説明

ワイヤーハーネス及びワイヤーハーネスの止水シート

【課題】ワイヤーハーネスにおける所期の止水性能を維持できるようにすることを目的とする。
【解決手段】ワイヤーハーネス1は、複数の電線1aを束ねて構成され、長手方向の一部に止水剤30が付着された止水部1cが設けられたワイヤーハーネス本体部1bを備えている。また、ワイヤーハーネス本体部1bのうち止水部1cを含む領域に巻回され、ワイヤーハーネス本体部1bに巻回された状態で内周側を向く面であって止水部1cと対応する領域に止水剤30を貯留可能な凹部24が形成された止水シート20とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両に配索されるワイヤーハーネスの止水技術に関する。
【背景技術】
【0002】
車室(室内側)とエンジンルーム(室外側)との間を仕切る車体パネルに形成された貫通孔に、グロメットを介してワイヤーハーネスを挿通させる際、ワイヤーハーネスの線間空隙を伝って車室側に水が入り込むのを抑制するために、ワイヤーハーネスに止水剤を塗布して前記線間空隙に止水剤を染み込ませる。そして、発泡スポンジにより形成された止水部材をワイヤーハーネスに巻回させてから、ワイヤーハーネスにグロメットを装着する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
なお、電線同士を接続した場合に、芯線の防水を図る技術としては、特許文献2及び3に開示のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−39046号公報
【特許文献2】実開平5−25662号公報
【特許文献3】特開平7−14621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1においては、グロメットの電線挿通管部の内周面等により止水部材が圧縮されると、止水部材の側端部から止水剤が漏れ出す虞がある。また、止水部材の側端部から止水剤が漏れない場合であっても、ワイヤーハーネスの線間空隙に染み込ませた止水剤がワイヤーハーネスの長手方向に広がるため、ワイヤーハーネスの止水性能が安定しない可能性がある。
【0006】
そこで、本発明は、ワイヤーハーネスにおける所期の止水性能を維持できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、第1の態様に係るワイヤーハーネスは、複数の電線を束ねて構成され、長手方向の一部に止水剤が付着された止水部が設けられたワイヤーハーネス本体部と、前記ワイヤーハーネス本体部のうち前記止水部を含む領域に巻回され、前記ワイヤーハーネス本体部に巻回された状態で内周側を向く面であって前記止水部と対応する領域に止水剤を貯留可能な凹部が形成された止水シートとを備えている。
【0008】
第2の態様は、第1の態様に係るワイヤーハーネスであって、前記ワイヤーハーネス本体部のうち前記止水シートが巻回された部分が、車体パネルに形成された貫通孔に取付可能なグロメットに挿通保持されている。
【0009】
第3の態様は、第1又は第2の態様に係るワイヤーハーネスであって、前記凹部は、前記止水シートの巻き方向における始端から終端に亙って形成されている。
【0010】
第4の態様は、第1〜第3の態様のいずれか1つに係るワイヤーハーネスであって、前記止水シートの巻き方向における途中部に、前記巻き方向に対する直交方向に延びる側壁が形成されている。
【0011】
第5の態様は、第1又は第2の態様に係るワイヤーハーネスであって、前記凹部は、前記ワイヤーハーネス本体部に巻回された状態で内周側から視て少なくとも1つの円形状に形成されている。
【0012】
第6の態様は、第2〜第5の態様のいずれか1つに係るワイヤーハーネスであって、前記止水シートの巻き方向における側端部にグロメット装着用のマーキングが付されている。
【0013】
第7の態様に係るワイヤーハーネスの止水シートは、略矩形状のシート本体部と、前記シート本体部の少なくとも一方の両端部に形成された厚肉部と、前記シート本体部の一方の面側において前記厚肉部を除く領域の少なくとも一部に形成され、且つ、止水剤を貯留可能な凹部とを備えている。
【発明の効果】
【0014】
第1の態様に係るワイヤーハーネスによると、ワイヤーハーネス本体部の止水部に塗布された止水剤のうち止水部から食み出した止水剤を凹部に貯留することができる。これにより、凹部を中心とする箇所に止水剤を留めておくことができるため、ワイヤーハーネスにおける所期の止水性能を維持することができる。
【0015】
第2の態様によると、車体パネルの貫通孔にグロメットを介してワイヤーハーネスを取付けた場合、エンジンルーム側から車室側に水が入り込むのを一層抑制できる。
【0016】
第3の態様によると、止水シートを巻き方向と直交方向に沿って任意の部位で切った場合、切り離した止水シートに常に凹部が形成されているため、巻き方向の寸法が長い止水シートを準備しておき必要な大きさに切って使うことができる。
【0017】
第4の態様によると、止水シートの巻き方向における途中部に側壁が形成されているため、この側壁により凹部から止水剤が流出するのを抑制することができる。
【0018】
第5の態様によると、止水シートに対して凹部の形成を容易に行うことができる。
【0019】
第6の態様によると、マーキングにグロメットの端部を合わせることで、止水シートが取付けられたワイヤーハーネスに対してグロメットを装着する際の位置決めを容易に行うことができる。
【0020】
第7の態様に係るワイヤーハーネスの止水シートによると、ワイヤーハーネスに対して止水シートを巻回した場合、ワイヤーハーネスに塗布された止水剤のうちワイヤーハーネスから食み出した止水剤を凹部に貯留することができる。これにより、凹部を中心とする箇所に止水剤を留めておくことができるため、ワイヤーハーネスにおける所期の止水性能を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施形態に係るワイヤーハーネスにグロメットを装着した状態を示す概略断面図である。
【図2】同上の止水シートを示す概略平面図である。
【図3】同上の止水シートを示す概略側面図である。
【図4】同上のワイヤーハーネスを示す概略平面図である。
【図5】同上のワイヤーハーネスを示す縦断面図である。
【図6】図4のVI-VI線断面図である。
【図7】変形例に係る止水シートを示す概略平面図である。
【図8】変形例に係る止水シートを示す概略断面図である。
【図9】変形例に係る止水シートを示す概略平面図である。
【図10】変形例に係る止水シートを示す概略平面図である。
【図11】変形例に係る止水シートを示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
{実施形態}
以下、実施形態に係るワイヤーハーネス1及び止水シート20について説明する。図1は、ワイヤーハーネス1にグロメット10を装着した状態を示す概略断面図である。
【0023】
最初に、ワイヤーハーネス1のワイヤーハーネス本体部1bが挿通保持されるグロメット10について説明する。グロメット10は、車室6(室内側)とエンジンルーム7(室外側)との間を仕切る車体パネル5に形成された貫通孔5aに取付けられ、後述するワイヤーハーネス本体部1bのうち止水シート20が巻回された部分を貫通孔5aに挿通保持させて、ワイヤーハーネス1を保護すると共に、エンジンルーム7から車室6へ水などの液体の浸入を抑制するものである。
【0024】
グロメット10は弾性を有する材料で形成され、例えば、全体がゴム等のエラストマーにより一体的に形成されている。グロメット10は、第1挿通部11と中間部12と第2挿通部13とを有し、第1挿通部11と中間部12と第2挿通部13とが、例えば射出成形金型によって一体的に金型成形されている。なお、グロメット10は、このような一体成形品に限定されるものではなく、複数の部材で構成されていてもよい。
【0025】
第1挿通部11は、ワイヤーハーネス本体部1bのうち止水シート20が巻回された部分が挿通される挿通孔11aを有する筒体である。より具体的には、第1挿通部11は、エンジンルーム7側の基端部から車室6側の先端部に向けて延びる略円筒状に形成されている。
【0026】
中間部12は、第1挿通部11と第2挿通部13との間に形成され、貫通孔5aに取付固定される部分である。中間部12における第1挿通部11側部分は、第1挿通部11の途中部から、第1挿通部11の基端部側に向けて、順次拡径しつつ外側に張り出すスカート状に形成され、ワイヤーハーネス本体部1bのうち止水シート20が巻回された部分が挿通される内部空間12aを有する。中間部12のうち貫通孔5aよりも大きく広がった部分の外周面には、車体パネル5の貫通孔5aの形状に対応する周溝12bが環状に形成されている。この周溝12bに貫通孔5aの内周縁が挿入されることにより、グロメット10が車体パネル5の貫通孔5aに対して取付固定される。
【0027】
中間部12における第2挿通部13側部分は、中間部12の外端側から第2挿通部13の基端側に向けて、段階的に突出する階段状に形成されている。
【0028】
第2挿通部13は、ワイヤーハーネス本体部1bのうち止水シート20が巻回された部分が挿通される挿通孔13aを有する筒体である。より具体的には、第2挿通部13は、車室6側の基端部からエンジンルーム7側の先端部に向けて延びる略円筒状に形成されている。
【0029】
次に、ワイヤーハーネス1及び止水シート20について説明する。図2は、止水シート20を示す概略平面図であり、図3は、止水シート20を示す概略側面図であり、図4は、ワイヤーハーネス1を示す概略平面図であり、図5は、ワイヤーハーネス1を示す縦断面図であり、図6は、図4のVI-VI線断面図である。なお、図6においてのみワイヤーハーネス1を構成する複数の電線1aを示す。
【0030】
ワイヤーハーネス1は、ワイヤーハーネス本体部1bと、止水シート20を備えている。ワイヤーハーネス本体部1bは、複数の電線1aを束ねた構成とされ、長手方向の一部に液状の止水剤30(本実施例においてはシリコン系止水剤)が付着された止水部1cが設けられている。止水部1cの幅は、例えば、約30mmの寸法に形成されている。これは、止水剤塗布機により塗布される止水剤30の幅が約30mmであるためである。なお、止水剤塗布機により塗布される止水剤30の幅に応じて止水部1cの幅を変更可能である。また、止水剤30としては、シリコン系止水剤以外の種々の止水剤を使用することも可能である。
【0031】
止水シート20は、ワイヤーハーネス本体部1bの止水部1cに止水剤30を塗布した後、ワイヤーハーネス本体部1bのうち止水部1cを含む領域に巻回された状態で、グロメット10を装着することにより、ワイヤーハーネス本体部1bの線間空隙を伝って車室6側に水が入り込むのを抑制するものである。
【0032】
止水シート20は、例えば発泡ゴムにより略矩形状に形成され、シート本体部21と厚肉部22,23と凹部24を備えている。シート本体部21は略矩形状に形成され、シート本体部21の少なくとも一方の両端部には厚肉部22,23が形成されている。より具体的には、シート本体部21の巻き方向(図2の矢印方向)における両側端部分に、厚肉部22,23が形成されている。
【0033】
シート本体部21の一方の面(ワイヤーハーネス本体部1bに巻回された状態で内周側を向く面)側において厚肉部22,23を除く領域の少なくとも一部には、止水剤30を貯留可能な凹部24が形成されている。より具体的には、凹部24は、シート本体部21の巻き方向に対する直交方向(図2における左右方向)における中央部分であって、巻き方向における始端から終端に亙って形成され、ワイヤーハーネス本体部1bに巻回された状態で、止水部1cと対向する領域(止水部1cと対応する領域)に位置する。凹部24は、止水部1cに塗布された止水剤30のうち止水部1cから食み出した止水剤30を貯留するものであり、止水シート20の巻き方向に延びる2つの側壁部26,27と、2つの側壁部26,27と連なる底面部25を備えている。
【0034】
ここで、凹部24の幅(2つの側壁部26,27の距離)は、例えば、30mm〜40mmの寸法に形成されている。これは、止水剤30が付着される止水部1cの幅が約30mmであるため、この幅と同じ又はこれよりも大きな寸法(止水剤30を貯留可能な寸法)に凹部24の幅は形成されている。また、凹部24の深さ(2つの側壁部26,27の高さ)は、止水部1cから食み出した止水剤30を貯留するのに十分な深さ、例えば、0.3mm〜1.0mmの寸法に形成されている。なお、止水剤塗布機により塗布される止水剤30の幅に応じて凹部24の幅を変更してもよいし、凹部24の深さも適宜変更可能である。さらに、凹部は、シート本体部の一方の面側において厚肉部を除く領域の少なくとも一部に形成されていればよく、凹部の種々の構造については後述することとする。
【0035】
シート本体部21の他方の面(ワイヤーハーネス本体部1bに巻回させた状態で、外周側を向く面)側の、例えば全面に接着部33が形成されている。例えば、接着部33は両面テープにより形成されており、両面テープの裏紙の一部をはがすことにより、接着部33において必要な部分のみ接着させることが可能である。
【0036】
シート本体部21の他方の面側の側端部には、グロメット装着用のマーキング29が付されている。より具体的には、シート本体部21の他方の面側の一側端部に、シート本体部21に対して成形時に筋を入れたり、直接印刷又は刻印等でマーキング29が付されている。ワイヤーハーネス本体部1bに止水シート20を巻回させた後、マーキング29で示された位置にグロメット10の先端部が位置するように、ワイヤーハーネス1にグロメット10が装着される。なお、マーキング29は、シート本体部21の他方の面側だけでなく、シート本体部21の一方の面側にも付されていてもよいし、また、一側端部だけでなく、両側端部に付されていてもよい。
【0037】
図4及び図6に示すように、止水シート20は、ワイヤーハーネス本体部1bに対して一巻きして、巻き方向における始端部に対して終端部を重ね合わせた状態で固定されている。より具体的には、止水シート20の巻き方向における始端部に対して終端部を重ね合わせた状態で、接着部33により止水シート20の始端部と終端部が固定されている。
【0038】
図5及び図6に示すように、ワイヤーハーネス本体部1bの止水部1cに対して止水剤30を塗布した後、止水部1cに対して凹部24が対向する位置となるように止水シート20を位置決めし、ワイヤーハーネス本体部1bのうち止水部1cを含む領域に止水シート20が巻回されている。止水部1cから食み出した止水剤30が凹部24に入り込み、凹部24に止水剤30が貯留される。また、側壁部26,27及び厚肉部22,23により、凹部24から止水シート20の巻き方向における両側端部側への止水剤30の流動が妨げられるため、止水剤30がワイヤーハーネス本体部1bの長手方向に広がらないようになっている。なお、止水シート20の外周面における凹部24と厚肉部22,23との境界領域に対応する位置に、ビニールテープを貼り付けて、凹部24と厚肉部22,23との境界領域をワイヤーハーネス本体部1bに押し付けることでより密着させることも可能である。
【0039】
以上のように構成されたワイヤーハーネス1によると、ワイヤーハーネス本体部1bのうち止水部1cを含む領域に止水シート20が巻回され、ワイヤーハーネス本体部1bに巻回された状態で内周側を向く面であって止水部1cと対応する領域に凹部24が形成されているため、ワイヤーハーネス本体部1bの止水部1cに塗布された止水剤30のうち止水部1cから食み出した止水剤30を凹部24に貯留することができる。これにより、止水剤30が流出しないため、凹部24を中心とする箇所に止水剤30を留めておくことができ、このように、止水剤30を安定した領域に留めておくことができるため、ワイヤーハーネス1における所期の止水性能を維持することができる。
【0040】
ワイヤーハーネス本体部1bのうち止水シート20が巻回された部分が、車体パネル5に形成された貫通孔5aに取付可能なグロメット10に挿通保持されているため、車体パネル5の貫通孔5aにグロメット10を介してワイヤーハーネス1を取付けた場合、車室6側に水が入り込むのを一層抑制できる。
【0041】
凹部24は、止水シート20の巻き方向における始端から終端に亙って形成されているため、止水シート20を巻き方向と直交方向に沿って任意の部位で切った場合、切り離した止水シートに常に凹部が形成されており、巻き方向の寸法が長い止水シートを準備しておき必要な大きさに切って使うことができる。
【0042】
止水シート20の巻き方向における側端部にグロメット装着用のマーキング29が付されているため、マーキング29にグロメット10の端部を合わせることで、止水シート20が取付けられたワイヤーハーネス1に対してグロメット10を装着する際の位置決めを容易に行うことができる。また、グロメット装着位置を決定するためのテープ止めが不要になるため、製造コストを低減させることができる。
【0043】
以下、上記実施形態に係る変形例として、凹部についての種々の構造を示すものである。ここで、厚肉部は、一方の両端部だけでなく他方の両端部にも形成されていてもよく、また、複数の凹部が形成されている場合は、隣り合う凹部との間に形成されていてもよい。図7は、変形例に係る止水シート20Aを示す概略平面図である。すなわち、止水シート20Aのシート本体部21Aの巻き方向における途中部に凹部24Aを構成する側壁31,32が形成されていてもよい。例えば、シート本体部21Aの巻き方向に対する直交方向における中央部分であって、シート本体部21Aの巻き方向における始端部寄りから終端部寄りに亙って凹部24Aが形成されていてもよい。この場合、シート本体部21Aの巻き方向における途中部に側壁31,32が形成されているため、この側壁31,32により凹部24Aから止水剤30が流出するのを抑制することができる。なお、側壁31,32を形成する代わりに、実施形態1の凹部24において、シート本体部21の巻き方向における途中部に、凹部24の幅方向に延びる側板が固定されていてもよい。
【0044】
図8は、別の変形例に係る止水シート20Bを示す概略断面図である。すなわち、止水シート20Bの凹部24Bは、シート本体部21Bの巻き方向に対して略直交する面において断面部分円弧状に形成されていてもよい。
【0045】
図9及び図10は、別の変形例に係る止水シート20C,20Dを示す概略平面図である。図9に示すように、止水シート20Cのシート本体部21Cにおいて、凹部24よりも巻き方向の長さが短い複数の平面視矩形状の凹溝24Cが形成されていてもよい。また、図10に示すように、止水シート20Dのシート本体部21Dにおいて、少なくとも1つ(図10においては複数)の平面視(ワイヤーハーネス本体部に巻回された状態で内周側から視て)円形状の凹部24Dが形成されていてもよい。この場合、止水シート20Dに対して凹部24Dの形成を容易に行うことができる。
【0046】
図11は、別の変形例に係る止水シート20Eを示す概略断面図を示す図である。すなわち、止水シート34の一方の面側における巻き方向の両端部分に、複数の止水シート35を接着部36により接着させて、止水シート34の一方の面と複数の止水シート35の側面とにより、凹部24Eが形成されていてもよい。
【0047】
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0048】
1 ワイヤーハーネス
1a 電線
1b ワイヤーハーネス本体部
1c 止水部
5 車体パネル
5a 貫通孔
10 グロメット
20,20A,20B,20C,20D,20E 止水シート
21,21A,21B,21C,21D シート本体部
22,23 厚肉部
24,24A,24B,24D,24E 凹部
24C 凹溝
29 マーキング
31,32 側壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電線を束ねて構成され、長手方向の一部に止水剤が付着された止水部が設けられたワイヤーハーネス本体部と、
前記ワイヤーハーネス本体部のうち前記止水部を含む領域に巻回され、前記ワイヤーハーネス本体部に巻回された状態で内周側を向く面であって前記止水部と対応する領域に止水剤を貯留可能な凹部が形成された止水シートと、
を備えるワイヤーハーネス。
【請求項2】
請求項1記載のワイヤーハーネスであって、
前記ワイヤーハーネス本体部のうち前記止水シートが巻回された部分が、車体パネルに形成された貫通孔に取付可能なグロメットに挿通保持されている、ワイヤーハーネス。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のワイヤーハーネスであって、
前記凹部は、前記止水シートの巻き方向における始端から終端に亙って形成されている、ワイヤーハーネス。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のワイヤーハーネスであって、
前記止水シートの巻き方向における途中部に、前記巻き方向に対する直交方向に延びる側壁が形成されている、ワイヤーハーネス。
【請求項5】
請求項1又は請求項2記載のワイヤーハーネスであって、
前記凹部は、前記ワイヤーハーネス本体部に巻回された状態で内周側から視て少なくとも1つの円形状に形成されている、ワイヤーハーネス。
【請求項6】
請求項2〜請求項5のいずれか1つに記載のワイヤーハーネスであって、
前記止水シートの巻き方向における側端部にグロメット装着用のマーキングが付されている、ワイヤーハーネス。
【請求項7】
略矩形状のシート本体部と、
前記シート本体部の少なくとも一方の両端部に形成された厚肉部と、
前記シート本体部の一方の面側において前記厚肉部を除く領域の少なくとも一部に形成され、且つ、止水剤を貯留可能な凹部と、
を備えるワイヤーハーネスの止水シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−115849(P2013−115849A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−257222(P2011−257222)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】