説明

ワークフロー制御装置、ワークフロー制御システム、ワークフロー制御方法、プログラムおよび記録媒体。

【課題】本発明によれば、ワークフローに関わる複数のマスタデータベースの内の一部を停止しても、停止したマスタデータベースと関係の無いワークフロー制御は停止せず、引き続き運用できるように、工程、業務毎にワークフローを停止出来ることを目的とする。
【解決手段】複数のデータベースと連携するワークフローを制御するワークフロー制御装置であって、ワークフローは複数の業務フローを備え、業務フローと複数のデータベースとのデータに関連があるか否かを記憶し、複数のデータベースの内、ユーザにより指定されたデータベースと関連がある業務フローを検索し、検索された業務フローの処理のアクセスを制限することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のデータベースと連携するワークフローシステムにおいて、データベースのメンテナンスの際にワークフローシステムをできるだけ停止しないシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なワークフローシステムの場合、システム単体だけで動くものは少なく、複数のワークフローシステム以外の外部データベースとデータの入出力処理を行いながら、外部データベースと連携して処理を行うものが多い。
【0003】
外部データベースと連携しているワークフローの場合、メンテナンスなどで外部データベースが停止する際には、通常は外部データベースと連携したワークフローシステムもデータベースの不整合などを防ぐためにシステム全体を停止しなければならない。
【0004】
特許文献1によると、特許文献1の追加型データベースでは、データベースを冗長化することによりメンテナンスによる停止時間を低減し、低コストのノンストップシステムを実現できるデータベースサーバが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−282719
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1のデータベースサーバでは2台のサーバを用意し冗長性を持たせているが、2台とものマスタデータベースに誤りがあり、どちらか一方だけの運用もしたくないなどの場合は、データベースの不整合などを防ぐため、マスタデータベースに関わるワークフローシステム全体を停止しなければならなくなる。
【0007】
ワークフローシステムは必ずしもすべての業務及び工程で該当のマスタデータベースを利用している訳ではないにもかかわらず、停止する必要のない業務や工程まで停止してしまうため、利便性が悪い。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ワークフローに関わる複数のマスタデータベースの内の一部を停止しても、停止したマスタデータベースと関係の無いワークフロー制御は停止せず、引き続き運用できるように、工程、業務毎にワークフローを停止出来る効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態のワークフローシステム(情報処理システム)の構成を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の実施形態の各種端末のハードウエア構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態のワークフローシステム(情報処理システム)のソフトウェア構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態の業務におけるワークフローの流れを示す模式図である。
【図5】本発明の実施形態のワークフロー制御装置に記憶されるデータベース関連テーブルの一例を示すデータ構成図である。
【図6】本発明の実施形態のワークフロー制御装置における第1の制御処理手段の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態のワークフロー制御装置におけるマスタデータベースメンテナンス画面の一例を示す模式図である。
【図8】本発明の実施形態のワークフロー制御装置における第2の制御処理手段の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態のワークフロー制御装置における第3の制御処理手段の一例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態のワークフロー制御装置における業務一覧画面(申請工程401)の一例を示す模式図である。
【図11】本発明の実施形態のワークフロー制御装置における第4の制御処理手段の一例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態のワークフロー制御装置における処理待ち一覧画面(承認工程)の一例を示す模式図である。
【図13】本発明に係るワークフローサーバで読み取り(読み出し)可能な各種データ処理プログラムを格納する記録媒体(記憶媒体)のメモリマップを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明に係るワークフローシステム(情報処理システム)の構成を示すシステム構成図である。
【0013】
図1において、ワークフローシステムは、少なくとも1つのワークフローサーバ101と複数のワークフロークライアント102がネットワークを介して接続されている。
【0014】
ユーザは、例えばウェブブラウザやクライアントソフトウェアなどを利用して、ワークフロークライアント102から、ワークフローサーバ101に対して、ワークフロー進行の要求などを行う。
【0015】
ワークフローサーバ101は、要求に応じた処理、管理をおこない、必要があればワークフロークライアント102に対して結果などを送信する。ワークフローサーバ101とワークフロークライアント102の間の通信は、通常のHTTPのリクエストでもよいし、SOAPなどを利用したウェブサービスのリクエストでもよい。
【0016】
ワークフローサーバ101からネットワークを介してデータベースサーバ103へ接続されており、マスタデータベースとして、例えば人事マスタデータベースや商品マスタデータベースなどのマスタデータベース104をそれぞれのデータベースサーバ103が保持している。またデータベースサーバ103は、案件の処理状況などのトランザクションデータを保持していても良い。
【0017】
図2は、本発明の実施形態の各種端末のハードウエア構成を示す図である。
【0018】
図2において、CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスを統括的に制御する。
【0019】
また、ROM203あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるオペレーティングシステム(OS)や、各サーバあるいは各クライアントの後述する各種機能を実現するためのプログラムが記憶されている。
【0020】
RAM202は、CPU201の主メモリ、ワークエリア、一時待避領域等として機能する。
【0021】
入力コントローラ205は、入力部209からの入力を制御する。この入力部209としては、特に、サーバやクライアント等の端末では、キーボード、マウス等のポインティングデバイスが挙げられる。また、印刷装置等では、タッチパネル、ボタン、スイッチ等が挙げられる。
【0022】
出力コントローラ206は、出力部210の表示を制御する。この出力部210としては、例えば、CRTや液晶等が挙げられる。
【0023】
外部メモリコントローラ207は、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザーファイル、編集ファイル、プリンタドライバ等を記憶する外部メモリ211へのアクセスを制御する。加えて、各サーバあるいは各クライアントの各種機能を実現するための各種テーブル、パラメータが記憶されている。この外部メモリ211としては、ハードディスク(HD)やフロッピー(登録商標)ディスク(FD)、PCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア等が挙げられる。
【0024】
通信I/Fコントローラ208は、ネットワーク214を介して外部機器との通信制御処理を実行する。
【0025】
本発明を実現するためのプログラム212は外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM202にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。
【0026】
図3は、本発明の実施形態のワークフローシステム(情報処理システム)のソフトウェア構成を示すブロック図である。
【0027】
ワークフローサーバ101は、電子帳票をワークフロークライアント102に転送して、ユーザが起票や承認した電子帳票を次の承認者に回すワークフロープログラム301を中心に、業務フロー関連検索部303やワークフロー業務アクセス制限部304、マスタデータベースアクセス制限期間設定部305、ワークフロー工程アクセス制限部306などからなり、また業務フロー関連検索部303で検索されるマスタデータベース関連テーブル309、および工程進捗情報302を保持している。工程進捗情報302は、各電子帳票の案件毎の進捗情報が入力されている。なお、マスタデータベース関連テーブル309や工程進捗情報302はワークフローサーバ101で保持していても良いし、データベースサーバ103が保持していても良い。
【0028】
マスタデータベース関連テーブル309の例を図5を参照して説明する。
【0029】
図5は、本発明の実施形態のワークフロー制御装置に記憶されるデータベース関連テーブルの一例を示すデータ構成図である。
【0030】
この明細書では、図5の500の“業務”欄に記載された“発注書”や“交通費清算”などの夫々がワークフローの電子帳票上の業務フローである。“工程”の欄に記載された“申請”や“承認1”、“承認2”、“経理承認”などは、発注書のワークフローの電子帳票上の各工程を示している。発注書の場合の申請ルートを図4を参照して説明する。
【0031】
図4は、本発明の実施形態の業務フローにおけるワークフローの流れを示す模式図である。
【0032】
図4の401において、電子帳票申請者が申請工程401において、電子帳票を起票する。起票された電子帳票を承認者(例えば、課長など)が承認1工程402において、電子帳票を承認、否決、もしくは差戻しなどの操作を実施する。承認1工程で承認されると、次の承認者(例えば、部長など)が承認2工程403において、電子帳票を承認、否決、もしくは差戻しなどの操作を実施する。承認2工程において承認されると、次に経理担当者が経理承認工程404として承認、もしくは差戻し操作などを実施し、電子帳票の処理を終了する。図5のデータ構成図の説明に戻る。
【0033】
図5の“商品マスタ”の欄には、商品マスタデータベースを参照するか参照しないかが登録されている。“参照”と登録されている501項目は発注書の申請の際には商品マスタデータベースを参照することを意味し、“無し”と登録されている502項目は、発注書の承認1の際には商品マスタデータベースを参照しないことを意味する。
【0034】
交通費精算書の場合は、商品マスタデータベースを参照しないため、503、504のように参照しないことを意味する“無し”が登録されている。図3のソフトウェアブロック図の説明に戻る。
【0035】
図3の業務フロー関連検索部303は、メンテナンスするマスタデータベースを参照している業務や工程をマスタデータベース関連テーブル309から検索する。また、ワークフロー業務アクセス制限部304は、メンテナンスするマスタデータベースを参照している業務フローへのアクセスを制限する。ワークフロー工程アクセス制限部306は、メンテナンスするマスタデータベースを参照している工程へのアクセスを制限する。マスタデータベースアクセス制限期間設定部305は、データベースへのアクセス制限期間を管理用クライアント105からの入力で設定する制限期間設定部である。
【0036】
データベースサーバ103は各種マスタテーブル104からなり、各種マスタテーブル(マスタデータベース)の例としては、商品マスタデータベースや人事マスタデータベースなどがある。
【0037】
以下、図6〜図12を参照して、本発明における実施形態の流れを説明する。
【0038】
図6は、本発明の実施形態のワークフロー制御装置における第1の制御処理手段の一例を示すフローチャートであり、図1に示したワークフローサーバ101のワークフロープログラム212によるデータベース制限期間の設定処理に対応する。なお、図中のS601〜S605は各ステップを示す。
【0039】
ワークフロープログラム301を実行するワークフローサーバ101のCPU(以下、ワークフローサーバ101のCPU201)が、管理用クライアント105から管理者ユーザログイン要求を受け付けると、図6のフローチャートを開始する。
【0040】
まず、ワークフローサーバ101のCPU201は、ステップS601において、図示しないログイン画面にて管理者ユーザからログイン要求を受け付ける。
【0041】
次に、ワークフローサーバ101のCPU201は、ステップS602において、管理者ユーザからマスタデータベースメンテナンスをするかどうかの選択を受け付ける。図示しないボタンやチェックボックスなどでマスタデータベースメンテナンス操作が選択されると、ステップS603へと移行し、その他の管理操作が選択されれば、ステップS605に移行する。ステップS605の詳細は本発明と関連性がないので、説明は省略する。
【0042】
ステップS602において、マスタデータベースのメンテナンスの操作が選択されるとステップS603へと移行する。ステップS603において、ワークフローサーバ101のCPU201は、マスタデータベースの制限期間を設定する。マスタデータベースをメンテナンスする際は、データの不整合などを防ぐため、一時的にマスタデータベースを停止させる必要がある。マスタデータベースの制限期間を設定する画面イメージを図7を参照して説明する。
【0043】
図7は、本発明の実施形態のワークフロー制御装置におけるマスタデータベースメンテナンス画面の一例を示す模式図である。
【0044】
図7の700は、マスタデータベースの制限期間設定画面であり、701の入力欄にメンテナンスするマスタデータベース名を入力する。702の入力欄には701で指定したマスタデータベース名の制限を開始する日時を入力し、703の入力欄にはメンテナンスするマスタデータベースを再開する日時を入力する。その後、704の確定ボタンを押下すると、702に記載の時間以降にマスタデータベースにアクセスする処理について、図9のステップS904や図11のステップS1107などのフローを実行する。詳細は後述する。
【0045】
図7の705は、一度設定したマスタデータベースの制限を解除するためのマスタデータベースの制限解除画面である。マスタデータベースの制限時間内に制限を解除したい場合(マスタデータベースの更新作業が予定より早く終わった場合など)に、705の画面の706の確定ボタンを押下すると、マスタデータベースにアクセスする処理について、図9のステップS905や図11のステップS1106などのフローを実行する。詳細は後述する。図6のフローチャートの説明に戻る。
【0046】
ステップS603に続いて、ステップS604において、ワークフローサーバ101のCPU201は、ステップS603で設定されたマスタデータベースを制限する期間を保存する。具体的には、マスタデータベースの制限期間をワークフローサーバ101の外部メモリ211に記憶する。
【0047】
なお、マスタデータベースの制限期間はマスタデータベースの種類毎に異なった値を設定することが可能で、マスタデータベースの種類毎に制限期間を記憶することが出来る。
【0048】
次に、一般ユーザがワークフローにおける電子帳票を起票する際のフローを図8を参照して説明する。
【0049】
図8は、本発明の実施形態のワークフロー制御装置における第2の制御処理手段の一例を示すフローチャートであり、図1に示したワークフローサーバ101のワークフロープログラム212によるワークフローの電子帳票選択処理に対応する。なお、図中のS801〜S805は各ステップを示す。
【0050】
ワークフローサーバ101のCPU201が、ワークフロークライアント102からユーザログイン要求を受け付けると、図8のフローチャートを開始する。
【0051】
まず、ワークフローサーバ101のCPU201は、ステップS801において、図示しないログイン画面にて一般ユーザからログイン要求を受け付ける。
【0052】
続いて、ワークフローサーバ101のCPU201は、ステップS802において、ステップS604で記憶したマスタデータベースの制限期間を外部メモリ211から読み込む。図7の700の例では、“商品マスタ”データベースを“2010/8/10 10:00:00”から“2010/8/10 15:00:00”まで制限するという情報を読み込む。
【0053】
続いて、ステップS803において、ワークフローサーバ101のCPU201は、ユーザから申請工程か承認工程かのメニューの選択を受け付ける。メニュー選択をユーザから受け付ける選択画面を図10を参照して説明する。
【0054】
図10は、本発明の実施形態のワークフロー制御装置における業務一覧画面(申請工程401)の一例を示す模式図である。
【0055】
図10の1006においてユーザは申請工程401(業務一覧項目1001)か承認工程(処理待ち一覧項目1002)かを選択する。図8のフローチャートの説明に戻る。
【0056】
図8のステップS803により、ユーザから業務一覧項目1001が選択されると、ワークフローサーバ101のCPU201は、ステップS806へ移行し、申請工程の帳票選択(図9のフローチャート)を表示してユーザに選択させる。詳細は図9に後述する。
【0057】
ステップS806において、ユーザから電子帳票が選択されると、ステップS807において、ワークフローサーバ101のCPU201は、図示しない電子帳票画面で電子帳票の起案操作をユーザから受け付け、この処理を終了する。
【0058】
一方、処理待ち一覧項目1002が選択されると、ワークフローサーバ101のCPU201は、ステップS804へ移行し、承認工程の帳票を複数表示して、ユーザに選択させる。詳細は図11を参照して後述する。
【0059】
ステップS804において、ユーザから電子帳票が選択されると、ステップS805において、ワークフローサーバ101のCPU201は、図示しない電子帳票画面で電子帳票の承認や否決、差戻し操作をユーザから受け付け、この処理を終了する。
【0060】
申請工程401の際のワークフロー制御装置による電子帳票選択の流れを図9を参照して説明する。
【0061】
図9は、本発明の実施形態のワークフロー制御装置における第3の制御処理手段の一例を示すフローチャートであり、図1に示したワークフローサーバ101のワークフロープログラム212によるワークフローの申請処理に対応する。なお、図中のS901〜S907は各ステップを示す。
【0062】
図9のフローチャートは、図8のメニュー選択において、業務一覧(申請工程、図10の1001)が選択され、ステップS806に移行すると開始される。
【0063】
図9のステップS901において、ワークフローサーバ101のCPU201は、ワークフローサーバ101に記憶されているデータベース関連テーブル309(図5)を読み込む。
【0064】
次に、ステップS902において、ワークフローサーバ101のCPU201は、業務一覧画面(図10)に表示する業務(1004や1005)を指定し、業務毎にステップS903からステップS906の間の処理を繰り返す。
【0065】
ステップS903において、ワークフローサーバ101のCPU201は、ステップS902で指定した業務の申請工程401が参照するマスタデータベースの中で、制限期間のマスタデータベースが無いかの判断をする。
【0066】
もし、ステップS902で指定した業務の申請工程401が制限期間中のマスタデータベースを参照している場合は、ステップS904へ進み、ワークフローサーバ101のCPU201は、申請の際の“起案”ボタンをDisable(無効化)して表示(図10の1005)するように記憶する。
【0067】
一方、制限期間中のマスタデータベースを参照していない場合は、ステップS905へ進み、ワークフローサーバ101のCPU201は、申請の際の“起案”ボタンをEnable(有効化)して表示(図10の1004)するように記憶する。
【0068】
ステップS902からステップS906を表示させる全ての業務で繰り返した後、ステップS907へ移行する。
【0069】
ステップS907では、ワークフローサーバ101のCPU201は、ステップS904やステップS905で記憶した表示方法に基づいて業務一覧画面(図10)を表示する。
図5と図7及び図10を参照して具体的な表示例を説明する。
【0070】
図10は、図7において商品マスタデータベースの制限期間が設定された状態で、商品マスタデータベースを制限している期間中に電子帳票を起票する場合の業務一覧画面イメージである。
【0071】
図10の1003に記載された起票帳票は、全てのマスタデータベースが制限されていなければ、全てEnable(有効化)で表示されている(1004)が、今の場合は、商品マスタデータベースへのアクセスが制限されているため、図5の“商品マスタ”の欄が“参照”になっている申請工程401の業務は、Disable(無効化)で表示されている(1005)。なお、Disableで表示されている場合は、マスタデータベースの停止期間を1007のように表示して、起票が出来るようになる時間をユーザに知らせている。
【0072】
一方、Enableで表示されているボタン1004の場合は、その[起票]ボタンを押下して、図示しない交通費精算書を起票し、起票の処理を終了する。
図10の場合は交通費精算書が起票でき、他の業務は起票できない。
【0073】
従来は、共通のワークフローシステムを利用している場合、商品マスタデータベースをメンテナンスする際に、商品マスタデータベースと関係の無い交通費精算書の業務フローまで含めてシステム全体を停止しなければならなかった。
【0074】
本発明では、マスタデータベースを参照している業務毎にワークフローを制限できるので、業務フローを出来るだけ停止させずにマスタデータベースのメンテナンスを実施できるという効果を有する。
【0075】
次に、承認工程の際のワークフロー制御装置による電子帳票選択の流れを図11を参照して説明する。
【0076】
図11は、本発明の実施形態のワークフロー制御装置における第4の制御処理手段の一例を示すフローチャートであり、図1に示したワークフローサーバ101のワークフロープログラム212によるワークフローの申請処理に対応する。なお、図中のS1101〜S1112は各ステップを示す。
【0077】
図11のフローチャートは、図8のメニュー選択において、処理待ち一覧(承認工程、図10の1002)が選択され、ステップS804に移行すると開始される。
【0078】
図11のステップS1101において、ワークフローサーバ101のCPU201は、ワークフローサーバ101に記憶されているデータベース関連テーブル309(図5)を読み込む。
【0079】
次に、ステップS1102において、ワークフローサーバ101のCPU201は、処理待ち一覧画面(図12)に表示する業務フロー(1208や1209)を指定し、業務フロー毎にステップS1110からステップS1112の間の処理を繰り返す。
【0080】
次に、ステップS1110において、ワークフローサーバ101のCPU201は、ステップS1102で指定した業務の進捗中の案件一覧を工程進捗情報302から取得する。
【0081】
次に、ステップS1111において、ワークフローサーバ101のCPU201は、処理待ち一覧画面(図12)に表示する案件(1204や1205,1207)を指定し、案件毎にステップS1103からステップS1108の間の処理を繰り返す。
【0082】
続いて、ステップS1103において、ワークフローサーバ101のCPU201は、ステップS1111で指定した案件の承認権限があるかを判断する。承認権限がない場合は、ステップS1107に移行し、該当する案件を非表示とするように記憶する。
【0083】
ステップS1103において、ステップS1111で指定した案件の承認権限があると判断された場合、ステップS1104において、ワークフローサーバ101のCPU201は、該当する案件の承認工程が参照するマスタデータベースの中で、制限期間のマスタデータベースが無いかの判断をする。
【0084】
もし、ステップS1111で指定した業務フローの承認工程が制限期間中のマスタデータベースを参照している場合は、ステップS1105へ進み、ワークフローサーバ101のCPU201は、申請の際の“開く”ボタンをDisable(無効化)して表示(図12の1203)するように記憶する。
【0085】
一方、制限期間中のマスタデータベースを参照していない場合は、ステップS1106へ進み、ワークフローサーバ101のCPU201は、申請の際の“開く”ボタンをEnable(有効化)して表示(図12の1201,1202)するように記憶する。
【0086】
ステップS1111からステップS1108を現在進捗中の全ての案件で繰り返した後、また、全ての業務フローについてステップS1102からステップS1112の処理を繰り返す。
【0087】
ステップS1109では、ワークフローサーバ101のCPU201は、ステップS1105やステップS1106で記憶した表示方法に基づいて処理待ち一覧画面(図12)を表示する。
図5と図7及び図12を参照して具体的な表示例を説明する。
【0088】
図12は、本発明の実施形態のワークフロー制御装置における処理待ち一覧画面(承認工程)の一例を示す模式図である。
【0089】
図12は、特に課長などの承認1工程の担当者の処理待ち一覧画面のイメージであり、図7において商品マスタデータベースの制限期間が設定された状態で、商品マスタデータベースをメンテナンスしている期間中に電子帳票を承認する場合である。
【0090】
図12の1206に記載された承認帳票は、全てのマスタデータベースが制限されていなければ、全てEnable(有効化)で表示されている(1201、1202)が、今の場合は、商品マスタデータベースが制限されているため、図5の“商品マスタ”の欄が“参照”になっている承認1工程の業務は、Disable(無効化)で表示されている(1203)。
【0091】
すなわち、図5の“商品マスタ”欄の承認1工程の行が“無し”となっている発注書と、交通費精算書の夫々は[開く]ボタンをEnableで表示し、それ以外の“商品マスタ”欄の承認1工程の行が“参照”となっている業務の案件はDisableで表示する。
【0092】
ユーザ(今の場合、課長など)がEnableで表示されているボタン1201や1202を押下して、交通費精算書の案件“Traffic_000001”1205や発注書の案件“Order_000001”を開き、各案件の承認、否決、差戻しなどを実施する(図示していない)。
【0093】
図12の場合は交通費精算書と発注書の承認ができ、他の案件は商品マスタデータベースがメンテナンス中のため、承認ができない。
【0094】
このように、本発明のワークフロー制御装置は、マスタデータベースをメンテナンスする際も出来るだけワークフローを停止させずに運用できるように、業務毎にアクセスを制限するだけでなく、案件の進捗状況によってもワークフローへのアクセスを制限させることができるという効果を有する。
【0095】
なお、本実施形態では、ワークフロークライアント102からイベントをワークフローサーバ101に送信することで、ワークフローサーバ側で処理を行う構成について説明したが、ワークフロークライアント102にクライアント用のワークフロープログラムをインストールし、ワークフロークライアント102で実行させるように構成してもよい。
【0096】
また、図5の各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0097】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0098】
なお、本実施形態中に示した各変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0099】
以上説明したように、本実施形態によれば、ワークフローシステムにおいて、閲覧権限が無いユーザに対して、起票者や承認者が閲覧権限を与えることにより、閲覧権限の無いユーザが電子伝票を確認可能になり、また、ユーザや電子伝票の閲覧権限を期限もしくは、アクティビティ毎に閲覧権限を削除することを可能とする。
【0100】
従って、システム管理者ではなく一般のユーザが電子伝票(案件)ごとに閲覧権限を追加でき、電子伝票を処理中のユーザが閲覧権限の無いユーザに電子伝票の内容を確認してもらう場合などでも、容易に閲覧権限の無いユーザに確認してもらうことが可能になる等の効果を奏する。
【0101】
以下、図13に示すメモリマップを参照して本発明に係るワークフローサーバで読み取り可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
【0102】
図13は、本発明に係るワークフローサーバで読み取り(読み出し)可能な各種データ処理プログラムを格納する記録媒体(記憶媒体)のメモリマップを説明する図である。
【0103】
なお、特に図示しないが、記録媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【0104】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、インストールするプログラムやデータが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【0105】
本実施形態における図6、図8、図9、図11に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記録媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記録媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0106】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0107】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0108】
プログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,DVD−ROM,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM,シリコンディスク等を用いることができる。
【0109】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0110】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0111】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0112】
さらに、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【符号の説明】
【0113】
101 ワークフローサーバ
102 ワークフロークライアント
103 データベースサーバ
104 各種マスタテーブル
105 管理用クライアント
301 ワークフロープログラム
302 工程進捗情報
303 業務フロー関連検索部
304 ワークフロー業務アクセス制限部
305 マスタデータベースアクセス制限期間設定部
306 ワークフロー工程アクセス制限部
309 マスタデータベース関連テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のデータベースと連携するワークフローを制御するワークフロー制御装置であって、
前記ワークフローは複数の業務フローを備え、
前記業務フローと前記複数のデータベースとのデータに関連があるか否かを記憶するデータベース関連記憶手段と
前記複数のデータベースの内、ユーザにより指定されたデータベースと関連がある業務フローを、前記データベース関連記憶手段により検索する業務フロー関連検索手段と
前記業務フロー関連検索手段により検索された業務フローの処理のアクセスを制限するワークフロー業務アクセス制限手段と、
を有することを特徴とするワークフロー制御装置。
【請求項2】
前記データベースのアクセスを制限する期間を設定するデータベースアクセス制限期間設定手段と、
前記ワークフロー業務アクセス制限手段は、前記データベースアクセス制限期間設定手段により設定された期間、前記業務フローの処理のアクセスを制限することを特徴とする請求項1に記載のワークフロー制御装置。
【請求項3】
前記ワークフロー業務アクセス制限手段により業務フローの処理のアクセスが制限される場合は、該当する業務のみをアクセス制限することを通知することを特徴とする第1の通知手段を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のワークフロー制御装置。
【請求項4】
前記データベース関連記憶手段は、前記複数のデータベースと前記業務フローの工程毎に関連があるか否かをも記憶するものであり、
前記業務フロー関連検索手段は、前記データベース関連記憶手段により、ユーザにより指定された前記複数のデータベースの内の少なくとも1つ以上のデータベースと関連がある工程を検索するものであって、
前記業務フロー関連検索手段により検索された工程毎に処理のアクセスを制限するワークフロー工程アクセス制限手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載のワークフロー制御装置。
【請求項5】
前記ワークフロー工程アクセス制限手段は、前記データベースアクセス制限期間設定手段により設定された期間、前記工程フローの処理のアクセスを制限することを特徴とする請求項4に記載のワークフロー制御装置。
【請求項6】
前記ワークフロー工程アクセス制限手段により業務フローの処理のアクセスが制限される場合は、該当する工程のみをアクセス制限することを通知することを特徴とする第2の通知手段を有することを特徴とする、請求項4又は5に記載のワークフロー制御装置。
【請求項7】
複数のデータベースと連携するワークフローを制御するワークフロー制御装置における制御方法であって、
前記ワークフローは複数の業務フローを備え、
前記業務フローと前記複数のデータベースとのデータに関連があるか否かを記憶するデータベース関連記憶手段により、前記複数のデータベースの内、ユーザにより指定されたデータベースと関連がある業務フローを検索する業務フロー関連検索方法と
前記業務フロー関連検索方法により検索された業務フローの処理のアクセスを制限するワークフロー業務アクセス制限方法と、
を有することを特徴とするワークフロー制御方法
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のワークフロー制御装置として、コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムをコンピュータ読み取り可能に記憶した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−141717(P2012−141717A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−293162(P2010−293162)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【出願人】(312000206)キヤノンMJアイティグループホールディングス株式会社 (259)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)