,一般に20回転/分程度と回転数が遅く,生産性は高いものではない。
【0006】
近年では,ワイヤロープの生産性を高めるために,かご形撚線機に代えて筒形撚線機が用いられることが多い。筒形撚線機ではストランド等が巻き回されたボビン自体は回転(公転)せず,ストランド等が通された回転胴が回転する。筒形撚線機の回転速度は速く(たとえば,100回転/分),かご形撚線機と比べると生産性が高い。
【0007】
筒形撚線機の特徴として,ストランド等に撚りを加えるが,ストランド等自体にねじりを加えるものではないことがあげられる。一般的なワイヤロープであれば,ストランド等自体にねじりが入っている必要はなく,したがって筒形撚線機によってワイヤロープを作成するのが好ましい。しかしながら,側ストランド間に充填材(樹脂製の線状体)(セパレータ)を配置したものを作成する場合であって,充填材の同一面が常に側ストランドと接触し,かつ充填材の同一面が常に心ロープと接触するようにするには,充填材にねじりを加えなければならない。筒形撚線機のみでは,充填材がねじられないので,同一面を常に側ストランドと接触させ,かつ充填材の同一面を常に心ロープと接触させることはできない。
【発明の開示】
【0008】
この発明は,たとえば上述の充填材入りワイヤロープを,比較的高速に製造することができる製造装置を提供することを目的とする。
【0009】
この発明によるロープ製造装置は,素材の異なる複数種類の線状体を撚り合わせることによってロープを製造するものであって,縦列配列された筒形撚線機およびかご形撚線機を備え,上記筒形撚線機における回転軸と上記かご形撚線機における回転軸が連結されており,上記筒形撚線機の繰出しボビンに,複数種類の線状体のうち重量の大きい線状体が巻き回されており,上記かご形撚線機の繰出しボビンに,複数種類の線状体のうち重量の小さい線状体が巻回されているものである。
【0010】
筒形撚線機はねじりを伴うことなく線状体(ストランド,充填材等)を撚ることができる。かご形撚線機はねじりを伴って線状体を撚ることができる。この発明によると,筒形撚線機およびかご形撚線機の回転軸が連結されているので,これらの2つの撚線機は同期して回転する。ねじりの無い線状体とねじりを伴う線状体とを,撚りピッチを同じにして撚り合わせたロープを製造することができ,筒形撚線機から繰り出される線状体とかご形撚線機から繰り出される線状体との相対位置を常に(製造されるロープの全長にわたって)同じにする(ハラハラ撚りとする)ことができる。
【0011】
もっとも,かご形撚線機の中には,より戻し装置を備え,より戻し装置によってかご形撚線機の繰出しボビンを,その公転方向と反対方向に自転させることで,かご形撚線機によって撚られる線状体のねじりを無くすものもある。この発明によるロープ製造装置を構成するかご形撚線機はこのより戻し装置を具備しない。したがって,ねじりを伴う線状体が,製造されるロープに含まれることを前提とする。
【0012】
一般に,筒形撚線機とかご形撚線機では筒形撚線機の方が回転速度が速く,かご形撚線機の方が回転速度が遅い。筒形撚線機とかご形撚線機を同期回転させる場合,かご形撚線機の回転速度に筒形撚線機の回転速度を合わせる必要がある。この発明によると,上記筒形撚線機の繰出しボビンに,複数種類の線状体のうち重量の大きい線状体が巻き回されており,上記かご形撚線機の繰出しボビンに,複数種類の線状体のうち重量の小さい線状体が巻回されている。かご形撚線機の回転速度(ボビンの公転速度)を向上させることができるので,かご形撚線機のみを用いて重量の大きい線状体および重量の軽い線状体の両方を撚り合わせてロープを製造する場合に比べて,ロープの製造スピードが向上する。
【0013】
この発明によるワイヤロープ製造装置は,心ロープの周囲に,複数本のスチールワイヤを撚合わせたN本の側ストランドと,N本の樹脂製充填材(側ストランド間に位置する樹脂製の線状体)とが交互に撚られたワイヤロープの製造するものであり,縦列配列され,かつ同期動作する筒形撚線機およびかご形撚線機を備え,上記筒形撚線機の複数の繰出しボビンに,上記N本の側ストランドが,上記かご形撚線機の複数の繰出しボビンに上記N本の樹脂製充填材がそれぞれ巻き回されているものである。外部から供給される心ロープを中心に配置させ,上記筒形撚線機から繰り出されるN本の側ストランドと,上記かご形撚線機から繰り出される充填材を交互に位置させて撚り合わせることによって,充填材入りワイヤロープであって,充填材の同一面が常に側ストランドと接触し,かつ充填材の同一面が常に心ロープと接触するワイヤロープを,比較的高速に製造することができる。
【実施例】
【0014】
図1(A)はワイヤロープ1の外観を,図1(B)はワイヤロープ1の断面図を,図1(C)はワイヤロープ1に含まれる充填材4を拡大して示す斜視図(一部分のみ)を,それぞれ示している。図1(B)の断面図において,側ストランド3を構成する複数本のスチールワイヤ(ワイヤ素線)の図示は省略されている。
【0015】
ワイヤロープ1は,その中心に心ロープ2が配置されており,この心ロープ2の周囲に,複数本のスチールワイヤ(ワイヤ素線)を撚合わせることによってつくられる6本の側ストランド3を撚り合わせ,かつ6本の側ストランド3の間のそれぞれに,6本の充填材4を撚り合わせることによってつくられている。充填材4はたとえばゴムまたは合成樹脂等の可撓性を持つ材料で線状につくられている。充填材4を断面からみると,その両側面に比較的深い凹部4Aがそれぞれ形成され,底面に比較的浅い凹部4Bが形成されている。充填材4の上面(凸部)がワイヤロープ1の外部に露出する。充填材4の両側面の凹部4Aに側ストランド3がそれぞれ位置し(入り込み),底面の凹部4Bに心ロープ2が位置する(入り込む)。充填材4によって,隣合う側ストランド3同士の接触が防止され,かつ心ロープ2と側ストランド3との間に生じる接触圧が緩和される。充填材4入りのワイヤロープ(半被覆ワイヤロープ)1は耐摩耗性および耐疲労性に優れ,たとえばエレベータ,クレーン等の道索に用いられる。
【0016】
図2は,ワイヤロープ1の製造装置を構成を示している。
【0017】
ワイヤロープ製造装置は,タイプの異なる2つの撚線機10,20が,縦列(タンデム)に設置されている。
【0018】
上流工程に位置する撚線機は,筒形(T形)(tubular type)撚線機10である。筒形撚線機10は回転胴11を含み,回転胴11の両端面に固定された回転軸14を中心にして回転胴11が回転する。駆動モータ40の出力軸と回転胴11の一端面に固定された回転軸14とがベルト41を介して連結されている。駆動モータ40による回転駆動が,駆動モータ40の出力軸,ベルト41および回転軸14に伝達されて,回転胴11が回転する。
【0019】
回転胴11の内部空間に,6つ(6つ以上であってもよい)の繰出しボビン12が直列(一列)に配置されている。この繰出しボビン12のそれぞれに,上述の側ストランド3が巻き回されている。繰出しボビン12のそれぞれはフライヤ13によって支持されており,フライヤ13の両端は回転自在に支持されている。このため回転胴11の回転はフライヤ13に伝達されず,したがって,回転胴11が回転しても繰出しボビン12は回転胴11とともに回転しない。繰出しボビン12は側ストランド3の繰出しのための回転のみを行う。
【0020】
繰出しボビン12から繰出された6本の側ストランド3は,回転胴11の外側空洞に導かれ,外側空洞を通って回転胴11の外部に導き出される。
【0021】
筒形撚線機10の外部(上流側)に,心ロープ2が巻き回された繰出しボビン31が設置されている。心ロープ2はたとえば繊維心であり,天然繊維(羊毛,絹などの蛋白繊維,木綿,麻などのセルロース繊維,アスベストなどの鉱物繊維)でも,合成繊維(ナイロン,ビニロン,ポリエステル,アクリルなど)でもよい。繰出しボビン31から繰出された心ロープ2も,筒形撚線機10の回転胴11の外側空洞に導かれて外側空洞を通って回転胴11の外部に導き出される。
【0022】
下流工程(筒形撚線機10の後段)に位置する撚線機は,かご形(P形)(planetary type)撚線機20である。かご形撚線機20はその全体にわたってのびる回転軸21を備えている。かご形撚線機20の回転軸21は上述した筒形撚線機10の回転軸14と連結されている。このため,筒形撚線機10の回転軸14(回転胴11)が回転すると,かご形撚線機20の回転軸21も同期して回転する。
【0023】
かご形撚線機20の回転軸21に,4つの孔あきディスク(鏡板)22〜25が,ほぼ等間隔で固定されている。孔あきディスク25のさらに下流側に,径の小さな孔あきディスク26が配置されている。径の小さな孔あきディスク26も回転軸21に固定されている。孔あきディスク22,23の間,孔あきディスク23,24の間,孔あきディスク24,25の間に,それぞれ2つずつ,合計6つの繰出しボビン27がフライヤ28によって支持されている。繰出しボビン27のそれぞれに,上述した充填材4がそれぞれ巻き回されている。
【0024】
フライヤ28の両端は孔あきディスク22〜25に固定されており,かご形撚線機20の回転軸21が回転すると,孔あきディスク22〜26が回転軸21を中心にして回転する。孔あきディスク22〜26の回転に伴って,フライヤ28およびフライヤ28に支持されている繰出しボビン27は,大きな弧を描いて回転(公転)する。
【0025】
6つの繰出しボビン27から繰出された6本の充填材4と,上述した筒形撚線機10からの1本の心ロープ2および6本の側ストランド3は,孔あきディスク22〜25にあけられたガイド孔(後述する)を通されて,かご形撚線機20の外部に導かれる。
【0026】
かご形撚線機20から送り出された1本の心ロープ2,6本の側ストランド3,および6本の充填材4は,集合器(ボイス)32において集められ,かつ撚合わされてワイヤロープ1となる(図1(A),(B)参照)。ワイヤロープ1はキャプスタン33を経て巻取りボビン34に巻き取られる。側ストランド3のばらけを防止するために,集合器32において撚り合わせる直前に,プレフォーマ(図示略)によって6本の側ストランド3のそれぞれ型付けを行ってもよい。
【0027】
かご形撚線機の中には,繰出しボビン27を公転方向と反対方向に自転させるためのより戻し装置を備えたものがある。かご形撚線機の場合,筒形撚線機とは異なり,繰出しボビン27から繰出された線状体(ストランド等)は撚られるとともにねじられるので,このねじりを解消するためである。より戻し装置によって繰出しボビン27を公転方向と反対方向に自転させると,繰出しボビン27から繰り出された線状体はねじりが解消(低減)される。しかしながら,この実施例のワイヤロープ製造装置に用いられるかご形撚線機はより戻り装置を備えていない。このため,詳細は後述するが,かご形撚線機20の繰出しボビン27から繰出される充填材4は,ねじりを伴って撚られることになる。
【0028】
図3は,かご形撚線機20の一部(出力側)から集合器32までを拡大して示している。図3において,分かりやすくするために,6本の側ストランド3のうちの2本,6本の樹脂製線4のうちの2本のみが示されている。図4は,図3のIV−IV線に沿う端面図(ディスク25の平面図)を示している。図5,図6および図7は,図3のV−V線,VI−VI線,VII−VII線に沿う断面図を,それぞれ示している。
【0029】
上述したように,かご形撚線機20の回転軸21に固定された孔あきディスク22〜25には,筒形撚線機10を通ってきた1本の心ロープ2および6本の側ストランド3と,かご形撚線機20の繰出しボビン27から繰出された6本の充填材4が通される,複数のガイド孔があけられている。図4を参照して,ディスク25の外周付近に9個のガイド孔25aがそれぞれ等間隔であけられ,ディスク25の中央付近にも9個のガイド孔25bがそれぞれ等間隔であけられている。9個の外周側ガイド孔25aのうちの6つに6本の側ストランド3がそれぞれ通される。9個の内周側ガイド孔25bのうちの7つに,1本の心ロープ2と6本の充填材4がそれぞれ通される。ディスク25の中央には軸孔25cがあけられており,この軸孔25cにかご形撚線機20の回転軸21が通されて固定される。回転軸21の回転にともなって回転軸21を中心にディスク25は回転する。かご形撚線機20の他のディスク22〜24も,ディスク25と同様に,回転軸21の回転に伴って回転軸21を中心に回転する。上述したように,かご形撚線機20の回転軸21と筒形撚線機10の回転軸14は連結されているので,筒形撚線機10の回転胴11とディスク22〜25は同期して回転する。
【0030】
図5,図6および図7を参照して,ここでは,6本の側ストランド3のそれぞれが符号3a〜3fによって,6本の充填材4のそれぞれが符号4a〜4fによって,区別されている。また,6本の側ストランド3a〜3fのそれぞれに黒丸が示されている。これは,側ストランド3a〜3fは公転はするが自転するものではないことを示すために,便宜的に示すものである。
【0031】
図5および図6を参照して,かご形撚線機20から送り出された6本の側ストランド3a〜3fおよび6本の充填材4a〜4fは,集合器32に近づくにつれて中心(中央)に位置する心ロープ2に近づいていく。図7を参照して,集合器32を通過すると,心ロープ2を中心にして,心ロープ2の周囲に6本の側ストランド3a〜3fおよび6本の充填材4a〜4fが交互に並んだ状態となる。
【0032】
筒形撚線機10は線状体に撚りのみを加え,線状体にねじりを加えない。したがって,側ストランド3a〜3fおよび心ロープ2は筒形撚線機10によってねじりが加えられることはない。また,筒形撚線機10から繰出された側ストランド3a〜3fおよび心ロープ2は,かご形撚線機20において筒形撚線機10の回転胴11と同期して回転するディスク22〜26のガイド孔を通されているので,かご形撚線機20においても側ストランド3a〜3fおよび心ロープ2にねじりが加えられることはない。このため,図5〜図7に示すように,側ストランド3a〜3fおよび心ロープ2はそれ自体がねじれを持たない(自転していない)(図5〜図7の黒丸参照)。筒形撚線機10の回転胴11の回転(およびかご形撚線機20のディスク22〜26の回転)によって,側ストランド3a〜3fは公転するにとどまる。
【0033】
これに対して,充填材4a〜4fは,かご形撚線機20の繰出しボビン27から繰出され,上述したように,かご形撚線機20はねじりを無くすためのより戻し装置(ボビン27自体を自転させる装置)を備えていない。このため,かご形撚線機20から繰出された充填材4a〜4fは,繰出しボビン27の公転によって公転するとともに,充填材4a〜4f自体がそれぞれ自転する(ねじりが入る)。
【0034】
充填材4a〜4fが繰り出されるかご形撚線機20の繰出しボビン27が1回公転(ディスク22〜26が回転)すると,充填材4a〜4fは1回自転する。このため,充填材4a〜4fの両側面の凹部4Aと,充填材4a〜4fの両側に位置する側ストランド3a〜3fとの相対位置は変化しない(図5,図6および図7参照)(ハラハラ撚り)。たとえば,充填材4aの両側面の凹部4Aは,その両側に位置する側ストランド3a,3bに常に相対する。
【0035】
また,充填材4a〜4fの自転によって,充填材4a〜4fの底面の凹部4Bは常に心ロープ2に相対する。
【0036】
このため,集合器32において撚合わされたワイヤロープ1は,その全長にわたって充填材4a〜4fの両側面の凹部4Aに側ストランド3a〜3fが位置し(凹部4A内に側ストランド3a〜3fが入込む),かつ凹部4Bに心ロープ2が位置する(凹部4Bに心ロープ2が入込む)ものになる(図7および図1(B)参照)。全長にわたって,充填材4a〜4fによって隣合う側ストランド3a〜3f同士の接触が確実に防止され,かつ心ロープ2と側ストランド3a〜3fとの間に生じる接触圧が緩和されるワイヤロープ1を作成することできる。
【0037】
かご形撚線機20は複数の繰出しボビン27自体を公転させるものであるから,ボビン自体が公転しない筒形撚線機10に比べると回転速度が遅い。ここでワイヤロープ製造装置は,比較的重量が大きい側ストランド3の撚り(繰出し)に筒形撚線機10を用い,比較的軽い充填材4の撚り(繰出し)にかご形撚線機20を用いている。かご形撚線機20の繰出しボビン27に巻き回されている線状体は比較的軽い充填材4のみであるので,かご形撚線機20の繰出しボビン27自体の公転にかかる負荷が少なく,かご形撚線機20の回転速度を比較的高速にすることができる。ワイヤロープ1の製造スピード向上の制約になるのはかご形撚線機20の回転速度であり,このかご形撚線機20の回転速度を向上させることができるので,側ストランド3および充填材4のいずれもをかご形撚線機20のみを用いて撚り合わせてワイヤロープ1を製造する装置に比べると,ワイヤロープ1の製造スピードを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】(A)はワイヤロープの外観を,(B)はワイヤロープの断面を,(C)は充填材の斜視図を,それぞれ示す。
【図2】ワイヤロープ製造装置の構成を示す。
【図3】ワイヤロープ製造装置の一部を拡大して示す。
【図4】孔あきディスクの平面図を示す。
【図5】図3のV−V線に沿う断面図を示す。
【図6】図3のVI−VI線に沿う断面図を示す。
【図7】図3のVII−VII線に沿う断面図を示す。
【符号の説明】
【0039】
1 ワイヤロープ
2 心ロープ
3 側ストランド
4 充填材
10 筒形撚線機
14,21 回転軸
20 かご形撚線機
12,27,31 繰出しボビン
34 巻取りボビン
32 集合器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
素材の異なる複数種類の線状体を撚り合わせることによってロープを製造するロープ製造装置であって,
縦列配列された筒形撚線機およびかご形撚線機を備え,
上記筒形撚線機における回転軸と上記かご形撚線機における回転軸が連結されており,
上記筒形撚線機の繰出しボビンに,複数種類の線状体のうち重量の大きい線状体が巻き回されており,
上記かご形撚線機の繰出しボビンに,複数種類の線状体のうち重量の小さい線状体が巻回されている,
ロープ製造装置。
【請求項2】
上記かご形撚線機はより戻し装置を具備しないものである,
請求項1に記載のロープ製造装置。
【請求項3】
心ロープの周囲に,複数本のスチールワイヤを撚合わせたN本の側ストランドと,N本の樹脂製充填材とが交互に撚られたワイヤロープの製造装置において,
縦列配列され,かつ同期動作する筒形撚線機およびかご形撚線機を備え,
上記筒形撚線機の複数の繰出しボビンに上記N本の側ストランドが,上記かご形撚線機の複数の繰出しボビンに上記N本の樹脂製充填材が,それぞれ巻き回されている,
ワイヤロープ製造装置。
【請求項4】
上記かご形撚線機はより戻し装置を具備しないものである,
請求項3に記載のワイヤロープ製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−100944(P2010−100944A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−270529(P2008−270529)
【出願日】平成20年10月21日(2008.10.21)
【出願人】(000003528)東京製綱株式会社 (139)
【Fターム(参考)】