説明

ワークフロー管理システム、ワークフロー管理方法

【課題】各企業として正式な意思決定がなされた証跡を残しつつ、企業をまたがる業務指示の修正や変更などを円滑に行うワークフロー管理システムを提供する。
【解決手段】第1のクライアント端末は、第1の業務指示情報に対する決裁が行われたことを示す情報が入力されると、第1の業務指示情報に電子署名を付与してワークフロー管理装置に送信し、ワークフロー管理装置は、電子署名が付与された第1の業務指示情報を原本記憶装置に記憶させ、また第1の業務指示情報を複製して第2の業務指示情報を生成し、生成した第2の業務指示情報に応じて第2のクライアント端末に入力される編集情報に基づいて第2の業務指示情報を更新して記憶し、原本記憶装置は、ワークフロー管理装置から送信される第1の業務指示情報と現在時刻とに基づいてタイムスタンプ情報を生成して記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の組織間での業務活動のつながりを示す業務指示情報を管理するワークフロー管理システム、ワークフロー管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、企業などの組織において各種案件の意思決定を行うまでの一連の業務活動をワークフローとして定義し、このようなワークフローを業務指示情報として管理するワークフロー管理システムが利用されている。このようなワークフロー管理システムでは、ある業務活動とその担当部門や、その業務活動の後続となる他の業務活動とのつながりが示される業務指示情報が生成され、業務指示情報に沿って行われる業務活動の工程毎に、各工程の活動状況等の情報が入力され、記憶される。
特許文献1−3には、一般的に企業内での意思決定に利用されるワークフロー管理システムを、複数企業にまたがる業務活動に適用する技術が提案されている。ここでは、業務指示情報を企業外のサーバにて管理し、工程毎の業務指示が記載されたメールやURLを通知して、異なる企業のユーザのそれぞれに業務指示を行うものである。
【特許文献1】特開平10−320490号公報
【特許文献2】特開2002−230247号公報
【特許文献3】特開2003−114963号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、異なる組織間で利用されるワークフロー管理システムでは、例えばある企業の一連の業務活動が完了したことを示す決裁が、他の企業の業務活動が開始するきっかけとなることがある。このような場合、異なる企業間において互いの業務活動が完了し決裁されたことが証明されることが望ましい。特に、各企業の資産等に重要な意思決定を行う場合には、その意思決定がされたことについてより高い証拠性や信頼性が求められる。
【0004】
例えば、資産の流動性を高め、また資産の価値を最大化するために資産の所有、運用(経営)、管理が、それぞれを専門とする異なる企業に分離され行われることが増えており、このような専門性を持った企業もそれぞれに複数存在している。このような場合、その企業間での公的な業務指示や意思伝達には高い証拠性や信頼性が求められるため、紙媒体による意思伝達が行われることが多い。ここで、例えばその資産の現実的な管理を専門とする企業が、その資産に対し管理上必要な措置を取るためには、その資産の運用企業、所有企業からの公的な承認印が必要となり、各企業内での業務活動は一定である場合にも企業間での業務指示は非常に煩雑となる。例えば、図12に示されるように、資産の所有を専門とする企業A−1、企業A−2と、資産の運用を専門とする企業B−1、企業B−2、企業B−3、企業B−4と、資産の管理を専門とする企業C−1、企業C−2、企業C−3、企業C−4、企業C−5との企業が存在する場合、それぞれの企業間で異なる経路により意思伝達が行われる。ここでは、紙媒体を郵送やバイク便により伝達するため、意思伝達の迅速性や第三者介在による情報漏洩リスクなどが問題となる。
【0005】
一方、専門が異なる企業間にまたがる業務活動においては、企業をまたがる業務指示が発出された際に、各企業の責任において業務指示の内容の修正や変更が行われる場合がある。ここで、企業をまたがる業務指示の内容に修正や変更が行われることは、それぞれの企業の専門性を活かし資産の価値を最大化するために必要であると考えられるが、このような修正や変更が行われる場合にも、修正前の業務指示との変更点や、業務指示に不正な改ざんが行われていないことの証明が可能であることが望ましい。
【0006】
そこで、このような異なる企業間で行われる一連の業務活動にワークフロー管理システムを適用する場合、業務活動のそれぞれの工程を閲覧、承認するだけでなく、工程中の最適なタイミングで意思決定の証跡を残しつつ、かつ不正な改ざんを発見できるように業務指示情報を管理することが望ましい。本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、企業間をまたがる一連の業務活動を管理するワークフロー管理システムにおいて、各企業として正式な意思決定がなされた証跡を残しつつ、不正な改ざんの発見を可能とし、専門の異なる各企業での業務指示の修正や変更などを円滑に行うことを可能とするワークフロー管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明は、第1の組織の第1のクライアント端末および第2の組織の第2のクライアント端末とネットワークを介して接続され、それぞれの組織内において決裁が行われるまでの一連の業務活動のつながりが示される第1の組織の第1の業務指示情報および第2の組織の第2の業務指示情報が記憶される業務指示情報記憶部を備えるワークフロー管理装置と、第1の組織と第2の組織との間での業務指示を示す業務指示情報が記憶される原本記憶部を備える原本記憶装置と、を備えたワークフロー管理システムであって、第1のクライアント端末は、第1の業務指示情報に示される一連の業務活動に対する決裁が行われたことを示す情報が入力されると、第1の業務指示情報に電子署名を付与する電子署名付与部を備え、ワークフロー管理装置は、第1のクライアント端末の電子署名付与部によって電子署名が付与された第1の業務指示情報を、原本記憶装置に送信する原本送信部と、原本記憶装置に記憶された第1の業務指示情報を読み出し、読み出した第1の業務指示情報を複製して第2の業務指示情報を生成し、業務指示情報記憶部に記憶させる業務指示情報複製部と、第2の業務指示情報を第2のクライアント端末に送信し、送信した第2の業務指示情報に応じて第2のクライアント端末に入力される編集情報を受信し、業務指示情報記憶部に記憶された第2の業務指示情報を、受信した編集情報に基づいて更新して上書きする業務指示情報更新部と、を備え、原本記憶装置は、ワークフロー管理装置の原本送信部から送信される第1の業務指示情報と現在時刻とに基づいたタイムスタンプ情報を生成するタイムスタンプ生成部と、ワークフロー管理装置の原本送信部から送信される第1の業務指示情報と、タイムスタンプ生成部によって生成されるタイムスタンプ情報とを原本記憶部に記憶させる原本登録部と、を備え、第2のクライアント端末は、ワークフロー管理装置に第1の業務指示情報の読み出し要求を送信し、送信した読み出し要求に応じてワークフロー管理装置から送信される第2の業務指示情報を受信する業務指示情報受信部と、業務指示情報受信部が受信した第2の業務指示情報に対して入力される編集情報を、ワークフロー管理装置に送信する業務指示情報編集部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上述のワークフロー管理装置が、受信部が第1の業務指示情報の読み出し要求を受信すると、原本記憶装置に記憶された電子署名が付与された第1の業務指示情報を読み出し、読み出した電子署名の検証処理を行う署名検証部をさらに備え、ワークフロー管理装置の業務指示情報複製部は、署名検証部による検証処理が成功した場合、第1の業務指示情報を複製して第2の業務指示情報を生成し、一方、検証処理が失敗した場合、第2の業務指示情報を生成しないことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上述のワークフロー管理装置が、第1のクライアント端末の電子署名付与部によって電子署名が付与された第1の業務指示情報に、第2の組織に対応する業務指示情報の通番を付与する業務指示情報管理部をさらに備え、ワークフロー管理装置の原本送信部は、業務管理情報制御部によって通番が付与された第1の業務指示情報を、原本記憶装置に送信することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、第1の組織の第1のクライアント端末および第2の組織の第2のクライアント端末とネットワークを介して接続され、それぞれの組織内において決裁が行われるまでの一連の業務活動のつながりが示される第1の組織の第1の業務指示情報および第2の組織の第2の業務指示情報が記憶される業務指示情報記憶部を備えるワークフロー管理装置と、第1の組織と第2の組織との間での業務指示を示す業務指示情報が記憶される原本記憶部を備える原本記憶装置と、を備えたワークフロー管理システムの、第1のクライアント端末が、第1の業務指示情報に示される一連の業務活動に対する決裁が行われたことを示す情報が入力されると、第1の業務指示情報に電子署名を付与するステップと、ワークフロー管理装置が、電子署名が付与された第1の業務指示情報を、原本記憶装置に送信するステップと、原本記憶装置に記憶された第1の業務指示情報を読み出し、読み出した第1の業務指示情報を複製して第2の業務指示情報を生成し、業務指示情報記憶部に記憶させるステップと、生成した第2の業務指示情報を第2のクライアント端末に送信し、送信した第2の業務指示情報に応じて第2のクライアント端末に入力される編集情報を受信し、業務指示情報記憶部に記憶された第2の業務指示情報を、受信した編集情報に基づいて更新して上書きするステップと、原本記憶装置が、ワークフロー管理装置から送信される第1の業務指示情報と現在時刻とに基づいたタイムスタンプ情報を生成するステップと、ワークフロー管理装置から送信される第1の業務指示情報と、生成したタイムスタンプ情報とを原本記憶部に記憶させるステップと、第2のクライアント端末が、ワークフロー管理装置に第1の業務指示情報の読み出し要求を送信し、送信した読み出し要求に応じてワークフロー管理装置から送信される第2の業務指示情報を受信するステップと、受信した第2の業務指示情報に対して入力される編集情報を、ワークフロー管理装置に送信するステップと、を備えることを特徴とするワークフロー管理方法である。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本発明によれば、第1のクライアント端末は、第1の業務指示情報に示される一連の業務活動に対する決裁が行われたことを示す情報が入力されると、第1の業務指示情報に電子署名を付与してワークフロー管理装置に送信し、ワークフロー管理装置は、電子署名が付与された第1の業務指示情報を原本記憶装置に記憶させ、また第1の業務指示情報を複製して第2の業務指示情報を生成し、生成した第2の業務指示情報を第2のクライアント端末に送信し、送信した第2の業務指示情報に応じて第2のクライアント端末に入力される編集情報に基づいて第2の業務指示情報を更新して記憶し、原本記憶装置は、ワークフロー管理装置から送信される第1の業務指示情報と現在時刻とに基づいてタイムスタンプ情報を生成して記憶するようにしたので、第1の組織で決裁が行われた第1の業務指示情報に電子署名を付与し、さらにタイムスタンプ情報を付与して記憶しつつ、第2の組織の第2のクライアント端末から第1の業務指示情報に対する編集情報の入力を受付けて第2の業務情報を生成することが可能となる。これにより、組織にて正式な決裁、意思決定がなされた証跡を電子署名として残しつつ、第1の組織で決裁された第1の業務指示情報に応じて第2の組織の第2の業務指示情報を生成する際には、第2のクライアント端末に入力される編集情報により第2の業務指示情報を編集するため、専門の異なる各企業での業務指示の修正や変更などを円滑に行うことが可能となる。また、ワークフロー管理装置は、第2のクライアント端末から送信される第1の業務指示情報の読み出し要求を受信すると、第1の業務指示情報の電子署名の検証処理を行い、検証処理が失敗した場合には第2の業務指示情報を生成しないようにしたので、業務指示情報に対する不正な改ざんを発見することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態によるワークフロー管理システム1の接続概要を示す図である。本実施形態によるワークフロー管理システム1では、複数の異なる企業をまたぐ一連の業務活動を管理するワークフロー管理装置100が、ネットワークを介して各企業に設置されるクライアント端末に接続される。ここでは、資産の所有を専門とする企業A−1、企業A−2と、資産の運用を専門とする企業B−1、企業B−2、企業B−3、企業B−4と、資産の管理を専門とする企業C−1、企業C−2、企業C−3、企業C−4、企業C−5とのそれぞれに設置されるクライアント端末が、ワークフロー管理装置100に接続される。ワークフロー管理装置100は、各企業間にまたがる業務指示が発出される場合、その業務指示情報の原本を、原本記憶装置200に記憶させる。このように、本実施形態においては、専門性と役割分担の異なる複数企業間で業務指示を行う場合に、図12に示したような従来の経路に比べて単純化された経路での意思伝達を行うことが可能である。
【0013】
図2は、本実施形態におけるワークフロー管理システム1により業務指示情報が決裁(最終稟議)される様子を示す概念図である。例えば、業務指示情報は、資産の現実的な管理を行う企業Cの発意により生成される。企業Cは、資産の現状に合わせて特定の措置を行う必要があると判断すると、その措置を行うことを稟議内容とする業務指示情報をワークフロー管理装置100に登録し、企業C内での稟議が行われる(ステップS10)。ここで稟議とは、各工程の担当者間または企業間で、業務指示に対する確認を行うことを示す。企業C内での決裁が行われると、資産の運用を行う企業Bに業務指示情報が発出される(ステップS11)。この際、企業をまたがる業務指示情報は、原本記憶装置200に記憶され保管される(ステップS12)。同様に、企業B内における稟議の各工程が完了し決裁されると(ステップS13)、ワークフロー管理装置100は企業Aのための業務指示情報を生成する(ステップS14)。この際にも、企業をまたがる業務指示情報は、原本記憶装置200に記憶され保管される(ステップS15)。企業Aは、企業Bから発出された業務指示情報に基づいて稟議を行う(ステップS16)。
【0014】
図3は、本実施形態によるワークフロー管理システム1の構成を示すブロック図である。ワークフロー管理システム1は、ワークフロー管理装置100と、原本記憶装置200と、企業Cに設置される複数のクライアント端末300C(クライアント端末300C−1、クライアント端末300C−2、クライアント端末300C−3、・・・)と、企業Bに設置される複数のクライアント端末300B(クライアント端末300B−1、クライアント端末300B−2、クライアント端末300B−3、・・・)とのコンピュータ装置を備えている。ここで、各企業にそれぞれ複数設置されるクライアント端末300C、クライアント端末300Bは、同様の構成であり、インターネットブラウザ機能を備えた一般的なPC(Personal Computer)を適用できるため、個別に説明をする必要がない場合にはクライアント端末300と表記して説明する。図3には企業Cと企業Bとのクライアント端末300を示し説明するが、他の企業(例えば、企業A)に設置されるクライアント端末300が同様に接続されて良い。
【0015】
ワークフロー管理装置100は、各企業における一連の稟議、業務活動を示す業務指示情報を管理するコンピュータ装置であり、業務指示情報記憶部101と、資産情報記憶部102と、企業情報記憶部103と、稟議ルート記憶部104と、ユーザ情報記憶部105と、業務指示情報更新部106と、業務指示情報複製部107と、業務指示情報管理部108と、業務活動通知部109と、ユーザ認証部110と、通信部111と、原本送信部112と、署名検証部113とを備えている。
【0016】
業務指示情報記憶部101には、企業における一連の業務活動を示す業務指示情報が記憶される。図4は、業務指示情報記憶部101に記憶される業務指示情報のデータ例を示す図である。業務指示情報には、「企業種別」、「業務指示情報ID」、「業務指示情報ID枝番」、「企業毎業務指示情報通番」、「資産ID」、「稟議パターンID」、「作成ユーザID」、「作成企業ID」、「ステータス情報」、「稟議内容」、「作成日時」、「編集日時」、「署名情報」、「相手企業ID」などの情報が含まれる。
【0017】
業務指示情報に含まれる情報のうち、「企業種別」は、専門性によって分離された企業の役割を示す情報であり、例えば、資産に対する「所有」、「運用」、「管理」などの区分を示す情報である。「業務指示情報ID」は、業務指示情報記憶部101に記憶された業務指示情報を識別する情報である。「業務指示情報ID枝番」は、業務指示情報IDに応じた枝番号であり、例えば、業務指示情報が企業内にて決裁され完了し他の企業に発出された後に差し戻され、新たな業務指示情報が生成される場合に増加して付与される番号である。
【0018】
「企業毎業務指示情報通番」は、企業毎の業務指示情報に付与される通番であり、企業毎の業務指示情報に増加して付与される番号である。「資産ID」は、業務指示の対象となる資産を識別する情報である。「稟議パターンID」は、業務指示による一連の業務活動の稟議ルートについて予め定められたパターンを識別する情報である。「作成ユーザID」は、業務指示情報の作成命令を入力したユーザを識別する情報である。「作成企業ID」は、作成ユーザの属する企業を識別する情報である。「ステータス情報」は、業務指示情報に示される一連の業務活動のうち、いずれの工程の業務活動までが終了しているかを示す情報である。「業務指示情報」は、一連の業務活動の業務指示を示す情報である。「作成日時」は、業務指示情報が作成された日時を示す情報である。「編集日時」は、業務指示情報が作成された後に編集され更新された日時を示す情報である。「署名情報」は、業務指示情報に基づいて生成された電子署名である。「相手企業ID」は、企業内での業務指示情報の決裁が完了した後の発出先の企業を識別する情報である。
【0019】
図3に戻り、資産情報記憶部102には、業務指示の対象となる資産の情報が記憶される。図5は、資産情報記憶部102に記憶される資産情報のデータ例を示す図である。資産情報には、「資産ID」、「資産名」、「関連企業ID」、「関連企業ID2」、・・・などの情報が含まれる。「資産ID」は、ワークフロー管理装置100に記憶される業務指示の対象となる資産を識別する情報である。「資産名」は、資産IDにより識別される資産の名称を示す。「関連企業ID」は、対応する案件に関連する企業を示す情報であり、同一の案件に対して企業種別の異なる他の企業を識別する情報である。「関連企業ID2」は、上述の「関連企業ID」によって識別される企業とは異なる他の企業が関連している場合に、その企業を識別する情報である。その他、関連する企業が複数ある場合には、「関連企業ID3」、「関連企業ID4」、・・・などの情報が対応付けられるようにしても良い。
【0020】
図3に戻り、企業情報記憶部103には、業務指示の活動主体となる企業の情報が記憶される。図6は、企業情報記憶部103に記憶される企業情報のデータ例を示す図である。企業情報には、「企業ID」、「企業名」、「企業種別」などの情報が含まれる。「企業ID」は、業務活動を行う企業を識別する情報である。「企業名」は、対応する企業の名称である。「企業種別」は、対応する企業の企業種別である。
【0021】
図3に戻り、稟議ルート記憶部104には、業務指示情報に応じて定められた一連の業務活動の工程毎の担当者を示す稟議パターンが記憶される。図7は、稟議ルート記憶部104に記憶されるデータ例を示す図である。稟議ルートには、「企業ID」、「稟議パターンID」、「作成者(正)」、「作成者(副)」、「確認者(正)」、「確認者(副)」、・・・、「最終稟議責任者(正)」、「最終稟議責任者(副)」などの情報が含まれる。
【0022】
「企業ID」は、対応する稟議パターンが適用される企業を識別する情報である。「稟議パターンID」は、稟議パターンを識別する情報である。「作成者(正)」は、業務指示情報をワークフロー管理装置100に入力したユーザを識別する情報である。「作成者(副)」は、作成者(正)に示されるユーザが不在である場合などのために、予備的に定められる作成者である。このように、業務活動の工程ごとに正、副の担当者を指定しておけば、担当者の不在によるワークフローの遅滞を防ぐことができる。「確認者(正)」は、業務指示に対応する各工程の確認、承認を行うユーザを識別する情報である。「確認者(副)」は、「確認者(正)」に対して予備的に定められる確認者である。ここで、業務指示に対して複数の確認工程が存在する場合には、複数工程毎に「確認者(正)」と「確認者(副)」とを対応付けるようにして良い。「最終稟議責任者(正)」は、一連の業務活動の決裁(最終稟議)を行うユーザIDを示す情報である。「最終稟議責任者(副)」は、「最終稟議責任者(正)」に対して予備的に定められる最終稟議責任者である。
【0023】
図3に戻り、ユーザ情報記憶部105には、ワークフロー管理装置100を利用する予め定められたユーザ情報が記憶される。図8は、ユーザ情報記憶部105に記憶されるユーザ情報のデータ例を示す図である。ユーザ情報には、「ユーザID」、「企業ID」、「氏名」、「ユーザパスワード」、「メールアドレス」、「権限」などの情報が含まれる。「ユーザID」は、ワークフロー管理装置100に提供されるサービスにログイン可能なユーザを識別する情報である。「企業ID」は、対応するユーザが所属する企業を識別する情報である。「氏名」は、対応するユーザの氏名である。「ユーザパスワード」は、対応するユーザがログインする際に、ユーザ認証を行うための情報である。「メールアドレス」は、対応するユーザに情報を通知する際の電子メールの宛先となる情報である。「権限」は、対応するユーザが行うことができる処理に対応する権限を表す情報である。たとえば、権限の種別には、業務指示情報の「作成」、「承認」、「署名付与」、「発出」、「発出受入れ」などが存在する。
【0024】
図3に戻り、業務指示情報更新部106は、クライアント端末300からの要求に応じて、業務指示情報記憶部101に記憶された業務指示情報についてクライアント端末300に入力される編集情報を受信し、業務指示情報記憶部101に記憶された業務指示情報を、受信した編集情報に基づいて更新して記憶させる。ここで、ユーザに入力される編集情報とは、例えば、業務指示情報に含まれる稟議内容に対する編集を示す情報や、稟議ルートの変更を示す情報などが考えられる。
【0025】
業務指示情報複製部107は、決裁が完了して原本記憶装置200に記憶された業務指示情報の原本を読み出し、読み出した業務指示情報を複製して、その業務活動の後工程となる企業に対する業務指示を示す業務指示情報を生成して、業務指示情報記憶部に記憶させる。ここで、業務指示情報複製部107は、後述する署名検証部113による検証処理が成功した場合、業務指示情報を複製して後工程の業務指示情報を生成し、一方、検証処理が失敗した場合、第2の業務指示情報を生成しない。
【0026】
業務指示情報管理部108は、業務指示情報記憶部101に記憶される業務指示情報の生成、更新などの処理を行う。例えば、業務指示情報管理部108は、クライアント端末300から送信される操作情報に応じて、資産情報記憶部102、企業情報記憶部103、稟議ルート記憶部104に記憶された情報に基づいて業務指示情報を生成し、業務指示情報記憶部101に記憶させる。また、業務指示情報管理部108は、業務指示情報に示される工程毎に、クライアント端末300から承認を示す情報が送信されると、送信された情報に応じて業務指示情報記憶部101に記憶された業務指示情報のステータスや稟議内容を更新して記憶させる。
【0027】
業務活動通知部109は、クライアント端末300から、業務活動の工程毎の承認が行われたことを示す更新情報に応じて業務指示情報記憶部101に記憶された業務指示情報のステータスが変更すると、業務活動の次工程の担当者に、業務活動の確認を依頼する旨を通知する。例えば、業務活動通知部109は、次工程の担当者のメールアドレスをユーザ情報記憶部105から読み出し、読み出したメールアドレス宛に業務活動の確認を依頼する旨を記載した電子メールを送信する。
【0028】
ユーザ認証部110は、クライアント端末300から送信されるアクセス要求に応じてユーザ認証を行う。例えば、ユーザは、定められたユーザIDと、ユーザIDに対応するパスワードとをクライアント端末300に入力する。ユーザ認証部110は、クライアント端末300に入力されたユーザIDとパスワードとの組み合わせと一致する組み合わせの情報がユーザ情報記憶部105に記憶されていれば、ユーザ認証が成功したと判定し、ユーザのログインを許可する。一方、ユーザ認証部110は、クライアント端末300に入力されたユーザIDとパスワードとの組み合わせと一致する組み合わせの情報がユーザ情報記憶部105に記憶されていなければ、ユーザ認証が失敗したと判定し、ユーザのログインを許可しない。
【0029】
通信部111は、ネットワークを介してクライアント端末300との通信を行う。
原本送信部112は、企業内での業務活動が完了して決裁された後、クライアント端末300から発出要求を受信すると、業務指示情報記憶部101に記憶された決裁済みの業務指示情報の原本を、原本記憶装置200に送信する。ここで、業務指示情報の原本には、業務指示情報と、業務指示情報に対してクライアント端末300に付与された電子署名と、次工程を担当する企業における業務指示情報の企業毎業務指示情報通番とが含まれる。
【0030】
署名検証部113は、業務指示情報複製部107からの要求に応じて、業務指示情報複製部107が原本記憶部201から読み出した業務指示情報の原本に含まれる電子署名の検証を行う。検証は、例えば、業務指示情報と予め定められた電子署名アルゴリズムに基づいてハッシュ値を算出し、算出したハッシュ値と、業務指示情報の原本に含まれる電子署名の値とが一致するか否かを判定することにより行う。ここでは、ハッシュ値と電子署名の値とが一致すれば成功と判定し、一致しなければ失敗と判定する。
【0031】
原本記憶装置200は、複数企業間にまたがる業務指示情報が記憶されるコンピュータ装置であり、タイムスタンプ生成部201と、原本登録部202と、原本記憶部203とを備えている。
タイムスタンプ生成部201は、原本登録部202からの要求に応じて、決裁が完了した業務指示情報に対してタイムスタンプ情報を付与する。ここで、タイムスタンプ情報は、例えば、公開鍵暗号基盤(PKI)に基づいて、タイムスタンプ付与処理の処理対象となる業務指示情報と、タイムスタンプ付与処理を行う時点での時刻情報とに基づいて生成されるハッシュ値である。本実施形態では、原本記憶装置200がタイムスタンプ生成部201を備えることとして説明するが、外部の公的な時刻認証局(TSA)を利用してタイムスタンプを付与するようにしても良い。この場合、例えば、原本記憶装置200が、外部の時刻認証局のサーバに対して業務指示情報のハッシュ値を送信し、時刻認証局のサーバから、送信したハッシュ値に基づいて生成されたタイムスタンプを受信する構成とすることができる。
原本登録部202は、原本送信部112から業務指示情報が送信されると、タイムスタンプ生成部201によってタイムスタンプを付与し、原本記憶部203に記憶させる。
【0032】
原本記憶部203には、複数企業間にまたがる業務指示情報の原本情報が記憶される。図9は、原本記憶部203に記憶される原本のデータ例を示す情報である。原本情報には、「業務指示情報ID」、「業務指示情報ID枝番」、「企業毎業務指示情報通番」、「資産ID」、「稟議パターンID」、「作成ユーザID」、「作成企業ID」、「稟議内容」、「電子署名情報」、「登録日」、「タイムスタンプ」などが含まれる。これらのうち、上述の業務指示情報記憶部101に記憶される業務指示情報に含まれる項目と同様の項目は、同様の情報内容である。「登録日」は、原本情報が原本記憶装置200に記憶された日時を示す情報である。「タイムスタンプ」は、例えばXML(Extensible Markup Language)形式で表される業務指示情報に対して、タイムスタンプ生成部201によって付与されたタイムスタンプ情報である。図10は、原本記憶部203に記憶される原本情報の概念を示す図である。図10に示されるように、原本情報には、XML形式で表される業務指示情報と、その業務活動情報に基づいて生成された電子署名と、業務指示情報に対して付与された通番との情報が含まれる。
【0033】
図3に戻り、企業Cに設置される複数のクライアント端末300C(クライアント端末300C−1、クライアント端末300C−2、クライアント端末300C−3)は、企業Cのユーザによって利用されるコンピュータ端末である。クライアント端末300は、具体的には、PC(パーソナルコンピュータ)、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話端末などの、入力部、出力部、制御部、演算部、記憶部を備えたコンピュータ機器が想定される。クライアント端末300Cは、インターネットブラウザ機能を備えており、ユーザから入力される操作情報に応じてワークフロー管理装置100の通信部111と通信を行い、業務指示情報の生成要求や更新要求、編集要求を行う。特に、企業Cにおける業務活動の最終稟議責任者であるユーザが利用するクライアント端末300C−1は、電子署名付与部301を備えている。電子署名付与部301は、最終稟議責任者が担当する工程が承認されたことを示す情報が入力されると、通信部111を介して業務指示情報記憶部101に記憶された業務指示情報を読み出し、読み出した業務指示情報に電子署名を付与して、ワークフロー管理装置100に送信する。ここで、電子署名は、例えば公開鍵暗号基盤に基づく電子署名が適用できる。
【0034】
企業Bに設置される複数のクライアント端末300B(クライアント端末300B−1、クライアント端末300B−2、クライアント端末300B−3)は、クライアント端末300Cと同様の構成である。ここで、企業Bにおける業務活動の最初の担当者となるユーザに利用されるクライアント端末300B−1は、業務指示情報通信部302B−1と、業務指示情報編集部303B−1とを備えている。業務指示情報通信部302B−1は、ワークフロー管理装置100の通信部111と通信を行って、業務指示情報記憶部101に記憶された業務指示情報を読み出す。業務指示情報編集部303B−1は、業務指示情報通信部302B−1が読み出した業務指示情報に対してユーザから入力される編集情報を受付け、入力された編集情報をワークフロー管理装置100に送信する。
【0035】
次に、図11を参照して、本実施形態によるワークフロー管理システム1の動作例を説明する。まず、前提として、ワークフロー管理装置100の資産情報記憶部102、企業情報記憶部103、稟議ルート記憶部104、ユーザ情報記憶部105にはそれぞれ情報が記憶されていることとする。
【0036】
まず、例えば資産の管理を担当する企業Cに設置されるクライアント端末300C−3が、ユーザからの入力に応じて、ユーザIDとパスワードとが含まれるアクセス要求をワークフロー管理装置100に送信する。ワークフロー管理装置100のユーザ認証部110は、ユーザからのアクセス要求に応じてユーザ認証を行い、ユーザ認証が成功すると、ユーザのログインを許可する。
【0037】
ワークフロー管理装置100の業務指示情報管理部108は、ユーザ認証部110によるユーザ認証処理が成功すると、ユーザ認証が成功したユーザに対応する企業ID、ユーザIDに応じて、そのユーザが担当者となる業務指示情報や、そのユーザの属する企業が関連する資産情報などを業務指示情報記憶部101や資産情報記憶部102などから読み出し、クライアント端末300C−3に送信する。クライアント端末300C−3には、ユーザ認証が成功したユーザに対応する業務指示情報や資産情報のみが送信され、表示される。ここで、クライアント端末300C−1に送信する資産情報などは、ユーザ毎に付与される権限などに応じて制御するようにしても良い。
【0038】
ここで、クライアント端末300C−3によってユーザ認証が成功したユーザは、業務指示情報を生成する権限を有しているものとする。クライアント端末300C−3は、業務指示情報の入力を受付ける。例えば、クライアント端末300C−3は、業務指示によって異なるデータ項目の種類や、稟議内容、C社内の稟議ルートを示す稟議パターンや各工程の確認者などの入力を受付ける(ステップS1)。ワークフロー管理装置100の通信部111は、ネットワークを介してクライアント端末300C−3から送信される業務指示情報を受信すると、業務指示情報管理部108は、業務指示情報を生成して、業務指示情報記憶部101に記憶させる。この際、業務指示情報管理部108は、業務指示情報に新たな業務指示情報IDや業務指示文書ID枝番を付与した業務指示情報を業務指示情報記憶部101に記憶させる。
【0039】
ステップS1で生成されワークフロー管理装置100に記憶された業務指示情報に基づいて、企業C内での稟議が行われる(ステップS2)。ここでは、業務指示情報に示される稟議ルートに沿って、順次、各工程の担当者によって各工程の確認、承認、編集、差し戻し等の指示が行われる。具体的には、例えば、ある業務指示情報に対する確認権限を有するユーザが確認を行った旨を示す情報をクライアント端末300に入力されると、ワークフロー管理装置100は、その業務指示情報のステータス情報を更新する。この際、業務活動通知部109が、ステータスの更新された業務指示情報の稟議ルートから次に確認すべき担当者を決定し、ユーザ情報記憶部105から次工程の担当者のメールアドレス等を読み出し、業務指示の確認を行う旨の通知を送信する。このように、ワークフロー管理装置100の業務指示情報記憶部101に記憶された業務指示情報が更新されて記憶される。そして、業務指示情報に示された確認者による全ての確認が完了し、最終稟議確認者からの入力に応じてクライアント端末300C−1がワークフロー管理システム1にログインすると、最終稟議者が確認を行う最終稟議情報がクライアント端末300C−1に送信され、表示される。クライアント端末300C−1に、最終稟議者によって決裁を示す情報が入力されると、クライアント端末300C−1は、ワークフロー管理装置100に記憶された業務指示情報を読み出し、電子署名付与部301Cによって電子署名を付与してワークフロー管理装置100に送信する(ステップS3)。ワークフロー管理装置100の業務指示情報管理部108は、ワークフロー管理装置100から送信される電子署名が付与された電子署名を、通信部111を介して受信し、業務指示情報記憶部101に記憶させる。この時点で、電子署名された業務指示情報のステータスは「発出待ち」となる。
【0040】
そして、企業Cの担当者からの操作情報の入力に応じて、クライアント端末300Cは、決裁済みの業務指示情報の発出要求をワークフロー管理装置100に送信する(ステップS4)。ワークフロー管理装置100の通信部111が、クライアント端末300Cから送信される発出要求を受信すると、業務指示情報管理部108は、発出要求に対応する電子署名済みの業務指示情報の次工程となる企業Bにおける企業毎業務指示情報通番を付与し、業務指示情報記憶部101に記憶させる。そして、ワークフロー管理装置100の原本送信部112は、資産情報記憶部101に記憶された発出要求に対応する業務指示情報を、原本記憶装置200に送信する。原本記憶装置200の原本登録部202は、ワークフロー管理装置100の原本送信部112から送信される業務指示情報に、タイムスタンプ生成部201によってタイムスタンプを付与した後、電子署名が付与された業務指示情報を、生成したタイムスタンプとともに原本記憶部203に記憶させる(ステップS150)。
【0041】
そして、発出された業務指示情報の後工程となる企業Bに設置されたクライアント端末300B−2に、例えば発出受け入れ権限を有するユーザがログインすると、ワークフロー管理装置100は、ログインしたユーザに応じた業務指示情報の原本を原本記憶装置200から読み出す。そして、署名検証部113が、業務指示情報に付与された電子署名およびタイムスタンプの検証を行い。検証が成功した場合は、ワークフロー管理装置100の業務指示情報複製部107は、業務指示情報を複製して業務指示情報記憶部101に記憶させる(ステップS151)。
【0042】
クライアント端末300B−2には、複製された業務指示情報が送信され、表示される。クライアント端末300B−2は、ユーザから入力される編集情報を受付ける。また、クライアント端末300B−2は、ユーザから業務指示情報の発出が確認されたことを示す情報の入力を受付けると、ワークフロー管理装置100に送信する(ステップS152)。以降、ステップS6〜ステップS9の処理は、ステップS1〜ステップS4の処理と同様である。企業Bにおける最終稟議が完了した後は、例えば企業Aを後工程とする業務指示を発出して同様の処理を行うようにしても良いし、他に関連企業がない場合には、決裁を完了するようにしても良い。
【0043】
なお、各工程において担当者が稟議内容を確認する際、前工程までの稟議内容に不備がある場合には、前工程の担当者に差し戻し処理を行うようにしても良い。また、ステップS4やステップS5において電子署名の検証処理が失敗した場合や、ステップS5においてタイムスタンプを検証することにより業務指示情報の改ざんが発見された場合にも、差し戻し処理を行うようにしても良い。企業をまたぐ業務指示についても、このような差し戻し処理を行うことができるようにして良い。
【0044】
また、前工程の担当者が確認を行い、後工程にステータスが移行した後、前工程の担当者が、自身の確認に不備を発見した場合には、後工程に移行した業務指示を自身の工程に引き戻す処理を行うようにしても良い。
また、ワークフロー管理装置100は、ステップS4にて発出要求が行われた際、署名検証処理を実行し、検証が失敗すれば、発出を行わないようにしても良い。
【0045】
以上説明したように、本発明によれば、企業間をまたがる業務指示が行われる場合には、企業から発出された業務指示情報の原本を、電子署名を付与して原本記憶装置200に記憶させるようにしたので、電子署名を検証することで、原本記憶装置200に記憶された業務指示情報の電子署名の証明期間が切れていたり、業務指示情報が不正に改ざんされていたりすることを発見することができる。また、電子署名が成功した場合には、企業間をまたいだ業務指示が行われたことを証明することができる。
【0046】
なお、本発明における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより業務指示情報の管理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0047】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施形態によるワークフロー管理システムの概念を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態によるワークフロー管理システムの動作概要を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態によるワークフロー管理システムの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態による業務指示情報のデータ例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態による資産情報のデータ例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態による企業情報のデータ例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態による稟議ルートのデータ例を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態によるユーザ情報のデータ例を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態による原本情報のデータ例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態による原本情報のデータ例を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態によるワークフロー管理システムの動作例を示す図である。
【図12】紙媒体により企業をまたいだ意思伝達を行う概念を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
1 ワークフロー管理システム
100 ワークフロー管理装置
101 業務指示情報記憶部
102 資産情報記憶部
103 企業情報記憶部
104 稟議ルート記憶部
105 ユーザ情報記憶部
106 業務指示情報更新部
107 業務指示情報複製部
108 業務指示情報管理部
109 業務活動通知部
110 ユーザ認証部
111 通信部
112 原本送信部
113 署名検証部
200 原本記憶装置
201 タイムスタンプ生成部
202 原本登録部
203 原本記憶部
300 クライアント端末
301 電子署名付与部
302 業務指示情報通信部
303 業務指示情報編集部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の組織の第1のクライアント端末および第2の組織の第2のクライアント端末とネットワークを介して接続され、前記それぞれの組織内において決裁が行われるまでの一連の業務活動のつながりが示される前記第1の組織の第1の業務指示情報および前記第2の組織の第2の業務指示情報が記憶される業務指示情報記憶部を備えるワークフロー管理装置と、前記第1の組織と前記第2の組織との間での業務指示を示す業務指示情報が記憶される原本記憶部を備える原本記憶装置と、を備えたワークフロー管理システムであって、
前記第1のクライアント端末は、
前記第1の業務指示情報に示される一連の業務活動に対する決裁が行われたことを示す情報が入力されると、前記第1の業務指示情報に電子署名を付与する電子署名付与部を備え、
前記ワークフロー管理装置は、
前記第1のクライアント端末の前記電子署名付与部によって電子署名が付与された前記第1の業務指示情報を、前記原本記憶装置に送信する原本送信部と、
前記原本記憶装置に記憶された前記第1の業務指示情報を読み出し、読み出した前記第1の業務指示情報を複製して第2の業務指示情報を生成し、前記業務指示情報記憶部に記憶させる業務指示情報複製部と、
前記第2の業務指示情報を前記第2のクライアント端末に送信し、送信した前記第2の業務指示情報に応じて前記第2のクライアント端末に入力される編集情報を受信し、前記業務指示情報記憶部に記憶された前記第2の業務指示情報を、前記受信した編集情報に基づいて更新して上書きする業務指示情報更新部と、
を備え、
前記原本記憶装置は、
前記ワークフロー管理装置の前記原本送信部から送信される前記第1の業務指示情報と現在時刻とに基づいたタイムスタンプ情報を生成するタイムスタンプ生成部と、
前記ワークフロー管理装置の前記原本送信部から送信される前記第1の業務指示情報と、前記タイムスタンプ生成部によって生成される前記タイムスタンプ情報とを前記原本記憶部に記憶させる原本登録部と、を備え、
前記第2のクライアント端末は、
前記ワークフロー管理装置に前記第1の業務指示情報の読み出し要求を送信し、送信した読み出し要求に応じて前記ワークフロー管理装置から送信される前記第2の業務指示情報を受信する業務指示情報受信部と、
前記業務指示情報受信部が受信した前記第2の業務指示情報に対して入力される前記編集情報を、前記ワークフロー管理装置に送信する業務指示情報編集部と、を備える
ことを特徴とするワークフロー管理システム。
【請求項2】
前記ワークフロー管理装置は、
前記受信部が前記第1の業務指示情報の読み出し要求を受信すると、前記原本記憶装置に記憶された前記電子署名が付与された前記第1の業務指示情報を読み出し、読み出した前記電子署名の検証処理を行う署名検証部をさらに備え、
前記ワークフロー管理装置の前記業務指示情報複製部は、前記署名検証部による前記検証処理が成功した場合、前記第1の業務指示情報を複製して第2の業務指示情報を生成し、一方、前記検証処理が失敗した場合、第2の業務指示情報を生成しない
ことを特徴とする請求項1に記載のワークフロー管理システム。
【請求項3】
前記ワークフロー管理装置は、
前記前記第1のクライアント端末の前記電子署名付与部によって電子署名が付与された前記第1の業務指示情報に、前記第2の組織に対応する業務指示情報の通番を付与する業務指示情報管理部をさらに備え、
前記ワークフロー管理装置の前記原本送信部は、
前記業務管理情報制御部によって通番が付与された前記第1の業務指示情報を、前記原本記憶装置に送信する
ことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のワークフロー管理システム。
【請求項4】
第1の組織の第1のクライアント端末および第2の組織の第2のクライアント端末とネットワークを介して接続され、前記それぞれの組織内において決裁が行われるまでの一連の業務活動のつながりが示される前記第1の組織の第1の業務指示情報および前記第2の組織の第2の業務指示情報が記憶される業務指示情報記憶部を備えるワークフロー管理装置と、前記第1の組織と前記第2の組織との間での業務指示を示す業務指示情報が記憶される原本記憶部を備える原本記憶装置と、を備えたワークフロー管理システムの、
前記第1のクライアント端末が、
前記第1の業務指示情報に示される一連の業務活動に対する決裁が行われたことを示す情報が入力されると、前記第1の業務指示情報に電子署名を付与するステップと、
前記ワークフロー管理装置が、
前記電子署名が付与された前記第1の業務指示情報を、前記原本記憶装置に送信するステップと、
前記原本記憶装置に記憶された前記第1の業務指示情報を読み出し、読み出した前記第1の業務指示情報を複製して第2の業務指示情報を生成し、前記業務指示情報記憶部に記憶させるステップと、
生成した前記第2の業務指示情報を前記第2のクライアント端末に送信し、送信した前記第2の業務指示情報に応じて前記第2のクライアント端末に入力される編集情報を受信し、前記業務指示情報記憶部に記憶された前記第2の業務指示情報を、前記受信した編集情報に基づいて更新して上書きするステップと、
前記原本記憶装置が、
前記ワークフロー管理装置から送信される前記第1の業務指示情報と現在時刻とに基づいたタイムスタンプ情報を生成するステップと、
前記ワークフロー管理装置から送信される前記第1の業務指示情報と、生成した前記タイムスタンプ情報とを前記原本記憶部に記憶させるステップと、
前記第2のクライアント端末が、
前記ワークフロー管理装置に前記第1の業務指示情報の読み出し要求を送信し、送信した読み出し要求に応じて前記ワークフロー管理装置から送信される前記第2の業務指示情報を受信するステップと、
受信した前記第2の業務指示情報に対して入力される前記編集情報を、前記ワークフロー管理装置に送信するステップと、
を備えることを特徴とするワークフロー管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−129065(P2010−129065A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−306843(P2008−306843)
【出願日】平成20年12月1日(2008.12.1)
【出願人】(000102728)株式会社エヌ・ティ・ティ・データ (438)
【出願人】(593230202)株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・セキスイシステムズ (9)